読書する日々と備忘録

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2018年下半期注目のオススメ新作ライトノベルファンタジー18選

 前回下半期新作オススメ企画としてライトノベル恋愛・青春小説編を更新しましたが

今回は第二弾としてライトノベルファンタジー編をお送りします。今回は新作の中から18点をセレクト。ファンタジーに関しては上半期に刊行された作品のインパクトが強いですが、下半期も安定して長期シリーズになっていきそうな作品も結構あります。上半期版と併せて面白そうな本があったら是非手に取って読んでみて下さい。

 

18年上半期版はこちら↓


 【2018年下半期注目のオススメ新作ライトノベルファンタジー18選】

1.七つの魔剣が支配する (電撃文庫)

七つの魔剣が支配する (電撃文庫)

七つの魔剣が支配する (電撃文庫)

 

 名門キンバリー魔法学校に入学したオリバーが運命的な出会いを果たしたサムライ少女・ナナオ。魔法生物のパレードから始まるトラブルの連続に巻き込まれつつ出会った仲間たちと乗り越えてゆく学園ファンタジー。器用に魔法を応用しながら使いこなすオリバーと剣に突出した力を持つナナオを中心に、それぞれの想いを抱えながら入学した仲間たちと力を合わせ、危機的状況の連続を乗り越えて絆を育んでゆく展開がなかなか良かったからこそ、深い因縁を感じさせるエピローグが今後の波乱を予感させて、ここからどうなるのか楽しみな新シリーズですね。

2.ラストラウンド・アーサーズ (ファンタジア文庫)

ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン (ファンタジア文庫)

ラストラウンド・アーサーズ クズアーサーと外道マーリン (ファンタジア文庫)

 

 来るべき世界危機を救うため真なるアーサー王を決める「アーサー王継承戦」完璧チート高校生・真神凜太朗が、暇つぶしのためあえて最弱と呼ばれる残念少女・瑠奈に協力する現代異能ファンタジー。金のために聖剣を売り払ってしまったり、召喚した「騎士」ケイ卿にコスプレさせて利用する瑠奈。あざとい生徒会長選の票稼ぎやデートさせられたり彼女のわがままに振り回されつつも、垣間見えるその真っ直ぐな想いに王の資質を見出して、曲者ぞろいの強敵を相手に共に戦い絆を育んでいく王道展開は面白かったです。これは今後に期待の新シリーズですね。

3.君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主 (角川スニーカー文庫)

君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主 (角川スニーカー文庫)

君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主 (角川スニーカー文庫)

 

数百年続いた「帝国」と「王国」の戦争。その終戦記念日の慰霊祭で皇帝と国王を殺した「災厄の魔女」アンナ・マリアが世界を敵に回して戦うファンタジー。交互に語られる過去と現在、アニーとユージーンの運命的な出会いとその関係、そしてアニーの弟分・アローンとの邂逅による関係の変化。過去が明らかになってゆくたびに見えているものの印象がガラリと変わっていって、因縁に決着をつけた結末にすら皮肉な事実が提示されてしまう展開に思わず唸らされました。そうだったのか…毎回違うジャンルの作品描くのにそのインパクトは相変わらずですね。

4.魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女 (講談社ラノベ文庫)

魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女 (講談社ラノベ文庫)

魔法使い黎明期 劣等生と杖の魔女 (講談社ラノベ文庫)

  • 作者: 虎走かける,しずまよしのり,いわさきたかし
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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五百年に及ぶ教会と魔女の対立と数年前に成立した和平。ウェニアス王国王立魔法学校に通う落ちこぼれの生徒セービルが、アルバス学長の命で黎明の魔女ロー・クリスタスや仲間とともに大陸南部に特別実習として向かうファンタジー。目的地への道中で何度も襲われる一方で、明らかになってゆく同行する仲間たちの事情。いかにもなゼロたちの登場には思わずニヤリとしてしまいましたが、訳ありなセービル、魔女ロー・クリスタスやホルト、クドーといったキャラたちもよく動いていて、ここからどんな物語が展開してゆくのか楽しみな新シリーズですね。

5.魔弾の王と凍漣の雪姫 (ダッシュエックス文庫)

