読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

5月に読んだ本 #読書メーターより

最近1ヶ月が早いですね…5月もそこそこ読めてはいましたが、書籍の方は先月ついに1日2冊ペースを切ってしまいましたorz とはいえシリーズ続巻も新作もわりと豊作だったのは確かで、面白い本を読めたという意味ではなかなか充実した1ヶ月だったといえそうです。例によってブログの文字数制限に余裕で引っかかるので、今月もコミックを除いた掲載です。いつかコミックも紹介する機会があったらいいなとは思っています。

 

5月の読書メーター
読んだ本の数:99
読んだページ数:24407
ナイス数:6521

君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)君と四度目の学園祭 (角川スニーカー文庫)感想
学園祭が間近に迫る高2の秋。連日大事故に繋がりかねないトラブルに見舞われ続けながら、なぜか幼馴染の少女・久遠に助けられていた結羽太。そんな折り久遠が学園祭で誰かに告白するという噂を聞く青春小説。そばにいるのが当たり前な久遠の想い人に気づけない結羽太。彼を死から救うためにやり直し続けてきた久遠に突きつけられる絶望。序盤展開の分かりづらさはやや気になりましたが、最後まで諦めない久遠の過去を知り、結羽太が失われかけていたものを取り戻しに行く展開は、報われないことも多い幼馴染ものとしてぐっと来るものがありました。
読了日:05月31日 著者:天音 マサキ
かりゆしブルー・ブルー 空と神様の八月 (角川スニーカー文庫)かりゆしブルー・ブルー 空と神様の八月 (角川スニーカー文庫)感想
いなり寿司しか食べられない呪いを祓うため神々の住む島・白結木島を訪れた高校生春秋。そんな彼が神様との縁を切ることで怪異を祓う花人の後継者の少女・空と出会い、怪異解決に挑む沖縄青春ファンタジー。天真爛漫でどこまでもフリーダムだけれど島想いな空たちに翻弄されながら、徐々に変わってゆく春秋の心境。師匠を亡くし未熟を自覚しつつも、事情を知って春秋のために呪いを解こうとする空の決意。のびやかな舞台で繰り広げられる物語の結末はちょっぴり切なくて、けれどそれを乗り越える爽快な読後感は著者さんらしい魅力に溢れていました。
読了日:05月31日 著者:カミツキレイニー
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 2 (HJ文庫)
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 2 (HJ文庫)感想
相変わらず不器用な共同生活を続けるザガンとネフィのもとに全身を鎧で覆った魔術師が襲撃してきたり、一方で伝説の聖騎士が赴任してきたことをきっかけに、聖騎士シャスティルに危機が訪れる第二弾。襲撃者だった竜の少女・フォルの悲しい過去。彼女を娘のような愛しい存在と思うようになっていく二人の、時折いい感じになりかけてはっと気づいて照れる甘い雰囲気。危うい立場だったシャスティルの危機も絡めつつ描かれたフォルと竜殺しの聖騎士の因縁の結末は、何かとてもこの作品らしい感じがしていいなと思えました。続巻もまた期待しています。
読了日:05月30日 著者:手島史詞
先生、原稿まだですか!  新米編集者、ベストセラーを作る (集英社オレンジ文庫)先生、原稿まだですか! 新米編集者、ベストセラーを作る (集英社オレンジ文庫)感想
念願かない百万書房に編集として入社した新入社員の平摘栞。大ヒットのデビュー作以降筆を止めていた憧れの作家や、ベテラン作家の新作を担当し編集業に奔走する物語。3年以内に100万部を超えるベストセラーを出せなければ、出版社を辞め見合いして結婚することを両親と約束して就職した栞。どうにか繋がりを持てた憧れの作家との意外な縁。「売れる本とは?」という難題。細部で首を傾げる箇所もありましたが、総じてテンポよく進むストーリーは読みやすく、奔走する栞の姿は素直に応援したいと思えました。続巻あるならまた読んでみたいです。
読了日:05月30日 著者:織川 制吾
ブラック企業に勤めております。 その線を越えてはならぬ (集英社オレンジ文庫)ブラック企業に勤めております。 その線を越えてはならぬ (集英社オレンジ文庫)感想
毎朝会う「青い自転車の君」林さんを心の支えにクセモノ社員ばかりのブラック企業・B社K支店で奮闘する日々を送る夏実。今回も支店内のトラブルに次々と巻き込まれる第二弾。次期支店長を巡る営業の争いや、契約のために彼女役をさせられたり、中途入社社員や支店長のトラブルに巻き込まれたりと今回もいろいろと大変でしたが、男性社員陣があまりにも残念な分だけ余計に夏実の責任感ある仕事ぶりが光りますね。入れ替わった支店長のダメっぷりは前途多難ですが、何だか期待感も出てきた林さんとの関係にもそろそろ進展を期待したいところです。
読了日:05月30日 著者:要 はる
(P[こ]4-6)あざみ野高校女子送球部! (ポプラ文庫ピュアフル)(P[こ]4-6)あざみ野高校女子送球部! (ポプラ文庫ピュアフル)感想
中学時代バスケ部での苦い経験から、もう二度とチーム競技はやらないと心に誓っていた端野凛。つい本気で臨んだ体力測定の記録からハンドボール部顧問成瀬にスカウトされる青春スポーツ小説。典型的なストイックアスリートの凛と凄まじいポテンシャルを持ちながら運動素人の智里。どんなにやられても凹まない絶望しない凛には苦笑いでしたが、好対照な二人を軸として、勝つために自らを追い込んでゆくハンドボール部のメンバーたちそれぞれの想いや葛藤も熱くて、スポーツ小説としてなかなか読み応えがありました。続編あるなら是非読みたいですね。
読了日:05月29日 著者:小瀬木 麻美
君に出会えた4%の奇跡 (双葉文庫)
君に出会えた4%の奇跡 (双葉文庫)感想
