読書する日々と備忘録

主にライトノベルや小説など読んだ本の紹介まとめや出版関係のことなどについて書いています

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2019年4月に読んだ本 #読書メーターより

4月はわりと忙しい日が続いていた一方で読みたい新刊も結構刊行になる状況で、一体どうなることかと思いましたが、終わってみたらコミック除いても60冊は読めたので新刊消化はそれなりに進んでホッとしましたが、積読は終わってみたら増えている状況に(苦笑)GWもそんなに読めなそうなので頭が痛い状況ではあります。

 

シリーズものでは何と言っても「弱キャラ友崎くん」の分厚さを感じさせない読ませる展開は流石でしたし、オーバーラップ文庫では珍しい青春小説もの「虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん」、富士見L文庫の「華仙公主夜話」なども今後に期待したくなる面白さ。階段島シリーズも「きみの世界に、青が鳴る」でついに完結しました。そして何より「継母の連れ子が元カノだった」ですよ。これは続巻にさらなる期待が掛かりますね。

 

 

4月の読書メーター
読んだ本の数:90
読んだページ数:23381
ナイス数:5570

こちらは、国内ワケアリ旅行代理店です。 もしもし、観光地の怪奇解決もできますか? (富士見L文庫)こちらは、国内ワケアリ旅行代理店です。 もしもし、観光地の怪奇解決もできますか? (富士見L文庫)感想
憧れの初恋の人・白江を追いかけて、ブラック旅行会社から彼が社長を務める旅行会社に転職を果たした美紀。人にも霊にも冷酷な白江と一緒にワケあり旅行先の霊に関する問題を解決してゆく物語。入社研修先が怪異が起こるホテルで、その後も怪奇現象で有名な訳あり物件を人気観光地にしてきた白江に連れられ、霊に脅かされ振り回され続ける美紀。普段はツンツンしているイケメン白江にも抱える事情があって、そんな彼のことを見捨てられずについつい奔走してしまう、九割八分ビターだけれどちょっぴり甘い部分もあったりする二人の今後に期待ですね。
読了日:04月01日 著者:八巻にのは
続・この素晴らしい世界に爆焔を!2 この素晴らしい世界に祝福を!スピンオフ わがままバスターズ (角川スニーカー文庫)続・この素晴らしい世界に爆焔を!2 この素晴らしい世界に祝福を!スピンオフ わがままバスターズ (角川スニーカー文庫)感想
めぐみん視点の冒険が描かれるスピンオフ小説第二弾。カエルの王キングトード討伐、アルカンレティアでアクシズ教徒・セシリー、ゼスタたちに振り回されるエピソード、バートン教授の依頼で宝石獣との戦いなど、めぐみんがゆんゆんやアイリスなどと冒険の旅に出る連作短編集で、アクシズ教徒たちは相変わらず残念な方向に突き抜けてる感じですが、騙されやすそうなぼっちのゆんゆん、王女なのに素直に慕ってくるアイリスと一緒の冒険は何だかんだでみんな楽しそうなのがいいですね。どこかお姉さんぶりたい感じになってるめぐみんが微笑ましいです。
読了日:04月01日 著者:暁 なつめ
アルバート家の令嬢は没落をご所望です 5 (角川ビーンズ文庫)アルバート家の令嬢は没落をご所望です 5 (角川ビーンズ文庫)感想
大貴族の令嬢メアリは、彼女を溺愛してやまない双子の兄達との跡継ぎ騒動に巻き込まれ次期当主候補に。さらに友人のアリシアにかけられた出生疑惑が波乱を呼ぶ第五弾。今回のアルバート家の跡継ぎ騒動とか王女の出生疑惑あたりを軸にした展開で、人間関係の方向性自体はこれまででしっかり構築され定まっている感があるせいか、物語によってはシリアスな感じになっていてもおかしくないのに、メアリを慕うアリシアパルフェットたちが絡むほのぼのエピソードや、甘いカップたちの小ネタが随所にあって、わりとのんびりとした感じで楽しめました。 
読了日:04月02日 著者:さき
かなで香工房~幸せ調香いたします~ (メゾン文庫)かなで香工房~幸せ調香いたします~ (メゾン文庫)感想
恋人に振られた祥子の元に舞い込んできたアパート相続話。ワケあり住人たちが住むアパートの大家さんになった祥子の元に調香師だった故人を頼ってお客が次々と訪れる物語。職を失い家族とも不仲で、格安な家賃さえ支払えない住人たちに加えて怪しいものまで住んでいる頭の痛い状況。それでも失恋したOL、媚薬をほしがるサラリーマン、生き物嫌いな老婆たちのために故人の代わりに香りを調合するようになってゆく中で、何だかいい感じにまとまったような雰囲気になりましたけど、依然として問題はほとんど解決していなさそうなのは気になりました。
読了日:04月02日 著者:梨沙
死香探偵-連なる死たちは狂おしく香る (中公文庫)死香探偵-連なる死たちは狂おしく香る (中公文庫)感想
不審な事件で死香を食べ物の匂いに変換する潤平と、それを読み解く分析学のエキスパート風間。容疑者の謎の美女に過剰反応し、風間が潤平を初めて現場から遠ざける第二弾。人気作家のサイン本に付いた甘いチョコレートの死香。慰安旅行先の旅館で遭遇したセロリの香りと消えた死体、バナナの甘い香り漂う殺人現場。風間の周辺事情も明らかになって、死香のために食べられるものが減っていく状況は厳しいですけど、潤平も風間に引っ張り回されるだけの関係から変わろうとしているんですかね。最後の犯人は今後彼らのライバルになりうるんでしょうか。
読了日:04月03日 著者:喜多 喜久
予告状ブラック・オア・ホワイト (ご近所専門探偵物語) (創元推理文庫)予告状ブラック・オア・ホワイト (ご近所専門探偵物語) (創元推理文庫)感想
ひょんなことから名探偵・九条清春の秘書になった渡会透子。自称ご当地探偵の九条と堅物で真面目さが取り柄の透子が、地元で起きる奇妙な謎を解き明かしてゆく連作ミステリ。神奈川県川崎市を舞台に、ご当地アイドルに届いた脅迫状や今は亡き親友の宝物の正体、地元出身のオリンピック選手を巡る嘘、動物公園で起きた不審な出来事、絵馬紛失事件の真相。こじんまりとした謎が中心の展開でしたけど、ぐうたらな九条と透子の掛け合いもなかなか楽しく、解き明かす真相もまた優しく味わいのある結末だったりで、是非シリーズ化を期待したい作品ですね。
