読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2021年5月に読んだ本 #読書メーターより

5月は例によってGWがあって前半はやや失速気味でしたが、中盤以降は持ち直して最終的にはいつもどおりくらいの冊数になりました。ようやく3~4月頃に積み残した本はだいぶ減ってきましたが、なかなか積読が減らないのは相変わらずですね(苦笑)

 

5月の読書メーター
読んだ本の数:72
読んだページ数:21624
ナイス数:4657

高嶺の花の今カノは、絶対元カノに負けたくないようです (角川スニーカー文庫)高嶺の花の今カノは、絶対元カノに負けたくないようです (角川スニーカー文庫)感想
付き合い始めたはずの朝谷霧に高校入学と同時にフラれた千田薙人。失恋から立ち直れない中、強引な部活勧誘に困っている同じクラスの鷹音希を助ける青春ラブコメ。隣同士の席になったり、一緒に登下校したりする中で希と急速に距離を縮めていく薙人。一方、友人としてこれまでと変わらない態度で接してくる霧の真意。薙人はどこまでも優しく放っておけなくて、芸能人の霧も訳ありのようですけど、そんな彼女の事情を含めて二人と真摯に向き合おうとする希を含めた三角関係、負けられない今カノvs元カノの静かなる戦いが気になる新シリーズですね。
読了日:05月01日 著者:とーわ
恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる2 (角川スニーカー文庫)恋人代行をはじめた俺、なぜか美少女の指名依頼が入ってくる2 (角川スニーカー文庫)感想
バイト疲れの帰り道、泥酔状態で潰れている美人会社員・神城葉月に出会った龍馬。通行人に絡まれないようにとタクシーで家まで送った彼が、恋人代行の指名相手として葉月と再会する第二弾。恋人代行のベテランを次々落としベテラン殺しとの異名を取る葉月との大人のデート。大人の魅力溢れる葉月相手にたじたじになりながらも気に入られて、彼女との今後が気になるところですけど、漫画のリアリティに悩む姫乃とのクリスマスデートもまた彼女とのひとつひとつのやりとりがぐっと来る感じで、それだけに最後のはちょっと大丈夫かなと気になりました。
読了日:05月01日 著者:夏乃実
『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。2 (角川スニーカー文庫)『おっぱい揉みたい』って叫んだら、妹の友達と付き合うことになりました。2 (角川スニーカー文庫)感想
相変わらずな夏彦と未仔のバカップルぶりが加速していく中、親友カップルに問題が発生する第二弾。夏彦をどこまでも甘やかす未仔に妄想を積み重ねてしまう夏彦。周囲も呆れて苦笑いするしかなくなりつつある二人が直面した、目指すべきカップル像だったはずの夏彦の親友草次と奏先輩のすれ違い。サプライズを悟られたくなくて、何となく相手のことを察しつつ素直になれないだけの先輩カップルではあったんですが、そんな二人相手に自分たちのようになれと突きつける無敵バカップルっぷりが突き抜けていて、ひたすらどこまでも甘かったですね(苦笑)
読了日:05月02日 著者:凪木 エコ
透明人間はキスをしない (集英社オレンジ文庫)透明人間はキスをしない (集英社オレンジ文庫)感想
将来に可能性が感じられず、自分が存在しないみたいに思えた高校三年生の冬。何も見えない毎日に絶望していた迅が、神戸の三宮で自分以外には見えない透明人間の少女・風逢と出会う青春小説。親の強制に反発し、自らの進む道を見出す友人たちの姿に焦燥を募らせる中、現れては消える自由に生きる風逢に惹かれ、静かに動き出していく迅の人生。どこか独りよがりな部分もあった彼が、彼女との関わりの中で目をそらしていた本当に大切なことに気づいて、向き合うようになってゆく結末はなかなか良かったですね。猫のコペンがいい感じに効いていました。
読了日:05月02日 著者:猫田 佐文,爽々
スガリさんの感想文は絶え間ない嵐の中: 『幽霊塔』編 (5分シリーズ+)スガリさんの感想文は絶え間ない嵐の中: 『幽霊塔』編 (5分シリーズ+)感想
スガリさんが立ち上げて、徐々に部員も増えてきたた読書感想文部を襲った不可解な事件。『鼻』『幽麗塔』の感想文をヒントに真相に迫る第四弾。部室荒らしの疑いをかけられた事務員の冤罪、綴の破られた感想文の真相。元手芸部員の藤ノ木さんがスガリさんに怒りを抱いた理由。教師の色恋云々みたいな話が出た後だと、やはり自分の感想文を読んでくれる杏介先生のことをスガリさんがどう思っているのか、ちょっと気になってしまうわけですが、最後の最後でそんな懸念に嫌でも直面せざるをえない形で大きく動いてきそうですね…これは次巻で波乱必至?
読了日:05月03日 著者:平田駒
スパイ教室 短編集01 花嫁ロワイヤル (ファンタジア文庫)スパイ教室 短編集01 花嫁ロワイヤル (ファンタジア文庫)感想
「僕は『灯』の誰かと結婚している」クラウスから告げられた衝撃の一言。そして婚約者は謎のまま『灯』メンバーで花嫁を巡る戦いが勃発する短編集。打倒ボスの一環で偽装婚姻届を提出しようとして発覚したクラウスの既婚騒動。(書類上のことは言え)彼と結婚したのは一体誰なのか。花嫁裁判を経てジビア、サラ、モニカ、グレーテのエピソードが明かされ、花嫁の座を賭けたバトルへと突入していくわけですが、それぞれの複雑な心情が明かされてゆく展開は、改めてクラウスがメンバーたちに慕われているんだなということが感じられて良かったですね。
読了日:05月03日 著者:竹町
裏世界ピクニック 6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)裏世界ピクニック 6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)感想
ある日知らない金髪美人が現れて、今の自分は記憶喪失だと告げられた埼玉に住むごく普通の大学生・紙越空魚。戸惑う暇もなく、ヤクザの運転する車で謎の施設へ連れ去られる第六弾。空魚の記憶を取り戻すくだり実は何気にグロいのでは…と感じつつ、今回はネットの噂話的な敵か味方かよくわからない存在「寺生まれのTさん」が題材。裏世界との繋がりを消す相手は視点を変えれば敵なんですよね、二人の初々しい感じだったり、例の女子会やっぱり強烈なインパクトあったんだな的なことをしみじみ思ったりしました(苦笑)茜理は今後メンバーの一員化?
