今回は11月ガガガ文庫・GCN文庫・集英社オレンジ文庫の新刊感想まとめです。内訳はガガガ文庫の続巻4点、GCN文庫の続巻1点、集英社オレンジ文庫の新作3点の計8点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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魔王都市3: -不滅なる者たちと崩落の宴- (ガガガ文庫)
偽造聖剣密造の容疑を掛けられて地下監獄・圧縮封炉に投獄されてしまったキード。一方、致命者の案内人先導の元、僭主七王のロフノースが魔王都市全域を全面戦争を開始する第3弾。事態の収拾をするべく奔走するものの、圧倒的な戦力を誇るロフノースの死者の軍勢を前に為す術もなく、月紅會の女王イオフィッテと組み、キードの脱獄計画へと動き出すアルサリサ。一方、脱獄する機会を伺うギードも、同じく投獄されていたハドラインを焚き付けながら、彼女と合流を目指す展開で、持てる戦力をどこにどうぶつけるのか、キードがかつてお互いをよく知る相手だった案内人と読み合う駆け引きを繰り広げながら、ギリギリの状況でアルサリサと共闘しつつ、過去の因縁に決着をつける熱い展開はなかなか良かったですね。
純情ギャルと不器用マッチョの恋は焦れったい2 (ガガガ文庫)
秀章/しんいし 智歩 小学館 2024年11月18日頃
ダイエット計画を完遂して心の距離が近づいた須田と犬浦。モデルの仕事も順調で、まるで絵に描いたような幸せな日々を送る彼女が思わぬ事態に直面する第2弾。ダイエットのご褒美で須田と一緒にスイーツを食べに行ったり、友人2人と満喫したりした反動から、顔も体型も丸くなり着実にリバウンドしてしまった犬浦。仕方なく再び須田に泣きついて今度は一緒に筋トレを開始する一方で、友人たちにもバレバレなくらいにはお互いに意識し始めた2人が、文化祭やクリスマスといった秋冬のビッグイベントを前に、勇気を出して距離を縮めようと動き出す覚悟も良かったですし、もどかしい状況を乗り越えて幸せそうなその距離感がなかなか印象的な結末でしたね。
ドスケベ催眠術師の子3 (ガガガ文庫)
夏休み、突如サジの前に現れたの片桐真友の妹セオリ。ドスケベ催眠術によって、誰にも認識されなくなってしまった孤独な少女を救うために動き出す第3弾。家族たちにも認識されず、サジ以外には透明人間になってしまったセオリの経緯を知り、家族を元に戻してほしいという彼女の依頼の解決策を探すサジ。能力を期待される真友と持たざるセオリという対照的な構図、ドスケベ催眠術によって認識されない日々を送ることになったセオリが積み重ねてきた、家族に対する何とも複雑な思いには言葉もなかったですけど、それはまた真友が自らの過去に向き合うことにも繋がっていて、本音でぶつかり合う中で、改めて希望が垣間見える新たな関係を築き始めた2人の姿はなかなか良かったですね。
お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?: 沈む混沌と目覚める新月3 (ガガガ文庫)
怪異を管理する混河家の一員として様々な謎を解き明かしてきた葉介。混河家の当主が亡くなったという一報を受け、義妹たちとともに混河本家に向かう第3弾。状況的に当主は当時混河家にいた兄弟姉妹たちの誰かに殺害されたらしく、その犯人探しを任されることになった葉介。さらに当主の遺体を調べると、葉介が追い続けてきた災厄の事件の被害者たちと同じ特徴が見つかり、忘れられない過去と今回の事件と繋がっていることが明らかになってゆく展開で、かけがえのない3人の義妹たちに助けられながら、災厄に変わり果てた幼馴染と過去にも向き合って、最後まで諦めずに大切なものを取り戻してみせた結末はなかなか良かったです。