魔弾の王と凍漣の雪姫 (ダッシュエックス文庫)

魔弾の王と凍漣の雪姫 (ダッシュエックス文庫)

 

「弓は臆病者の武器」と言われる国で生まれ育ったティグルがふとした縁からジスタートの戦姫の少女・リュドミラと巡り合う『魔弾の王と戦姫』と世界観を同じくしたもう一つの物語。ティグルの父母が健在だったり、スタートがいろいろ変わっていることで物語の展開も変わってきていますが、いろいろ魅力的なヒロインは登場がするのは相変わらずでも、今回はティグルとミラを軸とした物語となりそうなのは間違いなさそうですね。前作では不遇だった人のありようもまた変わりそうで、ここからまたどんな物語になってゆくのか楽しみな新シリーズです。

6.黒獅子城奇譚 (ダッシュエックス文庫)

黒獅子城奇譚 (ダッシュエックス文庫)

黒獅子城奇譚 (ダッシュエックス文庫)

 

旅の途中で雷雨に襲われ、黒獅子城と呼ばれる古い砦に逃げ込んだ放浪の騎士グレンと神官を装う魔術師のリュー。そこで同じく雨宿りする先客たちと出会い、陰謀に巻き込まれてゆく物語。視察を終えた騎士たち三人と義眼の老騎士、商人一家、吟遊詩人、町娘との一夜限りだったはずの出会い。老騎士殺害から続く惨劇と、不穏な雰囲気の中で明らかになってゆく複雑に絡み合ったそれぞれの関係。大人な関係にあるワケありな二人が事件を解決に導いてゆく展開は著者さんの新境地ですかね。目的があって旅を続ける二人のその後をまた読んでみたい作品です。

7.最果ての魔法使い (GA文庫)

最果ての魔法使い (GA文庫)

最果ての魔法使い (GA文庫)

 

千年前に人類を滅亡寸前まで追い込んだ魔獣を自らと共に封印した魔法使いアルカ。千年の孤独から元の世界に戻ってきた彼が手を差し伸べてくれた少女・フィルと出会うボーイミーツガールなファンタジー。封印が解けて変わり果ててしまった科学が発達した世界と、そこでは伝説の魔法使いとなっていたアルカ。戸惑いながら心優しい彼女と関わるうちに癒やされ育まれてゆく不器用な想いがあって、そこからどん底に突き落とされるような因縁の対決はインパクトがあって、過去まで絡めたその決着はやや冗長な感もありましたけど、なかなか良かったですね。

8.空飛ぶ卵の右舷砲 (ガガガ文庫)

空飛ぶ卵の右舷砲 (ガガガ文庫)

空飛ぶ卵の右舷砲 (ガガガ文庫)

 

人造豊穣神の大崩壊で跋扈するようになった異形の怪物により人類が地上から追放された世界。小型ヘリ<静かなる女王号>を操り樹竜を狩るモズと相棒ヤブサメが、その腕を買われ旧都市新宿での大規模探索作戦に参加する近未来ファンタジー。豪快なモズと彼女に振り回されながちなヤブサメのコンビを中心に、立場の違う空団の面々と時にはいがみ合いながらも、強大な敵を相手にギリギリの戦いを繰り広げてゆく中で認め合うようになってゆく熱い展開に、その物語を締めくくる意外なオチもまた効いていました。現在2巻まで刊行。

9.公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます (ファンタジア文庫)

公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます (ファンタジア文庫)

公女殿下の家庭教師 謙虚チートな魔法授業をはじめます (ファンタジア文庫)

 

 魔法の実力が人生を左右する世界で、膨大な魔力を持ちながらなぜか魔法を構築できない公爵令嬢・ティナ。そんな彼女の家庭教師に任じられたアレンが、その封じられた才能を開花させて彼女の世界を変えてゆく物語。庶民出身ながら屈指の実力を持つアレンに師事して努力するティナや専属メイド・エリーの成長、アレンに甘える年下ヒロインたちの可愛らしい姿が物語の肝なんですかね。複雑な心情の親たちも絡むヒロインの座争いも熾烈ですが、ラスボス的存在感があるアレンの相方・リディヤは手強そうです(苦笑)これは続巻も期待の新シリーズですね。

