今回は2月ダッシュエックス文庫・オーバーラップ文庫・新潮文庫nexの新刊感想まとめです。内訳はダッシュエックス文庫の新作2点、オーバーラップ文庫の続巻4点、新潮文庫nexの新作1点の計7点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
※紹介作品のタイトルリンクは該当書籍のBookWalkerページに飛びます。
※ただし探偵は魔女であるものとする (ダッシュエックス文庫)
【第13回 集英社ライトノベル新人賞・IP小説部門<入選>】
ぷれいず・ぽぽん/Siino 集英社 2025年02月21日頃
ある朝、何故か目が覚める以前の記憶を全て失っていた主人公が、傍に置いてあったメモ帳の指示に導かれ、魔女・玖条凜音と出会うバトルファンタジー。早見諫早を殺害した犯人を捜すため、とあるマンションの一室を訪れた主人公が、自分自身が究明機構に所属する早見諫早であることを知って、なぜ殺害されたのか、どうして自分は今ここにいるのか、その謎を解明すべく知る者が少ない自らの正体を隠したまま凛音の眷属となって調査を始める展開で、凜音を始めとする少し癖のある魅力的なヒロインたちとのテンポの良い掛け合いを絡めながら、真相に迫る中で繰り広げていく異能バトルもなかなか良かったです。
魔法少女スクワッド (ダッシュエックス文庫)
【第12回 集英社ライトノベル新人賞・王道部門<金賞>】
異世界の高次生命体のミスで死んだ淋代空白。一時的な措置でマスコット姿の妖精になった彼が、学校一の美少女兼問題児・小野寺火怜と出会う魔法少女バトルファンタジー。火怜に自分の正体が空白であるとを説明している最中に、侵略異世界人エテルネルに襲撃され危機に陥る中、魔法少女のマスコットとしての力に目覚めた空白が火怜を魔法少女へと変身させ、その力で共に戦うべき敵キャンサーと戦う展開で、先輩魔法少女の雪無やササといったキャラたちと対比させながら、ケンカ上等の性格ゆえになかなかその力を発揮しきれない火怜がどかしかったですが、それでもコンビや周囲との関わりの中で、それを乗り越えて繰り広げる熱いバトルがなかなか良かったです。
自分をSSS級だと思い込んでいるC級魔術学生 2 (オーバーラップ文庫)
nkmr/嵐月 オーバーラップ 2025年02月21日
魔術学園を襲った最強の終焉の黒殲龍を退けたと勘違いされているC級魔術学生・一之瀬シオン。今度は学園とアルバレス騎士学園との対抗戦が直前に迫る第2弾。魔術学園最強で幼馴染のユフィアとの過去エピソードが描かれる一方、学園が10年以上勝利していない騎士学園との対抗戦で今年も負けてしまうと担任レスティアが解雇されることを知るシオン。しかしC級の自分には出場資格がなく、ユフィアに出場依頼したり、アルフォンスやエリザにアドバイスしたりと、自分に打てる手を打っていた彼が、参戦した騎士学園最強を相手に自ら対峙することになり、それでも勝負を諦めずに極限まで高めた一瞬に賭けるバトルは熱かったですし、自らの力で大切なものを守ってみせた結末はなかなか良かったです。
異世界帰りの勇者先生の無双譚2 (オーバーラップ文庫)
次佐駆人/竹花ノート オーバーラップ 2025年02月21日
相変わらず教え子たちに振りかかる数々の窮地を圧倒的な力で軽々と解決していた元勇者の相羽走。その噂が裏の世界に広がって、様々な勢力が走の力を求めて動き出す第2弾。訳あり小学生がたびたび走の家を訪れる一方で、中等部の聖女さんの魔力を伸ばすのを助けたり、美園の師匠に挑まれたりと、彼の面倒見の良さもあってヒロインを助けた結果として、いつの間にか懐かれて周囲にヒロインが増えていく展開で、特務機関『白狐』や『銀河連邦』、犯罪組織や謎の教団の背景も掘り下げていく中で、難局すらあっさり打開して宇宙船まで落としたりしてしまう先生の技量は普通に突き抜けてるんですよね。これだけ規格外な存在だと、各陣営が無視できないのも仕方ないと思いました(苦笑)
楓原こうた/トモゼロ オーバーラップ 2025年02月21日
ルーゼン魔法国家の策略からジュナを救った英雄王子アレン。今度は新技術お披露目パーティーにアレンを招待するため、連邦で稀代の天才と名高いシャルロットがやってくる第3弾。危険を覚悟の上で敵国であるラザート連邦に向かったアレンが、シャルロットと共に統括理事局第二席の殺害容疑をかけられてしまい、セリアたちの力も借りながら脱出作戦を敢行して、なんとか乗り切ったと思えば今度は帝国の皇女メリィの依頼で帝国の皇位継承争いにも巻き込まれてゆく展開で、困った女の子を見たら放っておけないアレンが周辺国の事情に巻き込まていくのは、セリアたちももはや仕方ないという感じでしたけど、それにしても窮地を救うたびに周囲にヒロインが増えていくのもお約束になりつつありますね(苦笑)
孤高の華と呼ばれる英国美少女、義妹になったら不器用に甘えてきた 3 (オーバーラップ文庫)
ネコクロ/Parum オーバーラップ 2025年02月21日
晴れて賢人が所属する野球部への入部が叶ったソフィア。ここで一気に賢人と距離も縮めようと考えていた彼女が、野球部の部内恋愛禁止のルールに直面する第3弾。賢人の野球部入部に関する過去エピなども掘り下げつつ、部内恋愛禁止でもそばにいたいソフィアが、一緒にいるために賢人のことをお兄ちゃん呼びし始める一方、白川家でのお泊り会で明らかになる先輩マネージャー・撫子の想い。そこからの女の子をトラブルから救おうとした賢人が罠に嵌められて、悪質な動画で窮地に陥る展開はなかなか厳しかったですけど、賢人不在の状況でも勝ち上がる仲間たちの頑張りも光りましたね。周囲の力も借りながら難しい局面を乗り越えて、先に繋がる落とし所も見つかって良かったです。
美澄真白の正なる殺人(新潮文庫nex)
天主堂と聖歌の町で「正義の味方」を目指す女子高生の美澄真白。八年ぶりに親友・紫音と再会したことでその運命が狂っていく戦慄のホラーサスペンス。親友と再会して楽しい学園生活を過ごしていた真白が気づいてしまった紫音の抱える闇。事故死したはずの母親、虐待と思しきいくつもの痣、そして彼女を救おうと行動した結果狂い始める歯車。父のような警察官を目指していた真白のスキルが、思わぬ形で活きてしまう何とも皮肉な構図でしたけど、それでもどうにかしようとすればするほど追い詰められてゆく中、聖なる夜に大切なものを守るため、痛々しいほど真っ白な少女の覚悟がもたらした、そうするしかなかったのか…と思わざるをえない何とも不器用な結末は鮮烈な印象を残しました。

