読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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最近読んだイチオシ15作品 ライトノベル編

前回のエントリに引き続きの第二弾でライトノベル編です。とはいえ最近読んだ新作を選んでいくと、まずこれまでの企画と似通ったラインナップになってしまうので、今回は趣向を変えてシリーズ続巻だからとか意識せず、読んでインパクトのあった作品を並べてみました。また試験的な試みとして注目ポイントに太字でアンダーラインを引いています。

 

1.継母の連れ子が元カノだった4 ファースト・キスが布告する (角川スニーカー文庫)

夏休みも半ば父方の実家に帰省する伊理戸一家。そこで再会した親戚の清楚風陽キャお姉さん・種里円香に従順な水斗の姿に結女が動揺する第四弾。確かアナタこの前振られましたよね?と突っ込みたくなるいさなのマイペースっぷりには苦笑いでしたけど、それ以上に帰省した先でこれまで知らなかった水斗の姿に複雑な想いを隠せない結女に凄まじい破壊力があって、いろんな意味で存在感抜群だった新キャラ・円香お姉さんが物語を大きく動かす役割を果たしましたね。吹っ切れた彼女の逆襲に期待が高まりますが、最後の対照的な二人の想いが印象的でした。

 

2.千歳くんはラムネ瓶のなか (3) (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか 3 (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか 3 (ガガガ文庫)

  • 作者:裕夢
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: Kindle
 

高校での進路相談会をきっかけに少しずつ関係が変わってゆく朔と明日姉。そんな中、明日姉の進路を巡る逡巡を知る第三弾。大学進学を目指す田舎の高校生なら誰もが直面する問題にままならなさも痛感しつつ、時にはできたヒロインたちに励まされながら、明日姉のために自分のできることを精一杯やろうとする朔の奔走がカッコ良かったです。これまでのどこかふわふわした印象を覆す強烈なインパクトを残してみせた明日姉の正ヒロイン感っぷりは圧巻で、心揺さぶられるものがありましたが、二人が切ない決意を乗り越える未来を期待したいところですね。

 

3.お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2 (GA文庫)

ふとしたきっかけから交流が始まり、食事をともにするようになっていった二人の年末年始以降を描く第二弾。年末年始もお互い帰らず一緒に過ごし、周の両親と一緒に初詣、そしてバレンタインとそのお返し。真昼は家族に恵まれてない感じですけど、その分優しい周の両親ともともに過ごしたり、実は頑張ればカッコ良かった周とか真昼の和装姿もまた印象的だったりで、二人で一緒に過ごすことがことがごく当たり前になって、お互いかけがえのない存在に変わりつつあるのを感じますね。あともう一歩踏み込めればというところですけどその辺は続巻に期待。

 

4.隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた (角川スニーカー文庫)

友人もおらず一人で勉学に励む大学三年生・佐々木健斗。そんな彼の隣の席に突然伊藤奈月が居座るようになり、彼女の存在により健斗の日々が変わってゆく青春小説。意外とぐいぐい来る奈月に女性に不慣れな健斗は押されっぱなしで、勉強を助け合ったり愚痴を言い合いながら、ゆっくりと確実に縮まってゆく二人の関係。不器用だけれど何だかんだで優しい健斗を見ていたからこそ、不安を抱える彼女も彼に歩み寄れたんでしょうね。う少し時間が必要そうな二人を見守りたい展開ですが、もう一人のヒロイン神崎さんの存在が気になるところではあります。

 

5.キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦9 (ファンタジア文庫)

王家『太陽』の策略で帝国へと拉致されたシスベル。そんな彼女を救うべく燐は、イスカたちを尾行する密偵として帝国へ潜入する第九弾。重要任務を託されるできる女のはずなのに敵地でテンパり、わざとやっているのかと突っ込みたくなる画像報告でアリスをイライラさせる燐のポンコツっぷりが炸裂(苦笑)ここに来て帝国と星庁を巡るこの物語の本質に迫る内容にぐいっと踏み込んできて、今回登場のケルヴィナもいいキャラしてましたけど、天帝も絡めた様々な思惑が絡む中で向かう帝都では八大使徒の決議もあって、次巻で物語も大きく動きそうですね。

