今回は11月角川スニーカー文庫、HJ文庫、PASH!文庫、KADOKAWA新文芸の感想まとめです。内訳は角川スニーカー文庫の新作2点、続巻3点、HJ文庫の続巻3点、新作1点、PASH!文庫の続巻1点、KADOKAWA新文芸の続巻1点の計11点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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Tier1姉妹 有名四姉妹は僕なしでは生きられない (角川スニーカー文庫)
紙城 境介/成海 七海 KADOKAWA 2024年11月01日
校則違反のバイトがバレた苦学生・君永織見。退学免除のために理事長からの提案で、誰もが憧れる才能を持つ美少女四姉妹が住む理事長宅の家事代行を始める青春ラブコメ。絵師VTuber長女菊莉、人気配信者次女蘭香、プロゲーマー三女梅瑠、天才声優四女竹奈々と、才能溢れる一方で家事が壊滅的な彼女たちのお世話をする中で、姉妹が垣間見せる素の顔に惑わされながら、卓越した家事能力と面倒見の良さを発揮して、面倒で重い彼女たちの信頼を一人ひとり勝ち得ていく織見。一方で過去を知る謎のメッセージを送ってきたのは一体誰なのか。織見の親友・三鷹の存在も今回の肝で、だんだん距離が近くなってお互いにかけがえのない存在になってきた彼女たちと、これからどのような関係を築いていくのか今から楽しみです。
人生逆転 浮気され、えん罪を着せられた俺が、学園一の美少女に懐かれる (角川スニーカー文庫)
D/ひげ猫 KADOKAWA 2024年11月01日
幼馴染で恋人の美雪とサッカー部エース近藤の浮気を目撃した青野英治。屋上で学園一の美少女・一条愛を救い、全てを失った絶望の淵から青春を取り戻すラブコメ。彼女に裏切られたのに逆に近藤によって暴行され、挙げ句に悪い噂を流されて過酷ないじめに絶望した英治。噂だけで作られていく空気がなかなか壮絶でしたが、屋上で救った愛は気にせず英治と向き合い、事態に気づいた担任や校長も圧力に屈せず彼を守り調査を始めたことで流れが変わり始めましたね。それにしても愛や彼に近い人たちの彼を守るための毅然とした態度が際立っていた分、10年来の付き合いで真相も知っていたはずなのに、わかりやすい悪辣なクズっぷりを見せる近藤に流されて同調した元カノ幼馴染があまりにも残念過ぎました…。
~死亡フラグは力でへし折れ!~2 エロゲの悪役に転生したので、原作知識で無双していたらハーレムになっていました (角川スニーカー文庫)
夏歌 沙流/おやずり KADOKAWA 2024年11月01日
美少女ゲームの悪役貴族タイタンに転生してから半年。ようやくその生活にも慣れてきたある日、彼が突然生徒会からの呼び出しを受ける第2弾。生徒会長シャルトと会計リーラから告げられた、原作知識を網羅するタイタンが知らないイベント。その調査に共に協力するシアン王女主従や、生徒会の2人とのやりとりも微笑ましくて、いかに強くなるかを常に試行錯誤し続ける彼の我が身を省みない無茶で熱い戦いっぷりは相変わらずでしたけど、最後まで諦めない彼の危うい様子を見たら、シアン王女主従だけでなくシャルトやリーラたちも気になっちゃいますよね（苦笑）叱咤された謹慎中の本来の主人公ハルトもようやく変わるきっかけを得たようですし、これからの人間模様も楽しみです
花嫁を略奪された俺は、ただ平穏に暮らしたい。2 (角川スニーカー文庫)
浜辺 ばとる/Kuro太 KADOKAWA 2024年11月01日
元婚約者の妹という立場ではなくなった今も、新の家に毎朝お弁当を届けに来る寧々。そんな中、新は寧々の通う高校に非常勤講師として勤務し始める第2弾。寧々も知らないサプライズで、当然学校では寧々との関係は秘密。校内では教師と生徒、家では年の離れた親密な友達としてこっそり仲を深める2人。夏休みに寧々たちの旅行引率として同行した先での思わぬ遭遇からのドタバタ展開も楽しかったですが、中村とオタクくんの関係もいい味を出してましたね。新を慕っていて献身的な寧々と、余裕があって彼女をフォローできる新の関係はなかなかお似合いで微笑ましい感じで、そこまでやるか…ともはや堕ちるところまで堕ちた感もあった元婚約者との関係もここで断ち切れてホッとしました。
継母の連れ子が元カノだった12 男なんて一人しかいない (角川スニーカー文庫)
紙城 境介/たかやKi KADOKAWA 2024年11月01日
中学時代の同級生と遊んでいた川波小暮。起きたら昨夜の記憶がまるっと無く、暁月に夜のことを尋ねようとするものの、なぜか昔の呼び方で意味深な態度を取られて動揺する第12弾。やらかしたのかと自分を信じられなくなり、あの夜の真実を追う川波。一方、記憶が無く朝チュンな光景に密かに混乱しながら、この機に関係を進めてしまおうとする暁月。そこに川浪にアプローチする中学時代の同級生・真琴という構図で、的確な推理をする安楽椅子探偵・水斗には苦笑いでしたけど、相変わらずな現実を見れば必然の結末だったような気もしますね…。一方でもはや両親にバレるのも時間の問題のような気がする水斗＆結女、高校生にして早くも人生の決断を迫られるいさなと、物語もまだまだ大きく動きそうです。