大好きな彼にプロポーズされ、結婚を控えて数年ぶりに京都に帰ってきた灯里。自宅の物置で高校生の時に作った小さな提灯を見つけた彼女が、そこに薄らとコウと書かれた跡を見つける物語。幸せを感じつつも思い出せない何かにもどかしさをずっと感じていた日々。そして自らが忘れていた高校時代の記憶。著者さんの前作同様ブルームーンを鍵とするお話でしたが、構図を複雑にしないよう配慮しながら京都の情景を繊細に描いていて、ほのかな切なさも伴うエピソードをひとつの物語としてまとめ上げてゆく結末には、良かったと思える安心感がありました。
読了日:05月29日 著者:広瀬 未衣
かぜまち美術館の謎便り (新潮文庫 も 40-1)かぜまち美術館の謎便り (新潮文庫 も 40-1)感想
美術館の館長として香瀬町に引っ越してきたカリスマ学芸員・佐久間とその娘のかえで。18年前の事件と町民に残るわだかまりを絵画を通じて佐久間が解いてゆく絵画ミステリー。真相を示唆する絵画を佐久間が解釈して周囲の人々に強く残る過去のわだかまりの誤解を解き、それが18年前の事件の真相ともリンクして全てが繋がってゆく展開。癒やしとなる佐久間とかえで親子のほのぼのとしたやりとりや、救いを見いだせる各エピソードの余韻がとても良かったからこそ、思い出してゆく過去のほのかな想いの結末には少しばかり切ない気持ちになりました。
読了日:05月29日 著者:森 晶麿
おまえのすべてが燃え上がる (新潮文庫 た 111-3 nex)おまえのすべてが燃え上がる (新潮文庫 た 111-3 nex)感想
愛人生活がバレてスポーツジムのアルバイトの給料では生活費すら賄えず、貢がれたブランド品を売って何とか暮らす信濃の元に、弟が元恋人を連れて訪ねてくる物語。冒頭から包丁を持った愛人の妻に殺されかけててギョッとしましたが、どん底信濃の生活っぷりや、同じようにどん底で過去に二度も絶交した因縁の相手・醍醐との気まずい再会、意味不明の意気投合から自己嫌悪する流れはうわあと思いつつもぐいぐい読ませますね。相変わらず波乱万丈な二人にそんなに簡単には変わらないよなと思いつつもその悪くないと思える結末には救いを感じました。
読了日:05月27日 著者:竹宮 ゆゆこ
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 2 (ファミ通文庫)佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 2 (ファミ通文庫)感想
GWも明けて学校でも容赦なく距離を詰めてくる佐伯さんと、僕の動向に目を光らせる雀さんへの対応に追われる日々に変化が訪れる第二弾。一見相変わらずなようでいて、少しずつ変わってゆく二人の同棲性活。宝龍さんが佐伯さんを挑発しはじめたり、佐伯さんに言い寄る同級生、さらには佐伯さん父も登場したりと、次々と起こる出来事に巻き込まれてゆく二人の距離感やドタバタする様子がとても楽しかったです。クールでつれない弓月くんも大事な時にはビシっとカッコ良くて、一応ちゃんと考えてたんだなと納得(苦笑)続き出るならまた読みたいです。
読了日:05月26日 著者:九曜
兼業作家、八乙女累は充実している (メディアワークス文庫)兼業作家、八乙女累は充実している (メディアワークス文庫)感想
突然の婚約破棄に昇進取り消し。順風満帆からまさかの人生のどん底に陥った大手通信会社営業・八乙女累が一念発起して書いた小説で小説新人賞を受賞し兼業作家デビューを果たすお仕事小説。ヤケを起こし迷走した果てに原点回帰して挑戦した小説新人賞。厳しいダメ出しをする鬼編集と組むことになり、仕事の方も大変なことばかりで厳しいと思いましたが、きちんと見据えて頑張ってみれば見えることもあるし助けてくれる人もいるんですよね。どうにか兼業作家のスタートラインに立てた今回、周囲との人間関係も気になりますし続巻を読んでみたいです。
読了日:05月26日 著者:夏海 公司
時をめぐる少女 (メディアワークス文庫)時をめぐる少女 (メディアワークス文庫)感想
未来や過去の自分に逢えるらしい並木道の奥にある小さな広場。九歳の葉子が恋人と婚約したばかりの将来の自分自身と出会う物語。離婚して一人葉子を育てる母親との衝突、繰り返す転校と親友との出会い、上手くいかない就活と大切な人との出会い、そして不安が押し寄せる結婚。自分の選択に自信を持てないがゆえに何かあるたびにこれでいいのか深く悩む葉子でしたけど、そこで一歩を踏み出すことでかけがえのない出会いがあって、それらが巡り巡って最初に背中を押してくれた未来の自分に繋がってゆく穏やかな結末は、とても素敵なものに思えました。
読了日:05月26日 著者:天沢 夏月
クロニクル・レギオン 6 (ダッシュエックス文庫)クロニクル・レギオン 6 (ダッシュエックス文庫)感想
照姫と平将門の暴走で混乱を極める皇都東京。志緒理や征継たちも東京入りして決戦を控える中、遠征から突如出奔したローマ帝国の将軍・衛青が皇城を制圧、実権を握ってしまう第六弾。合間に節操なく真剣な様子で次々と女性陣を口説いき落としてゆく征継には苦笑いしましたけど、衛青が照姫と平将門たちを掌握してみせた転機と、新たな復活者お披露目のローマ帝国大英帝国の戦いも並行する熱い展開で、二転三転する中でそれぞれが見せた覚悟と、巧みに新展開に繋げてゆくあたりは流石ですね。次なる戦いがどのようなものになるか続巻が楽しみです。
読了日:05月25日 著者:丈月 城
わが家は祇園の拝み屋さん5 桜月夜と梅花の夢 (角川文庫)わが家は祇園の拝み屋さん5 桜月夜と梅花の夢 (角川文庫)感想
突如不思議な力を失って、澪人との関係もぎくしゃくしたままで落ち込む小春。そんな中モデルとして活躍する澪人の姉・杏奈のスキャンダル報道が流れ、澪人の兄の和人から賀茂家に招かれる第五弾。親しい存在だったからこそ余計にどうしていいか分からなくなる小春にとってなかなか厳しい展開でしたけど、明らかにされていく事実があって、誤解だったのかと感じることもあって、まだ絡んだ糸は解けていなくとも少し光明は見えてきたのかなと。もうひと波乱ありそうですが、それがいい方向に転じるきっかけになるといいですね。続巻も期待しています。
読了日:05月25日 著者:望月 麻衣
勇者のパーティで、僕だけ二軍!? (ファンタジア文庫)勇者のパーティで、僕だけ二軍!? (ファンタジア文庫)感想
