今週末も電撃文庫やガガガ文庫などでセールが展開されています。
【Kindle最大50%オフ】電撃文庫ちょっぴり大人&ほろ苦ラブコメ作品フェア (5/19まで)
【BW30%オフ】ガガガ文庫15周年キャンペーン(5/14まで)
そのあたりを踏まえて対象作品の中から巻数少なめの印象的な作品を30点セレクトしてみました。気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。
※各作品タイトルのリンクはBOOK☆WALKERのページに飛びます。
↓
1.夏へのトンネル、さよならの出口(ガガガ文庫)
海に面する田舎町・香崎。家族崩壊させた過去を悔やむ高校生・塔野カオルが、クラスで浮いた存在になっていた転校生・花城あんずと互いの欲しいものを手に入れるため協力関係を結ぶ青春小説。夏の日のある朝、塔野カオルが偶然耳にした、中に入れば年を取る代わりに欲しいものが何でも手に入る『ウラシマトンネル』の都市伝説。周囲との関係を拒絶していたあんずの言動はなかなかぶっ飛んでいましたが、彼女との協力関係から始まった二人の不器用なやりとりはとても甘酸っぱくて、大切なものに向き合った二人の結末にはぐっと来るものがありました。
2.天使は炭酸しか飲まない(電撃文庫)
恋に悩める人たちをちょっと特殊な力を使って密かに救ってきた久世高の天使・明石伊緒。ようやく探していた天使を見つけ出した久世高の三大美女の一人・柚月湊が、伊緒に深刻な悩みを打ち明ける青春小説。柚月湊の異常な惚れ癖を直すため、そのささやかな秘密の力を使いながらその原因を探るために試行錯誤を進めてゆく伊緒と湊。その過程で二人が抱える切ない過去や、伊緒が炭酸しか飲まない理由も明らかになっていって、そんな彼らを見守る第三者だからこそ気付くこともあって、真摯に向き合ってきたからこそ気づけなかったすれ違い、そして窮地に陥ってしまった湊を救う圧巻の展開は控えめにいって最高でした。不器用な二人のこれからがとても楽しみな期待のシリーズですね。22年5月に2巻目刊行。
3.わたし、二番目の彼女でいいから。 (電撃文庫)
互いに一番好きな人がいるのに、二番目同士で付き合っている桐島と早坂さん。一緒に帰ってこっそり逢い、人には言えないことをしていた彼らが、一番目を意識するあまり深みにハマってゆく青春小説。二番目同士なのに恋人のような距離感の二人に急接近し、挑発したり次々と波紋を投げかけてゆくどこか掴みどころのない桐島の想い人・橘の存在。彼女を意識し過ぎて壊れてゆく早坂さんを見ていられなくて、カオスな状況を加速させる急展開もあって、それぞれがあるべき形を突き詰めていった先に待っていたあまりにも壮絶な結末に言葉が出ませんでした。22年5月に3巻目刊行。
4.魔女と猟犬(ガガガ文庫)
魔術師を多数擁する王国アメリアに脅かされる小国キャンパスフェロー。領主バドは王国に対抗すべく大陸全土の凶悪な魔女たちを集める起死回生の奇策に出るダークファンタジー。隣国にて惨劇を引き起こした魔女を引き受けるべく、レーヴェに向かったバド一行。彼や娘の護衛として同行した黒犬と呼ばれる少年・ロロたちが巻き込まれるレーヴェの謀略や、アメリアの魔術師たちとの激突もあって、未だ先の見えない混沌とした状況で魔女集めはどうなるのか、今回生まれたいくつもの因縁がこれからどう活きてくるのか、いろいろ楽しみな新シリーズですね。現在2巻まで刊行。
5.リベンジャーズ・ハイ(ガガガ文庫)
塵禍で文明が一度滅び、砂塵を異能力に変換できる「砂塵能力者」が力を持つ近未来。因縁の復讐相手・スマイリーを追うチューミーが、利害の一致から一時的に粛清官に協力し、ワケありの粛清官・シルヴィとコンビを組む近未来SF復讐譚。特殊な事情を抱えていたシルヴィと出会い、最初は反発しながらも徐々に育まれていく相棒としての信頼感。テンポよく進む中でスマイリーと追う二人を巡る因縁も明らかになって、何度も葛藤と絶望に直面する異端のバディが待ち望んだ宿敵との対峙と決着、確かな絆が垣間見えた結末にはぐっと来るものがありました。
6.楽園殺し(ガガガ文庫)
