読書する日々と備忘録

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最近のおすすめラノベファンタジー7選+他文庫4選

最近、おおこれはと思うファンタジー作品がいくつか続いて、 6月下旬に上半期オススメ企画を予定しているのでそちらで紹介でも…とも思ったのですが、こういうのは「鉄は熱いうちに打て」ということで、最近のオススメファンタジーを紹介したいと思います(完全に勢い企画)。とはいえ最近ちょくちょく企画でファンタジー作品も紹介しているので、その辺りで紹介した作品は今回外しています(上半期企画でまとめる予定です)。

 

今回紹介するのはつまるところ自分が「読んで良かった」「続きが読みたい」作品です(苦笑)まずは何と言っても「Unnamed Memory」ですよ。1巻目から主人公とヒロインの魔女の掛け合いが良かったですが、2巻目で物語の展開としてもさらにぐぐっと盛り上がってきました(大迫力のイカも出ます 違)ファンタジーラブロマンスが好きな人には特にオススメしたい作品です(自分も大好きです)。個人的に今年のこのラノの単行本ではこれを1位に推します。

 

あと「のけもの王子とバケモノ姫」「ワールドエンドクロニクル」あたりはは今後に期待の作品、カッコいいけど不器用な年上お姉さんヒロイン好きには「やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚」をオススメしたいです。「エスケヱプ・スピヰド」(電撃文庫)の九岡望さん、ハヤカワ文庫でも作品出してるんです。あとヒロインが主人公のオススメ作品も3作品紹介しています。これはこれで今後に期待の作品・良かった作品なので興味があったら是非読んでみて下さい。

 

1.Unnamed Memory(DENGEKI)

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)

Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王 (DENGEKI)

 
Unnamed Memory II 玉座に無き女王 (DENGEKI)

Unnamed Memory II 玉座に無き女王 (DENGEKI)

 

幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、強国ファルサスの王太子・オスカーが試練を乗り越えたものに望みのものを与える魔女・ティナーシャに挑むファンタジー。解呪が容易でなく呪いに負けない女であればいい、という状況で目の前に好物件がいたことに気づき求婚するオスカーには苦笑いですが、わりとシリアスな展開ですが繰り返される二人のやりとりがクセになる感じで、じわじわ感化されつつも容易には頷きそうもない孤高(だったはず)の魔女・ティナーシャが、色んな意味で諦めが悪そうな最凶の求婚者・オスカー相手にどこまで頑張れるのか今後が楽しみなシリーズです。現在2巻まで刊行。

2.のけもの王子とバケモノ姫 (ファンタジア文庫)

長大な壁で外界を拒絶した人間の国イエール。不治の病で壁外に追放された第三王子シュウが、壁外で生きる異形の民モール族の王女ミサキと出会うファンタジー。急速に工業化が進むイエールの陰で犠牲になっているフロンティアの存在。シュウがミサキに連れられてたどり着いた新天地と病の真実。運命に翻弄されながらも人間とモール族の共生を目指して、ふたつの種族の間に横たわる大きな壁を破壊すべく、仲間とともに毅然と立ち向かう二人の姿にはぐっと来るものがありました。物語としてはまだまだこれからですが、今後に期待大の新シリーズですね。

3.ワールドエンドクロニクル 君がセカイを裏切る前に (GA文庫)

ワールドエンドクロニクル 君がセカイを裏切る前に (GA文庫)

ワールドエンドクロニクル 君がセカイを裏切る前に (GA文庫)

 

王国の姫君・リィンの裏切りによって魔族の手に堕ちた世界。王国騎士にして不世出の魔術師・クロウが時を超え十年前に遡り、最悪の未来を避けるため、彼女を暗殺する使命を本人から託されるヒロイック・ファンタジー。遡った世界で再会するクロウの裏切りを阻止するためもうひとつの十年後からやってきたリィン。裏切り者としてお互い疑いつつも、かつて恋人だった相手を信じたい複雑な想いもあって、何者かの企みによって心揺れる二人の絆が試される展開にはぐっと来るものがありましたね。空気だった幼馴染も今後キーマンになりそうで続巻に期待。6月に2巻目が刊行予定。

4.やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 (ファミ通文庫)

 

女性の【うたうたい】が歌の加護を男性にしか与えないため、女性の魔物狩りが見下される世界。街を守ってくれている女魔物狩りオルカたち三姉妹と、魂の歌を歌う少年レンのシンフォニックファンタジー。その歌と性格から周囲に慕われるレンと、彼が憧れるクール(に見えて実は不器用なだけ)なお姉さんのオルカ、そんな二人を見守るオルカの妹たち。不器用な二人の距離感も好みでしたが、災魔流を何とかしようとするレンの勇気、絶望的な戦いを繰り広げる三姉妹を救うために成し遂げた奇跡があって、そんな彼らの旅をまた読んでみたいと思いました。

5.鏡のむこうの最果て図書館 光の勇者と偽りの魔王 (電撃文庫)

鏡のむこうの最果て図書館 光の勇者と偽りの魔王 (電撃文庫)

鏡のむこうの最果て図書館 光の勇者と偽りの魔王 (電撃文庫)

 

空間が意思と魔力を持ち、様々な魔物が息づく世界・パライナ。その北端に誰も訪れない「最果て図書館」の記憶のない館長ウォレスが、鏡越しに《はじまりの町》の少女・ルチアと出会うファンタジー。勇者様の魔王討伐を手伝いたいというルチアと、魔王討伐はどこか他人事のウォレス。けれどそんなウォルスも積み重ねてゆくルチアとのかげがえのないやりとりやメイド・リィリの変化、勇者一行らとの出会いを通じて少しずつ心境の変化があって、封じられていた過去の因縁にも向き合いつつ、しっかりと決着をつけてみせた結末はなかなか良かったですね。

