というわけで4月の新作おすすめです。
こちらではライトノベルの新作22点を紹介しています。
まず新作の注目作品としては何といっても「中二病でも恋がしたい!」の虎虎さんによる電撃文庫の推し青春ラブコメディ「推しの認知欲しいの?←あげない 」、スニーカー文庫から綾里けいしさんの禁書を巡る学園ファンタジー「魔導書学園の禁書少女」、御宮ゆうさんの元カノと気まずい再会をする新作青春ラブコメ「この恋は元カノの提供でお送りします。」、しめさばさんの新作現代異能クライムサスペンス「イレギュラー・ハウンド」、GA文庫から校則違反の免許をひっそり取った先輩が、目の敵にされている風紀委員の後輩とドライブする裕時悠示さんの新作「高3で免許を取った。可愛くない後輩と夏旅するハメになった。」あたりは押さえておきたいところ。
またガガガ文庫から「空飛ぶ卵の右舷砲」の喜多川信さんによるマシンアクションファンタジー新作「ソレオレノ」、不器用で優しい公爵令嬢ヒロインがとても良かったGAノベルの「100日後に死ぬ悪役令嬢は毎日がとても楽しい。」、オーバーラップ文庫から女運が悪い主人公がいろいろ騒動に巻き込まれてゆく新作ラブコメ「俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです」、死した人間が魔物となる世界で葬送士の少女と出会う紙木織々さんの新作ファンタジー「かつて人だった貴方へ」も挙げておきたいと思います。
※各作品タイトルのリンクはBookWalkerページに飛びます。
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推しの認知欲しいの?←あげない (電撃文庫)
推しの認知欲しいの？←あげない（1）
posted with ヨメレバ
虎虎/こうましろ KADOKAWA 2022年04月08日
謎の覆面系音楽ユニット「たぶつき」のボーカルderellaにガチ恋する高校生・星地春永と、derellaの正体で彼が大好きな幼馴染・有真手毬の青春ラブコメディ。derellaを激推していて、会いたいと切望する春永に妹扱いされている手毬の複雑な思い。derellaを絶賛されて嬉しいけれど、でも自分のことをちゃんと見てほしくて、そんなすれ違いが微笑ましくも、切なくもありましたけど、初ライブに向けてテンションを上げていく春永が、それでも大切なことを忘れていなかったことが分かるその結末にはぐっと来るものがありました。これは今後に期待したくなる新シリーズですね。
魔導書学園の禁書少女 少年、共に禁忌を紡ごうか (角川スニーカー文庫)
綾里 けいし/みきさい KADOKAWA 2022年04月01日
魔術師が己の中に本と本棚を持ち、そこに記された≪物語≫を魔術に変えて行使する世界。禁書の主に魅入られた最底辺魔術師の少年レンと禁書を巡る学園ファンタジー。世界で唯一白紙の本を持つロクな魔術が使えない落ちこぼれで、『無限図書館』に歴代最低得点で入学した少年レン。その戦い方に興味を持った訳あり少女のアンネたちと行動を共にするようになって学園で起きる事件に挑む展開で、この世界観の中心となる魔術の位置づけも興味深くて、またそれぞれが何やら事情も抱えていそうなキャラたちもよく動くストーリーはなかなか面白かったです。著者さんらしさもこれからもっと出てきそうな今後に期待の新シリーズですね。
この恋は元カノの提供でお送りします。 (角川スニーカー文庫)
御宮 ゆう/Re岳 KADOKAWA 2022年04月28日
大学二年生の衣笠創の高校時代の元カノ、誰もが憧れた塩対応美少女・柚木真波。関係が断絶していた彼女と、よりによってチャットアプリ経由で気まずい再会を果たす青春ラブコメ。同じ大学の七野優花への片想いを白状した創に、借りを感じていた真波が始めた恋愛指南。彼氏はいらないと明言する優花、予行演習で忌憚のないアドバイスをする真波、そして昔創が三日だけ付き合ったことがある梨奈先輩と、それぞれ違う魅力を持ったヒロインたちを絡めた今回の結末は、ある意味必然だったのかなとも感じましたが、物語としてはむしろここからだと思うのでこれからの展開に期待。