とある事件を通じて粛清官としてコンビを組むことになった射撃の名手シルヴィ・バレトと寡黙な黒剣士シン。人を獣に変貌させるドラッグの捜査を任されていた彼女たちが、粛清官たちの作った悪しき過去に直面するダークファンタジー。今のシルヴィを作った凄惨な過去と呪縛。抜きん出た実績を挙げてゆくシンとコンビを組むゆえに刺激される劣等感と焦燥。危ういシルヴィがシンならずとも心配になる中、進んでいく展開は様々な意味で不穏な空気を増して行って、凄く嫌な予感しかしないですけど何とか二人で乗り越えて欲しいですね。現在2巻まで刊行。
7.きみは本当に僕の天使なのか(ガガガ文庫)
推したアイドルがことごとく引退していった沖田優羽の最後の希望、完全無欠のアイドル瀬在麗。自分が推す最後のアイドルと決めていた彼女から、彼氏になるよう依頼される青春小説。女性恐怖症を患う優羽が勇気を出して参加した麗の握手会。その夜に優羽の家に押しかけてきた麗の事情。急変してゆく日常の中で、アイドルの麗しか知らなかった優羽が知ってゆく彼女の素顔。目的に向かって突き進むどこか危うい彼女のありように振り回されながらも、彼女のために自分はどうすべきか、考えに考え抜いた選択とその結末にはぐっと来るものがありましたね。現在2巻まで刊行。
8.とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)
とある飛空士への追憶
posted with ヨメレバ
犬村 小六/森沢 晴行 小学館 2008年02月19日頃
空に生き甲斐を見出す傭兵飛空士シャルルが、次期皇妃ファナを送り届けるため、単機敵制空権内を翔破することを命じられる物語。秘密作戦のはずなのに皇子の迂闊な連絡で敵に作戦が筒抜けという状況下、二人が協力して切り抜けていくうちに、命じられたことに従うだけだったファナも本来の自分を取り戻し、お互い想いを育んでいきながら、でも叶わないと知っているその思いに葛藤する展開に心を揺さぶられました。最後の別れのシーンは切なくて美しかったです。
9.二度めの夏、二度と会えない君 (ガガガ文庫)
二度めの夏、二度と会えない君
posted with ヨメレバ
赤城 大空/ぶーた 小学館 2015年01月20日頃
転校生・森山燐と意気投合し、念願だった文化祭でのバンド演奏を成功させながら、亡くなる間際の彼女に告白した結果すれ違ったまま失った智。そんな後悔から引きこもってしまった彼が、彼女と出会いからやり直す機会を得る物語。彼女との別れで再び後悔しないため、やり直す日々で奔走する智でしたが、それはやはり燐を大切に思う気持ちがあったからですよね。そう遠くない別れを予感しながらも精一杯生きようとする燐と、そんな彼女の思いをきちんと受け止めて、悲しみを乗り越えて再び歩き出そうとする智の二人を描いた素晴らしい青春小説でした。
10.きのうの春で、君を待つ(ガガガ文庫)
引っ越した先の東京でうまく行かず、かつて住んでいた離島・袖島に家出してきた船見カナエが、幼馴染だった保科あかりと再会。時間を遡る現象「ロールバック」に巻き込まれる青春小説。カナエが巻き込まれた飛ばされた四日後から夕方6時になると一日ずつ遡るロールバック現象。遡る中で明らかになってゆくあかりの兄・彰二の死とあかりの恋心と兄への複雑な思い。ひたむきに頑張ってきたからこそ、失われたものの喪失感も大きくて、けれど何とかしようと懸命だったカナエの奔走が、未来への希望を引き寄せる展開にはぐっと来るものがありました。
11.異世界忠臣蔵(ガガガブックス)
異世界忠臣蔵 〜仇討ちのレディア四十七士〜
posted with ヨメレバ
伊達 康/紅緒 小学館 2022年02月22日頃
聖塩に護られし地、レディア王国。だが悪臣キーラによって王は殺され、国家存亡の危機に立たされる。列国最強と謳われたレディア騎士団も、護国派と仇討ち派で分裂の危機。現代人の寺坂喜一がやってきたのは、そんなときだった。美少女団長クラノスの信頼を得て、仇討ち派の女騎士アンスヴェイを説得にかかる……おのおの方、頼むから仲良くしよ?再現せよ忠臣蔵! 痛快“討ち入り”ファンタジー活劇、ここに開宴!!
