今回は12月電撃文庫・DREノベルス ・Mノベルスf新刊感想まとめです。
内訳は電撃文庫のシリーズ続巻が4点、新作が4点、DREノベルス新作2点、Mノベルスf新作1点の計11点になります。
どれも面白いので気になる作品があったらぜひ読んでみて下さい。
※下記紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない (電撃文庫)
青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない(12)
posted with ヨメレバ
鴨志田 一/溝口 ケージ KADOKAWA 2022年12月09日
12月1日、アルバイト先の塾で担当する生徒が増えた咲太。新たな教え子の姫路紗良もまた思春期症候群を発症していることを知る第十二弾。3日前に咲太が見た夢と一言一句同じ挨拶をする紗良。思春期症候群を発症しながら治さないで欲しいと懇願する彼女の真意。「麻衣さんが危ない」というメッセージも気になる中、塾内での何とも複雑な人間模様はなかなか面白かったですけど、そこで相談されてたびたび振り回される咲太という構図は彼らしさがよく出ていて、そんな状況をどうすべきかという場面で、状況をよく見てビシッと最善手を打ってくる麻衣さんが流石でした(苦笑)気になる引きで続きが早く読めることを期待。
あした、裸足でこい。2 (電撃文庫)
親友への過度な依存をやめるため『二斗離れ』を宣言するギャル系女子・五十嵐萌寧。坂本巡はその一環で彼女の趣味探しを手伝うことになる第二弾。目標や夢に向かって動き出した周囲の刺激を受けて、巡や六曜先輩にフォローされながら、インスタや料理、フットサルや彼氏作りといった新しいことに挑戦する萌寧。萌寧や彼氏候補も交えたダブルデートもなかなか楽しそうでしたけど、一方で新曲をきっかけに大ブレイクしたことで二斗の環境が激変して彼女たちの関係も変化が避けられない中、果たしてそれでいいのかを見逃さずに真正面からぶつかった巡の奮闘は大きかったですね。次は何が起きるのか今から続巻も楽しみです。
この△ラブコメは幸せになる義務がある。3 (電撃文庫)
この△ラブコメは幸せになる義務がある。3
posted with ヨメレバ
榛名 千紘/てつぶた KADOKAWA 2022年12月09日
思い高ぶった麗良から天馬への突然のキス。それを密かに見てしまった凛華。三人の間にぎこちない空気が流れたまま、天馬の予想外の方向へ進み始める第三弾。それぞれどうしたらいいのか分からなってしまい、周囲にも心配される天馬と凛華。らしさを失い挙動不審の二人を呼び出した麗良からの有無を言わせぬ夏合宿の提案。同行した麗良付きの変態メイド沖田や天馬の姉・渚がいいアクセント役になったことで、麗良のキャラもより輝きを増して、凛華もポンコツっぷりを徐々に取り戻してゆくこの物語らしい展開は、メリハリも効いていてとても楽しかったです。最後の急展開で今後に繋がるのか続巻に期待しています。
虚ろなるレガリア4 Where Angels Fear To Tread (電撃文庫)
虚ろなるレガリア4 Where Angels Fear To Tread
posted with ヨメレバ
三雲 岳斗/深遊 KADOKAWA 2022年12月09日
魍獣化した日本人を復活させる手段を求め京都に向かうヤヒロたち。しかし名古屋に駐留する中華連邦軍により足止めを食らってしまう第四弾。通行料としてギャルリーに山の龍の遺存宝器を要求する中華連邦軍。しかし遺存宝器に適合して一体化してしまった絢穂を守るため、代わりに魍獣の絶え間ない襲撃の原因究明を提案するヤヒロと彩葉。それぞれの思惑で龍の巫女たちが動き出して、一方で明らかにされてゆく様々な新情報だったり、絢穂の心境の変化もあったりと、今後に向けた布石が打たれた印象ですね。また新たな不死者たちの動きもあったりで、物語が大きく動きそうな今後の展開が楽しみです。
君はこの「悪」をどう裁くのだろうか?(電撃文庫)
君はこの「悪【ボク】」をどう裁くのだろうか?(1)
posted with ヨメレバ
二丸 修一/champi KADOKAWA 2022年12月09日
幼い頃から密かに殺人衝動を持ち、勉強も運動も一番の高校生・高城誠司。並び立つ存在で友情を深めながら、妹を殺したことを誠司に問い詰める菅沼拓真と共に異世界召喚されるファンタジー。魔法で召喚された先の王国で、第一王子デュレルの右腕として悪辣な手腕で成り上がる誠司。一方、第二王子アシュレイの下で信頼を得てゆく拓真。対照的な人生を歩んできた相容れない王子二人の因縁、二人の間で揺れるデュレルの娘シンシアという構図の中で誠司と拓真の対決も不可避でしたけど、お互い運命的な存在だと自覚する二人の何とも皮肉な真相と決着は、こうなるしかなかったんでしょうか…あまりにも衝撃な結末から物語はどこに突き進むのか、続きが気になりますね…。
優しい嘘と、かりそめの君 (電撃文庫)
優しい嘘と、かりそめの君(1)
posted with ヨメレバ
浅白 深也/あろあ KADOKAWA 2022年12月09日
