Bookwalkerの超ラノベFES2022第2弾が始まりましたね。
今回は207作品が対象になっていて、スニーカー文庫やファミ通文庫、MF文庫Jなどが中心の構成で、21/12/24~22/1/6まで30~50%OFFになっています(他の電子書籍ストアも同様のようです)。今回はその中からおすすめ15作品をセレクトしてみました。
1.ひげを剃る。そして女子高生を拾う。(角川スニーカー文庫)※4巻まで
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。(1)
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しめさば/ぶーた KADOKAWA 2018年01月31日頃
5年片想いした上司の後藤さんにバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道に路上で家出女子高生・沙優を発見し、なし崩し的に同居生活が始まる日常ラブコメディ。自分を大切にしないことを叱る吉田の優しさに戸惑う沙優と、彼女の存在が自分の中で少しずつ大きくなってゆくことを自覚する吉田。そんな何事にも真摯に向き合う彼の変化が気になる後藤さんと後輩の三島柚葉。周囲に振り回されてはいても根幹はブレない、相手を大切にしようとする吉田のありようが素敵で、何とも複雑な関係ですが今後の展開がとても楽しみなシリーズですね。5巻+別巻2巻
2.覇剣の皇姫アルティーナ(ファミ通文庫)※10巻まで
辺境に飛ばされた皇女と、読書好きな軍師が出会うことで始まる戦記もの。本巻はこれからの物語に向けた前段部分で、世間知らずな感もある真っ直ぐな姫と、本で得た知識をベースに戦略を組み立てる軍師の組み合わせに、若干危うさも感じなくはないですが、魔法や特殊要素がほぼなく、目標に向けた遠い道のりを、どうやって現実路線で構築していくのかがポイントになりそうですね。決闘の結果は客観的な力量差を考えれば、妥当な落とし所だと思いました。キャラも好みで読みやすかったですし、今後出てくるであろう戦闘描写含め、今後の展開がとても楽しみなシリーズですね。現在14巻まで刊行。
3.黒鋼の魔紋修復士(ファミ通文庫)※10巻まで
神巫になったばかりの少女・ヴァレリアと、実力はあるものの性格に難のある紋章官ディミタール。肌に刻まれた魔紋を委ねる恥ずかしさや、プライドが高いのに自分の世間知らずを痛感させられるヴァレリアは、容赦無いディミタールの物言いに当然の如く反発するわけなんですが、そんな分かりやすい性格の彼女に現実を突きつけながらも囚われた彼女を救い出し、その思うところはよく理解していたようですね。反発することの多かった二人が、今後どう成長しその関係が変わっていくのか楽しみです。ガチャピンクの素顔もちょっと気になりました(苦笑)全13巻。
4.真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(角川スニーカー文庫)※8巻まで
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(1)
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ざっぽん/やすも KADOKAWA 2018年05月31日頃
最前線での戦いについていけなくなり、仲間の賢者により勇者のパーティーから追い出されたレッド。心機一転、辺境の地で薬草屋を開業しようとした彼のもとに、突如かつての仲間だった王女・リットが転がり込む辺境スローライフ。元ツンデレで不器用だったリットとはお互いがいい感じに補い合える存在で、そんな二人が初々しくも甘い関係を築いていく展開はなかなか良かったです。しかし調整役を放逐した勇者パーティーは案の定破綻していて、兄成分必須な妹勇者の状況も考えると、再び彼が必要とされそうな今後の展開も気になるところではあります。現在9巻まで刊行。
5.最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い(角川スニーカー文庫)※5巻まで
最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する(1)
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タンバ/夕薙 KADOKAWA 2019年08月30日
