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読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2016年4月に読んだおすすめ本

4月はわりと続刊もので盛り上がる展開の知りウーズが多かったですが、新作では何と言っても「近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係」の今後に向けた期待値が高まります。前作も好きだった作家さんですが、これからうまく話を作っていってくれることを期待。あとはぺんたぶさんの「ハキダメ。」、書店員の戦場のような日常を描く「ガイコツ書店員 本田さん」も面白かったです。それらを含めた5点を今回紹介します。

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

 

 母と二人で暮らす家で、同い年の遠い親戚の女の子和泉里奈と同居することになった高校生の坂本健一。彼女の出現によって様々な変化がもたらされてゆく物語。兄にコンプレックスを抱き他人との距離に悩む健一と、控えめながら女子校育ちで無防備な里奈。近過ぎるのにどこか遠い彼女を意識し友人たちに知られたくないと感じる健一に気づき、心穏やかではいられない幼馴染・由梨子。最近希少のオーソドックスな構成で、著者らしい繊細な心理描写は今回も健在。終盤にもたらされた波紋で今後どのような展開になってゆくのか、次巻がとても楽しみです。

 魔術が概念化した新生魔法世界。聖遺物奪取の任を受けてアルテナに潜入したデュセルが、魔術で造った分身に出席を代行させているひきこもり少年ブランと出会い友人になる物語。七つの分身とともに聖遺物を守る結社を率いるブランと、複雑な家庭事情から友人がいなかったデュセルの友情とも好意ともつかない不器用な関係、お嬢様口調ながら実はお人好しなステラのギャップに分身たちを絡めたベタなドタバタコメディっぷりと、強敵や危機にも最後まで諦めないバトルはいい感じにメリハリがあって楽しかったです。続きあるならまた読んでみたいですね。

 新潟の酒蔵で親と衝突し、東京に出てきたものの行き倒れになりかけていた冴蔵が、恵比寿の片隅で「四季-Shiki-」を営む楓さんに救われ二人で日本酒BARを再開する物語。その出会いは日本酒に詳しい夫が亡くなってから実質的に料理屋状態だった楓にとっても、衝突し家を出てきた冴蔵にとっても転機で、二人が力を合わせて訪れる人達ときちんと向き合って信頼関係を育んでいったことで、それぞれが抱えていたものを乗り越える支えとなる展開はとても良かったですね。スッキリとまとまった結末でしたが、続編あるならまた読んでみたいですね。

ハキダメ。 銀行員七野夏姫の渉外日誌

ハキダメ。 銀行員七野夏姫の渉外日誌

 

 通称「ハキダメ」に配属されて、稟議書を申請する度に否認される毎日を送っていた七野。体育会系の足で稼いで顔を繋げる営業しか能のない彼女の転機となる出会いと成長を描く物語。七野の書いた稟議書を否認し続けた審査役の北大路によるまさかの抜擢。最初はその意味も分からないまま巻き込まれた七野でしたけど、これまでの積み重ねで多くの人の助けも得ながら、圧倒的な劣勢を覆してみんなが幸せなハッピーエンドに持ち込んでしまうパワフルなヒロインでしたね。気になるその後も知ることができて大満足の一冊でした。次回作にも期待。

 とある書店のコミック売り場に勤めるガイコツ書店員本田さんや個性的な職場の同僚達の書店あるあるな日常が、強烈ないやほんとリアルでそうなのよ感を醸し出していてツボにハマりました。毎日これだけ刊行点数多いと、品出しとか棚補充とか注文するのも戦場ですよね(苦笑)あれだけ点数出てたら出版社の担当さんに行列できるのも分かるような気がします。書店勤めている人にもそうでない人にも是非オススメしたい一冊です。

 

ではまた。