今回は6月富士見ファンタジア文庫・オーバーラップ文庫・オーバーラップノベルスの新刊感想まとめです。内訳は6月富士見ファンタジア文庫の新作2点、続巻3点、オーバーラップ文庫の新作1点、続巻4点、オーバーラップノベルスの続巻2点の計12点の紹介になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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28歳からやり直す、おっさん高校生活。まさかモテてしまうとは。 (富士見ファンタジア文庫)
陸奥 こはる/おりょう KADOKAWA 2026年06月19日頃
中学を出てすぐ働き始め、建設業、仕立て屋、経理や飲食店まで、様々な仕事を経験してきた28歳の兼重が、社会人入学制度で長年の夢だった高校生になる青春小説。勉強をして青春を少しでも味わえたらというささやかな願いを胸に入学した兼重。タイムリープや若返りなしのリアル「おっさん高校生」が放り込まれてどうなるかと思いましたけど、カラオケ懇親会の会計トラブルをスマートに処理したり、女子の破れた制服を裁縫したり、重機まで操縦したりと、身につけたスキルで周囲の信望を得て、年下ヒロインたちにもデレデレせず下心もない大人の余裕を見せ、彼女たちとの悩みや想いに振り回されながら、周囲の力も借りてひとつひとつ向き合っていく姿がなかなか良かったですけど、だからこそヒロインたちとの今後がどうなるのか気になるところです…。
ファンタジー世界で悪役なのにヒロイン達に好かれたら現実世界でもハーレムになった (富士見ファンタジア文庫)
波瀾 紡/ともー KADOKAWA 2026年06月19日頃
嵌っていた学園ギャルゲー世界に、モブ悪役として突然転移した平凡な高校生・時任春斗。そこで稼いだ好意がなぜか現実に反映されるハーレムラブコメ。自分が置かれたゲームの立ち位置を理解して、本来の主人公が幸福度を無視した最短攻略が空回りするの対し、ヒロインたちが幸せになるように動こうと決め、お嬢様キャラのレナや妹キャラのユイカの嫌われイベントを回避しながら好感を稼ぎ、現実世界に戻ってくるとなぜかヒロインたちの好感度も上がっていくストーリーで、彼女たちの想いに寄り添って動く彼に、高嶺の花だった玲奈だけでなくはるるの態度も少しずつ軟化していって、異世界での好意が現実にも反映される相乗効果が生まれてゆく彼女たちとの関係がこれからどう変わっていくのか、好感度がリンクするからくりも気になるところです。
無限治癒の狂戦士2 (富士見ファンタジア文庫)
WING/瑠奈璃亜 KADOKAWA 2026年06月19日頃
誇りと己の強さを賭けた王国戦技大会ライバルのイリスとの激闘を制したアルド。今度は王国の次世代を担う学生が一堂に会する王国戦技大会に挑む第2弾。イリスとともにアルティア学園の一年生代表として、己のプライドを懸けた激戦に身を投じるアルド。かつての宿敵と背中を預け合いながら、タッグ戦で並み居る強豪を圧倒的な試合運びで蹂躙していく彼らの戦いが、次第に常識を超えた領域へと激化していく展開で、何より王国最強の守護者である実の父ヴァルターに挑んだエキシビションマッチでは、持ち味の回復魔法で何度でも蘇りながら、最強の壁である父に挑み続ける姿に胸が熱くなりましたけど、現在地を知ってむしろ闘志を燃やす姿や、強いものと戦いたい価値観を持っている戦闘狂一族クレイヴンハート家の生き様も効いていました。
誠実すぎる少年の追放先が、男嫌いな美少女しかいない最強部隊だったら?2 (富士見ファンタジア文庫)
神月/あび KADOKAWA 2026年06月19日頃