才女のお世話 9 (HJ文庫)
坂石遊作/みわべさくら ホビージャパン 2024年11月01日
ついに始まった生徒会選挙。雛子は立候補しない一方、天王寺と成香が生徒会長に立候補して、副会長に立候補した伊月は両方をサポートすると決意する第9弾。チラシや演説内容に助言を与えたり、忙しく走り回って彼女たちを巧みにプロデュースする中で、突如広がってゆく葉もない二人の悪い噂。意外な部分が思わぬ争点となる一方で、マネジメント・ゲームにはなかった要素や、立候補しなかった雛子不在の影響の大きさを改めて感じさせる感じさせる展開で、挙動不審だった旭とその弟・凛太郎の確執、そして彼の暗躍も明らかになっていきましたけど、その事情を知って2人の関係修復のために動くあたりが伊月らしかったですね。覚悟を決めたもう一人の会長候補・城東の今後の動向も気になるところです。
まきなさん、遊びましょう 2 (HJ文庫)
三鏡高校怪異研究会に居つく美しい怨霊「まきなさん」に導かれ、研究会に所属することとなった諒介。そんな彼の元に新たな調査依頼が舞い込む第2弾。惨殺事件への関与が疑われる温泉郷に残る伝説の山姫。人智を超えた伝説の怪異の正体を正体を暴くべく、温泉郷へと赴いた諒介たちの前に立ちはだかる、般若面に着物を纏う妖しく美しい怪異。山姫はどこに消えてしまったのか、そして山姫の腕はどこにあるのか。様々な疑惑が明らかになっていくたびに、見えていた構図も二転三転していきましたけど、過去からの因縁を断ち切った決着の先には、これからも続く確かな縁が生まれて、何より兄の諒介を心配する妹・明日香との微笑ましい関係も良かったですね。
くたびれサラリーマンな俺、7年ぶりに再会した美少女JKと同棲を始める 4 (HJ文庫)
上村夏樹/Parum ホビージャパン 2024年11月01日
高校3年生になった葵との同棲生活も順風満帆な雄也。社会人として婚約者として、大学進学を目指す葵を出来る限りサポートをしていくことを決意する第4弾。将来の夢に向かって教育学部のある大学進学を目指す葵の力になりたくて、昨今の大学受験事情を調べて葵の母に予備校費用の一部負担を申し出たり、大学進学へのイメージを持つためにオープンキャンパスに行くことを提案する雄也。それをきっかけに模試の結果に一喜一憂したり、甘えたりしながら受験勉強を頑張る葵の姿に改めていい関係になってきているなと感じさせてくれましたけど、一方で雄也の会社の上司・千鶴さんのお見合いから始まった初々しい恋模様も、彼女のプライベートでのポンコツっぷりが炸裂していて微笑ましかったです。
アイテムダンジョン！ 1 (HJ文庫)
かみや/夕子 ホビージャパン 2024年11月01日
戦う力を持たずパーティからクビ宣告された荷物持ちの少年・要零音。自分だけの創造系スキル【デウス・クレアートル】を駆使して唯一無二の異世界攻略を目指すファンタジー。異世界の平凡な品々から生み出される零音だけの逆転のための切り札「アイテムダンジョン」を使って、無理せず地道にコツコツ当座の糧を得ながら、レベルアップを目指していく展開で、そこに同じく落ちこぼれを自認してパーティを離脱した黒乃や白銀たちも仲間に加えて、彼女たちと一緒に協力して少しずつでも確実に成長していく手応えがあって、戦えない負い目からずっと抱えていた卑屈な想いを乗り越えた零音が、不思議な力を持つ精霊うに子を従える相馬も新たに仲間に加えた今後の展開に期待ですね。
FPSゲームのコーチを引き受けたら依頼主が人気VTuberの美少女だった 2 (PASH!文庫)
すかいふぁーむ/みすみ 主婦と生活社 2024年11月01日頃
伝説のプレイヤーreeenがコーチをした甲斐もあり、VTCで準MVPを獲得した火鳥アリサ。一方、reeenの自宅へホームステイで幼馴染がやってくる第2弾。最高峰レベルの大会SSCの招待をもらいキララ、reeenの３人でパーティーを組むことになったアリサ。そして新キャラでreeenが再会した幼馴染カオルは魅力的な女性に成長していて、ゲーマーとしても彼と同じ師匠の弟子として、いろいろな意味で彼女たちの強力なライバルとして立ちはだかる展開で、reeenがかつての力を取り戻しつつあり注目を集め始める中で、プレイヤーとしても恋する女の子としても葛藤を抱えるアリサが、仲間たちに支えられながら自らの力を出し切って、その成長を感じさせてくれた熱いとその結末はなかなか良かったです。
インクブスの大攻勢を退けたシルバーロータス。一方のインクブスもまた彼女が最大の脅威であると認識し、彼女の力を求めて第三勢力までもが参戦する第2弾。異界に送り込んだファミリアでさらに追撃して拠点攻撃作戦に出るシルバーロータスに対して、隷属させたウィッチたちを尖兵にして対抗しようとするインクブス陣営。そこに彼女の救世主としての力に希望を見出す中国軍やアメリカ軍も参戦するカオスな展開で、改めて判明する追い詰められた世界の状況や、翻ってシルバーロータスの力に依存する日本や国防軍の何とも中途半端なスタンスも浮き彫りになっていきましたけど、身を削って対応しようとする本人の過労っぷりは気になるものの、人類同士で潰し合うような展開にならなくて良かったです…。
