今回は2月角川スニーカー文庫・講談社ラノベ文庫・HJ文庫・1月ファミ通文庫・GCノベルズ・KADOKAWA新文芸の新刊感想まとめ の新刊感想まとめです。内訳はファミ通文庫の新作2点、角川スニーカー文庫の新作2点、続巻2点、講談社ラノベ文庫の続巻1点、HJ文庫の新作2点、続巻2点、GCノベルズの新作1点、KADOKAWA新文芸の新作1点、続巻1点・新潮文庫nexの新作2点、続巻1点の計17点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
負け犬同士はぜぇぇぇぇぇったいに幸せにならなくちゃいけない! (ファミ通文庫)
としぞう/あろあ KADOKAWA 2026年01月30日頃
付き合って一ケ月で幼馴染・加恋の浮気現場を目撃してしまった綿貫天羽が、浮気相手の婚約者・真宮幸歌と疑似恋愛を始めるハートブレイクラブコメ。長年の片想いから晴れて恋人になった幼馴染の衝撃的な場面。現場に乱入し浮気相手の茨木宗一をぶん殴った幸歌。お互いパートナーとはできなかったことを一緒にしていくことで傷を癒そうと、彼女から提案されて始まった2人の疑似恋愛契約。ひたむきな努力家で人付き合いの経験に乏しい幸歌と、動揺しながらも彼女に向き合おうとする天羽の関係が初々しくて、その分婚約者である宗一のクズっぷりや幼馴染・加恋のヤバさが改めて浮き彫りになっていきましたが、少しずつ想いを積み重ねて、まだまだ足りないところがあっても一緒に補い合っていける2人のこれからを応援したくなりました。
超かぐや姫! (ファミ通文庫)
スタジオクロマト・スタジオコロリド/桐山 なると/うらたあさお KADOKAWA 2026年01月30日頃
東大合格を目指す限界多忙ハイスペ女子高生・酒寄彩葉が、七色に輝くゲーミング電柱から出てきた謎の赤ん坊を拾いトップアイドルを目指すNetflixアニメのノベライズ。母の呪縛に抵抗してギリギリの生活を続けていた彩葉が、うっかり拾ってしまった赤ん坊をかぐやと名付け、みるみるうちに急成長して彩葉のことが大好きなワガママ娘になっていく彼女に振り回されるうちに、なぜか仮想空間「ツクヨミ」でトップアイドルを目指すことになってしまうストーリーで、ヤチヨとのコラボを賭けてオニキスと熱い勝負を繰り広げる一方、かぐやとともにあり続けるために周囲の力も借りた総力戦もあって、やがて明らかにされていくかぐやを巡る諸々の背景はなかなか壮大でしたけど、紆余曲折の末に迎えるそれぞれが希望を見出だせした結末が印象的でした。
幼なじみは誘えばいつでもデキる関係 (角川スニーカー文庫)
鏡 遊/うなさか KADOKAWA 2026年01月30日
男子から絶大な人気の美少女・渡瀬真理亜とオタクな高校生の有馬駿太。かつて毎日一緒に遊んできた幼馴染2人が、席替えで隣になったのをきっかけに再び交流を始める青春ラブコメ。中学2年生の時の事件以来、幼馴染関係がすっかり疎遠になっていた真理亜が、駿太がオタ友の女子高生・如月と仲良くしているのに負けじと、再び交流を取り戻すべく動き出すストーリーで、幼馴染を理由にこれまでの関係を取り戻そうとどこか距離感がバグっている真理亜がぐいぐい来るのに戸惑いながら、目を逸らせずにだんだん一緒に過ごす時間が増えていく駿太という構図は、真理亜の母親たちもすっかり2人の関係を応援体制で、巻き込まれるもう1人のチョロい幼馴染・花音や、2人の幼馴染という関係に萌えるオタクの如月も絡めながら、再構築されていく幼馴染関係にドキドキさせられました。
ダンジョンラスボス左遷おじさん (角川スニーカー文庫)
ぎあまん/さなだ ケイスイ KADOKAWA 2026年01月30日
異世界転生でダンジョンを守るラスボスまで成長した元社畜の八瀬川次郎。しかし強くなりすぎてコスパの悪さから上司の女神にクビを宣告され元の世界に放逐される無双ファンタジー。何度も死に100年ダンジョンを守り続けた過酷なラスボス業から解放され、死んだ直後の世界に舞い戻った次郎が、ダンジョンで配信中の少女・天乃川ミミミを危機から救った結果「ダンジョンおじさん」として話題になるストーリーで、生活の糧を得る手段としてダンジョンコンビニを作って覚醒者をサポートし始める一方、政府と折り合いをつけながら自分の居場所を作っていった次郎が、暴走したダンジョンでかつての部下モンスターや、彼がいなくなって急速に力を失った因縁の女神とも決着を付けていく結末にはしっかりとオチがついていてなかなか面白かったです。
