22年2月ファンタジア文庫・GCN文庫の新刊感想まとめ

今回は富士見ファンタジア文庫・GCN文庫のまとめです。

内訳は富士見ファンタジア文庫はシリーズ続巻が4点、新作2点の計6点、それにGCN文庫の続巻が1点の全7点になります。

ファンタジア文庫の続巻は何といっても終盤に向かう中で圧巻の展開を見せてくれた「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」20巻目、人見知り克服のために義妹が文化祭で演劇に挑戦する「じつは義妹でした。」2巻目、親友になった二人の関係が変化してゆく「クールな月城さんは俺にだけデレ可愛い」2巻目、月愛と海愛や友人たちの関係も描かれてゆく「経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。」4巻目とどれも充実のラインナップでした。

また新作の方も第６回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門〈特別賞〉受賞作「俺の召喚獣、死んでる」もなかなか面白い王道ファンタジーで、「運命で結ばれた恋人……のあざとい妹と一線を越えてしまう、あの日まで」も今流行りの背徳系に家族的な関係も絡めた今後に期待の一冊でした。GCN文庫「霜月さんはモブが好き」もここぞという場面で圧倒的ヒロイン力を魅せる霜月さんが見どころです。

どれも面白かったので気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。

※各作品タイトルのリンクはBookWalkerページに飛びます。

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典20 (ファンタジア文庫)

ロクでなし魔術講師と禁忌教典20

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羊太郎/三嶋　くろね KADOKAWA 2022年02月19日

「天の智慧研究会」の最後の猛攻がフェジテを飲み込もうとする前夜。グレンたちが不在のまま、彼の想いを受け継いだ者たちが圧倒的な危機のなかを戦い抜く第二十弾。ついに邂逅したリィエルと<剣の姫>エリエーテ、過去の因縁を胸に対峙するアルベルトとパウエル、そして元帥としてフェジテの全てを一身に託されたイヴ。狡猾な猛攻の真意を見抜いて的確な手を打って潰してゆくイヴがキレキレでヤバかったですが、リィエルやアルベルト、これまで登場してきたキャラたちが総力戦で見せた覚悟は、これまで積み重ねてきた伏線がここにきて全て繋がって心揺さぶられずにはいられない圧巻の展開でした…これは続きが早く読みたいです。

じつは義妹でした。2 ~最近できた義理の弟の距離感がやたら近いわけ~ (ファンタジア文庫)

じつは義妹でした。2 ～最近できた義理の弟の距離感がやたら近いわけ～

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白井　ムク/千種　みのり KADOKAWA 2022年02月19日

義妹・晶との距離感が縮まってドキドキな兄妹生活が続く毎日。そして学園祭で演劇部でひなたがジュリエットを、そしてなんと晶がロミオを演じる第二弾。極度の人見知りを克服して兄貴を安心させたい晶を、兄として全力で応援する覚悟を決める涼太。晶が対抗意識を燃やしたひなたとの料理対決もあったりして、若干過保護なブラコン気味の涼太の優しさに、ますます想いを募らせてゆく晶の関係は微笑ましい感じでしたけど、今回はひなたと光惺というもう一つの兄妹の関係も掘り下げてゆく展開で、演劇部の子たちの思いや、絶体絶命の窮地にも最後まで諦めずに何とかしようと奔走したその結末にはぐっと来るものがありました。

クールな月城さんは俺にだけデレ可愛い2 (ファンタジア文庫)

クールな月城さんは俺にだけデレ可愛い2

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村田　天/成海　七海 KADOKAWA 2022年02月19日

春夏秋冬の同居生活を経て、周りの目を気にしないくらいにはイチャつく親友になった碧と悠。いい関係を築き上げつつある二人に意外なきっかけで変化が訪れる第二弾。親友だから頑張った特別なチョコだったり、一緒にお出かけしたり、体育祭で一緒に二人三脚を走ったりと、その積み重ねに満足していた二人の関係を意識せずにはいられない湯田の報告。頑張って今の関係を取り戻した碧が、これをかけがえのないものだとしみじみと噛み締めているのだと思うと、漠然とした不安を感じるのも何か分かる気がしましたが、再び一緒に積み重ねてきたからこそ戸惑いながらも自らの中に思いを自覚して、勇気を出して向き合うことができた二人の結末にはほんと良かったなと思えました。