読了日:05月04日 著者:宮澤 伊織
暁花薬殿物語 第五巻 (富士見L文庫)暁花薬殿物語 第五巻 (富士見L文庫)感想
鬼の奇襲から千古を死守し、世を去った兵衛・秋長。悲嘆に暮れ心を閉ざしていた千古。思い掛けず帝から洛外の祭りに誘われる一方、ついに鬼姫が入内する第五弾。千古にとってあまりにもショックが大きすぎた秋長の喪失。祭りで耳にした「水鬼の祟り」の噂、信濃から更衣として入内した紅葉姫と宵上姫・蛍火を巡る関係。辛い千古を支えてくれる成子や典侍がいて良かったと思いましたし、すれ違っていた過去の因縁を上手く希望や救いがあるものに変えてみせた今回の結末には本当に救われる思いでした。それにしても最後は…いやこれは気になりますね。
読了日:05月04日 著者:佐々木 禎子
京都祇園もも吉庵のあまから帖3 (PHP文芸文庫)京都祇園もも吉庵のあまから帖3 (PHP文芸文庫)感想
祇園にひっそりと佇む一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」を営む元芸妓・もも吉と、そこに集う誇り高く生きる人々の哀歓を描いた連作短編集第三弾。不慮の事故で行方をくらましていた歌舞伎役者が十五年ぶりに姿を見せた理由、茶会の準備で老舗和菓子屋の女性が見せたおもてなしの神髄、ようやくお店出しが決まった舞妓の思ってもみなかった事態。何というか本当に大切なこととは何なのか、周囲にきちんと目配りできているのか、この作品を読んでいるといつも考えさせられることが多いです。目に見える目先のことよりも大切なこと確かにありますね。
読了日:05月05日 著者:志賀内 泰弘
道をたずねる道をたずねる感想
十五歳になる年、裏山のクスノキで誓いを立てた俊介と幼馴染・一平と湯太郎。彼らと切磋琢磨しながら地図会社キョーリンの調査員として日本各地を歩き、家の表札を一軒ずつ書き留めてゆく地図づくりに生涯を捧げた男たちの熱き物語。住宅地図のゼンリンをモデルにしたストーリーのようで、何事も実地の手作業でやらなければなかった時代に、人海戦術も駆使しながら地道な取り組みで全国の住宅地図を作り上げてゆく熱い展開があって、そんな彼らの奮闘を支える人々もまた印象的で、三人の絆で危機を乗り越えてゆくとても爽やかな読後感の物語でした。
読了日:05月05日 著者:平岡 陽明
言葉の園のお菓子番 見えない花 (だいわ文庫)言葉の園のお菓子番 見えない花 (だいわ文庫)感想
働いていた書店が閉店してしまい実家に戻った一葉。そんな彼女が亡き祖母の縁から連句の会に参加し、深い繋がりに背中を押され新しい一歩を踏み出してゆく物語。祖母のノートに書かれていた言葉に従って、連句の会「ひとつばたご」に参加する一葉。そこから次の仕事がなかなか見つからない彼女にもたらされた思わぬ依頼。連句に関する様々なお話もなかなか興味深く読みましたけど、書店でのポップ作りの経験が意外なところに繋がる展開もなかなか面白くて、著者さんらしいなとしみじみ思いました。ここから物語がどう広がりを見せるのか続巻に期待。
読了日:05月06日 著者:ほしお さなえ
夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)夜空に泳ぐチョコレートグラミー (新潮文庫)感想
思いがけないきっかけでよみがえる一生に一度の恋。どんな場所でも生きると決めた人々の強さをしなやかに描き出す5編の連作短編集。不器用で真面目すぎる幼馴染との関係、その子供と同級生の交流の表題作、喧嘩してきたかつての同僚と友人との約束、ひとところに落ち着けない二人の交流、子供を死産させてから人生が狂い始めた女性ととある男の出会い。登場人物がゆるく繋がった連作短編集で、これが著者さんのデビュー作ということでしたけど、不器用な自分の存在を理解して、心癒してくれる存在の大切さを改めて思い出させてくれる物語でしたね。
読了日:05月06日 著者:町田 そのこ
京都府警あやかし課の事件簿5 花舞う祇園と芸舞妓 (PHP文芸文庫)京都府警あやかし課の事件簿5 花舞う祇園と芸舞妓 (PHP文芸文庫)感想
古賀大が「あやかし課」に配属されて早一年。大たちが新技習得に励む中、桜満開の春の京都で不穏な事件が多発する第五弾。任務中に謎の式神に襲われるの大たち、京都文化財博物館に届いた窃盗団から予告状、悪夢に魘されている祇園の舞妓たち。今回、陰陽師の隊員も出てきて、塔太郎の父の現在もみえてきたようですけど、不器用な両片想いでなかなか踏み込めないもどかさはあっても、大と塔太郎の甘酸っぱい関係性は鮮烈で、今回総代も頑張ってはいたものの、積み重ねたその想いはそろそろどうにも止まらない感じになってきましたかね…続刊に期待。
読了日:05月07日 著者:天花寺 さやか
丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。9 (角川文庫)丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。9 (角川文庫)感想
厄介な依頼ばかり持ってくるエージェントの伊原に懇願され、別荘で感じる不気味な視線の正体を調べることになった「第六リサーチ」の面々。そんな折、突然澪の前から姿を消したマメに似た気配を感じる第九弾。相棒の幽霊犬マメが姿を消したままなことに、焦りと無力感を覚えていた澪。現地調査での思わぬ事件と、その近くにあったかつての因縁ある廃寺、そして霊能力者・東海林との再会。暴走しがちな澪を気遣う次郎の垣間見える思いも注目のポイントでしたけど、何より東海林さんの娘さんやマメのことも無事解決できてほっとしました。続巻も期待。
読了日:05月07日 著者:竹村優希
人事の超プロが本音で明かすアフターコロナの年収基準人事の超プロが本音で明かすアフターコロナの年収基準感想
「頑張っている」はもはや無意味。「成果」こそが揺るぎない価値になるこの時代に、「自分の価値」を正しく知るための一冊。後払いの年功序列から今のパフォーマンスが今の給与に繋がっていく時代に変わりつつある中で、自分の立ち位置がどこにあるのか、チェック項目で自己分析しながら、補助育成・自己完遂・チーフ・プロジェクトリーダー主任・課長・部長・役員本部長・社長上級役員の各クラスでどんな役割を求められるのか、評価されるポイントが明確で、自分の立ち位置をどう確立すべきかとても分かりやすく説明されていて納得感がありました。
読了日:05月08日 著者:西尾 太
楽園ノイズ2 (電撃文庫)楽園ノイズ2 (電撃文庫)感想
PNOを結成してバンドとして本格始動したもの、二学期になってもトラブル続き。さらに大物音楽プロデューサーとメジャーデビューをかけて文化祭で勝負する第二弾。凛子母がバンド活動に怒って退学を迫ってきたり、ファンキージャズドラマーの詩月祖父にいきなり拉致られたり、ヒロインたちとの絆を育む一方で相変わらず鈍い真琴に突きつけられた現実。お約束の文化祭女装コンテストもあって、ヒロインたちとのやり取りが楽しくて、音楽の素晴らしさが語られて、悩みながらも自分たちの音楽に向き合って導き出した答えは控えめにいって最高でした。
読了日:05月08日 著者:杉井 光
隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった2 (電撃文庫)隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった2 (電撃文庫)感想
