読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

瑞々しい青春小説が魅力な岬鷺宮さんの11作品

 前回に引き続き著者別企画第四弾。今回は11月9日に電撃文庫から期待のシリーズ「三角の距離は限りないゼロ」の4巻目が刊行される鷺宮さんです。

 

鷺宮さんは 2012年、第19回電撃小説大賞にて投稿作「失恋探偵ももせ」が《電撃文庫MAGAZINE賞》を受賞してデビューを果たした作家さんです。「失恋探偵ももせ」以降はやや作品的に試行錯誤が続いた感もありましたけど、「読者と主人公と二人のこれから」そして 「三角の距離は限りないゼロ」で再び注目を集めつつあります。

 

三角の距離は限りないゼロ」と「読者と主人公と二人のこれから」の登場人物たちは同じ高校の同級生、そして「失恋探偵ももせ」「失恋探偵の調査ノート」もしっかりと繋がる同じ世界観の物語だったりします。そんな物語の繋がりを楽しむのもいいですし、まだ未読の作品があったら過去作もぜひ読んでみてください。

 

1.三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

三角の距離は限りないゼロ (電撃文庫)

 

過去の苦い経験から「偽りの自分」を演じてしまう高校生・矢野四季が、印象的な出会いを果たした物静かな転校生・水瀬秋玻に惹かれ、彼女ともうひとりの人格・春珂を支えるようになってゆく不思議な恋物語。しっかりものの秋玻と対照的な危なっかしい印象の春珂。状況的に春珂をフォローすることが多い四季と二人を見つめる秋玻の繊細な距離感がまた絶妙で、大切な存在なのにすれ違ってしまうやるせなさだったり、ごまかさずにきちんと想いをぶつけてゆく彼らの青春がとても良かったですね。終盤は挿絵の使い方も効いていて続巻が楽しみな注目のシリーズ。19年11月に4巻目刊行。

2.読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

読者と主人公と二人のこれから (電撃文庫)

 

期待もない新学年のホームルーム。高校生・細野亮の前に愛してやまない物語の中にいた「トキコ」そのままの少女・柊時子が現れる出会うはずがなかった読者と主人公の物語。見れば見るほどそのままの時子との出会い。一緒に過ごしてゆくうちに想いが少しずつ積もってゆく一方で、自分の中で湧き上がってくる違和感。主人公の周辺を切り取ったようなクローズな世界観で、あまりにも不器用な二人の距離感にもどかしくもなりましたが、物語をきっかけに知り合った二人が物語で心を通わせて、これからの二人の世界の広がりを予感させる素敵な物語でした。

3.失恋探偵ももせ (電撃文庫)

失恋探偵ももせ (電撃文庫)

失恋探偵ももせ (電撃文庫)

 

 「恋はいつか終わります―」そんなことを言う後輩の千代田百瀬に巻き込まれ、野々村九十九は「失恋探偵」である彼女に手を貸す日々を送る青春小説。特にミステリ好きでもないのにミステリ研究会に入会した百瀬は、なぜか九十九を助手に失恋探偵を始める。しかし依頼をこなすうちに、すれ違いが重なって九十九と大喧嘩。でも百瀬は、九十九にとって時々イライラしながらも、ほっとけない存在なんですよね。九十九相手になぜ失恋探偵を始めたのか、訥々と語る百瀬が乙女過ぎて、やっぱりちょっと変わった百瀬も恋する女の子なんだなあとニヤニヤしてしまいました。全3巻。

4.失恋探偵の調査ノート (メディアワークス文庫)

長年一緒に過ごした幼馴染みへの告白で見事玉砕しながら、どこか失恋した実感を持てないままでいた逢川零。そんな彼女がひょんなことから失恋探偵のことを知り、助手見習いとして失恋探偵とともに依頼者の悩みを解決してゆく物語。舞台は前作と同じ道立宇田路中央高校。零が本作の失恋探偵である一ノ瀬那由他とともに依頼を受け、悩みながら二人で依頼に取り組む過程は、彼女自身の失恋に区切りをつけて、そこから前に進むための物語でもありました。今回はミス研の顧問として千代田先生が登場しましたが、次作では彼の登場にも期待したいですね。

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5.陰キャになりたい陽乃森さん (電撃文庫)

陰キャになりたい陽乃森さん Step1 (電撃文庫)

陰キャになりたい陽乃森さん Step1 (電撃文庫)

 

圧倒的存在感で陽キャラの頂点に君臨する陽乃森さん。そんな彼女がとある事情から陰キャラの鹿家野たちに陰キャラになれるよう協力を依頼する青春ラブコメ。彼女の事情を知って意識や常識の違いに戸惑いつつも協力する鹿家野たちに突きつけられる、いい子だけど何をしても陽キャラ感がにじみ出てしまう陽乃森さんを変える無理ゲー感。それでも楽しそうなラブコメエピソードからの急展開には驚きましたけど、一緒に行動することでお互い大切なことを知り、そのために奔走する姿は良かったですね。最後まで破壊力あった陽乃森さんはやはり破格でした。全2巻。

6.僕らが明日に踏み出す方法 (メディアワークス文庫)

一週間後にピアノコンクールを控えた少年・中瀬と、告白の返事を待たせている少女・山田。ある日、同じ一日をループしていることに気づいた二人が、運命の出会いを果たす物語。納得したら次の日に進めていたのに、出会ったことで二人が納得する条件に変わったループ。適当な言動が多いように見えた山田の悩める心情と、堅物に思えた中瀬のコンクールに賭ける想い。困難に直面する自分のために奔走する相手への想いが少しずつ変わっていって、忘れていた過去も繋がって、乗り越えた二人が紆余曲折の末に迎えた結末はとても素敵なものに思えました。

7.踊り場姫コンチェルト (メディアワークス文庫)

伊佐美吹奏楽部に入部した梶浦康規が、全国大会を目指すべく先輩から才能を持ちながら破滅的な指揮を振る「踊り場姫」藤野楡を変えるよう命じられる物語。生真面目な演奏になりがちな康規と型破りな指揮者・楡という対極な二人の印象的な出会い。孤高な存在だった楡の康規の作曲を知ってからの変化、変わらぬ指揮をする楡との衝突、それを乗り越え素晴らしい演奏に繋げてゆく展開はとても良かったですが、吹奏楽をメインに据えた物語で楡の変化など繊細な心理描写があるともっと良かったのかも。全体としては清々しい読後感のある青春小説でした。

8.放送中です! にしおぎ街角ラジオ (メディアワークス文庫)

ナレーター志望の香奈、作曲家志望の奈須野、ディレクター志望の松任谷と夢に足踏みしている三人が、行きつけのカフェの店長の薦めでFM街角ラジオにチャレンジする物語。初っ端から大失敗をやらかした三人が、リスナーと体当たりで向き合っていくストーリーは試行錯誤感がわりとよく出ていた印象。真摯に取り組んで作り上げていったことで生まれた一体感が転機を迎えた時、逡巡するその背中を押す仲間たち、そしてリスナーたちの応援する声もまた暖かくて、こういう関係はとてもいいなと思えました。

9.魔導書作家になろう!  (電撃文庫)

勇者討伐後に魔導書がブームになった世界。魔導書作家としてデビューしたアジロと実は元勇者で出版社担当編集のルビが、周囲を人々を巻き込みつつ魔導書作りに邁進する物語。肝心の「魔導書」の具体的なイメージがあまりピンとこなかったですが、思索派のアジロの考えた魔法を超現場主義のルビや周囲の人々の協力(?)を得ながら実践的なものに仕上げていくような各話構成で、作品にうまく落とし込んだ作家生活あるあるや、アジロに関わってゆく魅力的な女性キャラたちは良かったと思いました。全3巻。

10.大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)

大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)

大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)

 

無差別殺人を繰り広げる「人形座」が暗躍する大正時代の東京を舞台に、活キ人形に立ち向かう「墜落少女」と、その取材を許可された記者乱歩のお話。悪人を自称しながらも、どこか不器用そうなサヱカはとても良かったんですが、それだけに乱歩が記者としてもう少し説得力のある活躍をして欲しかった感も。前作とは随分と作風も変わりましたが、全体としては自分好みで面白かったと思います。ただ今後も物語を続けるとすると、物語の構成によくハマっていた人形座と同じくらい、敵に魅力やインパクトを持たせるのは、簡単ではないかなとは感じました。

11.空の青さを知る人よ Alternative Melodies (電撃文庫)

なぜか上京したはずのあの日から13年後の未来で目を覚ました音楽で天下を取る夢を抱く少年「しんの」。そんな彼と大人になった慎之介視点で描かれる「空の青さを知る人よ」のもうひとつの物語。ストーリーの展開自体は額賀澪さんのノベライズ「小説 空の青さを知る人よ」(角川文庫)とほぼ一緒でしたけど、視点があおいから慎之介たちに変わったことで、あおい不在時のしんのの心理描写や慎之介の抱える葛藤、そして過去に向き合って再び前に進み、自らの想いを再確認してゆく姿が描かれて、同じ物語でもまた違った趣を楽しむことができました。

 

鮮烈なインパクトを残す三田千恵さんの6作品

今回で3回目の著者紹介企画、紹介するのは三田千恵さんです。三田さんは第18回エンターブレインえんため大賞ライトノベル ファミ通文庫部門優秀賞を受賞してファミ通文庫から『リンドウにさよならを』でデビュー、それから印象的な作品を刊行している個人的に注目し追いかけている作家さんの一人です。

 

青春小説好きとして「リンドウにさよならを」から注目していましたが、18年に刊行された「彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~」(ファミ通文庫)で見せてくれた鮮烈な構図の変化には衝撃を受けました。「あの日、恋に落ちなかった君と結婚を」 (メゾン文庫)で少し年上の主人公でも書けることを見せてくれた著者さんが最近刊行した「太陽のシズク」(新潮文庫nex)を読んで、これは紹介するいいタイミングだと思い今回の企画となりました。

 

読むたびに鮮烈なインパクトを残す三田千恵さんの作品、これからも注目です。

 

1.太陽のシズク(新潮文庫nex)

太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)

太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)

 

死に至る「宝石病」を患い海の見える高校に転校してきた理奈。親友や彼氏を作って最高の学園生活を送ろうと決意する理奈と、彼女のために受験を頑張る翔太が過ごした最高の12ヶ月の物語。運命の恋人と出会い、印象的な出会いを果たした美里と様々な出来事を経て大切な親友となってゆく理奈。彼女と自分の夢のために受験勉強する翔太が予備校で出会った仲間たち。違う時を過ごす中で不安やすれ違いもあって、それでも二人で育んできた確かな絆があって。そんな二人のかけがえのない日々を必ず読み返したくなる、とても鮮烈で印象に残る物語でした。

2.彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

彼女のL ~嘘つきたちの攻防戦~ (ファミ通文庫)

 

嘘がわかる特異体質を持つ遠藤正樹。そんな彼が気になる決して嘘をつかない川端小百合と常に振りまく学校のアイドル佐倉成美、死んだ共通の友人を巡る願いと嘘と恋が交錯する青春ミステリ。「彼女は殺された」という川端と「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく佐倉。ともに過ごす時間が増えてゆく中で正樹にだけ見せる彼女たちの素顔と、正樹と父親の関係。新事実が明らかになってゆくたびにガラリと変わってゆく構図。彼女たちがついた嘘は切なくも優しくて、真実に向き合ったからこそ見えたその想いとはっとするような結末はとても印象的でした。

3.リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

 

想いを寄せていた少女・襟仁遥人と共に屋上から落下し死んでしまったらしい神田幸久。二年後地縛霊として目覚めた彼はクラスでいじめに遭う穂積美咲に存在を気づかれ彼女と友達になる青春小説。自分の存在に気づいてくれた少女・美咲の優しい一面を知って現状を変えようとアドバイスをし、美咲が勇気を持って踏み出した一歩から少しずつつ変わってゆくその境遇。繊細な描写を積み重ねて作り上げられた伏線を回収してゆくことで意外な事実も明らかになっていって、爽やかで納得感のある結末まで組み上げたその構成力は今後に期待の作家さんですね。

4.あの日、恋に落ちなかった君と結婚を (メゾン文庫)

あの日、恋に落ちなかった君と結婚を (メゾン文庫)

あの日、恋に落ちなかった君と結婚を (メゾン文庫)

 

結婚を考えていた恋人に振られ、将来に不安を抱く持田麻衣。地元に帰ることを決めた麻衣が偶然高校のときのクラスメイト今井優人に再会、「恋のない結婚」を現実的に考えはじめる物語。高校時代の30歳になってもお互い独身だったら結婚しようという今井との冗談めいた約束。かつてお互いの恋を協力する関係だった二人の共同生活はしっくり来る部分もイライラする部分もあったりで、そんな二人が一つ一つ乗り越えて迎えたラストにはじんわり来るものがあって、積み重ねていったエピソードが見事に繋がってゆくとても素敵な物語だったと思いました。

5.トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)

トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)

トリア・ルーセントが人間になるまで (ファミ通文庫)

 

病の父王を治す秘薬を手に入れるため、兄の特命でサルバドールを訪れた第二王子のランス。自らを薬と名乗る美少女トリアと護衛ロサと共に王都マキシムを目指すファンタジー。浮世離れしたトリアに戸惑いながらも共に旅するうちに惹かれてゆくランス。徐々に明らかになってゆく「ルーセント」の特異性と過酷な運命。宿命と自覚してゆく人間らしい想いに心揺れるトリアと、何とか救おうと奔走するランスに王家を巡る秘密も絡む展開にはハラハラさせられましたが、紆余曲折の末に迎えた二人のこれからを予感させる初々しい結末はなかなか良かったです。

6.ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ (ファミ通文庫)

※「たった一人のお客さん」収録
「僕とキミの15センチ」をテーマに総勢20名の作家が参加して描かれたショートストーリー集。同じテーマで書いていても著者さんそれぞれで着目点が違ったり、作品にらしさがよく出ていてとても興味深かったですが、個人的には九曜さんや三田千恵さん、久遠侑さんあたりの青春小説は今後も期待したくなりましたね。そして何よりもう読めないと思っていた東雲侑子シリーズ文学少女のエピソードが読めたのは嬉しかったです。一つ一つの作品がもう少しボリュームあると良かったかなとは感じましたが、全体としてみれば十分満足できる一冊でした。

 

以上です。気になる作品があったらぜひ読んでみてください。

 

2019年10月に読んだ新作おすすめ本

10月に読んだ新作おすすめです。ラノベの新作は先月刊行分の後追いが多かったですが、語部マサユキさん待望のスニーカー文庫新作「疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?」は幼馴染ものが好きな人にはオススメしたい一冊ですね。

 

ライト文芸だと新潮社文庫nexの「太陽のシズク」、富士見L文庫の「メイデーア転生物語」、LINE文庫「すべては装丁内」あたりは押さえておきたい一冊。少女漫画ノリがありなら一二三文庫の「藤倉君のニセ彼女」、じれじれ両片思い好きにはポルタ文庫の「小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる」もオススメしたいところです。

 

一般文庫ではインパクト抜群の斜線堂有紀さんの「不純文学」、映画化の「屍人荘の殺人」、辻堂ゆめさんの「君の想い出をください、と天使は言った」あたりは要チェックですね。「後宮の花は偽りをまとう」あたりも遅ればせながら読みましたが、追いかけておきたいシリーズです。

 

単行本では何と言っても相沢沙呼さんの「medium 霊媒探偵城塚翡翠」ですが、これは今年注目の一冊になりそうです。額賀澪さんの「競歩」、そして「星砕きの娘」もなかなか読み応えのある一冊でした。

