2022年1月電撃文庫の新刊感想まとめ - 読書する日々と備忘録

今回は1月電撃文庫まとめです。
内訳は新作2点、続刊5点の計7点になります。
まず新作は恋に悩める人たちをちょっと特殊な力を使って密かに救ってきた伊緒がヒロインの湊がに深刻な悩みを打ち明けられるちょっと不思議な青春小説「天使は炭酸しか飲まない」、騎士団長の兄から犬猿の仲である魔女を育成する魔女学園に女装して潜入を命じられる「魔女学園最強のボクが、実は男だと思うまい」の2点をセレクト。
続巻は競い合うように主人公に迫る2人のヒロインが存在感抜群な「わたし、二番目の彼女でいいから」2巻目、双子ヒロインそれぞれのアプローチがこれまたドキドキさせてくれる「恋は双子で割り切れない」3巻目、文化祭回での希墨たちの奮闘が熱い「わたし以外とのラブコメは許さないんだからね」5巻目、少しずつ変わってゆく二人の関係の積み重ねがとても印象的な「ひだまりで彼女はたまに笑う」2巻目、そして物語としては決着しBD/DVDの特典SSから厳選・加筆掲載された短編集「俺を好きなのはお前だけかよ」17巻目と、どれもレベルが高かったです。
気になる本があったらぜひ読んでみて下さい。

※各作品タイトルのリンクはBookWalkerページに飛びます。

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天使は炭酸しか飲まない(電撃文庫)

天使は炭酸しか飲まない（1）

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丸深　まろやか/Nagu KADOKAWA 2022年01月08日

恋に悩める人たちをちょっと特殊な力を使って密かに救ってきた久世高の天使・明石伊緒。ようやく探していた天使を見つけ出した久世高の三大美女の一人・柚月湊が、伊緒に深刻な悩みを打ち明ける青春小説。柚月湊の異常な惚れ癖を直すため、そのささやかな秘密の力を使いながらその原因を探るために試行錯誤を進めてゆく伊緒と湊。その過程で二人が抱える切ない過去や、伊緒が炭酸しか飲まない理由も明らかになっていって、そんな彼らを見守る第三者だからこそ気付くこともあって、真摯に向き合ってきたからこそ気づけなかったすれ違い、そして窮地に陥ってしまった湊を救う圧巻の展開は控えめにいって最高でした。不器用な二人のこれからがとても楽しみな期待の新シリーズですね。

魔女学園最強のボクが、実は男だと思うまい (電撃文庫)

魔女学園最強のボクが、実は男だと思うまい（1）

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坂石　遊作/トモゼロ KADOKAWA 2022年01月08日

男だけが騎士になれて、女だけが魔女になれる世界。騎士と魔女が対立する状況で、騎士ユートは騎士団長の兄から、女装して魔女学園に潜入するミッションを与えられてしまう学園ファンタジー。兄の無茶ぶりを断ることができずに男子禁制の魔女学園に転入したユートが出会う、ルームメイトで学級委員長のメイファ、大商会令嬢フラウ、ユートに敵意むき出しのシリカたち。今回過去が明らかになったメイファを始め、ヒロインたちはそれぞれ訳ありそうで、学園には世界を変える魔法の謎があって、それ以外にもまだまだ明らかになっていない設定がいろいろありそうですね。それを彼女たちと一緒に向き合って乗り越える展開には、これからもっと面白くなりそうな期待感がありました。続巻が楽しみな期待の新シリーズです。

わたし、二番目の彼女でいいから2 (電撃文庫)

わたし、二番目の彼女でいいから。2

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西　条陽/Re岳 KADOKAWA 2022年01月08日

「私、二番目の彼女でいいから」その言葉に甘え、みんなに隠れていまも悪いことを重ねる司郎。大胆になってゆく好意の果てで、落としどころを見つけられない彼らの危うい関係が崩壊してゆく第二弾。100%の彼女を目指して形から入ろうとする危うい雰囲気の早坂、互いに言い訳をしながら競うように司郎との距離を縮めていこうとする橘。このままがいつまでも続くわけがない、甘美で嫉妬にまみれた綱渡りな恋の果てにあった文化祭は、まさにこの物語の縮図ともいうべき展開のように思えましたけど、想いを隠せなくなる中で最後の提案は機能するのか続巻に期待したいところです。三人がどこまでも堕ちてゆく展開の中で、そんな彼らにドン引きしていた後輩・浜波がなかなかいいキャラで、対照的な吉見とのピュアなカップルにも注目していきたいですね。

恋は双子で割り切れない3 (電撃文庫)

恋は双子で割り切れない3

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高村　資本/あるみっく KADOKAWA 2022年01月08日

自分の本音を隠しきれなくなり、純や気の合う仲間たちと密かに新たに部活を立ち上げる準備を始めた那織。一方で琉実は純の友人でもあるバスケ部の男友達に突然告白されてしまう第三弾。自らの想いに耐えきれなくなってきた那織の決意。想いは微塵もブレないのに、でもつい純に止めて欲しいと願ってしまう琉実。そしてめんどくさい双子への想いを自覚しながらも、決断にはもう少し時間が欲しい純。何だかんだで琉実には甘い那織という構図で、でも着実に距離を詰める抜け目なさもあって、そんな三人に振り回される周囲からしたら、お前ら何やってんだよって言いたくなる展開ではありますね（苦笑）けれど純の思うようには待っていてくれない急展開で、これからどうなるのか楽しみです。

