今回は11月の角川スニーカー文庫・HJ文庫・講談社ラノベ文庫・一二三文庫新刊感想まとめです。内訳は角川スニーカー文庫が続刊6点、新作2点、HJ文庫が新作2点、講談社ラノベ文庫の新作1点、一二三文庫の新作1点の計12点になります。気になる作品があったらこの機会に読んでみて下さい。
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カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています8 (角川スニーカー文庫)
カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています8
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御宮 ゆう/えーる KADOKAWA 2023年11月01日
真由と彩華の間で始まった『どちらが悠太と距離を縮められるか』という勝負。答えを逡巡する悠太に、彩華は学祭が終わったら返事が欲しいと告げる第八弾。彩華と真由に対する思いを整理して、必ず返事をすると約束した悠太。彼のミスコンを良い思い出に変えるべく出場を決めた真由と、その運営に携わる彩華の想いに感化され、自身もまた運営に携わってゆく悠太。ミスコンでは真由・彩華・礼奈がそれぞれに垣間見せてくれた彼に対する思いがあって、悠太の決断とその結末にはいろいろ思うところがありましたけど、やはり苦しい時に寄り添ってくれた存在は大きかったのかもしれないですね。残る二人の描写を見ていると、そんな簡単には切り替えられないだろうな…とも思いましたけど(苦笑)
クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった5 (角川スニーカー文庫)
ゴールデンウィークを前に恋人旅行について思いを巡らす海と真樹。とはいえ流石に二人きりは認められない状況で、海のご両親から温泉街の実家の里帰りに同行することを提案される第五弾。もう一歩踏み込んだ関係も意識し始めた二人が、温泉街散歩に川遊びや混浴露天風呂で安定のイチャイチャっぷり見せる一方、今回同行していた海の兄・陸とその幼馴染・雫との再会も焦点となっていて、大人になるとどうしても思いだけではどうにもならない、いろいろ難しいことも増えますけど、新たな一歩を踏み出した二人のこれからを応援したいですね。そして最後に描かれていた、彼女の想いの行方も気になるところではあります。
彼女が先輩にNTRれたので、先輩の彼女をNTRます4 (角川スニーカー文庫)
彼女が先輩にNTRれたので、先輩の彼女をNTRます4
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震電 みひろ/加川 壱互 KADOKAWA 2023年11月01日
ミスコンで『ミス・ミューズ』代表を勝ち取り、互いの気持ちをはっきりと意識した燈子と優。優は燈子をデートに誘い告白を決意するものの、鴨倉のせいで妙にぎくしゃくしてしまう第四弾。相手の思いを掴みきれず、もう一歩が踏み込めない二人の関係に波紋を投げかけた燈子の初恋相手の話。ぎくしゃくしたまま向かった沖縄旅行に、なぜか優を気にかける元カノ・カレンと明華まで現れるカオスな展開で、ただでさえガードが固い燈子が頑なになってしまうのも仕方ない難しい状況でも、諦めずに粘り強く彼女に向き合い続けた優の真摯な想いがあって、ハラハラするような展開が続いたものの、どうにかすれ違いを乗り越えて絆を深めて、幸せそうな笑顔を見せてくれた二人の結末には救われる思いでした。
地下鉄で美少女を守った俺、名乗らず去ったら全国で英雄扱いされました。3 (角川スニーカー文庫)
地下鉄で美少女を守った俺、名乗らず去ったら全国で英雄扱いされました。3
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水戸前 カルヤ/ひげ猫 KADOKAWA 2023年11月01日
