読書する日々と備忘録

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2019年上半期注目のオススメ新作ライトノベル恋愛・青春小説17選+2

というわけで19年上半期注目のオススメ新作企画第二弾「ライトノベル恋愛・青春小説」編です。6月刊行分ギリギリの新作までカバーした上でのセレクトで、19年上半期の読んだ新作から選出した15作品です。予想ではもっとありそうな印象でしたけど、最初数えてみたら思っていたより少なくて、でも6月に入って怒涛の気になる作品が駆け込みで入ってきて最終的にこの数になりました。今後に期待の作品、印象的な作品が多いので気になる本があったら是非読んでみて下さい。

 

1.幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

脈アリと思っていた片思いの相手・白草に彼氏ができたと知った高校生・丸末晴。失意の彼に以前告白してきた幼馴染・黒羽が復讐を持ちかける青春ラブコメディ。美少女で芥見賞受賞の現役女子高生作家・白草と、陽キャでクラスの人気者、かつ中身は世話焼きお姉系の黒羽。偽恋人として白草を挑発したり、白草の恋人という先輩と勝負したり、だいぶ拗らせたそれぞれの恋愛模様にもう素直になれよ…と思いましたけど、甘酸っぱい青春の先には斜め上の結末が待ってました(苦笑)そんな彼らだからこその新展開もあって、今後に期待大の新シリーズですね。

2.友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)

友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)

友達の妹が俺にだけウザい (GA文庫)

 

 青春の一切を非効率とする俺・大星明照が目指す伯父の会社への就職。ウザい親友の妹・彩羽に絡まれつつ、就職の条件として提示された幼馴染従妹・真白の偽彼氏役に挑む青春ラブコメディ。学校では存在感皆無の生活を送る明照と、彼に絡み部屋に入り浸る親友の妹・彩羽、最悪の再会から険悪な雰囲気の真白。親友を含めた周囲の登場人物にはそれぞれ抱える事情があって、陰キャラに甘んじる明照が仲間のためなら頑張る姿を見ると、彼らに慕われているのも納得ですね。気になる関係に投げ込まれた波紋で物語がどう動くのか、今後に期待大の新シリーズ。 7月に2巻目が刊行予定。

3.千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

 

クラス委員に指名されたトップカーストの千歳朔。担任から引きこもり生徒の更生を頼まれ、自信回復の手伝いをする青春小説。仲間の協力も得ながらあの手この手で引きこもりの健太を引っ張り出してみせた朔。そんな彼が魅力的な仲間やヒロインたちに信頼されるのも、周囲の期待に真摯に向き合い、大切なもののため誰かのために奔走することを惜しまないからで、テンプレートなリア充論を論破してみせる彼が、時折垣間見せる本音や葛藤がとても印象的でした。彼の恋愛模様やワケありの過去も気になりますし、続巻が楽しみな期待の新シリーズですね。 

4.お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

 

藤宮周が一人暮らしするマンションの隣室に住む学校で一番の美少女・椎名真昼。特に関わり合いのなかった彼女とふとしたきっかけから交流が始まる青春小説。雨の中ずぶ濡れの彼女に貸した傘をきかっけに、自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて食事を作り部屋を掃除し、何かと世話を焼く真昼。自分だけが知るクールで毒舌な彼女と過ごす日々に少しずつ心境が変化してく周と、家の事情を抱えていそうな彼女との関係がどうなるのか。現時点ではまだまだこれからですけど、もどかしい甘酸っぱい展開を期待できそうで今後が楽しみな新シリーズですね。

5.あの日、神様に願ったことはI kiss of the orange prince (電撃文庫)

あの日、神様に願ったことはI kiss of the orange prince (電撃文庫)

あの日、神様に願ったことはI kiss of the orange prince (電撃文庫)

 

一年に一度、願いが叶う宿星市に住む風祭叶羽が、十七歳の誕生日に出会った先輩・逢見燈華。願いを叶えるために星の幸魂の試練を課された燈華と、姉を喪い傷心を抱える叶羽の優しくて少し痛い奇跡の青春小説。病床にあった姉との悔いの残る別れから、写真を撮ることを止めてしまった叶羽が、人知れず試練を抱えていた燈華と出会い、振り回されながらも惹かれていく展開で、登場人物たちの不器用で甘酸っぱい想い、そして絶望を救おうと奔走する真摯で一途な想いがもたらした奇跡はとても素晴らしかったです。続巻も気になる期待の新シリーズですね。