読了日:04月04日 著者:市井 豊
くらやみガールズトークくらやみガールズトーク感想
女性の人生には通過儀礼が沢山ある。自分で選んだ人生のはずなのに、古い社会通念の箱に押し込められ、じわじわと別のものに変容させられていく言えない恐怖が描かれる連作短編集。当然のように夫の名字を与えられ消えてしまう旧姓や独り暮らし、恋、子育て、親の痴呆といった相手の都合に振り回されて、自分でないものにされてしまうのではないかという深刻な不安は、男の人だとおそらくこうなんだろうなと想像はできても、当事者として直面した時どう感じるのかはまた別ものなんでしょうね。リアルで生々しい苦悩がとても印象に残った作品でした。
読了日:04月05日 著者:朱野 帰子
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?6 天魔の夢 (MF文庫J)なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?6 天魔の夢 (MF文庫J)感想
各種族の英雄や精鋭たちと出会う中、「真の世界を取り戻す」決意をした少年カイ。各種族の思惑が入り乱れる中で三英雄たちが衝突を始めた時、この世界を改変した黒幕が動き出す第六弾。カイを中心とした各種族との共存の可能性が見えてきた中で、姿を現した世界を改変した黒幕の存在。望んでいたはずの望んでいなかった世界に複雑な想いを隠せないカイでしたけど、絶望の中に見出した希望があって、残されたもうひとりのキーマンがいて、絶対的な相手にどう戦いを挑むのか続巻が楽しみです。最近他のヒロインに押されがちだったジャンヌにも期待。 
読了日:04月05日 著者:細音 啓
これは花子による花子の為の花物語これは花子による花子の為の花物語感想
高校時代の人間関係のトラウマをきっかけに、家から出られなくなり引きこもっていた花子。唯一の外との繋がりだったゲームアプリを通じてフリーターのレンと運命的な出会いを果たす恋の物語。積み重ねた二人の交流によって育まれてゆく想いと会う約束。緊張のあまり気を失う花子と、会っていないはずなのにいつのまにか増えていくレンとの思い出。お互い自信がなくて不安を隠せない二人を密かに支えてくれた存在があって、二人を繋ぐ運命的な繋がりもあって、過去を乗り越えた二人が勇気を持って一歩踏み出して未来に繋がってゆく素敵な物語でした。
読了日:04月05日 著者:木爾 チレン
教室が、ひとりになるまで教室が、ひとりになるまで感想
北楓高校で起きた三人の生徒連続自殺事件。クラス内でも地味な存在の垣内友弘が、最高のクラスで起きた一連の不審死の謎を追う青春ミステリ。生徒に代々引き継がれてきた4つの特殊能力。不登校の白瀬美月から三人を殺した死神の存在を知らされた垣内が、突如引き継いだ特殊能力で他の能力者や犯人の正体を探ってゆく展開で、スクールカーストの力関係や伏線を巧妙に絡めながら、地味な特殊能力を駆使した殺人の結末へと導いていく展開はお見事。突きつけられた現実への失望があるからこそ、そんな彼にもたらされる一筋の光にぐっと来る物語でした。
読了日:04月06日 著者:浅倉 秋成
アマゾンのすごい問題解決アマゾンのすごい問題解決感想
アマゾン ジャパンの立ち上げメンバーである著者が、アマゾンが培ってきた働く目的・方法・評価・コミュニケーションなどあらゆる問題解決についてわかりやすく解説した一冊。「成果を判断」するのではなく「達成をサポートする」「数値目標をもとに評価しあえる職場づくりが大切」など、仕事をしていく上で起こりやすい問題33に対する基本的なアプローチが書かれていて、タイトルからイメージするようなAmazonらしいすごい解決方法が載っていたわけではありませんが、オーソドックスな考え方を学ぶ一冊としては悪くなかったと感じました。
読了日:04月07日 著者:佐藤 将之
菜の花工房の書籍修復家 大切な本と想い出、修復します (宝島社文庫)菜の花工房の書籍修復家 大切な本と想い出、修復します (宝島社文庫)感想
進路に悩む高校3年生・三峰菜月は、子供の頃に自分の大切な絵本を直してくれた書籍修復家・豊崎俊彦と再会。一念発起弟子入りを目指し奮闘するお仕事小説。親に言われるままに大学進学でいいのか疑問に思っていた菜月の運命の出会い。彼女の修行を通じて描かれる和書の修復がどのように行われるのか、その描写や解説はなかなか興味深かったですが、食べていくのが難しい仕事だからこそ、書籍修復の仕事にどう真摯に向き合うのかをしっかり考えるのは大切なことですよね。周囲の人に支えられながら成長してゆく菜月の今後を応援したくなりました。 
読了日:04月07日 著者:日野 祐希
京都伏見は水神さまのいたはるところ 花ふる山と月待ちの君 (集英社オレンジ文庫)京都伏見は水神さまのいたはるところ 花ふる山と月待ちの君 (集英社オレンジ文庫)感想
東京から伏見の蓮見神社に住む祖母の家に引っ越してきて半年近く。祖母を手伝って出した古いお雛さまから不思議な声が聞こえてきて幼馴染の大学生・拓己や白蛇の化身・シロとともに声の謎に迫る第二弾。観月橋雛人形に乗り移った思い、拓己が対峙する高校時代の剣道のライバル、決して咲かないしだれ桜といった謎に遭遇する一方で、大切な友人や拓己との距離感にもやもやするものを感じて自分なりに頑張ってみようとするひろや、彼女を暖かく見守る周囲との関係がいいですね。ただひろの変化に複雑なシロとの関係は気になるところではあります。 
読了日:04月08日 著者:相川 真
リフトガール ~ フォークリフトのお仕事 ~ (集英社オレンジ文庫)リフトガール ~ フォークリフトのお仕事 ~ (集英社オレンジ文庫)感想
