読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2019年3月に読んだ本 #読書メーターより

3月はコミック以外でも62冊とまずまず読めた印象ですが、それだけ読んでても全然積読減るどころか増えているのであまり読めた気がしません(苦笑)今回もシリーズ続刊は楽しめる作品が多かったですが、とりあえず現在2巻まで出ている十文字青さんのスニーカー文庫「僕は何度も生まれ変わる」はやばいです。ファンタジー戦記好きな人にはぜひ読んでほしい一冊です。

 

3月の読書メーター
読んだ本の数:91
読んだページ数:24353
ナイス数:5530

あなたの恋、やり直します。江ノ島恋愛レンタル店 (メディアワークス文庫)あなたの恋、やり直します。江ノ島恋愛レンタル店 (メディアワークス文庫)感想
想い人に恋人ができたことを知ってしまうさくら。そんな彼女が江ノ島にある恋愛レンタル店でノアと出会い、理想の恋愛を7泊8日でレンタルする物語。ノアによって提供される想い人と恋人になれた一週間で知る真実。それをきっかけにノアを手伝うようになったさくらが出会う不倫の恋、妻を亡くした老紳士の悔恨。あの時もう少し上手くやれていれば...自分なら上手くやれるはず、過去をやり直せていたら...そんなリアルな現実は体験するとそうそう甘くもなくて、レンタルを通じて過去を精算し乗り越えてゆくヒロインたちがとても印象的でした。
読了日:03月01日 著者:柳 なつき
グアムの探偵 3 (角川文庫)グアムの探偵 3 (角川文庫)感想
スカイダイビング中に消失したふたりの男、原因不明の痛みに苦しむ少女、行方不明になった有名教授、日本人観光客の写真撮影をやめさせる軍人、行方不明になった富豪たちの行方とといった多様な犯罪にゲンゾー、デニス、レイの日系人3世代探偵が挑む第三弾。読むたびに日本とはいろいろ感覚が違うことを実感するシリーズですが、どれも日本では考えられない事件ばかりで、心細い海外で起きる犯罪にしっかり向き合ってくれる彼らの存在は大きいですね。意外なメンバーも加わってレギュラー化するのか今後どう変わってゆくのか気になるところです。 
読了日:03月01日 著者:松岡 圭祐
横浜ヴァイオリン工房のホームズ (メディアワークス文庫)横浜ヴァイオリン工房のホームズ (メディアワークス文庫)感想
横浜の弦楽器修理工房『響』のオーナーで絶対音感探偵の冬馬響子。下宿人兼助手の大学生・結城広大が彼女と一緒に音楽に纏わる謎を解き明かすミステリ。広大の兄と自殺した彼女の真相、ストラディバリウスと百年越しの物語、響子の師匠と家族を巡る物語の三編からなる構成で、風変わりなお嬢様ながら洞察力に優れ豊富な人脈を持つ探偵役の響子と、フォロー役の広大がなかなかいいコンビで、本格的な謎解きではないものの二人が解き明かしてゆく真相もまたなかなか優しくぐっと来る結末で良かったですね。続編あるならまた読んでみたいと思いました。
読了日:03月02日 著者:上津 レイ
人生写真館の奇跡 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)人生写真館の奇跡 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
天国までの道の途中に佇む人生写真館。人生を振り返りながら、自分が生きた年数だけの写真を選び、自らの手で走馬燈を作る死者たちとその儀式を手伝う青年・平坂の奇跡の物語。九十二歳の老婆が選んだバスの写真、四十七歳のヤクザが選んだクリスマス・イブの写真、そして七歳の子どもと笑顔を浮かべる青年の写真。平坂と寄り添うように振り返ってゆく人生と、今までで最も印象的な場面を撮り直す思い出の写真にはぐっと来るものがあって、抗えぬはずの運命に立ち向かった平坂がいて、それらが全て繋がってゆくエピローグがとても素敵な物語でした。
読了日:03月03日 著者:柊 サナカ
太陽と月の眠るところ 紫微国妖夜話 (小学館文庫キャラブン!)太陽と月の眠るところ 紫微国妖夜話 (小学館文庫キャラブン!)感想
幼少時から驚くほど不運なのに奇跡的に科挙に登第して進士となった青年・梁脩徳。しかし赴任先の侶州は鬼怪が跋扈する妖しい西方の僻地で、日々勃発する怪異事件に巻き込まれてゆく中華風怪異譚。基本的にいろいろな意味で残念な脩徳は怪異の引き寄せ体質で、それを辛辣な部下たちに利用される日々。様々な怪異に脅かされて、辛過ぎる料理に辟易し、素敵な女性との出会いがあったら中身はあれで、災難続きでしたけど転任願いを出そうにも採用された理由が理由と、選択肢を考えるとこれはもう諦めるしかない(苦笑)続刊出たらまた読んでみたいです。
読了日:03月03日 著者:宮池 貴巳
本と鍵の季節 (単行本)本と鍵の季節 (単行本)感想
利用者のほとんどいない放課後の図書室で同じく図書委員の松倉詩門と当番を務める堀川次郎。放課後の図書室に持ち込まれる謎に二人で挑む図書室ミステリ。先輩女子が持ち込んだ亡くなった祖父の開かずの金庫、美容室に感じた違和感の正体、友人の兄のアリバイ、友人の遺言が挟まれた本、松倉の父の遺産に絡む連作短編。ビターな事件が続く中でアプローチが違う二人はお互い足りない部分を補い合ういいコンビで、転機に繋がりそうなそうな最後の事件の結末は気になるところですね。でもそれを乗り越えた二人の探偵劇をまた読んでみたいと思いました。
読了日:03月04日 著者:米澤 穂信
発現発現感想
自殺した兄の事情を探る弟・省吾と、自殺した母と同じようにおかしくなった兄を危惧するさつき。平成と昭和、二つの時代で起こった不可解な事件が、不思議な縁で繋がってゆく物語。昭和40年に起きた自殺事件と、平成が終わろうかという時代に自殺した母と同じように狂ってゆく兄。2つのエピソードが交互に語られてゆく中、それぞれの調査で明らかになってゆく真相があって、思わぬところで繋がってゆく共通点があって。背負ったものは重いと感じつつも、それにきちんと向き合い付き合っていこうと決意した彼女たちには希望があったと思いました。
読了日:03月04日 著者:阿部 智里
わたし、定時で帰ります。 (新潮文庫)わたし、定時で帰ります。 (新潮文庫)感想
