読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

当時の感想とともに振り返る「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」

正直刊行当初はこんなに巻数重ねるとは思わなかったとも、読み続けるうちにもう少し続くとも思っていたライトノベルやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」でしたが、先日発売した14巻によってついに完結となりました。再びライトノベルを読むようになった自分が大きな影響を受けたという意味で特に思い入れのある作品で、刊行されたらつい何度も読み返してしまう数少ない作品でもあり、良かったなという思いと終わってしまって残念という思いが入り混じる何とも複雑な気持ちです。

 

自分の中では他とは比べられない特別な作品でだからこそ、完結にあたって一度作品を振り返ってみたいと思いました。流石に最初からじっくり読み直そうと思う時間も足りなくて、またこの作品の後半は多様な解釈を生み出しうる状況になっていて、自分の書きたいことを整理するのがとても難しいんですよね(苦笑)なので過去の自分の感想を振り返りつつ、ざっくりと作品を振り返ってみることにしました。

 

感想に全巻どどーんと積み上げてざっと各巻積み上げて気になるところだけぱらぱら読み直しながら改めて思ったコメント少し付けました(正直ここまで時間かかると思ってなかった...)。それこそTwitterで人と話した勢いで作ったので、もしかしたらいろいろ追記修正したくなるかもしれないです(苦笑)まあこの人は読んでそう思ったんだくらいの気持ちで読んでいただければ幸いです。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)

 

目が腐っている以外は基本ハイスペック(自称)なはずなのに、平塚先生に強制入部させられるくらい捻くれていて、ぼっちでいろいろ残念な八幡と、容姿端麗文武両道なはずなのに、なぜか孤高を保っている残念美少女雪乃が奉仕部で出会ったボーイミーツガール的なお話なんでしょうかね。地の文読んでるとどれだけトラウマ積み重ねてるんだ的な痛さを感じますが、雪乃もそれはそれでまた違う意味でトラウマを積み重ねて痛い感じになってるのかなと。この二人に結衣を絡めた奉仕部の面々が、今後どうなっていくのか、楽しみです。

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記念すべき第一巻でしたが、当時はぼっちと残念美少女の ボーイミーツガール的なお話という程度の印象で、正直ここまで化けるとも迷走するとも思ってませんでした(苦笑)頑なな二人の応酬には笑ってしまいますが、ここで主要キャラはだいたい出てきてるんですよね。一番印象に残ったのはやはり友達になろうとする八幡を断固拒絶する雪乃。今見るとぽんかん⑧氏の絵柄の違いにも驚きます。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫)

 

友達を中傷するチェーンメール事件では、ぼっちであるがゆえに、メールの輪から完全に外れてる八幡の存在が浮き彫りになって、ちょっとだけ悲しくなりました(苦笑)沙希の素行調査でメイド服姿の二人が見れたのは予想外の眼福でしたが、最終的に発覚したのは家族思いの沙希の姿。(奨学金を着服するダメな八幡も発覚しましたが)予備校に行くお金を稼がなくても行けることを提示し、結果的に沙希にもフラグが立ちそうな予感も。ぼっちとか言ってるけど十分リア充ですよねこれ(苦笑)

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チェーンメール事件と川崎さん登場。この辺は3人で周囲からの依頼を解決していくスタイルでしたね。メイド服姿の雪乃さんとガハマさんが肝でした(違

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 (ガガガ文庫)

 

 すれ違いが起こりかけていた八幡と結衣の二人。結衣の退部危機を引き留めたのが雪乃というのは、雪乃にも変化が現れているということなんでしょうか。しかし今回はわんにゃんデートでの雪乃のツンデレっぷりに萌え、脱衣トランプゲームで八幡の意外な潔癖ぶり(捻くれぶり?)が見られたり、雪乃の一人暮らしや、雪乃の姉陽乃から垣間見える雪乃の複雑の家庭事情など、いろいろ収穫の多かった巻でした。それでもとつかわいいに持ってかれそうになるのがちょっとおかしいです(苦笑)

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何とも不器用なすれ違いからのガハマさん退部危機に動いた雪乃。一緒に出かけた雪乃のツンデレっぷり、遭遇した陽乃さんからいろいろ雪ノ下家の事情が垣間見えたりと、それぞれの事情に少し踏み込み始めた巻でした。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

 

