今回は1月のGA文庫・富士見L文庫新刊感想まとめです。内訳はGA文庫が新作2点、続巻が2点、富士見L文庫が新作2点、続巻1点の計7点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
嘘つきリップは恋で崩れる (GA文庫)
周囲とつるまずおひとりさま至上主義を掲げる冴えない大学生・相楽創平。そんな彼が住むボロアパートの隣室で生活するキラキラ系オシャレ美人女子大生ハルコの秘密をうっかり知ってしまう青春小説。冴えない自分とは別世界の生物かと思っていたハルコが、実はかつての同級生で大学デビューに成功したすっぴん地味女であることを知ってしまう相良。素顔を知られることを過剰に恐れるハルコと秘密を共有して、彼女の目標である薔薇色キャンパスライフに協力することにどんどん巻き込まれてゆく一方、ハルコにどんどん懐かれる状況に困惑を覚えてゆく展開で、薄々は自覚しながらもこじらせっぷりを炸裂させる相良が本当に面倒くさかったですけど(苦笑)、それでも健気に粘り強く頑張り続けたハルコを応援したくなる素敵な物語でした。
異端な彼らの機密教室1 一流ボディガードの左遷先は問題児が集う学園でした (GA文庫)
異端な彼らの機密教室1 一流ボディガードの左遷先は問題児が集う学園でした
posted with ヨメレバ
泰山北斗/nauribon SBクリエイティブ 2024年01月14日頃
戦場に身を置くボディガード羽黒潤。上層部の意に反して単独でテロを鎮圧した結果、海上埋立地の島にある紫蘭学園に左遷されて生徒として転入する異端学園アクション。様々な事情により通常の生活が送れない少年少女が集められる機密教育機関で、一癖も二癖もある少女たちを率いるフィクサーとして現場指揮を取ることになった潤。そんな彼女たちと一人ひとり対峙してその実力と向き合い人となりを知っていきながら、学生ながら現場に駆り出される命の価値が低い彼女たちと初作戦に挑む展開で、想定以上の敵と遭遇する中で垣間見えてゆく少女たちの想いがあって、潤自身もまた彼女たちとの関わりの中で成長していく彼らの関係がこれからどう変わってゆくのか今後の展開が楽しみです。
隣のクラスの美少女と甘々学園生活を送っていますが告白相手を間違えたなんていまさら言えません2 (GA文庫)
隣のクラスの美少女と甘々学園生活を送っていますが告白相手を間違えたなんていまさら言えません2
posted with ヨメレバ
サトウとシオ/たん旦 SBクリエイティブ 2024年01月14日頃
女優となった花恋の仕事現場についていったら、ADと間違われて巻き込まれる光太郎。様々な思惑が絡む撮影現場はかつてない混沌を極めてゆく第二弾。撮影スタッフと間違えられて働くうちに有能すぎるADとして大絶賛される光太郎。そこに花恋の共演者として光太郎を諦めきれない深雪や、悪意を持って近づいた千春も絡んでいく展開で、涙を誘う貧乏エピで千春に共感される花恋に、暴走しがちな深雪とちゃっかりメイド青木の主従が動かすカオスな状況を、光太郎が陰ながら支えて乗り越える結末はなかなか良かったですね。勘違いしがちな祖父に相談した光太郎の決断も新たな波乱を巻き起きしそうな予感しかなくて、今後の展開が楽しみです。
ドラゴンズロアの魔法使い2~竜に育てられた女の子~ (GA文庫)
ドラゴンズロアの魔法使い2~竜に育てられた女の子~
posted with ヨメレバ
鏑木ハルカ/和狸ナオ SBクリエイティブ 2024年01月14日頃
人間の女の子として街での平和な日々を過ごすティスピン。そんな彼女のもとに王都から幼い王子アベルがドラゴン出現で混乱する街の視察にやって来る第二弾。ティスピンは騎士団のウィーザン隊長に二刀流について教わったり、ラキに泳ぎ方も教わったりする一方で、身体強化魔法の属性を見出されたリタも特訓を開始。そんなリタの様子をアベルが気にかける展開で、王子を狙う動きがあっても、ラキ・スピカ・ディアあたりは脅威をあっさり排除してしまえる破格の力の持ち主なので、実際には彼らがいれば安心なんですよね(苦笑)けれど王子の護衛から王に伝えられたとある報告が今後にどう繋がるのか、今後の展開が気になるところではあります。
彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師 (富士見L文庫)
彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師
posted with ヨメレバ
仲村 つばき/珠梨 やすゆき KADOKAWA 2024年01月13日頃
歴史研究家として旅することを夢見ていたジャンヌが実家に帰って直面する、大量の生き霊に取り憑かれたマリーズと、伯爵家存続のための結婚話。状況打開のため生き霊を払ったら結婚話をなしにする交換条件を持ちかけたジャンヌが、知り合ったオーガスティンを振り回しながら事件解決に挑む展開で、方向性が違う両極端な姉妹は、挟まれたアロイスも大変だったんだろうな…と察してしまうくらいには強烈なインパクトがありましたが、ジャンヌを意識しながらも恋路でドツボにハマるオーガスティンは苦難を乗り越えて頑張ってほしいです(苦笑)
雨の魔術師 少女の恋と解けない呪い (富士見L文庫)
幻想に満ちた魔術学院ドラクロウ。突然魔力を失い学院の落ちこぼれとなってしまった天才少女シャロムが、口の悪い学院一優秀な生徒ユエルと出会う恋と再生を紡いだ物語。天才と言われていたのに魔力を失い、師匠も失踪して寄る辺を失っていたシャロムと、なぜか彼女を試験のパートナーに選んだユエル。戸惑いながらも一緒に星見の岬の観測機修理や、森の管理人の手伝いといった課題を協力して次第に心を通わせてゆく二人の変化と、魔術師狩りに狙われてしまうシャロム。シャロムも認識していなかった過去の因縁や様々な背景、ユエルが彼女を気にかける理由も明らかになる中、ユエルと一緒に立ち向かったことをきっかけに、シャロムが見失っていた大切なことにようやく気づいてゆく結末はなかなか良かったですね。
アラベスク後宮の和国姫2 (富士見L文庫)
アスウィールや母后ファジェルの承諾を得て、後宮で皇帝を補佐する人材の育成を目指すライラー。一方で兄帝を弑逆して反抗的なイエニチェリ軍団を掌握するべく動き出したアスウィール。敵だったはずのヤーサミーナも、努力を評価するライラーにすっかり籠絡されてツンデレになるのは苦笑いでしたけど、イエニチェリ軍団相手の賭けに勝ってみせたアスウィールの変化も感じられたりして、それぞれに心境が変化しつつ二人の関係もどう変わるのか、これからの展開が楽しみです。