サッカー選手になる夢をケガで諦めた女子高生・数音が、ふとしたきっかけからリフトマンに憧れ、資格を取って冷蔵庫工場で奮闘するお仕事小説。リフトマンとして働き始めて二年。「赤鬼」と恐れられている赤石率いる製品チームから、急遽部品運搬チームへ異動することになった数音。そこで出会った数音の次に若い部品チームのリーダー十和田。テーマ的には珍しい一方でややこじんまりとした感は否めませんが、ラブコメ要素も絡めながら、真摯に向き合う数音の仕事ぶりが認められていって、周囲との関係も変わってゆく展開はなかなか良かったですね。
読了日:04月08日 著者:要 はる
推定失踪 まだ失くしていない君を (集英社オレンジ文庫)推定失踪 まだ失くしていない君を (集英社オレンジ文庫)感想
外務省のグレーゾーンな仕事を引き受ける外交官として働く桐島に宛てて、東南アジアの国・ビサワンで働く元恋人・亜希から謎めいたメールが届き、失踪した彼女を探すためビサワンへ飛ぶ物語。子供兵士の救済を目的とした国際NGOで働いていた亜希の失踪を探るうちに、ビサワンを巡る政情不安な状況に巻き込まれてゆく桐島。各国間の事情や利害関係に振り回されても諦めずに活路を見出そうとする中で、謎めいた彼女の過去も明らかになっていって、何ともやるせない結末でしたけど、最後まで真摯であろうとした彼女のありようはとても印象的でした。
読了日:04月08日 著者:ひずき 優
わたしたち、何者にもなれなかったわたしたち、何者にもなれなかった感想
高校時代の映画同好会に所属し映画で成功することを夢見ていた4人。しかし中心だった石田サキの突然の失踪で空中分解し、悔恨を抱えたまま12年が経過した彼女たちのもとに、サキの居場所を知らせる謎めいた電話がかかってくる物語。映画雑誌副編集長の夏美、束縛の強い夫に悩まされる佐和子、シングルマザーの弥生。すっかり変わってしまった彼女たちは未だ消えない悔恨が影を落としていて、そんな状況で十二年ぶりに再会したサキと過去の真相があって、止まったままだったかけがえのない思い出にようやく向き合えた彼女たちの姿が印象的でした。
読了日:04月09日 著者:瀬那 和章
漫画家先生とメシスタント (富士見L文庫)漫画家先生とメシスタント (富士見L文庫)感想
マンガ好きを周囲にひた隠す女子高生ときわが、学校帰りにアパートの前で行き倒れているのを発見した会社員・鈴木桂太。ご飯を食べさせてあげた彼が実は大好きなマンガ家の片割れだったと気づく物語。マンガ家のためのアパート・ヒット荘を舞台に、ほのかな恋心を抱く桂太や彼とコンビを組むレオ、新人漫画家の花や鬼の担当編集さん、マンガ家の桂太の妹たちも絡めながら、美味しそうなご飯やデザートを振る舞いつつのドタバタ劇や交流してゆく様子がなかなか楽しかったですね。ときわと桂太のその後も気になるので、また是非続巻を期待したいです。
読了日:04月09日 著者:仲村 つばき
(P[ゆ]1-1)僕と君の365日 (ポプラ文庫ピュアフル)(P[ゆ]1-1)僕と君の365日 (ポプラ文庫ピュアフル)感想
色彩が失われて1年で死に至る無彩病だと知らされ、自暴自棄になりかけた高校生・新藤蒼也。そんな彼が進学クラスから自ら希望して落ちてきた美少女・立波緋奈と契約のような365日間の恋を始める物語。周囲に知らせず最後まで普通の日常を送りたいと願う蒼也と、その秘密を唯一知る緋奈の少しずつ変わってゆく関係と、幼馴染たちを絡めたかけがえのない日々。大切な存在だと思うようになればなるほど、失う辛さを感じさせて切なかったですが、最後まで精一杯向き合い続けた二人の想いと、エピローグで明らかになるもう一つの真実が印象的でした。
読了日:04月09日 著者:優衣羽
魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上> (電撃文庫)魔法科高校の劣等生(28) 追跡編<上> (電撃文庫)感想
光宣による水波の奪取を許してしまった深雪。達也、十師族、抜刀隊が光宣の大追跡を開始し、一方で日本に亡命中の劉麗蕾にも大亜連合の魔の手が伸びる第二十六弾。光宣追跡中に介入してきた意外な相手、自覚がないまま光宣への想いと深雪への忠誠心とで心揺れる深雪。達也なら何でもできる、どうにかしてしまえるわけではないというのはわりと新鮮で、千葉修次がいいところを持っていった感がありますが、藤林家と九島家も絡む光宣と水波追跡、USNAとリーナの関係、亡命者の劉麗蕾、戦略級魔法師になった将輝と、結末がいろいろ気になりますね 
読了日:04月10日 著者:佐島 勤
86―エイティシックス―Ep.6 ―明けねばこそ夜は永く― (電撃文庫)86―エイティシックス―Ep.6 ―明けねばこそ夜は永く― (電撃文庫)感想
朽ちることを良しとするシリン達の姿に苦悩するエイティシックス。レーナと不格好にすれ違ったまま連合王国の命運をかけた「竜牙大山攻略作戦」が始まる第六弾。シリンと自分たちがどう違うのか、そしてレーナと分かり会える日が来るのか、攻略自体もわりとギリギリの戦いの連続だったはずですが、不器用なシンとレーナの見ている方がもどかしくなるすれ違いと、それを生暖かく見守る周囲という構図の方が気になって仕方ありませんでした(苦笑)終わらない戦いもいろいろ転機を迎えつつあるように思える中で、初々しい二人の今後が気になりますね。
読了日:04月10日 著者:安里 アサト
おねだりエルフ弟子と凄腕鍛冶屋の日常 (電撃文庫)おねだりエルフ弟子と凄腕鍛冶屋の日常 (電撃文庫)感想
全ての金属の街アル・メタリアで最高職人として名声を高めていた男・フィーゴと、嫁を自称するエルフの弟子・ルミアの日々を描く物語。フィーゴの元を訪れる様々な客たちと、ぐいぐいアプローチするけど訳ありっぽいルミア、二人に絡む彼女に仕えるマグネやフィーゴの幼馴染・セレス。ドタバタ劇めいた展開をびしっと締める最高職人・フィーゴの存在と、だんだんクローズアップされてゆくルミアの謎が効いていて、そのあり方を問われたルミアの覚悟はなかなか良かったですが、回収されない伏線に気になる結末と、これ続刊に期待して良いんですよね?