イレギュラー・ハウンド いずれ×××になるだろう (角川スニーカー文庫)
しめさば/はくり KADOKAWA 2022年04月28日
他人の感情を痛みに感じる能力に嫌気が差して線路に飛び出した安土桃也を止めた謎の少女ハチ。彼女に警視庁特殊捜査班ダイハチに誘われる現代異能クライムサスペンス。表立って動けない事件を秘密裏に捜査する機関で、傲慢で尊大で不思議と魅力的なハチの指示を受け捜査に関わる桃也。彼が新宿で出会うクラスメイトだったはずの、けれど名前も忘れて何もかもを諦めた少女エッチを、身の危険も顧みず何とか救い出そうとするハチの葛藤があって、絶望しか感じられない状況から微かに見えた希望を見事掴み取ってみせたその結末がなかなか印象的な物語でした。もし続巻があるならまた読んでみたいです。
高3で免許を取った。可愛くない後輩と夏旅するハメになった。 (GA文庫)
裕時悠示 SBクリエイティブ 2022年04月15日頃
車で夏の北海道を旅する夢のため、校則違反の免許を取った沢北廉太郎。しかし彼を目の敵にする風紀委員・鮎川あやりに運転しているところを見つかってしまう青春ラブコメ。なぜか廉太郎に一緒にドライブをしながら運転技術を確認すると提案するあやり。助手席で彼女が見せた意外な可愛い一面があって、口では厳しいことを言いながらも彼をさりげなくフォローする彼女の優しさがあって、これまで知らなかった一面を垣間見せる彼女と、事情により一緒に北海道へ旅することになったこれからの展開が楽しみな新シリーズですね。
ソレオレノ（ガガガ文庫）
仲間の裏切りに遭い、牢獄に幽閉されていた冒険者リョウ。絶望的な状況で王の娘センに救われ、古代遺物の『虫樹』を操って奪われた物を取り戻すマシンアクションファンタジー。王の志に共鳴して困難の末に見つけた伝説の古代遺物。それを手に入れた彼を裏切ったかつての仲間たち。裏切り者を呪い続けた十年の月日の後、王の娘・センの手助けで脱獄を果たす展開で、変わり果てた相棒や自分の衰えにショックを受けながら、大切なものを守るため、取り戻すため、因縁の強敵相手に最後まで諦めずに戦いを繰り広げる熱い展開はなかなか面白かったです。これは今後が楽しみな期待の新シリーズですね。
100日後に死ぬ悪役令嬢は毎日がとても楽しい。 (GAノベル)
ゆいレギナ SBクリエイティブ 2022年04月15日頃
100日後に死ぬ天啓を神様から受けた公爵令嬢ルルーシェ。その運命は変えることができないと知った彼女が、死に様が美しければ、褒美を欲しいと神様に賭けを申し出るファンタジー。悔いのない優美な最期を迎えるため覚悟を決めた彼女が、恋敵のはずのレミーエに様々な王妃教育を施したり、婚約者の弟・ザフィルドに剣を習ったり、家族の支援を準備したりといろいろ突っ走る展開で、けれど一方で別の視点から語られる真相は全く別の様相を見せていって、婚約者のサザンジールの残念さ加減にはいろいろ突っ込みたくもなりましたが、ここからルルーシェが残り30日をどう生きるのかその生き様に期待。
俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです(オーバーラップ文庫)
御堂ユラギ/緜 オーバーラップ 2022年04月22日
女運が悪く昔からトラブルに巻き込まれてきた九重雪兎。彼をなぜかトラウマを与えたヒロインたちが気にかける手遅れから始まる勘違いラブコメ。母親に疎まれ姉には嫌われ、両想いだと思っていた幼馴染には告白前にフラれてしまい、その傷心中に嘘告までされた絶望の過去。しかしそれは間の悪さや勘違いなどが積み重なった結果で、無意識のうちにいろいろ女の子を引き寄せてしまう彼の周囲は、ここからますますカオスな状況が加速していって、それがひとつの転機をきっかけに彼の見えている景色が劇的に変わってゆく鮮烈な結末はなかなか面白かったです。ここからどんな展開が待っているのか続巻に期待の新シリーズですね。