6.やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)

やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)

やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)

 

高校の物理部でバルーン実験に勤しむロケットオタクの青桐七海、プログラマー山花俊、天真爛漫な後輩・町田佐奈。実験の当日、彼らが近くの高校に通う赤森遙と出会う青春小説。ロケットを打ち上げることに執着する七海が抱える悔恨、遙がロケットを打ち上げたい理由、そして後輩・佐奈や七海の予備校の友人・柊、そして俊のそれぞれの想い。それぞれに悔やみきれない苦い過去があって、ままならない複雑な事情も交錯する狂おしいまでの真摯な想いがあって。それでも彼らが勇気を出してぶつかりあった先にあった結末にはぐっと来るものがありました。

7.子守り男子の日向くんは帰宅が早い。 (角川スニーカー文庫)

子守り男子の日向くんは帰宅が早い。 (角川スニーカー文庫)

子守り男子の日向くんは帰宅が早い。 (角川スニーカー文庫)

 

両親が共働きで5歳の妹・蕾のために日々を過ごす子守リ男子・新垣日向。そんな彼が偶然クラスメイトの芹沢悠里とスーパーで出会ったことをきっかけに、その高校生活が変わってゆく青春小説。蕾の可愛らしさに魅せられ、日向を意識するようになってゆく悠里。そんな二人を面白がる悠里の親友・唯やヒロインたちに振り回される日向の親友・雅も関わるようになって、疎遠になっていた後輩・日和との再会もあって。物語としてはまだまだこれからな感もありますが、変わり始めた日向の高校生活がどうなってゆくのか、今後に期待大の新シリーズ。現在2巻まで刊行。 

8.理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい (角川スニーカー文庫)

理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい (角川スニーカー文庫)

理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい (角川スニーカー文庫)

 

セレブの子息令嬢が通う私立瑛銘学院。外部編入ながら学院首席の久遠寺梓と、名家のお嬢様で数学の天才・弥勒院由槻が学院の特権を賭け相手に告白させる恋愛ゲームに挑む学園ラブコメディ。容姿端麗で数学の天才だけど生活力皆無で本末転倒な理論に陥るポンコツかわいい由槻。ちゃっかりした由槻の付き人・彩霞や常識人の楓音もゲームに巻き込まれて、真面目にやればやるほどどんどんズレていって、でも素直になれない由槻が時々見せるハッとするような破壊力が凄い(苦笑)いやもう二人のバカバカしい攻防をいつまでも眺めていたいと思いました。

9.未完結ラブコメと運命的な運命論 (講談社ラノベ文庫)

未完結ラブコメと運命的な運命論 (講談社ラノベ文庫)

未完結ラブコメと運命的な運命論 (講談社ラノベ文庫)

 

 「もっと運命的な恋がしたいから」と彼女にフラれた高校生・砂川凍弥。そんな彼の前に謎の空飛ぶプリンが現れるラブコメディ。異なる世界線から来たラブコメのヒロインを攻略できなければ死ぬ?典型的なヒロイン・ミリカたちとベタな運命的出会いを果たし、ミッションに挑む中でヒロインたちと一緒に過ごし、その真摯な想い触れてゆく中で徐々に変わってゆく凍弥の心境。要所で登場するたびにその印象を変えてゆく元カノの存在も効いていて、突きつけられた究極のミッションに葛藤しながら向き合った結末には久しぶりにレーベルらしさを感じました。

10.つるぎのかなた (電撃文庫)

つるぎのかなた (電撃文庫)

つるぎのかなた (電撃文庫)

 

高二の春に藤宮高校に転校してきた水上悠。そんな彼が負けず嫌いな新入生・深瀬史織と出会い、一緒に剣道部に入部する青春小説。昔、剣道で最強と呼ばれながら一度はその座を降りた悠を少しずつ変えていった剣道部の仲間たちとの出会い、剣姫と呼ばれる吹雪との運命的な邂逅と、かつての約束に妄執する吹雪の兄で高校剣道界最強の男・快晴。複雑に絡み合う因縁と剣道に賭ける想いをぶつけ合う熱い戦いがあって、不器用なヒロインたちも自分の想いにまっすぐで、荒削りなところも散見されましたが、それでも十分に魅力的な物語に仕上がっていました。7月に2巻刊行予定。