 

ちなみに今回Amazonの書誌がエラーになっているものが多くてあれですが、Kindle版もエラーなアイテムについてはそのうち表示されると信じてとりあえず表示しておきます。書影の印象もわりと重要なのでエラーになっているのはとても残念ですね...。

 

疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? (角川スニーカー文庫) 語部 マサユキ

かつては仲良かった幼馴染・神崎天音とすっかり疎遠になってしまっていた天地夢次が、『夢を操る方法』という怪しげな本を拾い、異世界で幼馴染と結婚する夢を見る学園ラブコメ。今ではすっかり人気者の幼馴染と埋没している主人公が、夢の中で起きたことをきっかけにその大切な関係を取り戻してゆく展開で、そんな二人の不器用でも変わっていなかったそれぞれの思いも明らかになっていって、そして大切な彼女の危機的状況を打開すべく、リアルでも夢の中でも奮闘する展開は本当に良かったです。もし続巻があるようならまた是非読んでみたいですね。

朝比奈若葉と○○な彼氏【電子特典付き】 (MF文庫J)

朝比奈若葉と○○な彼氏【電子特典付き】 (MF文庫J)

 

クラスメイトの悪ノリから罰ゲームとして、学校一の嫌われ者・入間晴斗へのウソの告白を強要された内気な女子高生・朝比奈若葉。最初は嫌々始まったはずの晴斗との交際が、彼女を少しずつ変えてゆく青春小説。最初はやらされている感が満載だった下校やデートで、自分を気遣ってくれる晴斗の優しさや人間性に触れ、少しずつ彼を見る目を改めてゆく若葉。二人を取り巻くキャラも立っていて、彼女自身も明るさを取り戻していって、無自覚のうちにかけがえのない存在になってゆくのが分かるからこそ、最後の展開から続巻がどうなるのか気になりますね。

勇者の君ともう一度ここから。 (LINE文庫エッジ)

勇者の君ともう一度ここから。 (LINE文庫エッジ)

 

己と引き換えに狂神を討ち倒し世界を救った勇者セラフィルナ。一方、片腕を失って戦線離脱し失意の日々を送っていた剣聖・ジャンが、世界と彼女を救うために再び立ち上がるファンタジー。狂神を打倒した代償として呪いを浴びたセラを救うため、魔神器『ヴルムの真腕』を与えられて彼女のそばにいることを誓うジャン。ストーリーとしては登場人物も少なくシンプルな王道展開でしたけど、ずっと心残りで一度は諦めかけていた大切な人と再会し、これからも共にあるために2人で一緒に戦うことを決意したこれからの展開に期待したくなる物語でした。

シャドウ・サーガI -選定の剣と呪いの黒剣- (電撃文庫)

シャドウ・サーガI -選定の剣と呪いの黒剣- (電撃文庫)

 

アーサー王物語が大好きな日本の高校生・来人が大魔導士マーリンの弟子・リィナによって異世界グレートブリテンに召喚され、アーサーが死ぬ予言を覆すために奮闘するファンタジー。この世界では女の子のアーサーを召喚したリィナとともに支えてゆく展開で、状況に戸惑いつつも戦えるし、開き直った演技で流れを引き寄せてみせた来人の存在感はありましたけど、一方で女子は王位継承権がないなかで代わりに来人を影武者とした構図が今後どのように影響してくるか、優しくも相対的にやや影の薄かったアーサーの活躍に期待したいところではあります。

異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)

異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)

 

2006年、春。トラックにはねられて死んだ息子・タカシの遺したプロットを元にファンタジー小説を書きだした母・フミエ。そんな状況にうんざりするタカシの妹・チカが、タカシをはねた運転手・片山に相談する物語。片山が提案し、タカシの死から止まったままの時間を少しずつ動かし始めたウェブ小説の連載。ウェブ小説の扱いや公開したことで直面した悪意の数々や当時の時代感を懐かしいなと感じましたけど、一方でそれをきっかけに様々な思惑を持った人たちとの関わりが生まれて、それが停滞していた状況を変えてゆく展開が印象的な物語でした。

 

太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)

太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫nex)

 

死に至る「宝石病」を患い海の見える高校に転校してきた理奈。親友や彼氏を作って最高の学園生活を送ろうと決意する理奈と、彼女のために受験を頑張る翔太が過ごした最高の12ヶ月の物語。運命の恋人と出会い、印象的な出会いを果たした美里と様々な出来事を経て大切な親友となってゆく理奈。彼女と自分の夢のために受験勉強する翔太が予備校で出会った仲間たち。違う時を過ごす中で不安やすれ違いもあって、それでも二人で育んできた確かな絆があって。そんな二人のかけがえのない日々を必ず読み返したくなる、とても鮮烈で印象に残る物語でした。

メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女 (富士見L文庫)

メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女 (富士見L文庫)

 

幼馴染に片想いしていた前世を時々夢に見る辺境貴族の令嬢マキア。運命的な出会いを果たした少年トールと魔法を学ぶ楽しい日々を過ごしていた彼女が、引き離されたトールと再会するために奮闘する転生ファンタジー。トールが救世主の守護者に選ばれ引き離されてしまう二人。トールと再会するため王都で最高峰の魔法学校を目指すマキア。学校では個性的な仲間もできて、選ばれていた救世主がまた前世でいろいろと因縁のあった存在で、抗いがたい運命に翻弄されるマキアとトールが大切な絆を守っていけるのか、続巻がとても楽しみな新シリーズですね。

すべては装丁内 (LINE文庫)

すべては装丁内 (LINE文庫)

 

著者から念願の詩集刊行ゴーサインをもらった新人編集者・甲府可能子。刊行条件でイラストの制約を受け、装丁デザイナー選びに苦戦する可能子が、編集長の紹介で腕利きだけれど偏屈な烏口曲に仕事を依頼するお仕事小説。情熱が空回りしがちな可能子と、理路整然と上から目線で仕事を選ぶ曲。一見、掴みどころのない曲にも、妥協をせずに最高のものを作り上げようとする熱い想いやこだわりがあって、彼に感化され多くの人に支えられながら、最高の一冊を作るために邁進する姿にはぐっと来るものがありました。続きが出るならまた読んでみたいですね。

藤倉君のニセ彼女 (一二三文庫)

藤倉君のニセ彼女 (一二三文庫)

 

学校一モテる藤倉君に自称・六八番目に恋をした尚。遠くから眺めるだけだった彼女が、ふとしたきっかけからモテすぎて女嫌いを発症した藤倉君の女除け役として「ニセ彼女」に立候補する青春小説。少女マンガのようにモテまくる藤倉を好きにならないという宣言から始まったニセ彼女生活。普通の男子生徒として扱ってくれる尚への安心感があって、一緒にいても苦にならない関係だからこそ少しずつ確実に変化してゆく二人の心境があって、ここまで拗らせるとどうなることか心配でしたけど、いつの間にか育まれていた大切なものに気づけて良かったです。

 小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる (ポルタ文庫) 藤井 論理

園生くんから告白させるためにしもべにしようとする超絶奥手魔女の小戸森さんと、しもべでなく恋人になりたい超ド級の鈍感男子・園生くんのじれじれ両片想いストーリー。学校では非の打ち所がない美少女で人気者なのに、園生くんの前ではなぜかポンコツ魔女と化してしまう可愛い小戸森さんと放課後二人で過ごす密会の時間。彼女の乙女心になかなか気づけない彼の鈍感っぷりがもどかしい二人で、ものの見事にドツボにハマっているというか、チャンスに空振りばかりでなかなか前途多難でしたけど、最後は何か二人らしいなと思えた結末でしたね(苦笑)

小麦100コロス マンション管理士による福音書 不正な管理会社のたとえ (集英社オレンジ文庫) ゆきた 志旗

ブラック上司と対立し、大手管理会社を辞めてマンション管理士として独立した創士郎。不安いっぱいの開業早々、インターン志望の女子高生・紫が押しかけてくる物語。正直なところ読めば読むほどマンション管理士で独立する不安を痛感する展開でしたけど、彼なりの意地もあったんでしょうね。いろいろ手伝った末にようやく近所の大規模マンション管理組合の顧問に食い込むきっかけを得て、因縁の元上司と対峙する展開で紫の意外な正体や押しかけてきた理由も明らかになって、それらに懸命に向き合う創士郎たちの奮闘とその結末は悪くなかったですね。

虹を蹴る (集英社オレンジ文庫)

虹を蹴る (集英社オレンジ文庫)

 

三十歳を前に同棲していた彼に捨てられた山田瑞希。倒れた母親に代わって央学高校ラグビー部員たちが暮らす代理寮母を任され、そこで天才肌のスタンドオフ・逸哉や人知れず努力を重ねるウィング・龍之介たちと出会う青春小説。ラグビー監督だった父に反発し、ラグビーのことをほとんど知らなかった瑞希。寮母として彼らと付き合ううちに、一見分かりづらいそのひたむきなラグビーに対する思いを知り、だんだん感化されて支えるようになってゆく展開はベタではありましたけど、随所にわかりやすいラグビーの解説もあったりでなかなか良かったですね。

ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)

ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)

 

昔から殺人事件が多いことで有名な紅森市。紅森署に勤める刑事の桃田遊馬と、血液研究のスペシャリスト・天羽静也のコンビが「血」を手がかりに難事件に挑むブラディ・ミステリ。被害者の服についていた血液の正体、逃亡者が抱える秘密、手首だけ見つかった被害者の妄執、そして殺された女性の首に残された痕の謎。今の時代、血を分析することによってそこまで分かるのかという密かな驚きもありましたが、運命の血と天羽家を巡る因縁に苦悩する静也と、それでも変わらない遊馬の友情がとても印象的な物語でした。続編あるならまた読んでみたいです。

イマドキ女子高生の美香が帰宅途中のゴミ捨て場で見つけた金管楽器コルネット。そのコルネットに憑いていた同い年の幽霊・紫乃と出会う青春小説。紫乃に体を預けてコルネットが吹けるようになった美香。紫乃の夢でもあり、先生目当てで入った吹奏楽部は思った以上に厳しくて、その態度にいら立つ吹奏楽男子・川崎もいて、何度もうんざりしてめげそうになりながらも部員たちそれぞれの想いを感じて、そしてみんなの頑張る姿にも感化されて紫乃の想いも知って、少しずつ下手な自分に向き合って変わってゆく美香のこれからを応援したくなる物語でした。

相手の気持ちに人並み以上に共感してしまう「エンパス」の能力に悩む根暗高校生・シンヤ。自分の本心を見抜いた彼を好きになってしまった元気少女・まひるの恋模様を描いた青春小説。過去の苦い思い出から心を閉ざしていたシンヤが、まっすぐにぶつかってくるまひると出会い、感化されて変わってゆく展開で、彼の周囲にもだんだん人が増えて、きっかけをくれたまひるやその友人たちにもそれぞれ抱える複雑な想いや事情があって、葛藤する友人を支えながら自らの想いにしっかりと向き合ってゆく不器用な彼らの姿には応援したくなるものがありました。

 

不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語 (宝島社文庫)

不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語 (宝島社文庫)

 

本を読むのが好きな「先輩」と一緒にいる「私」。私と先輩の二人が織り成す奇妙で不思議で切ない掌編集。本作は右ページに章題、左ページに1ページ完結の私と先輩の話が全120話ひたすら続くシンプルな構成。様々なシチェーションで私と先輩の関係が綴られて、時には不純に、時には愛しく、時には複雑な気持ちで先輩を想う私がいて、一見淡々としているように見える不器用な先輩の私への優しさがあって、そんな二人のエピソードの積み重ねがクセになってゆく、どんな状況でもお互いを大切に思う気持ちは変わらない姿がとても印象的な物語でした。

屍人荘の殺人 (創元推理文庫)

屍人荘の殺人 (創元推理文庫)

 

神紅大学ミステリ愛好会会長の探偵・明智恭介と助手・葉村譲が、もう一人の探偵・剣崎比留子と共に紫湛荘を訪れ、予想もしなかった事態で荘内に籠城を余儀される中、次々と連続殺人事件が起きるミステリ。過去に因縁あるペンションでの夏合宿で、思わぬ形で閉じ込められた参加者たち。外部からの脅威による惨劇と、次々と起きる因縁じみた殺人事件の組み合わせが奇抜で事態をより難しいものにしていましたけど、その特殊な状況下で起きた事件の真相は切なくて、そんな事件を見事解決に導いてみせた探偵たちのその後をまた読んでみたいと思いました。

君の想い出をください、と天使は言った (角川文庫)

君の想い出をください、と天使は言った (角川文庫)

 

急性脳腫瘍で入院し、医師の態度から最悪の結果を察してしまい絶望する河野夕夏。その夜悪魔を名乗る不思議な青年と出会い、大切なものと引き換えに命を助ける取引を交わす恋愛ミステリ。二年間の記憶を失って様々な違いに戸惑いながらも再び職場の銀行で働き始める夕夏と、そんな彼女の前にアフターフォローとして再び現れた青年・水上。記憶が戻らなくても確実に前に進めている実感があって、そんな彼女を気にかけてくれる人たちがいて、そんな中で本当に大切なものを再び見出して、これまでの全てが繋がってゆく結末がとても素敵な物語でした。

後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)

後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)

 

大陸西方の相国で部署を渡り歩いて勤続十年の三十路手前の女官吏・陶蓮珠。新皇帝の双子の弟・郭翔央から声を掛けられて、新皇帝が娶る予定だった威国の妃の身代わりとなる中華後宮ファンタジー。威妃を迎えに行くと新皇帝が姿をくらませ、双子の弟・翔央と共に威国語を話せる蓮珠がその身代わりを務める展開。官吏としては有能で、自ら抱えてきた想いや翔央から聞いた志から、新皇帝即位を巡る陰謀を何とかしようとして空回りする蓮珠がやや危なっかしかったですが、そんな中でお互い惹かれつつある翔央との今後がなかなか楽しみなシリーズですね。

 

medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

 

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎が出会った、霊媒として死者の言葉を伝える城塚翡翠。そんな彼女の霊視と論理の力を組み合わせて殺人事件に立ち向かうミステリ。殺された香月の後輩、招待された別荘で殺された先輩作家、女子高生連続の犯人を警察に協力する二人が翡翠の霊視と香月の論理で何とか解決してゆく展開で、けれど最後の連続殺人犯との対峙は、これまで積み重ねて来たものの何が虚で実だったのか分からなくなる急展開に繋がって、その何とも鮮烈で皮肉に満ちていた決着をいろいろと想起させるエピローグが際立たせていました。

競歩王

競歩王

 

天才高校生作家と持て囃されてデビューしながら、その後は燻っていた大学生・榛名忍。競歩リオ五輪ハイライト番組を見て号泣する八千代と出会い競歩という競技にのめり込んでゆくスポーツ小説。最初は気乗りしないまま始めた競歩の取材。そんな忍に不機嫌を隠そうともしない八千代を追ううちに自らの苦悩も重ねて、ライバルたちと競い東京五輪を目指す八千代の苦闘のめり込んでゆく展開はとても重く苦しかったですが、それでも向き合い続けてきたからこそ見えたもの乗り越えられたこともあって、そんな彼らの結末にはぐっとくるものがありました。

星砕きの娘

星砕きの娘

 

