今回は1月の電撃文庫新刊感想まとめです。内訳は新作が6点、続巻4点、DREノベルスの続刊1点の計11点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
セピア×セパレート 復活停止 (電撃文庫)
セピア×セパレート 復活停止(1)
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夏海 公司/れおえん KADOKAWA 2024年01月10日
バックアップから生命を再生できる近未来。世界を変えた最先端企業で働くエンジニア園晴壱が、全人類の記憶のバックアップをロックする前代未聞の大規模テロの犯人にされてしまう近未来ボーイミーツガールSF小説。突然の異動辞令を受けた直後に死亡し、保険調査員の殿森空から保険金詐欺を疑われる晴壱。そこからテロの主犯とされ空と一緒に逃亡しながら真相を探る日々。やがてそれは彼がかつてエンジニアを目指すきっかけとなった天才少女の謎に繋がる一方、敵か味方か何を信じればいいのか難しい状況でしたけど、それでも少女とともに夢見た未来を信じて、仲間たちの助けも借りながら最後まで諦めずに困難へと立ち向かい、それを見事乗り越えてみせたその結末はなかなか面白かったです。
ほうかごがかり (電撃文庫)
ある日、教室の黒板に自分の名前が謎の係名と共に書き込まれていた小学六年生の二森啓。その日の深夜から異次元の学校で「ほうかごがかり」を命じられる真夜中のメルヘン。毎週末、学校中の教室に棲む化け物『無名不思議』を観察して、その正体を記録するために集められた小学校高学年の六人の生徒たち。それぞれに課された担当の化け物がいて、この年頃だと課されたことに反発してやらない子絶対いるだろと思っていたら案の定…そうなっちゃうんですか(遠い目)後出しする顧問の太郎さんもあれでしたけど、想像以上に過酷な状況を突きつけられて、果たしてどう動くのが動かないのが正解なのか。メンバー内の人間模様も気になるところですが、ここから何人生き残るのか…続きが気になりますね。
私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない (電撃文庫)
私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない(1)
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伏見 つかさ/かんざき ひろ KADOKAWA 2024年01月10日
容姿端麗、学業優秀、スポーツ万能、金持ちの家に生まれ、超美人の姉妹までいるのになぜか全く女の子にモテない千秋。そんな彼が高校入学直前に突然女の子になってしまう青春ラブコメ。マッドサイエンティストの姉・夕子によって男の子にさせられてしまった双子の妹・楓共々性別を転換させられてしまった千秋。双子でも割り切って前向きに女の子生活を楽しもうとする千秋に対して、身体や心境の変化に戸惑いを隠せない楓という対比が興味深くて、未だ恋をしたことがない双子に千秋を意識する幼馴染のメイも絡めた展開がどうなるのか、物語の動かし方がなかなか難しそうな設定のようにも感じましたけど、これからがとても楽しみなシリーズになっていました。
彼女を奪ったイケメン美少女がなぜか俺まで狙ってくる (電撃文庫)
彼女を奪ったイケメン美少女がなぜか俺まで狙ってくる(1)
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福田 週人/さなだ ケイスイ KADOKAWA 2024年01月10日
付き合い始めたばかりの里森里奈をまさかのイケメン美少女・水嶋静乃に奪われた高校生・佐久原颯太。そんな彼女がなぜか颯太まで口説き始める青春ラブコメ。理由もわからないまま、自分の彼女を奪ったはずのボーイッシュな顔立ちと高身長でモデルでもある静乃から口説かれて、お試しで付き合う一ヶ月で口説き落とせるか勝負を持ちかけられる颯太。隙あらばぐいぐい来る静乃のアプローチにたじたじで、何だかんだでその魅力的な彼女から目を逸らせず意識して、だんだん放っておけなくなり少しずつ二人の関係性も変わっているのを感じましたけど、一方で意外と濃いキャラっぷりが明らかになった振ったはずの里奈も颯太を意識して挙動不審な様子で、未だ分からないその理由が気になるところではあります。
放課後、ファミレスで、クラスのあの子と。 (電撃文庫)
放課後、ファミレスで、クラスのあの子と。(1)
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左リュウ/magako KADOKAWA 2024年01月10日
親の再婚で家に居づらくなり、ファミレスに逃避していたた高校生の成海紅太。そこで見かけるクラスメイトの加瀬宮小白と同盟を結ぶ青春小説。比較される義妹ができたことで、過去の経緯から家族とぎくしゃくしていた成海。一方、姉と比較され同じように家に居場所がないと感じていて、学校では誰とも馴染まない孤高の小白。そんな二人がひょんなことから家族の愚痴を言い合うファミレス同盟を結ぶ展開で、思っていたことを言える相手、そしてお互いにありのままでいられる場所ができたことで、少しずつでもそれぞれの心境が変化していく中、家族との向き合い方や二人の関係がこれからどう変わっていくのか、続巻に期待したくなるシリーズですね。
【恋バナ】これはトモダチの話なんだけど (電撃文庫)
戸塚 陸/白蜜柑 KADOKAWA 2024年01月10日