魔女と傭兵5 (GCN文庫)
人間以外の種族を人間以下の亜人と定義する澄人教。彼らにギルドで襲撃を受けたジグたちが、街で作り上げてきた人脈を足掛かりに教会へと乗り込む第5弾。「魔女」を護衛しているため、澄人教に対する情報を集めながらも極力不干渉を貫いていたジグ。しかし鱗人・ウルバスと食事を共にした直後、実力行使に出てきた澄人教相手に逆襲する展開で、ジグに逆襲を食らって痛い目を見たのに、何だかんだでつい気に掛けてしまう人々の複雑な心境も興味深いですが、前段の助っ人の時点からちょくちょ危うい思考が垣間見えていたシアーシャは、ジグとの関係性が脅かされるとなるとほんとヤバいですね…(苦笑)強敵だった免罪官ヤサエルすら一蹴して、周囲を呆れさせる最凶コンビの暴れっぷりが圧巻でした。
捨てられた皇后は暴君を許さない (集英社オレンジ文庫)
喜咲 冬子/夢子 集英社 2024年11月19日頃
懸命に政務をこなしていたのに皇帝に突如弾劾され、山寺で余生を過ごすことになった皇后の姚白瓊。しかしその2ヶ月後、またも皇帝に今度は後宮に戻ってほしいと唐突に懇願される中華風ファンタジー。政務どころか後宮から出もせず、贅沢三昧で色街で馬鹿騒ぎしていた皇帝の豹変。国の滅亡を回避するために皇帝の身体を乗っ取った未来の壮人に協力を依頼されて覚悟を決める展開で、ポイントとなってくる太后の贅沢三昧、白瓊を陥れようとする張貴人、そして白瓊のことを聖女扱いする皇弟の秘密。本来の流れを変えた反動に直面して、中身が別人となった夫に対する複雑な想いにも葛藤しながら、激動の展開を乗り切ってみせたその結末はなかなか良かったですね。
あやかし乙女のご縁組 ~神託から始まる契約結婚~ (集英社オレンジ文庫)
七沢 ゆきの/榊 空也 集英社 2024年11月19日頃
大正某年、発展著しい帝都を襲った異形と呼ばれる脅威。その異形対策部隊の隊長・瀬能晴臣と、狐の辰砂を家族として暮らす咲綾が出会うあやかし契約婚。害をなす異形を脅威として、容赦なく討伐するという噂の異形対策部隊。そんな彼らが辰砂を異形とみなして咲綾の家を急襲。その力を借りて借金もある貧しい家計を支えていた彼女は反発し、事前の託宣もあって辰砂の力を目の当たりにした隊長の晴臣からの提案もあり、契約結婚を受け入れる咲綾。契約結婚とはいえ生活能力に乏しい彼の家事全般を担い、彼にとってかけがえのない存在となってゆく一方で、部隊の一員としても隊員たちとはまた違ったアプローチから関わって、認められ自らの居場所を得てゆく咲綾の姿が印象的でした。
あやかし姫のかしまし入内 (集英社オレンジ文庫)
先代の夏麦が忽然と姿を消して以来、諍いが絶えない日々を憂いていたあやかしの姫・毬藻。ある日、白馬に乗った白い狩衣姿の青年が、たった一人で毬藻を訪ねてくる和風ファンタジー。訪ねてきた日向は帝で、人間とあやかしの友好の証として、毬藻に自らの妃になることを要望し、堂々と乗り込んできた彼を信じて入内する毬藻。しかしいろいろしきたりが多い人間との常識の違いに、日々大小様々な問題が勃発する一方で、都でも不審火が続くなど不穏な状況になってゆく展開で、あやかしに対する周囲の思い込みからの不信解消は容易ではなかったですけど、日向が抱えていた過去の因縁や、夏麦失踪の真相に毬藻もまた一緒に立ち向かいながら、過去の経緯も知って絆を深めていく2人の関係がなかなか良かったですね。