 

6.やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。アンソロジー: オンパレード (ガガガ文庫)

白戸士郎氏によるジェフサポ葉山が八幡・戸塚と行く熱いフクアリレポート、伊達康氏による材木座と八幡の関係、田中ロミオ氏による八幡の中学生受験指導、天津向氏による平塚静と八幡のある休日の過ごし方、丸戸史郎氏「ぼくのかんがえたけんぜんなはやはち」そしてわたりんの描く奉仕部のその後など、個性豊かなキャラクターに焦点を当てた短編とイラストを集めたアンソロジー。冒頭白戸士郎氏の短編も濃いですが、注目の戸史郎氏が熱く描くはやはちが絶品です...各キャラの個性もよく出ていて、小町加入後の奉仕部の変化といろはすとの熱い攻防も興味深かったです。

 

7.クラスメイトが使い魔になりまして (3) (ガガガ文庫 か)

素直になれないなりに想いを伝えあった想太と千影。そこへ師匠の真紀美から宵の明星の残党をおびき出すための囮として二人に婚前旅行が提案される第三弾。少しずつ想太の過去が明かされていく中、想太を巡ってエスカレートしていく千影と茉莉花の険悪なバトルに残党が仕込んだ罠。甘えベタで想太に自分の味方でいてほしいと訴える千影の破壊力が凄まじかったですが、すっかりヤンデレと化して再登場したソフィア、それ以上に悪辣な神様にまで執着される想太の状況はなかなか厳しくて、けれど二人ならきっとここから巻き返してくれると信じています。

 

8.どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。(2) (Mノベルスf)

片思い相手だったハリージュの婚約者として、彼の屋敷で一緒に住むことになった魔女ロゼ。一緒に住む日々にときめきが止まらない彼女の元に、魔女の弟子になりたいという少女がやってくる第二弾。嘘をつけないから表面上は一生懸命無表情を装っていても、相変わらずコミュ障で「へい」とか返事してしまう恥ずかしがり屋で世間知らずだけど、ハリージュ大好きで何かあるたびに内心キュンキュンしているロゼが可愛くて、ハリージュもロゼをしっかり守ってましたね。思ってもみなかった事件にも巻き込まれましたけど、とてもお似合いな二人が迎えた結末はなかなか素敵でした。

 

9.カノジョの妹とキスをした。 (GA文庫) 

カノジョの妹とキスをした。 (GA文庫)

カノジョの妹とキスをした。 (GA文庫)

  • 作者:海空りく
  • 発売日: 2020/04/14
  • メディア: 文庫
 

人生で初めての恋人晴香と交際一ヵ月。幸せ絶頂の佐藤博道は突然父親が再婚し、家庭の事情で晴香と離ればなれになった双子の妹・時雨と突然同居することになってしまう青春ラブコメ。小学校からの幼馴染で天真爛漫な晴香と、対照的に学校では猫を被っている優等生でことあるごとにからかってくる義妹の時雨。博道の晴香への想いは真っすぐで、けれど同じ顔の義妹との同居は彼女には秘密で、双子姉妹の両親が離婚した経緯や、時雨の複雑な想いも絡めて描かれる三人の関係は波乱必至ですね。突き付けられた衝撃の結末に続巻が気になって仕方ないです。

 

10.シンデレラは探さない。 (講談社ラノベ文庫)

シンデレラは探さない。 (講談社ラノベ文庫)

シンデレラは探さない。 (講談社ラノベ文庫)

  • 作者:天道 源
  • 発売日: 2020/04/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

お城のような五十階建てのタワーマンションにはお姫様が住んでいる。自分には関係のない存在と思っていた高校生の荒木陣が、その最上階に住む同級生・真堂礼と出会う青春小説。妹・舞の看病で学校を休んだ陣にプリントを届けに来たことで始まった礼との関係。無自覚系の陣相手にポンコツでチョロインになってしまう礼でしたけど、そんな彼女を応援する友人コンビもなかなか面白くて、陣を見続けてきた彼女だからこそ気づいた彼の想いがあって、不器用な彼女が陣の家族にも温かく迎えられ幸せになってゆく二人の関係をまた読んでみたいと思いました。

 