苦い過去の経験から定時で帰ることをモットーにウェブ会社で働く東山結衣。ブラック上司に曲者揃いの同僚相手に定時で帰る?仕事する気あるの?という空気の中奮闘するお仕事小説。働き方も婚約者もやや極端から極端に走りがちな感もあった結衣でしたが、無理を精神論で通そうとする天敵の勘違い上司や、同僚や取引先に振り回され続ける展開には共感めいたものを覚えてしまいますね(苦笑)それでも何とかしてみせた結衣の奮闘っぷりは流石で、婚約者は正直どっちもどっちだけれど、とりあえず巧は止めておいて正解だった気がしました。あれはない。
読了日:03月05日 著者:朱野 帰子
まよなかの青空まよなかの青空感想
結婚を前提に交際していた相手の母親から、手切れ金と共に息子と別れるよう言い渡された33歳のひかる。傷心の彼女が様々な人と再会し、「ソラさん」のからくり箱の話を思い出す物語。偶然再会した高校時代の同級生・日菜子や幼馴染の達郎。そこから運命に導かれるように繋がってゆくいくつもの縁と、明らかになってゆく家族の過去や「ソラさん」の謎。登場人物たちの誰もが過去に悔いを抱えていて、長らく苦しめられていた呪縛と久しぶりに向き合うことになって、過去はやり直せませんが、それでも希望が見える結末には救われるものがありました。
読了日:03月06日 著者:谷 瑞恵
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣感想
データや事実に基づき、世界を正しく読み解く習慣・ファクトフルネス。教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野をテーマとして取り上げつつ、最新の統計データを紹介しながらものごとの正しい見方を紹介していく1冊。分断やネガティブ、直線、恐怖、過大視、パターン化、宿命、単純化、犯人探し、焦りといった事実を歪めて認識してしまいやすい本能について、具体例を挙げながら分かりやすく紹介。説明がやや冗長な感はありましたが、直感的に理解できる内容はとても頭に入りやすかったです。情報をアップデートし続けるのは大事ですね。
読了日:03月06日 著者:ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。鎌倉の夜は、罪を隠さない (宝島社文庫)筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。鎌倉の夜は、罪を隠さない (宝島社文庫)感想
美咲との出会いを通して、徐々に変化していく清一郎。美咲と清一郎の関係も次の段階へ進むかと思えた矢先に、苦い過去が明らかになってゆく第四弾。カリグラフィーで描かれたポスターがたびたび描かれた理由、速記文字で大学図書館の蔵書に落書きされた真相、離別した父からの手紙。もう一つの苦い過去が明らかになり、再び心を閉ざしかけた清一郎に対して、複雑な想いを抱えながらも彼のために奔走する美咲の真摯な想いが尊いですね...。裏辻鳴修の正体も明らかになって、美咲との関係もどう変わってゆくのか続巻が俄然楽しみになってきました。
読了日:03月07日 著者:谷 春慶
きみがすべてを忘れる前に 笑わない少女と見えない友達 (宝島社文庫)きみがすべてを忘れる前に 笑わない少女と見えない友達 (宝島社文庫)感想
二年前、目の前で発生した交通事故で親友・瑠璃を失った小谷桃花。存在は感じるのに目には見えない親友を気にかける彼女が、高校に進学して幽霊を見ることのできる結城クロと出会う第二弾。頑なで潔癖なところのある新ヒロイン・桃花と、そんな彼女をそのまま放っておけないクロや三姉妹。緋色の意外な弱点が明らかになったりした三姉妹は相変わらずよく動いていて、クロの特異体質は今後も苦労しそうな気がしましたが、幽霊の意外な真実も明らかになる中、桃花が想いを自覚したことでこれからどんな展開となってゆくのか、続巻に期待ということで。
読了日:03月07日 著者:喜多 南
(P[い]6-1)この冬、いなくなる君へ (ポプラ文庫ピュアフル)(P[い]6-1)この冬、いなくなる君へ (ポプラ文庫ピュアフル)感想
仕事もプライベートも冴えない文具会社勤務の生久田菜摘24歳。ひとり会社で残業をしている時に火事に巻き込まれた彼女が、救ってくれた謎の男・篤生と出会ったことで人生が変わり始める物語。毎年12月に現れる篤生からのアドバイスと彼女の死を回避するための試練。何事にも消極的だった菜摘が向き合うようになった仕事や友人たちの悩み、母や父のこと、そして気になる相手のこと。後悔しないように精一杯頑張ったことでいろいろなことが変わっていって、自分次第で人生もいかようにも変えていける大切さを改めて教えてくれた素敵な物語でした。
読了日:03月07日 著者:いぬじゅん
ことのはロジック (講談社タイガ)ことのはロジック (講談社タイガ)感想
書くべき言葉を見失った元天才書道少年の墨森肇。金髪碧眼の転校生・アキに一目惚れした彼が、彼女とともに校内で発生する言葉にまつわる事件を解決してゆくミステリ。好奇心旺盛なアキや仲間たちと一緒に挑む回し手紙の伝言ゲーム、存在しない幽霊文字、同人誌の不可解な改変、そしてアキに対する違和感。探し続ける「月が綺麗ですね」を超える告白の言葉。彼らの心境の変化に繋がってゆくひとつひとつのエピソードがまた絶妙で、明らかになった真実にしっかりと向き合い、想いを込めた回答を提示してみせた結末にはぐっと来るものがありました。 
読了日:03月08日 著者:皆藤 黒助
長崎新地中華街の薬屋カフェ 中秋の月に照らされて (小学館文庫キャラブン!)長崎新地中華街の薬屋カフェ 中秋の月に照らされて (小学館文庫キャラブン!)感想
若い女性客の悩みにうまく対応できず、怒らせてしまった藤子。お客さんの心に寄り添う接客は難しく、沈む心を抱えながら薬屋カフェへ向かった藤子に王がヒントをくれる第二弾。同僚薬剤師の兵藤のエピソードも交えつつ、お客さんに真摯な対応をしようとする藤子さんがいいですねー。王くんとの関係も水族館デートをしたり順調かと思ったら、ここで登場した王くんのお母さんがなかなか強烈でした(苦笑)王くんもだいぶ変わったんだなと思うエピソードを読んでいると、彼にとっても藤子さんの存在はほんと大きいんでしょうね。彼らの今後に期待です。
読了日:03月09日 著者:江本 マシメサ
