読書する日々と備忘録

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このキャラ文芸がすごい2019 文庫編

毎年ライトノベルに関しては「このライトノベルがすごい!」ということで年間のおすすめ企画が宝島社さん主催で開催されていて、自分も協力者として参加していますが、年々レーベルも増え、存在感も増してきているキャラ文芸(ライト文芸)の文庫に関してはそういったものがありません。

 

そもそもこのジャンルのおすすめ記事を作っている人自体があまりいないので、今回自分の独断と偏見によるセレクトになりますが、キャラ文芸(ライト文芸)の年間企画をブログ企画として立ち上げたいと思います。キャラ文芸やライト文芸の定義についてここで言及するつもりはないので、ざっくりとそれっぽいので選んだということでご了解下さい。とりあえずこのラノと同様の対象期間をベースに以下の基準で20作品セレクトしました。

 

  • 2017/9/1-2018/8/31に刊行された作品
  • ライト文芸・一般文庫レーベルから刊行された作品
  • 単行本の文庫化作品を除く

 

 

 ...とここまで書いて気づいたのですが、タイミングを合わせて発表しようと思った「このライトノベルがすごい!」は毎年11月下旬発表でしたね(汗)一ヶ月以上寝かせるのもあれなのでそのまま更新します。とりあえず反響を見て評判が良さそうなら、キャラ文芸単行本編や来年以降の企画化も考えたいと思います。シリーズ作品編はセレクト自体はしてあるので近々に更新予定です。よろしくお願いします。

 

独断と偏見で選ぶキャラ文芸文庫2019セレクト作品

 1位 後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

 

 後宮奥深くにいる夜伽をしない不思議な力を持つ特別な妃「烏妃」。翡翠の耳飾りに取り憑いた女の幽霊の正体を探るべく訪れた皇帝・高峻が、その不思議な力を目の当たりにする中華風ファンタジー。辛い過去を抱え烏妃として孤独に生きようとする寿雪と、少年時代に生母を皇太后に殺され辛酸を舐めた高峻。後宮で起きる幽鬼絡みの事件を解き明かす過程で二人が関わる機会は増えていって、不器用な彼らの距離感や周囲との関係の変化はとても微笑ましくて、秘密を共有した二人がこれからどう変わってゆくのか、この続きを是非読んでみたいと思いました。
【注目作品】

契約結婚はじめました」シリーズ(集英社オレンジ文庫)
「下鴨アンティーク」シリーズ (集英社オレンジ文庫)

 

2位 どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

 

 訳ありの過去もあって友人の幹也と采岐島のシマ高に進学した月ヶ瀬和希。そんな彼が初夏に神隠しの入江で倒れていた少女・七緒を発見するボーイミーツガール青春小説。過去からやって来た七緒と少しずつやりとりを重ねてゆく日々。何気なく過ごせていた高校生活の突然の暗転。明かされる過去の真相と、変わらず向き合ってくれる友人たちの存在、そして覚悟を決めた七緒。甘酸っぱく初々しかった出会いの結末には切なくなりましたけど、繋がって行く過去と未来、そして意外な形で届けられた真摯な思いは、かけがえのないとても素敵なものに思えました。
【関連作品】

また君と出会う未来のために」(集英社オレンジ文庫)※10/20刊行予定
【注目作品】

室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君」 (集英社文庫)

「鎌倉香房メモリーズ」シリーズ(集英社オレンジ文庫)

 

3位 応えろ生きてる星 (文春文庫)

応えろ生きてる星 (文春文庫)

応えろ生きてる星 (文春文庫)

 

 結婚直前の廉次の前に現れて突然のキスと謎の予言を残して消えた女。直後に婚約者に目の前で別の男と駆け落ちをされた廉次が、再会した女・朔と婚約者を取り戻すために奔走する物語。新婚旅行に行くはずだった二週間、謎多い朔と一緒に婚約者に見せつけるかのようにデートを満喫するフリをする廉次。彼女のことが気になり始めた頃にうっかり知ってしまうその背景。劇的な展開と爆発的な行動力が物語を動かし、因果応報をしっかり忘れないあたりに著者さんらしさがよく出ていましたが、ほろ苦くも未来を予感させる結末はとても良かったと思いました。
【注目作品】