6.リベリオ・マキナ ―《白檀式》水無月の再起動― (電撃文庫)

リベリオ・マキナ ―《白檀式》水無月の再起動― (電撃文庫)

リベリオ・マキナ ―《白檀式》水無月の再起動― (電撃文庫)

 

吸血鬼と戦う中で戦闘用絡繰騎士《白檀式》が暴走し、結果的に人間と吸血鬼が平等に暮らす共和国へと変貌を遂げたヘルヴァイツ公国。そこに十年ぶりに白檀式の失敗作・水無月が目覚めるバトルファンジー。亡き博士の娘でマスターのカノンとの不本意な関係と、偏見を持たない吸血鬼王女・リタとの出会い。世間知らずな自覚がない水無月とヒロインたちのズレた会話のやりとりは微笑ましくて、一方で巻き込まれてゆく争いの中で過去の真実と向き合うことにもなって、葛藤しながらも自分のありようを見出していく王道展開はなかなか良かったですね。6月に2巻目が刊行予定。

7.千億亡国 死の螺旋にあらがえ黒騎士 (角川スニーカー文庫)

千億亡国 死の螺旋にあらがえ黒騎士 (角川スニーカー文庫)
 

帝国の侵略で滅亡寸前の小国クーファ。密かに王国が滅亡する度に時間が巻き戻る不思議な体験を繰り返し、救国の道筋を探っていた孤独な若き黒騎士ラシードと、彼を救うべく剣を振るう女騎士パルミラのファンタジー戦記。あらゆる方策を試して何度も失敗し、幾多の戦乱を経験して最強の力と最善の方策を見出したラシード。孤独な戦いを乗り越えてきた彼の苦悩と、突き放されても共に向き合おうとするパルミラが一緒に打開して乗り越えてゆく展開が良かったですね。物語としてひとつの転機を迎えたここからが様々な意味で本当の勝負な新シリーズです。

8.言鯨【イサナ】16号 (ハヤカワ文庫JA)

言鯨【イサナ】16号 (ハヤカワ文庫JA)

言鯨【イサナ】16号 (ハヤカワ文庫JA)

 

全土は砂漠化し、人々は神である「言鯨」の遺骸周辺に鯨骨街を造って暮らす世界。街々を渡る骨摘みとして働く旗魚は、旅の途中で裏の運び屋・鯱と憧れの歴史学者浅蜊に出会い物語が動き出すファンタジー。内密に十五番鯨骨街へ奇病の調査に行った浅蜊が引き起こした言鯨の覚醒と仲間の消失。もたらされた旗魚の劇的な変化と、鯱や蟲使いの珊瑚との逃亡劇、そして言鯨と世界の核心に迫ってゆく展開で、明らかになってゆくこの世界の哀しい真実と登場人物たちそれぞれの熱い想い、そしてそれらに向き合ってゆく旗魚の姿がとても印象的な物語でした。

9.女王の化粧師 (ビーズログ文庫)

女王の化粧師 (ビーズログ文庫)

女王の化粧師 (ビーズログ文庫)

 

五人の候補者が次期女王の座を競う小国デルリゲイリア。花街の化粧師ダイの下に、女王候補の一人マリアージュの遣いと称する男・ヒースが現れる物語。最も玉座から遠い癇癪持ちの女王候補・マリアージュの化粧師となったダイ。借金だらけの家のために奔走するヒース、実情を知らされないまま孤立し苛立ちを募らせるマリアージュ、厳しい状況を彼女に教えない家の者たち。苦しい状況なのに家中はバラバラで、ダイが化粧師という立ち位置からそこにどう関わってゆくのか、自身の想いやマリアージュとの関係がどう変わってゆくのか今後が楽しみなシリーズですね。

10.リーリエ国騎士団とシンデレラの弓音 (集英社オレンジ文庫)

リーリエ国騎士団とシンデレラの弓音 (集英社オレンジ文庫)

リーリエ国騎士団とシンデレラの弓音 (集英社オレンジ文庫)

 

兜にある命石を砕いて勝敗を競う戦闘競技会が国々の命運を決する世界。優秀な騎士を輩出する村で弓しか扱えず周囲にバカにされてきた少女・ニナを、地方競技会を見たという騎士リヒトが騎士団へ勧誘するファンタジー。優秀な兄の片目を事故で失わせてしまい、自身も非力で自信喪失気味なニナの弓に希望を見出したリヒト。勧誘先がまさかの国家騎士団で最初は怯えて逃げ出しそうになりながらも、自分を認めてくれた大切な人たちのため「赤い猛禽」に立ち向かう構図はとても分かりやすいですが、最後まで期待にしっかり応えてくれた素敵な物語でした。

11.針子の乙女

針子の乙女

針子の乙女

 

前世の記憶を残したまま、技術貴族ヌイール家の子として転生したユイ。勘違いから針子との能力なしと判断されて邪魔者扱いされていた彼女が、ロダンと出会い人生に転機が訪れる異世界裁縫ファンタジー。地獄の日々から救ったロダンが気づいた精霊に愛される彼女の能力。ユイが前王に求婚される一方で、どうしようもないヌイール家の父や妹という分かりやすい構図でしたけど、テンポよく読ませる読みやすい文章と、人や環境に恵まれユイが幸せになってゆく展開はなかなか良かったです。とはいえちょっと頑張らないといけない状況のようで続巻に期待。