10.第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様  (ヒーロー文庫)

第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 1 (ヒーロー文庫)

第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 1 (ヒーロー文庫)

 

 隣国との戦争が近づく中で第七師団師団長アレクシスに留学先から救出されたリーデルシュタイン帝国の第六皇女ヴィクトリア。見た目幼女な彼女が年上で強面の黒騎士アレクシスに降嫁するファンタジー。印象的な出会いと降って湧いたヴィクトリアの結婚話。実は相当なポテンシャルを秘めたヴィクトリアの迷いなき決断に、怖がられて女性に縁がなかったアレクシスも最初戸惑い気味でしたけど、やりとりを重ねていく中で育まれていった信頼する君主に絶対の忠誠を誓う騎士のごとき関係がここからどう変わるのか、二人で行う辺境伯領経営も楽しみです。18年12月に2巻刊行予定。

11.どらごんコンチェルト!  (オーバーラップ文庫)

どらごんコンチェルト! 1 (オーバーラップ文庫)

どらごんコンチェルト! 1 (オーバーラップ文庫)

 

コンクールで前代未聞の失敗を犯してしまい、失意の底で意識を失い異世界で目覚めた遊佐響也。そんな響也を助けたトランペットの演奏者の少女フィリーネのために、竜楽師試験に合格するために手助けをする異世界音楽ファンタジー。18世紀の神聖ローマ帝国っぽい、でもいろいろ細かいところが違う異世界。教会の妨害を受けながらも、才能に溢れるフィリーネとの出会いでお互い刺激し合い、支えてくれる少女たちもいたりで危機を乗り越え、自分らしさを取り戻してゆく展開はなかなか良かったですね。著者さんらしさ溢れる作品で続刊にも期待ですね。

12.聖語の皇弟と魔剣の騎士姫 (MF文庫J)

聖語の皇弟と魔剣の騎士姫 ~蒼雪のクロニクル~ I (MF文庫J)

聖語の皇弟と魔剣の騎士姫 ~蒼雪のクロニクル~ I (MF文庫J)

 

 「聖語」と呼ばれる言語体系が魔法の如く物理世界を書き換える時代。史上最強の聖語騎士たった姉の教えを受けた少年・カレンとその幼馴染・雪音に、とある事件の真相を探るよう極秘任務が下される魔法学園ファンタジー。複雑な立ち位置ゆえに目立たたぬよう過ごすカレンと、彼に寄り添う学年首席の雪音、そして彼を慕う留学生・カロリーナ。そんな三角関係が軸かと思った矢先の急展開、疑心暗鬼にもなりかねない状況の中で、ギリギリの戦いを切り抜けた先にあった結末がまた業が深そうで、どういう物語になってゆくのか今後に期待の新シリーズです。

 13.辺境貴族、未来の歴史書で成り上がる ~イリスガルド興国記~ (GA文庫)

辺境貴族、未来の歴史書で成り上がる ~イリスガルド興国記~ (GA文庫)

辺境貴族、未来の歴史書で成り上がる ~イリスガルド興国記~ (GA文庫)

 

辺境の貧乏領地を治める若き領主アルトが偶然召還した刻の精霊クロノ。彼女と半強制的に契約を結び未来を書きかえることのできる歴史書を手に入れたアルトが、楽に暮らしたいという夢を叶えるため動き出す歴史ファンタジー。歴史書には書いても実現不可能なことは消えてしまう制約がある中、思いとは裏腹に様々な試行錯誤が必要な状況で着実な手を打てる才幹がアルトにあって、緊張感のある展開に幼馴染エレナや王女といったヒロインを絡めてゆくストーリーは面白かったです。ここからどこまで盛り上げていけるか今後に期待大の新シリーズですね。

14.ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ (ファンタジア文庫)

ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ グラファリア叙事詩 (ファンタジア文庫)

ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ グラファリア叙事詩 (ファンタジア文庫)

 

