読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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2019年10月に読んだ本 #読書メーターより

10月は結果的に見ればコミック以外も72冊となかなかの冊数読めました。ラノベ新刊以外は読むのが遅れ気味なのは相変わらずですが、ライトノベルはめぼしい新作が少なくて前月に刊行された新作をいくつか読んでました。全体的にはシリーズものをメインに読んでいた印象ですね。

 

トピックとしては延期が続いていた「異世界魔法は遅れてる!」「そして黄昏の終末世界」がイラスト担当が代わって久しぶりに刊行。また読んでいるシリーズでは「契約結婚はじめました。」「鍵屋の隣の和菓子屋さん」「ゲーマーズ!」「神話伝説の英雄の異世界」「華仙公主夜話」「戦うパン屋と機械じかけの看板娘」など、読むのを楽しみにしていたシリーズがいくつも終わってちょっぴり切ない気持ちになりました。ともあれ完結お疲れさまでした。

 

10月の読書メーター
読んだ本の数:95
読んだページ数:26056
ナイス数:6711

錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣 (電撃文庫)感想
花を操る人造人間・紅菱の一族が収監される九州が誇る巨大監獄『六道囚獄』。濃密な死の香りに包まれる王の子シシをビスコたちが救う第四弾。人間に逆らえない宿命を背負い監獄の中で虐げられる紅菱たち。ヒトの意志を得た紅菱の王子・シシとビスコたちとの出会い、紅菱たちを捕らえているサタハバキとの熱い激闘。どつきあい罵り合いながらも何だかんだで伴侶とか言っちゃうビスコにはニヤニヤしましたけど、今回はシシの父・ホウセンの思惑に上手く乗せられた感もありましたかね。あの結末から次にどう繋げてゆくのか、続巻に期待ということで。
読了日:10月01日 著者:瘤久保 慎司
ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)ヴァンパイア探偵 --禁断の運命の血-- (小学館文庫キャラブン!)感想
昔から殺人事件が多いことで有名な紅森市。紅森署に勤める刑事の桃田遊馬と、血液研究のスペシャリスト・天羽静也のコンビが「血」を手がかりに難事件に挑むブラディ・ミステリ。被害者の服についていた血液の正体、逃亡者が抱える秘密、手首だけ見つかった被害者の妄執、そして殺された女性の首に残された痕の謎。今の時代、血を分析することによってそこまで分かるのかという密かな驚きもありましたが、運命の血と天羽家を巡る因縁に苦悩する静也と、それでも変わらない遊馬の友情がとても印象的な物語でした。続編あるならまた読んでみたいです。
読了日:10月01日 著者:喜多 喜久
妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)感想
死の砂漠から金椛帝都への帰路で、慈仙たちの裏切りにあい、新興の戴雲国に囚われてしまった遊圭。一方、辺境の地で役人を務める宦官の玄月にも不穏な気配が漂い始める第八弾。遊圭もつくづく数奇な運命のもとに生まれたと言うか、ほんといろいろなことに巻き込まれ気味で思ってもみなかった事態の連続ですね…。一方で玄月もまた何とも複雑な状況に追い込まれましたけど、そこで力を合わせてどうにか難局を切り抜け…たわけでもなさそうで、まだまだ不穏な状況は続きますけど大丈夫かなあ...。遊圭と明々が早く再会できる展開を期待しています。
読了日:10月02日 著者:篠原 悠希
ネット文化資源の読み方・作り方: 図書館・自治体・研究者必携ガイドネット文化資源の読み方・作り方: 図書館・自治体・研究者必携ガイド感想
インターネット環境において、文化資源のコレクションをバーチャル空間に作り上げる営みについて、多くの事例から縦横無尽に論じた一冊。TRC-ADEACや様々な国内の各種デジタルアーカイブ、そしてウィキペディアや海外の事例、国立国会図書館オンラインなどの特徴やその課題などを取り上げつつ、文字コードや郷土資料、研究やオープンサイエンスといった様々な観点から論じていく本書は、日本のインターネット環境において文化資源のコレクションをバーチャル空間に作り上げる営みの現況をざっくりと把握するのに適した一冊だと思いました。
読了日:10月02日 著者:岡田 一祐
星砕きの娘星砕きの娘感想
魔の化生、鬼の跋扈する地、敷島国。幼い頃に鬼に浚われ て囚われの身となっていた豪族の跡取り・弦太が、蓮の蕾から変化した赤ん坊・蓮華と運命の出会いを果たす和風ファンタジー。囚われて七年後、美しさと強さを兼ね備えた娘に成長した蓮華と弦太が迎える転機。弦太が後継者ゆえのままならなさを痛感する一方で、彼を慕う蓮華との間には変わらない強い絆があって、周囲の複雑な想いを絡めて二転三転してゆく激動の展開に翻弄されながらも、数奇な運命に向き合って決然と立ち向かった二人がたどり着いた粋な結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:10月02日 著者:松葉屋 なつみ
遺跡発掘師は笑わない 勤王の秘印 (角川文庫)遺跡発掘師は笑わない 勤王の秘印 (角川文庫)感想
亀石発掘派遣事務所の所長・亀石の元に知人から「庭から銅印が出た」と相談の連絡が入り、無量と萌絵が極秘で高知へ向かう第十弾。このシリーズは各地のネタを絡めた諸国漫遊記的なノリが楽しみで、今回は萌絵の地元でもあった高知の幕末・土佐勤王党、平家の落人伝説や安徳天皇を巡る御璽を絡めた展開。急接近する元同級生のイケメン・桜間登場にちょっとドキッとする萌絵にモヤモヤする無量には苦笑いでしたけど、過去の取り憑かれた人々の妄執とロマンを絡めた展開はなかなか良かったです。忍の去就も気になるけど、彼も今後絡んできそうですね。
読了日:10月03日 著者:桑原 水菜
すべては装丁内 (LINE文庫)すべては装丁内 (LINE文庫)感想
著者から念願の詩集刊行ゴーサインをもらった新人編集者・甲府可能子。刊行条件でイラストの制約を受け、装丁デザイナー選びに苦戦する可能子が、編集長の紹介で腕利きだけれど偏屈な烏口曲に仕事を依頼するお仕事小説。情熱が空回りしがちな可能子と、理路整然と上から目線で仕事を選ぶ曲。一見、掴みどころのない曲にも、妥協をせずに最高のものを作り上げようとする熱い想いやこだわりがあって、彼に感化され多くの人に支えられながら、最高の一冊を作るために邁進する姿にはぐっと来るものがありました。続きが出るならまた読んでみたいですね。
読了日:10月03日 著者:木緒なち
不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語 (宝島社文庫)不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語 (宝島社文庫)感想
本を読むのが好きな「先輩」と一緒にいる「私」。私と先輩の二人が織り成す奇妙で不思議で切ない掌編集。本作は右ページに章題、左ページに1ページ完結の私と先輩の話が全120話ひたすら続くシンプルな構成。様々なシチェーションで私と先輩の関係が綴られて、時には不純に、時には愛しく、時には複雑な気持ちで先輩を想う私がいて、一見淡々としているように見える不器用な先輩の私への優しさがあって、そんな二人のエピソードの積み重ねがクセになってゆく、どんな状況でもお互いを大切に思う気持ちは変わらない姿がとても印象的な物語でした。
読了日:10月04日 著者:斜線堂 有紀
