今回は4月富士見ファンタジア文庫・GCN文庫・TOブックスの新刊感想まとめです。内訳は富士見ファンタジア文庫が新作3点、シリーズ続巻5点、GCN文庫の続巻1点、TOブックスの続巻1点の計10点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
現実離れした美少女転校生が、親の決めた同居相手で困る (富士見ファンタジア文庫)
現実離れした美少女転校生が、親の決めた同居相手で困る
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水棲虫/れーかるる KADOKAWA 2024年04月19日
大企業を一族経営する家の四男という立ち位置で気楽な一人暮らしをする高校生・入谷健。しかし実家での立ち位置が変わり、婚約者と同居することになってしまう青春ラブコメ。後継者として期待されるようになった健を、過去に助けてくれた縁で慕ってくれる婚約者の天宮さん。むしろ引け目を感じる健の自堕落な生活に怖い一面を垣間見せる一方で、努力家で意外と尽くしたがりだったり、同じ学校に転校してきて健の友人たちと仲良くなったり、天宮さんと一緒に過ごすことで様々なをことを知っていったからこそ、婚約者として縛り付けていいのか、自分でいいのかと葛藤してしまう健には苦笑いでしたけど、これはもう釣り合う相手になれるよう頑張っていくしかないですよね。そんな彼らの今後に期待したいです。
ほんわか魔女を目指していたら、史上最強の杖に選ばれました。なんで!? (富士見ファンタジア文庫)
ほんわか魔女を目指していたら、史上最強の杖に選ばれました。なんで!?(1)
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下等 妙人/我美蘭 KADOKAWA 2024年04月19日
聖杖に選ばれる筈の呪われた少女シトリー。しかし彼女は聖杖に拒絶され、なぜか最低成績で入学したノーテンキな少女レヴィーを聖杖が選んでしまうファンタジー。優秀ではあるものの、家の呪いゆえに周囲から忌避されるシトリーと、彼女に睨まれつつも、何だかんだですっかり懐いてしまったレヴィー。有力な令嬢ミランダに決闘を挑まれても受けた攻撃をお菓子に変えてみせたり、凶暴な魔物を手懐けたり、自由奔放なレヴィーにも明かせない秘密があって、それゆえにすれ違うシトリーの因縁も絡めた陰謀に巻き込まれてゆく展開でしたけど、明らかになってゆく事情に取り戻した2人の絆があって、力を合わせて魔王をけちょんけちょんに一蹴してみせたこれからの展開が楽しみです。
魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ (富士見ファンタジア文庫)
魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ(1)
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ツカサ/よう太 KADOKAWA 2024年04月19日
人族と魔族の長き戦いに終焉と勝利をもたらし、世界を滅び尽くした歴代最強の魔王バルド。生まれ変わった先で美少女勇者となっていた6人の元側近たちと再会するハーレムファンタジー。戦いの中で散っていった元側近の平穏な日常を願っていたバルドを、世界の危機に直面して転生させた神エウロハ。異世界から魔物に侵略される現状を聞いたバルドの元に、美少女勇者となって集結した彼を慕う元側近たち。神から学院都市の学長の座を譲られ、当面の目標として世界征服を目指す展開で、すっかりドMな下僕になった神エウロハには苦笑いでしたけど、彼らを危険視する他の学院都市学長たちの陰謀に立ち向かう中、バルドのためにと個性豊かなヒロインたちが奮闘する姿が光っていて、ドタバタ劇も織り交ぜたメリハリも効いていました。
放課後はケンカ最強のギャルに連れこまれる生活3 彼女たちに好かれて、僕も最強に!? (富士見ファンタジア文庫)
放課後はケンカ最強のギャルに連れこまれる生活3 彼女たちに好かれて、僕も最強に!?
