21年11月ガガガ文庫まとめ - 読書する日々と備忘録

11月のガガガ文庫まとめです。

内訳は新作2点、シリーズ続刊2点の計4点になります。

まず新作は綾里けいしさんらしい世界観で展開される「霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない」、ハマカズシさんの無愛想な訳あり美人とサイコメトリーの青春ラブコメディ「弥生ちゃんは秘密を隠せない」の2点をセレクト。シリーズ続巻は焼塩さんたちの関係を巡るあれこれが描かれる「負けヒロインが多すぎる!」の2巻目、エロ漫画家コンビの婚活の行方を描いた「結婚が前提のラブコメ」の5巻目もなかなか良かったです。気になる本があったらぜひ読んでみて下さい。

霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない（ガガガ文庫）

霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない

posted with ヨメレバ

綾里けいし/生川小学館 2021年11月18日

幽世のものに触れる異能をもつ藤咲藤花が、かつて従者だった青年・藤咲朔とともにもたらされた事件解決に挑む物語。「かみさま」になり損なった結果ニートと化して霊能探偵の看板を掲げる藤花と、彼女に寄り添いお世話する朔。そんな二人が挑む内蔵落下連続殺人事件、誰かが殺されると予告する少女の真意、見えない友達の真実、人魚姫の自殺の悲しい真相、元「かみさま」候補たちが次々と殺される理由。二人のゆるいやりとりとシリアスな事件のギャップがなかなかいいアクセントとして効いていましたけど、過去に向き合って乗り越えてみせた二人の絆がとても印象的な物語でした。

弥生ちゃんは秘密を隠せない (ガガガ文庫)

弥生ちゃんは秘密を隠せない

posted with ヨメレバ

ハマカズシ/パルプピロシ小学館 2021年11月18日

美人だと学内で評判だけれど、いつも一人で無愛想な木之下弥生。密かにサイコメトリー能力を持つ同級生の深瀬皐月は、ある日彼女の意外な心の声を聞いてしまう青春ラブコメディ。彼女の想いと正反対な態度のギャップに、どう接したらいいのか戸惑う皐月がうっかり聞いてしまう、弥生が抱えるもっと大きな秘密。いろいろと悩める弥生と縁が生まれて、思い切って彼女に声を掛けてゆく皐月に、不器用でなかなか素直になれない弥生が可愛かったですね。そんな彼女にしっかりと向き合った皐月の頑張りで、ようやく一歩前進した感もあった二人の関係でしたけど、どうも一波乱ありそうな続巻に期待の新シリーズですね。

負けヒロインが多すぎる! 2 （ガガガ文庫）

負けヒロインが多すぎる！（2）

posted with ヨメレバ

雨森たきび/いみぎむる小学館 2021年11月18日

夏休み後半。たまたま喫茶店でだべっていた温水と八奈見が、焼塩と思い人である綾野が2人きりで会っているのを目撃。さらには2人を尾行する綾野のカノジョ朝雲千早ともニアミスしてしまう第二弾。綾野と焼塩の浮気を疑う朝雲。それにあれよあれよと巻き込まれてゆく温水と八奈見が、朝雲とともに真相を探る展開で、地味にストーカー気質な朝雲のヤバさや、綾野の残念な鈍感っぷりが炸裂してましたけど、温水の焼塩に対する信頼はその人柄を知るからこそで、うっかりとやらかしながらもしっかりと自らの思いに向き合って、決着をつけてみせた焼塩がとても印象的でした。

結婚が前提のラブコメ5（ガガガ文庫）

結婚が前提のラブコメ（5）

posted with ヨメレバ

栗ノ原草介/吉田ばな小学館 2021年11月18日

編集長の神代からの依頼をきっかけに、牡丹と男爵の可能性を探しはじめた縁太郎。デビュー後にすれち違ってしまったことを知った縁太郎は、マンガを婚活に使うことを考える第五弾。牡丹にはライバルで、どこまでいってもお友達どまりであると断言されてしまう男爵。そんな状況に編集部も焦りを募らせてゆく展開でしたけど、彼女たちらしいやり方で牡丹の本当に望んでいるものが何だったのか、遠回りしながらも徐々に整理されていって、きちんと答えにたどり着けて良かったです。残る彼女たちがどうするのか、どうなるのか、次巻最終巻ということで期待しています。