読書する日々と備忘録

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【メモ】9/17(土)このラノスペース2023まとめ

9/17(土)に開催された岡田氏を招いてのスペースにご参加いただいた方、ありがとうございました。150名程度聞いてこともあってか、一部配信が途切れ途切れになってしまった部分があったかもしれませんが、岡田氏の貴重なお話をいろいろ聞くことができました。せっかくなので今回のスペースの内容をざっくりとではありますがまとめておきたいと思います。

 

9/17(土)22:00-24:30
参加者:岡田勘一氏(スピーカー/このラノ統括)@kanichi0203 
    秋野ソラ氏(共同ホスト) @akinosora_ 
    よっち(ホスト/まとめ)@yocchi_reading

 

※雑談部分の細かいところは拾えていない部分もあります。
    気になる方はこちらのアーカイブから聞いてみて下さい↓

https://twitter.com/i/spaces/1OdJrzPppAPJX

 

1.『このラノ』って何?
宝島社刊行のライトノベルのファンブック「このライトノベルがすごい」のこと。
ランキング&ガイドブックがメインの構成。
目利きなどを集めてランキングを決めるという試み。
毎回アンケートWEBで7000~1万票くらい入る(今回の締め切りは9/25

2004年から年一回刊行という形で始まった。
統括の岡田氏は最初は読者だったが2012年から参加。今年で10年目。
記入が面倒だという声があるが、そうしているのはbot投票を防ぐため。
ここ数年はブログが廃れてTwitterのラノベ垢がメインに浸透してきた印象。
2019年5000票くらいで急激に増えたが、20年は9576票とさらに伸びた。

 


2.『協力者』って何?
書評家・ブロガー・書店員・ラノベ関連の発信をしている人などで構成。
編集部内、他薦などで気になった人を毎年10~15人入れ替えていてたまに公募する。
2021年は冊子の方で協力者の作品紹介コーナーを新設したこともあり、大規模な公募を行ってメンバーを大きく入れ替えた。
今年の新規はTwitterで活動している人を何人か採用。
前回の協力者でも読めていない、出版社に就職したなどの理由で辞退した人がいる。

 


3.『このラノ2023』はこう変わる。構成の変更と巻頭特集について
今年は巻頭特集を新設する予定。
協力者の作品紹介コーナーなどで作品ガイドの分量が減っているためその代わり。
これまでは1冊の中で300冊作品紹介するのを意識していた。
冊数規模はともかくいろいろ紹介できるようにしたい。

 

 

4.アンケートについて
今年の票数は現時点で6280票だがうち無効が2000票程度。
同一IPからの投票はできないよう設定されているが、それをすり抜けて約1300票が同一作品に入っていた。記入されているメールアドレスや、回答内容が怪しいものを洗い出し、無効票としている。

 

【ライト文芸などの扱い】
投票は基本的に文庫ライトノベルが多い。
ライト文芸はなかなか入ってこない。
文化的に離れてきて、このラノで扱う分野ではなくなってきていると考えている。
特に言及はしていないが、カウントの対象にはなっている。
投票するとガイドの方に載る確率は上がるかもしれない。

 

【電子書籍限定】
リストに入れられるものは入れている。
入れても問題ありません。

 

【どこまで投票していいのか】
枠組みは作るが、何を投票するのかは投票者の判断に委ねます。

 

【作品名入力】
入力の際、作品名に巻数は入れず、シリーズで記入してください。
同一タイトルが複数冊記入されている場合は無効票になるので注意。

 

【キャラ入力】
性別の判別が難しいキャラは投票者の判断で入れたい方に入れて下さい。
同一名キャラの判別は難しいので、作品名の記入をお願いします。

 

【コメントについて】
任意ですのであらすじ記入はいりません。

 

5.これまでのランキング振り返り
Wikipediaのランキングを見ながら

言及があった作品
2016年 りゅうおうが入ってきている
2017年 ニンジャスレイヤー これで翻訳ものがOKになった
2018年  2位    86-エイティシックス 単行本 8位    横浜駅SF
2019年  1位    錆喰いビスコ 本好きの下剋上 石川博品が入っている
2020年  1位    七つの魔剣が支配する
2021年  単行本・新作1位    異修羅
2022年  2位    春夏秋冬代行者

 


6.コロナから2年半経ってライトノベルにはどんな影響があったか?コロナ後のライトノベルについて

小説を読む人が限られてきた。
マーケティング的に女性を意識するようになってきている。
文庫ラノベ→昔ながらのままだが、少し大人向けに。
大判ラノベ女性向けが増えた→男性も読める作品が伸びそう。
男性→立身出世 女性向け→呪いなどを打ち破る あたりは昔から王道的なテーマ。

 


7.ライトノベルに関する情報発信の変化。ライトノベル単体では厳しい時代。
どうストーリーを読ませるのか、スプラトゥーンやFGOにどう対抗していくのかくらいの意識ではいるが、簡単には勝てない。
作品数という点では選択肢はたくさんあるが選んでもらうのが難しい。
リコメンド機能の功罪。
パッと見てどんな本か分かる作品を作れるか。
裾野が狭いことを考えると、刺さる人に刺さる+αが欲しい。
長編シリーズが終わらない問題。
ドラマ化による原作需要はコミカライズ止まり?
アニメの方がまだ小説読む人が多いかもしれない。
コミカライズが売れたからアニメ化というケースが増えてきている。
コミカライズの売上も原作の存続に影響しつつある。
コミカライズの刊行点数増によりがラノベ・ライト文芸の書店棚を侵食している。
ラノベのミステリは本格を謳うと揉めやすい。
ラノベのページ数は増えてきている?巻数が続くと厚くなる傾向がある。

 

小説を買う人は減ってきている。
WEB小説の影響で小説はただで読めるものと感じている人が増えている?
アニメの聖地文化 チラムネ・友崎くん・変人のサラダボウルなど。
HJ文庫は新刊をKindle Unlimitedに入れている。
オタクとひとくちに言っても解像度だいぶが違う。

 

公共図書館が買うラノベは地方でもしっかり配本されている、アニメ化などの作品

【参考】公共図書館はどんなライトノベルを買っているのか 2021


 

8.このラノのランキングについて感じていること

このラノで人気ランキングをみたいですか。
理由がわかる続巻の投票もあるが、毎年同じランキングでいいのか。
協力者の傾斜配点をなくしたら新作が全然入ってこない。
このラノは数あるランキングのひとつでしかないと思っている。
ライト層からするとよく知らないランキングを知らないうちに出されている印象?
作り手側の意図としては共感よりむしろ世の中の混沌を作り出したい。
ランキングがあった方がお祭り騒ぎにしやすい。
このラノも本を売るためにやっています。売れないと当然続けられないので困る。

 

 

9.このラノは今年BOOK☆WALKERで買えるのか
昨年はBOOK☆WALKER側の問題で販売停止に。
今年どうなるのかは確認します。

 

以上

 

【参考】昨年2021年のこのラノスペースまとめ