読書する日々と備忘録

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今注目のライトノベルファンタジー15選

 昨日、Twitterでふとこんなことを呟きました。

とはいえ1巻目からどれだけ売れるのか、続巻に繋げていくのかが重要なのは間違いないわけで、自分の好きな作品の続きを読むためにできることは、気になる作品を紹介してこれまで知らなかった読者に知ってもらうしかないと思うんですよね。青春小説についてはついこの間、下のような紹介記事を作りました。

 なので今回はシリーズ作品を中心に個人的に今注目のファンタジー作品を15作品セレクトしています。少しでも作品を知ってもらうきっかけになればと思いますし、気になる本があったらぜひ手にとって読んでみてください。

 

1.ファイフステル・サーガ (ファンタジア文庫)

古の魔王が再臨する絶望の未来を変えるため「アレンヘムの聖女」セシリアと婚約し、傭兵団「狂嗤の団」団長となる道を選んだカレル。聖女の加護を受け死の未来を回避する英雄として奮闘するファンタジー戦記。二年後の魔王再臨を限られた人しか知らない中で、代替わりした王国や戦争を仕掛けてきた自治領相手にどう立ち回るのか。腕が立って商才があり現実的な手段を積み重ねるカレルだけでなく、ヒロインのセシリアや仲間たち、王国の登場人物たちもまた魅力的なキャラが多くて、今個人的に一番続巻を楽しみにしているファンタジー作品ですね。現在4巻まで刊行。

2.七つの魔剣が支配する (電撃文庫)

名門キンバリー魔法学校に入学したオリバーが運命的な出会いを果たしたサムライ少女・ナナオ。魔法生物のパレードから始まるトラブルの連続に巻き込まれつつ出会った仲間たちと乗り越えてゆく学園ファンタジー。器用に魔法を応用しながら使いこなすオリバーと剣に突出した力を持つナナオを中心に、それぞれの想いを抱えながら入学した仲間たちと力を合わせ、危機的状況の連続を乗り越えて絆を育んでゆく展開がなかなか良かったからこそ、深い因縁を感じさせるエピローグが今後の波乱を予感させて、ここからどうなるのか楽しみな新シリーズですね。19年10月に5巻目が刊行予定。

3.プロペラオペラ (ガガガ文庫)

プロペラオペラ (ガガガ文庫)

プロペラオペラ (ガガガ文庫)

 

追い詰められた極東の島国・日之雄。悲壮な決意で駆逐艦「井吹」の艦長として戦いに挑む皇家第一王女イザヤのもとに、かつて最低の事件を起こして皇籍剥奪された幼馴染・クロトが部下として乗り込む空戦ファンタジー。敵国ガメリア合衆国で投資家として成功していたクロトが日之雄に戻ってきた理由。苦戦必至の状況の中、超傲慢で頭が切れてバカがつく努力家クロトが、アホな部下たちと共にイザヤを支えて大逆転に導く熱い展開で、異国で台頭しつつある因縁のライバルの魔の手から彼女を守りきれるのか、今後がとても楽しみなシリーズです。

4.天才王子の赤字国家再生術~そうだ、売国しよう~ (GA文庫)

病床の国王に代わり摂政として弱小国家を背負うことになった若き王子ウェイン。文武に秀で臣下からの信頼も厚い彼が、絶望的な状況から密かに売国を志す弱小国家運営譚。状況を正しく認識して先を見通せるからこそ絶望を感じるウェイン。上手く終わらせるための手を打つのに、それがなぜか効果的な一手に繋がる皮肉な状況の変化や展開の連続でしたけど、ウェインが彼なりに最善へ真摯に取り組んだ結果だからこそ納得感がありました。補佐官のニニムに対する想いも気になる彼にいつか心境の変化はあるのか、どこまでやれるのか続巻が楽しみですね。19年10月に5巻目が刊行予定。

5.ラストラウンド・アーサーズ (ファンタジア文庫)

