今回は7月GA文庫・ビーズログ文庫・講談社タイガ・富士見L文庫の新刊感想まとめです。内訳はGA文庫のシリーズ続刊が3点、新作が2点、ビーズログ文庫の続刊1点、講談社タイガの新作1点、続刊1点、富士見L文庫の続刊が2点の計10点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
りゅうおうのおしごと!18 (GA文庫)
りゅうおうのおしごと!18
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白鳥士郎/しらび SBクリエイティブ 2023年07月14日
スーパーコンピューター《淡路》が見せた未来は本物か、それとも幻か?あいと天衣。八一と歩夢。競い合うことを定められた光と闇のライバルが遂に盤を挟む第十八弾。将棋の解に至ったと嘯き、その言葉を証明するかのように着々とタイトルを獲得してゆく天衣。《淡路》との対局を繰り返した八一と対決する、親友・歩夢の初タイトル戦。自分の信じる道を進むため、その未来を否定する戦いに挑むあい。それぞれの想いを抱えながらそれぞれ繰り広げられる異次元の熱い戦いの連続でしたけど、最後まで諦めない真っ直ぐな想いが見せてくれたその可能性に強く心を揺さぶられました。
【電子限定配信版】
りゅうおうのおしごと!17.5 ~天ちゃんのおしごと!~ (GA文庫)
りゅうおうのおしごと!17.5 ~天ちゃんのおしごと!~【電子限定配信版】
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白鳥士郎/しらび SBクリエイティブ 2023年07月14日
内弟子の雛鶴あいは出て行き、恋人の空銀子も行方を告げず休場。不幸を嘆く八一のもとを訪れた天衣は同居を申し出ると共に、意外な提案をする外伝第二弾。天衣が提案した西宮戎で行われる福男レース出場、一日警察署長をやることになった天衣と自転車に乗る特訓、そして密かに天衣が密かに将棋界を根底から覆すべく育てていた世界最強のスーパーコンピューターと全く新しい将棋AIの存在。今回全て書き下ろしで描かれる、したたかで健気でツンデレな彼女の姿がなかなか印象的で、天衣がこれまで抱えきた複雑な想いを掘り下げるなかなか興味深いエピソードになっていました。
アルゴノゥト前章 道化行進 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚 (GA文庫)
アルゴノゥト前章 道化行進 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚
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大森藤ノ/かかげ SBクリエイティブ 2023年07月14日
神の恩恵など存在しなかった古代初期。何故、アルゴノゥトは『始まりの英雄』などと呼ばれるのか?ベル・クラネルに根差す始まりの英雄の物語。英雄への憧れから英雄候補の募集に応じて、魔法使いのハーフエルフで妹のフィーナとともに王都に旅立ったアルゴノゥト。王都で邂逅を果たす狼人ユーリやドワーフのガルムス、吟遊詩人のリュールゥといった英雄候補たち、占い師と暗殺者のアマゾネス姉妹、そして運命に翻弄される王女アリアドネ。道化っぷりから周囲から侮られ、時には苦境に陥りながらも、本当に大切なもののために奔走するその姿はなかなか鮮烈で、最後の運命的な出会いで物語がこれからどう動くのか、続刊が今から楽しみです。
不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で (GA文庫)
不死探偵・冷堂紅葉 01.君とのキスは密室で
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零雫/美和野らぐ SBクリエイティブ 2023年07月14日
謎の美少女・冷堂紅葉が転校してきた七月の夏の日。密室でクラスメイトが殺されて、廃部寸前の文学研究会に所属する天内晴麻が、ミステリアスな紅葉に事件の調査を依頼される学園ミステリ。 二人で周囲の関係者に当たり事件を調査してゆく過程で、なぜか誰にも解かれることのない究極の密室という形で殺されてしまう冷堂。二人がそれぞれ持っている異能をうまく掛け合わせて、事件解決に向けて試行錯誤するアプローチが斬新で、捜査を進めてゆく中でお互いの秘密を共有する二人の距離感も少しずつ変わっていって、個性的なキャラたちもよく動いていましたし、物語としてのポテンシャルの高さをこれからどう昇華させていくのか続刊に期待しています。
ドラゴンズロアの魔法使い~竜に育てられた女の子~ (GA文庫)
ドラゴンズロアの魔法使い~竜に育てられた女の子~
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鏑木ハルカ/和狸ナオ SBクリエイティブ 2023年07月14日
人外魔境の地でドラゴンのラキとスピカに拾われ、すくすく育った女の子ティスピン。そんな彼女が精霊魔法の習得のために王都の学校に入学する異種親子ファンタジー。父は世界最強の滅界邪竜ラキ、母は創造神の御使い竜スピカで、破格の二匹を育ての親の教育で人の基準からすれば規格外の少女に成長していたつティスピン。入学した王都の学校で仲の良い友達もできて、目立ってしまうがゆえに様々な騒動に巻き込まれてゆく展開で、やや世間と感覚はズレはあるものの、規格外の強さだけでなく冷静な洞察力もあって、そんな彼女が竜たちに見守れられながらこれからどう成長してゆくのか続刊が楽しみなシリーズですね。
聖女と皇王の誓約結婚 2 恥ずかしいので聖女の自慢話はしないでくださいね…! (ビーズログ文庫)
聖女と皇王の誓約結婚 2 恥ずかしいので聖女の自慢話はしないでくださいね…!