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20 (電撃文庫)ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20 (電撃文庫)感想
みんなは期末試験、そしてマスターはいよいよ受験を控え、残念美少女・アコの誕生日やバレンタインデーをはじめイベントが盛りだくさんな二月。LAで復刻イベントラッシュが行われる第二十弾。アコのリアルでのプロポーズ攻勢を頑なに拒否するルシアンと、そんな状況に周囲を巻き込んで仲魔を増やして包囲網を作り上げてゆくアコ。復刻イベントラッシュをわいわいやりながらの二人のやりとりを苦笑いしながら読んでましたけど、流れから薄々予感していた結末は彼らの今後や関係にどんな影響をもたらすのか、物語としても終わりが近いんですかね…。
読了日:10月04日 著者:聴猫 芝居
(P[な]5-1)彼女の気持ちはわかっても、それが恋とはかぎらない (ポプラ文庫ピュアフル)(P[な]5-1)彼女の気持ちはわかっても、それが恋とはかぎらない (ポプラ文庫ピュアフル)感想
相手の気持ちに人並み以上に共感してしまう「エンパス」の能力に悩む根暗高校生・シンヤ。自分の本心を見抜いた彼を好きになってしまった元気少女・まひるの恋模様を描いた青春小説。過去の苦い思い出から心を閉ざしていたシンヤが、まっすぐにぶつかってくるまひると出会い、感化されて変わってゆく展開で、彼の周囲にもだんだん人が増えて、きっかけをくれたまひるやその友人たちにもそれぞれ抱える複雑な想いや事情があって、葛藤する友人を支えながら自らの想いにしっかりと向き合ってゆく不器用な彼らの姿には応援したくなるものがありました。
読了日:10月05日 著者:中山 おかめ
十三歳の誕生日、皇后になりました。2 (ビーズログ文庫)十三歳の誕生日、皇后になりました。2 (ビーズログ文庫)感想
暁月との仲はかくれんぼをして遊ぶおままごと夫婦のままな十三歳の莉杏。それでも『皇后』らしく後宮で起きたもう一つの冠の謎や、新たな妃候補との対決に挑む第二弾。年上の暁月が大好きで甘えるだけでなく、ちゃんと成長しようと頑張る莉杏が微笑ましい感じですけど、暁月もそんな彼女が愛しくて期待したい気持ちと守ってあげたい気持ちで葛藤してますね。後半は茉莉花の方とも連動する展開でしたけど、莉杏の奮闘はともかくとして、赤奏国というか暁月側の人材難が深刻過ぎますね、これ…単純に向こうについたからいないのか、払底しているのか。
読了日:10月06日 著者:石田 リンネ
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?7 禍の使徒 (MF文庫J)なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?7 禍の使徒 (MF文庫J)感想
五種族大戦は大始祖の陰謀により四種族が封印され、人類の勝利という形で終戦。しかし、石化で墓所への封印を免れた四英雄の一人アルフレイヤをバルムンクが発見したとの報がもたらされ、事態が急転する第七弾。一見人類に都合のいい結末に危機感を覚えるカイと、反応が薄い周囲とのギャップという状況でしたけど、そうそううまくいく訳もなくて、アルフレイヤたちと協力しながら謎の極楽鳥の存在を追い、大始祖の謎に迫ることで改めてアスラソラカやシドの存在がクローズアップされてきましたね。ここからどういった展開になるのか続巻に期待です。
読了日:10月07日 著者:細音 啓
君の想い出をください、と天使は言った (角川文庫)君の想い出をください、と天使は言った (角川文庫)感想
急性脳腫瘍で入院し、医師の態度から最悪の結果を察してしまい絶望する河野夕夏。その夜悪魔を名乗る不思議な青年と出会い、大切なものと引き換えに命を助ける取引を交わす恋愛ミステリ。二年間の記憶を失って様々な違いに戸惑いながらも再び職場の銀行で働き始める夕夏と、そんな彼女の前にアフターフォローとして再び現れた青年・水上。記憶が戻らなくても確実に前に進めている実感があって、そんな彼女を気にかけてくれる人たちがいて、そんな中で本当に大切なものを再び見出して、これまでの全てが繋がってゆく結末がとても素敵な物語でした。
読了日:10月07日 著者:辻堂 ゆめ
マエストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。 (小学館文庫キャラブン!)マエストロ・ガールズ このコルネット、憑いてます。 (小学館文庫キャラブン!)感想
イマドキ女子高生の美香が帰宅途中のゴミ捨て場で見つけた金管楽器コルネット。そのコルネットに憑いていた同い年の幽霊・紫乃と出会う青春小説。紫乃に体を預けてコルネットが吹けるようになった美香。紫乃の夢でもあり、先生目当てで入った吹奏楽部は思った以上に厳しくて、その態度にいら立つ吹奏楽男子・川崎もいて、何度もうんざりしてめげそうになりながらも部員たちそれぞれの想いを感じて、そしてみんなの頑張る姿にも感化されて紫乃の想いも知って、少しずつ下手な自分に向き合って変わってゆく美香のこれからを応援したくなる物語でした。
読了日:10月07日 著者:天沢 夏月
medium 霊媒探偵城塚翡翠medium 霊媒探偵城塚翡翠感想
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎が出会った、霊媒として死者の言葉を伝える城塚翡翠。そんな彼女の霊視と論理の力を組み合わせて殺人事件に立ち向かうミステリ。殺された香月の後輩、招待された別荘で殺された先輩作家、女子高生連続の犯人を警察に協力する二人が翡翠の霊視と香月の論理で何とか解決してゆく展開で、けれど最後の連続殺人犯との対峙は、これまで積み重ねて来たものの何が虚で実だったのか分からなくなる急展開に繋がって、その何とも鮮烈で皮肉に満ちていた決着をいろいろと想起させるエピローグが際立たせていました。
読了日:10月08日 著者:相沢 沙呼
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VIII」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VIII」感想
貴族院二年生を終え再び領地での生活に戻ったローゼマイン。しかしフェルディナンドに下った思わぬ王命に決断を迫られる第四部第八弾。新しい弟との出会いや、下級生の側近探し、お魚解体に曽祖父の昔話など、彼女らしい平穏な日々が続くのかと思いましたけど、王命による急転直下の状況からフェルディナンドの秘密が明らかになって、彼とローゼンマインの関係も転機を迎えて、今の彼女だったら彼を救うために奔走しちゃいそうな感じですよね(苦笑)それにしても思っていた以上に酷そうなところに行くことになったフェルディナンドがちょっと心配。
読了日:10月08日 著者:香月美夜
京都伏見は水神さまのいたはるところ 雨月の猫と夜明けの花蓮 (集英社オレンジ文庫)京都伏見は水神さまのいたはるところ 雨月の猫と夜明けの花蓮 (集英社オレンジ文庫)感想
過保護な幼馴染みの拓己と水神さまのシロに世話を焼かれながらの京都・伏見暮らしも早や半年。高校二年生になったひろが進路希望届を前に思い悩む第三弾。いつもと違う様子の陸上部に所属するひろの親友・陶子のこと、猫がもたらした距離感に悩む父娘の和解、同級生の家にあった鉢と蓮の関係。相変わらず周囲に遠慮しがちなひろも、少しずつ大切な友達のために一歩踏み込んでみたり、自分の進路のことを父と話してみたり、その世界が広がってゆくような変化を考えると、保護者を自認する拓巳との関係もいつまでもそのままではいられないですよね。