 来るべき世界危機を救うため真なるアーサー王を決める「アーサー王継承戦」完璧チート高校生・真神凜太朗が、暇つぶしのためあえて最弱と呼ばれる残念少女・瑠奈に協力する現代異能ファンタジー。金のために聖剣を売り払ってしまったり、召喚した「騎士」ケイ卿にコスプレさせて利用する瑠奈。あざとい生徒会長選の票稼ぎやデートさせられたり彼女のわがままに振り回されつつも、垣間見えるその真っ直ぐな想いに王の資質を見出して、曲者ぞろいの強敵を相手に共に戦い絆を育んでいく王道展開がベタだからこそ面白いです。これは今後に期待の新シリーズですね。現在4巻目まで刊行。

6.処刑少女の生きる道(バージンロード)  (GA文庫)

処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る― (GA文庫)
 

過去に起きた人災で異世界からの召喚者は見つけ次第処刑される世界。躊躇なく冷徹に任務を遂行する処刑人の少女・メノウが、迷い人の少女アカリと運命の出会いを果たすファンタジー。不可避に思えた運命をあっさり乗り越えるアカリと、そんな彼女に調子が狂わせながらも決着をつけるべく二人で旅するメノウの距離感がなかなかいい感じで、それに処刑人補佐のモモや王の娘アーシュナといった魅力的なキャラを絡めて展開する物語の安定感には驚かされました。ワケありな二人の旅がこれからどのようなものになるのか、続巻が楽しみなシリーズ。現在2巻まで刊行。

7.ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫)

ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫)

ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫)

 

呪われた島ロードスに平和が訪れて百年、フレイムの王位継承者に禁忌を犯すディアスが現れ、不戦の誓いに仇なす帝国に対抗すべくマーモ公国の王子・ライルたちが立ち上がる新たなロードスの騎士を巡る物語。前作から百年後の世界で圧倒的な力を誇るフレイム王国を軸とした争乱に、マーモ公国の王子・王女たちがそれぞれ動き出す群像劇的な展開でしたけど、特にここからどう状況を覆すのか期待したい主人公・ライルと、あえてフレイムに身を投じたその兄・ザイードという対照的な二人が物語を盛り上げてくれそうです。いやこれは続巻が楽しみですね。

8.クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

 

異世界の魔人召喚に失敗したクラスメイトの美少女・藤原千影。不可抗力で彼女を使い魔にしてしまった落ちこぼれ魔術師・芦屋想太の主従関係を描く魔法学園ラブコメ。千影と融合した皇女で想太に執着する強力な異世界の魔人ソフィア。不本意な同居生活を始めた二人のツンデレ気味なテンポの良い掛け合いには確かな積み重ねがあって、自分を救ってくれた千影を取り戻すために想太が立ち上がり、千影が魔人相手に見事決着をつけてみせる展開にはぐっと来ました。過去の因縁を抱える主従関係がこれからどうなるのか、続巻にも期待大の新シリーズですね。現在2巻まで刊行。

9.聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)

聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)

聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)

 

来たるべき決戦に備え自らを封印した魔王レオニス。しかし1000年の時を超えて目覚めた時には10歳の少年の姿で、聖剣学院に所属する少女・リーセリアに保護される学園ソードファンタジー。魔族も魔術もなく、聖剣を武器に未知なる敵・ヴォイドと戦う1000年後の世界。聖剣を発現できなかったりと訳ありなお姉さんたちの部隊に所属し、彼女たちのありように少しずつ感化されて、ヴォイドとの戦いに身を投じてゆく展開には安定感があって面白かったです。ヒロインたちとの関係に1000年前の因縁もあって、今後に期待の新シリーズですね。現在2巻まで刊行。

10.公女殿下の家庭教師 (ファンタジア文庫)

魔法の実力が人生を左右する世界で、膨大な魔力を持ちながらなぜか魔法を構築できない公爵令嬢・ティナ。そんな彼女の家庭教師に任じられたアレンが、その封じられた才能を開花させて彼女の世界を変えてゆく物語。庶民出身ながら屈指の実力を持つアレンに師事して努力するティナや専属メイド・エリーの成長、アレンに甘える年下ヒロインたちの可愛らしい姿が物語の肝なんですかね。複雑な心情の親たちも絡むヒロインの座争いも熾烈ですが、ラスボス的存在感があるアレンの相方・リディヤは手強そうです(苦笑)これは続巻も期待の新シリーズですね。19年10月に4巻目刊行予定。