魔王学院の不適合者4〈上〉 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)魔王学院の不適合者4〈上〉 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ (電撃文庫)感想
偽りの魔王が画策した魔族と人間の戦争を阻止したアノス。しかし未だ混乱の渦中にあるディルヘイドの魔王学院に、二千年前よりアノスと敵対する天父神ノウスガリアが新任の教師として現れる第四弾。ノウスガリアから告げられたアノスを滅ぼす神の子の存在。二千年前から続く因縁と、昔の右腕だったシンに会うため仲間とともに大精霊の森アハルトヘルンに向かうアノス。隠狼により提示される試練があって、神の子である偽りの魔王の正体も明らかになって、事態も急展開を迎える中でアノスがそれにどう立ち向かうのか、下巻に期待したいところですね。
読了日:03月09日 著者:
あの日、神様に願ったことはI kiss of the orange prince (電撃文庫)あの日、神様に願ったことはI kiss of the orange prince (電撃文庫)感想
一年に一度、願いが叶う宿星市に住む風祭叶羽が、十七歳の誕生日に出会った先輩・逢見燈華。願いを叶えるために星の幸魂の試練を課された燈華と、姉を喪い傷心を抱える叶羽の優しくて少し痛い奇跡の青春小説。病床にあった姉との悔いの残る別れから、写真を撮ることを止めてしまった叶羽が、人知れず試練を抱えていた燈華と出会い、振り回されながらも惹かれていく展開で、登場人物たちの不器用で甘酸っぱい想い、そして絶望を救おうと奔走する真摯で一途な想いがもたらした奇跡はとても素晴らしかったです。続巻も気になる期待の新シリーズですね。
読了日:03月09日 著者:葉月 文
君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと (電撃文庫)君がいた美しい世界と、君のいない美しい世界のこと (電撃文庫)感想
高校を卒業直前に恋人の三日月緋花里を病で亡くした日野夕斗。失意に沈む彼のもとに「世界を『リセット』して、もう一度あたしに会いに来い」という彼女からの手紙が届く青春小説。ワガママで破天荒で何よりもかけがえのない存在だった緋花里。彼女ともう一度会うため、怪しげな男・クレセントを道連れに彼女との想い出の場所をめぐる旅路。行く先々で遭遇する彼女との思い出は濃密で、積み重ねた先にあったセカイのアルジが示す「リセット」の正体も意外なところから繋がって。とても彼女らしい想いが詰まった結末にはぐっと来るものがありました。
読了日:03月10日 著者:神田 夏生
Bの戦場 6: さいたま新都心ブライダル課の門出 (集英社オレンジ文庫)Bの戦場 6: さいたま新都心ブライダル課の門出 (集英社オレンジ文庫)感想
後輩プランナーも配属されて仕事ものってくるなか、以前知り合ったウェディングプロデュース会社の穐本さんからヘッドハントされた香澄。久世課長との関係も変化して仕事と恋、二つの岐路に立たされる第六弾。結婚する地元の友達の新郎が玲子さんの元旦那とか、それはお互い不安になるよなー的な展開でしたけど、香澄自身もまたいろいろ拗らせていて前途多難に思えた展開でしたけど、悩みに悩んだ末に出した結論は彼女らしかったですね。いい感じにまとまっての完結でしたけど、二人の結婚式が読めなかったのは残念でした。次回作も期待しています。
読了日:03月10日 著者:ゆきた 志旗
銀行ガール 人口六千人の田舎町で、毎日営業やってます (メゾン文庫)銀行ガール 人口六千人の田舎町で、毎日営業やってます (メゾン文庫)感想
都会に行ってモデルになることを夢見ながら、地方銀行の営業として働く五十嵐吟子、24歳の奮闘が描かれるお仕事小説。渉外として顧客を訪れる吟子の元に次々と舞い込む厄介な相談。戦前から続く雨漏り食堂の修繕費用融資から、リサイクルショップ立ち退き交渉、振り込め詐欺犯逮捕、町おこしに離婚して生き別れた父の過去が絡んできたり、かつての想い人との久しぶりの再会もあって、困っている人たちのために周囲の助けも借りながらアイデアをひねり出し、奔走するうちに自分の目指すところを見出してゆく吟子の姿には心に響くものがありました。
読了日:03月11日 著者:須崎 正太郎
ウォルテニア戦記 XI (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記 XI (HJ NOVELS)感想
ウォルテニア半島へ帰還した御子柴亮真は、主であるローゼリア王国からいずれ独立するため、着々と布石を打ってゆく第十一弾。亮真の置かれている状況や相手方の思惑などもそれぞれ描かれていて、戦後の混乱したローゼリアの状況やら貴族たちの圧政、亮真だけでなく組織も暗躍しての扇動もあったりで、国民の不満が溜まっていって爆発しそうな状況がよくわかりましたが、でもちょっと展開が遅いですかね(苦笑)先に繋がりそうな布石もいくつかありましたけど、次巻あたりでそろそろ華々しい大きく動くような展開も期待したいところではあります。 
読了日:03月11日 著者:保利亮太
坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常 (幻冬舎文庫)坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常 (幻冬舎文庫)感想
実家の寺のお布施をくすねた罰で、鎌倉にある禅寺・三光寺に送られることになったお気楽跡継ぎ坊主・高岡皆道。同時期に入れられた修行仲間三人とワケあり先輩僧侶たちに囲まれ様々な経験をしてゆく青春坊主小説。仏教を信じられずやる気が見られない皆道が三光寺で出会った、脛に傷を持った悟りきれない修行僧たち。抱えるものがあるのは同期の仲間たちだけでなく先輩の強面な禅一や怪しく謎めいた高仙らも一緒で、葛藤に悩ましい気持ちになりながらもそれとしっかり向き合って、自ら進む道をそれぞれが見出してゆく展開はなかなか良かったですね。
読了日:03月12日 著者:成田 名璃子
居酒屋ぼったくり〈5〉 (アルファポリス文庫)居酒屋ぼったくり〈5〉 (アルファポリス文庫)感想
