今回は8月オーバーラップ文庫・MF文庫J・オーバーラップノベルスの新刊感想まとめです。内訳はオーバーラップ文庫の新作4点、続巻1点、MF文庫Jの続巻3点、新作1点、オーバーラップノベルスの続巻1点の計10点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
憧れのお姉様が「妹になりたい」って甘えてくるんだけど!? (オーバーラップ文庫)
としぞう/椎名くろ オーバーラップ 2025年08月22日
入試の時に助けてくれた学園みんなの憧れで完全無欠な生徒会長・大庭撫子を遠くから眺める日々を送る橘澄香が、両親の再婚で突然姉妹になってしまうガールズラブコメ。撫子が義姉になるまさかの展開に嬉しいやら恐れ多いやら戸惑う澄香に、なぜか自分のお姉ちゃんになってほしいとかいう思わぬお願いをしてくる撫子。それにうっかり頷いてしまったことで、そこからお姉様による怒涛の甘えん坊妹ムーブが襲い掛かり、まさかの解釈違いに混乱しながらもグイグイ来る撫子にドキドキが飽和状態になってゆく澄香。冷静な友人の夏波やカッコいい柊先輩も絡めた関係の中で、過去を含めたお互いのことを少しずつ知っていって、想いを確かめ合いながら絆を育んでいく中で見出していく2人の関係はなかなか素敵でした。
脱力ゆとりギャルちゃんは、全力で僕に寄りかかって生きることに決めた。 (オーバーラップ文庫)
持崎湯葉/なたーしゃ オーバーラップ 2025年08月22日
頑張り屋の委員長・葉山朔と隣の席の変なギャル・ちゃみ子こと百環茶見子。いつも眠そうでやる気がなさそうな彼女にいつの間にか懐かれてしまう青春ラブコメ。母子家庭で妹の面倒を見てバイトに励む学級委員長の朔が、軽く体調を崩していた隣の席のちゃみ子の面倒を見たことをきっかけに、すっかりロックオンされて全力で寄りかかられる展開で、クラスメイトの江口やバイト先の山菜さん、妹の桃たちも絡めながら、彼女のお世話が日常となっていった朔がとある欲望を満たすことを条件に自宅でも面倒を見るようになっていく構図の中、ついつい頑張りすぎてしまう朔と、ゆるそうに見えて時々世の中の本質を囁く彼女という対極に見える2人の、持ちつ持たれつな関係はなかなか味わい深いものがありました。
神の試練で最強になった凡人当主、災厄前の世界に帰還して無双する 1 (オーバーラップ文庫)
奉/Genyaky オーバーラップ 2025年08月22日
史上最大規模の災厄「瘴気氾濫」で魔力と記憶を失くした少年・九頭竜八幡。大切なものを守るため力を得て無双するやり直し×成り上がり陰陽師譚。家族を喪った自分を慈しんでくれた義母と義妹が命を落として慟哭する八幡が、奈落の底で神と誓約を交わして最強の精霊術と九頭竜家流武闘を習得し、最悪の事態が起こる前の日常に舞い戻る展開で、魔力を持つ女性が優位の風潮から無能なお飾り当主の立ち位置にある彼が、過保護気味な実力者の義妹や、魔術の使い手でもある婚約者とともに長年の宿敵「原初の異邦人」と戦う構図は、ヒロインたちとの関係も楽しみですし、やはり男ながらも突出した力を持つ主人公の特異性が、これからどれくらいポイントとなってくるのかも気になるところです。
ファンタジー何とか 1 ~うろ覚えのゲーム世界で伝説の悪役として生きるには~ (オーバーラップ文庫)
東中島北男/Yuzuki オーバーラップ 2025年08月22日
死を覚悟した瞬間、とあるRPGの悪役キャラ・ゲルドに憑依した主人公が、ある日を境に3年周期のタイムループに巻き込まれてしまうやり直しファンタジー。ヒロインを誘拐した結果破滅を迎える、くらいしか覚えていないあやふやな知識しか持たず、破滅回避のため悪事も働かない生活を送っていたゲルド。じかし自分がタイムリープに巻き込まれたのは原作改変が原因だと考えて、ループ脱出と破滅回避のために原作通りにヒロインの誘拐計画に動き出すものの、積み上げてきた関係の喪失が堪えて、どこか悪役になりきれずヒロインとむしろ仲を深めてしまう何とも締まらない構図には苦笑いでしたが、未だ打開策が見いだせない中、ヒロインたちの想いも絡めながら試行錯誤する今後の展開が楽しみです。
異世界帰りの勇者先生の無双譚 4 ~教え子たちが化物や宇宙人や謎の組織と戦ってる件~ (オーバーラップ文庫)
次佐駆人/竹花ノート オーバーラップ 2025年08月22日
九神家をめぐる陰謀と『深淵の雫』の謎を斬った相羽走。その時に宇宙犯罪組織から拿捕した巨大な宇宙戦艦で、とある通信を傍受する第4弾。璃々緒の故郷である辺境の惑星エルクルドに『深淵窟』が発生し敵組織の侵略目標と知り、璃々緒たちとともに向かって脅威を排除した結果として拿捕した超巨大戦艦とそれを制御するAIウロボちゃん。総合武術部の合同合宿と青奥寺家での合宿、新たに発生した深淵窟の脅威に対処していく中で、想いを寄せるヒロインたちへの機微の疎さもあって、たびたび揉める姿には苦笑いでしたが、今回は不穏な状況が続く原因を探るための異世界への一時再訪もあったりして、相手や場所を選ばない飛び抜けたその実力は相変わらず規格外でした。