読了日:10月09日 著者:相川 真
うちの社長はひとでなし! ~此花めぐりのあやかし営業~ (集英社オレンジ文庫)うちの社長はひとでなし! ~此花めぐりのあやかし営業~ (集英社オレンジ文庫)感想
幼いころから、普通の人には見えないモノが見えていめぐり。いたずら好きの「あやかし」たちによって就職活動の面接はことごとく失敗、結果的に鴉天狗が経営するイベント企画会社に就職するあやかしお仕事小説。あやかしに働く場を設けながら、さびれた商店街の再生化計画に取り組むことになっためぐり。要所でフォローする社長は言うほど人でなしでもなかったですが、試行錯誤しながらプロデュースに取り組む彼女の姿は普通のお仕事小説の側面もあって、時には妖怪に脅かされながらも目に見えてしまうものと向き合っていく姿が印象的な物語でした。
読了日:10月09日 著者:ゆうき りん
虹を蹴る (集英社オレンジ文庫)虹を蹴る (集英社オレンジ文庫)感想
三十歳を前に同棲していた彼に捨てられた山田瑞希。倒れた母親に代わって央学高校ラグビー部員たちが暮らす代理寮母を任され、そこで天才肌のスタンドオフ・逸哉や人知れず努力を重ねるウィング・龍之介たちと出会う青春小説。ラグビー監督だった父に反発し、ラグビーのことをほとんど知らなかった瑞希。寮母として彼らと付き合ううちに、一見分かりづらいそのひたむきなラグビーに対する思いを知り、だんだん感化されて支えるようになってゆく展開はベタではありましたけど、随所にわかりやすいラグビーの解説もあったりでなかなか良かったですね。
読了日:10月10日 著者:せひら あやみ
七つの魔剣が支配するIV (電撃文庫)七つの魔剣が支配するIV (電撃文庫)感想
新入生の季節を迎えたキンバリー魔法学校。オリバーたちも二年生に進級し、苛烈さを増す授業や日常の中で、魔法使いとしての現実に直面していく第四弾。つかの間の休息を魔法都市ガラテアで過ごす6人の様々な経験や名物料理、そして対立関係にあるフェザーストンの生徒たちとの激突、そしてシェラ父との邂逅。1年で彼らの立ち位置や評価も確実に変わっていて、絆を育む彼らの関係にも変化の兆しがあって、それぞれが抱える想いと複雑に絡み合う宿命が何をもたらすのか、飲み込まれないように最後まで踏みとどまって乗り越えて欲しいですね…。
読了日:10月10日 著者:宇野 朴人
俺を好きなのはお前だけかよ(12) (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ(12) (電撃文庫)感想
激動の体育祭そして『繚乱祭』を終えたジョーロ達が修学旅行で北海道の札幌市を訪れ、そこで小学校時代の幼馴染・ライラックと再会する第十二弾。修学旅行に強引についてきたアホな先輩と後輩はあれでしたけど、幼馴染・ひまわりに元気がない一方で、積極的にぐいぐい来てパンジーたちも押されっぱなしだったライラックには存在感があって、そんな調子の狂う展開を見事ひっくり返してみせた今回のキーマンは意外でした。過去の精算と彼女たちの想い、そして想いを寄せるヒロインたちに向き合うジョーロの決意がどんな結末をもたらすのか続巻に期待。
読了日:10月10日 著者:駱駝
幼なじみが絶対に負けないラブコメ2 (電撃文庫)幼なじみが絶対に負けないラブコメ2 (電撃文庫)感想
幼馴染・黒羽への告白で見事玉砕した末晴。一方白草も末晴への想いを募らせてゆく状況で、子役時代の後輩にして理想の妹・桃坂真理愛が再襲来、末晴に芸能界復帰の話が持ち上がる第二弾。黒羽には下に個性豊かな姉妹が三人もいるのには驚きましたが、黒羽への玉砕がトラウマになった末晴とチャンスを伺う白草、その関係に転機をもたらす真理愛という構図の中で、哲彦も絡めた逆転劇や、要所要所で残念な言動が多い末晴と、ヒロインたちの三者三様の関わり方がなかなか興味深いです。そんな中でもやはり彼女の存在は頭一つ抜けてるんですかね...。
読了日:10月10日 著者:二丸 修一
魔王学院の不適合者5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)魔王学院の不適合者5 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)感想
暴虐の魔王の再臨によって平和が訪れたディルヘイド。一方アゼシオンでは各地で竜が目撃されるようになり、神を従えた謎の男によって、《代行者》を選定する選定審判に巻き込まれてゆく第六弾。逆成長したアノシュには苦笑いでしたが、内部不穏分子の掃討と権威が失墜した勇者学院と魔王学院であたる竜の対処には裏で糸を引いていた神の代理とする代行者や竜人との存在があって、勇者学院に派遣され力を合わせて竜と戦うエミリアの変化と生徒たちとの絆、レオとミサ、アノスの戦いはとても熱くて痛快でした。新ヒロインも増えた今後の展開に期待。
読了日:10月10日 著者:
空の青さを知る人よ Alternative Melodies (電撃文庫)空の青さを知る人よ Alternative Melodies (電撃文庫)感想
なぜか上京したはずのあの日から13年後の未来で目を覚ました音楽で天下を取る夢を抱く少年「しんの」。そんな彼と大人になった慎之介視点で描かれる「空の青さを知る人よ」のもうひとつの物語。ストーリーの展開自体は額賀澪さんのノベライズ「小説 空の青さを知る人よ」(角川文庫)とほぼ一緒でしたけど、視点があおいから慎之介たちに変わったことで、あおい不在時のしんのの心理描写や慎之介の抱える葛藤、そして過去に向き合って再び前に進み、自らの想いを再確認してゆく姿が描かれて、同じ物語でもまた違った趣を楽しむことができました。
読了日:10月11日 著者:岬 鷺宮
天才王子の赤字国家再生術5~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)天才王子の赤字国家再生術5~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)感想
ミールタースでの騒動を機に空前の好景気を迎えたナトラ王国。成長著しいマーデン領の存在が気になるウェインがソルジェスト王国と手を結び、国全体を底上げすることを画策する第五弾。提案がない理由が「顔」発言には笑いましたが、国内のパワーバランスを崩しかねないマーデン領を発端とするデルーニオ、ソルジェスト王国との争い。グリュエール王は豪快で恐ろしい人でしたけど、そんな絶体絶命の窮地で繰り出すウェインの策がまた狂ってる件(苦笑)それでもヒロインたちを惹きつけてやまないウェインの周囲がますます騒がしくなりそうですね。
読了日:10月11日 著者:鳥羽 徹
メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女 (富士見L文庫)メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女 (富士見L文庫)感想
幼馴染に片想いしていた前世を時々夢に見る辺境貴族の令嬢マキア。運命的な出会いを果たした少年トールと魔法を学ぶ楽しい日々を過ごしていた彼女が、引き離されたトールと再会するために奮闘する転生ファンタジー。トールが救世主の守護者に選ばれ引き離されてしまう二人。トールと再会するため王都で最高峰の魔法学校を目指すマキア。学校では個性的な仲間もできて、選ばれていた救世主がまた前世でいろいろと因縁のあった存在で、抗いがたい運命に翻弄されるマキアとトールが大切な絆を守っていけるのか、続巻がとても楽しみな新シリーズですね。