魔王討伐のため勇者が率いる最強パーティに、炊事・洗濯さらには買い出しを極めた選ばれし雑用・ロキ。パーティで唯一の二軍である彼が一軍を夢見て奮闘する物語。勇者は圧倒的強さを持ってはいてもどうしようもなくクズで、ロキやメンバーは彼の気まぐれな決定に振り回される日々。一軍目指し奮闘するロキでしたけど、一方で苦境に陥るメンバーのことは放っておけなくて、勇者以外とのメンバーとは絆めいたものが生まれてゆくのかなと。メンバー間の不器用な距離感とか、こういうお話は個人的にわりと好きなんですけど難しいんでしょうね、うーん。
読了日:05月25日 著者:布施 瓢箪
世界の終わりの世界録<アンコール>10 再来の英勇 (MF文庫J)世界の終わりの世界録<アンコール>10 再来の英勇 (MF文庫J)感想
神性都市に突入したレンを待ち受けていた三起源との対決。そして自らが成すべき世界の災厄『真精』の打倒のために都市の中枢部に進む第十弾。分断されてしまった仲間たちがそれぞれ立ち向かう三起源との対決とその顛末。そして再集結した仲間たちと挑む世界の災厄『真精』との最終決戦。三大姫にとって相性が最悪な強敵を相手に、それでも彼女たち仲間と力を合わせての最後まで諦めないその戦いぶりとその決着、そしてエピローグにもまたこの作品らしさがよく出ていて爽やかな読後感の完結でした。いろいろ予定がある今後の作品にも期待しています。
読了日:05月24日 著者:細音 啓
小説 夜明け告げるルーのうた小説 夜明け告げるルーのうた感想
さびれた田舎町に住む内向的な少年・カイが人魚の少女ルーと出会い、自分の「好き」と向き合ってちいさな世界を変えていく映画のノベライズ。親の離婚によって東京から父の田舎に引っ越し狭い世界に馴染めずにいたカイ。彼が不思議な人魚の女の子・ルーと出会ったことをきっかけに、時には悩みながらも自分がどうしたいのか、うまくいっていなかった家族関係や友人関係にもきちんと向き合うようになってゆく王道展開でしたけど、皆で難局を乗り越えていい感じにまとまった爽やかな読後感でした。映画で見るとよく映える類のお話かもしれないですね。
読了日:05月24日 著者:三萩 せんや
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか12 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか12 (GA文庫)感想
再びベルがランクアップしたことでファミリアのランクも上がり、ギルドから義務としての強制任務として遠征の指令が下って、近い派閥連合で下層域に挑むことになる第十二弾。少し気になるエイナさんたちのベルに対する心境の変化。彼女らに否が応でも意識させてしまう具体的な目標を見出したベルの急成長。強化種の進化は気になる要素でしたが、一方でベルだけでなくファミリアの面々も今回の遠征で転機に繋がるような確実な成長を見せてくれて頼もしかったです。最後の意外な事件発覚が微かな不安を感じさせるものの、今後の展開が楽しみですね。
読了日:05月23日 著者:大森 藤ノ
時をかける眼鏡 華燭の典と妖精の涙 (集英社オレンジ文庫)時をかける眼鏡 華燭の典と妖精の涙 (集英社オレンジ文庫)感想
かつての宗主国アングレからジョアンとヴィクトリアの結婚を認めないとの通告が入り、アングレ特使から伝説の宝物「妖精の涙」を要求される第五弾。まあ対面丸つぶれのアングレ王からしたら何がしかの抗議は…という流れで、アスマも召喚されたマーキスでの生活について当初からいろいろ心境も変わってきたのかなと感じますね。しかし伝説の「妖精の涙」の正体にはちょっと苦笑いでしたけど、それもまた信心深い時代ならと納得。ただ後日談として描かれたロデリックが難局を乗り切ったハイライトはもっと描写があると良かったですかね。続巻に期待。
読了日:05月23日 著者:椹野 道流
憧れの作家は人間じゃありませんでした (角川文庫)憧れの作家は人間じゃありませんでした (角川文庫)感想
紆余曲折の末に憧れの作家・御崎禅の担当となった文芸編集者2年目の瀬名あさひ。実は吸血鬼で人外の存在が起こした事件について警察に協力している御崎に原稿を書いてもらうため事件解決にも奮闘する物語。映画好きで意気投合した作家・御崎の意外な正体。最初は困惑するものの映画好きで意気投合しファンでもある御崎の事情を知ることになって、原稿を書いてもらうためにと奮闘するあさひの行動力が物語を引っ張っていた印象。読みやすい語り口でいい感じに物語を引き締めていた刑事の夏樹にも好感。もし続巻あるようならまた読んでみたいですね。
読了日:05月22日 著者:澤村 御影
君の膵臓をたべたい (双葉文庫)君の膵臓をたべたい (双葉文庫)感想
ある日病院で一冊の文庫本「共病文庫」を拾った高校生の僕が、それを密かに綴っていた膵臓の病気により余命がいくばくもないクラスメイト・山内桜良と出会う物語。ぼっちな僕相手にずけずけと距離を縮めてくる彼女。困惑しつつも彼女と共に過ごす時間がどんどん増えていき、その影響を受けて変わっていく僕。何とも形容し難い二人の繊細な関係と距離感のとても甘酸っぱい恋愛未満な感じが良かったです。何をもって報われたとするのか難しい結末でしたが、二人にとって出会って共に過ごした濃密な時間は、素敵なものだったんだなと改めて思えました。
読了日:05月21日 著者:住野 よる
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 (ファンタジア文庫)キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 (ファンタジア文庫)感想
永く続く帝国と魔女の国ネビュリス皇庁の戦場で帝国の最高戦力となった剣士イスカ、と皇庁最強とうたわれる氷の魔女姫アリスリーゼが出会う物語。戦場で戦うべき強敵として出会う二人の運命の出会いというわりとよくあるテーマで、待ち合わせもしてないのに中立都市で遭遇し過ぎな感はありましたけど、ベタな甘いラブロマンスを重ねつつ、宿敵の二人が一時的に共闘する展開はとても自分好みでした。両陣営とも首脳陣がアレなので二人の関係が今後どういう方向に向かうのか気になりますね。続巻が楽しみですけど最後は上手くまとまると信じてますよ?