魔の化生、鬼の跋扈する地、敷島国。幼い頃に鬼に浚われ て囚われの身となっていた豪族の跡取り・弦太が、蓮の蕾から変化した赤ん坊・蓮華と運命の出会いを果たす和風ファンタジー。囚われて七年後、美しさと強さを兼ね備えた娘に成長した蓮華と弦太が迎える転機。弦太が後継者ゆえのままならなさを痛感する一方で、彼を慕う蓮華との間には変わらない強い絆があって、周囲の複雑な想いを絡めて二転三転してゆく激動の展開に翻弄されながらも、数奇な運命に向き合って決然と立ち向かった二人がたどり着いた粋な結末にはぐっと来るものがありました。

 

 

 

2019年10月に読んだ本 #読書メーターより

10月は結果的に見ればコミック以外も72冊となかなかの冊数読めました。ラノベ新刊以外は読むのが遅れ気味なのは相変わらずですが、ライトノベルはめぼしい新作が少なくて前月に刊行された新作をいくつか読んでました。全体的にはシリーズものをメインに読んでいた印象ですね。

 

トピックとしては延期が続いていた「異世界魔法は遅れてる!」「そして黄昏の終末世界」がイラスト担当が代わって久しぶりに刊行。また読んでいるシリーズでは「契約結婚はじめました。」「鍵屋の隣の和菓子屋さん」「ゲーマーズ!」「神話伝説の英雄の異世界」「華仙公主夜話」「戦うパン屋と機械じかけの看板娘」など、読むのを楽しみにしていたシリーズがいくつも終わってちょっぴり切ない気持ちになりました。ともあれ完結お疲れさまでした。

 