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石田 リンネ/眠介 KADOKAWA 2023年07月14日
メルシュタット帝国との戦争に目処がついたと思ったら、今度は前皇王を擁するレヴェニカ国が宣戦布告。立て続けの危機にジュリエッタがルキノを助け立ち向かう第二弾。レヴェニカ国に対抗するため戴冠式にやってきた他国を巻き込んでの同盟結成、レヴェニカ国に避難していて囚われてしまったルキノの妹アンジェラの救出、そしてフィオレ聖都市に呼び出されたジュリエッタの危機。窮地と見れば助けに行くルキノは国王なのにフットワーク軽いな…と苦笑いでしたけど、覚悟を決めてからのアンジェラの成長も頼もしくて、危機をともに乗り越える中でお互いへの想いを少しずつ自覚してゆく二人の結末がなかなか良かったですね。
海神の娘 (講談社タイガ)
白川 紺子 講談社 2023年07月14日
海神たる蛇神の抜け殻からできたという、世界の南の端にある「花勒」「花陀」「雨果」「沙文」の四つの島。領主を決める海神に仕える巫女王の託宣を巡る物語を描いた連作短編集。領主が海神の娘を娶ることで、島は海神の加護を得て繁栄すると言われ、領主と彼女たちの物語が描かれていて、かつて家を滅ぼした領主の息子に嫁ぐ黥面の少女。次男を偏愛する元海神の娘が犯した禁忌と領主を信じる娘。暴虐の君主が迎える必然の結末と、嫁いできた少女が密かに抱える辛い過去。それぞれに想い人がいる少女たちに下された託宣。真意も知らされず、様々な想いを抱えながら嫁いだ海神の娘たちが、苦難に向き合い、それを乗り越えて幸せになってゆく姿がなかなか印象的な物語になっていました。
アンデッドガール・マーダーファルス 4 (講談社タイガ)
アンデッドガール・マーダーファルス 4
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青崎 有吾/大暮 維人 講談社 2023年07月14日
輪堂鴉夜が生首でも不死でもなかった時代。偉大なる師と共に過ごした黄金の日々。今や彼女の他にそれを知るものは天の星のみ。探偵たちの過去が明かされ、物語のピースが埋まる連作短編集。平安時代にとある陰陽師と運命の出会いを果たし、長い年月を生きることになった少女の記憶、真打津軽と鬼殺しの同僚たちの活動記録、山奥の屋敷で主に仕える一族の娘・馳井静句の秘めた想い、ある偉人から依頼された鳥かご使い最初の事件、そして北欧で起きた白熱の法廷劇「人魚裁判」。いかにも曰くありげで怪しいあの三人組が、どのように生まれて今に至ったのか、それぞれ壮絶な過去が丁寧に描かれたことで、その背景が大きく掘り下げられた大満足の一冊でした。
わたしの幸せな結婚 七 (富士見L文庫)
わたしの幸せな結婚 七(7)
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顎木 あくみ/月岡 月穂 KADOKAWA 2023年07月14日
様々な困難を乗り越えて、ついに祝言の日を迎えることになった美世と清霞。しかし軍を退職予定の清霞が、祝言の前日に緊急の呼び出しを受ける第七弾。清霞にも溺愛され義姉の葉月とも仲良しで、周囲からも二人の結婚を祝福される美世。小学校時代の同級生とも再会する中、前夜に呼び出されたまま、婚礼の始まる時刻が近づいても帰ってこない清霞。祝言の日までトラブルか…とも思いましたが、とはいえ清霞なら何としてでも戻ってきますよね(苦笑)思わぬところに繋がる展開で、ようやくのタイトル回収でしたけど、まだまだ謎も残っていて物語としては続くそうなので、どうみても大変そうな後任の五道もぜひ幸せにしてあげてほしいです(苦笑)
ぼんくら陰陽師の鬼嫁 八 (富士見L文庫)
ぼんくら陰陽師の鬼嫁 八(8)
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秋田 みやび/しのとうこ KADOKAWA 2023年07月14日
「神隠し」の言い伝えが残る村の廃校で行方不明になった幼い少年。北御門の元門人・夕木薙子の紹介で芹たちが調査を請け負う第八弾。石仏が立ち並び子供の霊があちこちにいる異様な村。訪問先で思わぬ形で対面することになった過去のある事件と関わる依頼人。神隠しの事件を調べる過程で、式神の珠から北御門家にまつわる複雑な事情も芹に明らかにされて、芹のおかげでその辺りの状況が少し好転したのかなと思ったら、そこからは思わぬ事態に遭遇して、そこから次々と繋がっていく怒涛の展開でしたね。物語としても大きく動きそうですが果たして何がどうなっているのか…これは続きが早く読みたいです。