12.公務員、中田忍の悪徳(ガガガ文庫)
ある日の深夜。仕事から帰宅した忍は、リビングに横たわるエルフの少女を発見した。濡れタオルで鼻と口を押さえつつ、知恵の歯車を回し始める忍。異世界からの来訪者と遭遇した際、まず警戒すべきは“異世界の常在菌”である。仮に異世界エルフの常在菌が、人類絶滅系の毒素を放出していた場合、焼却処理では間に合わない。ダイオキシンの如く、半端な焼却処理が土壌を侵し、その灰が風に乗り雲になり、毒の雨となって大地に降り注ぐ可能性も否めないのだ。ならばエルフを即座に、極低温で凍結し、最善で宇宙、あるいは南極、最悪でも知床岬からオホーツクの海底へ廃棄するしかない。必死に足掻く忍の前で、エルフの両瞼がゆっくりと開き…。現在3巻まで刊行。
13.ホラー女優が天才子役に転生しました(ガガガ文庫)
ホラー女優が天才子役に転生しました
posted with ヨメレバ
鉄箱/きのこ姫 小学館 2020年08月20日
貧乏育ちの苦労人ホラー女優の鶫が自動車事故で即死。転生した先は碧眼ハーフの超美少女つぐみ(5歳)で、ドのつくお金持ち令嬢だった!!つぐみの両親はつぐみに「注入された」演技の才能をすぐさま見抜き、テレビドラマの子役オーディションへ飛び入り参加させる。3人の仲良し子役美少女、凛、珠里阿、美海と出会い、幼女の友情を育む。信じられない演技力でドラマの監督、脚本家、大ベテラン俳優を、驚愕させる。妖艶すぎる5歳の演技で、大の男を骨抜きに。世界がひれ伏す大天才女優(5歳)がここに誕生!!現在2巻まで刊行。
14.元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。(ガガガ文庫)
元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。
posted with ヨメレバ
野村 美月/へちま 小学館 2021年03月18日
中学時代、秘密の恋人同士だった理知と孤高の美少女渋谷ないる。理知に一方的に別れを告げて転校した彼女が、再び転校生として彼の前に現れる青春小説。再会していっそう美人になったないるを意識せずにいられない理知。一方、理知に冷たい横顔を向けつつ、意味深な発言を繰り返すないる。変わり者の上級生佐伯冴音子の策略に振り回されたり、思わぬ急展開に動揺する理知には忘れていた過去があって、不器用過ぎて拗らせてしまう彼らの距離感がもどかしかったですけど、失いかけていた大切なものを取り戻した二人が迎える結末は微笑ましかったです。
15.ピンポンラバー (ガガガ文庫)
日本全国から集まった卓球エリートがひしめく私立卓越学園。そこにかつて天才卓球少年と呼ばれた飛鳥翔星が入学し、完敗した一年生最強の女子・白鳳院瑠璃と組んで、その姉で自らの因縁の相手でもある学園最強の女子・紅亜に挑む青春小説。膝の重症を乗り越えかつて対戦した少女を探していた翔星と、紅亜を負かすことに執念を燃やす瑠璃の共闘関係。衝突しつつも勝ちたい一心でのめり込んでいく、身を焦がすほどに卓球を愛する二人が挑む熱い勝負はこれまで積み重ねてきた想いもカタルシスに繋がっていて、そんな物語の結末もまた効いていました。現在3巻まで刊行。
16.平浦ファミリズム (ガガガ文庫)
五年前にベンチャー企業社長である母を亡くした平浦一慶。残されたトランスジェンダーの姉、オタクで引き籠りの妹、コミュ障でフリーターの父とともに過ごす日々が描かれる青春小説。何でも自分でできてしまうがゆえに高校にもろくに通わず、アプリ開発に精を出す日々を送る一慶。過去の苦い経験から周囲に無関心でしたけど、誤解されて窮地に陥った時でも彼のことを気にかけてくれる人たちがいて、不器用な交流の中にもたくさん気づけたことがあって、彼だけでなく周囲もまたその影響を受けて成長してゆく展開は、とても心に響くものがありました。
17.地球外少年少女:前編(ガガガ文庫)
地球外少年少女(前編)