学校では変わらずクーデレラでも、夏臣の前では柔らかい微笑みを見せることが多くなったユイ。そんな二人の関係が夏臣の親友がくれた花火大会のチケットをきっかけに変わり始める第二弾。調理実習で見せたユイの複雑な想い、夏臣の親友・慶との繋がりで出会った後輩・湊との共感、そして二人で行くことになった花火大会デート。お互いかけがえのない大切な相手だとは認識しながらも、あえてそれがどういう関係かを意識してこなかった二人が、第三者との関わりの中で改めて自覚してゆく繊細な描写の積み重ねがとても良かったですね。続巻も期待です。
読了日:05月08日 著者:雪仁
娘じゃなくて私が好きなの!?(5) (電撃文庫)娘じゃなくて私が好きなの!?(5) (電撃文庫)感想
仕事のため単身赴任しなければならなくなる。付き合い始めたばかりなのに遠距離恋愛の覚悟を決め、単身で東京に向かったはずの綾子が、東京で巧との同棲生活を始めることになる第五弾。思ってもみなかった急展開に動揺する綾子。狼森さんのツテでインターンとして入った会社で、訳ありな高校時代の同級生と再会する巧。意識しすぎて初々しい二人の距離感には苦笑いでしたけど、どこまでもブレない巧に対して、恥ずかしがって考えすぎて思い切った行動が空回りする綾子が可愛かったです。結果的に関係も進みそうで、結果オーライということで(苦笑)
読了日:05月09日 著者:望 公太
恋は双子で割り切れない (電撃文庫)恋は双子で割り切れない (電撃文庫)感想
お隣に住む双子美人姉妹と家族同然で育ってきた幼馴染・白崎純。初恋をこじらせる純に姉の琉実が発した一言が、彼らを複雑な三角関係へと導いていく初恋双子こじらせ系青春ラブコメ。見た目ボーイッシュで中身乙女なリア充スポーツ少女の姉・琉実と、対照的に見た目は可愛いけれど熱くて濃いオタトークができる妹・那織。対照的な双子美人姉妹は純の初恋相手と初めて付き合った相手で、彼を挟んでお互い強烈に意識せざるをえない存在で、ないものねだりでこじれにこじれた三角関係がこれからどうなるのか、今から注目しておきたい新シリーズですね。
読了日:05月09日 著者:高村 資本
浮遊世界のエアロノーツ 飛空船乗りと風使いの少女 (電撃文庫)浮遊世界のエアロノーツ 飛空船乗りと風使いの少女 (電撃文庫)感想
大地が砕けて無数の浮遊島が生まれた世界。孤島で両親を待ち続けていた少女・アリアは、飛空船乗りの青年・泊人と出会い、一緒に両親を捜す旅に出るロードノベル。世界を変える干渉力を持つが故に人々に疎まれ、心を閉ざしていたアリア。彼女が泊人と一緒に旅する中で出会う精霊が消えた原因、義賊を監獄から救い出す理由、同じ時を繰り返す島の真実、そして彼女の両親がいなくなった真相。様々なことに向き合い、成長してゆく少女と見守る泊人のコンビがなかなかいい感じで、大切なものを探す旅を続ける二人の物語をまた読んでみたいと思いました。
読了日:05月10日 著者:森 日向
死にたがりの君に贈る物語死にたがりの君に贈る物語感想
人気シリーズ完結を目前に訃報が告げられた、全国に熱狂的なファンを持つ謎の小説家・ミマサカリオリ。やがて廃校に集まった七人のファンが、未完となった作品の結末を探ろうとする青春ミステリ。著作が厳しい批判にさらされていたミマサカ。訃報に絶望し自殺を図った少女、そして共同生活する彼らたちが直面する絶対に起こるはずのない事件。集まった熱狂的なファンたちがやってきた理由は様々で、垣間見える繊細な著者の心境はとても複雑で、どこまでも著者を信じて微塵も疑わない真摯な想いがもたらした結末には心揺さぶられるものがありました。
読了日:05月10日 著者:綾崎 隼
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙VI (電撃文庫)新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙VI (電撃文庫)感想
二人だけの騎士団を結成したコルとミューリ。そんな二人ににハイランドから麦の大生産地・ラポネルの領主・ノードストンの調査依頼が舞い込む第六弾。悪魔と取引しているという不穏な噂がある元領主ノードストンからの、王国と教会の争いを解決する可能性を秘めた提案。そんな彼からの依頼の過程で発覚する思ってもみなかった事実。懐かしい面々が一気に登場して盛り上がりましたけど、王国と教会の争いも新大陸の話も、二人が解決するにはあまりにもスケールが大きすぎる印象で、これをどのあたりに落とし所見出すのか気になるところではあります。
読了日:05月11日 著者:支倉 凍砂
高校事変 X (角川文庫)高校事変 X (角川文庫)感想
慧修学院高校3年の生徒たちが国際交流のため訪問したホンジュラス。その最中にメキシコの過激派組織ゼッディウムに襲撃され、生徒たちが人質に取られてしまう第十弾。意識不明の重体と思われていた市村凜の驚愕の真相。ゼッディウムの背後にいる父・匡太の後継たる長男・架祷斗の存在。今回はこれまでと比べ物にならない狡猾で強力な相手にハードな展開でしたけど、それを乗り切っても結衣が置かれた状況は依然として絶望的で、明かされた因縁から考えるに今後他作品ヒロインとの共闘もあるんでしょうか…兄妹の動向も気になるところではあります。
読了日:05月11日 著者:松岡 圭祐
京都くれなゐ荘奇譚 呪われよと恋は言う (PHP文芸文庫)京都くれなゐ荘奇譚 呪われよと恋は言う (PHP文芸文庫)感想
二十歳までは生きられない呪いをかけられた長野の女子高生・澪。長野から出ることを禁じられていた澪が、家族に内緒で京都へ向かい、窮地を謎の高校生・高良に助けられる呪術幻想ミステリ。高良が気になる一方、自らの呪いを解く鍵が京都にあると考えて、長野から移り住む決意を固めた澪。たびたび顔を出す従兄の漣や、蠱師ゆかりの下宿屋「くれなゐ荘」の面々も絡めながら、解き明かしてゆく身の回りの不思議な事件、そして明らかになってゆく高良と澪の何とも複雑に絡み合った因縁にどう決着をつけるのか、今後がとても楽しみな新シリーズですね。
読了日:05月11日 著者:白川 紺子
ウォルテニア戦記 XVIII (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記 XVIII (HJ NOVELS)感想
王都での弾劾裁判での粛清を狙う貴族を、逆に女王の眼前で虐殺してみせた亮真。そんな彼らを討伐するため、相手にルピス女王が20万を超えると言われるローゼリア王国軍を集める第十八弾。浩一郎の情報を元にカンナート平原の撤退戦で敵に痛撃を与え、退却に成功した亮真。対決不可避の状況から、決戦の機運が高まりつつある中で、それぞれの状況が語られていく感じでしたけど、圧倒的大軍を相手にいくつかの可能性が提示される中で、亮真がどこに勝機を見出すのか。暗躍する須藤の真意も気になるところですが、相変わらず展開が遅いですね(苦笑)
読了日:05月12日 著者:保利 亮太
グルメ警部の美食捜査 (PHP文芸文庫)グルメ警部の美食捜査 (PHP文芸文庫)感想
お金を持たずに大食いチャレンジに失敗したカエデ。居合わせた警視庁所属の警部・久留米に救われた彼女が運転技術を見込まれてお抱え運転手となり、彼とともに事件を解決する連作ミステリ。捜査と言いながら、高級レストランや美食家が集まるパーティーに行ったりするばかりの久留米。けれどそれが事件解決の手がかりとなって美食ブログに隠された謎、大食いYouTuberの意外な秘密など次々と遭遇する事件を解決してゆく展開で、他作品のお店も絡めながら、飯テロ描写満載のライトな展開は読みやすくて楽しめました。シリーズ化期待してます。
読了日:05月12日 著者:斎藤 千輪
痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった4 (GA文庫)痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった4 (GA文庫)感想
姫奈を主役にいよいよ始まった学祭に向けての自主映画制作。夏休みの撮影をきっかけに、彼女がずっと抱えていた秘密を知ることになる第四弾。姫奈によって明かされる過去に思ったこと、藍や静香、美南や妹・茉菜たちも参加した海での撮影、諒の後押しをきっかけに新たなチャレンジを決意する藍。お約束の水着回はちょっとヒロインたちのレベル高すぎ感に苦笑いでしたが、様々なシーンでバチバチと火花を散らす姫奈と藍、そして彼女たちの成長を改めて痛感する諒を交えた何とも複雑な関係も、様々な思惑も絡む中でどうなるのか、続巻が楽しみですね。
読了日:05月12日 著者:ケンノジ
王妃ベルタの肖像 3 (富士見L文庫)王妃ベルタの肖像 3 (富士見L文庫)感想
新しい都に移り、次第に外朝でも動きを見せ始めるベルタ。財政難に南部と北部の派閥統合など問題が山積する中、ベルタはカシャから異母弟・レアンドロを呼び寄せる第三弾。久しぶりに再会したレアンドロとの複雑な関係、彼とニーナの結婚。そして未だ落ち着かない王妃の立場と立太子を巡る諸問題。異母弟のような第三者視点から見てみると、ハロルドとベルタの夫妻が育んできた公私に渡る強い絆、お互いをかけがえのない存在と思う特別感を改めて実感しますね…。そんな両親を親に持つルイも、あれが基準だと大変だなあとしみじみ思いました(苦笑)
読了日:05月13日 著者:西野 向日葵
静かに眠るドリアードの森で緑の声が聴こえる少女 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)静かに眠るドリアードの森で緑の声が聴こえる少女 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
物学者になる夢に挫折し、寂れた田舎にある実家の生花店「ドリアード」で働く草壁大樹。女子高生のアルバイト・青葉と一緒に植物に絡む謎を解いていく連作ミステリ。植物の声を聴くことができるという青葉。間近で見て彼女の力を確信してゆく大樹、そして知り合った青葉の姉・茜も交えながら青葉とともに解いてゆく、ひき逃げ事件の真相、お化けヒノキに関わる記憶といった事件。大樹と青葉のコンビが巻き込まれる展開の中で彼女の姉・茜が上手くクッション役になっていて、わりといい感じの読後感になるストーリーの構成もなかなか良かったですね。
読了日:05月13日 著者:冴内 城人
臨床法医学者・真壁天 秘密基地の首吊り死体 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)臨床法医学者・真壁天 秘密基地の首吊り死体 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
死体を解剖する方がマシだと思う生粋の人間嫌いな法医学者・真壁天。しかし、教授から児童虐待を鑑定する仕事を押し付けられ、彼が虐待を指摘した親たちが次々と首吊り死体で発見されていく法医学ミステリ。嫌々ながら様々な親子の闇に関わっていく真壁の鋭い指摘。首吊り死体の状況を聞いた彼が思い出す小学校時代の親友の死体。トラウマになっていた過去の苦い思い出との繋がりをどう使ってくるのかと思いましたが、思ってもみなかった形で構図の転換があったりで驚かされました。なかなか面白かったのでもし続きがあるならまた読んでみたいです。
読了日:05月13日 著者:高野 結史
私立図書館・黄昏堂の奇跡 持ち出し禁止の名もなき奇書たち (宝島社文庫)私立図書館・黄昏堂の奇跡 持ち出し禁止の名もなき奇書たち (宝島社文庫)感想
鬱蒼とした雑木林に囲まれた町外れの私立図書館・黄昏堂。怠惰で偏屈な館長・空汽や愛猫のクロ、数少ない常連客に囲まれ仕事に励む日々を送る新人司書・湊が、不思議な出来事に巻き込まれてゆくビブリオファンタジー。館内から忽然と姿を消した客を捜す最中に見つけた地下書庫の隠し扉にあった蒼き猫の楼閣、そして彼女自身が抱える辛い過去やとある手記にまつわる時空を超えた謎から戦争、焚書といった重い過去も描かれていきましたけど、そんな図書館に彼女が居場所を得てゆく物語は趣があって良かったです。続編出るならまた読んでみたいですね。
読了日:05月14日 著者:岡本 七緒
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(16) 黒猫if 下 (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない(16) 黒猫if 下 (電撃文庫)感想
あの夏の日、恋人同士になった二人。合宿から帰還し、世話になった友人に交際の報告をした京介が、黒猫から夏休みの過ごし方について提案を受ける下巻。二人で書くことになった「運命の記述」が変えてゆく運命。猫の妹たちとの出会い、五更瑠璃の両親との出会い、そして桐乃の帰還と決意。いやさすがに初デートで聖天使神猫はどうなの?と桐乃ならずとも突っ込みたくなりますけど、やっぱりどのルートいっても桐乃の存在がポイントになってきますね…黒猫たちが幸せそうだから、どうも幸せになりきれていない気がするのは仕方ないんですかね(苦笑)
読了日:05月14日 著者:伏見 つかさ
親王殿下のパティシエール(4) 慶貝勒府の満漢全席 (ハルキ文庫 し 14-4)親王殿下のパティシエール(4) 慶貝勒府の満漢全席 (ハルキ文庫 し 14-4)感想
謹慎も解かれ、新しい厨房で中華菓子を学び始めたマリー。宣教師から絵画を習ってお菓子作りに生かしていこうとする彼女が、食通の間で信望される超有名詩人・袁枚と出会う第四弾。絵を学ぶ中で永璘のためにできることはないかと考え始めるマリー。西洋の菓子を所望された袁枚から突きつけられる厳しい評価。少しずつ王城内にもマリーをフォローしてくれる人が出てきたのを感じつつ、こういう大物を次々と引き当ててしまうあたりマリーも何か持ってますよね(苦笑)しかし新たな親王殿下との出会いは今後に繋がるのか…気になるところではあります。
読了日:05月14日 著者:篠原 悠希
新しい世界 世界の賢人16人が語る未来 (講談社現代新書)新しい世界 世界の賢人16人が語る未来 (講談社現代新書)感想
パンデミックの惨禍、拡大する不平等、トランプ現象。ハラリ、トッド、ピケティ、サンデル、タレブ、ナオミ・クラインたちが予測不可能な大転換の時代を生きるヒントを語る16本のインタビュー集。不透明な経済への指針、不平等をこれからどうしていくか、アフターコロナの哲学を踏まえてこれからどう生きていくか。なるほどなと思ったりピンとこなかったりする論もあって、ややページが物足りない箇所もありましたが、加速していた世界がコロナによっていったん減速して、これからどうするのかを考えるのに様々な視点があって興味深く読めました。
読了日:05月15日 著者: 
傷痕のメッセージ傷痕のメッセージ感想
医師の千早が父の遺言に従い遺体を解剖した際に胃の内壁に見つけた謎の暗号。28年前、連続殺人事件の犯人を追うため父が警察をやめたことを知った千早が、病理医の友人・紫織と協力して暗号を読み解こうとする医療ミステリ。父の死を契機に明らかになるその過去と衝撃の暗号。そして再び発生し始める28年前と酷似した連続殺人事件。父の後輩刑事・桜井とも協力しながら父が隠していた過去、そして再び起きた事件を追う展開でしたが、父の過去を探る中で明らかになってゆく真実、そして迎えた結末がもたらした想いには心に響くものがありました。