かつて人だった貴方へ 1.最果ての魔女と葬送士 (オーバーラップ文庫)
紙木織々/かやはら オーバーラップ 2022年04月22日
死した人間が魔物となるエリクシア王国の地下ダンジョン。パーティから戦力外通告を受けた冒険者シオンが、ダンジョンで葬送士の少女アリスレインと出会う覚悟と祈りの物語。魔物となった人の魂を解き放つ唯一の手段「葬送」。全ての魂を救いたいと願う彼女と二人で仲間を集めてパーティを組んだシオン。時にはぶつかり合いながら個性的な仲間たちとの絆を深めていく、そんな彼らが直面する現実はなかなか過酷で、けれど託された思いを胸に見事それを成し遂げたその結末がなかなか印象に残る物語でした。ここからどんな展開を見せてくれるのかこの続きが気になるシリーズです。
男子だと思っていた幼馴染との新婚生活がうまくいきすぎる件について (角川スニーカー文庫)
はむばね/Parum KADOKAWA 2022年04月01日
近衛秀一が断るつもりだったお見合い相手は、男子だと思っていた幼馴染・烏丸唯華。久しぶりに再会した彼女と新婚生活を始める青春ラブコメ。良家のご子息も多い高校で孤高を貫いていた秀一と、見た目は変わっても中身は変わっていなかった唯華の心地よい距離感の同棲生活。彼女との出会いをきっかけに周囲との関わりも増えていって、実はお互い意識しまくっている二人が、相手の想いは友情なのか愛情なのかその真意を探りつつ、周囲も絡めながら積み重ねてゆくエピソードの中で見えてくるそれぞれの思い、とてもいい感じにまとまってくれた結末はなかなか良かったです。
好きで好きで大好きなので、いっしょに好きを伝えたい (角川スニーカー文庫)
久慈 マサムネ/Aちき KADOKAWA 2022年04月28日
クールで氷のエルフと言われるフィンランドからの留学生エイヤ。実は留学目的はオタ活で単にコミュ障な彼女を、受入家族で同級生の蒼井桜雅が支える青春ラブコメ。コミュ障で周囲と話せないのにオタトークに憧れるエイヤと、二人で一緒にいろいろな初めてを経験してゆく桜雅。オタクであることに苦い過去を持っていた彼が、自身もまた辛い経験をしたエイヤと二人で満喫する展開はやはりエイヤが絶妙に可愛くて、そんな二人を応援したくなるものがありますね。いろいろ訳ありそうだった桜雅の幼馴染もこれから絡みが増えていきそうで、エイヤがこれからどうするのか、どう変わってゆくのか今後の展開が楽しみな新シリーズです。
俺のクラスに若返った元嫁がいる (講談社ラノベ文庫)
猫又 ぬこ/緑川 葉 講談社 2022年05月02日頃
すれ違いから冷え切った関係となってしまい、ついには離婚した航平と柚花。その帰り道に事故にあった二人が高校の入学式当日にタイムスリップしてしまう青春ラブコメ。今度は間違わない、幸せな人生を送るため『二度と関わらない』と固く誓う航平。しかし同じ趣味を持っていたために行く先々で鉢合わせして、喧嘩しながら楽しく過ごす居心地の良さがあって、いや貴方たちどう見ても相性抜群じゃないですか…とツッコミを入れたくなる二人には苦笑いでしたが、テンポの良い応酬とお互いをよく知るからこその以心伝心っぷりと、二人を見ていたら必然の結末はなかなか楽しかったです。
サークルで一番可愛い大学の後輩 1.消極先輩と、積極的な新入生 (ファンタジア文庫)
水棲虫/maruma(まるま) KADOKAWA 2022年04月20日
春の大学構内。『文化祭実行委員』の新入生歓迎会で、目立たない牧村智貴が隣にいた一際目を引く後輩の新入生・君岡美園に懐かれて始まるサークル内恋愛小説。素っ気ない牧村の懐に入ってきて、その後も繋がりを持って慕ってくれる美園相手の戸惑いがちで不器用な関係。その後も新居に招かれたり、美味しい手料理を振る舞われたり、ついには合鍵を渡すことになったりする中で、積極的な美園が消極的な牧村の心をゆっくり溶かしてゆく展開には時折ややもどかしさも感じましたけど、なぜ美園が彼を気にかけていたのかその理由も明らかになって、今後の展開に期待したいところではあります。
ぽんこつかわいい間宮さん ~社内の美人広報がとなりの席に居座る件~ (ファンタジア文庫)