10月の読書メーター
読んだ本の数:95
読んだページ数:26056
ナイス数:6711

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)感想
花を操る人造人間・紅菱の一族が収監される九州が誇る巨大監獄『六道囚獄』。濃密な死の香りに包まれる王の子シシをビスコたちが救う第四弾。人間に逆らえない宿命を背負い監獄の中で虐げられる紅菱たち。ヒトの意志を得た紅菱の王子・シシとビスコたちとの出会い、紅菱たちを捕らえているサタハバキとの熱い激闘。どつきあい罵り合いながらも何だかんだで伴侶とか言っちゃうビスコにはニヤニヤしましたけど、今回はシシの父・ホウセンの思惑に上手く乗せられた感もありましたかね。あの結末から次にどう繋げてゆくのか、続巻に期待ということで。
読了日:10月01日 著者:瘤久保 慎司
ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)感想
昔から殺人事件が多いことで有名な紅森市。紅森署に勤める刑事の桃田遊馬と、血液研究のスペシャリスト・天羽静也のコンビが「血」を手がかりに難事件に挑むブラディ・ミステリ。被害者の服についていた血液の正体、逃亡者が抱える秘密、手首だけ見つかった被害者の妄執、そして殺された女性の首に残された痕の謎。今の時代、血を分析することによってそこまで分かるのかという密かな驚きもありましたが、運命の血と天羽家を巡る因縁に苦悩する静也と、それでも変わらない遊馬の友情がとても印象的な物語でした。続編あるならまた読んでみたいです。
読了日:10月01日 著者:喜多 喜久
妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)感想
死の砂漠から金椛帝都への帰路で、慈仙たちの裏切りにあい、新興の戴雲国に囚われてしまった遊圭。一方、辺境の地で役人を務める宦官の玄月にも不穏な気配が漂い始める第八弾。遊圭もつくづく数奇な運命のもとに生まれたと言うか、ほんといろいろなことに巻き込まれ気味で思ってもみなかった事態の連続ですね…。一方で玄月もまた何とも複雑な状況に追い込まれましたけど、そこで力を合わせてどうにか難局を切り抜け…たわけでもなさそうで、まだまだ不穏な状況は続きますけど大丈夫かなあ...。遊圭と明々が早く再会できる展開を期待しています。
読了日:10月02日 著者:篠原 悠希
ネット文化資源の読み方・作り方: 図書館・自治体・研究者必携ガイドネット文化資源の読み方・作り方: 図書館・自治体・研究者必携ガイド感想
インターネット環境において、文化資源のコレクションをバーチャル空間に作り上げる営みについて、多くの事例から縦横無尽に論じた一冊。TRC-ADEACや様々な国内の各種デジタルアーカイブ、そしてウィキペディアや海外の事例、国立国会図書館オンラインなどの特徴やその課題などを取り上げつつ、文字コードや郷土資料、研究やオープンサイエンスといった様々な観点から論じていく本書は、日本のインターネット環境において文化資源のコレクションをバーチャル空間に作り上げる営みの現況をざっくりと把握するのに適した一冊だと思いました。
読了日:10月02日 著者:岡田 一祐
星砕きの娘星砕きの娘感想
魔の化生、鬼の跋扈する地、敷島国。幼い頃に鬼に浚われ て囚われの身となっていた豪族の跡取り・弦太が、蓮の蕾から変化した赤ん坊・蓮華と運命の出会いを果たす和風ファンタジー。囚われて七年後、美しさと強さを兼ね備えた娘に成長した蓮華と弦太が迎える転機。弦太が後継者ゆえのままならなさを痛感する一方で、彼を慕う蓮華との間には変わらない強い絆があって、周囲の複雑な想いを絡めて二転三転してゆく激動の展開に翻弄されながらも、数奇な運命に向き合って決然と立ち向かった二人がたどり着いた粋な結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:10月02日 著者:松葉屋 なつみ
遺跡発掘師は笑わない 勤王の秘印 (角川文庫)遺跡発掘師は笑わない 勤王の秘印 (角川文庫)感想
亀石発掘派遣事務所の所長・亀石の元に知人から「庭から銅印が出た」と相談の連絡が入り、無量と萌絵が極秘で高知へ向かう第十弾。このシリーズは各地のネタを絡めた諸国漫遊記的なノリが楽しみで、今回は萌絵の地元でもあった高知の幕末・土佐勤王党、平家の落人伝説や安徳天皇を巡る御璽を絡めた展開。急接近する元同級生のイケメン・桜間登場にちょっとドキッとする萌絵にモヤモヤする無量には苦笑いでしたけど、過去の取り憑かれた人々の妄執とロマンを絡めた展開はなかなか良かったです。忍の去就も気になるけど、彼も今後絡んできそうですね。
読了日:10月03日 著者:桑原 水菜
すべては装丁内 (LINE文庫)すべては装丁内 (LINE文庫)感想
著者から念願の詩集刊行ゴーサインをもらった新人編集者・甲府可能子。刊行条件でイラストの制約を受け、装丁デザイナー選びに苦戦する可能子が、編集長の紹介で腕利きだけれど偏屈な烏口曲に仕事を依頼するお仕事小説。情熱が空回りしがちな可能子と、理路整然と上から目線で仕事を選ぶ曲。一見、掴みどころのない曲にも、妥協をせずに最高のものを作り上げようとする熱い想いやこだわりがあって、彼に感化され多くの人に支えられながら、最高の一冊を作るために邁進する姿にはぐっと来るものがありました。続きが出るならまた読んでみたいですね。
読了日:10月03日 著者:木緒なち
不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語 (宝島社文庫)不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語 (宝島社文庫)感想
本を読むのが好きな「先輩」と一緒にいる「私」。私と先輩の二人が織り成す奇妙で不思議で切ない掌編集。本作は右ページに章題、左ページに1ページ完結の私と先輩の話が全120話ひたすら続くシンプルな構成。様々なシチェーションで私と先輩の関係が綴られて、時には不純に、時には愛しく、時には複雑な気持ちで先輩を想う私がいて、一見淡々としているように見える不器用な先輩の私への優しさがあって、そんな二人のエピソードの積み重ねがクセになってゆく、どんな状況でもお互いを大切に思う気持ちは変わらない姿がとても印象的な物語でした。
読了日:10月04日 著者:斜線堂 有紀
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20 (電撃文庫)ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20 (電撃文庫)感想
みんなは期末試験、そしてマスターはいよいよ受験を控え、残念美少女・アコの誕生日やバレンタインデーをはじめイベントが盛りだくさんな二月。LAで復刻イベントラッシュが行われる第二十弾。アコのリアルでのプロポーズ攻勢を頑なに拒否するルシアンと、そんな状況に周囲を巻き込んで仲魔を増やして包囲網を作り上げてゆくアコ。復刻イベントラッシュをわいわいやりながらの二人のやりとりを苦笑いしながら読んでましたけど、流れから薄々予感していた結末は彼らの今後や関係にどんな影響をもたらすのか、物語としても終わりが近いんですかね…。
読了日:10月04日 著者:聴猫 芝居
(P[な]5-1)彼女の気持ちはわかっても、それが恋とはかぎらない (ポプラ文庫ピュアフル)(P[な]5-1)彼女の気持ちはわかっても、それが恋とはかぎらない (ポプラ文庫ピュアフル)感想
相手の気持ちに人並み以上に共感してしまう「エンパス」の能力に悩む根暗高校生・シンヤ。自分の本心を見抜いた彼を好きになってしまった元気少女・まひるの恋模様を描いた青春小説。過去の苦い思い出から心を閉ざしていたシンヤが、まっすぐにぶつかってくるまひると出会い、感化されて変わってゆく展開で、彼の周囲にもだんだん人が増えて、きっかけをくれたまひるやその友人たちにもそれぞれ抱える複雑な想いや事情があって、葛藤する友人を支えながら自らの想いにしっかりと向き合ってゆく不器用な彼らの姿には応援したくなるものがありました。
読了日:10月05日 著者:中山 おかめ
十三歳の誕生日、皇后になりました。2 (ビーズログ文庫)十三歳の誕生日、皇后になりました。2 (ビーズログ文庫)感想
暁月との仲はかくれんぼをして遊ぶおままごと夫婦のままな十三歳の莉杏。それでも『皇后』らしく後宮で起きたもう一つの冠の謎や、新たな妃候補との対決に挑む第二弾。年上の暁月が大好きで甘えるだけでなく、ちゃんと成長しようと頑張る莉杏が微笑ましい感じですけど、暁月もそんな彼女が愛しくて期待したい気持ちと守ってあげたい気持ちで葛藤してますね。後半は茉莉花の方とも連動する展開でしたけど、莉杏の奮闘はともかくとして、赤奏国というか暁月側の人材難が深刻過ぎますね、これ…単純に向こうについたからいないのか、払底しているのか。
読了日:10月06日 著者:石田 リンネ
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?7 禍の使徒 (MF文庫J)なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?7 禍の使徒 (MF文庫J)感想
五種族大戦は大始祖の陰謀により四種族が封印され、人類の勝利という形で終戦。しかし、石化で墓所への封印を免れた四英雄の一人アルフレイヤをバルムンクが発見したとの報がもたらされ、事態が急転する第七弾。一見人類に都合のいい結末に危機感を覚えるカイと、反応が薄い周囲とのギャップという状況でしたけど、そうそううまくいく訳もなくて、アルフレイヤたちと協力しながら謎の極楽鳥の存在を追い、大始祖の謎に迫ることで改めてアスラソラカやシドの存在がクローズアップされてきましたね。ここからどういった展開になるのか続巻に期待です。
読了日:10月07日 著者:細音 啓
君の想い出をください、と天使は言った (角川文庫)君の想い出をください、と天使は言った (角川文庫)感想
急性脳腫瘍で入院し、医師の態度から最悪の結果を察してしまい絶望する河野夕夏。その夜悪魔を名乗る不思議な青年と出会い、大切なものと引き換えに命を助ける取引を交わす恋愛ミステリ。二年間の記憶を失って様々な違いに戸惑いながらも再び職場の銀行で働き始める夕夏と、そんな彼女の前にアフターフォローとして再び現れた青年・水上。記憶が戻らなくても確実に前に進めている実感があって、そんな彼女を気にかけてくれる人たちがいて、そんな中で本当に大切なものを再び見出して、これまでの全てが繋がってゆく結末がとても素敵な物語でした。
読了日:10月07日 著者:辻堂 ゆめ
マエストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。 (小学館文庫キャラブン!)マエストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。 (小学館文庫キャラブン!)感想
イマドキ女子高生の美香が帰宅途中のゴミ捨て場で見つけた金管楽器コルネット。そのコルネットに憑いていた同い年の幽霊・紫乃と出会う青春小説。紫乃に体を預けてコルネットが吹けるようになった美香。紫乃の夢でもあり、先生目当てで入った吹奏楽部は思った以上に厳しくて、その態度にいら立つ吹奏楽男子・川崎もいて、何度もうんざりしてめげそうになりながらも部員たちそれぞれの想いを感じて、そしてみんなの頑張る姿にも感化されて紫乃の想いも知って、少しずつ下手な自分に向き合って変わってゆく美香のこれからを応援したくなる物語でした。
読了日:10月07日 著者:天沢 夏月
medium 霊媒探偵城塚翡翠medium 霊媒探偵城塚翡翠感想
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎が出会った、霊媒として死者の言葉を伝える城塚翡翠。そんな彼女の霊視と論理の力を組み合わせて殺人事件に立ち向かうミステリ。殺された香月の後輩、招待された別荘で殺された先輩作家、女子高生連続の犯人を警察に協力する二人が翡翠の霊視と香月の論理で何とか解決してゆく展開で、けれど最後の連続殺人犯との対峙は、これまで積み重ねて来たものの何が虚で実だったのか分からなくなる急展開に繋がって、その何とも鮮烈で皮肉に満ちていた決着をいろいろと想起させるエピローグが際立たせていました。
読了日:10月08日 著者:相沢 沙呼
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VIII」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VIII」感想
貴族院二年生を終え再び領地での生活に戻ったローゼマイン。しかしフェルディナンドに下った思わぬ王命に決断を迫られる第四部第八弾。新しい弟との出会いや、下級生の側近探し、お魚解体に曽祖父の昔話など、彼女らしい平穏な日々が続くのかと思いましたけど、王命による急転直下の状況からフェルディナンドの秘密が明らかになって、彼とローゼンマインの関係も転機を迎えて、今の彼女だったら彼を救うために奔走しちゃいそうな感じですよね(苦笑)それにしても思っていた以上に酷そうなところに行くことになったフェルディナンドがちょっと心配。
読了日:10月08日 著者:香月美夜
京都伏見は水神さまのいたはるところ 雨月の猫と夜明けの花蓮 (集英社オレンジ文庫)京都伏見は水神さまのいたはるところ 雨月の猫と夜明けの花蓮 (集英社オレンジ文庫)感想
過保護な幼馴染みの拓己と水神さまのシロに世話を焼かれながらの京都・伏見暮らしも早や半年。高校二年生になったひろが進路希望届を前に思い悩む第三弾。いつもと違う様子の陸上部に所属するひろの親友・陶子のこと、猫がもたらした距離感に悩む父娘の和解、同級生の家にあった鉢と蓮の関係。相変わらず周囲に遠慮しがちなひろも、少しずつ大切な友達のために一歩踏み込んでみたり、自分の進路のことを父と話してみたり、その世界が広がってゆくような変化を考えると、保護者を自認する拓巳との関係もいつまでもそのままではいられないですよね。
読了日:10月09日 著者:相川 真
うちの社長はひとでなし! ~此花めぐりのあやかし営業~ (集英社オレンジ文庫)うちの社長はひとでなし! ~此花めぐりのあやかし営業~ (集英社オレンジ文庫)感想
幼いころから、普通の人には見えないモノが見えていめぐり。いたずら好きの「あやかし」たちによって就職活動の面接はことごとく失敗、結果的に鴉天狗が経営するイベント企画会社に就職するあやかしお仕事小説。あやかしに働く場を設けながら、さびれた商店街の再生化計画に取り組むことになっためぐり。要所でフォローする社長は言うほど人でなしでもなかったですが、試行錯誤しながらプロデュースに取り組む彼女の姿は普通のお仕事小説の側面もあって、時には妖怪に脅かされながらも目に見えてしまうものと向き合っていく姿が印象的な物語でした。
読了日:10月09日 著者:ゆうき りん
虹を蹴る (集英社オレンジ文庫)虹を蹴る (集英社オレンジ文庫)感想
三十歳を前に同棲していた彼に捨てられた山田瑞希。倒れた母親に代わって央学高校ラグビー部員たちが暮らす代理寮母を任され、そこで天才肌のスタンドオフ・逸哉や人知れず努力を重ねるウィング・龍之介たちと出会う青春小説。ラグビー監督だった父に反発し、ラグビーのことをほとんど知らなかった瑞希。寮母として彼らと付き合ううちに、一見分かりづらいそのひたむきなラグビーに対する思いを知り、だんだん感化されて支えるようになってゆく展開はベタではありましたけど、随所にわかりやすいラグビーの解説もあったりでなかなか良かったですね。
読了日:10月10日 著者:せひら あやみ
七つの魔剣が支配するIV (電撃文庫)七つの魔剣が支配するIV (電撃文庫)感想
新入生の季節を迎えたキンバリー魔法学校。オリバーたちも二年生に進級し、苛烈さを増す授業や日常の中で、魔法使いとしての現実に直面していく第四弾。つかの間の休息を魔法都市ガラテアで過ごす6人の様々な経験や名物料理、そして対立関係にあるフェザーストンの生徒たちとの激突、そしてシェラ父との邂逅。1年で彼らの立ち位置や評価も確実に変わっていて、絆を育む彼らの関係にも変化の兆しがあって、それぞれが抱える想いと複雑に絡み合う宿命が何をもたらすのか、飲み込まれないように最後まで踏みとどまって乗り越えて欲しいですね…。
読了日:10月10日 著者:宇野 朴人
俺を好きなのはお前だけかよ(12) (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ(12) (電撃文庫)感想
激動の体育祭そして『繚乱祭』を終えたジョーロ達が修学旅行で北海道の札幌市を訪れ、そこで小学校時代の幼馴染・ライラックと再会する第十二弾。修学旅行に強引についてきたアホな先輩と後輩はあれでしたけど、幼馴染・ひまわりに元気がない一方で、積極的にぐいぐい来てパンジーたちも押されっぱなしだったライラックには存在感があって、そんな調子の狂う展開を見事ひっくり返してみせた今回のキーマンは意外でした。過去の精算と彼女たちの想い、そして想いを寄せるヒロインたちに向き合うジョーロの決意がどんな結末をもたらすのか続巻に期待。
読了日:10月10日 著者:駱駝
幼なじみが絶対に負けないラブコメ2 (電撃文庫)幼なじみが絶対に負けないラブコメ2 (電撃文庫)感想
幼馴染・黒羽への告白で見事玉砕した末晴。一方白草も末晴への想いを募らせてゆく状況で、子役時代の後輩にして理想の妹・桃坂真理愛が再襲来、末晴に芸能界復帰の話が持ち上がる第二弾。黒羽には下に個性豊かな姉妹が三人もいるのには驚きましたが、黒羽への玉砕がトラウマになった末晴とチャンスを伺う白草、その関係に転機をもたらす真理愛という構図の中で、哲彦も絡めた逆転劇や、要所要所で残念な言動が多い末晴と、ヒロインたちの三者三様の関わり方がなかなか興味深いです。そんな中でもやはり彼女の存在は頭一つ抜けてるんですかね...。
読了日:10月10日 著者:二丸 修一
魔王学院の不適合者5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)魔王学院の不適合者5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)感想
暴虐の魔王の再臨によって平和が訪れたディルヘイド。一方アゼシオンでは各地で竜が目撃されるようになり、神を従えた謎の男によって、《代行者》を選定する選定審判に巻き込まれてゆく第六弾。逆成長したアノシュには苦笑いでしたが、内部不穏分子の掃討と権威が失墜した勇者学院と魔王学院であたる竜の対処には裏で糸を引いていた神の代理とする代行者や竜人との存在があって、勇者学院に派遣され力を合わせて竜と戦うエミリアの変化と生徒たちとの絆、レオとミサ、アノスの戦いはとても熱くて痛快でした。新ヒロインも増えた今後の展開に期待。
読了日:10月10日 著者:
空の青さを知る人よ Alternative Melodies (電撃文庫)空の青さを知る人よ Alternative Melodies (電撃文庫)感想
なぜか上京したはずのあの日から13年後の未来で目を覚ました音楽で天下を取る夢を抱く少年「しんの」。そんな彼と大人になった慎之介視点で描かれる「空の青さを知る人よ」のもうひとつの物語。ストーリーの展開自体は額賀澪さんのノベライズ「小説 空の青さを知る人よ」(角川文庫)とほぼ一緒でしたけど、視点があおいから慎之介たちに変わったことで、あおい不在時のしんのの心理描写や慎之介の抱える葛藤、そして過去に向き合って再び前に進み、自らの想いを再確認してゆく姿が描かれて、同じ物語でもまた違った趣を楽しむことができました。
読了日:10月11日 著者:岬 鷺宮
天才王子の赤字国家再生術5~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)天才王子の赤字国家再生術5~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)感想
ミールタースでの騒動を機に空前の好景気を迎えたナトラ王国。成長著しいマーデン領の存在が気になるウェインがソルジェスト王国と手を結び、国全体を底上げすることを画策する第五弾。提案がない理由が「顔」発言には笑いましたが、国内のパワーバランスを崩しかねないマーデン領を発端とするデルーニオ、ソルジェスト王国との争い。グリュエール王は豪快で恐ろしい人でしたけど、そんな絶体絶命の窮地で繰り出すウェインの策がまた狂ってる件(苦笑)それでもヒロインたちを惹きつけてやまないウェインの周囲がますます騒がしくなりそうですね。
読了日:10月11日 著者:鳥羽 徹
メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女 (富士見L文庫)メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女 (富士見L文庫)感想
幼馴染に片想いしていた前世を時々夢に見る辺境貴族の令嬢マキア。運命的な出会いを果たした少年トールと魔法を学ぶ楽しい日々を過ごしていた彼女が、引き離されたトールと再会するために奮闘する転生ファンタジー。トールが救世主の守護者に選ばれ引き離されてしまう二人。トールと再会するため王都で最高峰の魔法学校を目指すマキア。学校では個性的な仲間もできて、選ばれていた救世主がまた前世でいろいろと因縁のあった存在で、抗いがたい運命に翻弄されるマキアとトールが大切な絆を守っていけるのか、続巻がとても楽しみな新シリーズですね。
読了日:10月12日 著者:友麻碧
ハル遠カラジ (3) (ガガガ文庫)ハル遠カラジ (3) (ガガガ文庫)感想
旧友モディンとの再会、離別を経て、再び医工師を求める旅へと戻ったテスタたち。ハルはひとり物思いに耽ることが多くなる中、道中でローゼという女性型アンドロイドを救う第三弾。ハルが思い悩む原因を気に掛けるテスタ、また周囲もいろいろ試行錯誤する姿は微笑ましいというか苦笑いでしたけど、ようやくウシャルさんに出会えたものの、男性型アンドロイド・アンドロイドとの邂逅によって事態は急展開を迎えましたね…人間らしさを覚えるようになったからこそハルの苦悩は深くて、諦めないテスタたちが大切なものを取り戻せることを祈っています。
読了日:10月13日 著者:遍 柳一
シャドウ・サーガI -選定の剣と呪いの黒剣- (電撃文庫)シャドウ・サーガI -選定の剣と呪いの黒剣- (電撃文庫)感想
アーサー王物語が大好きな日本の高校生・来人が大魔導士マーリンの弟子・リィナによって異世界グレートブリテンに召喚され、アーサーが死ぬ予言を覆すために奮闘するファンタジー。この世界では女の子のアーサーを召喚したリィナとともに支えてゆく展開で、状況に戸惑いつつも戦えるし、開き直った演技で流れを引き寄せてみせた来人の存在感はありましたけど、一方で女子は王位継承権がないなかで代わりに来人を影武者とした構図が今後どのように影響してくるか、優しくも相対的にやや影の薄かったアーサーの活躍に期待したいところではあります。
読了日:10月13日 著者:西村 西
機械式時計王子の再来 からくり屋敷の謎 (ハルキ文庫)機械式時計王子の再来 からくり屋敷の謎 (ハルキ文庫)感想
仕事のあとで専門学校に通うほど時計に興味を持つまでになった千駄木・トトキ時計店の店番・十刻藤子。そこに有名な時計師一族の御曹司・ジャンと通訳兼世話係のアキオが半年ぶりに戻ってくる第二弾。捨てられた時計や育てていた生命の木に込められたメッセージ、プレイヤーズコンパスがもたらした心境の変化、ダイバーズウオッチと潮干狩り、藤子の祖父が建設を手伝ったからくり時計の修理。時計の蘊蓄や明らかになる過去が興味深くて三人の関係もいい感じだけど、やっぱり「千駄木の休日」なんですかね…いい落としどころ見つかるといいんですが。
読了日:10月14日 著者:柊 サナカ
親が知らない子どものスマホ親が知らない子どものスマホ感想
勉強からいじめまでイマドキの10代の親世代とは全く異なる実情、若者のSNS、ネット実情と、親として知っておくべき知識、注意点を解説した一冊。インスタにTwitterTikTokなど、スマホ世代に人気のSNS紹介や意識の違い、SNSを通じたコミュニケーション、「自画撮り被害」「エアドロ痴漢」といった負の側面、中高生のおサイフ事情、用語解説や相談窓口&情報収集サイトなどを紹介していて、スマホネイティブな感覚も意外と現実的な使い方なのかもしれないですね。きちんと理解しようとする姿勢が大切なのかもと思いました。
読了日:10月14日 著者:鈴木 朋子
本を読めなくなった人のための読書論本を読めなくなった人のための読書論感想
なぜ本が読めなくなるのか。そんな人たちに贈るNHK「100分de名著」常連の本読みの達人が案内する読書の方法。読めない時期にも意味があって、正しい読書ではなく自分が読み取れる「わたしの読書」を大切にする、経験となる読書を大切にする、ひとりの時間の快適さを実感する、量より質を追求する、全部読まなくて良い、といったとりあえず読めないことを焦らないことを前提に、自分なりの読書の方法を模索する大切さが説かれていました。今はまだ読めなくなってはいないですけど、もしそうなった時また読んでみたいと思うような一冊でした。
読了日:10月14日 著者:若松 英輔
屍人荘の殺人 (創元推理文庫)屍人荘の殺人 (創元推理文庫)感想
神紅大学ミステリ愛好会会長の探偵・明智恭介と助手・葉村譲が、もう一人の探偵・剣崎比留子と共に紫湛荘を訪れ、予想もしなかった事態で荘内に籠城を余儀される中、次々と連続殺人事件が起きるミステリ。過去に因縁あるペンションでの夏合宿で、思わぬ形で閉じ込められた参加者たち。外部からの脅威による惨劇と、次々と起きる因縁じみた殺人事件の組み合わせが奇抜で事態をより難しいものにしていましたけど、その特殊な状況下で起きた事件の真相は切なくて、そんな事件を見事解決に導いてみせた探偵たちのその後をまた読んでみたいと思いました。
読了日:10月15日 著者:今村 昌弘
きみが逝くのをここで待ってる ~札駅西口、カラオケあまや~ (集英社オレンジ文庫)きみが逝くのをここで待ってる ~札駅西口、カラオケあまや~ (集英社オレンジ文庫)感想
大学進学のため、札幌で一人暮らしを始めた和仁。新歓コンパで行ったカラオケ店のトイレに転がっている生首を発見した彼に、店長の花宮が働かないかと勧誘する物語。この世に留まる霊を集めてあの世に送り出す“実験場”のようなカラオケ店「あまや」。そんな訳ありの店で働き始めた和仁に憑いている土色の男の霊。見えている人たちにもそれぞれの苦悩もあって、長らく苦しみ続けていた和仁のずっと誰にも言えなかった過去も明らかになって、ようやく乗り越えた先にあった苦悩からの解放と、これから少しずつ変わり始める予感に救われる思いでした。
読了日:10月15日 著者:乃村 波緒
小麦100コロス マンション管理士による福音書 不正な管理会社のたとえ (集英社オレンジ文庫)小麦100コロス マンション管理士による福音書 不正な管理会社のたとえ (集英社オレンジ文庫)感想
ブラック上司と対立し、大手管理会社を辞めてマンション管理士として独立した創士郎。不安いっぱいの開業早々、インターン志望の女子高生・紫が押しかけてくる物語。正直なところ読めば読むほどマンション管理士で独立する不安を痛感する展開でしたけど、彼なりの意地もあったんでしょうね。いろいろ手伝った末にようやく近所の大規模マンション管理組合の顧問に食い込むきっかけを得て、因縁の元上司と対峙する展開で紫の意外な正体や押しかけてきた理由も明らかになって、それらに懸命に向き合う創士郎たちの奮闘とその結末は悪くなかったですね。
読了日:10月16日 著者:ゆきた 志旗
ビストロ三軒亭の奇跡の宴 (角川文庫)ビストロ三軒亭の奇跡の宴 (角川文庫)感想
お客様でにぎわう中、室田が突如倒れ三軒亭が大ピンチに。名探偵ポアロ好きの凄腕シェフ・伊勢の切ない過去や、ギャルソン・隆一のさらなる成長も描かれる第三弾。フルーツ尽くしのコースを注文する謎の女性二人組、アイドルのオーディションを受けた少年の真意と謎の暗号文、店を訪れた父親に給仕のダメ出しをされる正輝、そして室田の手術。相変わらず美味しそうな料理が紹介される中で、店員たちの悔恨や想い、これからの目標も明らかになって、それぞれが過去のわだかまりを解消し、いい方向に変わる兆しが見えた結末はなかなか良かったですね。
読了日:10月16日 著者:斎藤 千輪
Re:ゼロから始める異世界生活21 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活21 (MF文庫J)感想
魔女教との戦いが終わり、しかし、深い傷跡の残された水門都市。日常を、『名前』を奪われた人々を救うため、スバルたちは『賢者』の塔を目指して、最果ての地へと旅立つ第二十一弾。思い出を失った鬼の姉妹、魔女名をを名乗る人工精霊。名前を失った『最優の騎士』たちと共に向かうプレアデス監視塔に待ち受ける困難。塔にたどり着くまでの絶望的な何度もの死に戻りが久しぶりというか何ともしんどい展開でしたけど、その中でスバルに訪れた変化の兆しとか、最後の展開がいろいろ気になりました。レムたちきちんと元に戻れるといいんですけどね…。