屋上農園とか呉竹のことだったり美音たちのために奔走する要さん。いろいろな人と縁ができていい感じに話がまとまっていく流れがいいですね。かと思いきやあれから進展がないのかなと思いかけていた二人が、一緒にバーに行って美音のお酒エピソードが出てきたり、思ってもみなかった急展開もあったりで、今までの感じからして一気にここまで進展すると思わなかったから正直びっくりしました。でも実家のお墓問題はほんと難しいですよね(自分も他人事じゃない)。ようやく動き出した美音と要の関係がこれからどう変わってゆくのかとても楽しみです。
読了日:03月12日 著者:秋川 滝美
茉莉花官吏伝 五 天花恢恢疎にして漏らさず (ビーズログ文庫)茉莉花官吏伝 五 天花恢恢疎にして漏らさず (ビーズログ文庫)感想
「御史台から手柄を奪ってこい」またも皇帝・珀陽に無理難題を出された茉莉花が、州牧の不正疑惑と亡くなった州牧補佐の死の真相を探るため、湖州へと赴任する第五弾。到着早々、御史台の有能で堅物な翔景と、軽いノリで人の心をつかむのが上手い胥吏の大虎と出会った茉莉花。一人赴任ということで最初は不安があった彼女でしたけど、何だかんだで競争相手なはずの翔景やいかにも不審だった大虎ともいつの間にか仲良くなっていて、珀陽の深謀遠慮っぷりというか無駄のなさにはもう苦笑いしかないですが、何が起きるのかどう決着するのか続巻に期待。
読了日:03月13日 著者:石田 リンネ
湖宮は黄砂に微睡む 金椛国春秋 (角川文庫)湖宮は黄砂に微睡む 金椛国春秋 (角川文庫)感想
罪を犯した友人を救おうとした咎で辺境に飛ばされた遊圭。行方不明中の麗華公主が死の砂漠にある伝説の郷に逃げたという情報がもたらされ、死の砂漠へ公主捜索に向かう第六弾。結果から見ればここしかないというタイミングで用意周到だった遊圭に、明々が嬉しいけど複雑な気持ちになるのも分からなくないですね(苦笑)公主との再会はいろいろ複雑な気持ちになる顛末もありましたけど、でも遊圭の消息がいまいちよく分からない状況に、気持ちが逸って自ら探しに行きそうな明々がすれ違いにならないといいんですけどね…二人には幸せになってほしい。
読了日:03月13日 著者:篠原 悠希
ゴブリンスレイヤー10 (GA文庫)ゴブリンスレイヤー10 (GA文庫)感想
女神官の育った地母神の神殿にある葡萄園の警備をすることになったゴブリンスレイヤー一党。そんなある時、女神官が姉のように慕う神殿の葡萄尼僧がゴブリンの娘だという噂が広がる第十弾。周囲の心ない声に胸を痛める女神官とゴブリンスレイヤーが下したある決断。牧場にも不穏な動きがあって、仲間のために動くゴブスレさんがいて。何とも複雑な経緯を経た戦いもゴブリンが毎回より知恵をつけて手強くなってきていますけど、慣れないことをするよりもゴブリンを殺している方がマシと思う彼にも、いろいろ思うところがあるんなと感じた結末でした。
読了日:03月13日 著者:蝸牛 くも
浅草鬼嫁日記 六 あやかし夫婦は今ひとたび降臨する。 (富士見L文庫)浅草鬼嫁日記 六 あやかし夫婦は今ひとたび降臨する。 (富士見L文庫)感想
狩人たちが浅草で暮らすあやかしを捕らえ、国外へ売り飛ばしている事件が勃発。真紀の眷属にまで魔の手が及び、真紀たちは陰陽局と協力して敵のアジトへ潜り込む第六弾。囚われてしまった真紀の眷属を追って、陰陽局と手を組み潜入する闇オークション。裏で糸を引く馨の元・眷属ミクズの思惑と、彼女と行動をともにする来栖来人の因縁。「最強の鬼嫁」チーム復活があった一方で思ってもみなかった意外な事実も判明したりで、何とも複雑な秘密を抱えることになった真紀の苦悩はまだまだ続きそうですね…何とかいい落とし所が見つかるといいんですが。
読了日:03月14日 著者:友麻碧
ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?3~時を超える愛~ (GA文庫)ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?3~時を超える愛~ (GA文庫)感想
期末試験明け。姫を高校の友達とのキャンプに誘った桃田。リア充ぽい夏イベント満喫に加えて、調子に乗って腰痛をやらかした姫の桃田宅訪問時に思わぬ事実が判明する第三弾。高校生たちの中に一人だけ一回り年上な引率の大人状態がまたあれでしたけど、桃田の友人たちも空気を読まずにぶっ込んでくる戦慄の緊張感があって、姫がつい浮かれて調子に乗るたびにお約束のように落とし穴が待っている構図には微笑ましいものがありましたけど、意外なところで時を超えて繋がっていた桃田と姫の縁とか、もうここまで来ると運命を感じちゃいますよね(苦笑)
読了日:03月14日 著者:望公太
きれいな黒髪の高階さん(無職)と付き合うことになった2 (GA文庫)きれいな黒髪の高階さん(無職)と付き合うことになった2 (GA文庫)感想
夏休み。海水浴を頑なに嫌う高階さんを海に誘い、そこへ祭利も加わり三人で海へ旅行に行くことになる第二弾。相変わらずな高階さんとまったり過ごしたり、祭利も加えた三人で高階さんプロデュースの旅行に行ったり、家庭教師の教え子JK彩乃とゆるく繋がったり、何だかんだで日之出の夏休み充実してるよねとツッコミを入れたくなりましたが(苦笑)、思わぬきっかけでその関係が変化していくあたりが、何とも締まらないというか彼らしいというか。もう少しその後を読んでみたかったですが、しっかりけじめもつけていい感じにまとまった結末でした。
読了日:03月15日 著者:森田季節
女王の化粧師 (ビーズログ文庫)女王の化粧師 (ビーズログ文庫)感想
五人の候補者が次期女王の座を競う小国デルリゲイリア。花街の化粧師ダイの下に、女王候補の一人マリアージュの遣いと称する男・ヒースが現れる物語。最も玉座から遠い癇癪持ちの女王候補・マリアージュの化粧師となったダイ。借金だらけの家のために奔走するヒース、実情を知らされないまま孤立し苛立ちを募らせるマリアージュ、厳しい状況を彼女に教えない家の者たち。苦しい状況なのに家中はバラバラで、ダイが化粧師という立ち位置からそこにどう関わってゆくのか、自身の想いやマリアージュとの関係がどう変わってゆくのか今後が楽しみですね。
読了日:03月15日 著者:千 花鶏
さとり世代の魔法使い (双葉文庫)さとり世代の魔法使い (双葉文庫)感想