読了日:04月11日 著者:松山 剛
友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)感想
青春の一切を非効率とする俺・大星明照が目指す伯父の会社への就職。ウザい親友の妹・彩羽に絡まれつつ、就職の条件として提示された幼馴染従妹・真白の偽彼氏役に挑む青春ラブコメディ。学校では存在感皆無の生活を送る明照と、彼に絡み部屋に入り浸る親友の妹・彩羽、最悪の再会から険悪な雰囲気の真白。親友を含めた周囲の登場人物にはそれぞれ抱える事情があって、陰キャラに甘んじる明照が仲間のためなら頑張る姿を見ると、彼らに慕われているのも納得ですね。気になる関係に投げ込まれた波紋で物語がどう動くのか、今後に期待大の新シリーズ。
読了日:04月11日 著者:三河ごーすと
獣に道は選べない (新潮文庫nex)獣に道は選べない (新潮文庫nex)感想
実は化け狸で任侠団体の組長の娘だった椿と一緒にいるため、新米任侠になるしかなかった化け猫の千歳。人間関係に悩み生き方に迷い、時に悪意に翻弄されながらも自分の歩む道を思い定めてゆく第二弾。椿と一緒にいるための選択がこれで良かったのか、思い悩むうちに彼女とぎくしゃくしてしまう千歳。相棒の諏訪の気になる人との仲を取り持とうとして、逆にトラブルに巻き込まれてゆく展開でしたけど、お人好しな千歳のありようは変わっていなくて、何だかんだでいい感じのところに落ち着きましたかね。諏訪ともいい相棒になりそうでまた続巻に期待。
読了日:04月12日 著者:Minoru,額賀 澪 
ビストロ三軒亭の美味なる秘密 (角川文庫)ビストロ三軒亭の美味なる秘密 (角川文庫)感想
ビストロ三軒亭で本格的にギャルソンの道を歩き始めた隆一に別の有名店で修行するチャンスが舞い込み、新たな悩みにぶつかる第二弾。結婚を考える恋人の嘘に悩む男性、自宅前に次々と置かれる奇妙な贈り物を怖がる女性、倒れた隆一の役者時代の先輩が残した謎の言葉。今回も訪れた客がもたらす謎を解決しつつ、別の場所で修行するチャンスや元いた店員が日本に戻ってきたり、昔の仲間に悩まされたりといろいろありましたけど、隆一も自分の方向性を見定めて、そして伊勢さんの彼女の彼女の件も良い方向に向かいそうで良かったです。また続巻に期待。
読了日:04月12日 著者:斎藤 千輪
ミネルヴァの梟は飛び立ちたい ~東雲理子は哲学で謎を解き明かす~ミネルヴァの梟は飛び立ちたい ~東雲理子は哲学で謎を解き明かす~感想
外部から城京大学大学院に進学した東雲理子。修士課程で哲学を専攻する彼女が、海外帰りの新指導教員・大道寺哲の助けを借りながら日常の謎に挑む哲学ライトミステリ。返却したはずなのに戻ってくる哲学辞典、ある日を境に姿を見せなくなった喫茶店の常連、休みのない古本屋の理由、何度待ち合わせをしても会えない友人、研究室に代々伝わる謎の掟など、身近で起こった謎を哲学を絡め解き明かしていくエピソードを八編収録。理子と父親の関係は気になりますが、大学で哲学を教える研究者である著者さんの文章は読みやすく書かれていて楽しめました。
読了日:04月13日 著者:草野 なつめ
八雲京語り 宮廷に雲雀舞いいづる (富士見L文庫)八雲京語り 宮廷に雲雀舞いいづる (富士見L文庫)感想
夫婦で帝位を目指す嫁き遅れの頭領娘・雲雀とお飾り少年東宮・鈴鳴。鈴鳴が渋る雲雀を説き伏せ「豊寿の舞」参加を決めた矢先に、勝利確実と目されていた鎬雨が何者かに襲われる第二弾。容疑者として捕らえられた雲雀の部下・有宗。雲雀たちが「豊寿の舞」で勝てなければ有宗を処刑するという中宮の非常な宣告。ただでさえ不利な厳しい勝負でしたけど、印象的なヒロインたちのありようや、周囲の助けも得て可能性を信じて立ち向かう中で活路を見出し、過程ですれ違いかけていた信頼関係を再構築していく二人の距離感にぐっと来ました。続巻に期待。 
読了日:04月14日 著者:羽根川 牧人
アラフォー・クライシス: 「不遇の世代」に迫る危機アラフォー・クライシス: 「不遇の世代」に迫る危機感想
NHKクローズアップ現代+「アラフォークライシス」取材班が氷河期世代の実態を仕事・結婚・介護など様々な角度から当事者たちへの取材を行い明らかにした一冊。就職期に大きな時代の変化や不況に直面し、当時の時代の意識と社会の現実が大きくかけ離れていた状況に初めてさらされた世代。当事者たちの声は他人事ではなくて、根深く自己責任というほど単純なものでもなくて、様々なリスクを内包する状況をこれからどうすべきか、様々な取り組んでいる事例も紹介されていましたが「受援力」「防貧」という意識も重要なことなのかもしれないですね。
読了日:04月14日 著者:NHK「クローズアップ現代+」取材班
小説王 (小学館文庫)小説王 (小学館文庫)感想
華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆と、彼の作品がきっかけで文芸編集者になった俊太郎。経営状態から俊太郎の所属する文芸誌存続が危ぶまれる状況で、あえて勝負に出る二人の物語。「いつか一緒に仕事を」と思いながらも、具体化しないまま迎えてしまった苦境。出版業界の苦境を生々しく描く一方で、それでもどうにかできないか諦めずに活路を見出そうとし、それぞれの立場から何度もぶつかり合い、もがき苦しみながらも目をそらさずに真っ向から向き合って、いい作品を作り上げていく熱い思いは心に響くものがありました。 
読了日:04月15日 著者:早見 和真
レフトハンド・ブラザーフッドレフトハンド・ブラザーフッド感想
エイリアン・ハンド・シンドロームを患い、左手から交通事故で死んだ双子の兄・海斗の声が聞こえるようになった岳士。家出した先で運悪く殺人事件の容疑者となってしまった二人が、容疑を晴らすべく真犯人を探し始める物語。怪しいドラッグ「サファイヤ」を販売する半グレ集団、そて岳士が巡り合い二人がすれ違うきっかけとなってゆく彩夏。うかつな岳士と案外アバウトな海斗のコンビによる犯人探しの迷走っぷりには頭を抱えましたが、お互い複雑な想いを抱えぶつかり合う二人の葛藤と、何ともほろ苦かったその決着にはいろいろ考えてしまいました。
読了日:04月16日 著者:知念 実希人
響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編 (宝島社文庫)響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編 (宝島社文庫)感想