敵国を撃退し着実に結果を出していくフィン。次なる激戦に備え猛特訓と思いきや、まさかの慰安休暇を取ることに。しかし彼の快進撃を妬む貴族上官が裏で動き出す第2弾。これまでの経緯から不安を抱えていたものの、誠実で可愛いフィンは包容力のある最前線部隊の少女たちにすっかり受け入れられ、慰安休暇でもぐいぐい来る彼女たちに迫られていくドキドキラブコメ展開は微笑ましくて、一方で彼の活躍を妬む上層部の抹殺計画が本格化していきましたけど、上層部も送られてきた刺客も彼の力実を正しく見積もれない有様では何をやろうが失敗するのも必然で、そんな相手にフィンが力を見せる理由がまた効いていましたね。元々の状況からして最前線部隊の少女たちがどちら側に付くのかは言うまでもないわけで、ここから物語がどう動くのかも気になるところです。
魔術探偵・時崎狂三の死亡届 (富士見ファンタジア文庫)
時崎探偵社に届いた懐中時計と手紙から始まる「時計の儀」。時崎狂三は魔術工芸品犯罪を未然に防ぐため、残りの時計の回収に動き出すスピンオフ第3弾。同封の手紙に記されたそれぞれに能力が付与された7つの時計が存在し、全てを集めれば時を操る力が与えられるというルール。潜入した先で起きた魔弾事件、警察署で起きた連続昏睡事件、そして茉莉花の力も借りながら捜査する、所持品とチグハグな老婆の遺体とデスゲーム、カルト教団の妄執の結末、暗殺者との対峙、そして現れる真の黒幕。個性的なキャラたちも絡めながら、ミステリーとオカルト、超常現象が絶妙に絡み合い、狂三の変装潜入や、時計の能力を活かした順序の逆転的な意外性も効いていて、それぞれの事件の伏線をしっかりと回収していきながら迎えた結末もなかなか良かったです。
男女比1:30の貞操逆転世界で身を挺して女の子たちを守ったら愛が重くなりすぎた1 (オーバーラップ文庫)
一森一輝/武藤此史 オーバーラップ 2026年06月18日
男女比1:30の貞操逆転世界に転生したテクト。生まれた騎士家がモテる要素皆無と知り、女の子を守る強い男になることを決意する貞操逆転ハーレムファンタジー。姉妹たちと母親のスパルタ訓練に臨んだり、前世知識を活かしたパイルバンカーなどのチート武器作ったりして、強くなるための努力を続けて貴族学園へ入学したテクト。傲慢な男たちが多い中で自分をしっかり見てくれるテクトが、陰キャの子爵家令嬢ウィズやツンデレ幼馴染の侯爵家令嬢アイギス、父親との関係にトラウマを抱える王女シアといった複雑な背景を抱えるヒロインたちと関係性を築いていく展開で、王女のお世話係も良かったですし、身を挺して絶望から救ってくれたテクトの姿に、想いを積み重ねていった彼女たちの重い愛をどう受け止めていくのか、今後の展開が楽しみですね。
脱力ゆとりギャルちゃんは、全力で僕に寄りかかって生きることに決めた。2 (オーバーラップ文庫)
持崎湯葉/なたーしゃ オーバーラップ 2026年06月18日
脱力ゆとりギャル・ちゃみ子から、頑張りすぎない方法を学ぶさう。そこに読者モデルで彼女の幼馴染・城戸美玲が現れ、宮古島の撮影にちゃみ子と同行する第2弾。勉強や家事もしながらちゃみ子をお世話する脱力した日常に現れたちゃみ子の元お世話係・美玲。エネルギーに満ち溢れた彼女にお世話姿を見られたさうは一瞬で気に入られ、気が付けば美玲専属ヘアメイクとして、宮古島の撮影にちゃみ子と同行する展開で、ちゃみ子の脱力っぷりは相変わらずでしたけど、美玲もまたなかなか存在感のあるキャラで、2人に振り回されながら満喫する宮古島はくせになる楽しさがあって、美玲の本音に気付いてフォローしたり、今まで気づかなかったさうの新たな可能性もあったり、彼女たちに認められた関係の行く末を読みたくなりました。
異世界転生したけどチートなかった2 (オーバーラップ文庫)
名枕/狂zip オーバーラップ 2026年06月18日
マイナースキル【不殺】を持つ凡人転生者・シエルが、幼馴染アルや第三王女・クリスと共に最先端の技術が集まる「魔導都市アトラシア」へ向かう第2弾。先史文明の技術が集まる実験都市で新王政の地盤固めのため魔導都市で協力者を募るはずが、飛空船を巡る技術者達の争いに巻き込まれたり、呪いに侵されたエルフを救う戦いに身を投じることになったりと、次々に難題が降りかかってくる展開で、天才少女技師シドニアや狸爺モーティスといった新キャラも存在感があって、激しい対立を丸く収める交渉力や利用に対する葛藤に向き合ったり、機転と人脈で難局を切り抜ける一方で、操縦を覚えたりチームのまとめ役もこなしたりと、今回もシエルの無自覚に有能な相棒っぷりが光っていました。物語の世界も大きく広がる今後の展開に期待です。