読了日:10月16日 著者:長月 達平
Re:ゼロから始める異世界生活 短編集5 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活 短編集5 (MF文庫J)感想
フェリスに治癒魔法を教えた導師ガリッチとの師弟関係と『青』の称号を受け継ぐまで、幼き日のアナスタシアが可愛い猫三姉弟を手に入れるために奮闘したさなかに起きた運命の出会い、オットーの強制里帰りにスバルとガーフィールが護衛と賑やかしで同行する短編集第五弾。いろいろタイムリーなタイミングでの各話のエピソードだったような気がしましたけど、個人的にはやはり運命的な出会いがあってオットーを意識してきたマローネと、そんな彼女を気にかける弟レギンという構図の中で、何とも彼らしい選択をしたオットーがとても印象に残りました。
読了日:10月17日 著者:長月 達平
AIに負けない子どもを育てるAIに負けない子どもを育てる感想
『AIvs.教科書が読めない子どもたち』の続編で、「AIに負けない子どもを育てる」というタイトルになっていましたが、中身としては読解力があまりないはずのAI以上に今の子供たち、だけでなく大人たちにも読解力が足りていないのではないかという危機感が語られていて、RTSテストから分かる読解力で明らかになる不足部分も気になるところですが、単語だけを拾って読めた気になっていないか、ちゃんと文脈を読んで意図を理解できているのか、自分自身もそうですけど、子どもの読解力についていろいろ考えさせられる部分がありました。
読了日:10月17日 著者:新井 紀子
契約結婚はじめました。 5 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)契約結婚はじめました。 5 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)感想
香澄が柊一への気持ちを自覚し、柊一もずいぶん前から香澄のことを憎からず思っている状況。そんな二人の関係に柊一がひとつの提案をする第五弾。松江の紅白椿、七変化椿、もうひとつの椿屋敷と三者三様の夫婦のあり方に触れる中で、ようやく二人の関係を見つめ直すことを決めた香澄と柊一。柊一の慎重さとは対照的に、すっかり覚悟の定まった感のある香澄のぶれない想いがとても印象的で、周囲からすればようやく収まるところに収まった感ですかね。すみれ荘の面々もそれぞれの行く末が垣間見えたとても素敵な結末でした。次回作も期待しています。
読了日:10月17日 著者:白川 紺子
鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のひとびと (集英社オレンジ文庫)鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のひとびと (集英社オレンジ文庫)感想
店の看板娘かつ片想い相手である祐雨子の友人・亜麻里からの熱心なアプローチを無下にできず困惑する多喜次。一方、同僚の柴倉と祐雨子が急接近し心穏やかではいられない第四弾。ぐいぐい来る亜麻里の攻勢に、コンプレックスで複雑な想いを抱く柴倉と祐雨子の急接近と、いつの間にか一緒にいるのが当たり前のように思えた二人でも、ちょっとボタンを掛け違うとここまでこじれてしまうのかと、読んでいる方がどうにも落ち着かなくなる展開でしたが、終わってみれば祐雨子の劇的な心境の変化がとても印象的だった結末でした。次回作も期待しています。
読了日:10月17日 著者:梨沙,ねぎしきょうこ
弱キャラ友崎くん Lv.8 (ガガガ文庫)弱キャラ友崎くん Lv.8 (ガガガ文庫)感想
文化祭が終わり、冬休みが明けて。人生攻略に大きな区切りをつけた友崎の前に立ちふさがった進路調査票という新たな難題に直面する第八弾。ようやく付き合うようになった菊池さんとの関係は何とも微笑ましい思いで眺めていましたけど、進路調査を通じて周囲の仲間たちが思い描くそれぞれの未来が垣間見えて、葵と一緒に参加したアタファミのオフ会では新しい出会いもあって。その中で友崎の決意は変わりつつあった人間関係にも大きな波紋を投げかけそうですけど、ここからいかに現実感に説得力を持たせてゆくのか、今後の展開を楽しみにしています。
読了日:10月17日 著者:屋久 ユウキ
千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)感想
「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」七瀬悠月のようなとびっきりの美少女から持ちかけられた、千歳と彼女の偽りの恋の物語を描く第二弾。周囲から驚きを持って迎えられた二人の交際と、その裏で悠月を脅かすストーカーの正体を探る展開。最初は似た者同士に見えたそれぞれの過去が明らかになっていって、難しい状況でも見て見ぬ振りをできずに他人のために奔走する千歳の熱い想いはどこまでも真摯で、ヒロインたちがそれぞれ垣間見せた想いが今後の展開にどう繋がってゆくのか、続巻がさらに楽しみになってきました。
読了日:10月18日 著者:裕夢
Outlook最速時短術Outlook最速時短術感想
日経PC21」のOutlook効率化ノウハウを一挙公開した一冊。初期設定変更やボタン1つで複数処理をする「クイック操作」の使い方、定型メールを自動作成、マウスでできる超速ワザ、予定やタスクをメールベースで管理する方法、スマホのアウトルックでメールを見る方法、Onedriveとの連携など、実際に自分が使う使わないはあれとしていろいろ載っていて興味深かったですね。仕事で「こういうことができないか」はよく聞かれるので「選択肢を知っている」ことは重要です。個人的にはOnedriveの相性の良さが気になりました。
読了日:10月18日 著者:鈴木 眞里子
生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)感想
公立図書館設立に向けた文庫活動や学校図書館の試みなど、六〇年以上にわたって図書館に携わってきた著者が図書館の未来について語った一冊。公共図書館学校図書館大学図書館の歴史からその位置づけの変遷について簡単にまとめられていて、そういった歴史や20年で400館ほども公共図書館が増えた一方で予算が8割ほどに減少しつつあることをふまえて、これからの図書館や図書館員がどうあるべきか、目指すべきところはどこにあるのか、図書館は今なかなか難しい状況に置かれていますが、とても大切なことが書かれていたように思いました。
読了日:10月19日 著者:竹内 〓
ロクでなし魔術講師と追想日誌5 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と追想日誌5 (ファンタジア文庫)感想
惚れ薬によってルミアが全校生徒から追い回されたり、苺タルトに裏切られたリィエル、魔術の失敗でグレンの飼い猫になったシスティーナ、特務分室室長時代のイヴの華麗なる日々、グレンとジャティスが同僚だった頃の因縁のエピソードを描く短編集第五弾。相変わらずヒロインたちの魅力を存分に活かした短編集で、グレンや早合点して暴走するセリカたちとの絡みが楽しかったですね。そしてグレンとジャティスの相容れぬ正義がぶつかり合う因縁の対決はやや意外な結末でしたが、いずれ二人の決着が避けられない展開の中で彼女もまた再登場するのかな?
読了日:10月19日 著者:羊太郎
アサシンズプライド11 暗殺教師と禁書階梯 (ファンタジア文庫)アサシンズプライド11 暗殺教師と禁書階梯 (ファンタジア文庫)感想
白夜騎兵団による暗殺計画から逃れるため、聖ドートリッシュ女学園に転校したメリダエリーゼ。彼女たちを元の生活に戻すため女公爵アルメディアからミュールが持ち去った禁書黒の書の回収を持ちかけられる第十一弾。禁書に封印された禁呪によってボードゲームの世界に閉じ込められるクーファと公爵令嬢たち。多くの罠とマナの使えない状況で可憐な彼女たちとの絆を試されるベタな展開には苦笑いでしたけど、誰が味方で敵なのかますます事態が混迷してゆく状況をどう挽回してゆくのか、物語の根幹に関わりそうな謎も見えてきて続巻に期待ですかね。
読了日:10月19日 著者:天城ケイ
デート・ア・ライブ21 十香グッドエンド 上 (ファンタジア文庫)デート・ア・ライブ21 十香グッドエンド 上 (ファンタジア文庫)感想
DEMとの最終決戦、始原の精霊・澪との戦い、そして夜刀神十香が消えてしまってから一年。元精霊の少女たちは過去と向き合い未来へと進み始める中、喪失感を抱えながら日々を過ごす五河士道が、存在しないはずの精霊の少女と出会う第二十一弾。折紙の結婚式、二亜のお手伝い、狂三の墓参り、四糸乃の過去、琴里の秘めた想い、世界を否定して壊す精霊の出現。魅力的な彼女たちのその後をひとりひとり描いていたらそれは一巻では終わらないよねと苦笑いでしたけど、この作品らしいと思えるような集大成としての最後のデートと結末を期待しています。
読了日:10月20日 著者:橘 公司
ゲーマーズ!12 ゲーマーズと青春コンティニュー (ファンタジア文庫)ゲーマーズ!12 ゲーマーズと青春コンティニュー (ファンタジア文庫)感想
正式に付き合うことになった雨野と天道。再び《シュピール王国》に集うこじらせゲーマーたちが真のエンディング目指して最後の錯綜を連発する第十二弾。とりあえず雨野と天道は付き合い始めたけど、千秋とのそれ友達の距離感なの?とか、コノハは全然諦めてないよね?とか、亜玖璃との関係ってつまるところそういうことなの?とか、雨野がひとつひとつこじれにこじれた関係に決着をつけていったはずなのに、まだまだ相変わらずツッコミどころ満載だった気もしますが、これはこれでこの作品らしい結末のような気がしました。次回作も期待してます。
読了日:10月20日 著者:葵 せきな
公女殿下の家庭教師4 氷炎の姫君と夏休みに王国を救います (ファンタジア文庫)公女殿下の家庭教師4 氷炎の姫君と夏休みに王国を救います (ファンタジア文庫)感想
王立学校の前期試験で成績上位となったティナたち。そんな彼女たちのおねだりにリディヤも加わってアレンの夏期休暇帰省に同行し東都へ向かう第四弾。実家にお泊りしながら浴衣でお祭り、水着で湖にと夏休みを満喫する一方で、オルグレン公爵家の監視下から脱出し謀反の動きを見せるジェラルド。教え子たちとの関係は微笑ましくて、すでに実家の両親と親密な関係を築いているリディアとアレンの絶対的な絆とか、垣間見えた様々な過去の因縁や苦境を打開しても依然として続く不穏な状況とか、微笑ましいだけでは終わらない今後の展開が楽しみです。
読了日:10月20日 著者:七野りく
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?9 (ファンタジア文庫)通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?9 (ファンタジア文庫)感想
リベーレ四天王から最終決戦を申し込まれた真人たち。しかしぐだぐだで状況は一向に変わらず、そんなアマンテたちにHAHAKOを母親として認めさせるクリスマスイベントが発動される第九弾。赤ん坊にされた四天王たち(となぜか真人も一緒にw)といろいろなイベントをこなして、一緒に親子の思い出を作ってHAHAKOを母親として認めさせようという展開でしたけど、まあ予想通りの展開というか、なかなか素直なれない彼女たちもようやくHAHAKOのことを認められたんですかね。意外と長く続いた感はありましたけど次巻で最終巻ですかね?
読了日:10月21日 著者:井中 だちま
崩壊学: 人類が直面している脅威の実態崩壊学: 人類が直面している脅威の実態感想
崩壊とはどのようなもので、何が引き金となり、結果としてどのような心理的、社会的、政治的な影響を与えるかを「崩壊学」と名づけ、世界中の研究から集めて紹介する一冊。現代は化石エネルギーや金融システム次第でいつ崩壊が始まってもおかしくない世界で、持続可能な開発も非現実的という状況。それに関する様々なテーマで定義や研究を紹介してはいる点は興味深かったですが、本書がそれを列挙している域を出ていなかったのは残念。つまるところすでに崩壊の兆候はあっても抜本的な解決策などなくて、まずは現実を見ろということなんでしょうね。
読了日:10月21日 著者:パブロ セルヴィーニュ,ラファエル スティーヴンス
後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)感想
大陸西方の相国で部署を渡り歩いて勤続十年の三十路手前の女官吏・陶蓮珠。新皇帝の双子の弟・郭翔央から声を掛けられて、新皇帝が娶る予定だった威国の妃の身代わりとなる中華後宮ファンタジー。威妃を迎えに行くと新皇帝が姿をくらませ、双子の弟・翔央と共に威国語を話せる蓮珠がその身代わりを務める展開。官吏としては有能で、自ら抱えてきた想いや翔央から聞いた志から、新皇帝即位を巡る陰謀を何とかしようとして空回りする蓮珠がやや危なっかしかったですが、そんな中でお互い惹かれつつある翔央との今後がなかなか楽しみなシリーズですね。
読了日:10月22日 著者:天城 智尋
後宮の花は偽りを散らす (双葉文庫)後宮の花は偽りを散らす (双葉文庫)感想
前回の功績から上級官吏に昇進、皇帝直轄の行部で働くようになった蓮珠。威妃の立后式が近づく中、彼女の境遇を見定めるため妹の妹威公主がやってくる第二弾。居場所や地位が変わっても相変わらずな蓮珠が、勘違いからまたもや立后式を巡る騒動に巻き込まれてゆく展開で、そんな中で頑張る彼女が周囲に慕われ味方が増えてゆく様子が伺えましたけど、わりと真っ直ぐな翔央と身分違いに思い悩む蓮珠の見守りたい関係を、うまいこと利用しつつも双子の弟を溺愛するがゆえに冷徹な目で見つめている皇帝が怖い…これからもいろいろ巻き込まれそうですね。
読了日:10月23日 著者:天城 智尋
神話伝説の英雄の異世界譚 13 (オーバーラップ文庫)神話伝説の英雄の異世界譚 13 (オーバーラップ文庫)感想
比呂の背を追って成長を重ね、ついに並び立つに至ったリズ。千年前より続く比呂の計画は最終段階を迎え、《無貌王》との決戦で長らく続いた因縁にも決着をつける第十三弾。表紙を一巻と見比べるとふたりとも成長したなあ...と隔世の感がありましたが、《無貌王》との決戦だけでなく、北方・南方各戦線や六ツ国、シュタイセン共和国などのそれぞれの決着があって、最後の大盤振る舞いにはえ?そういうことになったの?と苦笑いしましたが、長らく続いた何ともややこしい因縁の戦いを最後まで見届けられて良かったです。次回作も期待しています。
読了日:10月23日 著者:
異世界魔法は遅れてる! 9 (オーバーラップ文庫)異世界魔法は遅れてる! 9 (オーバーラップ文庫)感想
異世界より現代日本へ帰還を果たした魔術師・八鍵水明。八鍵邸に戻った水明が弟子にしてホムンクルスの少女ハイデマリーと再会する第九弾。メニア・レフィール・リリアナ・初美とともにいったん現代日本へ戻った水明が結社の依頼もこなす展開で、ヒロインたちが現代日本で美味しいものを食べたり、いろいろ出かけたりで満喫する姿は微笑ましくて、新ヒロイン・ハイデマリーも面白い存在になりそうですね。次からはまた異世界での展開に戻りそうですが、刊行が久しぶり過ぎて内容を思い出すのに苦労したので、次巻は早めの刊行をお願いします(苦笑)
読了日:10月24日 著者:樋辻臥命
ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く (角川ホラー文庫)感想
ついにこよみを自宅に招待することに成功した森司。試行錯誤する二人の関係にいい雰囲気も垣間見えてくる中で、テレビ番組でも活躍するテレビ番組でも活躍する大人気霊能者がやってくる第十六弾。大人気霊能者から依頼された心霊番組収録の手伝い、子どもの幽霊が窓から覗いていた理由、予備校講師のブラックバイトと赤珊瑚。今回は複雑な家庭事情や悲しい過去だったりを絡めた展開でしたけど、未来の家庭像を語ってしまうお似合いな二人の外堀は着々と埋まってゆきますね。相変わらずだけど卒業したら普通に結婚しそうな未来しか見えません(苦笑)
読了日:10月24日 著者:櫛木 理宇
そして黄昏の終末世界<トワイライト> 2 (オーバーラップ文庫)そして黄昏の終末世界<トワイライト> 2 (オーバーラップ文庫)感想
「刻の黄昏」に巻き込まれ、如月御姫と共に魔人『ペイガン』を退けた東雲冬夜。御姫が発症した吸精病を隠しつつ、シスカ日本支社の終末化特別対策室の面々と接触を果たす第二弾。こちらも久しぶりの刊行となりましたが、今回は深刻な状況に置かれているはずの美少女ヒロイン・御姫のポンコツっぷりが大爆発して、ラブコメ展開的にもなかなか美味しかったです。御姫やいつきたちと組んだチームも戦う中でいい感じになりそうな兆しが見えて、重い業を抱える冬夜が彼女たちと関わる中でこれからどう変わってゆくのか、続巻が楽しみになってきました。
読了日:10月24日 著者:樋辻臥命
華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う (富士見L文庫)華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う (富士見L文庫)感想
次期皇帝・紫旗の暗殺計画を知った華仙公主・明花は、過ごし慣れた酒楼を離れることを決意。伯慶の婚約者として後宮へ潜入し、紫旗を救おうと奔走する第三弾。幽鬼の如く衛兵が蠢き、多数の仙道士らが横行する後宮で毒に倒れてしまう紫旗。彼らもまたそれぞれ窮地に陥る中、複雑な仙境との関係や親子の情も絡んで、苦境を打開する光明が見えない難しい展開でしたけど、仲がいいんだか悪いんだかよくわからない宰相の伯慶と華仙公主・明花の名コンビっぷりを最後まで楽しめました。エピローグもまたとても彼ららしい結末で、次回作も期待しています。
読了日:10月25日 著者:喜咲冬子
日本の消費者は何を考えているのか?: 二極化時代のマーケティング日本の消費者は何を考えているのか?: 二極化時代のマーケティング感想
97年から3年に1度行われている野村総合研究所の生活者1万人アンケートから分析する日本人各世代の価値観の変化を解説した1冊。団塊・バブル・団塊ジュニア・さとり・デジタルネイティブなど、15歳以上を7世代にわけた世代ごとの傾向の違いや意識の変化、利便性消費とプレミアム消費に二極化が進む中でのスマホ利用拡大と共稼ぎ家族の拡大、SNSを絡めた各世代ごとの繋がり方など、何となく感覚的には理解していたことを数字で分かりやすく説明してくれていて、社会人世代ではスマホでの買い物が急拡大していることを改めて実感しました。
読了日:10月25日 著者:松下 東子,林 裕之,日戸 浩之
謎が解けたら、ごきげんよう (新潮文庫nex)謎が解けたら、ごきげんよう (新潮文庫nex)感想
やんごとなき血を継ぐ天才少女探偵・潮に発明家の卵・丸川環、ホンモノの華族令嬢・見留院紫と組んだ茜が身近で起きた日常の謎から暗殺者相手に大活躍する第二弾。ミステリアスな潮の家を訪ねた茜が遭遇した濡れた傘の理由、友人の喧嘩したお姉さまが抱えていた謎などを推理してゆく一方で、警視庁部長刑事の鬼頭の実家事情も語られて、潮の異母姉・川島芳子を絡めた最終話も躍動感があって面白かったですが、エピソードを積み重ねたからこそ垣間見えてくる登場人物たちの心情もあってなかなか良かったです。続巻あるならまた読んでみたいですね。
読了日:10月27日 著者:彩藤 アザミ
高校事変 III (角川文庫)高校事変 III (角川文庫)感想
施設を訪ねてきた全寮制矯正施設・塚越学園のトップから転入を薦められた結衣。見学に出発した彼女が武装集団の襲撃に遭い、熱帯林の奥地に同じく日本から来た少年少女ら700人が拉致されていたことを知る第三弾。奇妙な学校村落での制限された学校生活の謎とその目的。ついに海外にまで拉致られた結衣が、武装集団を相手に生徒全員を死なせずに脱出を目指すという難易度の高いミッションに挑む展開で、彼女自身もまたそのありようを何度も問われ追い詰められながらも決して諦めず、そんな姿に周囲も感化され成長してゆく姿が今回も印象的でした。
読了日:10月28日 著者:松岡 圭祐
異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)感想
2006年、春。トラックにはねられて死んだ息子・タカシの遺したプロットを元にファンタジー小説を書きだした母・フミエ。そんな状況にうんざりするタカシの妹・チカが、タカシをはねた運転手・片山に相談する物語。片山が提案し、タカシの死から止まったままの時間を少しずつ動かし始めたウェブ小説の連載。ウェブ小説の扱いや公開したことで直面した悪意の数々や当時の時代感を懐かしいなと感じましたけど、一方でそれをきっかけに様々な思惑を持った人たちとの関わりが生まれて、それが停滞していた状況を変えてゆく展開が印象的な物語でした。
読了日:10月28日 著者:伊藤 ヒロ
太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫 さ 91-1 nex)太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫 さ 91-1 nex)感想
死に至る「宝石病」を患い海の見える高校に転校してきた理奈。親友や彼氏を作って最高の学園生活を送ろうと決意する理奈と、彼女のために受験を頑張る翔太が過ごした最高の12ヶ月の物語。運命の恋人と出会い、印象的な出会いを果たした美里と様々な出来事を経て大切な親友となってゆく理奈。彼女と自分の夢のために受験勉強する翔太が予備校で出会った仲間たち。違う時を過ごす中で不安やすれ違いもあって、それでも二人で育んできた確かな絆があって。そんな二人のかけがえのない日々を必ず読み返したくなる、とても鮮烈で印象に残る物語でした。
読了日:10月28日 著者:三田 千恵
朝比奈若葉と○○な彼氏 (MF文庫J)朝比奈若葉と○○な彼氏 (MF文庫J)感想
クラスメイトの悪ノリから罰ゲームとして、学校一の嫌われ者・入間晴斗へのウソの告白を強要された内気な女子高生・朝比奈若葉。最初は嫌々始まったはずの晴斗との交際が、彼女を少しずつ変えてゆく青春小説。最初はやらされている感が満載だった下校やデートで、自分を気遣ってくれる晴斗の優しさや人間性に触れ、少しずつ彼を見る目を改めてゆく若葉。二人を取り巻くキャラも立っていて、彼女自身も明るさを取り戻していって、無自覚のうちにかけがえのない存在になってゆくのが分かるからこそ、最後の展開から続巻がどうなるのか気になりますね。
読了日:10月29日 著者:間 孝史
藤倉君のニセ彼女 (一二三文庫)藤倉君のニセ彼女 (一二三文庫)感想
学校一モテる藤倉君に自称・六八番目に恋をした尚。遠くから眺めるだけだった彼女が、ふとしたきっかけからモテすぎて女嫌いを発症した藤倉君の女除け役として「ニセ彼女」に立候補する青春小説。少女マンガのようにモテまくる藤倉を好きにならないという宣言から始まったニセ彼女生活。普通の男子生徒として扱ってくれる尚への安心感があって、一緒にいても苦にならない関係だからこそ少しずつ確実に変化してゆく二人の心境があって、ここまで拗らせるとどうなることか心配でしたけど、いつの間にか育まれていた大切なものに気づけて良かったです。
読了日:10月29日 著者:村田天
競歩王競歩王感想
天才高校生作家と持て囃されてデビューしながら、その後は燻っていた大学生・榛名忍。競歩リオ五輪ハイライト番組を見て号泣する八千代と出会い競歩という競技にのめり込んでゆくスポーツ小説。最初は気乗りしないまま始めた競歩の取材。そんな忍に不機嫌を隠そうともしない八千代を追ううちに自らの苦悩も重ねて、ライバルたちと競い東京五輪を目指す八千代の苦闘のめり込んでゆく展開はとても重く苦しかったですが、それでも向き合い続けてきたからこそ見えたもの乗り越えられたこともあって、そんな彼らの結末にはぐっとくるものがありました。
読了日:10月30日 著者:額賀 澪
勇者の君ともう一度ここから。 (LINE文庫エッジ)勇者の君ともう一度ここから。 (LINE文庫エッジ)感想
己と引き換えに狂神を討ち倒し世界を救った勇者セラフィルナ。一方、片腕を失って戦線離脱し失意の日々を送っていた剣聖・ジャンが、世界と彼女を救うために再び立ち上がるファンタジー。狂神を打倒した代償として呪いを浴びたセラを救うため、魔神器『ヴルムの真腕』を与えられて彼女のそばにいることを誓うジャン。ストーリーとしては登場人物も少なくシンプルな王道展開でしたけど、ずっと心残りで一度は諦めかけていた大切な人と再会し、これからも共にあるために2人で一緒に戦うことを決意したこれからの展開に期待したくなる物語でした。
読了日:10月30日 著者:みかみてれん
百錬の覇王と聖約の戦乙女 19 (HJ文庫)百錬の覇王と聖約の戦乙女 19 (HJ文庫)感想
巨大地震によってギャッラルブルー関が崩落、防御璧を失い決死の撤退戦を余儀なくされた《鋼》。ケルムト河の氾濫によりはぐれたジークルーネは猛将シバと一対一で決着をつける第十九弾。優勢だったはずの情勢を覆した巨大地震による防御璧の崩壊。難しい殿役に名乗り出たフヴェズルングが、まさに面目躍如というかえげつない戦法で大活躍する展開でしたけど、それをあの年齢で覆してみせるホムラはちょっとチート過ぎますね(苦笑)開き直った勇斗の策で多少は盛り返しましたけど、ここから炎との戦いがどう決着するのか、続巻に期待ということで。
読了日:10月30日 著者:鷹山誠一
戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10 (HJ文庫)戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10 (HJ文庫)感想
皆に祝福され、結婚式を挙げたルートとスヴェン。スヴェンは人間になることを決意し、人化の方法を知るマイッツァーを探すうちに、聖女が画策する次なる大戦の火種に巻き込まれてゆく第十弾。二人の結婚式はとてもいい感じだなあとは思いましたけど(ソフィアさん...)、ルートと共に歩みたいと願うスヴェンの願いと、聖女が画策するとんでもない計画を阻止するために最後にまた一波乱ありましたけど、それを乗り越えた後のそれぞれのエピローグと、最後に出てきた素朴でとても幸せそうな姿がとても印象的な結末でした。次回作も期待しています。
読了日:10月30日 著者:SOW
疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? (角川スニーカー文庫)疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? (角川スニーカー文庫)感想
かつては仲良かった幼馴染・神崎天音とすっかり疎遠になってしまっていた天地夢次が、『夢を操る方法』という怪しげな本を拾い、異世界で幼馴染と結婚する夢を見る学園ラブコメ。今ではすっかり人気者の幼馴染と埋没している主人公が、夢の中で起きたことをきっかけにその大切な関係を取り戻してゆく展開で、そんな二人の不器用でも変わっていなかったそれぞれの思いも明らかになっていって、そして大切な彼女の危機的状況を打開すべく、リアルでも夢の中でも奮闘する展開は本当に良かったです。もし続巻があるようならまた是非読んでみたいですね。
読了日:10月31日 著者:語部 マサユキ
小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる (ポルタ文庫)小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる (ポルタ文庫)感想
園生くんから告白させるためにしもべにしようとする超絶奥手魔女の小戸森さんと、しもべでなく恋人になりたい超ド級の鈍感男子・園生くんのじれじれ両片想いストーリー。学校では非の打ち所がない美少女で人気者なのに、園生くんの前ではなぜかポンコツ魔女と化してしまう可愛い小戸森さんと放課後二人で過ごす密会の時間。彼女の乙女心になかなか気づけない彼の鈍感っぷりがもどかしい二人で、ものの見事にドツボにハマっているというか、チャンスに空振りばかりでなかなか前途多難でしたけど、最後は何か二人らしいなと思えた結末でしたね(苦笑)
読了日:10月31日 著者:藤井 論理
文庫本は何冊積んだら倒れるか文庫本は何冊積んだら倒れるか感想
本の雑誌」に連載されていたもの。ずんずん調査の堀井憲一郎が出版業界の謎に挑む誰も驚かない驚異のゆるーい調査を紹介した一冊。いわゆる本に関する雑学エッセイで、レーベルごとに文庫本を何冊積んだら倒れるかとか、未読本は何日経過すると読めなくなるのか、新潮文庫岩波文庫の目録を使ってどんな作家が消えていっているのか、ノーベル文学賞の高齢受賞者を調べてみるなど、自分ではやろうとは思わないし、実際に何かの役に立つかどうかは微妙だけれど、何となくなるほどなと思えるような試みをいろいろ試しているのは興味深かったです。
読了日:10月31日 著者:堀井 憲一郎