読了日:05月16日 著者:知念 実希人
僕たちの正義僕たちの正義感想
10年前に自殺した恋人で患者でもあった沙耶の叔父が、全く同じ方法で自殺したことを知った心理カウンセラーの悠木文月。自らの止まったままだった時間を動かすために、文月は彼女と叔父の関係性、自殺した動機を追い始めるミステリ。文月の前に突然現れた沙耶の妹・真沙。突如姿を消した彼女を追う過程で明らかになってゆく意外な繋がりと真相。回想で明かされていった沙耶の過去が過酷でしたが、ではどうすべきだったのか、正義とは何かを考えさせられる結末で、様々なものを抱えていた彼らの垣間見える複雑な思いがなかなか印象的な物語でした。
読了日:05月17日 著者:平沼 正樹
殺した夫が帰ってきました (小学館文庫 さ 40-1)殺した夫が帰ってきました (小学館文庫 さ 40-1)感想
取引先の穂高にしつこく言い寄られて悩む都内アパレルメーカー勤務の鈴倉茉菜。家の前で待ち伏せされた彼女が、かつて崖から突き落とし殺したはずのDV夫・和希に助けられるサスペンスミステリ。衝撃的な再会から始まった二人の同居生活。記憶を失って優しい和希との平穏な日々。けれど茉菜の過去を示唆するメッセージは誰が送ってきたのか、そして和希の正体を探る展開でしたけど、そこから思ってもみなかった形に構図がガラリと書き換えられていって、いろいろあった彼女でしたけど、いつか幸せになれるといいなと願わずにはいられませんでした。
読了日:05月17日 著者:桜井 美奈
プロペラオペラ (4)プロペラオペラ (4)感想
決戦前夜。暇で平和な護衛任務の日常の中でクロトが画策した艦内プロレス大会。一方囚われの身となった諜報員のユーリは、今次期ガメリア大統領の椅子にもっとも近い男カイルに接近する第四弾。船員たちの願いを受けてイザヤとミュウを罠に嵌めるクロトたちの束の間の愛しい時間がバカバカしくて、カイルのことを気持ち悪いと思いながら接近して翻弄するユーリが活き活きとしてきて、それぞれの決戦に向けて着々と舞台も整いつつありますね。そして嬉しいサプライズと切ないエピソードもあって今回もとても良かったです。続きが早く読みたいですね。
読了日:05月17日 著者:犬村 小六
現実でラブコメできないとだれが決めた? (3) (ガガガ文庫 は 8-3)現実でラブコメできないとだれが決めた? (3) (ガガガ文庫 は 8-3)感想
7月初旬、幸先輩の推薦人として生徒会選挙イベントを画策する耕平。選挙を通じて育まれていくヒロインとの関係に意気込むものの、その肝心の先輩が選挙に出馬しないことを知る第三弾。出馬を固辞するらしさを失った幸先輩、そして代わりに出馬を表明した塩崎先輩が抱く思い。あの手この手を尽くして先輩を翻意させようとアプローチする耕平の秘策。その理想に邁進し続ける熱い姿に期待したくなる一方で、突きつけられた現実は思っていた以上に前途多難で、清里や上野原たちの動向も気になりつつ、ここからどうひっくり返してみせるのか楽しみです。
読了日:05月17日 著者:初鹿野 創
パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。感想
同じマンションに住むお隣の女子高生・香月乃亜がパパ活をする決定的瞬間を目撃してしまった残業帰りの会社員・梶野了。親に言わないよう懇願する彼女に、飼い犬の散歩を要求したことから始まるドタバタラブコメディ。梶野を介して交流するようになる、いつの間にか梶野の部屋を居場所に入り浸るオジサン好き匂いフェチJK乃亜、なぜか元カノ感を漂わせる姪JSえみり、梶野を慕う同僚・日菜子、そして乃亜の同級生・神楽坂のまったりとした交流がじわじわくる感じで、この名前を付けられない確かな絆を育んでゆく関係がとてもいいなと思いました。
読了日:05月18日 著者:持崎 湯葉
彼女が花に還るまで (双葉文庫)彼女が花に還るまで (双葉文庫)感想
どこか花のような儚さを思わせる、同じ大学に通う花守木綿子と運命的な出会いを果たした谷村温人。一緒の時間を過ごすうち、徐々に木綿子に惹かれていく青春小説。共に過ごすことが増えて、お互いかけがえのない存在になってゆくのに、なかなか友人から進まない二人の関係。それでも人には言えない秘密を抱える木綿子としっかり向き合い、一緒に生きていくことを決意するからこそ、その後の展開が切なかったですけど、それでも受け継がれ紡がれてゆくものは確かにあって、優しく温かい気持ちに包まれた気持ちになってゆく結末が印象的な物語でした。
読了日:05月18日 著者:石野 晶
アンデッドガール・マーダーファルス 3 (講談社タイガ)アンデッドガール・マーダーファルス 3 (講談社タイガ)感想
村人が次々喰い殺されて、闇夜に少女が連れ去られた――犯人は人か、それとも狼か。ダイヤの導きに従いドイツへ向かった鴉夜たちが人には成しえぬ怪事件に遭遇する第三弾。崖下には人狼の里が隠れているという伝説がある村で起きた事件。人狼の関与が疑われる中で、そこに導かれるように鴉夜たち、そして夜宴やロイズも介入する三つ巴のカオスな展開になりましたけど、そんな状況でもしっかり事件を解き明かしてみせる鴉夜の推理が鮮烈でしたね…。それにしても気になるエピローグで、ここからどう動くのか今後の展開が気になるところではあります。
読了日:05月19日 著者:青崎 有吾
後宮の薬師 平安なぞとき診療日記 (PHP文芸文庫)後宮の薬師 平安なぞとき診療日記 (PHP文芸文庫)感想
大陸から海を渡ってきた父に医術を学んだ娘・安瑞蓮。腕を見込まれ博多から上京。陰謀渦巻く都の後宮で奇怪な事件に巻き込まれてゆく、若き薬師が医学知識を駆使して事件解明に挑む平安ミステリ。若き医官の和気樹雨とともに向き合うワガママ姫が苦悩する原因、若宮の元気がない理由、体調不良を訴えなかなか快癒しない女房、息子の東宮位に執着する御息所の真意。新参者なのに女御たちとの距離感がだいぶ近い感はありましたけど、安倍晴明が出てきたりもする中で、わりと冷静でサバサバした感じのリアリスト主人公・瑞蓮のありようが印象的でした。
読了日:05月19日 著者:小田 菜摘
神の悪手神の悪手感想
避難所でなかなか勝ちきる手を打たない子がそれでも将棋を指し続けた理由、将棋人生を賭けたアリバイ作りに挑む追い詰められた男、詰将棋雑誌に投稿した訳あり少年の秘められた想い、対戦した棋士二人だけが感じることができる世界、駒師が指定対決の駒選びで感じた複雑な想い。将棋を題材とした運命に翻弄される登場人物たちの連作短編集で、思ってもみなかったことに気付いてしまい、それでも将棋に向き合い、前に進むことしかできない不器用な人々の苦悩や葛藤はどこまでも真摯で、その先に見出してゆく彼らの結末がとても印象に残る物語でした。
読了日:05月19日 著者:芦沢 央
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦11 (ファンタジア文庫)キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦11 (ファンタジア文庫)感想
八大使徒・ルクレゼウスを退けた後、天帝ユンメルンゲンに帝都へと招かれたイスカたち。天帝の指示でシスベルは灯の星霊で、若き日の師匠クロスウェル、ユンメルンゲン、ネビュリス姉妹たちの過去を再現する第十一弾。百年前、発展を続けていた『帝国』。そこで姉弟だったクロスウェルとネビュリス姉妹、そして育まれたユンメルンゲンとのかけがえのない日々。暗躍する八大長老によって崩れ去った過去の真相は何ともほろ苦かったですが、決戦に向け舞台も役者も揃いつつある中、譲れない戦いが始まりそうですし、どんな結末に向かうのか続巻に期待。
