今回は6月電撃文庫・DREノベルス・TOブックス・Mノベルスfの新刊感想まとめです。内訳は電撃文庫の続刊4点、新作2点、DREノベルスの続刊1点、新作1点、TOブックスの新作1点、Mノベルスfの続刊1点の計10点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
天使は炭酸しか飲まない4 (電撃文庫)
天使は炭酸しか飲まない4
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丸深 まろやか/Nagu KADOKAWA 2023年06月09日
明石伊緒のもとに届いた強くてドライで自由な美少女・日浦亜貴に関する不穏な連絡。彼女が所属するテニス部で起きたいざこざを何とかしようと奔走する第四弾。部内で孤立する亜貴を助けようとするものの、彼女自身から釘を刺される伊緒。伊緒が天使として以前受けたまま保留になっていた案件。そして明らかにされる伊緒と亜貴、真逆なふたりが親しくなったきっかけ。伊緒に対する想いを自覚してゆく湊や御影も可憐な姿をしっかりと見せてくれましたけど、今回は改めて伊緒の中で極めて特異な立ち位置でいる亜貴の存在感や、未だ伺い知れない部分を残す彼女の強さを改めて実感しましたね。
ソード・オブ・スタリオン 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる (電撃文庫)
ソード・オブ・スタリオン 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる(1)
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三雲 岳斗/マニャ子 KADOKAWA 2023年06月09日
単独で上位龍を倒す実力を持ちながら、婚約者を失い遊郭に入り浸る自堕落な日々を過ごすラスの前に、死んだはずの皇女フィアールカが現れる異世界戦記ファンタジー。存亡の危機に陥っている祖国を救うためにラスを皇宮に連れ戻した、死んだはずの皇女の真相と目的。突如抜擢されたラスに納得がいかない騎士たちの挑戦。そして彼に試練を課した師匠の黒の剣聖。策略家の皇女に、実直チョロイン騎士や毒舌家補佐官といった魅力的なヒロインたちを絡めながら、いかにも訳ありそうな王女ティシナをこれからどう口説くのか。ロボットに魅力的なヒロインたちと、著者さんの趣味に突っ走った作品が楽しくないわけがなくて、今後が俄然楽しみになってきた新シリーズですね。
この青春にはウラがある! (電撃文庫)
この青春にはウラがある!(1)
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岸本 和葉/Bcoca KADOKAWA 2023年06月09日
友達は多いが親友はいない。運動も勉強もそこそこ。自称「ウラオモテの無い高校生」こと花城夏彦。そんな彼が憧れの生徒会長・八重樫唯の秘密をうっかり知ってしまったことで、生徒会に連行されてしまう学園ラブコメ。実はポンコツで努力家の唯を支える生徒会という実情を知らされて、天才肌の年上副会長・紫藤、体育会系幼馴染ひより、寡黙な秀才・椿姫といった個性的なメンツが揃う生徒会の雑務に任命された夏彦。彼女たちをフォローする彼の存在が、生徒会や彼女たちを少しずつ変えてゆく展開は良かったですし、彼のお世辞に反応するチョロイン先生や、反応が鈍い彼を落とそうと躍起になってゆく人気者のギャル・ルミもいいアクセントになっていました。そして何より最期に明らかになってゆく幼馴染の秘めた想いもなかなか良かったですね。
アオハルデビル3 (電撃文庫)
池田 明季哉/ゆーFOU KADOKAWA 2023年06月09日
三雨の事件に決着をつけ、正式に衣緒花と付き合うようになった有葉。穏やかな日常を過ごす中、行方不明だった姉・夜見子が右目眼帯姿で帰ってくる第三弾。ロズィに悪魔が憑いていることを看破した夜見子。病を振りまく〈犬〉の悪魔に憑かれたロズィに寄り添い、その心に向き合う有葉。一方で、有葉と離れて過ごしていた衣緒花に徐々に起こっていく心境の変化。なぜこのタイミングで姉・夜見子が帰ってきたのか。付き合って充実した毎日を送れているのにずっと感じていた違和感が、その過去も絡めながら明らかになってゆく展開で、思ってもみなかった壮絶な真相を突きつけられる中で、それでも諦めずに大切な人と立ちを失いたくない、その気持が引き寄せてみせたその結末がなかなか良かったですね。
虚ろなるレガリア5 天が破れ落ちゆくとき (電撃文庫)
虚ろなるレガリア5 天が破れ落ちゆくとき
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三雲 岳斗/深遊 KADOKAWA 2023年06月09日
京都に辿り着いたヤヒロと彩葉を待っていたギャルリー欧州本部を率いるベリト侯爵ユーセビアス。統合体強硬派の彼が、妙翅院迦楼羅の持つ遺存宝器を奪うため天帝領侵攻を開始する第五弾。迦楼羅救出のために天帝領へと潜入したヤヒロたちが知る龍の巫女と世界の真実。一方、投刀塚たちの襲撃を受けてついに覚醒して、世界の破壊を望んで暴走する鳴沢珠依を止めるために、始まりの地二十三区の冥界門へと向かうヤヒロと彩葉。結末へ向かう物語の中で様々な因縁の決着があって、竜の巫女と不死者たちそれぞれの鮮烈な生き様が交錯する激動の展開からの決着はなかなか壮絶でしたけど、いい感じにまとまったと思ったらもう少し続くようなので続刊も期待してます。