三年生となり新体制で始動した新・北宇治高校吹奏楽部。新しい一年生が入部してくる中、強豪・清良女子から転入してきた三年生のユーフォニアム奏者、黒江真由が入部する第十一弾。最終学年で悲願の「全国大会金賞」を目指し燃える麗奈と、様々な想いを抱く一年生、そして久美子を複雑な想いを抱かせる同じユーフォニアム奏者・真由の存在。新メンバーも加入して様々な思いが渦巻く部内の雰囲気に、それを取りまとめる部長の久美子は大変だなとつくづく思いましたけど、くすぶる火種を抱えたままの状況をどう乗り越えてゆくのか、続巻が楽しみです。
読了日:04月16日 著者:武田 綾乃
ガーリー・エアフォースXI (電撃文庫)ガーリー・エアフォースXI (電撃文庫)感想
ザイ殲滅への光明がアニマに大きな代償を強いるものと知ってしまう慧。納得できずにグリペンと仲違いしたまま決戦に挑む第十一弾。平行線なままのグリペンと慧、各国間の思惑を利害調整する中で迷走してゆく作戦。最後まで相変わらずだった慧には苦笑いでしたけど、遠回りしながらもきちんと向き合い仲間たちと共に戦った最終決戦は、ここまで物語を引っ張ったことを思えばややあっさりしていた感もありますが、二人で一緒に飛び戦う姿がとてもこの物語らしいと改めて感じました。本編はこれで完結のようですが、サイドストーリーも期待しています。
読了日:04月16日 著者:夏海 公司
忘却城 (創元推理文庫)忘却城 (創元推理文庫)感想
忘却城に眠る死者を呼び覚まし、蘇らせる術で発展した亀琲王国。過去の深い傷を抱えた青年儒艮は盲獄と呼ばれる牢で死霊術師の長・名付け師と出会い、幽冥祭で起きる事件を阻止すべく動き出す中華風ファンタジー。許嫁を殺された盲目の死霊術師の少女と、これまた訳ありの過去を持つ教師・儒艮の二つの視点から語られてゆく展開で、複雑な設定を作中でもう少し上手く説明できると良かったですが、スケールの大きな世界観や積み重ねていった伏線を最後で巧みにまとめあげてみせた結末には可能性を感じました。もう少し広がりを期待したい作品ですね。
読了日:04月17日 著者:鈴森 琴
弱キャラ友崎くん Lv.7 (ガガガ文庫)弱キャラ友崎くん Lv.7 (ガガガ文庫)感想
文化祭準備も佳境を迎え、演劇の脚本作りで登場人物と演者のイメージを近づけるため、友崎と菊池さんが葵の過去を取材する第七弾。みみみとのもどかしい距離感、菊池さんに協力しながら作り上げていく演劇の脚本、二人との関係に対する課題を友崎に提示する葵。取材で垣間見えた葵を演劇に投影してゆく菊池さんには、自分も変わろうとする強い決意があって、心揺れる友崎と彼女たちの繊細な描写を積み重ねていった今回はいつも以上に大きく動きましたけど、これは終わりではなく新たな始まりなんですよね。今後の展開に期待せずにはいられないです。
読了日:04月17日 著者:屋久 ユウキ
妹さえいればいい。 (12) (ガガガ文庫 ひ 4-12)妹さえいればいい。 (12) (ガガガ文庫 ひ 4-12)感想
主人公になることを諦めて、淡々と小説を書き続ける伊月。一方、那由多は小説を書くことをやめ部屋に引きこもり、そんな二人を春斗や京がどうにか立ち直らせようとする第十二弾。まず伊月の姿にはビックリしました(苦笑)別れた二人のその後は対照的で、そんなありようがそれはそれで彼ららしかったですけど、拗らせた二人を再び変えたきっかけが面白かったですね。アシュリーさんのツンデレエピソードだったり、丁寧に積み重ねていった先に迎えた結末は王道で、ちょっぴり気になるところが残った今回からきちんと補足してくれるあたりが流石です。
読了日:04月17日 著者:平坂 読
後宮香妃物語 鳳凰の将軍と愛しき定め (角川ビーンズ文庫)後宮香妃物語 鳳凰の将軍と愛しき定め (角川ビーンズ文庫)感想
大将軍・我嵐の告白に戸惑う凛莉を待っていたのは、妃たちが対立し荒れる麗華宮。その不和は諸外国の国賓も招く国事・雅香会の準備に絡み宮廷へも広がってゆく第四弾。闇香士団の扇動によって対立が激化する後宮、嵌められて弾劾される宰相、混乱する中で進まない雅香会の準備。相変わらず危なっかしい凛莉の行動が流れを変えてゆく展開がいいのか悪いのか、何とも悩ましいところですね。意外な場所に潜んでいた黒幕の動きも気になるところですが、凛莉を妃に任命しておいて我嵐にどちらが射止めるか勝負とか言うのはありなんですか?煌翔(苦笑) 
読了日:04月18日 著者:伊藤 たつき
鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のもろもろ (集英社オレンジ文庫)鍵屋の隣の和菓子屋さん つつじ和菓子本舗のもろもろ (集英社オレンジ文庫)感想
和菓子職人として修業中の多喜次が、あまりの字の下手さに書道教室に通い始める第三弾。教室で出会ったアレルギー持ちの女の子でも食べられる和菓子ケーキ作りに挑戦したり、父親のために和菓子教室で作った練り切りに挑戦したい女の子を手伝ったり、あちこち首を突っ込んでは誰かのために奔走する多喜次と、それを温かく見守る祐雨子さんや支えてくれる周囲の人たちとの関係がいいですね。相変わらずのようでいて少しずつ着実に積み上げていたはずの二人の関係が、予想もしなかった急展開を迎えたのにはビックリですよ。続き早く読ませて下さいw 
読了日:04月18日 著者:梨沙,ねぎしきょうこ
王宮の凶鳥姫 (小学館文庫キャラブン!)王宮の凶鳥姫 (小学館文庫キャラブン!)感想
王朝が滅びる際に凶鳥が現れる国のひとつ焦。国王の第二公主として生まれて特殊能力を周囲に疎まれていた瑠蘭が、亡国の危機に神仙・鵬天の力を借りるべく彼が隠棲する漉冥山へ向かう中華風ファンタジー。二百年前と同様に青い炎で王宮を襲った蒼焔、国の一大事にも力を貸す気はない鵬天。世界観を考えると意外にこじんまりとした印象でしたけど、鵬天をもどかしく思いつつも自らの力と向き合い、民のために奔走する瑠蘭に鵬天も感化され、二百年前の真実も明らかになってゆく展開は良かったですね。今後各国の物語へ世界が広がっていくことを期待。
読了日:04月19日 著者:相内 藍
平安あや解き草紙 ~その姫、後宮にて天職を知る~ (集英社オレンジ文庫)平安あや解き草紙 ~その姫、後宮にて天職を知る~ (集英社オレンジ文庫)感想