ある日、幼馴染で片思い相手・藤白乃愛から恋の相談を持ちかけられた悩める高二男子・瀬高蒼汰。よくある友人の話は幼馴染自身のことかと思ったら、本当に後日別の女子から告白されてしまう恋バナラブコメ。クラスメイトの話に触発されて友人の相談を装って蒼汰に探りを入れてみたら、本当に女の子に告白されたらしい様子に動揺する乃愛。委員長や後輩の茜を警戒する乃愛は傍から見たら分かりやすい態度ですけど、彼女自身がそれを否定するから迷走するんですよね(苦笑)振り回される委員長も大変ですが、肝心の二人はアプローチはしてもいまいち決め手に欠けていて、要所で決断できずに日和る二人の関係はなかなかもどかったですね(苦笑)一方で何やら秘密を抱える様子の後輩・茜が何を隠しているのかも気になるところではあります。
86―エイティシックス―Ep.13 ─ディア・ハンター─ (電撃文庫)
86-エイティシックスーEp.13 ─ディア・ハンター─(15)
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安里 アサト/しらび/I-IV KADOKAWA 2024年01月10日
大君主作戦による反攻を期したタイミングで起きた、連邦領内を騒がす自爆テロ。共和国がエイティシックスで作り上げた仔鹿という人間爆弾の存在が明らかになる第十三弾。レギオンの猛攻に疲弊する最前線、大量発生する避難民への対応。そんな中で起きたテロに加えて、最悪のタイミングで起きた一部共和国民による武装蜂起。時を同じくしてチトリたち仔鹿を伴って、共和国領にある故郷を目指す旅に出るユート。読んでいると人はここまで非道なことができるのか、簡単には変わらない現実を痛感させられる展開で、分かりやすい原因を求めがちな空気から、彼らを巡る状況はかなり厳しくなってしまいましたけど、それでも彼らが抱える葛藤にそれぞれが悩みながらも、しっかり向き合っていた姿が印象的でした。
いつもは真面目な委員長だけどキミの彼女になれるかな?2 (電撃文庫)
いつもは真面目な委員長だけどキミの彼女になれるかな?2
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コイル/Nardack KADOKAWA 2024年01月10日
体育祭を経て、ついに恋人になった辻尾陽都と吉野沙良。二人でこっそり楽しい時間を過ごす中、ある日後輩・穂華から「JKコンテスト」の手伝いを依頼される第二弾。屋上の駄菓子パーティーや繁華街の癒しスポットを開拓したりと、二人で居場所を見つけて楽しむ付き合いたての些細な時間。そんな中、映像編集の腕を買われて、中園や平手の力も借りて売れないアイドルの後輩・穂華の撮影をする展開で、彼を巡ってコロコロ表情が変わる沙良も可愛かったですけど、夏休みの伊豆合宿もみんなで青春してましたね。過去の因縁にも逃げずに乗り越えてみせて、悩める沙良を支える心の拠り所となっている陽都の存在が効いていて、そんな彼に沙良がますます惚れてしまうのも分かるような気がしました。
不可逆怪異をあなたと2 床辻奇譚 (電撃文庫)
紆余曲折の末に床辻の土地神としての権能を引継ぎ、東の地柱となった蒼汰。そんなある日、床辻の怪異を管轄する『監徒』の手引きで、蒼汰の転校が決定する第二弾。転校した監徒の縁者も多い北の高校で待っていた北の地柱・墨染雨。彼女とも助言を得られるような関係になりつつある一方、異郷からの白線が日に日に勢いを増す状況で発見された『血汐事件』で消えたはずの少女。彼女を保護する国とも交渉しながら、墨染雨と記憶を失った少女の過去も明らかになる中で、やはりそうだったか…という展開から妥協点を見いだせない相手とのギリギリの激闘でしたけど、今後も侵攻される展開が続くのは厳しい状況で、その思い切った決断がなかなか上手い落とし所になっていて、意外な結末に少し驚かされました。
ツンデレ魔女を殺せ、と女神は言った。2 (電撃文庫)
ツンデレ魔女を殺せ、と女神は言った。2
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ミサキナギ/米白粕 KADOKAWA 2024年01月10日
無事に二年生へ進級したステラは、学年代表として年に一度の『聖法競技会』に臨むにあたり、炎を操るクインザに対抗するため、水を操る少女・アンリを仲間に勧誘しようと試みる第二弾。父が魔法を使ったことで没落貴族となり、学園でも孤立しているアンリ。そんな彼女を分かりづらいツンデレ構文で勧誘するもののものの見事に失敗するステラ。クソザコが杖の呼称として定着していて、彼の押してダメなら推す機転でクーデレだったアンリの悩みを解消して、それにステラが嫉妬する展開には笑いましたけど、いやもうステラの性格を熟知していて、それを利用して用意周到に罠にハメてくる女神の悪辣っぷりが際立っていましたね…。これからステラたちはどうなってしまうのか、続刊に期待しています。
月花の少女アスラ3 ~極悪非道の傭兵、転生して最強の傭兵団を作る~ (DREノベルス)
月花の少女アスラ3 ~極悪非道の傭兵、転生して最強の傭兵団を作る~
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葉月 双/水溜鳥 ドリコム 2024年01月10日頃
神聖リヨルール帝国の新皇帝となった過去の亡霊ジャンヌが世界を敵に人類の滅亡を願った戦争を開始。その侵攻を止めるべくアスラたち傭兵団月花一行が戦地へと赴く第三弾。さらわれたアスラを救いに行った月花一行と黒幕の対峙。英雄たちから《魔王》認定されたジャンヌが始めた理不尽と絶望が渦巻く戦争を終わらせるべく、本拠地に侵入するアスラたち。様々な因縁も絡めながらの展開は相変わらず壊れているキャラばかりで、カジノでの金稼ぎにも個性が出ていましたが、結果的に常識人が割を食うというか振り回される構図になってましたね(苦笑)そんな中でもやはり悪意すら逃げ出すアスラのぶっとんだキャラっぷりが際立っていました。