今回は23年1月のダンまち、富士見ファンタジア文庫、ガガガ文庫、オレンジ文庫新刊感想まとめです。 内訳はこれだけ発売日がずれていたGA文庫のダンまち、富士見ファンタジア文庫の新作4点、続巻2点、ガガガ文庫の続巻3点、集英社オレンジ文庫の新作1点、続巻1点の計12点になります。気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。
※下記紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか18 (GA文庫)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか18
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大森藤ノ/ヤスダスズヒト SBクリエイティブ 2023年01月24日頃
ベルの所属を賭けたフレイヤとヘスティアの戦争遊戯。ヘスティア陣営が派閥連合となりつつある中、しかしロキ・ファミリアの参加不可が決定する第十八弾。苦境に陥った派閥連合が様々な思惑が渦巻くギルドや神会の決定で挑むことになったゲーム「神探し」。リリの指揮で挑む派閥連合に対し、圧倒的な力で蹂躙するフレイヤ陣営。思わぬ援軍の参入をきっかけに激変する戦局、積み重ねてきた様々な思いがぶつかり合い、力の証明を問う猛者相手の激闘があって、これまでの伏線を回収しながら、数々の苦境を乗り越え、自覚も乏しい秘めた想いにたどり着いて、しっかりと向き合ってみせたその結末は圧巻でした。
VTuberのエンディング、買い取ります。 (ファンタジア文庫)
VTuberのエンディング、買い取ります。(1)
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朝依 しると/Tiv KADOKAWA 2023年01月20日
VTuber乃亜を推すことに青春の全てを捧げ、界隈でも一目置かれていた高校生の苅部業。大炎上した推しの引退に絶望した彼が推しの最期をプロデュースする救済と再生の物語。高校を休学して一年後、VTuber炎上ネタブロガーとして日々を過ごしていた業。そんな彼のもとに自分のVTuberを炎上させてほしいと依頼するかつての元推し友の海那、同じく炎上したその友人・彩音、かつての推しの後継者として扱われることに悩む菜乃。そんな苦悩する彼女たちに真摯に向き合い、奔走してくれた業に助けられた彼女たちの優しさや、推したちの熱い想いに触れて、自らもまた救われてゆく展開は強く心に響くものがありました。
完璧な俺の青春ラブコメ 1.ぼっち少女の救い方 (ファンタジア文庫)
完璧な俺の青春ラブコメ 1.ぼっち少女の救い方(1)
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藍藤 唯/kodamazon KADOKAWA 2023年01月20日
勉強・運動共にトップで完璧な評価を維持するため、日々努力する高校生・五代涼真。彼が真面目過ぎてぼっちになったクラスメイト木下みなみの本音を耳にする青春小説。クラスメイトと良好な関係を築きながら、他人に深く干渉せずグループにも所属していなかい涼真。風紀委員として空回りしてしまい、周囲から浮いているみなみのことを放っておけない彼が、さりげなくフォローすることで少しずつ変わってゆくクラスの雰囲気やみなみ自身の思いがあって、真もまたそんなみなみに感化されてゆくも二人の関係はもどかしくて、そんな彼を巡るライバルとしてみなみと張り合う一方で、さりげなく彼女のことも気にかける亜衣梨の存在がいい感じに効いていました。
僕は、騎士学院のモニカ。 (ファンタジア文庫)
僕は、騎士学院のモニカ。(1)
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陸 そうと/おやずり KADOKAWA 2023年01月20日