読了日:05月20日 著者:細音 啓
闇堕ちヒロインを幸せにする計画 ~魔本使いの少年と予言《首切り姫の絶望》否定~ (ファンタジア文庫)闇堕ちヒロインを幸せにする計画 ~魔本使いの少年と予言《首切り姫の絶望》否定~ (ファンタジア文庫)感想
未来を告げる魔本と出会い、使える主にして憧れの存在・皇女シャルナが、闇落ちして世界に災厄をもたらすことを知った少年リオ。魔本を駆使して少女たちのバッドエンド回避を目指すファンタジー。尊敬する姉が身を挺して救ったシャルナ、そして新しい赴任先で出会ったもうひとりの少女・アイスリン。言いたい放題の魔本にツッコミを入れながら、ヒロインたちが闇落ちするその原因を探って、ギリギリの状況を乗り切っていく展開はなかなか面白かったですけど、そんな危険なヒロインが周囲に増えていく状況は果たして大丈夫なのか、続巻に期待(苦笑)
読了日:05月20日 著者:上川 景
【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。2 (ファンタジア文庫)【朗報】俺の許嫁になった地味子、家では可愛いしかない。2 (ファンタジア文庫)感想
地味で目立たない同級生・結花と一緒に暮らし始めて数ヶ月。思ったよりも楽しい可愛さしかない彼女との生活を送る佐方に、クラスのギャル・二原さんが急接近する第二弾。過去を心配して佐方との距離感をぐいぐい詰めてくる二原に、嫉妬して暴走する結花が可愛かったですが、外出先で出会ったり突然の二原来訪など、秘密がバレそうになるピンチでドツボにハマったり、兄に厳しくて嫁に優しい妹だったり、自らもまた秘密を抱える二原の危機に駆けつけて、絆を深めていく展開はなかなか良かったです。次巻でもまたいろいろと楽しませてくれそうですね。
読了日:05月20日 著者:氷高 悠
VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた (ファンタジア文庫)VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた (ファンタジア文庫)感想
VTuber大手運営会社ライブオン所属の三期生で『清楚』VTuber心音淡雪。不注意から配信を切り忘れた結果、素の性格がバレてしまい、ギャップがウケて大人気VTuberへ駆け上がっていくVTuberコメディ。売れない貧乏生活だったVTuberが美味そうにストロングゼロを飲む姿を晒してしまい、それがまさかのブレイクに繋がるサクセスストーリーでしたけど、急激な変化に最初はおっかなびっくりながらも、徐々に開き直ってのびのびと配信するようになってゆく姿がとてもいきいきとしていて、楽しそうな感じが伝わってきました。
読了日:05月20日 著者:七斗 七
威風堂々惡女 6 (集英社オレンジ文庫 し 7-7)威風堂々惡女 6 (集英社オレンジ文庫 し 7-7)感想
流行病にかかり高熱に苦しみ何日も意識が戻らず、奇跡的に回復した十七歳の雪媛。自身が過去に生きた「雪媛」という人物になっていると知った玉瑛の始まりの物語。続きが気になるところからのまさかの前日譚でしたけど、訳がわからない状況に混乱するところから、いかに後宮に入るまでに至ったのかという過程が描かれていて、その後の展開で出てくる登場人物たちとの出会いや繋がりだったり、いろいろ掘り下げがあって良かったです。ここからまた本編に戻るんでしょうけど、碧成のヤバさが心配になる引きだったので早く続きを読ませて下さい(苦笑)
読了日:05月21日 著者:白洲 梓
精霊指定都市 精霊探偵社《So Sweet》と緋色の総帥 (集英社オレンジ文庫)精霊指定都市 精霊探偵社《So Sweet》と緋色の総帥 (集英社オレンジ文庫)感想
幼い頃から不思議なものが見える体質の花森だりあ。あまりの騒々しさに登校もできなくなってしまった彼女が、相談した曾祖母に指示されて精霊探偵社《So Sweet》でバイトを始める物語。緋色のスーツを着た総帥とともに解決してゆく精霊絡みの事件。その中で明らかになってゆく花森家の過去、そして様々なことを経験しただりあ自身の心境の変化。なかなか洒落が聞いているネーミングセンスで、精霊指定都市や総帥とかよく考えたなと思いましたけど、著者さんらしいキャラがよく動く、なかなかいい感じのテンポで読める物語だったと思います。
読了日:05月21日 著者:我鳥 彩子,けーしん
初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ (ファンタジア文庫)初恋を応援してくれる幼なじみとのラブコメ (ファンタジア文庫)感想
美人女優になって帰ってきた、幼少期に優しくしてくれた初恋の人・九条彩花。八年片思いしてきた織笠結斗が、腐れ縁の幼馴染・藤堂澪の助けを助けを借りながら恋心を募らせてゆく三角関係ラブコメ。優しい素顔も見せてくれるけれど、高嶺の花で簡単には叶いそうにもない彩花相手の恋。そんな結斗の背中を押してくれる澪との距離感は妙に近くて、感触は悪くないのにどこかブレーキを掛けるような彩花が抱える事情も明らかになりましたけど、複雑な三角関係を描くことになった三人の構図がこれからどう変わってゆくのか、今後に期待のシリーズですね。
読了日:05月22日 著者:神里 大和
放課後の聖女さんが尊いだけじゃないことを俺は知っている (ファンタジア文庫)放課後の聖女さんが尊いだけじゃないことを俺は知っている (ファンタジア文庫)感想
コンビニからの帰宅途中に、同級生で聖女と呼ばれる美少女・白瀬聖良と出会った平凡な高校生・倉木大和。誘われるまま、真夜中の繁華街で共に時間を過ごし、その日をきっかけに二人の交流がはじまる青春小説。初めてのダーツ、CD貸し借り、ラーメン巡り…たまに甘えてきて、少しやんちゃな一面のある聖良と関わって色づいていく退屈だった大和の日常。言葉では言い表し難い聖良との関係に、周囲の目を気にしたり、考えすぎて空回りすることもありましたけど、お互いにかけがえのない存在なのは間違いなくて、そんな二人のこれからが楽しみですね。
読了日:05月22日 著者:戸塚 陸
ネトゲの嫁が人気アイドルだった 1 ~クール系の彼女は現実でも嫁のつもりでいる~ (オーバーラップ文庫)ネトゲの嫁が人気アイドルだった 1 ~クール系の彼女は現実でも嫁のつもりでいる~ (オーバーラップ文庫)感想
ごく平凡な男子高校生・綾小路和斗の一緒にゲームするネトゲ嫁が、なんと同じクラスの同級生の憧れの人気アイドル・水樹凛香だと判明。クールだけど愛が重い『嫁』と過ごす青春ラブコメディ。『男嫌い』と噂の凛香が、リアルでも嫁であるかのように振る舞う姿に困惑する和斗。アイドル仲間もちょっと変わった子で、いつの間にか家族にも紹介されていて、外堀がどんどん埋まっていく中で凛香パパの未来を暗示する一言には苦笑いでしたが、ヤンデレで愛が重いけど一途で可愛い凛香に絆されていく展開は微笑ましかったですね。続巻にも期待しています。
読了日:05月22日 著者:あボーン
京都丸太町の恋衣屋さん (双葉文庫)京都丸太町の恋衣屋さん (双葉文庫)感想
地元で転職活動中の矢口泰彦はある夜、居酒屋で顧客に危うい目に遭いそうになっていた弓場明日香を助け、自らが常務を務める京都の貸衣裳店へのスカウトと逆プロポーズされるお仕事小説。急すぎる展開に戸惑いながらも、明日香の熱意と純粋な瞳に惹かれて京都に行くことを決意する泰彦。明日香と一緒に働く中で知る和装の世界に魅せられて成長し、一方でお婿さんと周囲に紹介する明日香との夫婦漫才や、時にはしっかりと向き合ういいコンビっぷりが、お互いの存在を意識しながら刺激し合える関係でとても素敵だと思いました。続編も期待しています。
