2022年1月GA文庫の新刊感想まとめ - 読書する日々と備忘録

今回は1月GA文庫まとめです。

内訳としてはシリーズ続刊4点、新作2点の計6点になります。

まず続巻ではシリーズ初の短編集は変化してゆく二人の距離感描写の積み重ねがたまらない「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」5.5巻目、修学旅行が激動の展開の連続で何でこうなった感に苦笑いの「友達の妹が俺にだけウザい」9巻目、三つ巴の帝国帝位争いがようやく決着する「天才王子の赤字国家再生術」11巻目、今回で完結でしたけど最後までらしさ全開で大満足だった「厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由」4巻目をセレクト。

また新作も人気者だけど恋が苦手な深山葵が、不思議な力を持つ自称・恋愛カウンセラーの同級生・佐藤孝幸と出会う青春小説。「恋を思い出にする方法を、私に教えてよ」、終わりの見えない戦争で死にたがりの訳あり少女と仲間たちの奮闘を描く「コロウの空戦日記」はどちらもよかったですね。

気になる本があったらぜひ読んでみて下さい。

※各作品タイトルのリンクはBWページに飛びます。

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お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5.5 (GA文庫)

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5.5

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佐伯さん/はねこと SBクリエイティブ 2022年01月15日頃

ぶっきらぼうな中に細やかな気遣いを見せる周と、自然な笑みを浮かべられるようになった真昼。惹かれ合っていく二人の過去と今、そして彼らを取り巻く折々を描く書き下ろし短編集。密かに買ってきたもの、思い出の食事、掃除中に起きた事件、人をだめだめにするもの、真昼の過去や千歳と樹の馴れ初めなど、二人の日々の微笑ましいエピソードを中心に丁寧に描写が積み重ねられていて、周と真昼の距離感の変化が感じられたり、千歳と樹視点の二人の描写があったりもして、またこれまで描かれていなかった二人を取り巻く周辺事情の掘り下げもなされていたりと、いろいろな意味で興味深く読めた一冊でした。

友達の妹が俺にだけウザい9 (GA文庫)

友達の妹が俺にだけウザい9

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三河ごーすと/トマリ SBクリエイティブ 2022年01月15日頃

修学旅行中、翠との一件で自分の気持ちに気づいた明照。しかし真白決死の猛攻開始で、自由行動日に真白から最後のデートに誘われた明照が天地堂エターナルランドに向かう第九弾。彩羽の母・乙羽による無駄に盛大なおもてなし、そして思わぬ巡り合わせからまさかの合流とか、修学旅行中なのに何でこんなことになっているのかよくわからない激動の展開でしたけど、入れ子になるようにそれぞれの娘と絡む彩羽と真白の母親の思惑がいまいち読みきれない状況で、大きく踏み込んできた真白、そしてなかなか苦い過去に向き合えない彩羽と、ヒロインたちもこれから大きな転機を迎えそうですね…音井さんの下の名前も気になるところです（苦笑）

天才王子の赤字国家再生術11~そうだ、売国しよう (GA文庫)

天才王子の赤字国家再生術11〜そうだ、売国しよう〜

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鳥羽徹/ファルまろ SBクリエイティブ 2022年01月15日頃

兄皇子達の失点を好機と捉え、一気に勝負を仕掛ける皇女ロウェルミナ。兄皇子陣営には士官学校時代の友人グレンとストラングがいて、彼らもまた起死回生の策に打って出ようとする第十一弾。今回は激化する帝位争いで各陣営が削り合う中、呼応してレベティア教と東レベティア教も動き出し、更にはウェインも舞台に介入すべく帝国へと踏み入る展開でしたけど、かつての学友たちが知略を駆使してぶつかり合い、状況が目まぐるしく変わる激動の展開とその結末はなかなか面白かったです。しかし今度はナトラの方でもいろいろと不穏が動きがあるようで、様々な思惑が絡み合いそうなここからの展開はどうなっちゃうんでしょうね…これ。

厳しい女上司が高校生に戻ったら俺にデレデレする理由4

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徳山銀次郎/よむ SBクリエイティブ 2022年01月15日頃

意を決して約束した文化祭で出会えず、互いに気まずい思いをしていた七哉と透花。小栗の策略と琵琶子の勘違いで七哉と小栗が付き合っているという噂が透花が聞いてしまう第四弾。動揺してポンコツ化してしまい、数々の騒動を引き起こす透花。そんな彼女の誤解に気づかないまま、透花に避けられ続けてしまう七哉。話なんか聞きたくないとどこまでも逃げる透花は、ほんと面倒くさいなと苦笑いでしたけど、それでもお互いにとってなくてはならないかけがえのない存在で、そんな彼女を放って行けず、しっかりと向き合ってくれる大切な人と仲間たちがいて、ベタだけれど読者の期待を裏切らないとても素敵な物語でした。今回で完結ということで次回作も期待しています。

恋を思い出にする方法を、私に教えてよ (GA文庫)

恋を思い出にする方法を、私に教えてよ

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冬坂右折/kappe SBクリエイティブ 2022年01月15日頃

才色兼備で人望が厚く、クラスの相談事が集まるものの、実は恋が苦手な深山葵。そんな彼女が同級生で自称・恋愛カウンセラーの佐藤孝幸と出会い、自らの気持ちを少しずつ変化させていく青春小説。かつて自分を助けてくれたヒーローを探し求めている葵と、彼女が胡散臭いと思い監視するうちに変わってゆく孝幸との新鮮な日々。パートナーとしてもたらされた依頼に関わってゆく二人には気にかけている過去があって、一方で孝幸が抱えてきた秘密には代償もあったりで、恋が苦手な二人が育んできた不器用な絆は微笑ましかったですけど、それを大きく揺さぶるような急展開によって、また拗らせて面倒くさいことになりそうですね（苦笑）ここから二人を絡めた関係がどんな動きを見せるのか、続巻が楽しみな新シリーズです。

コロウの空戦日記 (GA文庫)

コロウの空戦日記（1）

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山藤豪太/つくぐ SBクリエイティブ 2022年01月15日頃

有能だった独裁者の後継たる息子が無能で、泥沼の戦争から抜け出せないコクト国。とある事情から死ぬために戦闘機乗りになった少女・コロウが、カノーが率いる国内随一の精鋭部隊に配属される空戦ファンタジー。初戦から危険を顧みない飛び方を続けるコロウに気づいて、彼女を安易に死なせないよう監視する仲間たち。圧倒的な戦力差と無謀な命令から戦況が苦しくなる中、来襲する敵爆撃機を迎え撃つ中で明らかになってゆく彼女が抱える事情。コロウの性格や日記形式もあってやや淡々としている印象もありましたが、絶望的な苦境に陥りながらも優しく頼もしい仲間たちと力を併せて、苦しても最後まで諦めなかった彼女たちの熱い戦いとその結末はなかなか良かったですね。