読書メーター

今注目の中華風ファンタジー18選(19年10月改訂版)

2018年に作った以下の記事。実は検索で当ブログを訪れてくださっている方の中では更新時からずっと一番アクセス数の多い記事であり続けています。

この該当記事の作成から一年以上が経過し、この時点では読んでいなかった作品もあり、新シリーズが刊行されていたり、巻数を重ねていたりでいろいろ当時とは変わってきています。そこで作品・刊行情報などを更新した改訂版を作ろうと思いました。今回は前回記事から入れ替えをしつつ、再び自分が読んだ作品のうち比較的最近に刊行されている18作品を紹介しています。

 

ちなみに中華風ファンタジーというと当然「十二国記は?というツッコミが入りそうですが、あの作品は特に紹介しなくても爆発的に売れているので、まあいいだろうということで今回あえてスルーしました(おい 十二国記以外に何かないかな?読んでみたいと思った方向けに紹介する記事ということでよろしくお願いします。

 

1.後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

 

 後宮奥深くにいる夜伽をしない不思議な力を持つ特別な妃「烏妃」。翡翠の耳飾りに取り憑いた女の幽霊の正体を探るべく訪れた皇帝・高峻が、その不思議な力を目の当たりにする中華風ファンタジー。辛い過去を抱え烏妃として孤独に生きようとする寿雪と、少年時代に生母を皇太后に殺され辛酸を舐めた高峻。後宮で起きる幽鬼絡みの事件を解き明かす過程で二人が関わる機会は増えていって、不器用な彼らの距離感や周囲との関係の変化はとても微笑ましくて、秘密を共有した二人がこれからどう変わってゆくのか、この続きを是非読んでみたいと思いました。現在3巻まで刊行。

2.茉莉花官吏伝 (ビーズログ文庫)

茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず (ビーズログ文庫)

茉莉花官吏伝 皇帝の恋心、花知らず (ビーズログ文庫)

 

『物覚えがいい』という特技がある後宮の女官・茉莉花が、名家の子息のお見合い練習を引き受けたら相手はなんと皇帝・珀陽で、彼女の特技を知った縁から科挙に合格して官吏を目指すよう言われる中華ファンタジー。明らかに興味津々の皇帝に、そこまでの意気込みもなく戸惑い気味の茉莉花。そんな状況から太学に編集した彼女には様々な出会いや転機があって、覚悟を決めて危機を乗り切った彼女自身にも思いの変化があって。そんな茉莉花が官吏としてヒロインとしてこれから皇帝と今後どのような関係を築いていくのか楽しみなシリーズ。現在7巻まで刊行。

関連作品:「十三歳の誕生日、皇后になりました。」(ビーズログ文庫)

3.金椛国春秋シリーズ (角川文庫)

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

 

 金椛帝国の皇帝崩御に伴い、「皇帝に外戚なし」の法のもとに皇后に選ばれた星皇后の一族は全て殉死を命じられ、胡娘の助けにより御曹司の遊圭がひとり生き延びる中華ファンタジー。追われる身だった遊圭が、以前助けた縁で匿ってくれた町娘の明々と一緒に密かに男の身で後宮に出仕するまさかの展開。病弱で世間知らずゆえか義憤に駆られて自らの身を危うくするような状況にはハラハラしましたが、宦官・玄月に正体を疑われながらも知恵を駆使して何とか乗り切った展開はなかなか面白かったです。後宮からの脱出を目指す遊圭たちの今後に期待ですね。現在7巻まで刊行。