posted with ヨメレバ
カミツキレイニー/磯 光雄 小学館 2022年02月18日
インターネットも、コンビニもある2045年の宇宙。日本の商業ステーション「あんしん」で出会った少年少女たちが、大きな災害に見舞われるオリジナルアニメのノベライズ。大人とはぐれ、ネットや酸素供給が途絶した「あんしん」に閉じ込められた状態から、自力での脱出を目指す子供たち。仲間たちが自分の得意な知識や経験を活かして、時にはAIの力も借りながら生き延びるための方法を探してゆく展開で、いがみあっていた彼らの中に育まれてゆく絆、そして期せずして史上最高知能AIが語った恐るべき予言の「真意」に迫ってゆく展開はなかなか面白かったです。
地球外少年少女(後編)
posted with ヨメレバ
カミツキレイニー/磯 光雄 小学館 2022年02月18日
ようやく大人たちと合流を試みる子供たち。しかし商業彗星が破片を撒き散らしながら地球や「あんしん」に衝突しようとしていることを知り、それを何とか阻止しようとする後編。殺処分されたはずのAI・セブン復活を恐れるUN2.1からも攻撃目標と定められながら、大人たちと協力して彗星と接続を試みる子供たちの前に立ちはだかった意外な人物、そしてインプラントの寿命が迫る心葉。ギリギリの局面で何を選択することが最善なのか、運命を受け入れるしかないのか、難しい対応を迫られる展開でしたけど、普通なら諦めてしまうような状況でどこまでも諦めない強い思いが引き寄せた結末、そんな経験から成長してゆく少年少女のその後にはぐっと来るものがありましたね。
18.さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫)
ぼくらの学校には吸血姫がいる。書くことを止めた高校生作家・常盤桃香、学校に住む風変わりな吸血鬼、正義のために戦う風吹、いじめっ子を装いつつ風吹を気にかける真光寺、それぞれの視点から紡がれる物語。最初は切ない雰囲気のストーリーと感じていましたが、視点が切り替わるたびに登場人物たちの印象や行動の意味合いもどんどん変わっていってビックリしました(苦笑)著者さんらしいテイストで描かれる不器用な彼女たちの交流はとても暖かいのに、それらが噛み合わずすれ違う哀しい展開。どこかやるせなさを感じずにはいられない物語でした。
19.あの日、神様に願ったことは(電撃文庫)
あの日、神様に願ったことはI kiss of the orange prince
posted with ヨメレバ
葉月 文/フライ KADOKAWA 2019年03月09日頃
一年に一度、願いが叶う宿星市に住む風祭叶羽が、十七歳の誕生日に出会った先輩・逢見燈華。願いを叶えるために星の幸魂の試練を課された燈華と、姉を喪い傷心を抱える叶羽の優しくて少し痛い奇跡の青春小説。病床にあった姉との悔いの残る別れから、写真を撮ることを止めてしまった叶羽が、人知れず試練を抱えていた燈華と出会い、振り回されながらも惹かれていく展開で、登場人物たちの不器用で甘酸っぱい想い、そして絶望を救おうと奔走する真摯で一途な想いがもたらした奇跡はとても素晴らしかったです。続巻も気になる期待のシリーズですね。現在3巻まで刊行。
20.空飛ぶ卵の右舷砲 (ガガガ文庫)
人造豊穣神の大崩壊で跋扈するようになった異形の怪物により人類が地上から追放された世界。小型ヘリ<静かなる女王号>を操り樹竜を狩るモズと相棒ヤブサメが、その腕を買われ旧都市新宿での大規模探索作戦に参加する近未来ファンタジー。豪快なモズと彼女に振り回されながちなヤブサメのコンビを中心に、立場の違う空団の面々と時にはいがみ合いながらも、強大な敵を相手にギリギリの戦いを繰り広げてゆく中で認め合うようになってゆく熱い展開に、その物語を締めくくる意外なオチもまた効いていました。続編に期待のシリーズです。現在3巻まで刊行。
21.ハル遠カラジ (ガガガ文庫)