小狐 ミナト/おりょう KADOKAWA 2022年04月20日
陰キャ社会人藤城の隣の席に移動してきた、美人広報の先輩間宮さん。藤城がSNSに詳しいと知った彼女が教えて欲しいとアタックしてくるオフィスラブコメ。実はフォロワー34万人の大人気カメグラマーの中の人でもある藤城が、正体を明かさず間宮さんと一緒に自社アカウントのフォロワーを増やすミッションに挑む展開で、甘えたで破壊力抜群なのにぽんこつな間宮さんと一緒に仕事したり買い物したり、取材を兼ねたデートをする中でその魅力が炸裂していて、それに明るいバイトJKのヒナちゃんや、藤城が気になる幼馴染で同期のミコを絡めた優しい展開はほのぼのしていてなかなか良かったですね。
自炊男子と女子高生 (ファンタジア文庫)
茜 ジュン/あるみっく KADOKAWA 2022年04月20日
両親からの仕送りで一人暮らしをしていて、食費節約のため自炊を勉強中の大学生・夜森夕。ある日お隣で一人暮らしの女子高生・旭日真昼に成り行きで料理をごちそうして懐かれるご飯小説。料理が趣味とか特技とかではないけれど、美味しそうにご飯を食べる真昼に懐かれ、一緒にご飯を食べるようになったり料理を教えるようになる展開で、惣菜やコンビニ飯ばかりで超絶不器用な真昼の様子を見てしまうと、お兄さんとして構いたくなるのも何か分かるような気もしました。そんな恋愛要素はあまり感じられないほのぼのとした関係には思わぬ危機もありましたけど、それはそれでかけがえのないものだと感じさせてくれる、そんな優しい物語でした。
シェーマ (MF文庫J)
中学時代の告白をきっかけに親友と幼馴染とすれ違い、クラスでも居場所を失ってプロを目指していたサッカーも辞めてしまった健司。不登校になった彼が再び希望を見出す青春小説。幼馴染のるいりへの告白をきっかけに、彼に複雑な思いを抱く親友の透矢に陥れられていじめられるようになり、高校入学後も家でゲームばかりして過ごす彼を訪ねた桐谷先生の存在。物語の構図自体はシンプルでしたけど、試行錯誤のリスタートを密かに支え続けた存在や、おすすめされた映画に出演する勇気を与えてくれたハリウッド女優がなかなか効いていて、それぞれが勇気を出して新たな一歩を踏み出し、これからを変えていこうとする結末はなかなか良かったです。
星空☆アゲイン ~君と過ごした奇跡のひと夏~ (電撃文庫)
阿智 太郎/へちま KADOKAWA 2022年04月08日
夜空から星が失われた村で日々を惰性で過ごす高校生・今村星馬。しかしそんなモノクロの日常が、不思議な銀髪の少女・プレアとの出会いにより色付いてゆく青春ノスタルジックファンタジー。星馬の高校に転校してきて、最初の挨拶で突然星夜祭復活を宣言したプレアと、彼女の秘密を偶然知ってしまった星馬。親友の英人や幼馴染の千湯里も巻き込んで、文化祭で星空を取り戻す手伝いをすることになった彼らの奮闘と、一方で同時に繰り広げられてゆくなかなか伝わらなくてもどかしいそれぞれの恋模様はまさにひと夏の青春らしい展開で、忘れられない思い出と約束がしっかりと未来へと繋がってゆくその結末にはぐっと来るものがありました。
彼女の"適切な距離(ソーシャルディスタンス)"が近すぎる (GA文庫)
冬空こうじ/小森くづゆ SBクリエイティブ 2022年04月15日頃
ある日、蔵木夕市のクラスに転校してきた、明るくて恋バナが好きなオタクにも優しいギャル・佐柳凪咲。偶然、彼女の隠していた秘密を知ってしまったことから付き合い始める青春ラブコメ。官僚の姉に協力して新しい恋愛様式を流行らせようとする凪咲に協力する夕市。クラスメイトの前でイチャイチャしたり、一緒に撮った写真をSNSにアップしたりと関係をアピールする二人に、夕市のことを好きな幼馴染・亜紀も絡めながら描かれる彼らの人間模様があって、そしてすれ違いが起きてしまったからこそ、これまで一緒に積み重ねて育んできたかけがえのない関係を自覚してゆく展開はなかなか良かったです。
ある日突然、ギャルの許嫁ができた 1 (オーバーラップ文庫)