入学直後に誤解から停学処分を受けた高校1年の藤城遠也。ひとりぼっちの高校生活をすごす中、旧校舎で美人の先輩・夕凪茜と出会う青春小説。停学明けの学校では、極悪不良という噂がたっており、クラスメイトも誰も目すら合わせてくれない日々。そんな孤独だった彼が旧校舎で茜と交流を深めるうちに知る、虚像の自分が現れた日を境に、本当の茜が誰からも認識されなくなってしまった孤独。そんな彼女を何とか助けたい藤城の孤軍奮闘は、その境遇ゆえに空回りしてしまうなかなか厳しい状況でしたけど、彼の不器用だけれど真摯な想いに心揺さぶられないはずもなくて、諦めず愚直に虚像の矛盾に迫り続ける遠也が引き寄せた結末には救われる思いでした。
天使な幼なじみたちと過ごす10000日の花嫁デイズ (電撃文庫)
天使な幼なじみたちと過ごす10000日の花嫁デイズ(1)
posted with ヨメレバ
五十嵐 雄策/たん旦 KADOKAWA 2022年12月09日
三人の幼馴染と出会って10000日。春野啓介と結婚することになった幼馴染は一体誰なのか…。年下・年上・同い年と三人の幼馴染それぞれと思い出を積み重ねゆく青春ラブコメ。子どもの頃から大人になるまでずっと一緒に過ごした実の妹以上に大切な八歳年下の花織。小中高大から就職先まで僕と一緒で、困った時は力になってくれる頼れる幼馴染・舞花。子供の頃、家出した時に助けてくれた生活力皆無のポンコツお姉さん和花菜。基本スペックはなかなか高そうなのに、妹のような存在の花織を溺愛するあまり、他のヒロンたちには鈍感キャラになっていた啓介と幼馴染たちという構図でしたけど、最後のあれはどういう意味だったのか…これは続きが気になりますね。
パーフェクト・スパイ (電撃文庫)
パーフェクト・スパイ(1)
posted with ヨメレバ
芦屋 六月/タジマ粒子 KADOKAWA 2022年12月09日
世界中に名を知られ、不死不敗の伝説をもつ最強のスパイ風魔虎太郎。多くの仲間が死に組織が壊滅寸前となっていたことから、仲間としてスゴ腕の新人スパイたちが集められるスパイ小説。オペレーターのすずめによって集められた、狙撃や暗殺、ハッキングなど抜きんでた特殊技能をもつ実はポンコツな一面を持った美少女4人。彼女たちの中に、各国のスパイ組織を次々と潰している「ノーフェイス」が紛れ込んでいる情報を得た虎太郎。それぞれの事情が明らかになってゆく中で、虎太郎との関係も変わっていって、その構図が二転三転する中で全てがひとつに繋がってゆく結末はなかなか面白かったです。
ブレイド&バスタード -灰は暖かく、迷宮は仄暗い- (DREノベルス)
ブレイド&バスタード -灰は暖かく、迷宮は仄暗いー
posted with ヨメレバ
蝸牛くも/so-bin ドリコム 2022年12月09日頃
単独で迷宮に潜り冒険者の死体を回収する日々を送る冒険者イアルマス。そんな灰塗れの日常が少女剣士・残飯(ガーベイジ)との出会いを機に動き始めるダークファンタジー。迷宮の奥で発見され蘇生されたものの、記憶を失ったままのイアルマスが迷宮に潜る理由。ソロだった彼がガーベイジや盗賊ララジャとパーティーを組むようになって、ぎこちないながら少しずつ変わってゆく関係。ウィザードリィを原作にした世界で、主人公も普通に死ぬなかなかハードな世界観ですが、ガーベイジやララジャの成長、そして好漢ゼルマールや謎めいた女エルフ聖職者アイニッキといった魅力的なキャラなど見どころも多く、これからどんな物語が展開されるのか続巻が楽しみな新シリーズですね。
ド田舎の迫害令嬢は王都のエリート騎士に溺愛される (DREノベルス)
ド田舎の迫害令嬢は王都のエリート騎士に溺愛される
posted with ヨメレバ
青季ふゆ/有谷 実 ドリコム 2022年12月09日頃
辺境伯令嬢として生まれて十六年。呪われた子と家族から迫害されていたクロエが、家を飛び出し王都で暴漢に襲われたところを第一騎士団のロイドに救われるファンタジー。使用人のように扱われて身の危険を感じた実家での生活。家出して向かった憧れの王都で窮地を救ってくれたロイドに恩返しするため、家政婦として働くことになったクロエ。実は生活力が壊滅的だったロイドをフォローして、不器用な者同士で少しずつ心を通わせてゆく展開は良かったですけど、ロイドの境遇もなかなかハードで驚かされましたね…ようやくお互い意識しつつある二人のこれからがとても楽しみな新シリーズですね。
ええ、召喚されて困っている聖女とは私のことです (Mノベルスf)
守雨/仁藤あかね 双葉社 2022年12月09日頃
大災害を防ぐ聖女だと異世界召喚されたのに魔力がなく追放されたハル。ハルを召喚してリストラされた召喚師ヴィクターと、この世界で生きる道を探し始めるラブファンタジー。ほとんど知らない異世界で宰相に放逐されたものの、彼女を助けてくれる優しい人たちに恵まれてどうにか居場所を得たハル。彼女を聖女だと信じて探しに来たヴィクターと一緒に、新しく商売を始めてみたりするハルは意外とたくましかったですね。自分に優しくしてくれた大切な人たちのために、思わぬ形で発生した大災害にヴィクターの助力を得て立ち向かうハルの覚悟が尊かったです。先見の魔女ポーリーンさんも良かったなと思いましたけど、ハルとヴィクターとのこれからの物語をまた読んでみたいですね。