今回は2月GA文庫・アリアンローズ・富士見L文庫の新刊感想まとめです。内訳はGA文庫の新作1点、続巻2点、アリアンローズの新作1点、富士見L文庫の新作1点の計5点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
くたばれ愛しの魔術師ども (GA文庫)
東京湾に開いたファンタジーの穴から異世界と繋がり誕生した浮遊都市「学園諸島」を舞台に、地球人の九郎が差別されている魔女たちと一緒に最強を目指す熱血バトル青春ストーリー。1000を超える魔術学園が乱立し、唯一のルールはあらゆる手段で学園を最強の座に押し上げるだけ。そんな無法地帯で事件に巻き込まれ、廃校寸前の弱小・王立トリトニス学園での窮状を知った九郎が、訳ありメンバーたちと状況を覆すべく入学するストーリーで、地球では異端の存在だった九郎だけでなく、ヒロインたちそれぞれが抱える複雑な背景も浮き彫りになっていく中で、彼女たちの想いや覚悟に向き合っていきながら、協力して乗り越えていく熱いバトルはなかなか良かったですね。彼を気に掛ける幼馴染・唐音や要所で絡むカルティ兄妹の存在もいい感じに効いていました。
やさぐれ召喚者は動かない2 (GA文庫)
アドモス王国からの襲撃者を退けた最凶の召喚者ケンタ。その強大な力を前に各国の対応が混迷を極める一方で、アドモス王国が新たな異世界召喚を実行する第2弾。脅威を退けてメイリーンやアイバーン夫妻、子どもたちと穏やかな生活を取り戻したケンタの日々。一方、懲りずに再び異世界召喚を試みて2人の召喚者を得たアドモス王国とその目的を懸念する魔族側の動き。相変わらず人類側の統治者の発想がなかなかあれでしたが、真っ直ぐな召喚者の奈良は真相を知ったらまあそうなりますよね…(苦笑)対照的なもう1人の召喚者もこれからどういう存在になっていくのか気になるところですが、あくまで自分からは動かないケンタの備えが思わぬ波紋へと繋がっていって、ここから物語としてもまた大きく動きそうです。
王国を裏から支配する悪役貴族の末っ子に転生しました2 (GA文庫)
ラチム/やきほこ/ろこ SBクリエイティブ 2026年02月14日頃
ひたすら最強の存在を目指す決意とは裏腹に、ゲーム本編のキャラクターたちから慕われる日々を送るアルフィス。そんな折、学園内に不穏な気配が漂いはじめる第2弾。悪魔や魔獣に取り憑かれ、強大な力を得た召喚憑きと呼ばれる生徒たちによって、学園の勢力図が大きく揺れ動く一方、レティシアやリリーシャが訓練の中で新たな気付きを得て成長のきっかけを掴む中、護衛選抜試験で新たに生まれた三派閥との対立、王国の転覆を狙う他国の学園襲撃へと繋がっていく激動の展開でしたけど、アルフィスや兄たちが見せる圧巻の力だけでなく、ヒロインたちにもコメディ展開含めてしっかりと見せ場があって、新戦力も可能性を感じさせてくれましたね。とはいえ現況を踏まえた父レオルグの思惑からどう動きがあるのか気になるところです。
走竜国の第三王女 ~きまじめルシィは隣国の中尉に翻弄される~ (アリアンローズ)
守雨/藤村ゆかこ フロンティアワークス 2026年02月12日頃
「走竜」を飼い慣らす唯一の国レーイン王国の第三王女ルシィが、婚約者に浮気されて婚約破棄することになり、それをきっかけに隣国ヒックス王国へ遊学するファンタジー。5歳年下の婚約者メルヴィンが幼馴染と心を通わせているところを目撃してしまい、優しさから自ら婚約破棄して2年間のヒックス王国遊学を決意したルシィ。旅の護衛として同行したことをきっかけに、飄々として掴みどころのないフィリップ中尉を意識していくストーリーで、彼と近しくなったことで、嫉妬からふっかけられた因縁にも毅然と対峙するようになったり、自由を得て走竜乗りの指導役になったルシィの成長を感じましたし、フィリップとの関係も立場の違いからやや複雑でしたけど、過去の因縁も困難も一緒に乗り越えて幸せを掴み取ったその結末がなかなか印象的な物語でした。
いばら姫とおやすみ。 (富士見L文庫)
朝の通勤中、社会人3年目のデザイナー雨海時雨の肩に寄りかかって眠っていた女子高生・篠森いばら。その日の仕事帰りの夜、最寄り駅で彼女に待ち伏せされるガールズ小説。時雨の隣なら眠れると確信した、やたらと目の下の隈が濃く不眠症の女子高生いばらにぐいぐい迫られ、女子高生と添い寝なんて流石にまずいと思いつつも、苦しむ彼女を放っておけずなし崩し的に一緒に寝るようになってゆく時雨。お互いに意外な一面を見せられてドキッとさせられて意識してしまう一方、それぞれの気になる過去もお互いに知ってゆくストーリーでしたけど、少しずつ変わってゆく彼女たちの繊細な心理描写の解像度がとても高くて、いけないと懸命に思いとどまろうとしながら、だからこそかけがえのない存在になっていく2人の関係がとても素敵な物語でした。