11.ディスキャラ メグルくん  (ファンタジア文庫)

リア充を呪い密かに不満を「ディスノート」に書き込んでいた陰キャラ廻裏メグルが、ラップ好きの陽キャラ美少女・燦心に秘密を知られ一緒にラップを始める青春ラブコメディ。ディスるのとラップに共通点あるのか…と思いながら読み始めましたが、二人が積み重ねてゆくラップを通じたやりとりには自分の好みを超えた妙にクセになる何かがあって、燦心にわだかまりを抱える陽菜を加えたラブコメ展開、そしてメグルをきっかけにラップの戦いを通じて二人が絆を取り戻してゆく展開にはぐっと来るものがありました。続巻あるならまた読んでみたいです。 

12.恋愛カルテット  (ファミ通文庫)

恋愛カルテット リトルプリンセスの恋愛相談 (ファミ通文庫)

恋愛カルテット リトルプリンセスの恋愛相談 (ファミ通文庫)

 

 母親との縁で隣に引っ越してきたリトルプリンセス・天城姫那。そんな彼女の恋を成就させるため、八神一冴は彼女が心を寄せているという柿内淳也のことを調べはじめる青春学園ラブコメディ。自らの想いに真っ直ぐで応援したくなる姫那と彼女の想い人・淳也、淳也の幼馴染で一冴の想い人でもある凛々菜の4人を軸に、それぞれ事情を抱える彼らの恋模様が描かれる展開のようですね。今回は一途な姫那を軸としたストーリーがなかなか良かったですけど、謎めいた部分も多いもうひとりのヒロイン凛々菜がもたらす急展開に期待大の新シリーズです。

13.お隣さんな教え子と甘い○○ (講談社ラノベ文庫)

お隣さんな教え子と甘い○○ (講談社ラノベ文庫)

お隣さんな教え子と甘い○○ (講談社ラノベ文庫)

 

夢に挫折し高校の調理科でパティシエ講師を務める新見。四年前に印象的な出会いを果たし新入生として入学した理事長の孫娘である四宮蒼梨花が特別授業を求めて奮闘する年の差学園ラブコメディ。サラリーマン講師と化していた新見と、約束を胸に師事すべくひたすら努力してきた蒼梨花。お隣に引っ越してきた一人暮らしというベタな設定に、新見も一目置く天才妹弟子エイプリルを絡めたやりとりは楽しくて、力の差を痛感する強敵相手でも今持てる力で挑んでゆく、そんな真っ直ぐで熱い想いに周囲も心動かされる展開にはぐっと来るものがありました。

14.噂の学園一美少女な先輩がモブの俺に惚れてるって、これなんのバグですか? (角川スニーカー文庫)

自らモブとして目立つことを避けていた高校生・鷹野祐と孤高を貫く学園一の美少女・衣川マトの邂逅。二人が遭遇するサーバーセキュリティ絡みの問題を解決してゆく青春小説。祐の幼馴染が絡む試験問題漏洩事件、学校で起きたサイバー攻撃事件、マトが学校を中退して渡米しようとする理由。タイトルの印象より大分サイバーセキュリティが存在感のある内容でしたが、ミステリアスな彼女に最初は戸惑っていた祐が、マトのことを知っていくうちにその心境も変わっていって、彼女もまた祐たちとの出会いから新たな一歩を踏み出してゆく素敵な物語でした。

15.家に帰るとカノジョが必ずナニかしています (GA文庫)

家に帰るとカノジョが必ずナニかしています (GA文庫)

家に帰るとカノジョが必ずナニかしています (GA文庫)

 