人間が覇権を失い他種族の家畜や奴隷として虐げられる世界。ヒトが誇りをもって生きられる国を作るという大望を抱くジノが、公国の跡継ぎ候補ながら辺境で燻っていたヴァンパイアの姫ヘネシーと運命的な出会いを果たすファンタジー。被支配層のヒトながら貪欲な学習意欲もあって機知に富み、ヘネシーたちに自らの存在を認めさせたジノ。急速に信頼関係を深めながらも安直には変わらない二人の距離感があって、急展開からの唐突に訪れた難しい局面もギリギリで乗り切って、ここからどう広がってゆくのか今後が楽しみな新シリーズですね。19年1月に2巻が刊行予定。

15.名もなき竜に戦場を、穢れなき姫に楽園を (ファンタジア文庫)

名もなき竜に戦場を、穢れなき姫に楽園を (ファンタジア文庫)

名もなき竜に戦場を、穢れなき姫に楽園を (ファンタジア文庫)

 

魔導王国と機械帝国が争い続ける戦場で出会った死を喰らう竜騎兵クロトと最新兵器を操る機械の姫ロア。運命の邂逅を果たした二人が、終わりのない戦争が続く世界を変えてゆくボーイミーツガール。相容れないはずの二人が特異な状況で出会い、いがみ合いながらも協力して認め合うようになってゆく王道展開でしたが、その出会いをきっかけに心境が少しずつ変化してゆく二人が直面する苦境があって、愚かしく終わりが見えない状況を打破すべく厳しい戦いに挑んだ二人が手繰り寄せた結末には、彼らの約束した未来を信じたくなる確かな希望がありました。

16.リオランド (角川スニーカー文庫)

リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫 (角川スニーカー文庫)

リオランド 01.最慧の騎士と二人の姫 (角川スニーカー文庫)

 

リオランド王国の若き天才騎士・ミカドが国境地帯で出会った出会った科学の異世界の姫・エチカ。奇しくも一蓮托生となった二人が難局の打開に立ち向かうファンタジー。国境地帯に落ちた「天穹の雫」と謎の少女・エチカの複雑な境遇。王国に接触を図ってきた彼女の同胞たちの思惑。複雑な境遇のキーマン・ミカドと違う立ち位置で鍵を握るヒロインたちがいて、文明的には圧倒的優位にあるエチカの同胞にも絶望的な状況があって。未だ謎も多く複雑に入り組んだ状況を最後まで描ききれるのか懸念はありますが、今後に期待の新シリーズですね。現在2巻まで刊行。

17.女衒屋グエン (星海社FICTIONS)

女衒屋グエン (星海社FICTIONS)

女衒屋グエン (星海社FICTIONS)

 

とある花街のとある一角。妓館『太白楼』を舞台に春をひさいで生きている妓女たちそれぞれの人生と、都から届いた一通の文が妓館の運命を揺るがしていく物語。ワケありの冴えない女買いの男・虞淵と下働きの醜い少女・翡を物語の軸に据えて、旦那に売られた女や、兄が科挙を受ける学費のために売られた少女たちのこれまでの人生と葛藤が描かれていて、たくましく生きてきた矜持を失わない彼女たちのありようと、これまでの流れを踏まえて虞淵と複雑な過去に繋がってゆく最後の展開にはぐっと来るものがありますね。一琳のその後の話も印象的でした。

18.遊牧少女を花嫁に (PASH! ブックス)

遊牧少女を花嫁に (PASH! ブックス)

遊牧少女を花嫁に (PASH! ブックス)

 

借金代わりに叔父に売られそうになっていた羊飼いの少女・アユを救った調停者一族ユルドゥスの青年・リュザール。ワケありな彼女を見かねて一族の遊牧地に連れ帰って始まる二人の新婚物語。故郷で虐げられ何もかも失い希望を見出せなかったアユと、周囲の勘違いをきっかけに彼女を意識するようになってゆくリュザール。風習の違う環境で気遣ってくれる彼や家族に彼女も美味しい料理を振る舞って、お互い少しずつ絆を育んで想いを積み重ね大切な存在へと変わってゆく展開がとてもいいですね。二人がこれからどんな夫婦になってゆくのか続巻にも期待。

 

以上です。「一般文庫」「ライト文芸」「単行本編」も準備が出来次第更新していきます。