今回は2月電撃の新文芸・GA文庫・富士見L文庫の新刊感想まとめです。内訳は電撃の新文芸の続刊1点、GA文庫の新作3点、続刊2点、富士見L文庫の新作1点の計7点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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ふつおたはいりません!2 ~崖っぷち声優、ラジオで人生リスタート!~ (電撃の新文芸)
ふつおたはいりません!2 ~崖っぷち声優、ラジオで人生リスタート!~
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結城 十維/U35 KADOKAWA 2024年02月16日頃
公開録音での佐久間稀莉による爆弾発言により、炎上中アラサー声優にジョブチェンジ中の吉岡奏絵。そんな二人に人気声優ラジオとの合同イベントが舞い込む第2弾。 当初こそ炎上したものの、開き直った稀莉の言動もあって概ね好意的に受けられるようになった二人の関係。イベントを成功に導くべく、ゲストとして人気声優ラジオに単身乗り込んでいく奏絵と稀莉。なかなかいい感じに思えた状況で、二人の関係を根本的に揺るがしかねないえぐい展開が待っていましたが、それでも覚悟を決めて逃げずにぶつかり合った二人の真摯な想いがあって、一緒に乗り越えて絆を深めて、さらにパワーアップした甘い関係で周囲を呆れさせる二人のこれからがますます楽しみになってきました。
大学入学時から噂されていた美少女三姉妹、生き別れていた義妹だった。 (GA文庫)
大学入学時から噂されていた美少女三姉妹、生き別れていた義妹だった。(1)
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夏乃実 SBクリエイティブ 2024年02月15日頃
大学入学前から美少女三姉妹と噂されていた花宮真白、美結、心々乃。生き別れの義理の兄だった遊斗が、大学で彼女たちと再会するラブコメ。連れ子同士で結婚・離婚した際に懐かれていた生き別れの三姉妹が偶然同じ大学に入学して、お互いにそれと知らないまま、彼女たちとそれぞれ運命的な再会を果たした遊斗。義妹たちは美しく成長していて、一方の彼もまたさりげなく気遣いができてしまうカッコ良くて優しいお兄さんになっていて、再びすんなりと懐いてしまった三姉妹が彼に抱いている想いは果たして兄妹愛なのか恋愛感情なのか。今後の展開が楽しみになってきました。
毎晩ちゅーしてデレる吸血鬼のお姫様 (GA文庫)
異世界からやってきた吸血鬼が受け入れられた世界。普通の青春を送るため上京してきた紅月史郎は学校の帰り道、吸血鬼のテトラと出会う青春ラブコメ。普通の青春を送るため上京してきたものの、なかなか馴染めていなかった史郎。新鮮な血でないと飲めないというテトラの空腹を満たすため、血を差し出すことになり、過去のトラウマから人間が苦手で人見知りする世間知らずな彼女は、なぜか彼の血と相性が良すぎて甘え、依存するようになってゆく展開で、彼をペットに指名する関係はなかなか微笑ましかった一方、試練に直面する彼女に真摯に寄り添う史郎の姿はなかなかかっこ良かったですし、乗り越えた二人の物語をまた読んでみたいと思いました。
マーダーでミステリーな勇者たち (GA文庫)
長い旅路の末、ついに魔王を討伐した勇者たち一行。しかし安寧の日々がやってくると思ったのも束の間、翌朝になって聖女が死体となって発見されてしまうミステリ。勇者とともに力を合わせて魔王を倒した騎士、魔法使い、武闘家、狩人たちの一体誰が聖女を殺したのか。一人ひとり順番に語る中で明かされてゆく、それぞれが抱える事情と背景。そして勇者に執着していた魔王の真意。勇者に対する複雑な想いも錯綜する中で、それぞれ浮かび上がってくる容疑や、動機を突き詰めていくと納得の真相が待っていましたけど、それを受け止めた勇者の覚悟がなかなか印象的な結末になっていました。
攻略できない峰内さん2 (GA文庫)
部員メンバーを探すアナログゲーム研究会の高岩剛と、ゲームが強いが幼女にしか見えない先輩・峰内風。先輩と因縁がある交換留学生レインがやってくる第2弾。廃部危機はどうにか切り抜けたものの、ゲームでは相変わらず風に勝てずに入部させられずにいた剛。いつの間にか一緒に登下校する仲になっていた二人の前に現れたイギリスからの交換留学生レイン。風をライバル視する彼女だけでなく、ゲームを挑んでくる副会長といった複数ヒロインが次々と剛にもちょっかいを出してくるからこそ風も心穏やかではいられなくて、彼のことを意識せずにはいられない微笑ましい展開がなかなか良かったです。
カノジョの姉は……変わってしまった初恋の人2 (GA文庫)
募る想いがついに溢れ出して鷗に迫る梅雨。そんな彼女への恋心を自覚する二人の姿を彼女で梅雨の義妹でもある向日葵が目撃してしまう第2弾。向日葵はショックのあまり一緒に過ごせないと告げ、負傷した状態で一人暮らしを始めることになった義姉で大学生の梅雨。もう向日葵を裏切れない、梅雨の想いに応えていけないと頭では理解しながらも、梅雨のことを放ったままにはしておけない鷗。優しさ故に板挟みになった末の覚悟の決断は、誰もが幸せになれるものでもなくて、でもそれがいつまでも続くわけもなく、考えうる限り最悪の結末からどんな展開に繋がるのか、この先はちょっと予想がつかないですね…。
国外追放された王女は、敵国の氷の王に溺愛される (富士見L文庫)
国外追放された王女は、敵国の氷の王に溺愛される
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坂合 奏/さくらもち KADOKAWA 2024年02月15日頃
王位継承争いに敗れ、継母殺し未遂を企てた汚名を着せられたドルマン王国の第一王女ジョジュ。国を追放され辺境の小国ロニーノのエミリオン王との政略結婚から始まるシンデレラロマンス。失意のジョジュを迎えた冷酷無慈悲と噂のエミリオン王。けれど出会った時に言われた「愛を求めるな」との言葉とは裏腹に、公正に扱ってくれた彼の下で、少しずつ聡明さを取り戻していくジュジュ。自身も意識していなかった祖国に複雑な思いを抱く一部貴族たちや、彼の元婚約者ヴィオラの存在もあって、それでも欲しい言葉をくれるエミリオンの真摯な想いや、彼女のことを応援してくれる人々に叱咤されたり、認められながら、様々な騒動にも逃げずに向き合い、凛とした姿を取り戻していくその姿がなかなか印象的な物語でしたね。