今回は1月電撃文庫・TOブックス新文芸・SQEXノベル・ドラゴンノベルス・DREノベル・カドカワBOOKSの新刊感想まとめです。内訳は電撃文庫の新作5点、続巻3点、TOブックス新文芸の新作1点2冊、SQEXノベルの新作1点、ドラゴンノベルスの新作1点、カドカワBOOKSの続巻1点の計12点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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弓道部の美人な先輩が、俺の部屋でお腹出して寝てる (電撃文庫)
四条 彼方/ぶし KADOKAWA 2026年01月09日
癒やしと平穏を愛する高校生・飴本透也が、ある夜、凛とした姿で学校でも注目を集める弓道部主将の綿貫璃乃と思わぬ場所で遭遇したことをきっかけに、2人で秘密の契約を結ぶご褒美系青春ラブコメ。偶然こっそりコンビニで大量のエナジードリンクを買い込むどこか不憫な璃乃の姿を目撃し、まわりの期待に応えるべく毎日頑張りすぎている彼女を癒そうと決意する透也。しかし『癒やし』について詳しい透也が、璃乃の悩みに寄り添い全力を出して癒やした結果、すっかりメロメロにされた璃乃が透也の部屋に入り浸るようになっていくストーリーで、凛としていた璃乃もほどよく力が抜けて、だんだんと可憐に恋する乙女になっていくギャップはなかなか破壊力があってたまらなかったですし、璃乃が好き過ぎるシスコンの妹やブラコン気味な透也の姉もなかなかいい味を出していました。
俺の愛しの公主様 (電撃文庫)
火乃玉/むつみまさと KADOKAWA 2026年01月09日
最強種の一角・龍人族が運営する中央龍皇学園。人間とのハーフで魔術適正なしという厳しい現実を突きつけられた少年・麒翔が、公主・黒陽と出会い運命を変えていく成り上がり学園ファンタジー。かつて黒陽に掛けられた言葉を胸に諦めず努力を続けてきた麒翔との決闘を通じて、その類まれな剣術の才能や気概を見出した黒陽が、彼の群れを作ろうと覚悟を決めるストーリーで、強い男が群れを作る龍族の風習に馴染まず、麒翔は出自や魔術適正なし、過去の苦いトラウマもあって最初は釣り合わないと躊躇する一方で、恋を知らなかった黒陽に初めて芽生えていくかけがえのない想いがあって、2人をよく知る周囲のキャラも上手く絡めながら、危機的状況を一緒に乗り越えていく中で絆を深めて、少しずつ変わっていった2人の関係とこれからの展開が楽しみです。
ウラあるガールに俺だけ知ってるスキがある (電撃文庫)
福田 週人/たぴおか KADOKAWA 2026年01月09日
今年から共学化した元お嬢様校・白波学園に入学した吉墨雪丸。しかし校内で幅を利かせる「共学反対派」の存在を知り、裏がある女子たちと退学を回避すべく動き出す青春小説。入学早々、天然の実は男装女子だった男鹿なつめの事情を知って友人となった雪丸が、思わぬ秘密を垣間見せたギャル・光坂影美や今更見栄を撤回できずに苦悩する星乃宮市花の協力を得ながら、彼女たちを前面に押し出し自分は裏方として暗躍する形で共学反対派の動きに対抗していくストーリーで、どこか醒めたような態度とは裏腹に、悩めるあり方を肯定できる柔軟な考え方をするわりに少し鈍感な雪丸にヒロインたちが感化されてゆく中、思わぬアクシデントも上手く回避してみせた彼の用意周到さは流石でしたね。最後に明かされた真意にも雪丸らしさがよく出ていました。
遊戯に夢中な気まぐれ天使の堕としかた (電撃文庫)
高橋 びすい/餃子ぬこ KADOKAWA 2026年01月09日
人類の敵としてあらわれた天使の少女ルクスリア。負けたら一帯が消えるゲームの場に居合わせた高校生・津田修斗が妹を救うために勝負に挑む頭脳ゲーム×学園ラブコメ。看破されない限りイカサマもチートも使い放題の圧倒的な力を持つルクスリア相手に、人類で初めて勝利した修斗の異能の秘密。敗北して堕天使となったルクスリアにはなぜか言い寄られ、天使に狙われ始めた実は兄が大好き過ぎるツンデレの妹とともに3人でヴァルハラ学院に転入するストーリーで、ヒロインたちに振り回されがちな評価点0の修斗がゲームでも徐々に存在感を見せていく一方、人類と天使が争う背景も明らかにしていきながら、修斗を狙って仕掛けてきた思わぬ刺客を相手に、彼女たちと協力しながら天使たちと繰り広げていくゲームの駆け引きもなかなか面白かったですね。
モテない俺はマチアプで異世界彼女を召喚する (電撃文庫)