東宮への入内話が立ち消えになり、婚期を逃したまま実家に居座っている左大臣の娘・藤原伊子。そんな彼女に今は亡き東宮の息子である今上帝が入内を希望してくる平安お仕事ミステリー。十年前に別れた恋人・嵩那との間にあった誤解、そして伊子が初恋の人だったという今上帝という何とも複雑な距離感の関係も交えつつ、帝の熱烈な要請によって尚侍として入った年相応にこなれた感のある伊予が好みで、嵩那とも協力しながら後宮で起こる事件を解決してゆく展開は面白かったです。恋の行方も気になるその後のお話がまた読めたらいいなと思いました。 
読了日:04月19日 著者:小田 菜摘
ラストラウンド・アーサーズ3 雪の少女とアーサー殺しの王 (ファンタジア文庫)ラストラウンド・アーサーズ3 雪の少女とアーサー殺しの王 (ファンタジア文庫)感想
魔人化の知られざる一面を知った凜太朗。正義を語るアーサー王候補によって、倒れた瑠奈と奪われた居場所を取り戻すため、凜太朗は真なる力を手に入れる第三弾。今回は苦境に陥ったところをモルガンに扇動されたゲスいアーサー王候補・片山に襲撃され、絶望的な厳しい戦いでそれぞれが意地を見せる熱い展開でしたけど、それにしても凜太朗は美味しいところを持っていきますね(苦笑)今後に向けてキーマンとなっていきそうなヒロインたちそれぞれの背景も徐々に明らかになってきて、彼女たちがこれからどう物語に絡んでくるのか続巻が楽しみですね。
読了日:04月20日 著者:羊太郎
撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろII ―弾丸魔法とゴースト・プログラム― (ファンタジア文庫)撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろII ―弾丸魔法とゴースト・プログラム― (ファンタジア文庫)感想
銀弾でも覆せない戦況の悪化に焦燥を募らせ、エアと仲違いするレイン。第二世代エクセリアの輸送任務中、交戦により雪山で孤立したレインたちが敵国の亡霊デッドリムと出会う第二弾。冷静さを失っていたレインが招いた雪山での遭難。生き延びるために敵国の亡霊デッドリムたちと協力しての脱出行。デッドリムたちとの出会いを通じて、亡霊についていろいろ語り合えたことはレインに多くの気付きを与えて、二人の関係性がどう変わってゆくか注目ですね。切り替わった世界での急展開の理由も気になりますが、出番が少なかったアスリーの奮起にも期待。
読了日:04月20日 著者:上川 景
妖怪解析官・神代宇路子の追跡 人魚は嘘を云うものだ (メディアワークス文庫)妖怪解析官・神代宇路子の追跡 人魚は嘘を云うものだ (メディアワークス文庫)感想
鷹橋川で発見されたミイラ化した不思議な遺体。街の治安が急速に悪化してゆく中、圧力により捜査がたびたび頓挫する状況に、新米刑事の御堂陸が真相を解明するため美貌の科学者・神代宇路子の許へ押しかける物語。正義感が強く融通の利かない陸と、ミステリアスでスボラな宇路子のコンビが、協力しながら人魚をめぐる謎に迫る展開でしたが、民俗学と科学的視点を組み合わせて語られる見地はなかなか興味深く、二人もなかなかいいコンビっぷりでしたね。解決されないままの疑惑に宇路子の秘密も明らかになって、これは続刊に期待の新シリーズです。 
読了日:04月22日 著者:峰守 ひろかず
灰と幻想のグリムガル level.14+ 相変わらずではいられない (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.14+ 相変わらずではいられない (オーバーラップ文庫)感想
ハルヒロたちが他界パラノへと迷い込んでいた時、グリムガルで起きていたとてつもない異変。志半ばで死んだ見習い義勇兵・マナトの想いを綴ったエピソード、シホルとユメがそれぞれのギルドで出会った師匠たちとの交流や、旅を続けるランタの悪戦苦闘を描いた連作短編集で、特にこれまであまり描かれることのなかったマナトの心理描写はなかなか新鮮でした。自らに問いかけ続けるランタの姿には成長を感じましたけど、ランタがその後どうなったのか、あれから時間が経過してハルヒロたちの状況がどう変わったのか続巻が気になるエピソードでした。 
読了日:04月22日 著者:十文字青
華仙公主夜話 二 その麗人、後宮に嵐を招く (富士見L文庫)華仙公主夜話 二 その麗人、後宮に嵐を招く (富士見L文庫)感想
各地で宮女試験が始まる中、千州では義賊が街中の噂で招福赤猫が大流行。次期皇帝・紫旗の花嫁候補を巡る事件が勃発し、皇族と仙人の血を継ぐ華仙公主・明花が事件解決に乗り出す第二弾。宮女試験を巡る様々な因縁と義賊・赤猫をきっかけに悪化する治安。明らかになってゆく背後関係と、事件解決のため花嫁試験に潜入する明花。明花の周辺関係も徐々に明らかになってきて、紫旗を皇帝に就けるためにコンビを組む彼女と腹黒宰相・伯慶の絶妙な相棒感がとてもいい感じで好みです。紫旗と未来の皇后の出会いもあったりでまた続巻が読みたい作品ですね。
読了日:04月23日 著者:喜咲冬子
虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.2 (オーバーラップ文庫)虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.2 (オーバーラップ文庫)感想
虐殺スペックを持つ絶対的美少女・赤三月朝火の攻略本制作に巻き込まれ、彼女や黒花に振り回される日々を送る九木野瀬伊吹。そこにもうひとりの虐殺スペックの持ち主が加わる第二弾。傍目から見たら楽しい日々を送っているようにも見えなくもない伊吹たちの前に現れた、朝火とはライバル関係になるもうひとりの虐殺スペックの持ち主・歌ノ森夕緋。夕緋もかなりぶっ飛んだキャラですが、伊吹とは何とも複雑な過去を抱える関係で、伊吹がどのように決着をつけるのか、依然として謎も多い朝火の事情も絡めた今後の展開が俄然楽しみになってきました。 
読了日:04月23日 著者:蓮見景夏
隣に住む教え子と結婚したいのですが、どうしたらOKがもらえますか? 1 (オーバーラップ文庫)隣に住む教え子と結婚したいのですが、どうしたらOKがもらえますか? 1 (オーバーラップ文庫)感想
高校入学でひとり暮らしを始め、隣に住んでいる担任・御厨充希先生にいきなりプロポーズされた藤本千里。ウブでうっかりで無防備な彼女に振り回されっぱなしの年の差イチャラブラブコメディ。地味教師・干物女・超絶美女と様々な顔を持つ充希さんが千里を相手にぐいぐい攻める展開で、想いは溢れているけれど恋愛経験に乏しい彼女の空回りっぷりだったり、千里とクラスメイトの女の子が話しているだけでやきもきしたり、ベタな展開ながらも恋愛初心者同士な年の差カップルのドタバタ劇は楽しかったです。最後のエピローグがなかなか効いていました。