人がほとんどいなくなってしまった近未来。人工知能の機能障害を発症した軍事用ロボットのテスタと、彼女の障害を治すために共に旅する少女・ハルの旅先での様々な出会いを描く機械と人と命の物語。医工師を探し求める旅で出会ったイリアたち、少しずつ変わってゆくハルとの関係をどうすべきか葛藤し続けるテスタと、目的地で明かされる障害の真実。ハルを拾って試行錯誤しながら育ててきた二人の関係と、彼女たちを支えたロボットたちの存在があって、二人がこれまで育んできた絆に向き合い危機を乗り越える展開にはぐっと来るものがありました。全4巻。
22.恋は夜空をわたって (電撃文庫)
ある晩、高校生の長谷川壮一が適当に選んだ配信から流れてきた聞き覚えのある声。小柄なのに大人びたお洒落な美人で、つれない態度のクール系後輩・御簾納咲の本音をうっかり知ってしまう配信青春ラブコメディ。リスナーからの相談に乗って自分の片思いの話までしてしまう、ラジオから流れてきたいつも塩対応なあの子の思わぬ本音。そんな彼女の気持ちに動揺しながらも、一方で図書委員として接する彼女には容易にそれと悟らせないギャップがあって、お互い意識しながらもその先へなかなか踏み込めない距離感がもどかしかったですけど、上手く行かなかったら…とつい怖がってしまう独りよがりな気持ちを乗り越えて、勇気を持って前に踏み出した二人の結末はなかなか良かったですね。巻末に載っていたyoutubeの動画もなかなかいい感じでした。
23.となりの彼女と夜ふかしごはん (電撃文庫)
となりの彼女と夜ふかしごはん 〜腹ペコJDとお疲れサラリーマンの半同棲生活〜(1)
posted with ヨメレバ
猿渡 かざみ/クロがねや KADOKAWA 2020年11月10日
仕事漬けの毎日にすっかり憔悴しきっていた大手スーパーの文具部門で新任マネージャー・筆塚ヒロト。深夜帰宅後につまみを作って酒を飲むことが趣味の筆塚が、お隣の腹ペコ女子大生・カンナと出会うお仕事小説。憧れの食品部門から異動して戦意喪失気味だった筆塚と、鍵を無くして部屋に入れない腹ペコ女子大生・カンナの運命的な邂逅。酔っ払ったカンナのギャップは興味深かったですが、絶望に直面していた二人が美味そうな深夜メシで意気投合してお互いに刺激を受ける中で、見落としていた大切なことに気づいていく展開はなかなか良かったですね。現在2巻まで刊行。
24.ホヅミ先生と茉莉くんと。(電撃文庫)
ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい(1)
posted with ヨメレバ
葉月 文/DSマイル KADOKAWA 2021年02月10日
デビューから早六年。未だに重版未経験もなくスランプに陥る売れない作家ホヅミ。渾身の原稿を全ボツにされ、売れ線のラブコメを書くよう担当編集に提案された彼の元に、謎の女子高生・白花茉莉が現れるラブコメディ。彼女の協力を得て夢のミリオン作家を目指し再び執筆に励むホヅミ。そしてコスプレ、デート、買い物など、積み重ねていく何気ない日々の中で距離を近づけてゆく二人。作家としてのありように葛藤する先生の複雑な想いは生々しかったですが、そんな彼を支えていつの間にか大きな存在となっていた彼女との絆がとても素敵な物語でした。現在3巻まで刊行。
25.娘のままじゃ、お嫁さんになれない! (電撃文庫)
冒険家の祖父が亡くなったのをキッカケに、彼と同居していた国籍不明の少女・星咲藍良を引き取ることになった高校教師の桜人。何とも複雑な親と娘、先生と生徒、近くて遠い関係が織りなす家族小説。旧知で久しぶりに会った桜人と彼を慕う藍良は、同時に桜人が教師を務める高校に入学した担任と教え子の関係。周囲に明かせない難しい状況で二人の甘いシーンはタイトルの印象からするとやや控えめでしたけど、元カノや同僚の教師、優等生の委員長もなかなかいい感じに彼らに関わり、支えてくれる優しい人たちに囲まれながら、これから二人が関係をどう再構築してゆくのか、今回でキリのいい感じにまとまりましたけど、その続きをまた読んでみたいと思いました。22年7月に2巻目刊行予定。