無限の魔術師2 魔力無しで平民の子と迫害された俺。実は無限の魔力持ち。 (角川スニーカー文庫)
レオナールD/ye_jji KADOKAWA 2026年01月30日
無限の魔力を駆使してヴィオラとプリムラを救い、2人の婚約者としてローズマリー家に迎えられたレスト。彼女らと共に王立学園に入学する第2弾。双子や騎士団長の娘ユーリや宰相の娘セレスティーヌと同じクラスになり、セレスティーヌの危機を救ったことで、傲岸な彼女の婚約者・第三王子ローデルや王太后派の陰謀に巻き込まれていくレスト。それでも規格外の強さで次々と襲い来る刺客を退け、遂には実力を買われ生徒会の一員となって上級生顔負けの圧倒的活躍を見せていくストーリーで、どうしようもないローデルのクズっぷりが際立つ中、魔猟祭で呼び出されて暴走する伝説の魔獣サブノックを相手でも、恐れず対峙して繰り広げた熱い共闘はなかなか良かったですし、大活躍でその力を見せつけたことで評価も変わっていきそうですね。
クズレス・オブリージュ5 18禁ゲー世界のクズ悪役に転生してしまった俺は、原作知識の力でどうしてもモブ人生をつかみ取りたい (角川スニーカー文庫)
アバタロー/kodamazon KADOKAWA 2026年01月30日
学院代表として親善試合に選抜されたウルトス一行。最悪の敵と戦う負けイベントが待ち受けることを知る彼が、バッドエンド回避に動く第5弾。ポジティブ主人公ジーク君の圧に押されて参加せざるを得ないウルトスが、記憶をなくした少女チェリを狙う帝国将軍ギリアスとの戦いをどうにか回避するため、なぜか自ら捕虜になることを選ぶストーリーで、ジークは勘違いから病み堕ち&力が暴走する状況に陥り、さらには『ゼロ』一味が勝手に動き回って帝国に宣戦布告してしまうなど、個性たちなキャラたちが思い込みで想定外の動きをして、計画が次々と崩壊していくカオスな展開には笑ってしまいましたが、前半は企みが空回りして、後半ジーク自ら事態を解決に導いていくわけですけど、別に意図してやってるわけじゃないんですよね…(苦笑)
最果ての聖女のクロニクル2 (講談社ラノベ文庫)
第二層・繚乱領域にある、法律が支配する『法と魔法の国』へ降り立ったサラにハルト。しかし2人の到来と同時に謎の暗殺事件が起こり、拘束されてしまう第2弾。不老不死とも謳われた大魔術師で、かつてハルトに《時》の魔法を教えた師でもある<不滅>のクシストロスが、なぜか直線4,000kmも離れた地点で不審死を遂げた事件。タイミングが悪く容疑者として疑われ法廷に立たされた2人が事件解決に挑むストーリーで、助力する法の国のドゥーニャ少尉とともにクシストロスがいた魔の国に向かった2人が、今の弟子のテレーズと出会い、調査していく中で真相を解き明かして師の想いに触れたハルトが、過去の因縁とも向き合っていくストーリーはなかなか良かったですね。第三層以降のエピソードも期待してます。
創翼のピニオン 1 天使のようなキミに世界は救わせない (HJ文庫)
十利ハレ/モンブラン ホビージャパン 2026年01月30日
人が結晶化する病が蔓延し崩壊の一途を辿る日本。少年少女の仲間たちと日々を生き抜く少年・奏多が、天使のような神秘さを纏う少女ノアと出会う近未来ボーイミーツガール。隕石によってもたらされたナヴィスウィルスに感染すると化け物ヨハネになってしまう、希望が見えない隔離された底辺社会を仲間たちとどうにか生きる奏多が、窮地に陥った末に出会った謎めいた少女ノア。なぜだか奏多に執着して懐く彼女は、治療不可の結晶化を完治させる神の如き力を持ち、世界すら救いうる力を持った彼女を巡り、思惑と闘争に巻き込まれていくストーリーで、ノアを守ろうとする奏多が直面する彼女にまつわる過去とその謎があって、最期まで諦めずに苦難を乗り越えてそれでも一緒にいる選択をした2人の覚悟がなかなか印象的な物語でした。