読了日:04月24日 著者:遠藤遼
神話伝説の英雄の異世界譚 12 (オーバーラップ文庫)神話伝説の英雄の異世界譚 12 (オーバーラップ文庫)感想
初代皇帝の遺骸を乗っ取りついに復活を果たした無貌王。精霊壁崩壊により大帝都へと迫る化物の軍勢と比呂が対峙し、リズはグランツ大帝国の混乱に乗じようとするヴァニル三国の対処に向かう第十二弾。ヴァニル三国との対決ではアウラがようやく軍神乙女らしい本領を発揮した今回でしたが、リズもひとつの因縁に決着をつけて、化物を率いる無貌王と比呂を巡る過去も明らかになって、かなり遠回りした感もありましたがいろいろな流れが繋がって、結末に向けた舞台も整いましたね。次巻で完結とのことですが、是非ともハッピーエンドでお願いしますよw
読了日:04月24日 著者:
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IV (電撃文庫)新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IV (電撃文庫)感想
港湾都市ラウズボーン。教会改革を使命とするコルの活躍が皮肉にも王国と教会の関係に緊張をもたらし、窮地に陥った彼の前にロレンスのかつての好敵手・女商人エーブが現れる第四弾。王国の権力を背景にした徴税人たちと教会側に立つ貿易商人組合の対立。戦争が不可避な状況に向かってゆく中でコルに協力を申し出てきたエーブ。見えていなかった事情が明らかになるたびに構図もガラリと変わって、二転三転する状況で百戦錬磨なエーブ相手に後手に回りましたが、ミューリと力を合わせてギリギリの状況から活路を見出してゆく展開は良かったですね。 
読了日:04月25日 著者:支倉 凍砂
きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫 こ 60-6)きみの世界に、青が鳴る (新潮文庫 こ 60-6)感想
魔女の座を巡り時任さんから魔法を託された安達と真辺、堀と七草。それぞれがコンビを組んで親の愛情に植える相原大地が幸せになる道を探ってゆく第六弾。階段島に住んでいる愛を失った大地の母・美絵、亡くなった父・三島と大地の交流。どこまでも真っ直ぐな真辺が絶望的な状況でも諦めずにいられる理由も、自分らしさを失わないために大切なものもたったひとつで、安達が魔女を目指した真意だったり、心揺れながらもワガママな魔女であろうとした決意した堀さん、そして覚悟を決めた七草たちがたどり着いたこの物語の結末はとても印象的でした。 
読了日:04月25日 著者:河野 裕
今、死ぬ夢を見ましたか (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)今、死ぬ夢を見ましたか (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
電車の中で、駅のホームから突き落とされて親友の五味淵と一緒に死ぬ夢を見た井瀬。彼が見た夢の内容を当て、同じ体験をしている女子高生・紗世と出会うタイムリミットサスペンス。同じように自らの死を回避すべく試行錯誤する紗世と彼女が憧れる先輩。刑務所から出所した井瀬を仕事に誘ってくれた五味淵と、井瀬を気にかける幼馴染の粕谷。テンポよく進む展開の中で誰を信じればいいのか、真相が明らかになるたびに物語の構図も変わってゆきますが、ありえたかもしれない可能性を思うと、その結末には何ともやるせないものを感じてしまいました。 
読了日:04月26日 著者:辻堂 ゆめ
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術12 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術12 (講談社ラノベ文庫)感想
討伐目標だったはずのコボルトと仲良くなってしまい、王国と対立してしまうディアブロたち。しかしゲルメド帝国が王国に宣戦布告し、事態が大きく動きだす第十二弾。シルヴィとホルンを救うために王都へ向かうディアブロたちと、帝国の主力である魔導機兵を操る少女たちの事情。帝国上層部のゲスっぷりが際立ちますが、関連ゲームの事情も絡んだりこの世界のありようが気になりましたが、大切な人たちを守るためのディアブロの覚悟がまた複雑な因縁に繋がっていきそうな何とも難しい状況で、この展開にどう決着をつけるのか続巻に期待ということで。
読了日:04月26日 著者:むらさき ゆきや
やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)感想
女性の【うたうたい】が歌の加護を男性にしか与えないため、女性の魔物狩りが見下される世界。街を守ってくれている女魔物狩りオルカたち三姉妹と、魂の歌を歌う少年レンのシンフォニックファンタジー。その歌と性格から周囲に慕われるレンと、彼が憧れるクール(に見えて実は不器用なだけ)なお姉さんのオルカ、そんな二人を見守るオルカの妹たち。不器用な二人の距離感も好みでしたが、災魔流を何とかしようとするレンの勇気、絶望的な戦いを繰り広げる三姉妹を救うために成し遂げた奇跡があって、そんな彼らの旅をまた読んでみたいと思いました。
読了日:04月26日 著者:藍月 要
鬼畜の僕はウサギ先輩に勝てない (HJ文庫)鬼畜の僕はウサギ先輩に勝てない (HJ文庫)感想
郷土史研究部とは名ばかりのシロ先輩の趣味を実践するだけの部活動に強引に入部させられたキタロー。今回は隠れキリシタンの郷として村興しを始めた村の取材に向かうウサギと鬼の青春怪異譚。振り回されると分かっていても彼女の笑顔と行動力に逆らえないキタローが一緒に向かった、隠れキリシタンに絡めた遺物を持つ村の取材。随所にシロ先輩の小動物めいた魅力が効いていた一方で、実はワケありな二人が解決した事件は意外と凄惨な結末でしたが、将来的に部員も増えそうな予感もあって、未だ謎も多い二人の怪しい部活動をまた読んでみたいですね。
読了日:04月26日 著者:三咲悠司
継母の連れ子が元カノだった2 たとえ恋人じゃなくたって (角川スニーカー文庫)継母の連れ子が元カノだった2 たとえ恋人じゃなくたって (角川スニーカー文庫)感想