引きこもりの夏休みを満喫するはずの八幡が、騙されて駆り出されたキャンプ場のボランティア。雪乃がどこか過去の自分を重ねているように見えた孤立している留美を、八幡は斜め下の方法でグループをバラバラにし、問題解消を図ったことは、あるいは停滞した過去から一歩踏み出すような気持ちを、雪乃にもたらすことができたんでしょうか。しかし合宿からの帰宅途上に陽乃の突然の登場。雪乃の事故関与が示唆され、雪乃自身も連れ去られたことで、事態は急変。不穏な空気が生まれたまま終わってしまい、次がとても気になりました。

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夏休みに拉致られたキャンプ場ボランティアで、雪乃の小さい頃はあんな感じだったのかなと思わせる鶴見瑠美登場。この巻における孤立する彼女の状況を斜め下の解決方法で変えて見せたあたりは今後に繋がる部分でしたが、突然の陽乃登場とその示唆に今後の不穏な展開を感じました。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

 

 疑惑を残したままの雪乃と会う機会がなくなった夏休み。戸塚や材木座、川何とかさん、そして結衣と一緒に行った花火大会、そしてそこで出会った雪乃の姉陽乃。雪乃は今回この巻を通じて一度も出てこないのに、短編それぞれで語られる雪乃はとても印象的で、特に陽乃の言葉は、予見にしろ覆すにせよ、何か今後ありそうなことを示唆しているように思えました。頭では分かっていても、雪乃が嘘をついていたのではないか、ということを許容できていないことを自覚する八幡。ここからどうなってしまうんでしょうか。

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雪乃不在の中でいろいろ人間関係的にも動き始めた感じですけど、そこで積み上げられてゆく嘘をつかないはずの雪乃に生まれた疑惑。そんな八幡がやや潔癖すぎるようにも感じますが、見かたを変えれば何だかんだ言いながらもそれだけ雪乃のことを評価し、理想の存在として見ているということなんですよね。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6) (ガガガ文庫)

 

わだかまりを残す奉仕部、単独で実行副委員長を受諾した雪乃は本来の姿ではなく、八幡は無理していた雪乃が倒れたのを機に流れを変えることを決意。スローガンで斜め下の提案をして場の空気を一変させるきっかけを作りました。それで序盤のわだかまりを払拭した八幡・雪乃の二人はマイクのやりとり、文化祭中の行動などを経て、閉会式のトラブルもその信頼関係で乗り切ってしまいました。やり方は褒められたものではありませんでしたが、それが停滞していた流れを変えたのは確か。雪乃の八幡に対する見方も、確実に変わったのではないでしょうか。

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周囲に丸聞こえのマイクのやりとりなんかは微笑ましかったんですが、雪乃を助けるために自分を犠牲にして無理を通し助けてしまった八幡。ここまでするかと衝撃を受けたこの物語の評価を変えた展開でもあり、ひとつのターニングポイントだったとも思いますが、一方でこれが迷走の始まりでもあったんですよね。でも最後のそんな八幡を否定しない雪乃との一巻と同じ構図が関係の変化を感じさせてとても印象に残ったのを覚えています。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7) (ガガガ文庫)

 

 修学旅行編。戸部が姫菜の告白サポートを奉仕部に依頼。見込みのなさそうな依頼を結衣の後押しもあり受諾後、姫菜の訪問の意図を正しく理解したのは八幡だけだった。そこから始まった修学旅行は、結衣の積極的なアプローチあり、雪乃の初々しい反応があったりと見どころも多かったですが、いくつものアプローチを経て出した八幡の解決方法は、問題の先送りかつ自己犠牲によるもので、強く嫌悪感を示す雪乃、心配しながらも傷つく結衣と、二人との関係に影を落とす結果になりました。自分を一番嘘つきだと自虐する八幡の今後が少し心配です。。。

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修学旅行編。雪乃との細かいやりとりもなかなか楽しかったんですが、意外な素顔も印象的だった海老名の置かれた状況を打開するために、またもや自己犠牲で問題解決した八幡。芽生えかけていた何かがあったように感じていたからこそ、そんなやり方に嫌悪感を示す雪乃との関係に影を落とす構図が何とも辛かったです…。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7.5) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (7.5) (ガガガ文庫)
 

店舗特典SSやらゲーム特典映像を含む短編集となった7.5巻。5~7巻が濃密で、この巻であまり進展がなかった分、若干物足りなさを感じたりもしたけれど、嫁度対決、小町の計略を無効化した戸塚の深謀遠慮(?)、八幡の心配をよそに柔道部相手に炸裂したゆきのんの空気投げ、柔道部OBの心情吐露等々、それなりに見どころはありました。しかし表紙に抜擢されながら見どころの少なかったあーしさん。。。葉山を巡る新キャラ一色いろはとの対決も、今後ポイントになってくるんでしょうかね。

