今回は3月MF文庫J・ダッシュエックス文庫・オーバーラップ文庫の新刊感想まとめです。内訳はMF文庫Jの新作4点、続巻2点、ダッシュエックス文庫の続刊1点、新作1点、オーバーラップ文庫の新作1点、続刊3点、ブレイブ文庫新作1点、MFブックスの新作1点、計14点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
お前ら早く結婚しろよっ!1 そう言われてる女子が3人いるんですけど? (MF文庫J)
優汰/まるろ KADOKAWA 2025年03月24日
高校生の田中莉太こっそり書いているWEB小説の感想欄に投稿された、ぶっ飛んだ告白文。匿名だけれどリアルで思い当たる節のある内容を書いたヒロインを探し始める青春ラブコメ。学校では地味で陰キャな立ち位置の莉太。けれどその告白文を書いた心当たりは、クラスの心優しき超王道の天使系ヒロイン竹内柚璃、ツンデレな男嫌いの幼馴染ヒロイン山下胡桃、バイト先で妙に懐くからかい上手ヒロイン舞原楓と実は3人もいる状況。それぞれ莉太と出会った接点が別の場所だったがゆえにお互いの存在を認識していなかったヒロインたちが、不在と思っていた強力なライバルに気づき、三者三様に焦りを募らせながらこじらせていく様子は微笑ましくて、物語としても大きく動き出しそうな今後の展開が今から楽しみです。
ちょっと戦争、勝ってくる (MF文庫J)
学生同士が実銃で撃ち合う戦争が娯楽として大人気の日本。娯楽嫌いで労働好きの少年フユトが戦争の兵士に選ばれ、3人の女子とユニットを結成する成り上がり英雄譚。欧州育ちでスクールシティに移住してきて、強気なエースのリリセや呑気な偵察のヒィナ、謎多き狙撃手のクロエと、クセが強いメンバーたちを指揮するユニットのIGLに就任し、シティの頂点を目指すことになったフユト。欧州での経歴もあって教官に期待込みで目をつけられながらも教練を生き残り、デビューしてからも苦境からのスタートでしたけど、メンバーたちと三者三様の形で絆を深めていきながら、どうすれば生き残れるのか考え抜いて、ランキング上位相手に仲間を上手く活かしながら、リスナーに魅せた熱い戦いは面白かったです。
煩悩の数だけ恋をする 108つの才能へ愛を込めて (MF文庫J)
汐月 巴/最中かーる KADOKAWA 2025年03月24日
突然凡人以下の存在に成り果てた完全無欠で人格破綻者の天才・初瀬純之介。失った才能を思い通りに利用すべく、108人の少女を恋に落としていくことを決意する恋愛ラブコメ。神の手違いで余分に授けられていた108つの才能を喪失した純之介。彼本来の才能『恋愛の才能』を活かして、極度に影の薄いギャル奥空や外見だけは完璧な深海、人間不信な陸門といった、才能を分配された癖のあるヒロインたちを攻略していく展開で、逆に純之介にアプローチしてくる古城も絡めながら、最初は傲岸な性格で好かれるはずもなかった存在だった純之介が、懸命に向き合っていく姿に少しずつ心境の変化を感じましたけど、それでも変わらない本質をヒロインたちにぶちまけたこれからの展開が気になるところです。
ゲームマスター獄木七笑に試される ~きみの人生逆転ショー、配信で見せつけちゃお?~ (MF文庫J)
広沢サカキ/nezi KADOKAWA 2025年03月24日
夜は人生を賭けて運命を勝ち取る劇場型【運命のゲーム】のGMを務める女子高生・獄木七笑。バイトのまりあと一緒に挑戦者を迎える物語。自分の主演女優を探すことも兼ねて、週5で地下劇場に向かい、どこか掴みどころのないアシスタントのまりあに振り回されながら、退学した結果を変えたい黒マスクちゃん、将棋の才能を望む銀獅子ちゃん、恋を叶えたいマリーゴールドちゃんといった運命変えたいヤバい女の子たちと真剣勝負をする七笑。謎めいた幼女オーナーの存在や、いいアクセントとなっていた七笑とまりあの関係性もポイントとなる中、下手をすれば全てを失うゲームに参加する彼女たちの願いの本質を問い、駆け引きを繰り広げるそれぞれの幕切れもなかなか効いていました。
エンバーミング・マジック2 青春を殺す魔法 (MF文庫J)