休み時間、寝たふりをする陰キャの永沢修二に、以前からたびたび声をかけてくるギャル美少女・華月美蘭。彼女の不可解な言動に戸惑っていた修二が意外な事実を知らされる青春ラブコメ。親から不意に告げられた修二の許嫁の存在。家に訪ねてきたのは何と教室でいつも修二を気にかけてくれる美蘭で、そんな彼女の許嫁が自分なんかでいいのかと戸惑いを感じながら始まる二人の交流。キャンプや一緒にデートに行ったり、旅行で両親不在の同棲生活だったり、予想外の連続でも楽しんでくれる美蘭がほんといい子で、彼女に感化されて少しずつ変わってゆく修二の頑張りもあったりで、そんな思いを積み重ねてゆくそんな二人がとてもお似合いだなと思いました。
冴えない僕が君の部屋でシている事をクラスメイトは誰も知らない(角川スニーカー文庫)
ヤマモト タケシ/アサヒナ ヒカゲ KADOKAWA 2022年04月01日
日陰者の遠山佑希と同級生の高井柚実の秘密のセフレ関係。身体だけの関係と割り切っていたはずの2人が、クラスの人気者上原麻里花が遠山に好意を示すことで揺れ始める青春小説。同じ図書委員として知り合い、お互い割り切った関係として接してきた二人。そこに遠山の意外な一面を知ったクラスの人気者上原麻里花が絡み始めたことで起きた事件と、そこから変わり始めた周囲の人間関係があって、ままならない想いに振り回されてしまう登場人物たちそれぞれの葛藤、そして想いを自覚しゆく彼女たちがこれからどう動くのか、決して鈍いわけでもない遠山もこれからどうするのか、この続きをまた読んでみたいと思いました。
飛び降りる直前の同級生に『×××しよう!』と提案してみた。 (電撃文庫)
赤月 ヤモリ/kr木 KADOKAWA 2022年04月08日
高校生離れした美貌とモデル仕事による不在で嫉妬を招き、イジメを苦に屋上から飛び降りる寸前だった古賀胡桃。初恋相手に死ぬ気で愛を叫んで思い止まらせる青春ラブコメ。絶望していた彼女に真正面から熱い愛を語って胡桃に変態とドン引きさせた笠宮。彼女が孤立していたクラスの状況をものともしないでぐいぐいと行くそのアプローチは、胡桃を巡る環境を少しずつ変えていって、それ以上にチョロイン気味だった彼女の思わぬ行動にはビックリしてしまいましたけど、何だかんだでお似合いな二人がここからどこまで突き抜けてしまうのか、続巻の展開が気になる新シリーズですね（苦笑）
双黒銃士と銀狼姫 (講談社ラノベ文庫)
倖月 一嘉/竹花 ノート 講談社 2022年05月02日頃
古の大戦で世界は荒み、人狼に人類が脅かされる時代を二人で生きてきた人狼ハンター《双黒銃士》の双子兄妹コウガとライカ。そんな二人の隠れ家が大量の人狼に急襲されるガンアクションファンタジー。コウガに裏切りを疑われて銃口を向けられたライカを救い、護衛を依頼する人狼王家の銀狼姫と名乗る少女サーリャ。人狼王家の中にある人類共存派と反対派の抗争、人類と人狼の複雑な関係の中で明らかになってゆく双子兄妹の正体。けれど自分の立場を知っても何よりも絆を求めてしまうライカの強い想い、罠と知っていても大切な存在を救うため恐れずに立ち向かう勇気があって、激闘の末に見事引き寄せてみせたその結末はなかなか良かったですね。
僕らは英雄になれるのだろうか (電撃文庫)
鏡銀鉢/motto KADOKAWA 2022年04月08日
人類を護る盾であるシーカー。ずっと夢だった養成学校への入学試験に落ちてしまった草薙大和が、かつて命を救ってくれたシーカーの息子・浮雲真白に誘われる学園ファンタジー。大和に可能性を見出した真白のクラスは変人ばかりで、けれど彼らは落ちこぼれと蔑まれてもポテンシャルの高さと、努力し続けるそれぞれの理由があって、仲間たちと切磋琢磨して成長してゆく中、一人だけなかなか変われない幼馴染の天才少女・蕾愛の頑なさには苦笑いでしたけど、突然の強敵出現に窮地に陥ってもそれぞれが自分の役目を意識して持てる力で懸命に戦い、震える心を叱咤して最後まで諦めない熱い展開はなかなか良かったです。
シリーズ続巻を含めた感想まとめはこちら↓