雨森潤奈は湿度が高い2 (MF文庫J)
雨の日限定の交流を経て雨森潤奈と仲を深めた栗本詩暮。再び投稿するようになった彼女と距離はもっともっと近く、想いは深くなる第2弾。謎の美少女の登場に校内は盛り上がるものの、慣れない人との交流でストレスが溜まって詩暮への求愛をエスカレートさせていく潤奈。より甘えっぷりが遠慮なく加速していく一方で、ご褒美のためならどん底だったテストのために猛勉強をして、体育祭でも思わぬ大活躍してみせた潤奈は、どれだけ彼のこと好きなんだよと苦笑いしたが、親しくなったオタクっぷりを垣間見せる山田やクズ次郎がいい感じに効いていて、夏休みはむしろ思ったほど会えず、時には迷走しながらお互いの存在を再確認した2人の距離感に期待が高まりました。
お前ら早く結婚しろよっ!2 そう言われてる女子の様子が変なんですけど? (MF文庫J)
優汰/まるろ KADOKAWA 2025年08月25日
衝撃の告白文をきっかけに始まった『メインヒロイン』探し。学園祭が近づきクラスの出し物の準備が進みはじめる第2弾。ヒロイン3人を自宅に招いて交流してから、どこか様子のおかしいクラスメイト竹内柚璃とバイト先の後輩・舞原梢のコスプレ対決が勃発、幼馴染・胡桃と家族ぐるみの買い物まで巻き込まれる展開で、出先や柚璃の過去、文化祭前夜で思わぬトラブルが発生しても迷わず動けるのが莉太の良さですよね。ヒロインもどんどん彼のことを意識して、他のヒロインの存在もあって迷走気味なアプローチに莉太もドギマギさせられがちでしたけど、ますます分からなくなった彼のCに対するこだわりがどう影響するのかも気になるところです…。
こそっと恥じらう姿を俺だけに見せてくる学園のお姫さま2 (MF文庫J)
雨音 恵/ゆきみや 湯気 KADOKAWA 2025年08月25日
学園のお姫さま・四ノ宮リノアと2人きりの撮影会をする秘密の関係を持つことになった庵野巧。そこからリノアと姉アリスの関係を知っていく第2弾。様々なシチュエーションで撮影しながら、からかうように迫り、隙あらばアプローチしてくるリノアとのドキドキする関係。加えて巧を専属カメラマンとする人気レイヤー・ユズハとモデルでもあるリノアの姉アリスも絡めた関係も描かれてゆく展開で、そこからは魅惑的な撮影シーンだけでなく、ユズハとの確かな信頼関係も伺えましたけど、姉への複雑な想いを抱えるリノアと彼女を気遣うアリスのすれ違う関係を知り、巧らしいやり方で2人を向き合わせて、現状を変えるきっかけを作ってみせたその結末はなかなか良かったですね。
バカ可愛い彼女たちの、俺専門攻略チャート (MF文庫J)
月見 秋水/塩こうじ KADOKAWA 2025年08月25日
かつてリアクションが受けすぎてネットミームになってしまった伊波時臣。彼に意味深なメッセージを送った送り主を探して、可愛いポンコツ美少女たちと繰り広げる青春ラブコメ。彼がメッセージの送り主として目星を付けた三人一組で活動するネットアイドルの少女たち。実写担当のゲーム動画好きでも腕は残念な矢走一華が見せる意外な一面。ゲーム配信時のプレイ担当でボーイッシュでカッコいいのにアホな一面もある門叶神奈が時臣に向けるヤバイ発想。声担当でブレーン的な存在の白百合紫が見せる仲間思いな一面。交流を深める中で秘密を抱える彼女たちが垣間見せる素顔があって、抱いていた虚像と実像のギャップも絡めながら、ドタバタするコメディめいた楽しさの中で自覚していくそれぞれの想いもまた良かったですね。
フリードリヒの戦場 3 新たな夜明け、新たな時代、ここが我らの祖国 (オーバーラップノベルス)
エノキスルメ/岩本ゼロゴ オーバーラップ 2025年08月25日頃
オストブルク砦を巡る戦いを経て、着実に戦果を重ね評価を高めていくフリードリヒ。リガルド帝国の大使一行による国境視察を護衛する第3弾。依然としてにらみ合いが続く中、それぞれの思惑が絡み合い、政治的にも大きな意味合いを持つ帝国大使の視察と、そのタイミングで攻撃を仕掛けてきたアレリア王国。その流れで起きた襲撃事件と、大使夫人と令嬢の捜索にあたることになったフリードリヒが陥った窮地、それを切り抜けるための奇策。しかし今回はそれが一連の作戦の始まりに過ぎなくて、想像を越える敵将ツェツィーリアの壮大な戦略に振り回され、後手に回り続けた結末はあまりにも厳しかったですけど、覚悟を決めて受け継いだ者たちが苦境をどう乗り越えるのか期待です。