あしたはひとりにしてくれ」(文春文庫)
砕け散るところを見せてあげる」(新潮文庫nex)
おまえのすべてが燃え上がる」(新潮文庫nex)

 

4位 この世界に i をこめて (メディアワークス文庫)

 屈折した高校生・染井浩平唯一の女友達で、半年前に死んでしまった天才作家・吉野紫苑。退屈な高校生活から逃避して届くはずのない彼女へメールを送り続ける染井の元に彼女のアドレスからメールが届き始める物語。不器用で人を好きになることを知らず、染井と多くの創作を語り合った吉野。そんな彼のもとに現れた転校生・真白。それぞれが抱く思いは複雑でも話の構図としてはわりとシンプルで、遺された吉野の最後の物語と言葉、そして彼女を介して繋がったうまく生きられない二人が少しずつ積み重ねてゆく不器用な関係は心に響くものがありました。
【注目作品】

君は月夜に光り輝く」(メディアワークス文庫)
アオハル・ポイント」(メディアワークス文庫)※10/25発売予定


5位 毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

 

 両親が事故死したショックで、毎年その日近くになると記憶が事故直後に戻ってしまう尾崎千鳥。空白の3年間を抱えた千鳥の元に小説家・天津真人が現れ、ある賭けを持ちかけられる物語。デートするたびに千鳥の心を揺さぶる真人。少しずつ確実に惹かれていくのを自覚しながらも、だからこそ彼を信じていいのか戸惑う臆病な千鳥の想い。そんな中で明らかになってゆく二人の関係、そしてそれ以上に困難にも諦めずに特別で大切な千鳥に向き合い続ける真人の決意には心打たれるものがあって、そんな二人が紡いでいく真摯な想いがとても素敵な物語でした。

【注目作品】

顔の見えない僕と嘘つきな君の恋」(講談社タイガ

 

6位 聞こえない君の歌声を、僕だけが知っている。 (メディアワークス文庫)

 動画サイト上に投稿され社会現象となった音声がないまま歌う「無声少女」。突然なぜか世界でただ一人、無声少女の歌声が聞こえるようになってしまった大学生・永瀬が彼女の歌詞をヒントに彼女を探そうとする物語。永瀬が歌詞を手がかりに調べてゆく無声少女の行方。たどり着いた先で巡り会った少女・サクヤ。二人で無音少女を調べ始めたことは彼らにとっても転機で、ようやく発見した無音少女の切なる願いと永瀬の決断には悲しくもなりましたが、それでも真っ直ぐに訴えかけてくる想いには揺さぶられて、エピローグにはぐっとくるものがありました。

 

7位 誰も死なないミステリーを君に (ハヤカワ文庫JA)

誰も死なないミステリーを君に (ハヤカワ文庫JA)

誰も死なないミステリーを君に (ハヤカワ文庫JA)

 

 自殺、他殺、事故死など寿命以外の死が見える志緒と屋上で出会った佐藤。彼女が悲しまぬよう死を回避させる協力をするようになってゆく君とぼくの物語。親の所業によって居場所をなくしていたミステリ好きの佐藤が、志緒が気づいた死の予兆を誰も死なないミステリに変えるべく頭を働かせる展開で、やろうとしていることの宿命でミステリとしてはやや締まらない感もありましたが、解き明かされる墜死事件の謎と回収されてゆく伏線によってひとつの物語として再構成されて、悔やんでいたひとたちの救いに繋がってゆくとても優しい素敵な結末でした。 
【注目作品】

きみの分解パラドックス」(富士見L文庫)

 

8位 妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)

妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)

妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)

 

 未来に起こる確率を調べる技術が確立した世界。自らが抱える苦しい思いをどうにかしたくて、確率をつい確認し続けてしまう人たちの物語を描く連作短編集。政略結婚や大怪我、路面電車での出会い、届かぬ思いや父と娘の関係、忘れられない運命の出会いなど、停滞する状況を抱える登場人物たち。それでも人との関わりの積み重ねから事態や心境も少しずつ変化して、それに向き合ったり素直になったり次に向けた一歩を踏み出してゆく7つのエピソードは、表題作でもあるタイトルイメージをいい意味で裏切る思いのほか爽やかな読後感の素敵な物語でした。
【注目作品】

完璧主義男に迫られています」(富士見L文庫)
四月一日(わたぬき)さんは代筆屋」(宝島社文庫)※10/4発売予定

 


9位 木崎夫婦ものがたり  (富士見L文庫)

木崎夫婦ものがたり 旦那さんのつくる毎日ご飯とお祝いのご馳走 (富士見L文庫)
 

 著名な作家を父に持つ文筆家の島田ゆすらと、偶然出会った木崎修吾の電撃結婚。父の残した家で共同生活を始めた新米夫婦の日々が綴られてゆく物語。不安定だったゆすらと優しい木崎の美味しいものを食べたり、のんびりと寄り添うような夫婦生活。一方で作家としての自分のありように苦悩するゆすらのこと、作家だった父やふらりと家を出た弟の存在だったり、複雑な想いを抱く幼馴染・崇の存在もあったり、もしかしたらの可能性に切なくなりつつも、夫婦として作家として生きてゆくことにきちんと前向きになれた結末にはじんわりとくるものがありました。 

 

10位 笑う書店員の多忙な日々 (メディアワークス文庫)

笑う書店員の多忙な日々 (メディアワークス文庫)

笑う書店員の多忙な日々 (メディアワークス文庫)

 

 東京の小さな書店で新人バイトの紗和が直面する現実。そんな彼女に仕事を教える文庫文芸担当の楠奈津が、某出版社から持ち込まれた新人デビュー作のゲラに衝撃を受けて全店フェアを提案するお仕事小説。都内の書店でもこれくらい過酷な職場環境なのかと感じつつ読みましたが、書店が大好きで仕事に取り組む書店員たちがいきいきと描かれていて、初心者の紗和と経験を積んだ奈津の両視点から書店を描こうとして視点の切り替わりが多かったのはやや気になったものの、周囲も巻き込んで一丸となって本を売りに行く展開はなかなか良かったです。

 

 

11位 片想い探偵 追掛日菜子 (幻冬舎文庫)

片想い探偵 追掛日菜子 (幻冬舎文庫)

片想い探偵 追掛日菜子 (幻冬舎文庫)

 

 好きになった推しの対象を徹底的に調べ上げて見守るストーキング体質な女子高生・追掛日菜子。しかしなぜか好きになった相手は次々と事件に巻き込まれ、彼女が事件解決の糸口を見つけ出すミステリ。舞台俳優、若手力士、天才子役、覆面漫画家から総理大臣まで、惚れっぽく法律ギリギリアウトな手法で見守る日菜子が推しのために奔走する探偵劇。彼女の好意が事件を引き寄せてるのでは?と思わなくもないですが、コミカルでテンポのいい展開は楽しくて、振り回されるお兄ちゃんは大変でしたが、それでも懲りない彼女の活躍をまた読んでみたいです。
【注目作品】

僕と彼女の左手」(中央公論新社)※単行本
悪女の品格」(ミステリ・フロンティア)※単行本

 

12位 地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

地獄くらやみ花もなき (角川文庫)

 

