今回は7月富士見ファンタジア文庫・GCN文庫・電撃の新文芸の新刊感想まとめです。内訳は富士見ファンタジア文庫の続巻2点、新作3点、GCN文庫の続巻1点、電撃の新文芸の続巻2点の計8点なります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
公女殿下の家庭教師17 星継ぎし天槍 (富士見ファンタジア文庫)
公女殿下の家庭教師17 星継ぎし天槍
posted with ヨメレバ
七野りく/cura KADOKAWA 2024年07月20日
工都での決戦を終えたアレンを話があると呼び出した勇者アリス。カレンたちと共に帝国の皇都に赴く第17弾。戦いの疲弊が言えていない様子のアリスになかなか用件を聞き出せない中、アリスが認めるアレンに反発する次期勇者候補イグナとの邂逅、老皇帝への謁見、そしてアリスが告げる真実と捕縛されていた黒花イオ・ロックフィールドの蠢動による皇都の危機。なかなか自身が認めてもらえないもどかしい状況を上手く利用される展開は何とも残念でしたけど、さりげなくリリーとの過去が掘り下げられる一方で、他のヒロインたちもそれぞれ存在感があって、カレンと一緒に大きなものを託されたアレンの立ち位置がこれからどう変わるのか続巻に期待ですね。
これが魔法使いの切り札 3.微笑みの公女 (富士見ファンタジア文庫)
これが魔法使いの切り札 3.微笑みの公女(3)
posted with ヨメレバ
羊太郎/三嶋 くろね KADOKAWA 2024年07月20日
容姿端麗・完全無欠の公女にして魔法学院の生徒会長ルティルからリクスが生徒会に勧誘され、周囲が騒然とする中、セレフィナも加入を宣言する第3弾。幼い頃からの知己らしいセレフィナが噂に聞いていたルティルの事情。そして何やら企んでいる様子も見受けられる彼女が率いる生徒会で、意外にも上手く活動してみせるリクス。ルティルから誘われたデートで彼女の思惑をことごとく外して楽しませる一方、思い詰めた彼女の真意も垣間見えていく展開で、自暴自棄になりかけていたルティルをしっかり受け止めて、本当に大切なことを思い出させてみせたリクスのカッコ良さに惚れるなというのも無理な話で、また癖の強いヒロインがリクスの周囲に増えましたね(苦笑)
俺がモテるのは解釈違い ~推し美少女たちに挟まれました~ (富士見ファンタジア文庫)
俺がモテるのは解釈違い 〜推し美少女たちに挟まれました〜(1)
posted with ヨメレバ
浅岡 旭/Bcoca KADOKAWA 2024年07月20日
元女子高だった高校に進学してクラスの美少女たちの尊い関係をずっと眺めていたい成瀬壮馬が、なぜか好かれて美少女たちに挟まれてしまう青春ラブコメ。幼馴染のマジメで優等生な早乙女恋花とギャルの星宮栞に、小動物キャラの宇佐美兎亜を絡めた3人の尊い関係観察が日課で、彼女たちの間に挟まろうとする男たちを排除していた壮馬。他の男共たちとは違って下心が微塵も感じられない、彼女たちに配慮した行動の数々で密かに好感度を稼いでしまう展開で、ぐいぐい迫ってくる彼女たちのアプローチが気のせいでないと気づき、図書係をサボったり、馴れ馴れしくして何とか嫌われようとするものの逆効果でしかなく、むしろ彼女たちの危機を救ってより距離が縮まってしまう関係が微笑ましかったです。
ナメてるお嬢を俺がわからせた (富士見ファンタジア文庫)
ナメてるお嬢を俺がわからせた(1)
posted with ヨメレバ
大空 大姫/緋月 ひぐれ KADOKAWA 2024年07月20日
イケメンで天才ながらこだわりが強すぎて彼女ができない大学生九頭竜王子。そんな彼が文学部の姫と呼ばれる同級生・美地原三姫と出会う青春ラブコメ。兄に依存する妹・真白に行動を監視され処女に固執する王子と、父親に溺愛され周囲から嫉妬され嫌がらせを受け続けて性格が歪んだ三姫。第一印象が最悪過ぎる2人の邂逅だったところを、意外と相性良さそうな2人に目をつけた王子の親友カズの彼女・七海のとりなしで一緒にダブルデートする展開で、傍から見ればどちらも癖が強い存在でしたけど、共に過ごす中でお互いのことを知っていくうちに、ストライクゾーンがめちゃくちゃ狭いはずの2人が、相手のふるまいを意外とアリだなとなっていくその組み合わせの妙がなかなか面白かったですね。