4.薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)

 花街の薬師だったのをさらわれて後宮で下働き中の娘・猫猫が、薬師としての能力を美形の宦官・壬氏に見込まれ、後宮の事件や噂を解決する物語。中華風の後宮にいるものの特に出世を目指すわけでもない猫猫はわりとさっぱりとした性格で、周囲が色めき立つ美貌の壬氏にも醒めた視線を向けるわけですが、そんな猫猫を壬氏が何となく気にかけている構図が面白いですね。陰謀渦巻く狭い世界で繰り広げられる事件に、薬と毒には並々ならぬ執着とこだわりを見せて謎解きに挑む猫猫、彼女を取り巻く登場人物たちも魅力的で、テンポの良いやりとりを楽しめるシリーズです。現在8巻まで刊行。

5.紅霞後宮物語 (富士見L文庫)

紅霞後宮物語 (富士見L文庫)

紅霞後宮物語 (富士見L文庫)

 

 女性ながら不世出の軍人と評される将軍・関小玉33歳が、かつての相棒にして今は皇帝である文林の懇願を受けある日突然皇后となり、嫉妬と欲望が渦巻く後宮「紅霞宮」に入る物語。軍人らしいきっぱりさっぱりな性格の小玉と、皇帝として公人としての意識も持たざるをえなくなった文林。絆こそ感じられるもののお互い立場も変わり、変わってしまったところと変わらないところに戸惑い葛藤する展開でしたが、ついに覚悟を決めた小玉と、そんな彼女に複雑な想いを抱いたままに見える文林がどんな夫婦になっていくのかいろいろ気になるシリーズです。現在本編10巻+前日譚3巻刊行。

6.一華後宮料理帖 (角川ビーンズ文庫)

一華後宮料理帖 (角川ビーンズ文庫)

一華後宮料理帖 (角川ビーンズ文庫)

 

 大帝国・崑国へ小国の和国から貢物として後宮入りした皇女・理美。他国の姫という理由で後宮の妃嬪たちから嫌がらせを受ける彼女が、皇帝不敬罪の窮地に食物博士の朱西に救われる物語。和国では姉皇女においしいものを捧げる役割を担っていた理美が、朱西の協力も得つつその料理の腕前と持ち前の明るさを活かして、ピンチを乗り越えるべく奮闘する展開はなかなか良かったですね。朱西とのコンビで料理研究もなかなか面白そうですけど、皇帝もまた理美が気になるようで、そんな三角関係の行方が混沌としてゆくシリーズです。19年11月に10巻刊行予定。

関連作品:「双花斎宮料理帖」(角川ビーンズ文庫)

7.榮国物語 春華とりかえ抄 (富士見L文庫)

榮国物語 春華とりかえ抄 (富士見L文庫)

榮国物語 春華とりかえ抄 (富士見L文庫)

 

 榮の貧乏官僚の家に生まれた双子、金勘定にシビアな姉・春蘭と刺繍を得意とする立派な淑女に育った弟の春雷。誤った噂は皇帝の耳にも届き春蘭の後宮入りと春雷も科挙受験が決まり、追い詰められた二人が入れ替わることを決意する中華ファンタジー。双子を利用しようとする野心家・天海宝が出世を目論む理由。妃嬪を避けるため双子が近づいた公主が知ってしまった陰謀。春蘭と口が悪い海宝の毎度いがみ合う関係からの変化や、そんな彼の意外な一面と窮地に双子たちも協力しての大逆転劇はなかなか面白かったです。現在5巻まで刊行。

8.華仙公主夜話 (富士見L文庫)

華仙公主夜話 その麗人、後宮の闇を討つ (富士見L文庫)

華仙公主夜話 その麗人、後宮の闇を討つ (富士見L文庫)

 

 仙人の力を借りて建国した伝説を持つ基照国。先帝の落とし胤と噂の酒楼の女主・明花のもとに、滅亡寸前の国と幼い次期皇帝・紫旗を守るため次期宰相の李伯慶が訪ねてくる中華ファンタジー。紫旗を取り巻く不穏な状況とそれを打開するために動く伯慶、可愛い紫旗を助けたいという思いからその誘いに乗る明花。テンポの良いストーリーに紫旗のためという利害の一致で相棒となった腕力頼み公主とケチな伯慶が、言い争いながらも相手のことを認め合うようになってゆくサッパリした関係もなかなか良かったですね。全3巻。

9.威風堂々惡女 (集英社オレンジ文庫)

威風堂々惡女 (集英社オレンジ文庫)

威風堂々惡女 (集英社オレンジ文庫)

 

その出自から瑞燕国で虐げられる尹族の少女・玉瑛。皇帝が発した「尹族国外追放」の勅命により屋敷を追われ命を失った彼女が、謀反を起こして虐げられる原因となった皇帝の愛妾・柳雪媛として目覚める中華幻想復讐譚。未来を変えるため柳雪媛として過去をやり直すことになった玉瑛と、その護衛役に任命された生真面目な若き武人・王青嘉の因縁の出会い。お互いの真意を知らずに反発し合っていたはずの二人がいつの間にか奇妙な縁で紡がれていって、二人だけにしか分からない何とも複雑な感情を育んでゆくこの主従の絆に期待したい新シリーズですね。現在2巻まで刊行。

10.後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)

後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)

後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)

 

 大陸西方の相国で部署を渡り歩いて勤続十年の三十路手前の女官吏・陶蓮珠。新皇帝の双子の弟・郭翔央から声を掛けられて、新皇帝が娶る予定だった威国の妃の身代わりとなる中華後宮ファンタジー。威妃を迎えに行くと新皇帝が姿をくらませ、双子の弟・翔央と共に威国語を話せる蓮珠がその身代わりを務める展開。官吏としては有能で、自ら抱えてきた想いや翔央から聞いた志から、新皇帝即位を巡る陰謀を何とかしようとして空回りする蓮珠がやや危なっかしかったですが、そんな中でお互い惹かれつつある翔央との今後がなかなか楽しみなシリーズですね。現在2巻まで刊行。

11.紫微国妖夜話 (小学館文庫キャラブン!)

太陽と月の眠るところ 紫微国妖夜話 (小学館文庫キャラブン!)

太陽と月の眠るところ 紫微国妖夜話 (小学館文庫キャラブン!)

 

 幼少時から驚くほど不運なのに奇跡的に科挙に登第して進士となった青年・梁脩徳。しかし赴任先の侶州は鬼怪が跋扈する妖しい西方の僻地で、日々勃発する怪異事件に巻き込まれてゆく中華風怪異譚。基本的にいろいろな意味で残念な脩徳は怪異の引き寄せ体質で、それを辛辣な部下たちに利用される日々。様々な怪異に脅かされて、辛過ぎる料理に辟易し、素敵な女性との出会いがあったら中身はあれで、災難続きでしたけど転任願いを出そうにも採用された理由が理由と、選択肢を考えるとこれはもう諦めるしかないですね(苦笑)現在2巻目まで刊行。

12.後宮妃の管理人 ~寵臣夫婦は試される~ (富士見L文庫)

後宮妃の管理人 ~寵臣夫婦は試される~ (富士見L文庫)

後宮妃の管理人 ~寵臣夫婦は試される~ (富士見L文庫)

 

右丞相の珀皓月と結婚し、妃嬪の健康管理と美容を維持して後宮を管理することを帝より命ぜられた大手商家の娘・優蘭。女装して後宮にたびたび出入りする夫とともに夫婦で後宮の闇に挑む物語。背景に政治的対立もあったりで、妨害工作の末に身の危険を感じたりしながらも、損得勘定を計算しつつも、要所を抑えて妃嬪たちに向き合っていく優蘭がいいですね。高級貴族で美丈夫の皓月もワケありでいろいろ大変なんだなあと思いつつも、不器用なりに妻となった優蘭を大切にしようという思いが感じられてよかったです。12月に2巻目が刊行予定。

13.後宮香妃物語 (角川ビーンズ文庫)

  香を作る香士が貴ばれる神瑞国。調香の腕を買われた下町に住む凛莉が、亡き父の汚名をそそぐため太子・煌翔の後宮に入り伝説の秘宝香調合を目指す物語。香士として秘宝香の調合に失敗し、事故死したとされる父の死後生活に苦労した凛莉と母。彼女に調合を教え生活を支えた木蓮の推挙で後宮に入る凛莉。人に優しく正義感も強い一方、うっかりな言動も多い凛莉はトラブルに巻き込まれがちな一面もありましたが、彼女の失われた記憶には意外な縁や陰謀にも繋がっていて、すれ違ったいくつかの想いがどのような結末を迎えるのか気になるシリーズです。現在4巻まで刊行。

14.後宮シリーズ(コバルト文庫)

後宮詞華伝 笑わぬ花嫁の筆は謎を語りき (コバルト文庫)

後宮詞華伝 笑わぬ花嫁の筆は謎を語りき (コバルト文庫)

 

 継母から冷遇され亡き母に教えられた能書の才さえも継母に奪われてしまった李淑葉に、皇帝の兄・夕遼との結婚の勅命が下る物語。実は夕遼が望んでいたのは淑葉の妹・香蝶との結婚で、いきなりしばらくしたら離婚と突きつけられる展開でしたが、真っ直ぐだけれど笑顔も能書の才能も奪われ、悲惨な境遇に自信を無くしていた淑葉が、書を好き過ぎという共通点から夕遼とも徐々に交流を深め、様々なものを取り戻していく展開は良かったです。繋がりのある登場人物を主人公に据え、シリーズとして複雑な気持ちになる後日談も語られたりしながら10巻まで刊行。

15.天下四国シリーズ(講談社X文庫)

天空の翼 地上の星 (講談社X文庫)

天空の翼 地上の星 (講談社X文庫)

 

 徐の王太子・寿白は革命の混乱のさなかに王の証・王玉を得たが庚に取って代わられ、十年後に飛牙と名乗って再び国を訪れる中華風ファンタジー。飛牙から玉を取り戻すべく現れた天令の那兪とともに訪れたかつての王都。天から見放され荒れる庚の治政と、寿白時代の飛牙を知る宦官・裏雲や王太后が抱えていた秘密。明かされた事情と混乱の最中で上手く立ち回り、どうにかこうにかうまく取りまとめてみせた飛牙が、裏雲を追って天下四国を旅しながら行く先々で活躍するシリーズです。全4巻。

16.後宮天后物語 (ビーズログ文庫)

後宮天后物語 ~簒奪帝の寵愛はご勘弁!~ (ビーズログ文庫)

後宮天后物語 ~簒奪帝の寵愛はご勘弁!~ (ビーズログ文庫)

 

幼馴染の武将軍・志紅に淡い恋心を抱き、彼のために特別な神の力を授かることができる天后を目指す公主の雛花。ところがその志紅が、雛花の異母兄で皇帝の黒煉を弑して帝位を簒奪し雛花を後宮に拘束してしまう物語。志紅のまさかの豹変に戸惑いを隠せない雛花。シリアスな状況ですがマイペースな侍女の存在がうまく中和していて、密かに明かされてゆく志紅の真意を知れば知るほど、思いがすれ違う不器用過ぎる構図がもどかしくなる二人の紆余曲折が描かれたシリーズです。全4巻。

17.とりかえ花嫁の冥婚 偽りの公主(講談社X文庫)

とりかえ花嫁の冥婚 偽りの公主(講談社X文庫)

とりかえ花嫁の冥婚 偽りの公主(講談社X文庫)

 

 商家の娘・汪黎禾は弟が作った借金を返すため、藩王武州王の息子と「冥婚」することに。その道中に意に反して小間使いの橙莉と入れ替わり、襲われた先で皇太子・隆翔に助けられ行方不明だった妹公主と間違われてしまう中華ファンタジー。男嫌いの気の強い黎禾と女性が信用できない隆翔の二人が、始めて出会えた信じられる人としていい関係を築きつつも、公主でないことを隠していることに葛藤する展開で、反乱に巻き込まれた混乱の中でヒロインたちが見せた強い意志がとても印象的でした。もうひとりのヒロイン・橙莉の物語にも注目。全2巻。

18.珠華杏林医治伝 (コバルト文庫)

珠華杏林医治伝 ~乙女の大志は未来を癒す~ (コバルト文庫)

珠華杏林医治伝 ~乙女の大志は未来を癒す~ (コバルト文庫)

 

 医師の父親亡きあと女性は医師免許がとれず、診療することができなかった珠里。そんな彼女のもとに皇帝の使者が現れ、皇太后の体調不良の原因を見つけるよう命じられる中華後宮物語。ヤブ医者の妻にと請われ進退窮まっていた珠里に訪れた転機。皇帝を育てるのに専念するため実の娘・公主を手放した皇太后の病の原因。公主と皇太后、そして育ての親を敬愛する皇帝の何とも複雑な関係でしたけど、それをドタバタしながらもいい感じに修復してみせた珠里の奮闘ぶりが光っていました。現在2巻まで刊行。

 

以上です。気になる作品があったら是非手にとって読んでみて下さい。正直なところをいうと、中華風ファンタジーは思っている以上にたくさん刊行されていて、カバーして切れていない面白い作品もまだあるかもしれません(苦笑)これからもこのジャンルの面白い作品がたくさん出てきてくれることを期待します。

11月の購入検討&気になる本ほかピックアップ

 11月の購入検討&気になる本ほかピックアップです。11月は何といっても俺ガイルの最終巻が気になるところですが(ほんとに出るんですよね?w)、それ以外だと2016年以来の新刊となる「珈琲店タレーランの事件簿」の6巻目が刊行、またHJ文庫戦うパン屋と機械じかけの看板娘」が10巻で完結、ハヤカワ文庫では「JKハルは異世界で娼婦になった」が文庫化し、12月には「JKハルは異世界で娼婦になった Summer」が刊行になるようです。

 

11月の個人的な注目の新作としては三田千穂さんの新潮文庫nex刊「太陽のシズク」、語部マサユキさんのスニーカー文庫刊「疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?」、井上悠宇さんのLINE文庫刊「やさしい魔女の救い方」、青木祐子さんの小学館文庫キャラブン刊「派遣社員あすみの家計簿」、衝撃的だった「ひきこもりの弟だった」を書いた葦舟ナツさんのメディアワークス文庫刊「消えてください」、小川晴央さんの講談社タイガ刊「終わった恋、はじめました」、鶏卵うどんさんのMF文庫J刊「かまわれたがりの春霞さん」あたりを挙げておきます。「フレイム王国興亡記」の疎陀陽さんの新刊も気になるところではあります。

太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~

太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~

 
やさしい魔女の救いかた (LINE文庫)

やさしい魔女の救いかた (LINE文庫)

 
消えてください (メディアワークス文庫)

消えてください (メディアワークス文庫)

 
終わった恋、はじめました (講談社タイガ)

終わった恋、はじめました (講談社タイガ)

 

 

新潮文庫nex(10/29発売)
・太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヵ月~ 三田千恵/ゆの

HJ文庫(11/1発売)
戦うパン屋と機械じかけの看板娘10 SOW/ザザ
・<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 11.栄光の選別者 海道左近/タイキ
百錬の覇王と聖約の戦乙女19 鷹山誠一/ゆきさん

スニーカー文庫(11/1発売)
・終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #08 枯野瑛/ue
・【新】疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? 語部マサユキ/胡麻乃りお

ビーンズ文庫(11/1発売)
・一華後宮料理帖 第十品 三川みり/凪かすみ

講談社ラノベ文庫(11/1発売)
異世界誕生2007 伊藤ヒロ/やすも

 