お一人様生活を謳歌する泉ヶ丘颯人の元に父との契約で「レンタル家族」としてやってきた美少女・朱莉。彼女との出会いから日々に変化してゆく青春ラブコメディ。山で自給自足生活する父親が謎な存在でしたが、家族を演じ時折変態っぽい一面を垣間見せる朱莉、なぜか構ってくるリア充女子・戸祭のWヒロイン、ストーカー気味な朱莉の妹・雫や行き過ぎた婚活女教師まで絡めたドタバタコメディは楽しかったですが、いろいろ詰め込み過ぎたのか肝心の朱莉が謎めいていた理由はわからないままで、これから明らかになっていくんでしょうか。続刊以降の展開に期待のシリーズ。

16.スイレン・グラフティ (電撃文庫)

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居 (電撃文庫)

 

母子家庭で働く母の代わりに双子の弟妹の面倒や家事に日々奮闘する女子高生・池野彗花。彼女が隣の席の不良として恐れられる庭上蓮のマンガ家になる夢を知り、一緒に住んで応援する青春小説。意外な一面を知って自分の家を密かに作業場として提供する彗花と、戸惑いつつも彗花の協力を受け入れるようになっていく蓮。双子を交えたやりとりは微笑ましくて、不器用で頑固な二人だからこそぶつかったりすれ違いもありましたけど、絶望に直面しても夢を諦めたくない蓮、彼女を信じて夢を応援したい彗花の真っ直ぐな想いがとても眩しい素敵な物語でした。

17.やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

やがて君になる 佐伯沙弥香について (電撃文庫)

 

幼少時代から大人びていて、どこか達観した少女だった佐伯沙弥香。そんな彼女と想い人・七海燈子に出会うまでが描かれる「やがて君になる」の前日譚的スピンオフ小説。小学五年生の時に友達の女の子から向けられた感情、そして中学時代。仲の良かった先輩・千枝から恋心を打ち明けられた告白とその結末。戸惑いながらも自らの想いに徐々に向き合うようになってゆく沙弥香が、著者さんらしい繊細な描写で描かれていて、積み重ねられていったそれまでがしっかりと今に繋がっているとても素晴らしいスピンオフでした。原作を読んでいる人は必読ですね。現在2巻まで刊行。

 

以上です。 

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余談ですが今回まず最初に推そうと思っていた二作品は、実はどちらも1巻目が12月刊行だったとかいう罠…orz  二作品とも上半期作品ではないですが(2巻目はこの時期に出てます)、個人的にオススメの二作品なので特別に紹介します。興味がある方は是非読んでみて下さい。特に「継母の連れ子が元カノだった」の方はシリーズとしてこれからもっと伸びると信じている注目の一冊です。

 

継母の連れ子が元カノだった (角川スニーカー文庫)

継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)

継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない (角川スニーカー文庫)

 

 中学生の時に恋人となり些細なことですれ違い、卒業を機に別れた伊理戸水斗と綾井結女。そんな二人が高校入学を機に再婚した親の再婚相手の連れ子として同居する青春ラブコメディ。思ってもみなかった形での最悪の再会と些細なことで衝突する二人。終わったはずなのにふとした拍子に思い出す黒歴史に赤面し、素直になれないけれど何だかんだ言いながらお互いの存在を気にかけていたり再評価したり。恋愛ROM専やぐいぐい介入してくる友人たちに振り回されつつ、再び少しずつ育まれてゆく二人の関係がどう変わってゆくのか続編がとても楽しみです。現在2巻目刊行。

 

虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん (オーバーラップ文庫)

虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.1 (オーバーラップ文庫)

虐殺スペック赤三月さんと低スペック九木野瀬くん plan.1 (オーバーラップ文庫)

 

 たまたま虐殺スペックな女子高生・赤三月朝火の自殺を阻止した低スペックの九木野瀬伊吹。翌朝、朝火から脅迫されて『人生の攻略本作り』を手伝わされる青春小説。容姿端麗の人気者で多才な朝火の素の性格はわりとあれで、低スペックと言われる九木野瀬は屈折した現実主義の努力家。まずは周囲に妬まれて孤立する下級生・黒花(彼女もいい性格w)が直面する困難の克服に協力する展開でしたが、何だかんだでわりといいコンビっぷりを見せた二人はそれぞれ事情を抱えているようで、その関係が今後どう変わってゆくのか続巻に期待大の新シリーズです。現在2巻まで刊行。