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亜逸/kakao KADOKAWA 2024年04月19日
一年生決定戦を乗り切った史季が、斑鳩派のナマイキ美少女・アリスに目をつけられ、思わぬ弱みを握られたことから思わぬ大騒動に発展していく第3弾。タイマンで様になってきた史季に集団戦闘のイロハを教えることにした夏凛たち。しかしアリスに弱みを握られて脅されて、賭けの対象として開催される地下格闘技に出場してうっかり勝ち過ぎてしまう史季。そのせいでその場を仕切る半グレ組織アウルムに目をつけられ狙われてしまう展開で、今回は本当にとばっちりで巻き込まれたなと思いましたけど、この作品の魅力でもある多数の敵がひしめく乱闘展開は熱かったですし、夏凛と隣に並び立つべく覚悟を決めていった史季の初々しい距離感の変化もなかなか良かったです。
週に一度クラスメイトを買う話4 ~ふたりの時間、言い訳の五千円~ (富士見ファンタジア文庫)
週に一度クラスメイトを買う話4 〜ふたりの時間、言い訳の五千円〜
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羽田 宇佐/U35 KADOKAWA 2024年04月19日
春になったら、この関係は終わり。お互い受験や卒業が近づく中で、否が応でも決断を迫られる2人の曖昧な関係。もどかしいその関係が変化を迎える第4弾。お互い相手のことを意識していることを自覚しながらも、ルールに縛られて理由がなければ会うこともできず、さらにもう一歩を踏み込むことができない仙台と宮城。志望する大学や一人暮らしをするかどうかなど、聞きたいことはたくさんあるはずなのに、この期に及んで不器用なやり取りを繰り返す2人には苦笑いでしたが、宮城くらい頑なな相手だと仙台くらい強引に動かないと関係は動かなかったかもしれないですね…5000円の契約が思わぬところでじわじわ効いてきた今回の結末には驚きましたが、新たな一歩を踏み出した2人の今後に期待。
王様のプロポーズ6 銀灰の妖精 (富士見ファンタジア文庫)
王様のプロポーズ6 銀灰の妖精
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橘 公司/つなこ KADOKAWA 2024年04月19日
魔術師たちの鎮魂を祈る『巡魂祭』の準備に追われる庭園内で起きた集団昏睡事件。事件解決のために乙女&ギャルゲー世界でNPC彩禍を攻略する第6弾。事件の原因となったファンタジーゲームを作り上げた、何年も前に死んだはずのヒルデガルドの妹エルデガルドをベースに作られたAI。管理AIのシスベルも囚われ、昏睡した生徒たちを救うため、人見知りでも好きなことには早口になるヒルデガルドがモデルを作り上げたゲーム世界に挑む無色たち。今回はヒルデガルドの趣味全開の世界観で、引け目を感じていた妹との関係を軸に描かれる展開とその結末はなかなか良かったですけど、一方その裏で抜け目なく暗躍する存在もあって、物語としても大きく動きそうな今後の展開に期待です。
双星の天剣使い5 (富士見ファンタジア文庫)
西域で玄の勇将オリドの侵攻を退けたものの、栄の都には敵の本軍が迫って今や風前の灯。陰謀に踊らされる飛鷹が不穏な動きを見せる中、皇妹・光美雨の覚悟が事態を動かす第5弾。敵が眼前に迫りながら、それでも皇帝も優柔不断で議論が紛糾して対応策が定まらず後手に回る都、飛鷹を裏で操る存在を徐勇隼や王明鈴が調べる中で、次なる一手は西域防衛か、はたまた敬陽奪還を目指すかで悩む隻影。軍師・瑠璃が光明を見出す世間知らずだった皇妹・光美雨が様々な現実を知って、彼女が覚悟を決めて自らが動いてみせたことでたことで今回は望外の結果を引き寄せましたけど、こういう時にこそ思わぬ落とし穴があったりするんですよね…急展開でここから事態がどう動くのか続巻に期待。
じつは義妹でした。7 ~最近できた義理の弟の距離感がやたら近いわけ~ (富士見ファンタジア文庫)
じつは義妹でした。7 〜最近できた義理の弟の距離感がやたら近いわけ〜
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白井 ムク/千種 みのり KADOKAWA 2024年04月19日
晶が義妹になってもうすぐ1年。高3になり晶の兄として仕事のサブマネージャーとして多忙な日々を送る涼太が修学旅行の時期を迎える第7弾。公私ともに支えられて距離も縮まり、機を見てはわりとぐいぐい来る晶に困惑しがちな涼太。修学旅行で数日間は離れ離れかと思いきや、目的地は健や晶のお仕事ロケ先と一緒で、一緒に過ごす時間を作ってハプニングだらけの非日常感を楽しんだり、思わぬアクシデントにも巻き込まれる展開でしたけど、懸念する声もある中で現段階では2人の関係性が好循環に繋がっているのを実感する一方、不穏な気配もいろいろ垣間見えてきて、最後に思わぬ形で繋がってしまった末の再会でどうなるか、今後の展開が気になるところではあります。
『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる2 (GCN文庫)
シュリネの活躍により王位継承問題の決着が見えたリンヴルム王国。次代の王がルーテシアが支持する第一王女フレアに決まろうとする中、その水面下で彼女の暗殺計画が動き出す第2弾。つかの間の平和を揺るがす暗殺計画を知り、シュリネと共にフレアを守ることを決意するルーテシア。そんな彼女たちの前に刺客として現れた強敵ディグロスとレイエル、そしてかつての従者ハイン。病院で出会った盲目の少女クーリも絡めながら、人外の強さを誇る強力なディグロスたち相手に苦戦する中、複雑な想いが垣間見えるハインの心に訴えかける展開で、ギリギリの戦いの中で我が身を顧みずに活路を見出し、大切なものを見事に守り抜いてみせたその結末がなかなか鮮烈な印象を残しましたが、今後の展開がどうなるのかも気になるところです。
レッドフォート王国を挙げてのお祭りに始めて参加して楽しむミーシャ。そこで出会った知り合いのおばあちゃんの容態をきっかけに、思ってもみなかった危機的状況に陥っていく第3弾。それがただの風邪ではなく、かつてこの国を襲った原因不明の「紅眼病」かもしれないと気づくものの、未知の病に対する解決の糸口を見いだせないミーシャ。そんな状況で噂を聞き王都を訪れてくれた叔父ラインの存在は大きかったですけど、どうすべきだったのかという彼の言葉は耳に痛かったですね…患者に王族や知り合いもいる中で優先順位どうつけるのか、薬が輸送困難になったりするなどいろいろ難しい状況にも直面しましたけど、これまで関わってきた多くの人に助けられ、乗り越えた今回の悲喜こもごもの結末はなかなか印象的でした。