読書する日々と備忘録

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2021年2月に読んだ新作おすすめ本 文庫・単行本編

こちらは2021年2月に読んだ新作おすすめ本 文庫・単行本編です。

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 文庫だと大澤めぐみさんの青春AI家族小説「Y田A子に世界は難しい」(光文社文庫)、佐藤青南さんの県警本部の通信指令室を舞台とした警察ミステリ「お電話かわりました名探偵です」 (角川文庫)、 五感をテーマに描かれる彩坂美月さんのミステリ連作短編集「サクラオト」、廃屋に閉じ込めらてた高校生たちが過去の謎を推理する「監獄に生きる君たちへ」 (メディアワークス文庫)あたりは注目の一冊ですね。

また文庫化作品では知念実希人さんの連作医療ミステリ「祈りのカルテ」 (角川文庫)、岡崎琢磨さんの京都の小さなハンドメイド雑貨店さんを舞台にした癒やしの連作ミステリ「春待ち雑貨店 ぷらんたん」 (新潮文庫)、惚れっぽい女刑事・真下霧生を主人公とする警察小説「月夜に溺れる」 (光文社文庫)があります。

文芸単行本もちょっと多めですが、個人的な好みとしては太田忠司さんのちょっと変わった理系大学生が和菓子職人を目指す「和菓子迷宮をぐるぐると」、斜線堂有紀さんの「ゴールデンタイムの消費期限」、下村敦史さんの「ヴィクトリアン・ホテル」、額賀澪さんの「転職の魔王様」、あと読んでいるうちにだんだん食べたくなる冬森灯さんの「うしろむき夕食店」と幸村しゅうさんの「私のカレーを食べてください」を挙げておきます。

 

Y田A子に世界は難しい (光文社文庫)

Z県警本部の通信指令室。異様に奇妙な電話を引き寄せてしまうイケボイスの早乙女廉を、隣席の万里眼こと君野いぶきが助け、電話の情報のみで事件を解決に導いていく警察ミステリ。早乙女が次々と引き当てるイエが盗まれた、大根が食べられた、マンションに幽霊がいる、家の壁に落書きがされている、女の人が刺されたといった不審な通報を、電話で話しているだけで真相に辿り着いてしまういぶきの洞察力が凄まじいですが、彼女の指名で隣の席にいるのにたびたび甘酸っぱい距離感を台無しにする鈍感な早乙女のヘタレっぷりがもどかしいですね(苦笑) サクラオト (集英社文庫)