今回は12月MF文庫J・MFブックス・オーバーラップ文庫・ダッシュエックス文庫の新刊感想まとめです。 内訳はMF文庫Jの続刊4点・新作2点・MFブックスの続刊1点・オーバーラップ文庫の続刊2点・ダッシュエックス文庫の続刊1点の計10点になります。どれも面白いので気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。
※下記紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
義妹生活7 (MF文庫J)
兄妹になってから初めての年越しで思い出を振り返りながら距離を縮めた悠太と沙季。親戚付き合いを経て、誰からも歓迎される関係の難しさを実感しつつ触れ合いを求めるようになっていく第七弾。バレンタインや海外への修学旅行、そこで得た旅先での新たな出会いと様々な気づき。些細なことに嫉妬してしまう沙季が可愛かったですけど、今回も交互に描かれてゆく特別なイベントなのに恋人らしい交流ができず、距離を痛感するもどかしい思い、だからこそ出会えた時のとても嬉しいと思ってしまうその繊細な描写にはつい感情移入してしまいました。様々な人との出会いで少しずついろいろなものを積み重ねながら、一緒に変わってゆく二人のこれからがとても楽しみです。
恋は暗黒。2 (MF文庫J)
同級生の羊本くちなの正体を知り、彼女と友だちになりたかった高良縊想星。そんな二人の様子に気づいた想星の元カノ(一応)白森明日美が動きだす第二弾。同業者で、なおかつ互いのチートが奇跡的に噛みあうゆえに羊本が気になるけれど、万が一の可能性を恐れる彼女に避けられまくりの想星。裏の仕事をこなしながら機会を伺う想星が、いつの間にか同級生の陽菜と一緒に巻き込まれてゆく明日美の計画。羊本につれなくされてもぐいぐい行って距離を縮めてゆく明日美の諦めの悪さが光る展開でしたけど、そんな彼女だからこそ引き寄せたこの結末は素直に凄いと思いました。少しずつ変わりつつある羊本との今後も気になるところではあります。
いのちの食べ方2 (MF文庫J)
立て続けに起こった「人外」絡みの事件がどうにか落ちついた矢先に、今度は弟切飛たちのことを知っているらしい転校生・浅緋萌日花が現れる第二弾。未だ人外が学校に増えつつある状況で、灰崎とも知り合いで、かつ白玉龍子や人外のことも知る萌日花が転校してきた理由。保健室投稿する雫谷ルカナと、無意識に人外を展開する柊伊都葉の関係、そしてハピエバの存在がクローズアップされて、そこからの後半は様々な背景が明らかにされてゆく怒涛の展開でしたけど、いろいろと気になるところも出てきたりで、ここから物語がどこに向かうのか続巻が気になりますね。
紅蓮戦記2 (MF文庫J)
敵軍にはその死を偽装しながら次なる反撃の糸口を探すマクアディは、リアン国のエメラルド姫らの協力を秘密裏に取り付け、補給物資の調達に乗り出す第二弾。敵の補給部隊をたびたび襲って大損害を与えたことで、食糧不足に追い込んでゆく状況に、有り余る魔力の矛先をその「謎の敵」に向けるニクニッス国王女シーナ。単純な戦力費で言えば150対4万なのに、それでも相手の戦い方があまりにも下手すぎるために面白いように蹂躙する展開でしたけど、どこまでも噛み合わないシーナとのやりとりの一方で、エメラルドやメディア、ラディナたち被害者の会ヒロインたちとの関係がなかなか楽しかったです。
未来から来た花嫁の姫城さんが、また愛の告白をしてとおねだりしてきます。 (MF文庫J)
未来から来た花嫁の姫城さんが、また愛の告白をしてとおねだりしてきます。(1)
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ニャンコの穴/ミュシャ KADOKAWA 2022年12月23日
片思いしていた姫城冬花に告白したものの、当然のようにフラれた王子白馬。彼と六年後の未来から来たトウカとの同棲生活が始まる青春ラブコメ。どん底の気持ちで帰宅した白馬を出迎えてくれた、ちょっとだけお姉さんでウェディングドレスを着て約束された勝利の嫁宣言をするトウカ。そんな彼女が語る六年後の未来と過去にやってきた目的。突然激変した環境や、現在の冬花と未来のトオカのギャップに戸惑ったり振り回されたりしながら、白馬の特技でもあるマジックも上手く活かして彼女たちの願いために奔走する終盤の展開はなかなか盛り上がりました。ヒロインは一人なのにいろいろ楽しい今後に期待のシリーズです。
英雄夫婦の冷たい新婚生活1 (MF文庫J)