魔女が隔世で生まれる家系の女子大生・北条雫、19歳。さとり世代のすっかり醒めた平成最後の魔女の前に、10年前いなくなった幼馴染の爽太が現れる物語。魔女だったおばあちゃんを巡る悔恨と姿を消していた爽太。再会した彼と一緒に果たしていく、好きな人に告白したい同級生の手伝い、素直になれない女の子と家族の仲直り、そして未来からやってきた孫娘との邂逅。素直になれないけれど雫は人のために頑張ろうとするいい子で、その過程でかけがえのないものを得ていった先の結末は切なくもありましたけど、未来に繋がるとても素敵な物語でした。
読了日:03月15日 著者:藤まる
はたらく魔王さまのメシ! (電撃文庫)はたらく魔王さまのメシ! (電撃文庫)感想
魔王と勇者と二人を取り巻く者達の「メシ」に関する短編集。真奥と芦屋の初めての米炊き、漆原のポテトエピソード、鈴乃のうどんトラウマエピソード、思い出した趣味で豪遊してしまう真奥、アラス・ラムスの食欲不振に悩む恵美、エンテ・イスラの豪華料理に舌鼓を打つ千穂、真奥のマグロナルド就職エピソードなど、正直なかなか進まない本編よりもこういう異世界とのギャップとか、彼らのドタバタっぷりを楽しむ話の方がツボにハマるというか、面白かったりするんですよね(苦笑)読んでいると食べたくなるような印象的な話が多くて良かったです。 
読了日:03月17日 著者:和ヶ原 聡司
イダジョ!  医大女子イダジョ! 医大女子感想
私立医科大に入学することになった普通のサラリーマンの娘・安月美南。周囲とのギャップや現実に振り回されつつ逆境に立ち向かってゆく医大女子小説。入学早々直面するボンボン医大生との差、実習・勉強での実力不足、そして身近な人の死を目の当たりにして問われる医者になる覚悟。読んでいて医大生の勉強の大変さや、忙し過ぎて恋愛にかまけてる余裕なさそうとか、何より高額な学費払い続ける親御さんの大変さとか一歩間違えばの危うさに身につまされましたが、周囲と衝突したり助けられつつ人としても成長していく展開はなかなか良かったですね。
読了日:03月17日 著者:史夏ゆみ
だから殺せなかっただから殺せなかった感想
大手新聞社の社会部記者・一ノ木透の許に届いた一通の手紙。「ワクチン」と名乗り、首都圏全域を震撼させる連続殺人犯が紙上での公開討論を要求し、苛烈な報道合戦に巻き込まれていく物語。低迷する新聞売上を打開するため、自らの悔恨記事を載せた一ノ木。連続殺人犯に指名されて対話するなかで問われる新聞や報道のあり方、並行して取材を進めてゆくうちに少しずつ明らかになってゆく事件を巡る全貌。ほろ苦い決着の先にはこの物語の印象をガラリと変えてしまうもう一つの事実があって、ジャーナリズムとは何かを改めて突きつけられた結末でした。
読了日:03月18日 著者:一本木 透
きゃくほんかのセリフ! (ガガガ文庫)きゃくほんかのセリフ! (ガガガ文庫)感想
デビュー作以来鳴かず飛ばずで、うだつのあがらない脚本家・竹田雲太。そんな彼に元に宿敵とも言える制作会社の極悪プロデューサー辻骨から何かとトラブル続きな作品の劇場版の仕事がもたらされるお仕事小説。監督や映画プロデューサー、さらに原作作家たちの無茶ぶりに応えようとしてどんどん形を変えてゆく脚本。実際にはここまで極端ではないにしても、各々の思惑によっていろいろ手が加わるんだろうな…と思いながら読んでいましたが、挙句の果てに迎えた最悪の事態に、それでも誇りを持って立ち向かう雲太の姿にはぐっと来るものがありました。
読了日:03月18日 著者:ますもと たくや
ふたりの文化祭 (角川文庫)ふたりの文化祭 (角川文庫)感想
夏休みが明け、文化祭準備で浮き足立つ神丘高校。盛り上がりに欠けるクラスでお化け屋敷をやることになった人気者の潤と、内気な図書委員あやのそれぞれの視点から綴られてゆく青春小説。「わたしの恋人」「ぼくの嘘」と世界観や登場人物を同じくする物語で、結城さんに惹かれてゆく潤と、彼が気になるかつて幼馴染だったあやの。恋心とはまた少し違う二人の距離感と、その温度差がある心情の変化が繊細に綴られていて、あやが踏み出した勇気に潤が触発され逆境に立ち向かう展開には、彼らの間で失われていた共感と絆が確かにあったと思いました。 
読了日:03月19日 著者:藤野 恵美
revisions リヴィジョンズ 2revisions リヴィジョンズ 2感想
リヴィジョンズとの戦いでの活躍により英雄視されたものの、一部の人達は連れ去られてしまった大介たち。その後もリヴィジョンズの襲撃は続き、元の時代に戻る方法も依然としてわからぬまま、衝撃の真実に直面する第二弾。前巻で少し反省したのかと思いきや、少し持ち上げられただけで再び勘違いしたり勝手な行動を取ったり、現実を突きつけられて動揺する大介が相変わらず痛いですが、一方で先の見えない状況や突きつけられた真実に直面したSDSの面々にも苦悩や葛藤があって、それだけに最後のあれは先の展開を考えるとあまりにも重いですね…。
読了日:03月20日 著者:木村航,原作=S・F・S
ロクでなし魔術講師と禁忌教典14 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と禁忌教典14 (ファンタジア文庫)感想
女王陛下の尽力により数十年ぶりに開催される魔術祭典。アルザーノ、聖リリィ、クライトスの有力魔術学院から有力生徒たちが代表を目指す中、システィーナが因縁の幼馴染エレンと再会する第十四弾。久しぶりに再会した面々とのほのぼのエピソードに始まって、そこからグレンが容易には抜け出せないループにハマってしまう展開。なかなか解決の糸口が見えない今回は、これまでの激闘を切り抜けてきたことで大きく成長したシスティがグレンの信頼できる相棒として大活躍でしたね。今後に繋がる事実も明らかになって、ここからまた面白くなりそうです。
読了日:03月20日 著者:羊太郎
デート・ア・ライブ20 十香ワールド (ファンタジア文庫)デート・ア・ライブ20 十香ワールド (ファンタジア文庫)感想
崇宮澪によって救われた世界。しかし皆が笑顔で過ごす中、どこか違和感を覚える士道に狂三は衝撃の真実を告げる第二十弾。十香が作り上げたという理想の世界を元に戻すべく動き出す士道。世界を維持するための霊力を捻出すべく、そして士道への告白権を賭けて戦う精霊たち。精霊たちそれぞれのらしい魅力的な姿を存分に描きつつ、一方で天香こと反転十香も交えた十香とのデートも印象的でしたが、狂三も四糸乃もいい感じに存在感を見せた末の結末は切なかったです。でももちろんこれで終わりじゃないと思うので、ここからの巻き返し期待しています。