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奉仕部に送られてくるようになった「お悩みメール相談」対応は、今思えばこれはこれで面白かった感。この中の柔道回で葉山先輩を呼びにくるマネージャー役として、何気にいろはす初登場巻だったと思いますけど、当時はあーしさんともガチでバチバチやりあうマイペースで手強そうな子という印象でした(苦笑)

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (8) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (8) (ガガガ文庫)
 

今回、問題を何ら解決しない先送りを肯としない雪乃に対し、八幡の自己犠牲を厭い部を守りたい結衣、雪乃や結衣を心配する小町の願いもあり、八幡は何とか自己犠牲でない事態解消を実現しました。ただこの解決策は奉仕部の現状維持を是としたものでもあり、自ら動くことで何とか解決しようとした雪乃とは、決定的なすれ違いを生んでしまいました。虚像でない本物に触れるためには、相手が分かってくれるだけでなく、自ら伝え、踏み込まないと分からないこともあります。八幡も雪乃も勇気を持った一歩を踏み出して欲しい。そんな未来を期待します。

 

再読。雪乃と八幡がただひとつ共有できていた「上辺だけのものに意味は無い」という信念。それを雪乃は八幡に問いかけていましたが、問題の先送りを繰り返そうとする八幡、衝突を回避する結衣に対し、八幡に対する小町のような相談できる家族も、材木座や川崎のような友人もいなかった雪乃が是としないためには、選択肢が今の雪乃には不要なはずの立候補しかなかった。それすら封じられ、本質的な問題は先送りされただけなのに、解決とする二人との距離に雪乃は絶望したのではと考察。八幡が本当に守りたかったものに気づいた時がリスタートですね。

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再読した感想をもう一度書いたのはこの巻だけです。すれ違いたいわけじゃなかったのに、大切なものを守りたいだけなのに、うまく伝わらない不器用な八幡の思いが、皮肉にも雪乃に絶望を突きつける結末が何とも切なくて、この時はどうしてこうなってしまうのかいろいろ考えていたのを覚えています。

 

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (9) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (9) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (9) (ガガガ文庫)

 

上辺だけの雰囲気に違和感を感じながら、変えることができない八幡。それを雪乃に突きつけられ、八幡は自分がどうしたいのか考えに考え抜いた末に、ついに二人に助けてくれるよう依頼し、その本音を吐露しました。間違うこと、悩むことを否定せず、背中を押してくれた平塚先生の存在はとても大きかったですね。その一歩を踏み出したことで、彼らが戸惑いながらも、本音をぶつけ合えるようになって良かったです。二人が引き受けた依頼は簡単に解決しないと思いますが、明確に提示されたからこそ、このリスタートには大きな意味があったと思いました。

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崩壊しかけていた奉仕部という状況で八幡が二人にぶつけた本音が心を揺さぶって、それをいろはすが聞いていた場面が印象的でしたけど、悩める八幡を導く平塚先生の存在が効いてました。ここもまた物語のひとつのターニングポイントだったように思います。雪乃に「いつか、私を助けてね」とか言われたらそりゃ八幡だって頑張っちゃうじゃん(笑)

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6.5) (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (6.5) (ガガガ文庫)
 

 今回はDVD特典小冊子にあった体育祭ディレクターズカット加筆修正版+9巻後の書き下ろしクリスマス中編という構成。八幡と相模、そして奉仕部内の距離感再設定巻ということで。これ読んで八幡視点のリアクションが面白いのをしみじみと再確認。でもそれもドヤ顔で絡んでくる雪乃とか結衣との関係が正常なのが前提で、一歩踏み出して本音でぶつかり合ったから修復できたんですよね。一度壊れたものは元に戻らないなんてことにならずに良かったです。終わりはそう遠くないと思いますが、どういう終わり方になるのか改めて気になりました。

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重い展開が続いていたからこそかなり救われた感のあった中編二本でしたけど、当時ここで終わりが遠くないとか感じていた自分はちょっと甘かったです(苦笑) 今更ですが掲載している内容に合わせたナンバリングということもあるのでしょうが、6.5巻の方が7.5巻よりも後に出たのを思い出しました。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10 (ガガガ文庫)

 