なかひろ/涼香 KADOKAWA 2026年01月09日
オタク趣味を知られて大学で初めてできた彼女にフラれ絶望する桜井新太のスマホに、謎のマッチングアプリ【異世界カノジョ】がインストールされる異世界ラブコメ。怪しすぎるナビゲーターに導かれ、半信半疑でマッチングした旅行気分の清楚系ツンデレ美少女エルフのマーリィや元気なネコマタのパティア、落ちこぼれサキュバスのユーノゥたちを召喚していくストーリーで、通話やメッセでしか出てこない素直じゃないけど実は兄が大好きな妹や、イケイケなのにいざという時にはあまり頼りにならない謎のナビゲーターも存在感を見せる中、そういうとこだぞ…とツッコミを入れたくなる残念な部分も垣間見せつつ、異世界カノジョたちの想いに向き合っていくことで少しずつ変わっていく新太の成長が印象的でした。
とっておきの論理を、君と。 -デルタとガンマの理学部ノート3- (電撃文庫)
逆井 卓馬/遠坂 あさぎ KADOKAWA 2026年01月09日
夏休みを前に強敵たちとともに生物部からは出田と岩間が選ばれた「理学部オリ」。科学知識と頭脳を駆使して街を駆け回り競い合う第3弾。理学部の各部活から選ばれた精鋭たちのチームと、残りの理学部全員参加の対抗戦による頭脳戦。岩間とは別のチームとなった出田が懸念する、親睦イベントの裏で彼らの青春を傷つけかねない想定外の事件。それぞれの見せ場が描かれる一方、掴みきれない先輩たちや外部招待者たちの思惑が垣間見える中、友人たちや岩間を守るため、理学部オリを無事成功させるべく、出田が秘密を共有する仲間と大切なものを守るために覚悟を決める展開は熱かったですね。それにしても何とも不穏なプロローグがずっと影を落としていましたが、まさかこんな結末が待っているとは思いませんでした(苦笑)
レイの世界 ―Re:I― 3 Another World Tour (電撃文庫)
時雨沢 恵一/黒星 紅白 KADOKAWA 2026年01月09日
有栖川芸能事務所に所属して歌手と女優を目指す女子高生ユキノ・レイが、因幡が取ってくる異世界・並行世界での様々な仕事に体当たりで奔走するシリーズ第3弾。ヒロインが行方不明状態な映画の続編制作にヒロインそっくりということで抜擢されたレイとその顛末。人類とモンスターが戦う世界で、争いを止めるためにコンサートで歌うことになった意外な背景。人質を取ってその様子を配信し始めたまさかのバスジャック。犬の惑星の映画で演じた人間の少女。どんな仕事にも前向きに取り組む彼女の背景もいろいろと回収されていきましたけど、何とも著者さんらしいいくらでも続けられそうなストーリーではあったものの残念ながら今巻最終巻で、文庫版で追加された描き下ろし部分もなかなか効いていました。
男女比1:5の世界でも普通に生きられると思った?5 (電撃文庫)
三藤 孝太郎/jimmy KADOKAWA 2026年01月09日
ヒロイン4人にそれぞれ告白されて答えを出せない将人。さらに彼との恋路に不安を持つ汐里も、悩むうちに恋と王子様への憧れの違いが何かわからなくなっていく第5弾。ボーイズバーのクリスマスイベントに突撃して、当然のようにいる星良も交えて楽しむ恋海・みずほ。汐里とは一緒に映画を見に行って、風邪を引いたJC由佳をお見舞いしたりと、それぞれイベントが起きる中、好意を寄せてくれるヒロインたちとの関係感に悩む将人に保護者の藍香がアドバイスする展開で、お互いを認め合うJD組に、自分が選ばれる要素がないと悩む年上の星良、真っ直ぐな由佳に迷走する汐里の三者三様の想いが描かれていて、もはや将人の覚悟次第な感じもありますが、いい子ばかりだからみんな幸せにしてあげてほしいです(苦笑)
現代日本を何故かサバイバルで生き抜いてきた喪女が、異世界の孤児幼女に転生して天災少女が大陸最強へ至る魔女戦記ファンタジー。クマに食べられ孤独に死んだ喪女が、神もおらず都合の良いスキルもないまま死にかけの孤児に転生。魔の森に活路を見出して前世のサバイバル知識を駆使したり、罠を使って魔獣を狩りながら壮絶な環境をたくましく生き延びていくストーリーで、過酷な前世を生き延びたスキルはしっかり活きていて、それでもなかなか希望が見えなかった半年後、侯爵家の少女・ルナリアを暗殺者から救った運命の出会いがあって、魔法の存在を知り破格な存在となっていったフィオレが、これからルナリアと一緒に保守派と融和派が対立する国境地帯でどのように成長していくのか続巻が楽しみですね。