体育祭の騒ぎも落ち着き、夏休みが迫る頃。相談を受けた古井さんからひなみに迫るストーカーの存在を知らされた涼が、彼女を密かに見守ろうと決意する第三弾。ショッピングモールに出かけたひなみと古井さんを見守る最中に、見つかってしまって一緒に行動する涼。さらには一緒に行くことになった一泊二日の旅行では、積極的にアプローチする友里に対して負けられないと頑張るひなみ。毎回彼女の危機に奔走するのに、相変わらず鈍感な涼には苦笑いでしたけど、たびたびひなみを救ってきた彼にもようやく自覚してゆく思いがあって、正体を隠そうとしたことで二人の関係が変わるまでにだいぶ遠回りをした感もありましたけど、ヘタレな彼をいたぶるドSな古井さんの存在が今回もいい感じに効いていました。
極めて傲慢たる悪役貴族の所業II (角川スニーカー文庫)
状況を巧みに利用してミアをすっかり手駒にした悪役貴族ルーク。手練れの教師にも圧勝する学年最強の彼が、上級生のポルポンに序列戦を挑まれる第二弾。この国の第二王子だった彼を完膚なまでに打倒したことで、王位への執念からルークに魔法指南を乞うポルポン。さらに闇属性の彼を狙う外部からの暗殺計画に、そんな事件を許した学園存続の危機、さらには操られた氷竜の襲来。ルークが努力したことで、その未来は彼が知るものと確実に変わっていて、胃が痛くなるような状況の連続を打破して、周囲を心酔させてゆくルークの力量は圧倒的でしたけど、ミアの異様なまでの傾倒っぷりがカオスな展開をさらに加速させていて、ヤバい雰囲気のアリスといいルークもなかなか大変ですね(苦笑)
隣の席の中二病が、俺のことを『闇を生きる者よ』と呼んでくる2 (角川スニーカー文庫)
隣の席の中二病が、俺のことを『闇を生きる者よ』と呼んでくる2
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海山 蒼介/海原 カイロ KADOKAWA 2023年11月01日
高校に潜入中の暗殺者・猫丸がようやく高校生活に順応し始めた頃。『レッドドラゴン』を自称する竜姫紅音が不敵に微笑み、猫丸にラグナロク(体育祭)の開催を告げる第二弾。体育祭で猫丸と紅音が二人三脚のペアを組むことになり、その人並外れて運動音痴の紅音の姿を間近で見ているうちに、ようやく紅音は自分と同じ『殺し屋』ではないのかもしれないと疑い始める猫丸。紅音が自慢げに語る教団ウラノメトリアの実態には、つい微笑まえしい気持ちになりましたけど、今回は彼女の過去や背景も掘り下げられて、猫丸も彼女のことを知ってゆく展開になっていましたけど、紅音を見守り続ける一見ほんわか系な友人コマコマの存在がなかなか効いていました。
依存したがる彼女は僕の部屋に入り浸る (角川スニーカー文庫)
依存したがる彼女は僕の部屋に入り浸る(1)
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萬屋 久兵衛/絵葉 ましろ KADOKAWA 2023年11月01日
大学近くで一人暮らしを始めて3ヶ月。夢の大学生活、夢の一人暮らしをするはずだった主人公の家に、大学でも有名な残念美少女たちが転がり込んでくる青春小説。彼がサークルの飲み会で出会った、可憐な見た目とは裏腹に酒好きな一面を見せる西園寺春香。深酒で寝坊しても講義に間に合うことに気づいた彼女だけでなく、アニメから入ったパチンコ好きの夏希やゼミの同期の喫煙者・冬美も入り浸るようになってゆく主人公の部屋。彼と無防備な姿を隠そうともしない残念な美少女たちとの変わりそうで変わらない距離感があって、いろいろ思うところがあっても、彼女たちを放っておけない主人公のお節介がこの関係をどう変えてゆくのか、これからの展開に期待してます。
『君は勇者になれる』才能ない子にノリで言ったら覚醒したので、全部分かっていた感出した (角川スニーカー文庫)
『君は勇者になれる』才能ない子にノリで言ったら覚醒したので、全部分かっていた感出した(1)
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流石ユユシタ/徒歩 KADOKAWA 2023年11月01日
魔王の恐怖に支配された世界に転生して平和をもたらした勇者ダン。しかしそんな状況にだんだん飽き始めて、勇者の後継者を探し始める物語。次々現れる魔王を作業ゲー感覚で倒しているうちに三十歳になってしまい、両親から結婚を心配されて後継者を育てるべく、純真な少年ウィルを弟子として、勇者の血を引く第一王女タミカ、彼の事が欲しいと執着する貴族令嬢キャンディスを候補とするダン。弟子達も参加する冒険者試験や、祭りの場に来襲する魔族に対して、彼の感覚ではわりと適当に教えたウィルがなぜか覚醒してしまう展開には苦笑いでしたけど、そんな彼らを見守りながらの後継者育成がどうなるか。彼を異性として意識する元仲間たちとの関係も気になりますね。