なぜか自分の最期を看取った少女モニカの身体で蘇った伝説の騎士ダレン。命を譲ってくれた彼女の意思を継いで、本来女性にはなれないはずの騎士を目指す学園ファンタジー。全力の剣技に耐えられない女性の身体というアンバランスさを抱えながら、同級生の騎士アルを圧倒して力を証明してみせたモニカ。一方で暗示される不穏な雰囲気の正体。展開がやや早く読みやすかった反面、各キャラや事件の背景に関してはもう少し掘り下げても良かったかなと感じましたけど、危機的状況に直面する中でも、彼女たちの想いに向き合い、最期まで諦めなかったそのありようはなかなか良かったですね。
コミュ力向上のために言語スキルをマスターしたら、引く手あまたの英雄になりました (ファンタジア文庫)
コミュ力向上のために言語スキルをマスターしたら、引く手あまたの英雄になりました(1)
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鈴木 竜一/フェルネモ KADOKAWA 2023年01月20日
魔力がなく幼い頃より家族から虐げられていた少年ハーレイ。彼が言語スキルを獲得したことで人生が一変するサクセスファンタジー。魔法使いの名門の長子に生まれながら、家督も弟に奪われ叔父モイゼスの養子になったハーレイが、養父のモイゼスが用意した言語スキルで話術向上、モンスターの言語習得、他人の嘘看破などのスキルを得たことで前向きに変わってゆくストーリーで、モンスター襲撃事件で令嬢のピンチを救い、嘘看破で旧鉱山の謎を明らかにし、モンスターの村での意外な出会い、思いを伝えるための協力したりと、現段階ではまだ英雄というほどの活躍ではなかったですが、好転した人生がこれからどうなるのか今後の展開に期待です。
転生王女と天才令嬢の魔法革命6 (ファンタジア文庫)
転生王女と天才令嬢の魔法革命6
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鴉 ぴえろ/きさらぎ ゆり KADOKAWA 2023年01月20日
ヴァンパイアの脅威が眼前に迫っていることを知ったアニスとユフィたち。そこに東部から「ヴァンパイアを捕まえた」という急報が入る第六弾。レイニの亡くなった母親のことを探る旅で冒険者たちに聞いた森の異常の原因。そして東部に駆けつけたアニスたちの前に現れた、永遠を求めるヴァンパイアの長ライアナとの激突。人として生きる上での幸福とか何か、お互いの考えることを話し合ったものの、どうやっても発想が相容れない相手で、竜を宿すアニスや精霊契約者のユフィでも苦戦するなかなか強敵でしたけど、熱い戦いの中で受け止めたものもあって、戦いの中で改めて約束を交わした二人や、周囲の関係もこれからどうなるのか、いろいろ気になるところではあります。
妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。2 (ファンタジア文庫)
妹が女騎士学園に入学したらなぜか救国の英雄になりました。ぼくが。2
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ラマンおいどん/なたーしゃ KADOKAWA 2023年01月20日
妹と協力して女王を救ったスズハ兄。しかし報償でもらった辺境伯がお隣の大公国に占領されていると知り、解放しに向かう第二弾。妹スズハだけでなくユズリハもなぜかついてきて、向かった辺境伯領で出会った謎のメイド・カナデ。ご主人様検定に合格したスズハ兄をご主人と見込んで、とんでもないチートっぷりを発揮する新キャラのメイド・カナデもほんわかとした外見とは裏腹になかなか化け物じみた存在でしたけど、文官として自ら潜入してきた隣国の大公アヤノにその力を見せつけて、攻め込んできた百万人相手でもスズハ兄ほぼ一人で勝ってしまったり、今回もなかなか斜め上の展開でした(苦笑)
最強にウザい彼女の、明日から使えるマウント教室2 (ガガガ文庫)
最強にウザい彼女の、明日から使えるマウント教室(2)
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吉野 憂/さばみぞれ 小学館 2023年01月18日