読了日:05月20日 著者:細音 啓
追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ2 (ファンタジア文庫)追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ2 (ファンタジア文庫)感想
風間ハルカと再会できた篠山マサキ。平穏な時間を取り戻したと思ったら、今度は携帯に奇妙なメールが届き始める第二弾。きれいにまとまった前巻からどう続けるのか気になった二巻目でしたが、未来を予知するかのようなメールをアクセントに、マサキが知る彼女とは少し変わりつつも面倒可愛いハルカとの関係や、幼馴染ユミとリカのエピソードも絡めつつ、謎のメールをうまく活かし分岐点でうまくフォローして事態を収拾していくマサキの行動力が効いていて面白かったです。しかし最後の思わぬ展開が何をもたらすのか、続巻が楽しみになってきました。
読了日:05月20日 著者:田辺 屋敷
契約結婚はじめました。 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)契約結婚はじめました。 ~椿屋敷の偽夫婦~ (集英社オレンジ文庫)感想
椿屋敷で若くして隠居暮らしの柊一と契約結婚した香澄。町の相談役・柊一の元に近所から相談が持ち込まれるわけありな人々の物語。築六十年の椿屋敷という珍しい視点から綴られる穏やかで物事がよく見えるのになぜか人の機微には少し疎い柊一と、よく働き一緒に過ごすうちに柊一のことが気になってゆく可愛い香澄の関係。二人の穏やかな日常が周囲の関与により詮索しないはずの過去に触れ少しずつ変わってゆく展開は、二人が本当の夫婦に近づいてゆく過程をいろいろと楽しめそうですね。周りのキャラも魅力的でこれは続巻に期待大の新シリーズです。
読了日:05月20日 著者:白川 紺子
あとは野となれ大和撫子あとは野となれ大和撫子感想
ソビエト時代末期に建国された中央アジアの小国アラルスタン。様々な理由で居場所を無くし後宮で高等教育を受けていた少女たちが、国の危機に居場所を守るため逃亡した男たちに代わり臨時政府を立ち上げ奮闘する物語。保護者だった大統領の暗殺で日本人少女のナツキも後宮の若い衆のリーダーであるアイシャや仲間たちとともに、反政府組織の侵攻や周辺国の干渉に立ち向かう展開は、ギリギリの連続でもそこまでの悲壮感はなくて、周囲も巻き込みながら若いパワーで最後まで駆け抜け最後は認めさせてしまう素敵な物語でした。なかなか面白かったです。
読了日:05月19日 著者:宮内 悠介
ジャナ研の憂鬱な事件簿 (ガガガ文庫)ジャナ研の憂鬱な事件簿 (ガガガ文庫)感想
訳あって親友以外の他人との接触を断ち、部員が自分だけのジャーナリズム研究会に属する高校2年生の啓介。しかしうっかり美人な先輩の白鳥真冬の抱える謎を解いたことをきっかけに様々な事件やトラブルに巻き込まれてゆく日常系ミステリ。真冬のジャナ研入部により少しずつ変化し広がってゆく啓介の世界。彼が親友の大地や良太郎の協力も得ながら解いてゆく謎の真相。当事者にとってはほろ苦い結末であることが多かった一方で、それが停滞から前に進むための転機にも繋がっていて、続巻が出るようならまた読んでみたいと思わせるものがありました。
読了日:05月19日 著者:酒井田 寛太郎
漂海のレクキール (ガガガ文庫)漂海のレクキール (ガガガ文庫)感想
万能の源エルが消失し陸地のほとんどが水没した世界。唯一の陸地リエスを治める聖王家を追われた少女サリューと、陸地を追われた人々の船団国家にも属さない船乗り・カーシュが出会う物語。サリューを救い依頼を手伝うことになった船長・カーシュたち。共に過ごすうちに絆が育まれ、彼女の抱える秘密を知ったことで彼らも巻き込まれてゆく王道展開でしたが、諦めずに船団国家相手の駆け引きで協力を引き出し、救出に向かう彼らの戦いはなかなか痛快でした。すっきりとした結末でしたけど、新天地に向かう旅の続編があるならまた読んでみたいですね。
読了日:05月18日 著者:秋目 人
妹さえいればいい。 7 (ガガガ文庫 ひ 4-7)妹さえいればいい。 7 (ガガガ文庫 ひ 4-7)感想
ついに付き合うことになった伊月と那由多。ますますリア充真っ盛りとなる2人の交際をきっかけに、千尋、京、春斗、何故か大野アシュリーにも心境の変化が訪れる第七弾。二人のお付き合いは初々しい距離感どころか突き抜けてて大丈夫なんですか?これ(苦笑)春斗や千尋あたりの動向も気になるところでしたけど、大野アシュリーと海津、そして関ヶ原幽を巡る切ないエピソードに、実際に読んでない人の悪意すら可視化されるようになった今は作家さんにはなかなか厳しい時代だなあとしんみり。みんな幸せになって欲しいものですね。続巻に期待です。
読了日:05月18日 著者:平坂 読
やがて恋するヴィヴィ・レイン 3 (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン 3 (ガガガ文庫)感想
ウルキオラ暴動から三年。ジェミニらと共に帝国最強の独立混成連隊として勇名を馳せていたルカがヴラドレン皇太子と出会い、皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれてゆく第三巻。共闘してきた二人にとって転機となったドル・ドラム戦役とヴラドレン皇太子との出会い。それぞれルカに言えない秘密を抱え、切ない嘘をつき続けるアステルとミズキ。ヴラドレンもまた面白いお人で、二人のありようからしたら不可避の結末だったとも思いますが、それが巡り巡って何とも皮肉な展開になってきましたね。またまた盛り上がってきましたし早く続きが読みたいです。
