今回は4月のカドカワBOOKS・DREノベルス・TOブックス・SQEXノベル・ドラゴンノベルスの新刊感想まとめです。内訳はカドカワBOOKSが続巻1点、新作1点、DREノベルス続巻1点、新作1点、TOブックスが続巻1点、SQEXノベルが新作1点、ドラゴンノベルスが新作1点の計7点になります。気になる本があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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サイレント・ウィッチ -another- 〈下〉 (カドカワBOOKS)
依空 まつり/藤実 なんな KADOKAWA 2024年04月10日頃
ミネルヴァを卒業して史上最年少で魔法兵団団長に上り詰め、ついに七賢人候補に選出されたた元悪童ルイス。しかし最愛の婚約者ロザリーが屋上から落ち記憶喪失となってしまう前日譚後編。ロザリーを妻にという一念で彼女の父バードランドに言われた約束を果たすべく、ひたすらに突出した実績を挙げ七賢人を目指し、礼儀作法を必死で覚えて王都に家を構えたものの、その愚直で不器用な想いはロザリーに伝わら、ずすれ違ったまま事件が起きて、真相を探る前に選考当日を迎えてしまうルイス。勘違いして暴走した彼には何ともらしいというか言葉もなかったですが、きっちり落とし前をつけて幸せを引き寄せてみせた二人の結末は本当に良かったです。その実力を認めつつも扱いがあれな沈黙の魔女との出会いも効いていました。
図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ (カドカワBOOKS)
蒼井 美紗/緋原ヨウ KADOKAWA 2024年04月10日頃
本が大好きでひたすら本を読みふけり、ついに街中の本を全て読み尽くしてしまったマルティナ。まだ見ぬ王宮図書館の本を求めて官吏を目指すファンタジー。読んだ本の内容を一言一句忘れない記憶力を持ち、高難易度の試験を平民としては数年ぶりにしかも満点で突破したマルティナ。政務部に配属された彼女が特殊な記憶力を存分に発揮して、魔物の不自然に発生する問題の解決に関わっていく展開で、未知の本についワクワクする姿は微笑ましかったですが、様々な人と出会って最初はその能力に疑いを持たれても、それを具体的な問題解決に至るアプローチに繋げて信頼を勝ち得ていった彼女の姿が印象的で、これから仲間たちとどんな活躍を見せてくれるのか、今後の展開がとても楽しみです。
月の白さを知りてまどろむ3 (DREノベルス)
美酒と芸楽と人肌を神に捧げてきた享楽街アイリーデ。国家間の争いとは距離を置いてきたその街にも、大陸全土に漂う戦雲が影響を及ぼし始める第3弾。華やかな街の陰で様々な勢力の思惑が交錯する中、サァリが愛する街を守りきるため奮戦するシシュ。そしてようやく生涯ただ一度の客取りを行うことを決意するサァリ。なかなか進まない二人の関係ももどかしかったですけど、決意してからがまたいろいろ巻き込まれて因縁の決着をつける展開になっていて、紆余曲折の末にたどり着いた二人にはようやくか…としみじみ思う一方で、人知れず決着したもうひとつの結末が印象的でしたけど、いろいろ巻き込まれて解決していく二人のあり方は、これからもきっと変わらないんだろうなと思った後日譚でした。
ジジババ勇者パーティー最後の旅 ~老いた最強は色褪せぬまま未来へ進むようです~ (DREノベル)
福郎/ジョンディー ドリコム 2024年04月10日頃
魔王が倒されてから約70年。齢90になり寿命まで残された時間は少ないと考えた元勇者が、妻の元聖女エルリカと共に離れたところに住む家族や各地の懐かしい知己を訪ねる最後の旅に出るファイナルファンタジー。人里離れた場所から久しぶりの旅に出た二人が、剣聖キザキや魔女ララの元夫婦、モンクのシュタイン、竜騎士マックスといったかつて勇者パーティーだった仲間のもとを訪れて誘う人生最後の旅。かつて伝説だった存在もすっかり老人らしい雰囲気で、かつての経験を活かしながらほのぼののんびりの旅道中…と思わせて、最後の最後で明らかになる彼らの抱えるそれぞれの事情があって、襲いかかってくる脅威に決然と立ち向かう彼らの勇姿のギャップがいい感じに効いていました。まだまだ元気な彼らの旅もこれから面白くなりそうです。
土岐丘しゅろ/しんいし智歩 TOブックス 2024年04月10日頃
最推しヒナタの親友ルイが自分を目の敵にしていることに悩むイブキ。そんな状況を変えるべくイブキがルイと仲良くなろう大作戦を発動させる第2弾。ルイとの険悪な関係は、自分が百合の間に挟まる気がないことをしっかり伝えれば解決するのでは…と何の根拠もない思い込みを突然閃いてしまい、救世の契りからの指令で向かった循守の白天秤見学イベントという名の聖地巡礼で、ヒナタも巻き込んでルイとの仲直り計画を発動させるイブキ。言葉足らずな彼の言葉に都合のいい勘違いを積み重ねていくヒナタも大丈夫なのかなと少しだけ心配になっていきますが、苦い過去が明らかになったルイとぶつかり合いながらも向き合い、たどり着いた落とし所が何ともまた絶妙でした。
滅亡国家のやり直し 今日から始める軍師生活1 (SQEXノベル)
ひろしたよだか/森沢晴行 スクウェア・エニックス 2024年04月06日頃
巨万の富と最高峰の武力を持ちながら滅んだ国ルデク。奇跡的に生き延びたものの失意の中で年を重ねていたロアが、祖国が滅びる2年前に戻り、歴史を変えるために立ち上がる戦記ファンタジー。祖国滅亡を阻止して仲間たちを守るため、自身の記憶と未来で得た経験を武器に軍師となって滅びの運命に立ち向かうロア。彼が同僚に話していたことが気になった第10騎士団の副団長レイズに見出されて、隣国が裏で糸を引いていた山賊討伐の真意を見抜き、壊滅するはずだった第6騎士団の窮地を救い、漂流していた南大陸の王女を歓待してその知遇を得る展開で、未来での放浪生活で得た知識と経験を活かしながら、効果的な手を打って実績を積み上げていくロアが、これからルデクの命運を変えていけるのか今後がとても楽しみな新シリーズですね。
侯爵令嬢の破滅実況 破滅を予言された悪役令嬢だけど、リスナーがいるので幸せです (ドラゴンノベルス)
緋色の雨/たらんぼマン KADOKAWA 2024年04月05日頃
乙女ゲームの悪役令嬢として破滅するカサンドラが、光る板と流れる未来の予言、生活が現代世界で24時間配信されていることに気づく異世界ファンタジー。リスナーのコメントが表示されるタブレットにより運命をネタバレされ、破滅を回避すべく元凶の王太子と距離を置いて、スパチャで現代の本を買って猛勉強するカサンドラ。その成果で領地のスラム街改革に取り組んだり破滅イベントを未然に潰しても、課題に向き合う姿勢から王太子に興味を持たれ、挙動不審の聖女にまで懐かれてしまう彼女は、リスナーや領民たちからもすっかり愛される存在になっていて、破滅ルートからは脱却できたようにも思いますが、そんなカサンドラがこれからどんな選択をしていくのか今後の展開が楽しみです。