11.撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ  (ファンタジア文庫)

機甲車と弾丸魔法による凄絶な戦争が続く世界。戦いの中で亡霊を名乗る少女・エアと出会い、被弾者の存在・功績を消滅させる悪魔の弾丸を入手した学生兵・レインが、戦争を終わらせようと立ち上がるミリタリックファンタジー。授けられた弾丸を使って世界を再編していくレイン、謎めいたエアの過去と亡霊を巡る因縁。レインの学生らしい生活と背中合わせの容赦ない戦争の凄惨さがうまく描かれていて、因縁の決着をつけるために戦う二人の間で育まれてゆく絆が印象的でしたが、最後の気になるエピソードが何をもたらすのか続巻に期待ということで。現在3巻まで刊行。

12.常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

常敗将軍、また敗れる (HJ文庫)

 

大国ザルツボルクの侵攻を受けたヘイミナル王国が存亡の危機を救う切り札として起用された傭兵・『常敗将軍』のドゥ・ダーカス。王弟や王の娘など様々な思惑が入り乱れる中、圧倒的不利な状況に立ち向かうファンタジー戦記。全幅の信頼を得られず思うように動けない中、要所要所の危機で最悪の状況を回避すべく動くダーカスの奮闘ぶりと、彼が見出そうとした決着の落とし所とその結末。テンポ良い展開に彼を見極めようとするティナや姫将軍・シャルナといった魅力的なキャラクターたちもよく動いて、これは続巻が楽しみな期待大の新シリーズですね。現在3巻まで刊行。

13.やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい (MF文庫J)

人類が圧倒的な銃の力でファンタジー種族を滅ぼしてゆく時代。エルフの村で育った人間の少年・ガーディが村の掟を破ったことで追放され、金貨姫フローリンが治めるイントラシア領に身を寄せるファンタジー戦記。剣も槍もロクに扱えず秘められし権能も「究極のお人好し」な主人公カーディが、エルフの村でバカにされながら培った知恵と経験、時代遅れになりつつある弓や妖精たちを駆使して戦い、未来の大軍師に向けた第一歩を踏み出す姿はなかなか印象的でした。そんな一風変わった作品をどう評価するのか他の人にもぜひ読んでみて欲しい作品です。

14.本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない! (ダッシュエックス文庫)

本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない! (ダッシュエックス文庫)
 

「一生本を読んで暮らしたい!」本を愛してやまない青年・アシタが、その想いとは裏腹に彼の知識を欲する顔馴染みの女冒険者エルシィにダンジョンへ連れて行かれるドタバタファンタジーコメディ。貴重本欲しさにダンジョンに潜ってみればゴブリン相手も厳しい貧弱っぷりで、エルシィやその仲間に頼りっぱなしのアシタでしたけど、強力なゴーレムを相手にするという絶低絶命の窮地に、彼の知識と仲間の力をあわせて打開してゆく展開はなかなか面白かったです。エルシィとの関係も気になりますが、一緒に潜った仲間たちもワケありのようで続巻に期待。

15.葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王 (角川スニーカー文庫)

葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王 (角川スニーカー文庫)

葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王 (角川スニーカー文庫)

 

様々な種族がひしめき合う小国ランタン。流浪の少年メルがランタン王に語学を買われ政略結婚を控える豹人族の姫シャルネの教育係に抜擢、なりゆきで次期王に任命され敗戦必至の戦いに挑むファンタジー。常に優しいメルに惹かれてゆく奔放な姫君・シャルネ。婚姻が最悪の形で破談となった巻き添えで亡国の危機に陥ったランタン。シャルネと並び立つ弱小国王として仲間の助力を得て異なる種族の力を糾合し、熱い想いと知略を尽くして大軍に立ち向かいつつ、巧みな心理戦で勝利を手繰り寄せる展開にはぐっと来るものがありました。続編も期待してます。