ギャルの自転車を直したら懐かれた4 (オーバーラップ文庫)
星架の母・麗華さんが倒れたことをきっかけに、大きく動き出した溝口家の状況。そんな状況で彼女の父・誠秀さんが引率するキャンプに出かける第4弾。星架の母親が過労で倒れた緊急事態に寝起きにもかかわらず10分以内に駆けつけ、的確にフォローしてくれた康生。その頼もしさに星架が本気で惚れ直す様子も微笑ましかったですけど、そこからさらにすれ違った別居状態だった星架の両親の関係を、星架と康生たちが少しずつ溶かしていく展開で、2人で過ごす甘い夏休みにくわえて、星架の父への交際報告や星架が母親に向き合う場面もあって、2人が協力して両親の関係を取り持つために奔走する姿はなかなか良かったですね。星架の親友たちの存在感も効いていて、幸せな未来を垣間見せてくれた物語を最後まで読めて良かったです。
異世界帰りの勇者先生の無双譚7 (オーバーラップ文庫)
次佐駆人/竹花ノート オーバーラップ 2026年06月18日
自分も仲間に入れてほしいと訴える留学生のレア。正体を隠している手前返答に困る走が、とある事件で彼女の所属する『アウトフォックス』に力を貸すことになる第7弾。レアにも自分の正体と力を明かしながら、クリムゾントワイライトとの対談に協力して、応魔の出現に対処していく走が、「はざまの世界」と呼ばれる異空間を知り、問題解決に向けて準備を進める展開で、応魔問題が思わぬところに繋がっていたのが今回のポイントでしたけど、相変わらず走の力は圧倒的で、気がつくと新しい女性を伴っていて、美園たちにまたかみたいな目を向けられるのがお約束になりつつある彼は、有能過ぎるウロボちゃんたちAIまで加わって、ヒロインたちが情報を共有したり擦り合わる状況を見ていると、もはや諦めて覚悟を決めるしかないのではという感じでしたね(苦笑)
人類滅亡寸前ゲーム世界で自分を犠牲に敵を倒してたら、みんなが病んでいた2 (オーバーラップノベルス)
雨雲ばいう/motto オーバーラップ 2026年06月20日頃
伝説の死にゲー世界で身を挺して仲間たちを守り激重感情を向けられるミッカネン。ついに原作主人公が現れるものの、倒したはずの賢人の妖精が復活する第2弾。真の英雄の死が原作のシナリオに影響することを防ぐため、代わりをつとめ新米勇者ラディムを育てていたミッカネンが、自ら残って妖精と2人で遊びに付き合い続ける究極の自己犠牲を選ぶ展開で、そこにさらに過去に倒したはずの最強妖精たちも復活・合流し、ミッカネンへ異常な恋慕・憧れ・欲望を抱いている妖精たちとの再会、耐え続けるミッカネンの孤独、倒した敵が自分を愛して病んでいく構図は、文字通り犠牲の代償を痛烈に突きつけていてなかなか来るものがありましたけど、ミッカネンの言葉に支えられ真の勇者として覚醒するラディムが希望となるのか今後の展開に期待。
フリードリヒの戦場4 戦場に散った真の英雄たちへ捧ぐ。 (オーバーラップノベルス)
エノキスルメ/岩本ゼロゴ オーバーラップ 2026年06月20日頃
隣国アレリア王国との死闘を乗り越えたものの、多大な犠牲を払ったエーデルシュタイン王国。フリードリヒはホーゼンフェルト伯爵家当主として父の遺志を継ぎ、「とある策」の準備を密かに進める第4弾。女王として即位し揺るぎない姿勢をもって民を導き、自ら帝国に乗り込んで交渉を取りまとめてみせたクラウディア。一方、ノヴァキア王国を征服しアルンスベルク要塞を奪取したものの立て直しを余儀なくされたアレリア王国は、国王自らが親征してツェツィーリアの緻密な作戦のもと、「王の鎧」を中心に大軍を繰り出す展開で、帝国の助力も得ながら奇策をもって立ち向かうフリードリヒが、敵中突破で打ち破った熱い戦いはまさに総力戦で、決戦を乗り越えた先で描かれていく彼の静かな決意や、登場人物たちのそれぞれのエピソードもまたなかなか印象的でした。