幼馴染に陰で都合の良い男呼ばわりされた俺は、好意をリセットして普通に青春を送りたい 1(HJ文庫)
幼馴染に陰で都合の良い男呼ばわりされた俺は、好意をリセットして普通に青春を送りたい 1
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野良うさぎ/Re岳 ホビージャパン 2023年11月01日
好意を抱いていた少女たちに裏切られるたびにリセットして、感情を全て消してきた高校生・藤堂剛。そんな彼と幼馴染から聞いた「嘘」から始まる青春小説。特殊な生い立ちで人の心が理解できない剛と、仲良くしていたのに照れ隠しで嘘をついた幼馴染の花園華、イジメまがいの悪戯で剛を傷つけてしまった同級生の六花、部活の先輩に迎合して剛を切り捨てた後輩の美々。特異な立ち位置の剛が時折さりげなく垣間見せる能力の高さは異様ですらありましたが、もう一度勇気を出して歩み寄り彼を変えるきっかけを作った華や、彼の優しさに気付いてゆくヒロインたちそれぞれの後悔があって、その中でも変わらなかった想いが最後にもたらした結末が鮮烈な印象を残す物語でした。
お酒と先輩彼女との甘々同居ラブコメは二十歳になってから 1(HJ文庫)
お酒と先輩彼女との甘々同居ラブコメは二十歳になってから 1
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こばやJ/ものと ホビージャパン 2023年11月01日
孝志が二十歳を迎えたその日、恋人である紅葉先輩から告げられた同居の提案。お互いを大切に想い合う二人が、あの手この手でイチャイチャしながら大胆に仲を深めていく青春同居ラブコメ。意外にも彼女の母親の許しもあっさり得て始まった始まったラブラブな同居生活は、お酒が大好きな紅葉先輩が一度飲むとさらに魅力的に迫ってくる展開で、基本的には真面目で彼女とのことはしっかりしたい気持ちと、小悪魔めいた先輩の誘惑に揺れる孝志はいろいろ大変だな…と苦笑いでしたけど、一方で大胆にアプローチは彼女の内実はピュアな感じで、彼の同級生の女の子・悠の存在にやきもきしたり、紅葉の父親が乗り込んできたりもありながら、二人の甘い関係を安心して楽しめる一冊になっていました。
高校全部落ちたけど、エリートJKに勉強教えてもらえるなら問題ないよね! (講談社ラノベ文庫)
【第15回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>受賞作】
高校全部落ちたけど、エリートJKに勉強教えてもらえるなら問題ないよね!
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日ノ出 しずむ/かれい 講談社 2023年11月02日頃
電車で高校受験会場へ向かう途中、同じ受験生の霧島澪音を助けた中学3年生の海地しげる。電車に乗り遅れて試験に間に合わず、高校浪人が確定するお勉強ラブコメ。受験勉強に集中するため、親戚の大家・巫女子が経営するアパートに下宿して、名門中学に通う少女神尾まゆりらと騒がしい浪人生活をスタートするしげる。隣室に無事高校に受かって彼に恩義を感じている澪音も引っ越して来て、チョロインな彼女たちに振り回されながら勉強を教えてもらう展開で、そこから明らかにされてゆく現段階では壊滅的なしげるの学力には愕然とさせられましたが、怠惰な彼にあの手この手で彼にやる気を出させようとする彼女たちがどこまで頑張れるのか、今後の展開に期待したいと思います。
お嬢さんの契約カレシ。1 (一二三文庫)
ある過去から見た目はいいのに、お金至上主義になってしまった大学生の山科俊介。恋愛に興味はないのにタダ飯につられて参加した合コンで、財閥令嬢の御陵雛乃と出会い、期間限定の恋人契約を持ちかけられる青春小説。将来親の決めた相手と結婚する前に、短い間でもいいから映画のような恋をしたい雛乃からの提案。最初は条件の良さで受けたはずが、毎週末のデートで様々な表情を見せてくれる雛乃に、いつの間にか惹かれ始めていることを自覚する俊介。だからこそ経費として計上されてしまう思い出の数々が残酷で、一方で雛乃もまた俊介のことをただの契約上の関係だけでなく、もっと知りたいと思うようになってゆく心境の変化があって、仮初めの雇用関係が果たしてどういう結末を迎えるのか、この続きが気になって早く読みたくなりました。