紆余曲折を経て戻ってきた奉仕部の日常。その人間関係は八幡視点から見ても確実に変化してきていましたね。そしてこれまで見えていなかった周囲も徐々に見えてきた八幡が、何を見て感じて考えていたのか。今まで以上に明確になったそれに思うところもありましたが、何より葉山の文理選択問題を通して葉山と雪乃の家の関係が見えてきて、陽乃が抱く複雑な思い、雪乃の話、葉山が最後に八幡へ話したことの意味は想像以上に重いと感じました。八幡もそうですが、何より雪乃自身がどうするのかも終盤に向けた物語の大きなポイントになってきそうですね。

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葉山の文理選択問題からの広がりで八幡にもようやくいろいろなものが見えてきたからこそ、悩める雪乃の根幹である実家絡みの問題がクローズアップされてきた巻。陽乃さんとか葉山の意味深で、雪乃もなんかいろいろありげなコメントもあったりで、何かあるのかいろいろと憶測が飛び交うのも仕方ないと思いました(苦笑)卒業したら関係なんてリセットされると思っていた八幡に、葉山の卒業後も簡単に関係はなくなったりしないと言われたのはいろいろ思うところあっただろうな…。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5 (ガガガ文庫)
 

 材木座の世迷い言に付き合って出版社の就活事情を探ったり、いろはすに振り回されてデートの練習に付き合わされたり、フリーペーパーを作ったりな冬の日常を描く短編集。八幡の妹キャラに弱い部分にあざとく甘えながら、あの奉仕部内に着々と居場所や発言権を確保しつつあるいろはすはホント恐ろしい子。これまでと変わっていないように見えて少しずつ変わっていく、そんな兆しが確かに感じられた描写の数々が今後にいろいろ繋がりそうで気になりましたが、小町が入学したらどんな風になるのか、その辺りまで続くといいなと思ったエピローグでした。

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八幡の本音に感化されたのかあざといいろはすの存在感が急速に増してきて、ここからどういう立ち位置になるのかちょっと気になったのは覚えてますね。あと社畜が意外と似合いそうな八幡w

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。11 (ガガガ文庫)
 

一色いろはの依頼を受け、バレンタインデーのイベントを手伝うことになった奉仕部。よく動くいろはたちとらしい地の文で、様々な思惑が交錯するイベントの様子を楽しめたんですが、一方で何か察しているような態度を見せる結衣、どうしたらいいか戸惑う雪乃、そんな日常に違和感を感じている八幡という構図には不安を煽られました。それが本物なのかと疑問を呈する陽乃の指摘からもやもやする状況でしたが、覚悟を決めた結衣が一歩踏み出したことで、物語も結末に向けて動き出しそうですね。雪乃が出す依頼、八幡の決断はいかに。次巻が楽しみです。

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いろいろな想いが交錯するバレンタインイベントのあれこれを期待してたのに、そこに現れて不穏な一言を投げかけぶちこわしにする陽乃さん…。あと例のトラウマになった折本とともに例のカタカナ語を多用する玉縄も登場してましたね(苦笑)物語的には終わりの始まり…。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)

ついに雪乃の口から語られた彼女が抱える悔恨。これまでのねじれにねじれていた状況に向き合い、踏み出したことで再構築されてゆく彼らのありようは少しずつでも確実に変わったことがあって、かといってそんな簡単に全てが変われるものでもなくて。その過程で形を変えて繰り返し描写される問題の本質と対照的な選択。再び大きな依頼を受けて試行錯誤しながら進めた先で突きつけられたのは今まさに直面している問題の縮図で、うまい形に落とし込んだなと思いました。行き詰った不器用な彼らがここでどんな解を見出そうとするのか、続巻に期待ですね。

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前巻から刊行が二年以上も経過するとは夢にも思ってませんでした(苦笑)自立できる自分であろうとする雪乃と、共依存関係という指摘。それを打開すべく雪乃が自らやりたいといろはすに協力を申し出たプロム中止の危機に、ラスボス・ははのんがここで登場。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (13) (ガガガ文庫)

準備を進めていたプロムを自粛するよう要請された雪乃たち。状況を覆すためにあくまで八幡の協力を拒否する雪乃と、勝手に動くことにした八幡が再び勝負をすることになる第十三弾。ここまでいろいろ紆余曲折ありましたが、どこまでも拗らせてゆく素直になれない二人の関係に対する周囲のコメントが興味深くて、これまで登場したキャラたちもいろんな形で絡んできて、雪乃母にはやや意外な印象もありましたけど、物語としても終わりに向かっているのを感じますし、それぞれの思いを吐露する三人がどんな結末を迎えるのか次巻が早く読みたいですね。