真夜中ぱんチ ワケあり動画投稿者はヴァンパイア!? (富士見ファンタジア文庫)
真夜中ぱんチ ワケあり動画投稿者はヴァンパイア!?(1)
posted with ヨメレバ
日日 綴郎/ことぶき つかさ/動画投稿少女/「真夜中ぱんチ」製作委員会 KADOKAWA 2024年07月20日
動画制作に命を捧げながらも、とある事件で大炎上してしまった真咲。起死回生を狙う彼女が超人的な能力を持つ吸血鬼の女の子たちと新たなチャンネルを立ち上げる配信小説。炎上で「はりきりシスターズ」を脱退させられ、プロデューサーとして「真夜中ぱんチ」を立ち上げた真咲。彼女の血を吸わせてもらうため動画制作に協力することになったりぶや子供っぽい言動の苺子、ギャンブルやお金が大好きな十景、控えめで恥ずかしがり屋な譜風といった個性的な吸血鬼の仲間たちと動画撮影に取り組む姿だったり、ヴァンパイアの監視役を務めるゆきとの三番勝負だったり、オリジナルアニメ・マヨぱんの日常を描いたスピンオフ小説として、この作品の楽しい雰囲気を味わえる1冊になっていました。
魔女と傭兵 4 (GCN文庫)
知り合いに誘われてジグ抜きで依頼を受けたことになったシアーシャ。別行動になったジグに、マフィアのボスの娘カティアから護衛の依頼が持ち掛けられる第4弾。街に蔓延る危険度の高いドラッグの調査をするカティアの依頼を受けて、護衛として調査に同行したことで、他のマフィアや冒険者ギルドも巻き込んだ敵味方入り乱れる抗争に巻き込まれてゆくジグ。魔力を持たないのに圧倒的な実力で依頼をこなす仕事っぷりは、相変わらずプロフェッショナルでしたけど、各方面に因縁が増えてますます注目を集めていくジグの今後が気になるところで、楽しそうに報告する彼にシアーシャも一見微笑ましい様子なのに地味にヤバいんですよね…(苦笑)鍛冶屋での応酬も楽しかったです。
ある魔女が死ぬまで2 -蒼き海に祝福の鐘は鳴り響く- (電撃の新文芸)
ある魔女が死ぬまで2 -蒼き海に祝福の鐘は鳴り響くー
posted with ヨメレバ
坂/コレフジ KADOKAWA 2024年07月17日頃
呪いを解くために嬉し涙を千粒集め始めたメグ。念願の『二つ名』を与えられ、祝福の魔女ソフィのはからいで二十年に一度開催される『魔法式典』に招かれる第2弾。魔法式典で話された星の核を巡る漠然とした不安。そんな中で止められた悪魔憑きの騒動に首を突っ込んでしまうメグが出会った、ラピスの街をずっと見守ってきて魔力汚染されてしまった神木と、メグにしか見えないセレナの存在。我が身に降りかかる危険を顧みずに成し遂げたことをきっかけに、訪れたアクアマリンで様々な過去も明らかになっていきましたけど、魔力汚染患者や魔力災害といった絶望的な困難にも1人諦めず、大切な誰かのために笑顔と熱い想いで立ち向かってみせたその勇気に、改めて彼女の成長を実感しましたね。
引きこもりVTuberは伝えたい2 (電撃の新文芸)
引きこもりVTuberは伝えたい2
posted with ヨメレバ
めぐすり/popman3580 KADOKAWA 2024年07月17日頃
収益化配信で見事ネット冤罪を晴らしたアリス。引きこもりにとってのラスボス外出に必死に抵抗する彼女が、同期生・桜色セツナの裏切りで事務所挨拶で外出する羽目に陥る第2弾。ネット冤罪を晴らした勝利報告配信、同期生の収益化記念配信アフレコを実質コラボとか言い張るアリスに届けられた事務所出頭要請。密かに事務所への叛逆を目論むアリスの企みを阻止してみせたセツナの真摯な想い。まさかの敗北にねこ姉と共に事務所挨拶に向かったアリスを襲った悲劇から、疑心暗鬼に陥ったアリスが引き起こすまさかの熱い展開には思わず笑いましたが、三期生の個性もよく出ていて、ネコミミメイドの仕掛けも効いていて楽しかったです。でもトゥーランドットねこ姉に対する信頼は地に堕ちましたね…(仕方ない)。