26.ロストマンの弾丸(ガガガ文庫)
悪党たちが巣食う旧都トーキョー、通称ロストマンズ・キャンプ。覆面のヒーロー「ビークヘッド」として母を亡くした十年前の事件について探る未那が、フリーランスの運び屋・東と出会うハイスピード異能バトル。未那をマフィア「名誉ある橙」の相談役である前堂に引き合わせる東。前堂と取引することで、因縁の敵であるヴィトーの居場所をついに突き止める未那。様々な思惑が交錯する中で登場人物たちの過去や思いも明らかになっていって、窮地に陥っても揺らがないその矜持を最後まで貫き通してみせたそれぞれ結末にはぐっと来るものがありました。現在2巻まで刊行。
27.先生とそのお布団 (ガガガ文庫)
石川博品/エナミ カツミ 小学館 2017年11月17日頃
売れない中年ライトノベル作家・石川布団と人語を解す「先生」と呼ばれる不思議な猫とがつむぎ合う苦悩の日々が描かれる私小説的執筆譚。これはどこまでが実話なのか妄想なのかいろいろと想像してしまうくらいにはリアリティを感じる展開でしたけど、遥か年下の女の子がどんどん飛躍していく一方で、他社への持ち込みや企画がボツになったり何度も打ち切りを食らったり、こうもうまくいかない事が続くとなかなかしんどいですよね...。今の時代に自分の書きたいことを書く作家であり続けることは、つまりこういうことなのかとも思ったりしました。
28.夢にみるのは、きみの夢(ガガガ文庫)
夢にみるのは、きみの夢
posted with ヨメレバ
三田 麻央/あおのなち 小学館 2021年04月20日
乙女ゲームが趣味のオタクOL・二橋美琴。25歳の誕生日の深夜に一人公園でお花見をしていた恋愛経験ゼロの美琴が、研究所から逃げてきたAIロボット・ナオを拾う青春小説。転んで怪我した美琴の手当をしてくれた、金色の髪を持つ美しい青年ナオ。しばらく匿ってほしいというナオとの同居生活は徐々に美琴に潤いを与えて、憧れの先輩との縁ができたからこそ気づいた自らの思いがあって。そこから明かされてゆく思ってもみなかった事実に、構図はガラリと様相を変えていきましたけど、そんな彼らが迎える一つの結末がなかなか印象的な物語でした。
29.このぬくもりを君と呼ぶんだ(ガガガ文庫)
オゾン層が破壊され人々が地下に住むようになった世界。地下都市に住む十六歳の少女・レニーが、サボリ魔の不良少女・トーカと出会う近未来青春小説。周りに溢れるフェイクを嫌ってリアルを探しているレニーと、他の友人とは違うトーカと過ごすようになる日々、空から降ってきた謎の球体「太陽の欠片」。閉鎖的な空間に生きる人々の意識と、不器用ゆえにすれ違ってゆく二人、そして不安を抱えるレニーと太陽の欠片の行方がどこに行き着くのかドキドキしながら読みましたが、しっかりと向き合い希望ある未来に繋がってゆく優しくて素敵な物語でした。
30.サンタクロースを殺した。そして、キスをした。 (ガガガ文庫)
サンタクロースを殺した。そして、キスをした。
posted with ヨメレバ
犬君 雀 小学館 2020年06月18日
聖夜を間近に控えて街も浮き立つ12月初旬。先輩にフラれて絶望していた大学生の僕が、クリスマスをなくせるという高校生らしい一人の少女と出会う青春小説。少女が持つ『望まない願いのみを叶える』ノートの存在。ノートの力で消すためにはクリスマスを好きになる必要があり、少女と疑似恋人になった僕。共に過ごすうちに変わってゆく心境があって、それぞれが心残りを解消していった先で明らかになってゆくもう一つの物語があって、思ってもみなかったクリスマスの真相とその結末、そしてそんな二人が見出したかすかな希望が印象的な物語でした。
その他のキャンペーン
【Kindle最大50%オフ】ホビージャパン GWライトノベルフェア (5/14まで)