世界最強の炎魔法使い 1 (HJ文庫)
くーねるでぶる(戒め)/さなだケイスイ ホビージャパン 2026年01月30日
気がついたら、やり込んだゲームの悪役デブ貴族レオンになっていた主人公が、惨めなエンドを回避して推しヒロイン・セリアを救うべく奮闘する純愛無双ファンタジー。ゲームではセリアを救い散っていった最期を迎えたレオン。亡国の王女で奴隷となっていたセリアを買い、少しずつ彼女と交流を図りながら自らは炎の大精霊イーフリートの加護を得て、幼少時からの努力で魔法も剣技もパワーアップしながら、ダンジョン攻略やダイエットも進めていくストーリーで、最強の炎の加護を得た代償に他の属性を失ったものの、圧倒的な力を得たレオンと共にあるセリアの間で育まれていく絆もなかなか良かったですし、彼女を助けようとするのを諦めない本来のゲーム主人公や、レオンを意識する王女がこれからどう関わってくのか続巻に期待ですね。
TS転生美少女音虎玲子は寝取られたい 2 (HJ文庫)
二本目海老天マン/さとうぽて ホビージャパン 2026年01月30日
理想の寝取られを味わうために周りの人間を魅了し、着々と計画を進めるTS美少女音虎玲子。中学2年生に進級した玲子は、次なる間男候補のターゲットを孤高のヤンキー神田に定める第2弾。新たな間男候補として孤高のヤンキー・神田に目を付け、不良ぶりを分析し情報を集めながら心の隙間を埋めてアプローチしていく玲子。結城を煽りながら神田と絡めて翻弄していく展開はなかなかあれでしたけど、一方で今度は怪しげな催眠アプリを持っているイケメン教育実習生・火風野の悪意は彼女の計画を脅かす存在で、神田も使いながらそれを阻止したりと欲求が満たされる玲子は満足かもしれないですけど、神田や冬木まで使って翻弄され続ける結城の方は心穏やかでいられるはずないですよね…これ。どうすればより盛り上がるのか着々と次の手を考えていく玲子がヤバすぎて怖い(苦笑)
凶乱令嬢ニア・リストン 10 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録 (HJ文庫)
南野海風/刀彼方 ホビージャパン 2026年01月30日
マーベリア側の複数の機兵による襲撃を退けたニア。しかし第一王子リビセィルはニアの狂言を疑い、度重なる厄介ごとにニアはついに自重をやめる第10弾。主導して事件矮小化を図るリビセィルに対して、憲兵の調査が進んで機兵の存在が一部露呈して、ニアを脅威視しつつも政治的影響を優先する状況に、家族の決定に疑問を募らせ独自に調査して、ニアに接触して謝罪するシィルレーン。マーベリア側にもいろいろ事情があったことは描かれていましたけど、度重なる厄介事に我慢の限界を超え、自重解除したニアがついに本気で拳を振り下ろしていく姿は圧巻で、彼女と真摯に向き合う芯が強いシィルレーンの成長も光っていました。ニアは確か母国から国外追放されたはずなんですがやりたい放題ですね(苦笑)
ウルガリア戦記~転生皇帝は傀儡生活を満喫したい~ 1 (GCノベルズ)
水鏡/なまにくATK マイクロマガジン社 2026年01月30日頃
ウルガリア帝国の第4王子アーセスに転生し、兄3人の死により転がり込んだ傀儡皇帝を目指す主人公が、周辺国も絡めた動乱に巻き込まれていく戦記ファンタジー。優秀だった兄たちに比べて母の地位も低く凡庸と評され、最初は傅役だった庶民宰相に政治を任せ、傀儡皇帝と割り切って成人前から世継ぎを望まれメイドや奴隷と皇宮性活を満喫しようとしたアーセス。しかし帝国を揺さぶろうとする聖王国の思惑もあって、樹人種族を支援するセルセタ王国、東部閥リルガーナ侯が起こした反乱の背後にいるカッシア王国との戦いが続く中で、優れた部下たちの遂行力に支えられながら相手の機先を制し、思惑の上を行く戦術を繰り出して、大器の片鱗を見せていく展開は戦記物として期待以上に面白くて今後の展開が楽しみになりました。
鋼我/みやま 零 KADOKAWA 2026年01月23日頃