JUMP j BOOKS(11/1発売)

憂国のモリアーティ 禁じられた遊び 竹内良輔 /三好輝


LINE文庫(11/5発売)
・恋の穴におちた。 日日日/neco
・君は誰に恋をする 天乃聖樹/ふすい
・やさしい魔女の救い方 井上悠宇/けーしん

小学館文庫(11/6発売)
・【文】タスキメシ 額賀澪

小学館単行本(11/6発売)
・タスキメシ 箱根 額賀澪

小学館文庫キャラブン!(11/6発売)
派遣社員あすみの家計簿 青木祐子/uki
・蟲愛づる姫君の寵愛 宮野美嘉/碧風羽

ハヤカワ文庫JA(11/6発売)
・【文】JKハルは異世界で娼婦になった 平鳥コウ

宝島社文庫(11/7発売)
珈琲店タレーランの事件簿 6 コーヒーカップいっぱいの愛

文春文庫(11/7発売)
・【文・改】科学オタがマイナスイオンの部署に異動しました 朱野 帰子

電撃文庫(11/9発売)
エロマンガ先生 (12) 山田エルフちゃん逆転勝利の巻 伏見つかさ/かんざきひろ
・三角の距離は限りないゼロ4 岬鷺宮/Hiten
・【新】地獄に祈れ。天に堕ちろ。 九岡望/東西
・【新】いつかここにいた貴方のために/ずっとそこにいる貴方のために 西塔鼎/Enji

PHP文芸文庫(11/9発売)
・京都西陣なごみ植物店 4 豊臣秀吉に背いた桜の謎 仲町 六絵

ベリーズ文庫(11/10発売)
ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました 江本マシメサ

双葉文庫(11/14発売)
【文】あなたのゼイ肉、落とします

GA文庫(11/14発売)
落第騎士の英雄譚17 海空りく/をん
・友達の妹が俺にだけウザい3 三河ごーすと/トマリ
最弱無敗の神装機竜19 明月千里/村上ゆいち

富士見L文庫(11/15発売)
・紅霞後宮物語 第零幕 四、星降る夜に見た未来 雪村花菜/桐矢隆
・真夜中の保育園はじめました 京都四条の子育て事情 金沢有倖/宵マチ

ハルキ文庫(11/15発売)
・トラットリア代官山 斎藤千輪

ガガガ文庫(11/19発売)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (14) 渡航/ぽんかん(8)

双葉社単行本(11/19発売)
・卒業タイムリミット 辻堂ゆめ

ファンタジア文庫(11/20発売)
・【新】お隣さんと始める節約生活。 電気代のために一緒の部屋で過ごしませんか? くろい/U35
冴えない彼女の育てかた Memorial2 丸戸史明/深崎暮人

集英社文庫(11/20発売)
・お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 4 竹林 七草

集英社オレンジ文庫(11/20発売)
異世界温泉郷 あやかし湯屋の恋ごよみ 高山ちあき/細居美恵子
・君が今夜もごはんを食べますように 山本瑤/玉島ノン
・雛翔記 天上の花、雲下の鳥 我鳥彩子/禅之助
・青い灯の百物語 椎名鳴葉/七原しえ
・咎人のシジル 樹島千草/鈴木康士
・思い出とひきかえに、君を 柴野理奈子/縞あさと

角川文庫(11/21発売)
・准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと 澤村御影/鈴木次郎
弁当屋さんのおもてなし 夢に続くコロッケサンド 喜多みどり/イナコ

角川ホラー文庫(11/21発売)
・記憶屋0 織守きょうや/loundraw

メディアワークス文庫(11/22発売)
・消えてください 葦舟ナツ

講談社タイガ(11/22発売)
・終わった恋、はじめました 小川晴央

HJノベルス(11/22発売)
・ウォルテニア戦記 XIV 保利亮太/bob

MF文庫J(11/25発売)
・【新】探偵はもう、死んでいる。 二語十/うみぼうず
・【新】かまわれたがりの春霞さん  鶏卵うどん/八尋ぽち
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞・優秀賞

オーバーラップ文庫(11/25発売)
・友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ?2 世界一/トマリ
・【新】仕事で疲れた社畜の俺に美少女が絡んでくるのだが……1 疎陀陽/黒川いづみ

マッグガーデン単行本(11/25発売)
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System上 吉上亮/茗荷屋 甚六
PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System 下 吉上亮/茗荷屋 甚六

読書の秋に読みたい文芸単行本15選

 

相沢沙呼さんの 「medium 霊媒探偵城塚翡翠」を読んで衝撃を受けて、これは推さねばならないと決意を新たにしたわけなんですが、1点推しというのもこのサイト的に何か落ち着かないので、読書の秋ということで今年刊行になって読んだ本でオススメの文芸単行本を15冊紹介します。

 

1.medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

 

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎が出会った、霊媒として死者の言葉を伝える城塚翡翠。そんな彼女の霊視と論理の力を組み合わせて殺人事件に立ち向かうミステリ。殺された香月の後輩、招待された別荘で殺された先輩作家、女子高生連続の犯人を警察に協力する二人が翡翠の霊視と香月の論理で何とか解決してゆく展開で、けれど最後の連続殺人犯との対峙は、これまで積み重ねて来たものの何が虚で実だったのか分からなくなる急展開に繋がって、その何とも鮮烈で皮肉に満ちていた決着をいろいろと想起させるエピローグが際立たせていました。

2.線は、僕を描く

線は、僕を描く

線は、僕を描く

 

両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生・青山霜介。アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会い、初めての水墨画に戸惑いながらも魅了されていく青春小説。湖山に気に入られてその場で内弟子にされた霜介と、反発して翌年の「湖山賞」での勝負を宣言する湖山の孫・千瑛。初心者ながらも水墨画にのめり込んでいく霜介に、彼と関わるうちに千瑛もお互いに刺激を受けて変わっていって、才能だけでも技術だけでもない水墨画の世界で、その本質に向き合い続けた二人が迎える結末には新たな未来が垣間見えました。面白かったです。

3.電気じかけのクジラは歌う

電気じかけのクジラは歌う

電気じかけのクジラは歌う

 

人工知能が作曲をするアプリ「Jing」が普及し、作曲家の仕事が激減した近未来。「Jing」専属検査員になった元作曲家・岡部の元に、自殺した現役作曲家で親友の名塚から未完の新曲と指紋が送られてくる近未来ミステリ。名塚から託されたものの意味と、事故で右手が不自由になった名塚の従妹・梨紗の苦悩、そして「Jing」を作り出した霜野の野望。「Jing」で気軽に音楽を作れてしまう中、あえて自分の手で音楽を作り出す意味に葛藤しながらも、秘められた名塚の想いに気づいてゆく展開は著者さんらしさがよく出ていて面白かったです。

4.愛を知らない

愛を知らない

愛を知らない

 

 ヤマオの推薦で合唱コンクールのソロパートを任された高校二年生の橙子。親戚でクラスメイトの涼の視点から彼女の苦悩と決意が描かれる青春小説。気難しくて周囲から浮いていた橙子に期待するヤマオ、一緒に練習することになった伴奏役の涼と委員長で指揮者の青木、共に過ごす中で意外な一面を見せてゆく橙子が抱える苦悩。これまで見えていたものがガラリと反転した世界で、どうにもならないところまで拗れてしまった関係があって、やりきって勝ち取った結果にはぐっと来ましたが、だからこそその先にあったこの物語の結末が胸に突き刺さりました。

5.鎌倉うずまき案内所

鎌倉うずまき案内所

鎌倉うずまき案内所

 

古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。旋階段を下りた先には、双子の内巻・外巻と所長のアンモナイトが待っていて、ほんの少しの軌跡を起こす連作短編集。平成の世を遡りながら、会社を辞めたい編集者、ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親、結婚に悩む女性司書、クラスで孤立したくない中学生、売れない劇団の脚本家、ひっそりと暮らす古書店の店主といったさりげなく繋がっている登場人物たちが主人公で、不思議な優しい案内所に迷い込んだ悩める彼らが、苦悩を乗り越え進むべき道を見出す展開はなかなか良かったですね。

6.友達未遂

友達未遂

友達未遂

 

伝統と格式のある全寮制女子高・星華高等学校。その寮で不審な事件が次々と起き、ルームメイト4人が巻き込まれていく青春小説。家に居場所がなかった茜、学校で伝説となっている母を持つ生徒会長の桜子、美工コースの憧れの先輩・千尋、周囲に迎合しない天才肌の真尋。複雑な家の事情や周囲の評価とのギャップに鬱屈を抱えていたりと、一人ひとり語られてゆくそれぞれの過去。けれど今まで見えていたものが全てではなくて、自分をきちんと見て気にかけてくれる人がいて、少しずつ変わってゆく彼女たちが迎えた結末にはぐっと来るものがありました。

7.夏の陰

夏の陰

夏の陰

 

15年前、警官を射殺した末に自殺した犯罪者の息子・倉内岳と、殺された警官の息子・辰野和馬。そんな二人が剣道を通じて再会してしまい、複雑な想いを募らせてゆく物語。世間から背を向け、公式戦にもほとんど出場したことがなかった岳と、因縁の京都県警で思いを燻らせていた和馬。岳が恩師のために一度だけ出場した全日本剣道選手権の京都予選で二人が激突する展開で、明らかになってゆく事実やエピローグが事件の印象を少し変えたりもしますが、それでもこういう過去や抱えてきた思いは消えないし、そうそう割り切れるもんでもないですよね。

8.最後のページをめくるまで

最後のページをめくるまで

最後のページをめくるまで

 

使い勝手のいい女が隠していたもの、詐欺に手を染めた大学生のわずかばかりの犠牲、死体が火葬されるまで落ち着かなかった理由、夫の浮気発覚から始まった意外な結末、ひき逃げされた息子の復讐を誓う母の顛末の5つのエピソードから構成される連作短編集。緊迫感ある展開の先にあった意外な結末だったり、手に染めた過去の因果応報だったりで、作中で主人公の心境が変わっていったとしても、だからといってそうそういい感じに終わらせたりしないあたりがむしろ新鮮で印象的な物語でした。個人的には冒頭の「使い勝手のいい女」が良かったですね。

9.流浪の月

流浪の月

流浪の月

 

奔放に育ててくれた両親を失い、引き取られた伯母の家で追い詰められてゆく更紗。そんな行き場のなかった彼女を受け入れた文が抱えていた苦悩。真実を知られることがないまま否定された二人の関係。確かに難しいテーマで、どんなに真摯な想いがあろうと世間一般の常識では容認し難いものがあるのは分からなくもないんですけどね。けれど辛い過去からうまく生きられない不器用な登場人物たちがいて、たくさん傷つきながらも育んできた揺るぎない真っすぐな想いがあって、ただともにありたいというささやかな願いくらいは叶う未来であって欲しいです。

10.なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

 

いくつもの並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春、ゼロ年代のSF論、脳科学インプラントと複雑な想いが交錯する愛憎劇、ソ連アメリカの超高度人工知能を巡る争い、未曾有の災害に巻き込まれた新幹線が陥った低減世界といった6つのSF連作短編集。テイストの違う世界を描いた作品にはそれぞれの良さがあって面白かったです。個人的には「美亜羽へ贈る拳銃」「ひかりより速く、ゆるやかに」が好みでしたかね。相手を思う真摯な気持ちの中にも複雑な想いが入り混じるからこそ、明示されないその結末がとても印象的なものに思えました。

11.エンド オブ スカイ

エンド オブ スカイ

エンド オブ スカイ

 

ゲノム編集技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつある23世紀。謎の突然死「霧の病」を研究する遺伝子工学の権威ヒナコ・神崎博士が海から現れた少年・ハルと出会う近未来SF。ゲノム編集が推奨された香港に現れたオリジナルゲノムを持つハルと、どこか不安定なヒナコの交流の日々。「霧の病」が急速に拡大してゆく中でその原因が見えてきて、何が正常で異常なのかわからなくなる皮肉な展開でしたけど、周囲の人たちに支えられながらハルと向き合ったかけがえのない日々と、いくつもの伏線が回収された先にある結末が印象的な物語でした。

12.星砕きの娘

星砕きの娘

星砕きの娘

 

魔の化生、鬼の跋扈する地、敷島国。幼い頃に鬼に浚われ て囚われの身となっていた豪族の跡取り・弦太が、蓮の蕾から変化した赤ん坊・蓮華と運命の出会いを果たす和風ファンタジー。囚われて七年後、美しさと強さを兼ね備えた娘に成長した蓮華と弦太が迎える転機。弦太が後継者ゆえのままならなさを痛感する一方で、彼を慕う蓮華との間には変わらない強い絆があって、周囲の複雑な想いを絡めて二転三転してゆく激動の展開に翻弄されながらも、数奇な運命に向き合って決然と立ち向かった二人がたどり着いた粋な結末にはぐっと来るものがありました。

13.教室が、ひとりになるまで

教室が、ひとりになるまで

教室が、ひとりになるまで

 

 北楓高校で起きた三人の生徒連続自殺事件。クラス内でも地味な存在の垣内友弘が、最高のクラスで起きた一連の不審死の謎を追う青春ミステリ。生徒に代々引き継がれてきた4つの特殊能力。不登校の白瀬美月から三人を殺した死神の存在を知らされた垣内が、突如引き継いだ特殊能力で他の能力者や犯人の正体を探ってゆく展開で、スクールカーストの力関係や伏線を巧妙に絡めながら、地味な特殊能力を駆使した殺人の結末へと導いていく展開はお見事。突きつけられた現実への失望があるからこそ、そんな彼にもたらされる一筋の光にぐっと来る物語でした。

14.イシイカナコが笑うなら

イシイカナコが笑うなら

イシイカナコが笑うなら

 

いい先生として同僚にも羨望の眼差しを送られる教師・菅野。醒めた内心と虚像のギャップに苦しむ彼の前に、かつて自殺した同級生の幽霊・イシイカナコが現れる物語。イシイカナコから持ちかけられる「人生やり直し事業」と二人で飛ぶ17歳の自分が生きる時間軸。そこでまさかの同級生と入れ替わって、生前の石井可奈子や高校時代の自分と関わってゆく展開はなかなか面白いアプローチで、ほろ苦い真実に葛藤しながらも逃げずに向き合ったそのありようと、「やり直しはできないが、失敗が許されないわけではない」 という言葉がとても印象的でした。

15.いのち短し、踊れよ男子

いのち短し、踊れよ男子

いのち短し、踊れよ男子

 

一目惚れした清香に誘われ舞い上がり、興味のなかった日本舞踊の発表会を見た大学生の駿介。そこで華やかな舞台で堂々と踊る吉樹と出会い、日本舞踊に魅せられてゆく青春小説。清香に「踊りの上手い人が好き」と言われて下心たっぷりの稽古通いを始めた駿介に、容赦なく欠点を指摘する師匠の息子・吉樹。踊りの上手さは認めざるを得ない吉樹にも日舞への複雑な想いがあって、一緒に踊ることになった二人が抱える葛藤と、真摯に向き合おうとする気持ちに向き合いながら、お互い刺激し合えるいい関係になってゆく展開にはぐっと来るものがありました。

 

ちなみにこのために作ったわけではないのですが、たまたま相沢沙呼さんの過去作についてはつい少し前に紹介記事を作っています。「medium 霊媒探偵城塚翡翠」以外の作品は全てカバーしているはずなので、相沢沙呼さんの他の作品が気になる方は参考にしてみて下さい。