読了日:03月20日 著者:橘 公司
世界で一番かわいそうな私たち 第二幕 (講談社タイガ)世界で一番かわいそうな私たち 第二幕 (講談社タイガ)感想
杏に正体を看破された道成。これからどうすべきか心揺れる中、一人の生徒を追い詰める深刻な謂れのない罪の告発と嫌がらせに直面する第二弾。大人の悪意から子どもを守ろうと必死に奔走する道成に対し、いったんは静観して様子を見ようとする杏。動くべきか動かざるべきか、何が最善なのかはとても難しい判断でしたけど、道成の過去が明らかになった上でそれに向き合う形にも繋がってゆく結末はとても印象的でしたね。同時にクローズアップされてゆく杏の歪みや不思議なところも多い杏と詩季の夫婦関係の真相も気がかりで、続巻が今から楽しみです。
読了日:03月21日 著者:綾崎 隼
屋上で縁結び 縁つむぎ (集英社文庫)屋上で縁結び 縁つむぎ (集英社文庫)感想
交際中の幹人の息子陽人からおじいちゃんの入院をと聞いて心配するが、幹人からは何も教えてもらえず不安な気持ちになる苑子。一方ビルに入居する歯科医院に謎めいた差出人不明の手紙が定期的に届く第三弾。歯科医院に届く謎の手紙の真相や空き室にいた男女の真相、そしてビルのオーナーを巡る縁の物語。それぞれのエピソードに縁に対する繊細で複雑な想いがあって、幹人と陽人に寄り添いたいと思うからこそ不安になる苑子に、幹人がきちんと真相を伝え自分なりのやり方で応えてみせたこの物語の結末は穏やかでとても素敵なものだったと思いました。
読了日:03月22日 著者:岡篠 名桜
わが家は祇園の拝み屋さん10 黄昏時に浮かぶ影 (角川文庫)わが家は祇園の拝み屋さん10 黄昏時に浮かぶ影 (角川文庫)感想
東京の波動を下げようと企んだ人物を追い関東本部と協力してその過去を調査し、東京の結界の補強をする小春と澪人。京都に残るOGMの面々にも変化が訪れる第十弾。鍵を握る谷口さんの行方を追う過程で明らかになる意外な縁と、強い霊力を持つ不思議な少年との出会い。順調そうな小春と澪人を巡る状況には苦笑いでする一方で、転機からの急展開が続いた京都残留組の変化には驚きましたが、これはこれでしっくりきそうな感もありますね。今回は見事にしてやられた宗次郎さんの巻き返しや、謎の少年や若宮あたりの思惑も含めて続巻に期待しています。
読了日:03月22日 著者:望月 麻衣
響野怪談 (角川ホラー文庫)響野怪談 (角川ホラー文庫)感想
響野家の末っ子で怖がりなのに霊感が強く、ヒトではないものたちを呼び寄せてしまう春希。些細だった怪異は徐々にエスカレートし、彼を守ろうとする父や兄たちをも脅かしてゆくノスタルジックホラー。春希がふっと一人になるたびに、彼の元に忍び寄り脅かそうとするヒトではないものたちと、それに気づいて春希を守ろうとしてきた父や兄たち。小さいエピソードの積み重ねによって春希が日常的に晒されている不穏な状況と、彼を守ってきた存在が浮き彫りになっていって、それがいい感じにまとまったかに思えた先の結末を印象的なものにしていました。
読了日:03月22日 著者:織守きょうや
ホーンテッド・キャンパス 秋の猫は緋の色 (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス 秋の猫は緋の色 (角川ホラー文庫)感想
大学祭前で浮かれた空気のキャンパス。それでもオカルト研究会には相変わらず恐怖の依頼が続けてもたらされる第十五弾。体の痣が人面瘡になってしまった女性、「猫の幽霊が出る喫茶店」の噂を巡る物語、未解決の女性連続殺人事件にまつわる怪談と、オカルトめいた現象を絡めつつ妄執に取り憑かれた人の恐ろしさが描かれる展開は今回も際立っていましたが、健気な猫の話は切ない気持ちになりましたね…。相変わらずに見える二人の関係も静かに変わってきてるような気もしますが、そろそろ鈴木の女装姿がどんなレベルなのか気になってきました(苦笑)
読了日:03月23日 著者:櫛木 理宇
ぼくたちのリメイク6 アップロード日:9月1日 (MF文庫J)ぼくたちのリメイク6 アップロード日:9月1日 (MF文庫J)感想
大学を去った貫之を取り戻すために、ナナコと共に貫之の実家がある川越へと向かう恭也。一方、斎川が提案したコスプレ喫茶にお目付け役のはずの河瀬川も巻き込まれてゆく第六弾。川越を舞台に語られる貫之の置かれている現状と、繊細なナナコとの距離感。河瀬川に萌える斎川と、再び創作にのめり込んでゆくシノアキ。良くも悪くも周囲の人を巻き込んでいく恭也のスタイルがどんな未来をもたらすのか、さらに成長するシノアキという脅威にどう立ち向かうのか、創作だけでなく人間関係も複雑に絡み合う危うさにゾクゾクしますし、続巻が楽しみですね。
読了日:03月23日 著者:木緒 なち
何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 2 (MF文庫J)何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 2 (MF文庫J)感想
クラスメイトを前にした大胆な告白の末、晴れて友達となった朝倉さんと安藤くん。そんな進展しているのかよく分からない距離感の二人の関係に変化が起きる第二弾。連絡先交換やカラオケ、クラス演劇と、むしろ周囲の方がツッコミやきもきする展開の中、演劇成功のため二人の関係を進展させるべく動き出す委員長と朝倉さんの親友・桃井さん。ほぼ両片想いなのに自己評価が異様に低い安藤くんと、やる気が空回りしがちな朝倉さんの組み合わせは決定力不足が深刻過ぎて、思わぬ展開を招いてしまったというか…でもこういうのわりとありますね(遠い目)
読了日:03月23日 著者:出井 愛
あの日の君に恋をした、そして (メディアワークス文庫)あの日の君に恋をした、そして (メディアワークス文庫)感想
十二歳の夏を過ごしていた少年・嵯峨ナツキ。しかしある事故をきっかけに心だけが三十年前に飛ばされ、今は亡き父親・愁の少年時代の心と入れ替わってしまい、クラスメイトの少女・緑原瑠依と運命の出会いを果たす物語。戸惑いながらも愁として三十年前の世界で過ごすナツキと、ともに過ごすうちに大切な存在となってゆく瑠依。彼女も関わる父の日記にあった凄惨な事件の解決に挑むナツキ。瑠依と繋がる意外な関係性も明らかになって、短くも濃厚でかけがえのない時間を過ごしたナツキが、現在で見出した不思議な縁にはぐっと来るものがありました。