両親の前では家族らしく振る舞うも、二人きりになると昔の思い出が蘇り、やっぱりお互いが気になる水斗と結女。そんな二人の前に趣味で水斗と意気投合する少女・いさなが現れる第二弾。GWのやり取りだったり、席替えで過去のすれ違いに気づいたり、相変わらずな二人の何ともな距離感にテンションが上りますが、だからこそひとつの転機となったいさな登場からの展開とその結末にはぐっと来るものがありました…。結女たちとも仲良くなったいさなの存在が二人の関係にどう効いてくるのか、幼馴染コンビも気になります。今後の展開にも期待大ですね。
読了日:04月27日 著者:紙城 境介
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました4 (角川スニーカー文庫)真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました4 (角川スニーカー文庫)感想
勇者パーティーから離脱したルーティを追い求め、辺境ゾルダンの遺跡に人類最強の英雄達が集結。ルーティを連れ戻そうとする賢者アレスと、妹の身を案じるレッドが遂に全面対決へと発展する第四弾。勇者であることを拒みルーティとして生きていくことを決意した少女と、それを応援するレッドたち。自らの野心の為に卑劣な策略を巡らせ手段を選ばなくなったアレス。もはや対決が不可避な状況で激突した二人の結末は仕方ないのかなとも思いましたけど、友人を得て役割から解放された彼女がこれからどういう人生を歩んでいくのか、今後の展開に期待。 
読了日:04月27日 著者:ざっぽん
噂の学園一美少女な先輩がモブの俺に惚れてるって、これなんのバグですか? (角川スニーカー文庫)噂の学園一美少女な先輩がモブの俺に惚れてるって、これなんのバグですか? (角川スニーカー文庫)感想
自らモブとして目立つことを避けていた高校生・鷹野祐と孤高を貫く学園一の美少女・衣川マトの邂逅。二人が遭遇するサーバーセキュリティ絡みの問題を解決してゆく青春小説。祐の幼馴染が絡む試験問題漏洩事件、学校で起きたサイバー攻撃事件、マトが学校を中退して渡米しようとする理由。タイトルの印象より大分サイバーセキュリティが存在感のある内容でしたが、ミステリアスな彼女に最初は戸惑っていた祐が、マトのことを知っていくうちにその心境も変わっていって、彼女もまた祐たちとの出会いから新たな一歩を踏み出してゆく素敵な物語でした。
読了日:04月27日 著者:瓜生聖
千億亡国 死の螺旋にあらがえ黒騎士 (角川スニーカー文庫)千億亡国 死の螺旋にあらがえ黒騎士 (角川スニーカー文庫)感想
帝国の侵略で滅亡寸前の小国クーファ。密かに王国が滅亡する度に時間が巻き戻る不思議な体験を繰り返し、救国の道筋を探っていた孤独な若き黒騎士ラシードと、彼を救うべく剣を振るう女騎士パルミラのファンタジー戦記。あらゆる方策を試して何度も失敗し、幾多の戦乱を経験して最強の力と最善の方策を見出したラシード。孤独な戦いを乗り越えてきた彼の苦悩と、突き放されても共に向き合おうとするパルミラが一緒に打開して乗り越えてゆく展開が良かったですね。物語としてひとつの転機を迎えたここからが様々な意味で本当の勝負な新シリーズです。
読了日:04月27日 著者:高橋 祐一
針子の乙女針子の乙女感想
前世の記憶を残したまま、技術貴族ヌイール家の子として転生したユイ。勘違いから針子との能力なしと判断されて邪魔者扱いされていた彼女が、ロダンと出会い人生に転機が訪れる異世界裁縫ファンタジー。地獄の日々から救ったロダンが気づいた精霊に愛される彼女の能力。ユイが前王に求婚される一方で、どうしようもないヌイール家の父や妹という分かりやすい構図でしたけど、テンポよく読ませる読みやすい文章と、人や環境に恵まれユイが幸せになってゆく展開はなかなか良かったです。とはいえちょっと頑張らないといけない状況のようで続巻に期待。
読了日:04月28日 著者:ゼロキ
ぼくたちは勉強ができない 非日常の例題集 (JUMP j BOOKS)ぼくたちは勉強ができない 非日常の例題集 (JUMP j BOOKS)感想
人気コミック「ぼくたちは勉強ができない」ノベライズ版。アンチエイジング薬で幼女化してしまった桐須先生の冒険、世界征服を目指す魔王・成幸と配下たちの顛末、胸が大きくなった文乃が実感した持てるものの悩み、忍者となった成幸と三人が桐須城へ侵入する四つの連作短編集。構成としては本編には直接絡まない形で描かれたエピソードで、たびたびネタにされる文乃がやや不憫な印象もありましたけど、全体としては原作キャラらしさが文章でも上手く再現されていて、いきいきとよく動く登場人物たちらしいお約束の展開を安心して楽しく読めました。
読了日:04月29日 著者:はむばね
はんぶんこの、おぼろくんはんぶんこの、おぼろくん感想
高校生になった小春が生まれて初めて恋をした隣の席のおぼろくん。体は男の子で心は女の子の彼のためにどうにかしようと奮闘する青春小説。隣の席なのに鏡越しに眺めるだけだったおぼろくん。偶然女装して歩くおぼろくんの姿を知ったことで始まった密かな交流と、想いを伝えられないまま募らせてゆく小春。小春の兄と小春の親友・鮎子の普通の恋が描かれる一方で、当たり前が優しくない世界にはどうにもならないこともあって、理解するのはなかなか簡単なことではないですが、乗り越えて再び向き合おうとする二人の関係を応援したいと思いました。 
読了日:04月30日 著者:犬飼鯛音
居酒屋ぼったくり〈6〉 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり〈6〉 (アルファポリス文庫)感想
ついにお付き合いすることになった美音と要。けれど要の出自を知っていて、自分とは釣り合わぬ恋になるのでは…という覚悟を持って接している美音が少し切ない。今回のエピソードの中で美音の過去の恋愛話や家族との過去話、要の周辺事情も明らかになってきて、本人同士の想いは確かにあってもいろいろ考え出すと思わぬすれ違いも起きそう。要がそこから一歩踏み出したことで転機につながればいいんですが。周辺への騒音問題やら商店街の書店話なんかもなかなか難しい問題ですけど、それより美音さん考えすぎないといいなと思わずにいられないです。
読了日:04月30日 著者:秋川 滝美

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