読了日:10月12日 著者:友麻碧
ハル遠カラジ (3) (ガガガ文庫)ハル遠カラジ (3) (ガガガ文庫)感想
旧友モディンとの再会、離別を経て、再び医工師を求める旅へと戻ったテスタたち。ハルはひとり物思いに耽ることが多くなる中、道中でローゼという女性型アンドロイドを救う第三弾。ハルが思い悩む原因を気に掛けるテスタ、また周囲もいろいろ試行錯誤する姿は微笑ましいというか苦笑いでしたけど、ようやくウシャルさんに出会えたものの、男性型アンドロイド・アンドロイドとの邂逅によって事態は急展開を迎えましたね…人間らしさを覚えるようになったからこそハルの苦悩は深くて、諦めないテスタたちが大切なものを取り戻せることを祈っています。
読了日:10月13日 著者:遍 柳一
シャドウ・サーガI -選定の剣と呪いの黒剣- (電撃文庫)シャドウ・サーガI -選定の剣と呪いの黒剣- (電撃文庫)感想
アーサー王物語が大好きな日本の高校生・来人が大魔導士マーリンの弟子・リィナによって異世界グレートブリテンに召喚され、アーサーが死ぬ予言を覆すために奮闘するファンタジー。この世界では女の子のアーサーを召喚したリィナとともに支えてゆく展開で、状況に戸惑いつつも戦えるし、開き直った演技で流れを引き寄せてみせた来人の存在感はありましたけど、一方で女子は王位継承権がないなかで代わりに来人を影武者とした構図が今後どのように影響してくるか、優しくも相対的にやや影の薄かったアーサーの活躍に期待したいところではあります。
読了日:10月13日 著者:西村 西
機械式時計王子の再来 からくり屋敷の謎 (ハルキ文庫)機械式時計王子の再来 からくり屋敷の謎 (ハルキ文庫)感想
仕事のあとで専門学校に通うほど時計に興味を持つまでになった千駄木・トトキ時計店の店番・十刻藤子。そこに有名な時計師一族の御曹司・ジャンと通訳兼世話係のアキオが半年ぶりに戻ってくる第二弾。捨てられた時計や育てていた生命の木に込められたメッセージ、プレイヤーズコンパスがもたらした心境の変化、ダイバーズウオッチと潮干狩り、藤子の祖父が建設を手伝ったからくり時計の修理。時計の蘊蓄や明らかになる過去が興味深くて三人の関係もいい感じだけど、やっぱり「千駄木の休日」なんですかね…いい落としどころ見つかるといいんですが。
読了日:10月14日 著者:柊 サナカ
親が知らない子どものスマホ親が知らない子どものスマホ感想
勉強からいじめまでイマドキの10代の親世代とは全く異なる実情、若者のSNS、ネット実情と、親として知っておくべき知識、注意点を解説した一冊。インスタにTwitterTikTokなど、スマホ世代に人気のSNS紹介や意識の違い、SNSを通じたコミュニケーション、「自画撮り被害」「エアドロ痴漢」といった負の側面、中高生のおサイフ事情、用語解説や相談窓口&情報収集サイトなどを紹介していて、スマホネイティブな感覚も意外と現実的な使い方なのかもしれないですね。きちんと理解しようとする姿勢が大切なのかもと思いました。
読了日:10月14日 著者:鈴木 朋子
本を読めなくなった人のための読書論本を読めなくなった人のための読書論感想
なぜ本が読めなくなるのか。そんな人たちに贈るNHK「100分de名著」常連の本読みの達人が案内する読書の方法。読めない時期にも意味があって、正しい読書ではなく自分が読み取れる「わたしの読書」を大切にする、経験となる読書を大切にする、ひとりの時間の快適さを実感する、量より質を追求する、全部読まなくて良い、といったとりあえず読めないことを焦らないことを前提に、自分なりの読書の方法を模索する大切さが説かれていました。今はまだ読めなくなってはいないですけど、もしそうなった時また読んでみたいと思うような一冊でした。
読了日:10月14日 著者:若松 英輔
屍人荘の殺人 (創元推理文庫)屍人荘の殺人 (創元推理文庫)感想
神紅大学ミステリ愛好会会長の探偵・明智恭介と助手・葉村譲が、もう一人の探偵・剣崎比留子と共に紫湛荘を訪れ、予想もしなかった事態で荘内に籠城を余儀される中、次々と連続殺人事件が起きるミステリ。過去に因縁あるペンションでの夏合宿で、思わぬ形で閉じ込められた参加者たち。外部からの脅威による惨劇と、次々と起きる因縁じみた殺人事件の組み合わせが奇抜で事態をより難しいものにしていましたけど、その特殊な状況下で起きた事件の真相は切なくて、そんな事件を見事解決に導いてみせた探偵たちのその後をまた読んでみたいと思いました。
読了日:10月15日 著者:今村 昌弘
きみが逝くのをここで待ってる ~札駅西口、カラオケあまや~ (集英社オレンジ文庫)きみが逝くのをここで待ってる ~札駅西口、カラオケあまや~ (集英社オレンジ文庫)感想
大学進学のため、札幌で一人暮らしを始めた和仁。新歓コンパで行ったカラオケ店のトイレに転がっている生首を発見した彼に、店長の花宮が働かないかと勧誘する物語。この世に留まる霊を集めてあの世に送り出す“実験場”のようなカラオケ店「あまや」。そんな訳ありの店で働き始めた和仁に憑いている土色の男の霊。見えている人たちにもそれぞれの苦悩もあって、長らく苦しみ続けていた和仁のずっと誰にも言えなかった過去も明らかになって、ようやく乗り越えた先にあった苦悩からの解放と、これから少しずつ変わり始める予感に救われる思いでした。
読了日:10月15日 著者:乃村 波緒
小麦100コロス マンション管理士による福音書 不正な管理会社のたとえ (集英社オレンジ文庫)小麦100コロス マンション管理士による福音書 不正な管理会社のたとえ (集英社オレンジ文庫)感想
ブラック上司と対立し、大手管理会社を辞めてマンション管理士として独立した創士郎。不安いっぱいの開業早々、インターン志望の女子高生・紫が押しかけてくる物語。正直なところ読めば読むほどマンション管理士で独立する不安を痛感する展開でしたけど、彼なりの意地もあったんでしょうね。いろいろ手伝った末にようやく近所の大規模マンション管理組合の顧問に食い込むきっかけを得て、因縁の元上司と対峙する展開で紫の意外な正体や押しかけてきた理由も明らかになって、それらに懸命に向き合う創士郎たちの奮闘とその結末は悪くなかったですね。
読了日:10月16日 著者:ゆきた 志旗
ビストロ三軒亭の奇跡の宴 (角川文庫)ビストロ三軒亭の奇跡の宴 (角川文庫)感想
お客様でにぎわう中、室田が突如倒れ三軒亭が大ピンチに。名探偵ポアロ好きの凄腕シェフ・伊勢の切ない過去や、ギャルソン・隆一のさらなる成長も描かれる第三弾。フルーツ尽くしのコースを注文する謎の女性二人組、アイドルのオーディションを受けた少年の真意と謎の暗号文、店を訪れた父親に給仕のダメ出しをされる正輝、そして室田の手術。相変わらず美味しそうな料理が紹介される中で、店員たちの悔恨や想い、これからの目標も明らかになって、それぞれが過去のわだかまりを解消し、いい方向に変わる兆しが見えた結末はなかなか良かったですね。
読了日:10月16日 著者:斎藤 千輪
Re:ゼロから始める異世界生活21 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活21 (MF文庫J)感想
魔女教との戦いが終わり、しかし、深い傷跡の残された水門都市。日常を、『名前』を奪われた人々を救うため、スバルたちは『賢者』の塔を目指して、最果ての地へと旅立つ第二十一弾。思い出を失った鬼の姉妹、魔女名をを名乗る人工精霊。名前を失った『最優の騎士』たちと共に向かうプレアデス監視塔に待ち受ける困難。塔にたどり着くまでの絶望的な何度もの死に戻りが久しぶりというか何ともしんどい展開でしたけど、その中でスバルに訪れた変化の兆しとか、最後の展開がいろいろ気になりました。レムたちきちんと元に戻れるといいんですけどね…。