読了日:05月23日 著者:天花寺 さやか
Re:ゼロから始める異世界生活26 (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活26 (MF文庫J)感想
砂海の塔を攻略したナツキ・スバル。しかし直後に仲間と離れ離れにされてしまい、遠く離れた地でついにスバルは待ちわびた再会のときを迎える第二十六弾。喜びも束の間、記憶を失い、魔女の瘴気を漂わせるスバルへと敵意を向ける目覚めた少女。信頼を損ない逃げる彼女との鬼ごっこが始まる中、未知の森で怪しい男・アベルと遭遇するスバル。状況的にバッドエンドが複数ありうる中で、誰を信じればいいのか、どんな選択肢が正解か決断が難しい展開でしたけど、どうにか乗り切った感じですかね。でもまだしばらくは巻き込まれた状態が続きそうです…。
読了日:05月23日 著者:長月 達平
会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある? (集英社オレンジ文庫)会社の裏に同僚埋めてくるけど何か質問ある? (集英社オレンジ文庫)感想
夢を抱いて地方公務員になった志帆。しかし現実は同僚の仕事を押し付けられ残業三昧の日々。仕事をしないことに全力で、ミスのフォローは周囲の役目、精を出すのは噂話と陰口。そんな同僚が辿った末路を描くブラック小説第三弾。表題作のほか、高まる自己愛が滅ぼしたもの、社内いじめに耐えかねた新人社員が見た夢、とある縁切り神社のルーツ。いやこれブチ切れそうな同僚でしたけど、何というかこの結末が示唆するものには薄ら寒い気分になりますね。だんだん壊れていく支離滅裂っぷりの先にあった結末も恐ろしかったです…積み重ねた鬱憤は怖い。
読了日:05月24日 著者:夕鷺 かのう,くろのくろ
瀬戸際のハケンと窓際の正社員 (集英社オレンジ文庫)瀬戸際のハケンと窓際の正社員 (集英社オレンジ文庫)感想
長年の夢を叶えたくて出版社にばかり就職活動した結果、見事玉砕した岩城澪。その後派遣の事務として働いてきた彼女が、契約を切られてしまい、まさかの不動産営業として新築タワーマンションを売る羽目に陥るお仕事小説。生活のため仕方なく働き始めたものの右も左も分からない業界で、窓際族でまったく頼りにならない唯一の社員。けれど働いている中で助けてくれる人もいて、心持ちが変わるとお客様のことや思わぬ側面がいろいろ見えてくることもあって、悲喜こもごものエピソード、たくましく成長していく澪の変化が、とても印象的な物語でした。
読了日:05月24日 著者:ゆきた 志旗,いのうえ さきこ
神は遊戯に飢えている。2 (MF文庫J)神は遊戯に飢えている。2 (MF文庫J)感想
「神々の遊び」を連続攻略し、一躍世界最注目の存在へ名乗りを上げたフェイたち。盛り上がった影響でしばらく自都市での活動ができなくなった彼らが、別都市マル=ラへ遠征する第二弾。一方的にライバル視する黒衣の男ダークスたちとの親善試合、そして彼らとも組んで挑む新たな「神々の遊び」。ダークスもなかなか存在感あるキャラで、ゲームではフェイやレーシェだけでなく、パールもその意外性がいい感じに効いてましたね。そして三人とはまた違ったタイプの新キャラ・ネルも登場して、ここから苦境をどう覆していくのか続巻の展開が楽しみです。
読了日:05月24日 著者:細音 啓
聖剣学院の魔剣使い7 (MF文庫J)聖剣学院の魔剣使い7 (MF文庫J)感想
海の底に眠る天空城で竜王ヴェイラが遭遇した海王リヴァイズ。一方、レオニスの所属する第十八小隊は帝都で開催される聖剣士の聖剣剣舞祭に参戦する第七弾。復讐のために魔王の配下となった咲耶、王家の宿命に導かれるレギーナ、魔剣計画の裏で暗躍する実家・フィレット家と戦う覚悟を決めたエルフィーネ。それぞれの因縁が渦巻く中で、レオニスを巡ってヴェイラの存在に心穏やかではいられないフィーネだったり、お菓子には目がないシャーリが微笑ましかったですけど、激闘の末に姿を現したあの存在はいろいろ複雑な事態を引き起こしそうですね…。
読了日:05月24日 著者:志瑞祐
モブしか勝たん! お前らが俺にデレデレなお嫁さんになるって本当なの? (MF文庫J)モブしか勝たん! お前らが俺にデレデレなお嫁さんになるって本当なの? (MF文庫J)感想
VRで今からでは考えられない、美人で可愛くてちょっとやんちゃな奥さんと幸せな結婚生活を送る未来を夢に見た高校生・香坂海翔。未来の嫁を探し始めた海翔が学校が廃校のピンチに遭遇する青春ラブコメ。姉の田中先生の下集まった理事長の孫・華風院陽彩とミーハーな少女・木下蘭。未来の嫁はどちらなのか、思わせぶりな言動もいろいろあったりで、冷徹な生徒会長の豹変っぷりには苦笑いでしたけど、頑張りが空回りしても諦めない三人の奮闘がもたらした結果には盛り上がるものがありましたね。それにしても気になる衝撃の結末で続刊が楽しみです。
読了日:05月25日 著者:広ノ祥人
クラスに銃は似合わない。 (MF文庫J)クラスに銃は似合わない。 (MF文庫J)感想
父が世界初の完全無欠のAIな妹を作り上げたことで、その膨大な維持費のため、大金を稼げる殺し屋を目指している田中。会社のテストで中学校に潜入し少女を秘密裏に守る任務を遂行する学園潜入アクション。どこか鈍い田中が口うるさい妹を相棒に、妙に可愛過ぎる護衛目標・谷城に接近を図る展開で、面倒くさい彼女との距離感がいつの間にか甘酸っぱい感じになっていて、けれど確実に脅威も迫ってきていて、果たしてこの関係が仕事なのか、ラブコメめいたものなのか分からなくなっていくその境界の曖昧さがじわじわくる感じでとても良かったですね。
読了日:05月25日 著者:芝村 裕吏
ぼくらが死神に祈る日 (メディアワークス文庫)ぼくらが死神に祈る日 (メディアワークス文庫)感想
突然の事故で姉を失った高校生の田越作楽が、葬儀の日に出会った教会跡地の神様。余命4ヶ月。寿命のほとんどを差し出して姉を取り戻した作楽が、同じ対価を払った少女たちと出会う物語。人の寿命を対価に願いを叶える死神。かつての面影を失った姉。そして出会った静かに生きたい、注目されたい少女たちと死神の契約を破棄させるため、懸命に向き合おうとする作楽。だからこそ自らの後悔と願いが重くのしかかってきて、一方で彼を認めてくれる人たちもいて、姉・葉月の「最後はうまくいくようにできている」という言葉がとても心に響く物語でした。
読了日:05月25日 著者:川崎 七音
レンタルフレンドレンタルフレンド感想
デザートブッフェへの同行を依頼する大学4年生、若手女優志望の設定で観劇につきあってほしいヘアメイクアーティスト、検査入院で飼い猫の面倒を見て欲しいと依頼され、その過去に関わることになる常連の翻訳家、婚約者の元カノも参加するパーティに友人として同行など、様々な事情を抱えた女性たちから友人役を依頼される連作短編集。依頼主の抱える真の理由を手探りで冷静に見極めつつ、依頼主にとっての最善をチョイスしてゆく七実が、ややこしい状況に巻き込まれながら、しっかりと向き合い依頼に応える姿はプロフェッショナルで印象的でした。
読了日:05月26日 著者:青木 祐子,げみ
平安あや解き草紙 ~その女人達、故あり~ (集英社オレンジ文庫)平安あや解き草紙 ~その女人達、故あり~ (集英社オレンジ文庫)感想