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プロム自粛危機という状況で最後の対決となった二人でしたけど、どうにかして関わりたい不器用な八幡がどこまでも彼らしいやり方を貫いて得た結末に、自分の想いを素直に言えない不器用な雪乃が何とももどかしかったですね…。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (14) (ガガガ文庫)

奉仕部の勝負も決着。三年生が卒業式を迎え、ブロム開催も決まる中、取り返しがつかないほど歪んでしまった関係、故意にまちがう自らの青春を終わらせるために八幡が動き出す第十四弾。懐かしさを覚える二人の以心伝心なやりとりもあって、けれどこれまで通りでいることの難しさを痛感する二人だからこそ、ここであえて一歩を踏み出す必要があったんですよね。不器用な二人の面倒くさい関係には苦笑いでしたが、新たな出会いも紡がれつつ変わらない想いもあって、ようやくの完結でしたけど、いつかまたこの続きをどこかで読んでみたいと思いました。

 

いろいろありましたが、紆余曲折の末に今巻で完結です。とはいえあれどうなったの?どうなるの?はたくさん残っているので、その辺の書き残しは今後に期待したいと思います。

 

 

【余談】読み終わって気になった点

以下、個人的な考察です。忘れないうちに思ったことを備忘録的に書いておきたかったので書きます。いろいろ解釈の余地があったのがこの物語の良いところだったと思うので、自分はこう思うというだけで異論はたくさんあると思います(苦笑)

 

1.八幡にとっての「本物」って一体何だったんだろう

環境が変わったら交友関係なんてたやすく解消されてしまう八幡が、あんなことやこんなことをしでかしてまでそれでも関わりたい手放したくないと思えた相手ということなのかなと思いました。ムードもへったくれもなかったですけど、ようやくずっと言いたくても言えなかった本音を伝えられたということが最終巻のポイントだったのかなと。

 

2.同じようにかけがえのない存在だったはずの雪乃と結衣を分けたものは何だったのか

もしかしたら雪乃がいなかったら結衣ルートもあったのかも(事故関係でヒロインになりうるフラグだって立っていたわけですし)。でも最初に強烈なインパクト残したのが雪乃で、孤高な美しさに放っておけないというか、惹かれずにいられなかったんだろうなと。実際には雪乃の内面知れば知るほどそんな単純な話じゃなかったわけですけど。

 

結衣は普通にぼっちにも優しい可愛い女の子で、ぼっちにとって理想の女の子だからこそ八幡もその挙動にドキドキしてしまう存在だったんじゃないかと。ただぼっちを放っておけないいい子だからこそ、状況を読んで攻めきれなかったし、嫌な子にもなりきれなかったし、自分だけが幸せになりたいなんて思えなかった。

 

あえて言えば三者が関わったあの事故がターニングポイントで、お見舞いに行った時に八幡と関係を築けていれば、また違った展開もあったんじゃないかと。時期を逸して先に雪乃と運命的な出会い許してしまったこと、その後も後手に回ったのは関係の成就という意味ではいろいろ上手くなかったですね。八幡と先に関係を築けていれば、結衣が望む総取りできる可能性もあったのかな…とは思わなくもなかったです。

 

3.二人から結衣に歩み寄れなかったのか

八雪派の自分でもあのデレのんを見て正直モヤモヤする人いるだろうなあ…と思いましたが、考えてみるとコミュ障の二人では失いたくない、嫌われたくないと思う相手にはなおのこと失敗したくなくて、動くに動けなかった、待つしかなかったのかも。結衣も八幡視点からは相対的にコミュ力あるように見えるけど実際にはそうでもないから、関係変わったら当事者同士だと修復難しいんじゃないかとは思ってました。

 

だからいろはすがあのタイミングで登場して何であんなに存在感あったのか、いろはす個人の思惑はともかくとして3人をよく知る第三者者的存在として期待されてたのかなと。あの辺の展開でもし彼女がいなかったら、あるいは奉仕部もっと早い段階で崩壊していたまである。他キャラでは性格や立ち位置的にあんな風に動くのはなかなか難しいですし。そういう意味でいろはすに「本物が欲しい」とかいうこっ恥ずかしい告白を聞かれたのも、ハッピーエンドで終わるためには地味に重要なポイントだったのかなとは感じました。

 

以上です。