11.あなたを諦めきれない元許嫁じゃダメですか? (角川スニーカー文庫)

七渡が進学した高校で再会した元許嫁の翼。しかしその隣には容姿抜群な今どきギャル麗奈がいて、少女たちの恋の駆け引きが始まる青春ラブコメディ。七渡が引っ越す前はお隣同士の幼馴染で許婚だった翼。七渡との関係を取り戻すために上京したのに、中学時代から七渡と関係を構築してきた麗奈がいる構図で、イメチェンを図って健気にぐいぐい攻める元許婚とかいう強烈なライバル相手に危機感を募らせる麗奈目線も多かったですが、ようやく七渡が想いを自覚し始める中、負けられない二人がコンビを組んでどう動くのか続巻が楽しみな新シリーズですね。

 

12.社畜男はB人お姉さんに助けられて(モンスター文庫)

ブラック企業に勤める柳大樹が、終電間際の駅で階段で足を踏み外し落下してきた美人なお姉さん・如月玲華を助け、高級マンションの前で鞄の中身をバラけた彼女に再会したことから始まる社会人ラブコメ。過労で倒れた大樹を助けてくれたお礼として、玲華に料理を振る舞う元洋食屋の息子で社畜の大樹。会社ではできる女社長なのに、私生活では(ほぼ未使用の)調味料と器具だけは無駄にハイスペックとかいうポンコツな玲華のギャップが光っていましたが、作っている描写からして美味しそうな料理で胃袋を掴まれてしまった大樹とのお互い初々しい関係がまた微笑ましくて、これからの展開が楽しみな新シリーズですね。

 

13.月50万もらっても生き甲斐のない隣のお姉さんに30万で雇われて「おかえり」って言うお仕事が楽しい 1 (オーバーラップ文庫)

深夜、雨でずぶ濡れのまま家の鍵をなくし途方に暮れていた隣に住むOL早乙女ミオ。そんな彼女を助けた社畜・松友の「おかえり」が心に刺さったミオに月三十万円の「おかえり」係として雇われるラブコメディ。できる女なのに生活力ゼロのポンコツな上、極度の人間不信で孤独だったミオ突如甘えん坊になったり、雇用関係がないと安心できない彼女の心の闇は深いですが、松友の毎日のおかえりなさいや美味しい料理があって、彼の元同僚土屋や後輩村崎さんもミオを慕って、少しずつ癒やされてゆくミオと彼らの温かい関係がとても良かったですね。

 

14.きみって私のこと好きなんでしょ? とりあえずお試しで付き合ってみる? (GA文庫)

憧れの文芸同好会の先輩で超絶美少女の白森霞。そんな彼女に自らの想いをあっさり見抜かれた後輩陰キャ高校生・黒矢が、先輩からお試しお付き合いを提案される青春ラブコメ余裕があってからかってくる白森先輩相手にいっぱいいっぱいで、振り回されっぱなしの黒矢。でもそんな彼女もまた実はわりと不器用で、からかいながら見えないところで赤面する一面もあって可愛かったですね(苦笑)一年間一緒に活動してきて、自分の大切なものをきちんと理解してくれて、そんな日々を積み重ねてきた二人の不器用で甘い関係にはぐっと来るものがありました。

 

15.きのうの春で、君を待つ (ガガガ文庫)

きのうの春で、君を待つ (ガガガ文庫 は 7-2)

きのうの春で、君を待つ (ガガガ文庫 は 7-2)

  • 作者:八目 迷
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: 文庫
 

引っ越した先の東京でうまく行かず、かつて住んでいた離島・袖島に家出してきた船見カナエが、幼馴染だった保科あかりと再会。時間を遡る現象「ロールバック」に巻き込まれる青春小説。カナエが巻き込まれた飛ばされた四日後から夕方6時になると一日ずつ遡るロールバック現象。遡る中で明らかになってゆくあかりの兄・彰二の死とあかりの恋心と兄への複雑な思い。ひたむきに頑張ってきたからこそ、失われたものの喪失感も大きくて、けれど何とかしようと懸命だったカナエの奔走が、未来への希望を引き寄せる展開にはぐっと来るものがありました。

 

以上です。気になる本があったら是非読んでみて下さい。