目前に迫る学園祭。なぜか実行委員会として働くことになったシズキとヒバナが、ミコから学校に潜む「魔法売り」捜索の依頼を受ける第2弾。異様な学生たちの熱狂にはどこか危うさも感じる文化祭。爆破予告に、テンション高めな少女からの委員長への告白の協力依頼、炎上騒動や軽音楽部のトラブルもあったりと、てんやわんやな状態の中、描かれるヒバナとの甘酸っぱい青春の一幕。心の隙間に入り込んで特別な魔法を無秩序にばらまく、無責任な魔法売りを巡るほろ苦い結末は、何ともやるせない気持ちになってしまいましたが、突きつけられた言葉にどうしても複雑な想いを抱えてしまうシズキに、そっと寄り添ってくれるヒバナがいてくれて本当に良かったです。
シャーロック+アカデミー Logic.4 犯罪RPG (MF文庫J)
紙城 境介/しらび KADOKAWA 2025年03月24日
東京の治安を著しく悪化させてゆく現実を巻き込んだ恐ろしいゲーム犯罪RPG。捜査に加わった不実崎未咲たちは怪盗ムーンを逮捕すべく地道な捜査を開始する第4弾。未咲に敗北し全てを失った穂鶴は探偵どころか、犯罪者になってしまい、全てをなかったことにするため、犯行現場を目撃したクラスメイト化野粧と共に犯罪RPGにプレイヤーとして参加し、悪に手を染めてしまう展開で、ストーリーの中で恋道会長の存在やエヴィラールとの関係性も効いていましたが、逆境に追い詰められた時こそ時こそ自分がどうあるべきか、探偵であることの矜持を問いながら、未咲が関わる過去の事件にも真っ向から向き合っていく熱い展開とその結末はなかなか良かったです。
高校時代に傲慢だった女王様との同棲生活は意外と居心地が悪くない 3 (ダッシュエックス文庫)
ミソネタ・ドザえもん/ゆがー 集英社 2025年03月25日頃
元彼氏が逮捕されたことを受け、山本の家を出るために物件探しを始めた林。しかし契約に保証人が必要なために頓挫してしまい、山本が笠原に相談する第3弾。林を勘当中の両親と仲直りさせたい山本が、相談した笠原に提案された3人で地元の海への旅行。道中では林を好き過ぎる笠原とのやり取りが楽しくて、林が方向音痴過ぎて言われるまで地元に戻ってきたことに気づかなかったり、ポンコツっぷりをいろいろと炸裂させて、そのヤバさに戦慄を覚えましたが、覚悟を決めて戻った実家では思わぬ事態に直面する中で、言葉が足りなくてすれ違うことはあっても、いて欲しい時にしっかりと寄り添って支えてくれる山本の存在が効いていましたね。ようやく想いを自覚してきた林のこれからの変化が楽しみです。
ヒモになりたい俺は、ヤンデレに飼われることにした (ダッシュエックス文庫)
将来働きたくないなら、ヤンデレに飼われればよくね?幼い頃からヤンデレに好かれるという特異体質の自堕落高校生の桐谷彰が波乱の学園生活を送る青春ラブコメ。同じクラスで才色兼備な水無月結が、自身に病的な愛情を持っているのを知って飼われることを願い出る桐谷。けれど想像以上にガチな結に加えて、兄に依存気味のヤンデレ中学生な妹・淑蓮や、コミュ障で彼を神として崇めるヤンデレ同級生の衣笠由羅の彼を独占するためのヤバい奪い合いに巻き込まれてゆく展開で、本質的にはクズな桐谷の切り抜けるための手もまたあれで、半ば自業自得でドツボにハマっていく今後の展開がどうなるのか恐ろしいですね…。それに巻き込まれてゆく後輩マリアだったり、相談を受けていた先生の動向も気になるところです。
暗殺者の卵に転生したⅠ (オーバーラップ文庫)
沖唄/真空 オーバーラップ 2025年03月22日
目を覚ますと暗殺教団の暗殺者見習いのネチネチと呼ばれる蛇人族に転生した主人公。命が無価値なこの世界で生き残るため、手段を選ばす動くことを決意するダークファンタジー。力で勝る虎獣人や気術能力に長けた森人族といった曲者揃いの同期たちと過酷な暗殺養成訓練に参加することになり、反抗的な最強種族の竜人と同室にさせられたネチネチ。決して強者とはいえない彼が、心が折れずに師範に刃向かい続ける竜人を上手く慣れさせながら、大人すら利用して使えるものを使い、時には自らの力を高め、時には障害となる存在を陥れながら、過酷な生存訓練まで何とか生き延びましたけど、因縁が積み重ねっていく同期内の空気は不穏で、厳しい試練が続く中で彼らがどう生き延びるのか今後の展開に期待です。
煽り系ゲーム配信者(20歳)、配信の切り忘れによりいい人バレする。 3 (オーバーラップ文庫)
夏乃実/麦うさぎ オーバーラップ 2025年03月22日