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います7 (電撃文庫)
ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います7
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香坂 マト/がおう KADOKAWA 2023年06月09日
長期休暇を終えて通常業務に戻ったアリナ。しかし今度は今年からランク査定をクエストカウンターでも受け付ける激ヤバ業務が降ってきてしまう第七弾。受付担当は重鎧装備が必須で応対窓口は対属性強化ガラスで防御。しかも残業必至なのにこれまで手伝ってくれていたジェイドに用事があり不在という絶体絶命のピンチ。残業でジェイド不在を痛感するとアリナも大概ですが、四聖に会いに行ったジェイドたちも思わぬ事態に巻き込まれてゆく展開で、いろいろとターニングポイントがあった気もしましたが、上手いこと一つに繋がった激闘でジェイドのアリナへの重い愛をしみじみと実感しました(苦笑)少しは進展しそうな気配ですけど、最後の剣聖と大賢者のあれは…今後の展開が気になりますね。
ブレイド&バスタード2 -鉄骨の試練場、赤き死の竜- (DREノベルス)
ブレイド&バスタード2 -鉄骨の試練場、赤き死の竜ー
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蝸牛くも/so-bin ドリコム 2023年06月09日
《迷宮》内でイアルマスたちが遺体を回収した大柄な少女ベルカナン。火竜に遭遇し一党ごと全滅した彼女が、蘇生してくれた彼らとともに迷宮を彷徨い続ける赤き死の脅威に挑む第二弾。臆病ながらも仲間たちの敵を討つことを決意し、ベテラン勢さえ探索を躊躇する火竜討伐に挑むことを決意する駆け出しの魔術師ベルカナン。彼女を放っておけず試練に協力するガーベイジとララジャ、そんな彼らを介添えするイアルマスたち。ガーベイジの意外な背景が明らかになったり、思ってもみなかった人物の参戦もあって、それでも流石に火竜相手に簡単な戦いではなかったですが、それぞれが向き合って見事残り越えてみせた、熱い戦いの結末はなかなか良かったですね。
隠れ才女は全然めげない ~義母と義妹に家を追い出されたので婚約破棄してもらおうと思ったら、紳士だった婚約者が激しく溺愛してくるようになりました!?~ (DREノベルス)
宮之みやこ/早瀬ジュン ドリコム 2023年06月09日
父が行方不明になり、実家の男爵家を我が物にしようとする義母と義妹に追い出されたジネット。嫌がらせをご褒美(試練)と考える鈍感ポジティブ令嬢と溺愛系腹黒婚約者クラウスの大繁盛ラブコメファンタジー。まずは成金令嬢の自分との婚約で身売りと笑われ続けた、美貌の婚約者クラウスを解放しようとするもののまさかの溺愛宣言。自らの想いに全然気づかれていないことに気づいて、むしろやる気を出したクラウスに支援されて、持ち前の商才を開花させて活躍し始めるジネットはどこまでも天然ポジティブで、下手な手を打つ義母と義妹に結果的に跳ね返ってゆく展開には苦笑いでしたが、明るく優しくて商才もある彼女が周囲に愛されているのも分かるような気がしました。
森の端っこのちび魔女さん
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夜凪/緋原ヨウ TOブックス 2023年06月10日
卓越した医療技術を持つ幻の「森の民」である母に薬師として育てられた一人娘ミーシャ。瀕死の父を治療する母を事故で亡くした彼女が、王様の召集により隣国に遊学するロード・ストーリー。過酷な現実に直面しながらも薬師の自分に今できることを最期までやり遂げて、前を向いて隣国へ旅立つことを決めたミーシャ。使者ジラルドたちと共に向かう隣国への旅路で出会うスリの少年と老婦人、森の民の同胞との邂逅、小狼との出会いと過去の思い出、そして龍神様の奉納舞と誘拐騒動。周囲の大人たちに見守られながら、その優れた洞察力と直感でかけがえのないものを見出して救ってゆくミーシャに、これからどんな日々や出会いが待っているのか、続刊が楽しみな新シリーズですね。
ええ、召喚されて困っている聖女(仮)とは私のことです2 (Mノベルスf)
守雨/仁藤あかね 双葉社 2023年06月09日
召喚師ヴィクターと共に逃亡生活の中で覚醒した「聖女の力」で「大災害」から世界を救ったハル。その力を狙う国に縛られそうになり、ヴィクターと密かに他国へ向かう第二弾。2人で静かな時間を夢見た矢先のヴィクター突然の失踪、巻き込まれる次々と人が消えていく事件の真相。別の生物に変えられてしまった王女様、そして新たに始まる二人での新生活。過去の因縁だったり、国の思惑に振り回されかけながら、温かく見守ってくれる新天地の理解ある人たちの優しさがあって、ハルの優しさと彼女を支えるヴィクターが遺した想いが、次世代以降にもしっかりと引き継がれていることが伺える物語の結末はなかなか良かったですね。