優劣比較決闘戦に勝利し、見事Sクラス代表を勝ち取った零。だが入学早々、Aクラス代表・由々式明に宣戦布告を受けて、同じクラスの仲間たちも不信感を募らせる第二弾。慣れない環境や非協力的な仲間、Sクラス代表は負ければ退学という零にのしかかるプレッシャー。新キャラの極光もなかなか強烈なインパクトがあって、環奈の存在が大きくクローズアップされる零とのデートや温泉旅行、月並や環奈の従者・白兎も相変わらず暴走気味でなかなかカオスでしたね(苦笑)苦戦必至を覆してみせたクラス対抗戦の逆転劇は鮮やかでしたし、ラブコメ的にもこれから面白くなりそうですね。次はどんな展開が待っているのか続巻に期待しています。
SICK: -感染性アクアリウム- 2 (ガガガ文庫)
澱介 エイド/花澤 明 小学館 2023年01月18日
都市伝説と共に起きた絵を見たものは溺死する連続怪死事件。理から外れた事件を前に警察が手をこまねく中、霊能探偵・立仙昇利が動き出す第二弾。死へと誘う謎の絵の流通を食い止めるために現実世界を奔走する昇利。一方、精神世界から手がかり探して、謎の絵の縁を辿り絵の作者のゾーンへと接続を試みる叶音と逸流。逸流によって紐解かれてしまう昇利のおぞましい過去と、叶音を守る本当の理由。とある姉弟の関係も絡めながら描かれる過去や葛藤があって、苦しみながらも乗り越えて食い止めた彼女たちでしたけど、まだまだ不穏な展開は続きそうですね…。
弥生ちゃんは秘密を隠せない3 (ガガガ文庫)
弥生ちゃんは秘密を隠せない(3)
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ハマ カズシ/パルプピロシ 小学館 2023年01月18日
サイコメトリーのことを弥生ちゃんに打ち明けた皐月。しかし不器用な二人はすれ違ってしまい、そこにトラウマの原因だった真夜先輩が帰国する第三弾。お互い秘密のことを考えすぎて動けなくなり、いつのまにか距離ができてしまった二人。そんな状況で突如帰国した真夜先輩が提案するピアノ合宿。勇気を出すためのもうひと押し、過去を乗り越えるという意味でも、迷える二人の背中を推してくれたお節介な真夜先輩の存在はひとつのポイントでしたかね。周囲にも応援されながら一緒に乗り越えた合唱コンクール、そして二人がしっかりと向き合って出した答えを最後まで読めて良かったです。次回作も期待しています。
仮面後宮 女東宮の誕生 (集英社オレンジ文庫)
平安末期。謎の疫病・葡萄病みで大混乱に陥っている京の都。貴族や皇族も次々と倒れる状況で、次の東宮には一時、皇女を立てるべきという神託が届けられる和風ファンタジー。時の権力者で今上帝の兄の上皇・八雲院は神託の受け入れを決定、その条件を満たして選出された五人の女東宮候補となる皇女たち。双子の弟・映の宮、妹の貴の宮とともに宇治で忘れられた暮らしを送る火の宮もまた候補に指名される展開で、今上帝から命を受けてやってきた源翔との出会いがあって、様々な思惑が絡み合う中で起きた事件、覚悟を決めた映の宮主従、ライバル関係にある女東宮候補たちとの関係や、掴みどころのない八雲院の思惑など、その不穏過ぎる展開には今後への期待感しかありません。
花は愛しき死者たちのために 罪人のメルヘン (集英社オレンジ文庫)
花は愛しき死者たちのために 罪人のメルヘン
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柳井 はづき/香魚子 集英社 2023年01月20日
決して腐敗しない、死せる美少女エリス。目を開けることも、しゃべることもない彼女と出会った人々が、そのありようを少しずつ狂わせてゆく第二弾。早くに最愛の夫を亡くしたあとも、ひとり仕立屋を営む未亡人が抱える大きな秘密。修道院の廃墟内で怪しい集まりを繰り返していた伯爵たちの末路。伯爵に拾われ、川のそばの土地管理人として雇われた男。それぞれに形は違えども彼女を見てしまったら、その内に秘めた狂気と暴かれずにはいられなくて、妄執の果てのそれぞれの結末は、果たして本人たちにとっては悲惨な末路だったのか救済だったのか…いろいろ考えてしまう結末です。