読了日:03月24日 著者:似鳥 航一
そして、その日まで君を愛する (メディアワークス文庫)そして、その日まで君を愛する (メディアワークス文庫)感想
十二歳の夏を過ごす少年・嵯峨愁。しかし彼はあるとき心だけが三十年後に飛ばされ、将来生まれる自分の息子・ナツキの少年時代の心と入れ替わってしまうもうひとつの物語。開き直ってナツキとして積極的に過ごす愁と、そっと寄り添う不思議な少女・雪見麻百合。運命の出会いから明らかになってゆくもうひとつの物語。愁はナツキとだいぶ違うタイプのキャラで、ナツキ側エピソードとも関連性を持たせつつ、2つの物語に深く関わる秘められた過去の精算と、時を超えて果たした運命の出会いがひとつの結末に繋がってゆく展開はなかなか良かったですね。
読了日:03月24日 著者:似鳥 航一
占い居酒屋べんてん 看板娘の開運調査 (実業之日本社文庫)占い居酒屋べんてん 看板娘の開運調査 (実業之日本社文庫)感想
駅の改札でスリの現場に遭遇し酒屋を経営するあやかを救った女子高生の菜乃が、縁あってそのお店や探偵の助手として働くことになる居酒屋ミステリ。カクテル占いもするあやか、本業は探偵の店員・千種、引きこもりでゲーマーのやよいらと共に、店に持ち込まれる事件や謎を追う展開で、複雑な想いを抱える父親との関係や、占いで気になる結果が出た常連の婚約者の真相、猫探しの真相やおばあさんと懐かしの本の再会といった印象的なエピソードの中で、成長してゆく菜乃を応援したくなる優しく温かい物語でした。続刊あるならまた読んでみたいですね。
読了日:03月25日 著者:おかざき 登
コレって、あやかしですよね? ~放送中止の怪事件~ (光文社文庫)コレって、あやかしですよね? ~放送中止の怪事件~ (光文社文庫)感想
ネット放送の『あやかしTV』でADとして奮闘する香月都が、オカルト否定論者のディレクター・倉橋匠やMCの漫画家妖海太などとともにもたらされたあやかしの謎を解き明かすお仕事小説。多摩川に出現した巨大生物や怪火、世田谷の公園に化け猫といった、低予算のネット番組が舞台とする珍しい切り口で、視聴者との距離が近くてコメントが反映されたり、もたらされたネタを元に取材に向かったりとなかなか興味深く読みました。テキトーに見えて意外と観察眼が鋭い匠や都を気にかける妖先生とのことだったり、人間関係も含めて今後に期待ですね。 
読了日:03月26日 著者:斎藤 千輪
僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転〈ゲームチェンジ〉 (HJ文庫)僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転〈ゲームチェンジ〉 (HJ文庫)感想
魔法が実在する世界。魔法を用いたレース・ブルームで優勝しながら競技から遠ざかっていた少年・明日葉進也が、ワケありの落ちこぼれ魔女・東雲早希と運命の出会いを果たしコンビを組む物語。優勝してもコンビの片割れとして評価されなかった進也と、ささやかな魔法がレースに向いていないと判断された早希。天然気味な早希相手に何かと煩悩の多い進也の日常パートには苦笑いでしたが、そんな二人が力を合わせてかつてコンビを組んだ蘭奈や因縁の相手に、試行錯誤しながらギリギリの勝負を挑んでいく熱い展開はなかなか良かったです。続巻も期待。 
読了日:03月26日 著者:六升六郎太
叡智の図書館と十の謎 (中公文庫)叡智の図書館と十の謎 (中公文庫)感想
時間にも空間にも支配されない無限に等しい書架を持つ「叡智の図書館」を探す旅人と、そこを守り訪れた相手に対して謎掛けをする守人の物語。謎の魔法の石板が旅人に提示する十の物語。女王の恋人と女戦士の物語や、貿易商人の使用人を刺した無実の罪に問われた少年といった中世風の話もあれば、映画スターとなった女優の波乱万丈の人生と故郷の物語、日本の吉備家の長年に渡る妖狐との戦いの顛末といったテーマや舞台も多岐に渡っていて、そんな物語の謎からもたらされた回答が、旅人の正体や結末へと繋がってゆくラストはなかなか良かったですね。
読了日:03月26日 著者:多崎 礼
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 9.双姫乱舞 (HJ文庫)<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 9.双姫乱舞 (HJ文庫)感想
遺跡を巡った戦いは激化し、切り札として皇国の二人の超級職が投入され、遺跡では先々期文明の希望であったはずの決戦兵器が目覚める第七弾。今回はカルチェラタンを舞台にバトルの連続で、魔将軍ローガン戦では初めて召喚されたガルドランダにインパクトがありましたし、古代兵器アクラ・ヴァスター戦ではいろいろ明らかになる中でアズライトの見せ場もあって、何よりレイ自身も強敵相手の連続に協力しながら撃破してみせた熱い戦いは見事でした。しかしフランクリンの執着とローガンの噛ませ犬っぷりがあれでしたけど、今後の展開が楽しみですね。
読了日:03月27日 著者:海道左近
ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ (中公文庫)ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ (中公文庫)感想
大都市の夜にコミュニティーを形成し人に紛れている吸血鬼たち。怠惰な吸血鬼・十二が久しぶりに目覚めると、池袋のまとめ役・白猫が失踪しており、関係者の少女・遠夜が十二の下に転がり込でくる物語。白猫不在の状況で秩序の一角が失われ、六本木の三長老や新宿の女王などもその動静を探る中、遠夜を巡る抗争の激化に巻き込まれてゆく十二。ハードボイルドでアウトローな雰囲気のある世界観は著者さんらしくて、個性的なキャラたちもなかなか印象的でしたが、真相は明らかになったものの結末はやや消化不良な感も…続巻あるなら読んでみたいです。
読了日:03月28日 著者:あざの 耕平
2%のエース思考 - あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? -2%のエース思考 - あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? -感想