東西国家間の戦争を終わらせた東のエリート軍人アルマと、西の麗しき超能力者エリーゼ。平和の象徴として結婚したはずの二人が離婚の危機を迎えるラブコメディ。何と1年も経たずに些細な価値観の相違から離婚を決意する二人。世界の平和が揺らいでしまうと危機感を抱く両首脳陣が、離婚を阻止するために送り込むオリビアとロキ。根が深そうな二人のすれ違い、発動した仲直り計画に夫婦暗殺を計画するレジスタンス組織も絡むなかなかカオスな展開でしたが、ぶっ飛んだ能力を持っていがみ合いながらも、戦う中でお互いの思いをぶつけ合い、結局はすっかり仲直りするそのお騒がせ夫婦っぷりが楽しかったです。でもまあこういう人たちに振り回される凡人は大変ですよね(苦笑)
手札が多めのビクトリア 2 (MFブックス)
凄腕元工作員のビクトリアが可憐な少女ノンナを保護し、本当の人生を取り戻してから5年後。シェン国での研究を終えた一家がアシュベリー王国に帰国して懐かしい人々と再会する第二弾。平穏な日々を送ろうと思ってもいろいろ気づいてしまうビクトリアが、持ち前の才能で難なく解読してしまった冒険小説に隠された謎の暗号。理解のある夫ジェフリーや心強く育ったノンナと王国の秘密に迫る大冒険したりと、戻ってきてからの立ち位置の変化に葛藤する彼女に理解を示すジェフリーやノンナ、周囲の人々との関係がとても良かったです。再会したクラークと、成長して友達もできたけれど相変わらず元気なノンナの今後も気になるところではあります。
百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 その3 (オーバーラップ文庫)
百合の間に挟まれたわたしが、勢いで二股してしまった話 その3
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としぞう/椎名くろ オーバーラップ 2022年12月22日
二人の女の子と同時に付き合い、妹達からも告白されてしまった間四葉。何とか丸く収まったものの、今度は国民的アイドルの幼馴染に告白される第三弾。アイドル活動を休止して、再び一人でかつて住んでいた家に戻ってきた幼馴染・小田真希奈が抱える事情。二人の恋人に妹たちもいるけれど、幼馴染の苦境を放っておけない四葉。お人好しなだけなのか残念なクズなのかなかなか評価が難しい彼女の言動ですが、由那や凜花の聖域二人や桜&葵の妹たち、真希奈が惹かれるだけの何かがあるのも確かなんですよね…由那や凜花も真希奈に負けじとぐいぐいと来てましたけど、ここから彼女たちの関係性がどう変わるのか続巻が楽しみになってきました。
創成魔法の再現者 4 魔法学園の聖女様・下(オーバーラップ文庫)
創成魔法の再現者 4 魔法学園の聖女様 〈下〉
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みわもひ/花ヶ田 オーバーラップ 2022年12月22日
クラス対抗戦でBクラスを教導し、勝利へ導いたエルメス。一方、敗北したAクラスのリーダー・クライドや教師陣に非難が集中する第四弾。エルメスに魔法の教えを乞う生徒が出てくる一方、敗北の責任で非難されるクラウドがほのめかす罰。裏で暗躍する王国の暗部に状況を上手く利用されてしまい、脅威にさらされる学園の苦境。教師陣やAクラスの生徒が役に立たず、それでも諦めずにカティアを中心に抗うBクラスの面々の奮闘、その中でも今回はサラの葛藤がクローズアップされる展開でしたけど、今回の戦いでエルメスとともに戦った彼女もまた大きく変わるきっかけを掴みましたね。事態も大きく動きそうな今後の展開が楽しみになってきました。
迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について3 (ダッシュエックス文庫)
迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について 3
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ネコクロ/緑川 葉 集英社 2022年12月23日
シャーロットのお願い以降、ぎくしゃくした雰囲気が漂う明人との関係。学校の一大イベント体育祭を迎える第三弾。告白にも聞こえるけれど、何とも判断が難しく迷いを生じさせるシャーロットのお願い。家の事情からエマも一緒に参加することになった体育祭のあれこれ。シャーロットやエマと一緒に行った動物園での思わぬ遭遇。そして明らかになる明人の過去。エマに対する接し方もいろいろ考えさせられて、感情的に受け止めるのが難しい過去にも直面するなど、物語としても色々踏み込んで大きく動いてきましたが、今はこれくらいの折り合いの付け方しかできないですよね。空回りしかけていたシャーロットもちゃんと向き合えて良かったです。