読了日:05月18日 著者:犬村 小六
神様は少々私に手厳しい 2 (プライムノベルス)神様は少々私に手厳しい 2 (プライムノベルス)感想
十年ぶりに降り立った異世界で敵国に飛ばされながら、何とかルーナと再開できたカズキ。けれど黒曜という肩書の為に命を狙われてしまい陰謀に巻き込まれてゆく第二弾。優しさゆえに囮となって囚われの身になってしまうカズキでしたけど、丁重に扱おうとしてるのに何度も空回りして傷を増やしてゆくカズキと、彼女のためならいくらでも無茶してくるルーナはやっぱりお似合いな気がしてきました(振り回される周囲はいろいろ大変そうですがw)近いのに依然として遠い現状がどうなってゆくのか、また大きな騒動に繋がりそうで続巻に期待ということで。
読了日:05月17日 著者:守野 伊音
重版未定重版未定感想
弱小出版社に勤務する編集者が主人公のリアルすぎる出版業界マンガ。ウェブの人気連載の単行本化とのことですが、刊行点数がたくさんある大きなところだけが出版社というわけではないわけで、毎回ギリギリの編集業務やついでにこなす書店営業、世知辛い販促企画や取次対応など、小さい出版社だとリアルでもいかにもそういうこともあるんだろうなとか容易に想像できてしまう、そんな出版社あるあるがたくさんつまっていました。専門用語や俗語にも適宜解説が付いていて読みやすかったですし、続刊決まっているようなので出たらまた読んでみたいです。
読了日:05月17日 著者:川崎昌平
黒猫王子の喫茶店 お客様は猫様です (角川文庫)黒猫王子の喫茶店 お客様は猫様です (角川文庫)感想
小江戸川越を舞台にリストラされて崖っぷち女子の胡桃が、猫を助けた縁から西欧風の喫茶店で働くことになる物語。出版社の派遣をリストラされ就職活動も連敗続きの胡桃。そんな胡桃が助けた人の姿になれる猫・ポウと一緒に始めることになった喫茶店。コーヒーが美味いとか以前に猫を相手にする喫茶店で経営大丈夫なのかと心配したりもしましたが、お人好しな胡桃が様々な事件に首を突っ込むたびに周囲に猫が増えて、落ち着くべきところに落ち着いたんですかね。続きもありそうな雰囲気でしたが、これから物語がどこに向かうのか気になるところです。
読了日:05月16日 著者:高橋 由太
続・ヒーローズ(株)!!! (メディアワークス文庫)続・ヒーローズ(株)!!! (メディアワークス文庫)感想
周りの社員に比べて普通であることに悩みつつも、ヒーローズ(株)で仕事に奮闘する毎日を送る修司や、同僚たちのエピソードも綴られてゆく第二弾。今回は家族との関係にテーマを当てつつ、関係者たちの背景やエピソードも盛り込まれたお話が多かったですが、彼らにもまたそれぞれに物語があっていろいろと考えてるんだなあとか、この会社に出会えたことが転機になった一方で、ほんの少しのすれ違いから生まれた切ない結末を挽回しようと頑張ったり、人の縁や繋がりを大事にするお話は読んでいて心に響きますね。続巻あったらまた読んでみたいです。
読了日:05月16日 著者:北川 恵海
窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きを (角川文庫)窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きを (角川文庫)感想
カネなし男なし才能なしで崖っぷちな29歳のタロット占い師・柏木美月。ある日ずば抜けた推理力を持つ美少女・愛莉を助けたことをきっかけに、占いユニット「ミス・マーシュ」を結成し人々の悩みに秘められた謎に挑むミステリ。お人好しで困った人を放っておけないお節介な美月と、人と関わるのが苦手だけれど数々の謎を解いてみせるツンデレな愛莉。訪れる人々の謎を解きながら、テンポのいい二人の凸凹コンビぶりや遠慮していた距離感もだんだんいい感じになっていく過程が良かったですね。まだまだ続きも期待できそうですし続巻に期待します。
読了日:05月15日 著者:斎藤 千輪
カロリーは引いてください! ~学食ガールと満腹男子~ (富士見L文庫)カロリーは引いてください! ~学食ガールと満腹男子~ (富士見L文庫)感想
大学の学食で働きながら、幼馴染・朝生くんと同じマンションに住んでご飯を作る契約をしている楓。体重を除けば完璧な朝生くんとのダイエットを巡る攻防と、身の回りで起こる謎を解くドタバタミステリ。痩せさせるべく日々工夫しながらご飯を作るのになかなか成果が出ない楓とたくさんご飯を食べたい朝生の探り合うような駆け引き、一方で身の回りで起こる謎に対して(デブだけど)無駄に多才な朝生が大活躍するギャップがなかなか面白かったです。そんな二人の何とも形容し難い関係も今後が気になったりで、続巻を是非期待したい新シリーズですね。
読了日:05月15日 著者:日向夏
浅草鬼嫁日記 二 あやかし夫婦は青春を謳歌する。 (富士見L文庫)浅草鬼嫁日記 二 あやかし夫婦は青春を謳歌する。 (富士見L文庫)感想
浅草あやかしの関わったり悩みを聞きながら、花火大会に学園祭にと、再び巡り合ったやり直し人生を謳歌する真紀たち。しかし彼女を狙う影や彼女の前世を知った陰陽局の面々も現れる第二弾。前世がバレた影響はあるものの、貧乏高校生活を満喫しまくりな彼女たちの信頼関係がとてもいいですね。パワフルでイベント満載な楽しい学園祭のハイライトは何か大切なものを失った由理子さん(苦笑)でもあまりにも幸せだからこそ一抹の不安を感じたりもするわけで、因縁の存在も登場しましたけど二人には今度こそ添い遂げて欲しいところ。次巻も楽しみです。