経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その4 (ファンタジア文庫)

経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。その4

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長岡　マキ子/magako KADOKAWA 2022年02月19日

悩み多き高校生活の中で、理想と現実のギャップに翻弄されながらも一歩一歩前進、成長していくリュートや月愛、そして海愛たちの青春を描く第四弾。受験に専念したい関家先輩と笑琉のすれ違い、失恋で別人の変貌した伊地知と谷北の複雑な想い、海愛とまた仲良くなりたい月愛の奮闘。状況も変わってゆく恋模様や複雑な人間関係は、頑張ったから必ずしも上手くいくというわけでもなくて、中にはほろ苦い決断や結末もありましたけど、それでも変わらないものや大切なものも確実にあって、元に戻ることはできなくてもこれからどう変わるか、支え合いながら一生懸命向き合おうとする彼らの成長がとても印象的でした。

俺の召喚獣、死んでる (ファンタジア文庫)

第６回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門〈特別賞〉受賞

俺の召喚獣、死んでる（1）

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楽山/深遊 KADOKAWA 2022年02月19日

召喚術師養成学校の苦学生フェイルが喚び出した伝説の召喚獣パンドラは死んでいて、学院トップの王女サーシャに勝つため、チームメイトと共に全く動かない死体を動かす方法を模索するファンタジー。召喚獣なしで仲間たちとともに戦いながら、召喚獣を何とか動かすために試行錯誤を繰り返すフェイル、ふとしたきっかけから彼と交流を持ったサーシャが垣間見せる意外な素顔。フェイルには困った人を放っておけない優しさがあって、何とか召喚獣の活用に希望を見出す中で直面した危機的状況に最後まで諦めず奮闘する熱い展開にはぐっと来るものがありました。これは続巻に期待の新シリーズですね。

運命で結ばれた恋人……のあざとい妹と一線を越えてしまう、あの日まで (ファンタジア文庫)

運命で結ばれた恋人……のあざとい妹と一線を越えてしまう、あの日まで（1）

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来生　直紀/pon KADOKAWA 2022年02月19日

高校二年の春、約束を交わした幼馴染の真昼と運命の再会を果たして恋人同士になった一心。彼が親元を離れた彼女とその妹・彩夜の三人で生活を始める物語。寝室に忍び込んだ彩夜からキスをされてしまい、秘密を抱えて始まった三人での同棲生活。恋人なのになかなか進展しない真昼との関係があって、一方、一心と同じ文芸部に入部して二人だけで交流する機会が増えてゆく後輩の彩夜。二人とも好きな彩夜が抱える複雑な思いに振り回されながら、けれど三人での生活を大切に思う気持ちはみんな一緒で、失くしてはいけないものを取り戻すために奔走したこれからの展開が気になる今後に期待のシリーズですね。

霜月さんはモブが好き 2 (GCN文庫)

霜月さんはモブが好き　2

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八神鏡/Roha マイクロマガジン社 2022年02月19日頃

名前で呼び合う関係に進展したしほと幸太郎。しかしハーレム主人公・龍馬への「ざまぁ」が足りないことが不満の転校生メアリーが、新たな物語を作るべく暗躍を始める第二弾。あざとい運命的な出会いを演出して、龍馬との距離を着々と縮めてゆくメアリーの思惑。悩めるサブヒロインたちの選択、そしてキーマンとしてメアリーに脅迫される幸太郎。幸太郎たちにはそのポンコツっぷりを隠さなくなり、彼が大好き過ぎて愛が重いしほには苦笑いでしたが、一方でそんなしほとの出会いがモブだった幸太郎を確実に変えていて、彼が絡むと発揮されるしほの圧倒的ヒロイン力が今回のポイントでしたかね。二人の関係はなんだかんだで盤石になりつつありますけど、一方で失意の龍馬やサブヒロインたちの今後が気になるところではあります。

読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

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