 わけあって借金を抱えネットカフェを泊まり歩く放浪生活を送る青年・遠野青児。罪人が化け物に見える彼が迷い込んだ洋館で、白牡丹の着物をまとった謎の美少年・西條皓に住みこみの助手として屋敷で働くよう誘われる物語。鬼の代わりに罪人を地獄に届ける「地獄代行業」を営む皓を訪れる顧客たちが抱える事情とおぞましい真実、そして彼らにふさわしい結末。騙されて何度も怖い目に遭わされるのに、皓に確実に手なづけられてゆく青児の小市民っぷりが物語のいいアクセントになっていて、ライバル探偵・凜堂棘も登場したりな今後の展開が楽しみです。
【関連作品】

地獄くらやみ花もなき 弐 生き人形の島」(角川文庫)※続刊10/24発売
【注目作品】

 折紙堂来客帖 折り紙の思ひ出、紐解きます。」(富士見L文庫)

 

13位 次回作にご期待下さい (角川文庫)

次回作にご期待下さい (角川文庫)

次回作にご期待下さい (角川文庫)

 

 仕事に追われる月刊漫画誌の若き編集長で苦労人の眞坂崇とトンデモ天才漫画編集者・蒔田が、漫画バカの編集者たちや漫画に命をかける漫画家たちとともに日常のお仕事に潜む謎を解き明かしてゆくお仕事小説。落とし物をきっかけに出会ったビルの夜間警備員・夏目の謎、打ち切りに悩む漫画家とのやりとりやヘッドハンティング、そして盗作疑惑の真相など、漫画雑誌はほんと大変な仕事なんだなと実感させる一方で、それでも登場人物たちが面白い漫画を作りたいという想いからぶつかり合うなかなか熱い作品でした。
【関連作品】

次回作にご期待下さい 2」(角川文庫)※続刊 10/24発売予定

 

14位 雪があたたかいなんていままで知らなかった (オレンジ文庫)

雪があたたかいなんていままで知らなかった (オレンジ文庫)

雪があたたかいなんていままで知らなかった (オレンジ文庫)

 

 地元の名士の生まれながら、幽霊が見えることで周囲から孤立する澤村千尋の前に現れた赤いマフラーの幽霊少女。協力してくれたクラスメイトの岩木君やリンたちと共に、記憶を失っている彼女の過去を探し始める青春ミステリー。過去のトラウマから逡巡しながらも始まった身元捜索。それぞれ苦い過去が明らかになってゆく岩木とリン、そして本家の魔王的存在・従兄の義孝。その過程で少しずつ広がって変わってゆく周囲との関係と、いろいろ過去や事実が少しずつ繋がってゆく構成はとても上手くて、切ないけれどぐっと来るものがある素敵な物語でした。

 

15位 少女手帖 (集英社オレンジ文庫)

少女手帖 (集英社オレンジ文庫)

少女手帖 (集英社オレンジ文庫)

 

 周囲に迎合しグループ内で平穏に生きていくことに全力を傾けてきた女子高生の小野ひなた。ある日、憧れの同級生結城さんに誘われグループの約束をドタキャンしたことで周囲から孤立してしまう青春小説。これまで無難に生きることに心を砕いてきたはずが、偶然結城の秘密を知り興味を抱いたことで結果的に失った自分の居場所。息苦しい狭い世界でどう生きるのかというお話でしたけど、焦燥を募らせていた彼女が姉や師匠、結城さんなど、たくさんの人と話し合い悩みながらもこれまでの自分を省みて、大切なことを見出してゆく姿はとても印象的でした。
【注目作品】

金物屋夜見坂少年の怪しい休日」シリーズ(集英社オレンジ文庫)

 

16位 七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

 

人付き合いを避け生きてきた高校生の内村秀。ある日クラスメイト飯山直佳が落としたUSBメモリを拾い、中身の遺書を見てしまったことから奇妙な交流が始まる青春小説。彼女が進行性の記憶障害を患って自殺したがっていると知り、関わりたくなかったのに気になって仕方ないと自覚した秀が交わしたひとつの約束。秘密と約束を共有するようになった二人に訪れた転機と、やがて明らかになってゆく秀の苦い過去があって、その全てが繋がってゆく急展開には驚かされもしましたが、決着をつけた二人のその後のありようにはしっくり来るものがありました。