マッキンゼーやアップルの元人事本部長が世界に通用する働き方を明かす、社内でトップ2%のエースと呼ばれている人が持っている驚くほど共通する仕事の基準。「エースとは、自律した人間である」学歴や才能、企業規模も関係なくどんな組織にも2%のエースがいて、そういった人たちが大切にしている学び続けることの大切さや仕事に対する考え方、コミュニケーションの重要性など11原則を説いた一冊で、考え方としては特に目新しいことが書いてあるわけではなかったですが、仕事をする上で何を意識すべきか考えてみるいいきっかけにはなりました。
読了日:03月28日 著者:小杉 俊哉
精霊幻想記 13.対の紫水晶 (HJ文庫)精霊幻想記 13.対の紫水晶 (HJ文庫)感想
ベルトラム王国軍と勇者・留依相手に圧倒的な力を見せシャルルを捕虜としたリオ。仲間たちと共にガルアーク王国に到着したリオに勇者・坂田が挑戦する第十三弾。圧倒的な戦いぶりに勇者以上の存在として高まるリオの名声と、ヒロインたちの注目を集める様子が面白くない勇者の坂田。我慢できずに勇者の力でリオに模擬戦に挑んだ坂田でしたけど、この結果は相手が悪かったというか仕方ないですよね。レイスやルシウスの暗躍によって急展開を迎えるわけですが、これもリオの活躍でヒロインたちのハートをガッチリ掴みそうな予感しかしないです(苦笑)
読了日:03月28日 著者:北山結莉
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 8 (HJ文庫)魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 8 (HJ文庫)感想
<アーシエル・イメーラ>という祭りに向けて浮かれた空気が漂う街の様子。祭りを知らず右往左往するザガンとバルバロス、そして再び事件が巻き起こる第八弾。サガンたちのために部下が密かにお祝いの準備を進める一方で、なぜか黒猫の姿になってしまい何者かに追われる黒花。そんな状況で脳天気にも遊びにくるステラとアルシエラ。黒花を巡る複雑な過去の因縁も明らかになっていって、それでも支え助けてくれる仲間の存在は本当に大きいですね。転機を迎える中で垣間見えた関係の変化が微笑ましくて、不穏な兆候もありましたけど続巻が楽しみです。
読了日:03月29日 著者:手島史詞
異世界食堂 5 (ヒーロー文庫)異世界食堂 5 (ヒーロー文庫)感想
先代の頃より三十年間、「向こう」の客を絶品料理でもてなしていた『異世界食堂』が『異世界料理のねこや』として新装開店する第五弾。新刊は久しぶりな気がしましたが、前巻出たのは17年の6月でしたか。相変わらず美味しそうな料理の数々が食べたくなりますが、食堂での交流をきっかけに帝国と砂の国の関係が変わってゆく様子だったり、意外な形で繋がってゆく人間関係や、登場人物たちが異世界食堂を知るきっかけとなるエピソードは今回も味わい深かったです。アレッタやクロはすっかりお店に欠かせない店員になりましたね。また続巻に期待。 
読了日:03月29日 著者:犬塚 惇平
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」感想
進級式と親睦会を終えた貴族院で、ローゼマインの新たな一年が本格化。早速始まった講義ではエーレンフェスト二年生の「全員一発合格」を目指し、図書委員の仲間探しに奔走する第四部第六弾。講義の一発合格を目指す二年生と今年の一年生との違いを描きながら、神具を作って神事をやってみせたり、図書委員の仲間を増やしていく過程で、またもや期せずして出来てしまう王族との新たな関わり。採集場所に出現した魔獣討伐に挑むことになったり、ローゼマイン自身にはそんな気なくても、周囲の方も大変というかこれは成長せざるをえないですね(苦笑)
読了日:03月30日 著者:香月美夜
僕は何度も生まれ変わる2 (角川スニーカー文庫)僕は何度も生まれ変わる2 (角川スニーカー文庫)感想
同じ顔をした女に毎回18歳で何度も殺された5度目の人生。帝国東征元帥アンゼリカを退けた魔王の庶子・ロワが、暴虐無道の帝国に抵抗する連合軍の総帥として反撃に転ずる第二弾。時には不測の事態に直面しながらも、巨人族亜人、傭兵たちとバラバラだった国々と種族間を調整しつつ、逆襲に転じていく流れはファンタジー戦記としても熱い展開。たくさんの大切なものができてゆくロワの成長と希望が感じられた先にあった衝撃の結末には愕然とさせられましたが、だからこそ迎える新展開がこれからどうなるのか、続巻が俄然楽しみになってきました。
読了日:03月30日 著者:十文字 青
僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転〈ゲームチェンジ〉 2僕専属のJK魔女と勝ち取る大逆転〈ゲームチェンジ〉 2感想
登校中に誘拐された進也。できそこないの早希の活躍を問題視し、次の試合で負けたら引退するよう命令してくる「時の魔女王」に、実力を証明するために二人で受けて立つ第二弾。時の魔女王との約束で出場レースに負けられなくなった進也と早希。双子の魔女・柚羽と桃乃との出会いや時の魔王女と戦の魔王所を巡る因縁もあったりで、今回は迂闊な行動も多かった進也にヤキモキする早希の姿は微笑ましかったですけど、多くのものを賭けた関東城西鉄道杯はギリギリな戦いの連続で今回もなかなか熱かったです。そんな二人がどこまで行けるのか続巻に期待。
読了日:03月31日 著者:六升六郎太
イシイカナコが笑うならイシイカナコが笑うなら感想
いい先生として同僚にも羨望の眼差しを送られる教師・菅野。醒めた内心と虚像のギャップに苦しむ彼の前に、かつて自殺した同級生の幽霊・イシイカナコが現れる物語。イシイカナコから持ちかけられる「人生やり直し事業」と二人で飛ぶ17歳の自分が生きる時間軸。そこでまさかの同級生と入れ替わって、生前の石井可奈子や高校時代の自分と関わってゆく展開はなかなか面白いアプローチで、ほろ苦い真実に葛藤しながらも逃げずに向き合ったそのありようと、「やり直しはできないが、失敗が許されないわけではない」 という言葉がとても印象的でした。
読了日:03月31日 著者:額賀 澪

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