ビジネス煽り系配信者がすっかりバレてしまった『鬼ちゃん』。プロチーム所属の綾&リナと共に大会『えべまつり』参加する第3弾。煽り配信を行う事情や大会に向け努力する姿勢が他チームファンにもバレ始めて、彼の事情を知るリナや綾のいじりもあったりして、少しずつ変わっていく鬼ちゃんへの評価。一方で向けられる好意に鈍感な彼を慕う妹・柚乃の友人・涼羽とデートすることになり、内気な彼女の健気なアタックを受ける展開で、確かなインパクトを残した大会の戦いぶりもなかなか良かったですけど、そこで知り合った新キャラとの関係が新展開をもたらすことになりそうですね。綾や涼羽といった彼を慕う魅力的なヒロインたちとの進展も気になるところです。
無能と蔑まれた貴族の九男は最強へ至るも、その自覚がないまま無双する 3 (オーバーラップ文庫)
メグリくくる/コダマ オーバーラップ 2025年03月22日
魔神十二将のひとりから救ったシャーナとユリスも加わったラディ一行は、敵の手がかりを求めてホンガロール連邦へと向かう第3弾。互いに忌み嫌う人間の国と亜人の国の、王子と人魚の姫と遭遇したラディたち。対立する国家間の事情をクリアするため種族を変えようとしている愛し合う2人の事情を聞くうちに、それぞれの背後に魔神十二将の存在があることを知ってゆく展開で、対立する国同士、そして種族の寿命も違うという問題は、翻ってラディへの重たい想いを抱くアエリア・エルマとの絆にも繋がる展開で、お互いにとって本当に大切なものは何なのか、しっかり向き合ってそれぞれの答えを出した結末はなかなか良かったですけど、大賢者との対立はまだまだ続きそうですね。
灰の世界は神の眼で彩づく 4 ~俺だけ見えるステータスで、最弱から最強へ駆け上がる~ (オーバーラップ文庫)
KAZU/まるまい オーバーラップ 2025年03月22日
世界的テロリスト・滅神教の襲撃から大切な仲間、そして日本を守りぬいた天地灰。より一層強くなるため『久遠の神殿』へと再び転移する第4弾。更なる強敵の存在を感じた灰が、彩との初デートに臨む前に挑むことにした久遠の神殿。苦戦しつつも確実に成長していく彼がたどり着いたラストステージで対峙する、『神の眼』を得た時に見た記憶の主ランスロット。そこから失われた過去の真実を知り、日本や世界を襲う未曾有の危機に立ち向かう灰が、仲間の力も借りながら危機的状況を乗り越える展開はなかなか熱かったですが、そこから直面することになった思わぬ急展開は流石に斜め上でしたね…。灰がギリギリのところで間に合って流れも変わりそうですし、ここからの逆襲に期待。
私だけが知らない1 (ブレイブ文庫)
目覚めたとき、記憶喪失で何も覚えていなかった公爵令嬢アリーチェ。一体何が起きたのか、失った記憶や過去を調べ始めるファンタジーミステリ。痩せほそった体、痣が残る肌に、皆が過保護に気遣い、泣きながらアリーチェに謝る父と兄。しかし何が起きたのかを誰も語らず、果たして誰を信じればいいのか分からない状況から、一人ひとり周囲に話を聞いて確認したり日記を当たることで、徐々にその背景が明らかになっていく展開でしたけど、何とも不穏な状況が続く中、真相に向き合う覚悟を決めていくアリーチェと、物語を大きく動かしそうな叔母の来訪もある中で、これからどのような反撃となるのか続刊に期待したいと思います。
新米魔女の異世界お気楽旅 (MFブックス)
三毛猫みゃー/ハレのちハレタ KADOKAWA 2025年03月24日頃
ブラックな制作会社で働き、気がつけば異世界に転移していたエリー。森に住む願いの魔女に拾われて弟子となってから300年が経過し、ついに自らも魔女と認定され師匠の元から旅立つファンタジー。魔女として「ぐうたら魔女」という不名誉な称号を避けるため、使い魔ホクトとともに旅に出たエリー。最初にたどり着いたダーナの街で優しい人たちに出会い、冒険者活動を始めた彼女が、旧知のエルフ・アーヴルと再会したり、初めての可愛い弟子ができる一方、スタンピードの危機にも直面する展開で、懐かしいご飯を振る舞われて堪能する様子は微笑ましかったですが、魔女としての立ち位置を意識しながらも、その優しさで多くの人を救い、かけがえのない交流を積み重ねた街から、再び旅立つことを選択したエリーのこれからの物語が楽しみです。