読了日:10月16日 著者:長月 達平
Re:ゼロから始める異世界生活 短編集5 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活 短編集5 (MF文庫J)感想
フェリスに治癒魔法を教えた導師ガリッチとの師弟関係と『青』の称号を受け継ぐまで、幼き日のアナスタシアが可愛い猫三姉弟を手に入れるために奮闘したさなかに起きた運命の出会い、オットーの強制里帰りにスバルとガーフィールが護衛と賑やかしで同行する短編集第五弾。いろいろタイムリーなタイミングでの各話のエピソードだったような気がしましたけど、個人的にはやはり運命的な出会いがあってオットーを意識してきたマローネと、そんな彼女を気にかける弟レギンという構図の中で、何とも彼らしい選択をしたオットーがとても印象に残りました。
読了日:10月17日 著者:長月 達平
AIに負けない子どもを育てるAIに負けない子どもを育てる感想
『AIvs.教科書が読めない子どもたち』の続編で、「AIに負けない子どもを育てる」というタイトルになっていましたが、中身としては読解力があまりないはずのAI以上に今の子供たち、だけでなく大人たちにも読解力が足りていないのではないかという危機感が語られていて、RTSテストから分かる読解力で明らかになる不足部分も気になるところですが、単語だけを拾って読めた気になっていないか、ちゃんと文脈を読んで意図を理解できているのか、自分自身もそうですけど、子どもの読解力についていろいろ考えさせられる部分がありました。
読了日:10月17日 著者:新井 紀子
契約結婚はじめました。 5 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)契約結婚はじめました。 5 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)感想
香澄が柊一への気持ちを自覚し、柊一もずいぶん前から香澄のことを憎からず思っている状況。そんな二人の関係に柊一がひとつの提案をする第五弾。松江の紅白椿、七変化椿、もうひとつの椿屋敷と三者三様の夫婦のあり方に触れる中で、ようやく二人の関係を見つめ直すことを決めた香澄と柊一。柊一の慎重さとは対照的に、すっかり覚悟の定まった感のある香澄のぶれない想いがとても印象的で、周囲からすればようやく収まるところに収まった感ですかね。すみれ荘の面々もそれぞれの行く末が垣間見えたとても素敵な結末でした。次回作も期待しています。
読了日:10月17日 著者:白川 紺子
鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のひとびと (集英社オレンジ文庫)鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のひとびと (集英社オレンジ文庫)感想
店の看板娘かつ片想い相手である祐雨子の友人・亜麻里からの熱心なアプローチを無下にできず困惑する多喜次。一方、同僚の柴倉と祐雨子が急接近し心穏やかではいられない第四弾。ぐいぐい来る亜麻里の攻勢に、コンプレックスで複雑な想いを抱く柴倉と祐雨子の急接近と、いつの間にか一緒にいるのが当たり前のように思えた二人でも、ちょっとボタンを掛け違うとここまでこじれてしまうのかと、読んでいる方がどうにも落ち着かなくなる展開でしたが、終わってみれば祐雨子の劇的な心境の変化がとても印象的だった結末でした。次回作も期待しています。
読了日:10月17日 著者:梨沙,ねぎしきょうこ
弱キャラ友崎くん Lv.8 (ガガガ文庫)弱キャラ友崎くん Lv.8 (ガガガ文庫)感想
文化祭が終わり、冬休みが明けて。人生攻略に大きな区切りをつけた友崎の前に立ちふさがった進路調査票という新たな難題に直面する第八弾。ようやく付き合うようになった菊池さんとの関係は何とも微笑ましい思いで眺めていましたけど、進路調査を通じて周囲の仲間たちが思い描くそれぞれの未来が垣間見えて、葵と一緒に参加したアタファミのオフ会では新しい出会いもあって。その中で友崎の決意は変わりつつあった人間関係にも大きな波紋を投げかけそうですけど、ここからいかに現実感に説得力を持たせてゆくのか、今後の展開を楽しみにしています。
読了日:10月17日 著者:屋久 ユウキ
千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫)感想
「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」七瀬悠月のようなとびっきりの美少女から持ちかけられた、千歳と彼女の偽りの恋の物語を描く第二弾。周囲から驚きを持って迎えられた二人の交際と、その裏で悠月を脅かすストーカーの正体を探る展開。最初は似た者同士に見えたそれぞれの過去が明らかになっていって、難しい状況でも見て見ぬ振りをできずに他人のために奔走する千歳の熱い想いはどこまでも真摯で、ヒロインたちがそれぞれ垣間見せた想いが今後の展開にどう繋がってゆくのか、続巻がさらに楽しみになってきました。
読了日:10月18日 著者:裕夢
Outlook最速時短術Outlook最速時短術感想
日経PC21」のOutlook効率化ノウハウを一挙公開した一冊。初期設定変更やボタン1つで複数処理をする「クイック操作」の使い方、定型メールを自動作成、マウスでできる超速ワザ、予定やタスクをメールベースで管理する方法、スマホのアウトルックでメールを見る方法、Onedriveとの連携など、実際に自分が使う使わないはあれとしていろいろ載っていて興味深かったですね。仕事で「こういうことができないか」はよく聞かれるので「選択肢を知っている」ことは重要です。個人的にはOnedriveの相性の良さが気になりました。
読了日:10月18日 著者:鈴木 眞里子
生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)生きるための図書館: 一人ひとりのために (岩波新書)感想
公立図書館設立に向けた文庫活動や学校図書館の試みなど、六〇年以上にわたって図書館に携わってきた著者が図書館の未来について語った一冊。公共図書館学校図書館大学図書館の歴史からその位置づけの変遷について簡単にまとめられていて、そういった歴史や20年で400館ほども公共図書館が増えた一方で予算が8割ほどに減少しつつあることをふまえて、これからの図書館や図書館員がどうあるべきか、目指すべきところはどこにあるのか、図書館は今なかなか難しい状況に置かれていますが、とても大切なことが書かれていたように思いました。
読了日:10月19日 著者:竹内 〓
ロクでなし魔術講師と追想日誌5 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と追想日誌5 (ファンタジア文庫)感想
惚れ薬によってルミアが全校生徒から追い回されたり、苺タルトに裏切られたリィエル、魔術の失敗でグレンの飼い猫になったシスティーナ、特務分室室長時代のイヴの華麗なる日々、グレンとジャティスが同僚だった頃の因縁のエピソードを描く短編集第五弾。相変わらずヒロインたちの魅力を存分に活かした短編集で、グレンや早合点して暴走するセリカたちとの絡みが楽しかったですね。そしてグレンとジャティスの相容れぬ正義がぶつかり合う因縁の対決はやや意外な結末でしたが、いずれ二人の決着が避けられない展開の中で彼女もまた再登場するのかな?