双子の弟に良い所を吸い取られた「出涸らし皇子」と呼ばれながらも気ままに過ごすアルノルト。皇子たちの帝位争いが激化し危機が迫ったことで、弟レオを支えて暗躍するファンタジー。最強SS級冒険者という隠れた一面を持つアルノルトが、有力な候補者たちに対抗するため様々な手を打っていく展開で、彼を慕う美姫・フィーネや勇爵家の幼馴染・エルナ、元凄腕暗殺者の執事だったり、その周囲を支える人材もなかなか濃いですね(苦笑)その垣間見せた実力には皇帝も気づいていそうですが、ここからどう陣営の劣勢を覆してゆくのか今後の展開に期待。現在8巻まで刊行
6.異世界拷問姫(MF文庫J)
父親に殺され魂を異世界召喚された瀬名櫂人が、悪魔狩りを命ぜられた『拷問姫』エリザベートに仕えることになるダークファンタジー。凄惨な世界に召喚したエリザベートに拷問か執事の二択を突き付けられ、身の回りを世話をすることになった櫂人。美しく拷問器具を用いて悪魔と戦うエリザベートもまた過酷な運命を背負う少女で、悪魔たちや宿命の相手との救いのない戦いが続く一方、それと合間にある主従関係の日常とのギャップが秀逸で、イラストに鵜飼さんを起用したことで独特な世界観を作り出していました。全9巻+別巻1巻
7.なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?(MF文庫J)
なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 運命の剣(1)
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細音 啓/neco KADOKAWA 2017年07月25日頃
地上の覇権を争う五種族大戦が英雄シド率いる人類の勝利に終わった時代を生きていたはずの少年カイ。突如人間が五種族大戦に敗れた世界に飛ばされ謎の少女リンネと巡り合う物語。自分を知らない世界で友人や幼馴染たちと再会し、手に入れたシドの剣と囚われていた少女リンネとの出会い。劣勢の人間族の窮地にあえて強敵に挑む展開はテンポも良くて読みやすく、物語の方向性も今回できちんと提示されましたね。リンネや幼馴染との関係や謎めいた花琳さんとか、世界がどうなっているのかも含めて気になるところもいろいろあったりで続巻が楽しみです。全9巻。
8.転生王女と天才令嬢の魔法革命(富士見ファンタジア文庫)※3巻まで
転生王女と天才令嬢の魔法革命(1)
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鴉 ぴえろ/きさらぎ ゆり KADOKAWA 2020年01月18日
幼い時に前世の記憶を取り戻してからは、魔法研究に邁進していた王女・アニス。そんな彼女が天才公爵令嬢・ユフィが次期王妃の座から外される場面に遭遇し、彼女をパートナーとしてスカウトするファンタジー。アニスの弟王子がユフィに突然突き付けた婚約破棄。そんな窮地に陥った彼女を颯爽と救ってみせたアニスは破格な存在で、その奇行や斜め上の発想に戸惑い振り回されながらも、彼女の示す道に新たな可能性を見出してゆくユフィは果たして幸せになれるんでしょうか(苦笑)けれど状況的に弟王子とは対立必至で、今後の展開が気になりますね。現在4巻まで刊行。
9.スーパーカブ(角川スニーカー文庫)※6巻+Reserveまで
父親を亡くし母親が失踪、友達も趣味も何もない日々を送っていた山梨の高校に通う女子高生・小熊。そんな彼女が中古のスーパーカブに出会い、それをきっかけに世界が広がってゆく物語。奨学金で高校に通う慎ましい生活を送る子熊視点で淡々と綴られる、同じカブに乗る同級生の礼子と知り合ったり、カブを巡る様々な出来事に遭遇したり、これまで目を向けてこなかったものに気づいてゆく展開。著者さんの深いカブ愛を感じつつ、子熊らしい慎重なペースで、けれど確実に世界が広がっていてゆく様子がとてもいいと思いました。これは続巻も期待ですね。現在7巻まで刊行。
10.幼なじみからの恋愛相談。相手は俺っぽいけど違うらしい(角川スニーカー文庫)
幼なじみからの恋愛相談。 相手は俺っぽいけど違うらしい(1)
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ケンノジ/やとみ KADOKAWA 2021年03月31日