読了日:05月14日 著者:友麻碧
かくりよの宿飯 六 あやかしお宿に新米入ります。 (富士見L文庫)かくりよの宿飯 六 あやかしお宿に新米入ります。 (富士見L文庫)感想
南の地の呪いを晴らし凱旋した葵。天神屋の多忙な日々を過ごす中で新しいおみやげを考えたり秋祭りの準備をしたり、大旦那様から果物狩りのお誘いを受ける第六弾。相変わらず美味しいもの描写だらけの本作でしたけど、変わってゆく折尾屋との関係や同僚・春日の意外な発表、そして様々なところで実感する葵の天神屋内における評価と大旦那様への意識。これまでの積み重ねもあって、いろいろなことが変わってきたことを自覚しつつある葵の心境の変化には感慨深いものがありましたけど、だからこその急展開が気になります。続きが早く読みたいですね。
読了日:05月13日 著者:友麻碧
ゴブリンスレイヤー5 (GA文庫)ゴブリンスレイヤー5 (GA文庫)感想
剣の乙女よりゴブリン退治から消息を絶った令嬢剣士の捜索依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤー一行。何者かに統率されたゴブリンの巣くう古代の砦に挑む第五弾。令嬢剣士の一行は運が悪かったというか、いろいろ決断を誤ったというか...油断には情け容赦のない現実を突きつけるらしい展開で、ゴブリン側も知恵のある強者が現れたり状況も厳しくなってきていますが、一方で厳しい状況で仲間と信頼関係あっての作戦を立てたり、そんな変わりつつある自分を悪くないと思う彼と仲間、帰りを待つ彼女たちの今後がこれからも楽しみです。
読了日:05月12日 著者:蝸牛 くも
小説 寄宿学校のジュリエット (KCデラックス ラノベ文庫)小説 寄宿学校のジュリエット (KCデラックス ラノベ文庫)感想
対立する二つの国の生徒が集うダリア学園の寄宿学校。犬塚とペルシアが出会う東和国の少女・佳南と、ウェスト公国の少年・セルカが主人公のスピンオフ小説。密会の行動を疑われてしまい、それぞれ中等部の生徒と行動を共にすることになった犬塚とペルシア。そのやりとりの中で少しずつ明らかになってゆく佳南とセルカの出会いのエピソードとそれぞれの想い。犬塚とペルシアと同様に難しい立ち位置の二人でしたけど、それでもその想いは真っ直ぐで、本編にもこれから是非出てきてほしいキャラたちだと思いました。これはこれでなかなか良かったです。
読了日:05月12日 著者:望月 唯一
ぼんくら陰陽師の鬼嫁 二 (富士見L文庫)ぼんくら陰陽師の鬼嫁 二 (富士見L文庫)感想
怪奇事件がぼんくら陰陽師・北御門皇臥と契約結婚した女子大生の野崎芹。姑から、結婚のお披露目を迫られ、さらに友人からは悪霊に憑かれたという相談事が舞い込む第二弾。芹が尻を叩いて励ますような皇臥との関係も徐々にいい感じになってきたなーとか、お姑さんとの仁義なき戦いに苦笑いしましたが、少しずつ芹の居場所になりつつあるのを感じたところでの今回の事件。人の形も取れるような式神たちのありようにも個性があって、長い時を共に過ごしていたらそれは愛着も湧きますよね。まだまだこれからの夫婦関係も式神たちとの今後も楽しみです。
読了日:05月12日 著者:秋田 みやび
男爵の密偵 帝都宮内省秘録 (朝日文庫)男爵の密偵 帝都宮内省秘録 (朝日文庫)感想
華族たちのあらゆる醜聞が世間をさわがせていた昭和初期。表向きは料亭給仕で宮内省幹部・御園尾男爵の密偵という裏の顔を持つ藤巻虎弥太が、華族絡みの怪事件に巻き込まれてゆく帝都・昭和ロマンサスペンス。変わり者の蕗伯爵家にもぐりこみ若き次期当主を調べることになった虎弥太。あまり馴染みのない時代背景がわりと新鮮で、中国かぶれだけれど意外に物事がよく見えているひらひら若様と虎弥太の組み合わせは意外と面白く、二人でコンビを組んでも面白いかもと思いました。続編ありそうな感じなので、続きが出るようならまた読んでみたいです。
読了日:05月11日 著者:真堂 樹
終わる世界の片隅で、また君に恋をする (電撃文庫)終わる世界の片隅で、また君に恋をする (電撃文庫)感想
名前も周囲の人たちとの関係も、その存在すらも全てを忘れ去られてしまう忘却病。全ての人々の記憶が消えていくこの世界で、アキが桜良先輩と忘却病に罹った人の最後の望みを叶えてゆく物語。保健室登校の桜良先輩の発案で始まった『忘却病相談部』。同級生とデートしたり、後輩の家族として過ごしたり、親友を思い出したい先輩など、その願いに寄り添い手伝うアキ。忘れられてしまう、忘れてしまう残酷な現実に向き合うことで見え隠れする複雑な想いがとても切なかったですが、それでも大切な想いを取り戻したエピローグには少しだけ救われました。
読了日:05月11日 著者:五十嵐 雄策
はたらく魔王さま!17 (電撃文庫)はたらく魔王さま!17 (電撃文庫)感想
正社員登用試験に落ちてしまい、日本にやってきて以来ずっと掲げていた目標を失って落ち込む真奥。さらには最後の大魔王の遺産「アストラル・ジェム」の行方など問題も山積みの第十七弾。店長の木崎に異動命令が出たり、代々木周辺でワニのような悪魔と遭遇したりとかなりカオスな展開でしたけど、そんな中でも今回はこれまでの経緯を思うとなかなか感慨深い心境の変化が垣間見えたり、なるようになるもんだなあとしみじみ思いながら読んでたんですが、さすがにそんな感じのままでは終わらなかったですねー。急展開でどうなるか次巻が楽しみです。
読了日:05月10日 著者:和ヶ原 聡司
狼と香辛料XIX Spring LogII (電撃文庫)狼と香辛料XIX Spring LogII (電撃文庫)感想