読了日:10月19日 著者:羊太郎
アサシンズプライド11 暗殺教師と禁書階梯 (ファンタジア文庫)アサシンズプライド11 暗殺教師と禁書階梯 (ファンタジア文庫)感想
白夜騎兵団による暗殺計画から逃れるため、聖ドートリッシュ女学園に転校したメリダエリーゼ。彼女たちを元の生活に戻すため女公爵アルメディアからミュールが持ち去った禁書黒の書の回収を持ちかけられる第十一弾。禁書に封印された禁呪によってボードゲームの世界に閉じ込められるクーファと公爵令嬢たち。多くの罠とマナの使えない状況で可憐な彼女たちとの絆を試されるベタな展開には苦笑いでしたけど、誰が味方で敵なのかますます事態が混迷してゆく状況をどう挽回してゆくのか、物語の根幹に関わりそうな謎も見えてきて続巻に期待ですかね。
読了日:10月19日 著者:天城ケイ
デート・ア・ライブ21 十香グッドエンド 上 (ファンタジア文庫)デート・ア・ライブ21 十香グッドエンド 上 (ファンタジア文庫)感想
DEMとの最終決戦、始原の精霊・澪との戦い、そして夜刀神十香が消えてしまってから一年。元精霊の少女たちは過去と向き合い未来へと進み始める中、喪失感を抱えながら日々を過ごす五河士道が、存在しないはずの精霊の少女と出会う第二十一弾。折紙の結婚式、二亜のお手伝い、狂三の墓参り、四糸乃の過去、琴里の秘めた想い、世界を否定して壊す精霊の出現。魅力的な彼女たちのその後をひとりひとり描いていたらそれは一巻では終わらないよねと苦笑いでしたけど、この作品らしいと思えるような集大成としての最後のデートと結末を期待しています。
読了日:10月20日 著者:橘 公司
ゲーマーズ!12 ゲーマーズと青春コンティニュー (ファンタジア文庫)ゲーマーズ!12 ゲーマーズと青春コンティニュー (ファンタジア文庫)感想
正式に付き合うことになった雨野と天道。再び《シュピール王国》に集うこじらせゲーマーたちが真のエンディング目指して最後の錯綜を連発する第十二弾。とりあえず雨野と天道は付き合い始めたけど、千秋とのそれ友達の距離感なの?とか、コノハは全然諦めてないよね?とか、亜玖璃との関係ってつまるところそういうことなの?とか、雨野がひとつひとつこじれにこじれた関係に決着をつけていったはずなのに、まだまだ相変わらずツッコミどころ満載だった気もしますが、これはこれでこの作品らしい結末のような気がしました。次回作も期待してます。
読了日:10月20日 著者:葵 せきな
公女殿下の家庭教師4 氷炎の姫君と夏休みに王国を救います (ファンタジア文庫)公女殿下の家庭教師4 氷炎の姫君と夏休みに王国を救います (ファンタジア文庫)感想
王立学校の前期試験で成績上位となったティナたち。そんな彼女たちのおねだりにリディヤも加わってアレンの夏期休暇帰省に同行し東都へ向かう第四弾。実家にお泊りしながら浴衣でお祭り、水着で湖にと夏休みを満喫する一方で、オルグレン公爵家の監視下から脱出し謀反の動きを見せるジェラルド。教え子たちとの関係は微笑ましくて、すでに実家の両親と親密な関係を築いているリディアとアレンの絶対的な絆とか、垣間見えた様々な過去の因縁や苦境を打開しても依然として続く不穏な状況とか、微笑ましいだけでは終わらない今後の展開が楽しみです。
読了日:10月20日 著者:七野りく
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?9 (ファンタジア文庫)通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?9 (ファンタジア文庫)感想
リベーレ四天王から最終決戦を申し込まれた真人たち。しかしぐだぐだで状況は一向に変わらず、そんなアマンテたちにHAHAKOを母親として認めさせるクリスマスイベントが発動される第九弾。赤ん坊にされた四天王たち(となぜか真人も一緒にw)といろいろなイベントをこなして、一緒に親子の思い出を作ってHAHAKOを母親として認めさせようという展開でしたけど、まあ予想通りの展開というか、なかなか素直なれない彼女たちもようやくHAHAKOのことを認められたんですかね。意外と長く続いた感はありましたけど次巻で最終巻ですかね?
読了日:10月21日 著者:井中 だちま
崩壊学: 人類が直面している脅威の実態崩壊学: 人類が直面している脅威の実態感想
崩壊とはどのようなもので、何が引き金となり、結果としてどのような心理的、社会的、政治的な影響を与えるかを「崩壊学」と名づけ、世界中の研究から集めて紹介する一冊。現代は化石エネルギーや金融システム次第でいつ崩壊が始まってもおかしくない世界で、持続可能な開発も非現実的という状況。それに関する様々なテーマで定義や研究を紹介してはいる点は興味深かったですが、本書がそれを列挙している域を出ていなかったのは残念。つまるところすでに崩壊の兆候はあっても抜本的な解決策などなくて、まずは現実を見ろということなんでしょうね。
読了日:10月21日 著者:パブロ セルヴィーニュ,ラファエル スティーヴンス
後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)後宮の花は偽りをまとう (双葉文庫)感想
大陸西方の相国で部署を渡り歩いて勤続十年の三十路手前の女官吏・陶蓮珠。新皇帝の双子の弟・郭翔央から声を掛けられて、新皇帝が娶る予定だった威国の妃の身代わりとなる中華後宮ファンタジー。威妃を迎えに行くと新皇帝が姿をくらませ、双子の弟・翔央と共に威国語を話せる蓮珠がその身代わりを務める展開。官吏としては有能で、自ら抱えてきた想いや翔央から聞いた志から、新皇帝即位を巡る陰謀を何とかしようとして空回りする蓮珠がやや危なっかしかったですが、そんな中でお互い惹かれつつある翔央との今後がなかなか楽しみなシリーズですね。
読了日:10月22日 著者:天城 智尋
後宮の花は偽りを散らす (双葉文庫)後宮の花は偽りを散らす (双葉文庫)感想
前回の功績から上級官吏に昇進、皇帝直轄の行部で働くようになった蓮珠。威妃の立后式が近づく中、彼女の境遇を見定めるため妹の妹威公主がやってくる第二弾。居場所や地位が変わっても相変わらずな蓮珠が、勘違いからまたもや立后式を巡る騒動に巻き込まれてゆく展開で、そんな中で頑張る彼女が周囲に慕われ味方が増えてゆく様子が伺えましたけど、わりと真っ直ぐな翔央と身分違いに思い悩む蓮珠の見守りたい関係を、うまいこと利用しつつも双子の弟を溺愛するがゆえに冷徹な目で見つめている皇帝が怖い…これからもいろいろ巻き込まれそうですね。
読了日:10月23日 著者:天城 智尋
神話伝説の英雄の異世界譚 13 (オーバーラップ文庫)神話伝説の英雄の異世界譚 13 (オーバーラップ文庫)感想
比呂の背を追って成長を重ね、ついに並び立つに至ったリズ。千年前より続く比呂の計画は最終段階を迎え、《無貌王》との決戦で長らく続いた因縁にも決着をつける第十三弾。表紙を一巻と見比べるとふたりとも成長したなあ...と隔世の感がありましたが、《無貌王》との決戦だけでなく、北方・南方各戦線や六ツ国、シュタイセン共和国などのそれぞれの決着があって、最後の大盤振る舞いにはえ?そういうことになったの?と苦笑いしましたが、長らく続いた何ともややこしい因縁の戦いを最後まで見届けられて良かったです。次回作も期待しています。