最近はロクに話すらしていなかった幼馴染・雛形栞から突然呼び出されることになった殿村隆之介。そんな彼女から好きな人ができたと恋愛相談される青春ラブコメディ。タイトルがまんま内容の説明になっていましたが、疎遠になっていた幼馴染から恋愛相談と称して再び交流する機会ができて、久しぶりに彼女の家を訪問して大歓迎されたりなぜか二人でデートすることになったり。いやここまで分かりやすい感じだと、もしかして...どころじゃなくてバレバレですやんとつい突っ込んでしまうような、何とももどかしい二人の距離感が微笑ましかったです。22年2月3巻目刊行予定。
11.近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係(ファミ通文庫)
母と二人で暮らす家で、同い年の遠い親戚の女の子和泉里奈と同居することになった高校生の坂本健一。彼女の出現によって様々な変化がもたらされてゆく物語。兄にコンプレックスを抱き他人との距離に悩む健一と、控えめながら女子校育ちで無防備な里奈。近過ぎるのにどこか遠い彼女を意識し友人たちに知られたくないと感じる健一に気づき、心穏やかではいられない幼馴染・由梨子。最近希少のオーソドックスな構成で、著者らしい繊細な心理描写は今回も健在。終盤にもたらされた波紋で今後どのような展開になってゆくのか期待の作品です。全2巻。
12.下読み男子と投稿女子(ファミ通文庫)
どんな作品も面白いと感じるラノベ新人賞の下読み高校生アルバイト・青と、厳しい祖母との生活や投稿作への酷評から自信をなくしかけていた同級生の美少女・氷ノ宮氷雪。本来出会うはずのない二人が出会い、二人で協力しながら投稿作品を作り上げていく二ヶ月間。周囲とうまく付き合うことのできなかった氷雪と、孤高の彼女に自分は釣り合わないと思う青。お互いに影響を受けて強く惹かれていきながらも、そこからあと一歩を踏み出す勇気を持てないもどかしい二人の迷いや、それを乗り越えようとする真摯な想いが心に響く素敵な青春創作物語でした。
13.彼女のL(ファミ通文庫)
彼女のL 〜嘘つきたちの攻防戦〜
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三田 千恵/しぐれうい KADOKAWA 2018年08月30日頃
嘘がわかる特異体質を持つ遠藤正樹。そんな彼が気になる決して嘘をつかない川端小百合と常に振りまく学校のアイドル佐倉成美、死んだ共通の友人を巡る願いと嘘と恋が交錯する青春ミステリ。「彼女は殺された」という川端と「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく佐倉。ともに過ごす時間が増えてゆく中で正樹にだけ見せる彼女たちの素顔と、正樹と父親の関係。新事実が明らかになってゆくたびにガラリと変わってゆく構図。彼女たちがついた嘘は切なくも優しくて、真実に向き合ったからこそ見えたその想いとはっとするような結末はとても印象的でした。
14.天才少女Aと告白するノベルゲーム(ファミ通文庫)
天才少女Aと告白するノベルゲーム
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三田 千恵/しぐれうい KADOKAWA 2019年12月30日頃
大好きなフリーゲーム制作者Aに会うため、桜山学園ゲーム制作部に入った水谷湊。しかしAと思しき部長の菖蒲は不登校で、彼女が学校に来るよう部員たちから託される青春小説。仲が良さげなゲーム部員が抱える苦い過去、そして湊のもとに送られてきたひとつのノベルゲームが示唆する過去。部員それぞれの事情が明らかになってゆくたびに彼らの印象も変化して、構図が二転三転した末の決着は新たな違和感に繋がって、確執が残る母とも向き合いつつバットエンドに隠されていた真相を見出して、大切な笑顔を取り戻してみせた結末がとても印象的でした。
15.やがてはるか空をつなぐ(ファミ通文庫)
高校の物理部でバルーン実験に勤しむロケットオタクの青桐七海、プログラマー山花俊、天真爛漫な後輩・町田佐奈。実験の当日、彼らが近くの高校に通う赤森遙と出会う青春小説。ロケットを打ち上げることに執着する七海が抱える悔恨、遙がロケットを打ち上げたい理由、そして後輩・佐奈や七海の予備校の友人・柊、そして俊のそれぞれの想い。それぞれに悔やみきれない苦い過去があって、ままならない複雑な事情も交錯する狂おしいまでの真摯な想いがあって。それでも彼らが勇気を出してぶつかりあった先にあった結末にはぐっと来るものがありました。
以上です。
気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。