コルとミューリが旅に出たことで湯屋が慢性的な人手不足に陥り、スヴェルネルの騒動で出会ったセリムを新たに雇う旅の続きの物語第二弾。雑誌掲載の短編3本に書き下ろし中編『狼と香辛料の記憶』を収録した短編集で、これまで二人が築いてきた少し何かあったくらいでは揺るがない信頼関係と以心伝心の距離感、幸せで満たされているがゆえにホロに忍び寄る不安。生きる時間の違いという避けて通れない問題に直面する難しさはありますが、きちんと向き合って考えようとする二人の想いが感慨深いですね。続編でどこまで書かれるのかも気になるところ。
読了日:05月10日 著者:支倉 凍砂
黄砂の籠城(下) (講談社文庫)黄砂の籠城(下) (講談社文庫)感想
先陣を切って漢人キリスト教徒を義和団から救出した日本。しかし西太后義和団に迎合して列強に宣戦布告を決断、援軍到着も見えないまま籠城戦を強いられる下巻。史実をベースとした20万人の義和団と清国軍を相手にした先の見えない難しい闘いでしたけど、そういう絶望的な状況でもできるだけ多くの人を救おうとする櫻井たちの奮闘が自分勝手な行動も多かった列強にも徐々に影響していって、あっさりめのエピローグはもう少しその後の描写があってもと感じましたものの、力を併せて籠城戦を最後までを戦い抜いたその様子はとても心に響きました。
読了日:05月09日 著者:松岡 圭祐
黄砂の籠城(上) (講談社文庫)黄砂の籠城(上) (講談社文庫)感想
外国人排斥を叫ぶ義和団勢力を増していた清朝末期の北京。暴徒化して教会を焼き討ち外国公使館区域を包囲する義和団を相手に、足並み揃わぬ列強11ヵ国を新任の駐在武官・柴五郎率いる日本が先導して壮絶な闘いに挑む物語。今回は実際にあった義和団の乱で活躍した日本人たちを主人公とした物語で、緊張が高まってゆく中でどのように事態が推移していったのか、そんなギリギリの状況で彼らがどう考え行動したのか。各人の思惑も入り乱れる困難な状況でしたけど、懸命に奔走して活路を見出そうとする姿には心に響くものがありました。後編も期待。
読了日:05月09日 著者:松岡 圭祐
([む]2-3)ショダチ! (ポプラ文庫)([む]2-3)ショダチ! (ポプラ文庫)感想
パズルが好きな貧弱高校生・慧一が、隻腕の剣士・龍心に連れていかれ「でこぼこ剣士会」なる剣道同好会に加入し、本当の強さに向き合っていく青春小説。好きだったのに弱くて周囲に迷惑をかけたくないという思いから剣道を辞めていた慧一。同好会のメンバーはひとくせあるメンバーばかりで、著者さんらしい切り口でそれぞれのエピソードを絡めつつ、悩みながらも逃げずにきちんと向き合い乗り越えようと奮闘する姿勢は好印象。その後登場人物たちがどうなったのか少し気になりましたが、成長して認められてゆく結末はなかなか悪くない読後感でした。
読了日:05月08日 著者:向井 湘吾
運転、見合わせ中 (実業之日本社文庫)運転、見合わせ中 (実業之日本社文庫)感想
朝のラッシュ時に電車が緊急停止。その影響を受けた大学生、フリーター、デザイナー、OL、そして緊急停止に関わっていた人たちのそれぞれのエピソードが綴られる連作短編集。登場人物たちが電車に乗れなかったこと、乗ったことが停滞していた転機に繋がったり、そうだったんだと気付かされたり、逆に人生なんてそうそう変わらないんだなあと思うことがあったり。何となくうまくいかない状況に直面していた彼らでしたけど、この緊急停止から派生したエピソードがまた前を向いて一歩踏み出せるきっかけになればいいなと応援したくなる物語でした。
読了日:05月06日 著者:畑野 智美
本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録本屋、はじめました―新刊書店Title開業の記録感想
リブロで店長などを歴任した著者が、これまでの仕事と「自分の店」の物件探し、店舗デザイン、カフェメニュー、イベント、ウェブ、棚づくりなどをどんな風に考えたのか記した一冊。独立して自分のお店持つのは確かに憧れではありますけど、ゼロからいろいろ考えてお店を形にしてゆくこと、そしてそれを続けていくのはなかなか大変だなと。やっぱりこういうお店を持つ人には積み重ねがあって自分が何をしたいのかをハッキリ持っていますね。誠光社店主の堀部さんとの対談などなるほどと思うところがありました。機会があったら一度行ってみたいです。
読了日:05月05日 著者:辻山 良雄
ダークナンバー (ハヤカワ・ミステリワールド)ダークナンバー (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
監視カメラ情報とプロファイリングで連続放火事件を追う警視庁刑事部分析捜査三係の渡瀬敦子。記者復帰を狙う東都放送報道局・版権デスクの土方玲衣。中学校時代の同級生二人が事件を追う報道×警察小説。消極的理由から警察官僚の道を選んだ敦子。野心を持って成り上がると決めた玲衣。似たような境遇ながら正反対の性格だった二人を掘り下げつつ、時に協力しながら執念で犯人に迫る展開は、情報が多くリーダビリティにやや難はあるものの、明らかになってゆく真実と解決に向けて加速していく面白さがあり、著者さんらしさを十分に堪能できました。
読了日:05月05日 著者:長沢樹
エプロン男子 今晩、出張シェフがうかがいます (集英社オレンジ文庫)エプロン男子 今晩、出張シェフがうかがいます (集英社オレンジ文庫)感想