読了日:10月23日 著者:
異世界魔法は遅れてる! 9 (オーバーラップ文庫)異世界魔法は遅れてる! 9 (オーバーラップ文庫)感想
異世界より現代日本へ帰還を果たした魔術師・八鍵水明。八鍵邸に戻った水明が弟子にしてホムンクルスの少女ハイデマリーと再会する第九弾。メニア・レフィール・リリアナ・初美とともにいったん現代日本へ戻った水明が結社の依頼もこなす展開で、ヒロインたちが現代日本で美味しいものを食べたり、いろいろ出かけたりで満喫する姿は微笑ましくて、新ヒロイン・ハイデマリーも面白い存在になりそうですね。次からはまた異世界での展開に戻りそうですが、刊行が久しぶり過ぎて内容を思い出すのに苦労したので、次巻は早めの刊行をお願いします(苦笑)
読了日:10月24日 著者:樋辻臥命
ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く (角川ホラー文庫)感想
ついにこよみを自宅に招待することに成功した森司。試行錯誤する二人の関係にいい雰囲気も垣間見えてくる中で、テレビ番組でも活躍するテレビ番組でも活躍する大人気霊能者がやってくる第十六弾。大人気霊能者から依頼された心霊番組収録の手伝い、子どもの幽霊が窓から覗いていた理由、予備校講師のブラックバイトと赤珊瑚。今回は複雑な家庭事情や悲しい過去だったりを絡めた展開でしたけど、未来の家庭像を語ってしまうお似合いな二人の外堀は着々と埋まってゆきますね。相変わらずだけど卒業したら普通に結婚しそうな未来しか見えません(苦笑)
読了日:10月24日 著者:櫛木 理宇
そして黄昏の終末世界<トワイライト> 2 (オーバーラップ文庫)そして黄昏の終末世界<トワイライト> 2 (オーバーラップ文庫)感想
「刻の黄昏」に巻き込まれ、如月御姫と共に魔人『ペイガン』を退けた東雲冬夜。御姫が発症した吸精病を隠しつつ、シスカ日本支社の終末化特別対策室の面々と接触を果たす第二弾。こちらも久しぶりの刊行となりましたが、今回は深刻な状況に置かれているはずの美少女ヒロイン・御姫のポンコツっぷりが大爆発して、ラブコメ展開的にもなかなか美味しかったです。御姫やいつきたちと組んだチームも戦う中でいい感じになりそうな兆しが見えて、重い業を抱える冬夜が彼女たちと関わる中でこれからどう変わってゆくのか、続巻が楽しみになってきました。
読了日:10月24日 著者:樋辻臥命
華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う (富士見L文庫)華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う (富士見L文庫)感想
次期皇帝・紫旗の暗殺計画を知った華仙公主・明花は、過ごし慣れた酒楼を離れることを決意。伯慶の婚約者として後宮へ潜入し、紫旗を救おうと奔走する第三弾。幽鬼の如く衛兵が蠢き、多数の仙道士らが横行する後宮で毒に倒れてしまう紫旗。彼らもまたそれぞれ窮地に陥る中、複雑な仙境との関係や親子の情も絡んで、苦境を打開する光明が見えない難しい展開でしたけど、仲がいいんだか悪いんだかよくわからない宰相の伯慶と華仙公主・明花の名コンビっぷりを最後まで楽しめました。エピローグもまたとても彼ららしい結末で、次回作も期待しています。
読了日:10月25日 著者:喜咲冬子
日本の消費者は何を考えているのか?: 二極化時代のマーケティング日本の消費者は何を考えているのか?: 二極化時代のマーケティング感想
97年から3年に1度行われている野村総合研究所の生活者1万人アンケートから分析する日本人各世代の価値観の変化を解説した1冊。団塊・バブル・団塊ジュニア・さとり・デジタルネイティブなど、15歳以上を7世代にわけた世代ごとの傾向の違いや意識の変化、利便性消費とプレミアム消費に二極化が進む中でのスマホ利用拡大と共稼ぎ家族の拡大、SNSを絡めた各世代ごとの繋がり方など、何となく感覚的には理解していたことを数字で分かりやすく説明してくれていて、社会人世代ではスマホでの買い物が急拡大していることを改めて実感しました。
読了日:10月25日 著者:松下 東子,林 裕之,日戸 浩之
謎が解けたら、ごきげんよう (新潮文庫nex)謎が解けたら、ごきげんよう (新潮文庫nex)感想
やんごとなき血を継ぐ天才少女探偵・潮に発明家の卵・丸川環、ホンモノの華族令嬢・見留院紫と組んだ茜が身近で起きた日常の謎から暗殺者相手に大活躍する第二弾。ミステリアスな潮の家を訪ねた茜が遭遇した濡れた傘の理由、友人の喧嘩したお姉さまが抱えていた謎などを推理してゆく一方で、警視庁部長刑事の鬼頭の実家事情も語られて、潮の異母姉・川島芳子を絡めた最終話も躍動感があって面白かったですが、エピソードを積み重ねたからこそ垣間見えてくる登場人物たちの心情もあってなかなか良かったです。続巻あるならまた読んでみたいですね。
読了日:10月27日 著者:彩藤 アザミ
高校事変 III (角川文庫)高校事変 III (角川文庫)感想
施設を訪ねてきた全寮制矯正施設・塚越学園のトップから転入を薦められた結衣。見学に出発した彼女が武装集団の襲撃に遭い、熱帯林の奥地に同じく日本から来た少年少女ら700人が拉致されていたことを知る第三弾。奇妙な学校村落での制限された学校生活の謎とその目的。ついに海外にまで拉致られた結衣が、武装集団を相手に生徒全員を死なせずに脱出を目指すという難易度の高いミッションに挑む展開で、彼女自身もまたそのありようを何度も問われ追い詰められながらも決して諦めず、そんな姿に周囲も感化され成長してゆく姿が今回も印象的でした。
読了日:10月28日 著者:松岡 圭祐
異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)感想
2006年、春。トラックにはねられて死んだ息子・タカシの遺したプロットを元にファンタジー小説を書きだした母・フミエ。そんな状況にうんざりするタカシの妹・チカが、タカシをはねた運転手・片山に相談する物語。片山が提案し、タカシの死から止まったままの時間を少しずつ動かし始めたウェブ小説の連載。ウェブ小説の扱いや公開したことで直面した悪意の数々や当時の時代感を懐かしいなと感じましたけど、一方でそれをきっかけに様々な思惑を持った人たちとの関わりが生まれて、それが停滞していた状況を変えてゆく展開が印象的な物語でした。
読了日:10月28日 著者:伊藤 ヒロ
太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫 さ 91-1 nex)太陽のシズク ~大好きな君との最低で最高の12ヶ月~ (新潮文庫 さ 91-1 nex)感想
死に至る「宝石病」を患い海の見える高校に転校してきた理奈。親友や彼氏を作って最高の学園生活を送ろうと決意する理奈と、彼女のために受験を頑張る翔太が過ごした最高の12ヶ月の物語。運命の恋人と出会い、印象的な出会いを果たした美里と様々な出来事を経て大切な親友となってゆく理奈。彼女と自分の夢のために受験勉強する翔太が予備校で出会った仲間たち。違う時を過ごす中で不安やすれ違いもあって、それでも二人で育んできた確かな絆があって。そんな二人のかけがえのない日々を必ず読み返したくなる、とても鮮烈で印象に残る物語でした。
