今回は10月電撃文庫・PASH!文庫・PASH!ブックス・SQEXノベル・DREノベルスの新刊感想まとめです。内訳は電撃文庫の続刊が5点、新作が1点、PASH!文庫の新作が1点、PASH!ブックスの新作1点、SQEXノベルの続巻が1点、DREノベルスの新作1点の計10点になります。気になる作品があったらこの機会に是非読んでみて下さい。
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この青春にはウラがある!2 (電撃文庫)
毎年夏休みには体育祭実行委員・教職員を交え、体育祭の予行演習をする鳳明高校生徒会。順調に準備を進める生徒会メンバーたちの前に、クラスのアイドル榛七ルミが現れる第二弾。体育祭の後にハチマキを交換した男女は結ばれるという鳳明高校のジンクス。夏彦と体育祭の後で会う約束をするルミと、その一部始終を物陰から見ていた幼馴染のひより。天然すぎる唯先輩のポンコツバレを防ぎながら、龍山先輩を絡めたエピソードだったり、夏彦とひよりの関係性や意外な一面も明らかになっていきましたけど、相変わらずの暴力系ヒロインっぷりを見せながら、何だかんだで夏彦を頼りにしているひよりが最後に見せてくれた策士っぷりがなかなか効いていました。
ソード・オブ・スタリオン2 (電撃文庫)
ソード・オブ・スタリオン2 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる
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三雲 岳斗/マニャ子 KADOKAWA 2023年10月06日
シュラムランド同盟会議の開催が迫る中、皇太子アリオールに扮したフィアールカは、皇国の暗殺者に狙われているシャルギア王女ティシナを保護するため、ラスとともにシャルギア王国を訪れる第二弾。未来の記憶を持ち不可解な行動でラスたちを翻弄する王女ティシナ。一方、同盟会議に反発し、王都で不穏な動きを始めるレギスタン帝国の放った工作員たち。使い勝手のいい新キャラとして登場したヴァルデマールや可憐なヒロインたちが物語に彩りを添えなげら、掴みどころのないティシナの真意や蠢動する帝国の工作員と対峙する構図でしたけど、その結末に至るまでの展開は流石の安定感でしたね。彼らがこれから未来をどう変えてゆくのか続刊に期待。
ストライク・ザ・ブラッド APPEND4 (電撃文庫)
ストライク・ザ・ブラッド APPEND4(26)
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三雲 岳斗/マニャ子 KADOKAWA 2023年10月06日
ストライク・ザ・ブラッドのDVD購入者向け特典の番外編や、イベント向け冊子、書店向け掌編に書き下ろし短編を加えた十七篇を文庫向けに加筆した番外編第四弾。幽霊が出没するという地下水路の調査に向かった古城と雪菜が迷いこんだ無人の廃墟と化した未来の絃神島、古城が語る夢の話、雪菜vs雫梨の激辛ラーメン対決の顛末、雪菜が行方不明になっていた理由、雪菜がやらかした催眠術エピ、絃神島の財政難の意外な打開策、紗矢華が見た予知夢の結末、菜に隠れて古城がしていたことなど、零菜の再登場もあって今回も物語の世界観を堪能しましたけど、最後の話は今後にひとつのエピソードとして繋がりそうな終わり方で、形になるのを楽しみにしています。
悪役御曹司の勘違い聖者生活2 (電撃文庫)
悪役御曹司の勘違い聖者生活2 ~二度目の人生はやりたい放題したいだけなのに~
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木の芽/へりがる KADOKAWA 2023年10月06日
周囲の勘違いから評価は勝手に上がり続け、カレンとの婚約が決まったオウガ。しかも学院長フローネの策で、拒否していた生徒会入りと学院魔術対抗戦の代表入りも決定する第二弾。マシロ相手に着々と誤解を積み重ねながら、外見がすっかり変わったカレンにあっさり方針変更し、強引に決められた生徒会入りと学院魔術対抗戦の代表入りをきっかけに、レイナをも手に入れるべく動き出したオウガ。対抗戦と並行する形で、レイナの過酷な運命も明らかになっていきましたけど、ヒロインたちに相手にどんどん勘違いされてゆく様子に苦笑いしながら、一方で用意周到に準備して黒幕に対峙するあたりは彼らしさがよく出ていて、窮地に陥ったヒロインをしっかり救ってみせた結末はなかなか良かったです。
やがてラブコメに至る暗殺者2 (電撃文庫)
相変わらず久溜間道シノと『偽物の恋人』のまま、光郷グループの諜報員になった鳳エマ。けれど相変わらず全然頼ってくれない状況にやきもきする彼女が、チヨと二人で暗殺計画を阻止すべく動き出す第二弾。エージェントしては優秀でも、一般人の感覚がないことから恋人役としては肝心なところが致命的にダメで、奇跡的なすれ違いも重なってデートすら任務になってしまうシノ。そのデートが任務であることすら知らされないやきもきする状況に、チヨからの提案で光郷家を狙った暗殺計画を一緒に調べるエマ。最強の男なのに日常パートでたびたび致命的な選択ミスをやらかすダンには笑いましたが、虚実入り乱れる難しい状況の中で、密かに貢献したい二人で動いていたエマとチヨの頑張りが活きてくる展開はなかなか良かったです。