通勤時間短縮のため大学時代の後輩から格安で一軒家を購入した社会人3年目の入川春夫。しかしそこにはダンジョンがあり、ブラック企業を辞めてダンジョン管理業を始める成り上がり物語。家族からは縁を切られ、騙した奴は雲隠れ、国の法律で土地所有者はダンジョンを管理しなくてはいけない状況で、腹を括ってブラック企業を辞め、ホームセンターの謎めいた魔女にアドバイスをもらいながらダンジョン管理を始める入川。過酷な肉体労働なのに報酬は雀の涙、ダンジョン素材の家庭菜園だけが心の支えという過酷な状況を変えるきっかけとなった双子兄妹の存在。彼らもまたなかなか過酷な境遇でしたけど、運命共同体として考えるようになっていくのはやはり懐の深い主人公の漢気も大きくて、彼が慕われるのも分かるような気がしました。これからどうなるのか続巻も楽しみです。
相野 仁/nima KADOKAWA 2026年01月28日頃
幸せな新婚生活を満喫中の元〈戦士〉ルードと元〈魔法使い〉フェリが、すっかり懐いた聖獣の子スコルを連れてハイキングへ出かける第2弾。ハイキングではスコルが葡萄を嗅ぎ分け、ルードが猪肉を調達し、フェリが魔法でサポートして未踏の山地をもかき分けていく夫婦の息の合ったやり取りや、賢くて可愛い聖獣スコルの存在をアクセントに、お互いを気遣ったり照れる2人の甘い関係が良かったですね。ちょうど豊穣祭の時期でもあって、採取危険度から彼らにしか獲れない貴重な食材に村人たちが大盛り上がりする様子や、バターや胡椒の贅沢さ、踊りの見よう見まね上達といった、辺境の村の素朴でささやかな日常が丁寧に描かれていて、お金や名声よりもかけがえのないものであることを改めて感じさせてくれました。
8月31日の初恋 (新潮文庫nex)
忘らるる惑星 (新潮文庫nex)
猫の神隠し 幽世の薬剤師 (新潮文庫nex)
不登校中の高校2年生・宇佐美が偶然手にした時間跳躍アプリをきっかけに、学校一のモテ男子・久慈池と妙な縁が出来てしまうタイムリープ青春小説。以前叔父からもらった中古スマホのアプリで、偶然セーブしたポイントに戻れることを知った宇佐美。夏休み最終日に出会った久慈池が命を落とすことを知り、繰り返しても回避できずずに、久慈池自身とも秘密を共有して解決方法を試行錯誤する2人。逆に9月のループを抜け出せなくなった状況で、自覚してゆく想いと育まれていったかけがえのない信頼関係が微笑ましくて、これまでのループに散りばめられたピースを繋いで見出した解決方法と代償に葛藤しながらも、それでもお互いを信じて未来を引き寄せたその結末がなかなか素敵な物語でした。
病気や事故は決してない。AIによる徹底的な管理で人は死を遠ざけることに成功したこの世界。AIの判決を確認する仕事に就くミカサが、昨日起きた殺人事件の記録に疑問を持ち始める近未来小説。記された犯行時刻、ミカサは確かにそこにいたはずだったのに目撃した記憶はない。調査を進める中で明らかになっていく矛盾、気付いたミカサが何者かに狙われるようになっていく中で出会った、ヤマモトやマキと絶対記憶者の存在、夢の中の猫人間はどういう意味を持つのか、そして彼らが出会った謎の少年モナカが語られる疑惑を持ってしまった世界の真相。何も問題が起きない完璧な世界を作り上げればみんな仲良く平和な世界が続く、というわけではないのが何とも人の難しいところで、人類が選択したその後の結末には納得感を覚えつつ、ままならないものだなとしみじみ思いました。
綺翠の妹・穂澄の頭にある日突然、猫耳が生えてしまい、困惑する薬師・空洞淵霧瑚が、極楽街の猫屋敷で異変が起きていることを知り、病床の綺翠に代わり調査を始める第11弾。正月の疲れの中で綺翠が寝込む状況で挑む、突然穂澄に生えた猫耳の謎、猫に取り憑かれたと思しき猫屋敷の主人の家から相談、穂澄に取り付いた猫・真宵の未練。一方、人狼になってしまった少女と、月詠の居場所を探すルシアンが絡んだ人狼騒動の顛末。霧瑚中心で解き明かすことになった今回の2つの謎でしたけど、主人に対する猫の想いだったり、原因を特定するのが分かりづらかった人狼事件に、焦らずひとつひとつ原因を探りながら向き合っていく霧瑚の姿が印象的で、怪異に向き合う綺翠のパートナーとしてなかなか頼もしかったですね。