激務の仕事はうまくいかず、恋人にもフラれたデザイナーの夏芽。心身ともにボロボロの彼女がイケメンシェフが自宅に来て料理を作ってくれる「エデン」を紹介される物語。やって来た海斗の作る食事と優しさに触れ立ち直るきっかけを得た夏芽が、次々と出会うメンバーたち。エデンを立ち上げた相馬と参加する男たちが抱える事情と料理に賭ける想い。それぞれのやり方で求められた人たちのために真摯に向き合う彼らの料理には癒されそうで、でも接触禁止で恋愛禁止な契約という縛りがなかなか興味深かったです。続巻あるならまた読んでみたいですね。
読了日:05月04日 著者:山本 瑤
自殺するには向かない季節 (講談社ラノベ文庫)自殺するには向かない季節 (講談社ラノベ文庫)感想
ある朝、同級生の雨宮翼が列車へ飛び込み自殺を図るのに関与してしまった永瀬。その自殺が忘れられない彼が友人の深井から過去に戻れるカプセルを手渡され、やり直すために過去へ遡る物語。最初は彼女に関わらないと決意したはずなのに、逆に雨宮に関わる機会が増えてしまう永瀬。そんな彼に改めて突きつけられる「蝶は羽ばたかない」という事実。それでも当事者の変えようとする意志によって変わることもあって、多くの人にとってはさほど変わらない、けれど確実に変わったその結末に、一抹のほろ苦さを感じながらもどこか救われる思いがしました。
読了日:05月03日 著者:海老名 龍人
これは経費で落ちません! 2 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! 2 ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)感想
周囲に与えた分以上のことは期待せずされず、イーブンでいたい経理部の森若沙名子が、周囲の人間関係を巡るトラブルに巻き込まれてゆく第二弾。営業部の太陽と外で会うようになったり、社内での人間関係に巻き込まれままならなくなってゆく沙名子の変化が描かれていた今回。難しい状況を自分なりに折り合いを付けるようになったり、ダメなものはダメとキッパリとダメ出したり、沙名子は少しずつではあってもいい意味で変わりつつある途上で、焦らない太陽だからこそ彼女といい関係を築けつつあるのかなと納得感。上手くいくといいなあと続巻に期待。
読了日:05月02日 著者:青木 祐子
京都西陣なごみ植物店 (PHP文芸文庫)京都西陣なごみ植物店 (PHP文芸文庫)感想
ある母娘から質問を受けて戸惑う京都府立植物園の新米職員の神苗健。そんな彼を救った「植物探偵」を名乗るなごみ植物店の店員・実菜と植物にまつわる様々な謎を解いてゆく連作ミステリ。著者さんらしい情緒ある京都の風物詩を絡めつつ、植物絡みの謎に挑む探究心旺盛でちょっと変わった実菜と、彼女から探偵助手に任命された神苗の二人はお互いを補い合うなかなかいいコンビっぷりで、彼らの奔走ですれ違いかけた人の想いが繋がったり、周囲も温かく見守る二人の距離感も今後が気になったりで、とても良かったので続編がまた読みたいと思いました。
読了日:05月02日 著者:仲町 六絵
明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業 (メディアワークス文庫)明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業 (メディアワークス文庫)感想
明治初期を舞台に書かれた記事が原因で友人が奉公先を追い出されたと新聞社に乗り込んできた少女・香澄が、妖怪にまつわる記事ばかり書く記者・久馬と友人・艶煙と共に人助けをするあやかし謎解き譚。新聞社に乗り込んだ香澄が知る記事が書かれた本当の事情。手伝いをするようになった香澄の心境の変化。普段はぐうたらな久馬がまっすぐなゆえに危なっかしいところもある香澄をきちんと助けたり、だんだんお互いを知ることで少しずつ変わってゆく二人の距離感がなかなか良かったですね。気になるコンビでしたし続きがあるならまた読んでみたいです。
読了日:05月02日 著者:さとみ桜
か「」く「」し「」ご「」と「か「」く「」し「」ご「」と「感想
みんなには隠している、ちょっとだけ特別なちから。なんの役にも立たないけれど、そのせいで最近気になって仕方ない。そんなクラスメイト5人のかくしごとがそれぞれの視点で描かれる連作短編集。それぞれ誰にも言えない秘密があって、抱えている想いがある。みんな頑張っているけど不器用だから勘違いして空回りして、傍から見てるともどかしいばかりなんですが、そこで思い切って一歩踏み出してみたらなあんだと思うようなことだったりで、そんな青春している5人が十年後どうなっているのかちょっと知りたくなるような、そんな素敵な物語でした。
読了日:05月01日 著者:住野 よる
世界、それはすべて君のせい (集英社オレンジ文庫)世界、それはすべて君のせい (集英社オレンジ文庫)感想
大学の映画サークルで監督を担当する貴希。ある日サークルに同じ語学クラスで性格が最悪の村瀬真葉が入部を希望し、彼女が書いた脚本で映画を撮ることになる青春小説。遺恨のある彼女が持ち込んだ認めるしかないその脚本と、一週間休んだ後に急変したかのように素直な彼女の態度に戸惑う貴希。これまでの経緯からだんだん距離が近づいてゆく彼女の存在も、どんどん惹かれてゆく自らの気持ちも素直に認められない貴希の不器用さがとても微笑ましくて、だからこそその結末をもう少し上手く描けたらとも感じましたけど、なかなか悪くない読後感でした。
読了日:05月01日 著者:くらゆい あゆ

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