今回は9月の角川スニーカー文庫新刊感想まとめです。内訳は角川スニーカー文庫の新作1点、続刊5点の計6点になります。気になる本があったらぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
見た目は地雷系の世話焼き女子高生を甘やかしたら? (角川スニーカー文庫)
見た目は地雷系の世話焼き女子高生を甘やかしたら?(1)
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藍月 要/tetto KADOKAWA 2023年09月01日
地雷系の服装を好みながら、中身は世話焼きな女子高生・雷原甘音。バイト先で彼女の秘めた願望「誰かに甘やかされたい!」を打ち明けられた高校生・地藤景が、一緒に過ごして甘やかす青春小説。いきなりストーカーじみた言動で強烈な印象を残す一方で、お世話したい願望が強すぎて、人に甘えられない甘音の願いを叶えるため、ゲームセンターで遊んだり、お祭りデートしたりとめいっぱい甘やかす日々を送る二人。それでも甘やかしたい願望が発作的に起きる彼女のある意味強烈な過去とその特異性、そしてことあるごとに自分には何の才能もないと語る地藤が抱える事情。不穏な空気が漂い始める中で、甘音のスキルが思わぬ形で活きる激動の展開が待っていましたが、紆余曲折の末に迎えた二人の結末が鮮烈な印象を残す物語になっていました。
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん7 (角川スニーカー文庫)
政近の奮闘によってアーリャさんへの大きな追い風となって幕を閉じた大波乱の学園祭。アーリャさんは政近と共に次なる行事・体育祭に向けて動き出す第七弾。いろいろあった学園祭の後始末に追われたり、相変わらず有希との駆け引きが繰り広げられる一方で、不意に告げられるマーニャさんの本当の気持ち。一方でアーリャさんも政近を改めて意識してゆく中で行われる体育祭が今回のメインで、アーリャさんの成長を感じたり今回も盛りだくさんな内容でしたが、政近と二人のヒロインという構図が明確になって、ヒロインたちが具体的に意識するようになってきたところでの続巻のイベントが、今後に向けた大きなターニングポイントになりそうですね。
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Another side story 後藤愛依梨 下 (角川スニーカー文庫)
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 Another side story 後藤愛依梨 下(9)
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しめさば/ぶーた KADOKAWA 2023年09月01日
両想いを確認し合い、遅まきながら少しずつ距離を縮めていた後藤と吉田。そんな2人の前に大学生になった沙優が現れ、後藤の仙台支部転勤が決まるサイドストーリー下巻。ようやく結ばれる寸前まで来て、吉田の中で日増しに強くなる後藤への想い。それなのに沙優と向き合った上で答えを出して欲しいと告げる後藤。正直後藤派を自認する自分でも、ここまで来てお前は一体何をしたいんだ?といろいろと突っ込まずにはいられない彼女の不可解な言動には目眩がしましたが、とはいえ吉田のこれまでの言動や一途な性格を考えれば、まあそうなるよな…と思える必然の結末で、ほんと大変だったなあとしみじみ思いつつ、吉田に関わり彼女に振り回されたヒロインそれぞれの心情もしっかりと描かれていて良かったですね。
仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて2 (角川スニーカー文庫)
美人上司・桃生結子から「子作りしてほしい」とペアリングを求められた若手社員の実沢。『好きになったらおしまい』という約束の上で始まった関係に葛藤する日々を送る第二弾。本気で結子を好きになってしまい、袋小路な状況でどうすればいいのか悩む実沢。一方、どうして彼の方から誘ってくれないのかと悶々とした日々を過ごす結子、そしてかつて苦しい時に手を差し伸べてくれた実沢を意識する同期の存在。傍から見ればなるべくしてなった展開で、彼の懇願でデートをすれば実沢の一途な熱い想いはどう見ても一目瞭然で、それを嬉しいと思い、離婚の過去も掘り下げられた彼女がそれでも逡巡してしまう、もう一つの事情が気になるところではあります…。
忘れさせてよ、後輩くん。3 (角川スニーカー文庫)
12月、春瑠先輩が通う大学の推薦入試に落ちた白浜夏梅。海果は落ち込む夏梅をからかいながら「イルカの髪飾りをなくしたから一緒に探してほしい」と街に連れ出す第三弾。元気づけようとしてくれる海果が連れて行く場所は、すでに閉店していたり、今は違う建物だったり…そして以前、海果とこの場所に来たようなと既視感を覚える夏梅。そして免許取得のために木更津に帰ってきていた春瑠先輩が語る違和感は、夏梅が忘れていた本当に大切だったものを思い出す鍵となって、冬莉やホマキといった理解ある後輩に生温かく見守られながら、大切なものを探し続けた夏梅のその後は、まあそうなるよなあ…と苦笑いでしたけど、だからこそようやく辿り着くことができたその結末は本当に良かったと思いました。
浮気していた彼女を振った後、学園一の美少女にお持ち帰りされました2 (角川スニーカー文庫)
浮気していた彼女を振った後、学園一の美少女にお持ち帰りされました2
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マキダ ノリヤ/桜 ひより KADOKAWA 2023年09月01日
文武両道で学園一の美少女だけれど、初めての恋愛で少し不器用な今カノ怜奈。付き合い始めて始めての夏休みに、天真爛漫な新世の幼馴染・結衣が帰国する第二弾。普段はクールなのに、元カノ莉愛も参加する新世の勉強会に飛び入りで参加したり、部活で後輩そらが新世にじゃれつくのを見て拗ねたりと、新世に対して可愛い一面を見せる怜奈。そこに新世の義妹・美織も懐く幼馴染・結衣が登場して、その距離感に怜奈も心穏やかではいられない展開でしたけど、恋人としての関係は諦めた莉愛もまだまだ存在感があって、浴衣を巡るやり取りや、一緒に夏祭りをヒロインたちそれぞれと一緒に満喫するエピソードもありましたけど、やはりこれからも絡みが増えていきそうな結衣の真意が気になるところではあります。