わたし以外とのラブコメは許さないんだからね5 (電撃文庫)

わたし以外とのラブコメは許さないんだからね（5）

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羽場　楽人/イコモチ KADOKAWA 2022年01月08日

夏も過ぎ二学期へと突入して、ついに近づいてきた文化祭。文化祭実行委員になっている希墨と共に二人で成長することを決意したヨルカは、文化祭で自らもクラス代表に立候補する第五弾。文化祭実行委員会やクラスの出し物の準備、さらには初心者ながらギターで叶ミメイのバンド参加して仲間たちと一緒に合宿したりと、多忙を極めてヨルカとなかなかデートもままならない希墨が密かに抱える焦燥。それでも誰かのために頑張ってしまう彼だから思わぬ事態にも直面しましたけど、そんな希墨のことを信じてくれる人たちがいて、彼女たちに支えられながら見事やりきってみせた文化祭はとても熱い展開でした。希墨は時々斜め上のことをやらかすけどほんと一途で、彼女見てるとほんとお似合いの二人だなとしみじみ思いました（苦笑）次巻最終巻ということで楽しみにしています。

ひだまりで彼女はたまに笑う2 (電撃文庫)

ひだまりで彼女はたまに笑う。2

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高橋　徹/椎名　くろ KADOKAWA 2022年01月08日

なくした猫のストラップを一緒に探して見つけたことをきっかけに、パパラッチ扱いだった伊織に笑顔を向けてくれるようになった楓。少しずつ表情豊かになってきた少女と過ごす淡くて甘い夏を描く第二弾。もっと楓の笑顔を見たい、あわよくば恋仲になりたいと思う伊織が楓たちと一緒にする勉強会、二人での湊と美鈴の追跡デート、そして四人での夏祭り。湊と美鈴の変化を横目で見ながら、少しずつ、確実に変わってゆく楓の様子がとても可愛くて、気遣いながらも距離が近くなることに抵抗感がなくなって、お互い意識するようになってゆく丁寧な二人の描写の積み重ねにはぐっと来るものがありましたね。妹ちゃんやコタローの存在もいい感じに効いていて、これは続巻も楽しみです。

俺を好きなのはお前だけかよ17(電撃文庫)

俺を好きなのはお前だけかよ(17)

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駱駝/ブリキ KADOKAWA 2022年01月08日

かつて本来の自分を偽っていたジョーロと決着したヒロイン争い。BD/DVDの特典SSから厳選・加筆掲載された珠玉のエピソードと書き下ろしエピローグでから振り返る珠玉の短編集。全ての始まりだった去年の地区大会決勝戦、生徒会長と戦った部活時間短縮問題、ジョーロとお弁当、あすなろと取材する野球部マネージャー・たんぽぽ、パンジーとサンちゃんの仲直り、そして書き下ろしの二人の特別な初詣。プロローグ的エピソードの中で描かれるヒロインたちとの出会い、垣間見えるヒロインたちの意外な部分など、ジョーロやサンちゃん、愛すべきヒロインたちの魅力に溢れていて、この作品ももう終わりなんだなとしみじみ感じながらも、最後まで作品らしい世界を楽しむことができました。

錆喰いビスコ8 神子煌誕！うなれ斉天大菌姫

錆喰いビスコ8 神子煌誕！うなれ斉天大菌姫

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瘤久保　慎司/赤岸K KADOKAWA 2022年01月08日

懐妊したパウーのために、北海道で「霊雹」のキノコを探すビスコ＆ミロ。しかし、謎の飛翔体・箱舟が来襲し、北の大地ごとアブダクションされてしまう。新たに現れた敵は『箱舟大統領・メア』を名乗り、地球生命の保存と地球環境のリライトを標榜！　窮地に立たされる二人だが…… 土壇場でミロが出産した第一子・赤星シュガーの圧倒的な力により、彼らは辛くも脱出に成功する。だが、箱舟に保存された生命を取り戻すためには、菌神たるシュガーを覚醒させなくてはならない！　最強キノコ守りコンビ、今度は育児に挑戦！？　二人の愛の結晶が奇跡を起こす！

私の初恋相手がキスしてた

私の初恋相手がキスしてた（1）

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入間　人間/フライ KADOKAWA 2022年01月08日

うちに居候をすることになったのは、隣のクラスの女子だった。ある日いきなり母親と二人で家にやってきて、考えてること分からんし、そのくせ顔はやたら良くてなんかこう……気に食わん。お互い不干渉で、とは思うけどさ。あんた、たまに夜どこに出かけてんの？　お母さんとあたしは昔から家と住む人がころころ変わり、今度の家は同じ学校の子がいた。料理を作ってもらって、家事も分担して、夜に出かけるあたしを気にしてくれて。でも、夜どこいってんのって言われても、なんて言えばいいんだろう。知り合いに会ってるだけなんだけど。　ある日突然同居することになった女子高生二人の、淡くてもろいストーリー。