組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い (電撃文庫)
かつて敵対する異能力者組織に属し、抗争を繰り広げた《羽根狩り》犀川狼士と《白魔》柳良律花。宿敵同士だった二人が結婚し、身持ちのお堅い妻と愛を深めるため今日も必死にアプローチを続ける甘々ホームコメディ。組織解散後はなぜかイチャコラ付き合った上に、バカップルを地で行く甘い雰囲気を漂わせる夫婦となっていた二人。それでいて実は律花とまだ一度も寝床を共にしたことがない悩みを抱える狼士が、後輩とご飯を食べに行って嫉妬した律花と冷戦状態になったり、犬と猫のどちらを飼うかで揉めたり、妹を溺愛する義兄がやってきたりといろいろ騒動に巻き込まれてゆく展開でしたけど、数々の試練を乗り越える中でようやくもう一歩踏み込めむことができた二人の関係性がとても微笑ましくて良かったですね。
隣国から来た嫁が可愛すぎてどうしよう。: 冬熊と呼ばれる俺が相手で本当にいいのか!?(PASH!文庫)
雄々しい性格と体格、敵を蹴散らす強靭な姿から「ティドロスの冬熊」と呼ばれるサリュ。隣国で遭遇した婚約破棄された令嬢シトエンの名誉を守ったことをきっかけに、彼女と婚約するファンタジーラブコメ。婚約相手として再会したシトエンが、噂とは裏腹に実はとても可憐で素敵な女性だったことに気づき驚くサリュ。そんな彼女を大切に扱い、その可愛らしさにドギマギするサリュが微笑ましかったですけど、シトエンもまた可愛らしいだけでなく、優秀で行動力のある一面を見せていくようになって、お互い惹かれてゆくからこそ感じた違和感ですれ違いかけましたけど、しっかりと向き合ってその不安を払拭して、直面する苦難も乗り越えてさらに絆を深めてゆく二人の関係性がとても良かったですね。
「好きです」と伝え続けた私の365日 (PASH!ブックス)
「好きです」と伝え続けた私の365日
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沢野 いずみ/藤村 ゆかこ 主婦と生活社 2023年10月06日頃
雇い主で女嫌いな美貌の公爵カイルが王太子に紹介されて雇ったメイドのオフィーリア。彼へ毎日めげずに愛の告白をしては秒でフラれる日々を送る万能メイドの365日の恋物語。モテすぎて女性不信に陥ったカイルを慕い報われない告白を繰り返す幸せな日々を送り、その何でもできできてしまう高いスキルを見込まれて、おしかけ婚約者を追い出すために恋人同士のフリをすることになった超ド級ポジティブメイドのオフィーリア。繰り広げられる2人のやり取りが楽しくて、一方で読めば読むほどとても平民とは思えない、1年間限定だった彼女の秘密が明らかになってゆく後半は怒涛の展開でしたけど、カイルと積み重ねてきたオフィーリアの一途な想いがしっかりと報われる結末で良かったです。
悪役令嬢の矜持2 (SQEXノベル)
悪役令嬢の矜持(2)~あなたが臨む絶望に、悪の華から希望を。~
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メアリー=ドゥ/久賀フーナ スクウェア・エニックス 2023年10月06日頃
後妻の子でありながら伯爵令嬢の義姉を虐げ、断罪された社交界の悪の華ウェルミィ。しかしある日突然、何故か伯爵家のリロウド姓を名乗る彼女が、隣に王太子殿下を侍らせて再び華麗に社交界に舞い戻る第二弾。王太子殿下だけでなく、魔導卿オルミラージュ侯爵や有力な貴族令息たちをも次々と誑かしていると噂される中、王宮で開催される王太子殿下の婚約披露パーティー。趣向を凝らした絶望渦巻く喜劇の中で華麗に陰謀の真相に迫るウェルミィ。一方でその陰謀に関わっていた登場人物たちが秘めていた不器用な想いもしっかりと見抜いていて、それぞれの真意を確認して適切な対応をしながら、より良い結末のために筋書きを修正してゆく彼女がもたらした優しい結末には救われる思いでした。
骨骸の剣聖が死を遂げる ~呪われ聖者の学院無双~ (DREノベルス)
魔女の呪いにより不死者となってしまった聖騎士の青年アル。三百年後、その魔女の末裔の少女アストランティアと出会った彼が、全ての呪いを殲滅すべく彼女の騎士になることを誓う学院無双ファンタジー。十二の封印指定都市にいる形骸種を倒すため、アストランティアと一緒に聖者を育成する学院の入学試験でその実力を示したアル。学院内には様々な聖者コンビがいて、貴族と庶民の不和やアストランティアと姉の確執といった様々な因縁や、十二形骸について、現在に至るまでの背景も丁寧に描かれていて、女性や弱者には優しく、実力を周囲にも認められてゆくアルたちが、果たして目指す十二形骸討伐を果たせるのか。アルを慕うヒロインも増えてゆく中で気になる二人の関係も含めて、これからますます面白くなりそうです。