【注目作品】

八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。

そして、君のいない九月がくる」(いずれもメディアワークス文庫

 
17位 逆転ホームランの数式 (メディアワークス文庫)

 仕事にのめり込んで家族に愛想を尽かされた元エリート社員の八雲。野球少年の息子と元妻に再び認めてもらうため、野球経験なしの身から初戦敗退の秋上高校野球部の監督に就任し、転落の元エリートと弱小野球部が奇跡を起こす物語。最初は気持ちも分からず最悪だった部員たちとの出会い。そこから彼らと向き合いながら進めていった、データに基づく合理的な練習と意識改革。興味深い練習に八雲や部員たちの葛藤やそれぞれの想いもあったりで、八雲の息子もいる横道学院との練習試合で果たしたひとつの決着にはなかなかぐっと来るものがありました。
【注目作品】

「日本酒BAR「四季」春夏冬中」シリーズ(メディアワークス文庫)
「ハイカラ工房来客簿」シリーズ(メディアワークス文庫)

 

18位 農業男子とマドモアゼル (富士見L文庫)

 結婚の当ても外れ職も失った状態で30歳を迎えた恵里菜。婚活を調べるうちに見かけた長野県へのバスツアーに参加した彼女が、それをきっかけに長野に移住して手探りで手探りで飛び込む恋と農業ライフ。イケメンとの衝突というきっかけがあったとはいえ、知らない土地・知らないことだらけでゼロから飛び込む勇気はなかなか出ないよなあとか感じたりもしましたが、歳下の優真の助力を得て心機一転農業のいろはを学びつつ真摯に取り組んだり悩んだりな姿には好感。二人の関係にもこれから進展の余地はあるのか続巻に期待ということで。現在2巻まで刊行。

 

19位 アンハッピー・ウエディング 結婚の神様 (PHP文芸文庫)

幼馴染の史郎を一方的に恋慕い、彼との結婚を夢見る会社員の咲希。そんな彼女が妹の紹介で結婚資金を稼ぐために副業で結婚式の「サクラ」のバイトとして働く物語。同じサクラの百合香とともに臨む憧れの結婚式場で次々と起こる略奪婚、歳の差婚、毒親といったワケアリ結婚式の数々。長年の片想いでずっと近くにいるのに、なかなか見えてこない史郎ことシロの本音。これでもかとばかりに結婚の現実が突きつけられて、頻発するトラブルからひとつの構図が見えてきて、それでも結婚に憧れる咲希の真っ直ぐな想いとその結末は心に響くものがありました。

 【注目作品】

ホーンテッド・キャンパス」シリーズ (角川ホラー文庫)

 

20位 逆境ハイライト - へこたれずに生きています。 (中公文庫)

逆境ハイライト - へこたれずに生きています。 (中公文庫)
 

 商社で着実に出世街道に乗り彼女もいた朋文。それなりに順調な人生だったはずが、身に覚えのない罪状でいきなり逮捕され、さらに潰れかけた実家の老舗和菓子屋では父親の突然の失踪してしまう物語。朋文が直面する突然の逮捕から始まる運命の急転と、踏んだり蹴ったりなトラブルの連続。順調だった仕事も結婚を視野に入れていた彼女も、誤認逮捕で失ったものはもう取り戻せない容赦のない現実に読んでいる方も愕然としてしまいますが、それでも何とか乗り越えようと覚悟を決めた朋文が直面する新展開がどう繋がってゆくのか続巻に期待したいですね。
【注目作品】

ひきこもり作家と同居します。」(富士見L文庫)
「鎌倉おやつ処の死に神」シリーズ(富士見L文庫)

 

以上です。

もし興味を持てたタイトルがあったらぜひ読んでみて下さい。