嵩那への恋心と帝への忠誠で揺れる伊子。彼女がその思いとは裏腹に宮廷での存在感を高めていく状況で、新大納言の大姫が新たに入内する第六弾。目録と一致しない唐物、新たに入内した新大納言の大姫、荒らされた若き女御の殿舎、出産を間近に控えた藤壺女御・桐子を脅かす亡き先々帝の影。騒動が続く中で複雑な思いになったりしながら、見事な采配を見せる伊子はようやく今後の方向性見えてきたのかなという感じでしたけど、新大納言の姉妹は聡いし、女御間の関係もどうなるか分からないし、女宮は相変わらず執念深いしでいろいろ難しいですねえ…。
読了日:05月26日 著者:小田 菜摘,シライシ ユウコ
月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人 (集英社オレンジ文庫)月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人 (集英社オレンジ文庫)感想
顔も知らない郷土史家だった祖父が死に複雑な思いを抱いていた大学生の晶が、弟の雫と共に遺品を処分するために向かったその家で小話集を見つける風土幻想奇譚。様々な人に出会うたびに自らが祖父と似ていることを痛感させられる晶。水没した村の天狗伝説の真実、深山に眠るマンボウ探し、かんざしから明らかになる故人の無念、六部塚の呪いの原因、灯篭流しで助けてくれた声など、事件を通して今まで知らなかった祖父を知るたびにその印象も変わっていって、様々な怪異に遭遇して窮地に陥る晶を助ける雫の不思議な能力がまた要所で効いていました。
読了日:05月27日 著者:長谷川 夕,睦月 ムンク
不在 (角川文庫)不在 (角川文庫)感想
長らく疎遠だった父の死。不可解な遺言により娘の明日香が、医師であった父が最期まで守っていた洋館を受け継いだことから始まる物語。同棲中の年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香。整理が進むにつれ、漫画家の仕事が噛み合わなくなり、さらに俳優である冬馬ともすれ違いが生じ始める中、否が応でも独善的で横暴だった父と似ている自分を突きつけられる皮肉な展開でしたけど、だからといってこれまでの積み重ねをそう簡単に変えられるものでもなくて、そんな明日香がこれから周囲と折り合いをつけていけるのか気になる結末でした。
読了日:05月27日 著者:彩瀬 まる
内側から見た「AI大国」中国 アメリカとの技術覇権戦争の最前線 (朝日新書)内側から見た「AI大国」中国 アメリカとの技術覇権戦争の最前線 (朝日新書)感想
対話アプリやキャッシュレス決済、町にあふれる監視カメラなどで情報を集約する中国AIの実際を中国特派員が内部からレポートした一冊。個人情報を活用されることを許容していて、14.5億人のうち9.8億人がインターネットを利用する中国。その膨大な母数を武器に市場で積極的にチャレンジした結果が、今のキャッシュレス経済を築いたということですね。不備を許容できない日本はこういうやり方をできないと思いましたけど、米中摩擦の中で質の高い半導体をどう確保するのか、注目される起業家たちの紹介もあってなかなか興味深く読めました。
読了日:05月28日 著者:福田 直之
東京のぼる坂くだる坂 (単行本)東京のぼる坂くだる坂 (単行本)感想
幼い頃家を出ていった父が亡くなったと知らせを受けたアラフォーで母と二人暮らしの富野蓉子。その遺言状には父が住んだ坂のリストがあり、ふとしたきっかけから父の足跡を辿り始める物語。引っ越し好きの変人で、亡くなるまでに移り住んだ家は全て東京の有名な坂の近くに建っていた父・タカシ。それぞれの坂を巡るたびに父や母、そして元恋人など様々な思い出に繋がっていって、改めて父親が彼女に与えたインパクトの大きさを感じるとともに、結果として自らもまたおそらく人生はこの選択しかなかったと実感する蓉子がとても印象に残る物語でした。
読了日:05月28日 著者:ほしおさなえ
幻視者の曇り空 ―― cloudy days of Mr.Visionary幻視者の曇り空 ―― cloudy days of Mr.Visionary感想
ある特殊能力のせいで、他人に関わらないように生きてきた久守一。偶然、その力で美大生の佐伯が巷を騒がせる連続殺人犯だと知ってしまうサスペンスミステリ。社交的で人当たりもよくとても殺人犯には見えない、捜査線上に浮かんですらいない佐伯。柄でもないと思いながらも、自分や後輩の身を守るため犯行の証拠を探す久守が、うっかり佐伯に感じてしまう友情。どうするのが正解なのか、葛藤する中で進む展開は意外な結末に繋がっていましたけど、狂気とありふれた日常を共存させる犯人から垣間見えるふとした思いがなかなか印象に残る物語でした。
読了日:05月29日 著者:織守 きょうや
風は山から吹いている ―― Why climb mountains with me?風は山から吹いている ―― Why climb mountains with me?感想
名を馳せたスポーツクライミングを大学では続けないと心に決めていた筑波岳。変人と噂される登山部部長の梓川穂高につかまり幾度か一緒に山を登ったある日、恩人の滑落死を知らされる物語。高校時代のコーチ宝田謙介からの無言の着信、そして衝突してそのままになっていた悔恨。彼の死は事故だったのか自殺だったのか、アスリートのセカンドキャリアの難しさ、穂高の山を巡る過去も描きながら、真相を探っていく展開でしたけど、周囲の人に聞いて恩師を思い、同じ山に登って同じ景色を見たからこそ気づいたひとつの真理がとても沁みる物語でしたね。
読了日:05月30日 著者:額賀 澪
失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い2 ~七夕のち幻影~ (講談社ラノベ文庫)失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い2 ~七夕のち幻影~ (講談社ラノベ文庫)感想
夏。相変わらずじれったいままながらも、これまでより前に進む兆しを見せていた悠と心愛との距離感。そんな夏のある日、悠は街で何よりも大切な恋人だった先輩に、とてもよく似た少女と出会う第二弾。お互いを意識しながら、もうひと押しが足りない二人の関係に波紋を投げかける後輩・四季玲香。病弱なのにぐいぐい来る肉食系とかいうギャップが印象的な後輩キャラでしたけど、考えすぎてしまう悠のことをよく知る心愛の決意には、彼のことをよく分かっている感が伺えて、二人のこれからの関係性を何か暗示しているような気がしました。続巻も期待。
読了日:05月31日 著者:七烏未 奏
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術14 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術14 (講談社ラノベ文庫)感想
圧倒的な戦力の皇帝に勝つため、元宰相ノアや幼女魔王クルムを仲間にパーティーの一員として戦うことを決意したディアヴロが、皇帝との戦いに挑む第十四弾。頼もしく見えていた王宮騎士たちですら相手にならず、圧倒的な力で蹂躙していく半端ない皇帝の強者感。そんなギリギリの戦い、危機的状況にも冷静さを失わず、仲間たちと力を合わせ乗り越える展開は熱く盛り上がりましたね。その先に待っていた結末からの新展開への移行がちょっと早いなと思いましたけど、勝手が違う世界でどういう展開が待っているのか、元いた世界に戻れるのか続巻に期待。
読了日:05月31日 著者:むらさき ゆきや

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