読了日:10月28日 著者:三田 千恵
朝比奈若葉と○○な彼氏 (MF文庫J)朝比奈若葉と○○な彼氏 (MF文庫J)感想
クラスメイトの悪ノリから罰ゲームとして、学校一の嫌われ者・入間晴斗へのウソの告白を強要された内気な女子高生・朝比奈若葉。最初は嫌々始まったはずの晴斗との交際が、彼女を少しずつ変えてゆく青春小説。最初はやらされている感が満載だった下校やデートで、自分を気遣ってくれる晴斗の優しさや人間性に触れ、少しずつ彼を見る目を改めてゆく若葉。二人を取り巻くキャラも立っていて、彼女自身も明るさを取り戻していって、無自覚のうちにかけがえのない存在になってゆくのが分かるからこそ、最後の展開から続巻がどうなるのか気になりますね。
読了日:10月29日 著者:間 孝史
藤倉君のニセ彼女 (一二三文庫)藤倉君のニセ彼女 (一二三文庫)感想
学校一モテる藤倉君に自称・六八番目に恋をした尚。遠くから眺めるだけだった彼女が、ふとしたきっかけからモテすぎて女嫌いを発症した藤倉君の女除け役として「ニセ彼女」に立候補する青春小説。少女マンガのようにモテまくる藤倉を好きにならないという宣言から始まったニセ彼女生活。普通の男子生徒として扱ってくれる尚への安心感があって、一緒にいても苦にならない関係だからこそ少しずつ確実に変化してゆく二人の心境があって、ここまで拗らせるとどうなることか心配でしたけど、いつの間にか育まれていた大切なものに気づけて良かったです。
読了日:10月29日 著者:村田天
競歩王競歩王感想
天才高校生作家と持て囃されてデビューしながら、その後は燻っていた大学生・榛名忍。競歩リオ五輪ハイライト番組を見て号泣する八千代と出会い競歩という競技にのめり込んでゆくスポーツ小説。最初は気乗りしないまま始めた競歩の取材。そんな忍に不機嫌を隠そうともしない八千代を追ううちに自らの苦悩も重ねて、ライバルたちと競い東京五輪を目指す八千代の苦闘のめり込んでゆく展開はとても重く苦しかったですが、それでも向き合い続けてきたからこそ見えたもの乗り越えられたこともあって、そんな彼らの結末にはぐっとくるものがありました。
読了日:10月30日 著者:額賀 澪
勇者の君ともう一度ここから。 (LINE文庫エッジ)勇者の君ともう一度ここから。 (LINE文庫エッジ)感想
己と引き換えに狂神を討ち倒し世界を救った勇者セラフィルナ。一方、片腕を失って戦線離脱し失意の日々を送っていた剣聖・ジャンが、世界と彼女を救うために再び立ち上がるファンタジー。狂神を打倒した代償として呪いを浴びたセラを救うため、魔神器『ヴルムの真腕』を与えられて彼女のそばにいることを誓うジャン。ストーリーとしては登場人物も少なくシンプルな王道展開でしたけど、ずっと心残りで一度は諦めかけていた大切な人と再会し、これからも共にあるために2人で一緒に戦うことを決意したこれからの展開に期待したくなる物語でした。
読了日:10月30日 著者:みかみてれん
百錬の覇王と聖約の戦乙女 19 (HJ文庫)百錬の覇王と聖約の戦乙女 19 (HJ文庫)感想
巨大地震によってギャッラルブルー関が崩落、防御璧を失い決死の撤退戦を余儀なくされた《鋼》。ケルムト河の氾濫によりはぐれたジークルーネは猛将シバと一対一で決着をつける第十九弾。優勢だったはずの情勢を覆した巨大地震による防御璧の崩壊。難しい殿役に名乗り出たフヴェズルングが、まさに面目躍如というかえげつない戦法で大活躍する展開でしたけど、それをあの年齢で覆してみせるホムラはちょっとチート過ぎますね(苦笑)開き直った勇斗の策で多少は盛り返しましたけど、ここから炎との戦いがどう決着するのか、続巻に期待ということで。
読了日:10月30日 著者:鷹山誠一
戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10 (HJ文庫)戦うパン屋と機械じかけの看板娘 10 (HJ文庫)感想
皆に祝福され、結婚式を挙げたルートとスヴェン。スヴェンは人間になることを決意し、人化の方法を知るマイッツァーを探すうちに、聖女が画策する次なる大戦の火種に巻き込まれてゆく第十弾。二人の結婚式はとてもいい感じだなあとは思いましたけど(ソフィアさん...)、ルートと共に歩みたいと願うスヴェンの願いと、聖女が画策するとんでもない計画を阻止するために最後にまた一波乱ありましたけど、それを乗り越えた後のそれぞれのエピローグと、最後に出てきた素朴でとても幸せそうな姿がとても印象的な結末でした。次回作も期待しています。
読了日:10月30日 著者:SOW
疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? (角川スニーカー文庫)疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? (角川スニーカー文庫)感想
かつては仲良かった幼馴染・神崎天音とすっかり疎遠になってしまっていた天地夢次が、『夢を操る方法』という怪しげな本を拾い、異世界で幼馴染と結婚する夢を見る学園ラブコメ。今ではすっかり人気者の幼馴染と埋没している主人公が、夢の中で起きたことをきっかけにその大切な関係を取り戻してゆく展開で、そんな二人の不器用でも変わっていなかったそれぞれの思いも明らかになっていって、そして大切な彼女の危機的状況を打開すべく、リアルでも夢の中でも奮闘する展開は本当に良かったです。もし続巻があるようならまた是非読んでみたいですね。
読了日:10月31日 著者:語部 マサユキ
小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる (ポルタ文庫)小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる (ポルタ文庫)感想
園生くんから告白させるためにしもべにしようとする超絶奥手魔女の小戸森さんと、しもべでなく恋人になりたい超ド級の鈍感男子・園生くんのじれじれ両片想いストーリー。学校では非の打ち所がない美少女で人気者なのに、園生くんの前ではなぜかポンコツ魔女と化してしまう可愛い小戸森さんと放課後二人で過ごす密会の時間。彼女の乙女心になかなか気づけない彼の鈍感っぷりがもどかしい二人で、ものの見事にドツボにハマっているというか、チャンスに空振りばかりでなかなか前途多難でしたけど、最後は何か二人らしいなと思えた結末でしたね(苦笑)
読了日:10月31日 著者:藤井 論理
文庫本は何冊積んだら倒れるか文庫本は何冊積んだら倒れるか感想
本の雑誌」に連載されていたもの。ずんずん調査の堀井憲一郎が出版業界の謎に挑む誰も驚かない驚異のゆるーい調査を紹介した一冊。いわゆる本に関する雑学エッセイで、レーベルごとに文庫本を何冊積んだら倒れるかとか、未読本は何日経過すると読めなくなるのか、新潮文庫岩波文庫の目録を使ってどんな作家が消えていっているのか、ノーベル文学賞の高齢受賞者を調べてみるなど、自分ではやろうとは思わないし、実際に何かの役に立つかどうかは微妙だけれど、何となくなるほどなと思えるような試みをいろいろ試しているのは興味深かったです。
読了日:10月31日 著者:堀井 憲一郎

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