白焔の魔女フレイアの養子となったフィオレ。白焔の後継者として野生児から一転、ピーシス家の貴族子女として教育を受ける第2弾。門外不出で一子相伝の魔法の後継者となるため、紅蓮の騎士や百戦錬磨の猛将といった猛者に術式の才を認めさせたフィオレ。一方次男の消息やルナリア暗殺未遂、そしてフィオレ自身の容姿などから、融和派の行っていた悪行が浮き彫りになり、ウォーレス家の怒りに燃える強襲もなかなか圧巻でしたけど、物語が大きく動き出す中で新たに第三王女のテレサとも仲良くなって、ルナリアも含めた幼女3人で意気投合したり、罠の作り方を周囲にも教えたり、魔獣の血による増強を図ったりと、周囲の大人たちから可愛がられるだけでなく、とても幼女とは思えない存在感もありましたね(苦笑)
声が出せないので無詠唱魔法でもいいですか!!! (SQEXノベル)
葉月秋水/桶乃かもく スクウェア・エニックス 2026年01月07日
聖女の子孫に現れる≪白の聖痕≫の影響で、声を持たない少女アリア。でも魔法と出会い人生が一変した彼女が、天然系魔法大好き天才少女として大活躍する異世界ファンタジー。許嫁だった仲の良い第三王子との婚約破棄されても、夢中になって覚えた無詠唱魔法で、王宮魔術師をマッサージして熟睡させたり、氷で文字を作り出してみせたアリア。魔法大学の試験に飛び級で合格した彼女が、周囲の人々からその特異な才能を驚かれ、微笑ましく見守られながらみるみるうちに注目を集める存在になっていくストーリーで、魔法が大好きで自由奔放に向き合ってきた彼女が、かつての許嫁リオンと再会したり、彼女をライバル視する天才少女ヴィクトリカと出会ったりしながら、お互いに刺激を受けて成長していく関係がなかなか良かったですね。
伯爵家の五男ですが、婿入りして公爵になりました。 (ドラゴンノベルス)
灰紡流/京一 KADOKAWA 2026年01月05日
伯爵家の五男に転生したアインが、父親の命令で没落したバルティア公爵家の当主として婿入りして、可愛い嫁の笑顔のため、荒れ果てた領地を改革&防衛する領地経営ファンタジー。チート能力なし、敵対していた公爵家への婿入り、領土も荒廃する何もない難しい状況下で公爵令嬢レイラと結婚したアイン。商会と交渉したり教会もうまく使いながら領内の状況把握を進める一方、最初は口も聞いてくれなかったレイラとも、離れ離れになったメイドを呼び戻したり、おいしい食べ物をきっかけに変化の兆しがあって、王太子派と対立する大公派側に侵略の動きが見える中、人材を得ながら着々と手を打って決然と立ち向かう展開はなかなか良かったですね。まだまだこれからのレイラとの関係にも期待してます。
勇者のオマケだったので、異世界を自由に旅することにした2 ~探遊の公都編~ (DREノベルス)
関村イムヤ/市丸きすけ ドリコム 2026年01月07日
巻き添えで召喚された異世界を自由に旅するハイリ。魔王の影響による緊急事態を前に、苦手なレイドに臨むことになってしまう第2弾。魔術師の試験を受けるためにクバルティア帝国へ向かい、猫精霊フィーシスに時折絡まれながら1人旅を楽しむハイリ。そんな彼女が魔術師見習いの双子の姉弟に魔術を教えたり、遺跡探索で異世界の歴史を学んだり、大樹に築かれた郷で、現地の少女とグライダー大会の優勝を目指してみたり、魔術師として緊急招集されて厳しい戦場に放り込まれ、行く先々で困った人を確かな実力で救いつつ、慕われて距離感が近くなると無理、となるあたりはハッキリ線引していて苦笑いでしたが、それでも何だかんだでフォローするあたりに彼女の優しさを感じました。
サイレント・ウィッチ XI 沈黙の魔女の隠しごと (カドカワBOOKS)
依空 まつり/藤実 なんな KADOKAWA 2026年01月09日頃
モニカがサポート役を引き受けた講演が行われる魔法大学で、突如正体不明の霧の魔術が発動して、状況を調査している<砲弾の魔術師>の援護に赴く第11弾。何者かにより監獄の結界が破られ、脱獄囚の捕縛にルイスが奔走する中で、脱獄時に密かに力を授けられてルイスへの復讐に執着するかつての同級生アドルフ。一方、寒さに強い植物の共同研究で、悪戯とラウルが調合配分を思い切り間違えて急速に成長したエンドウ豆に襲われるシリルとモニカ。一騒動後にシリルを心配する養父と一緒に人生ゲームをやる3人の様子は微笑ましかったですけど、執着するアドルフに立ち向かうルイスに垣間見えたかつての悪童っぷりもなかなか良かったですね。いろいろと燻る火種にこれからもモニカは巻き込まれそうです(苦笑)

