読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

まだ1巻限定!これからに期待のラブコメラノベ10選

何かこれだ!と思った作品が出るたびに触発されて企画を作っているような気もしますが、とりあえず 「超高度かわいい諜報戦」はやばいです。「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」はしばらく刊行が空いてましたけどイラストがはねことさんに変更になったそうで、心機一転また伸びて欲しいシリーズです。「隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた」は珍しい理系大学生もの。そんなあたりをおススメしたくて作った本企画ですが、まだ1巻しか出てないけれど今後に期待できるシリーズを集めたので気になる本があったら読んでみて下さい。

 

1.超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~ (MF文庫J)

高校生で秘密諜報機関を指揮する天才少女・橘黒姫。初恋のために組織の力を濫用し、超高度な諜報技術で接触を図ろうとする彼女と、とある秘密を抱え平凡な男子生徒を装う初恋相手・凡田純一、暗殺少女・芹沢明希星のトライアングルスパイ・ラブコメ。初恋を拗らせて空回りする乙女な黒姫に、事情を知らないゆえに疑心暗鬼に陥ってゆく凡田、情報を得るため密かにアプローチを命じられた明希星。客観的状況を認識できない三者三様のすれ違いには笑ってしまいましたが、遭遇した事件から二転三転した結末の先を早く読みたくなる期待の新シリーズです。

 

2.お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)

藤宮周が一人暮らしするマンションの隣室に住む学校で一番の美少女・椎名真昼。特に関わり合いのなかった彼女とふとしたきっかけから交流が始まる青春小説。雨の中ずぶ濡れの彼女に貸した傘をきかっけに、自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて食事を作り部屋を掃除し、何かと世話を焼く真昼。自分だけが知るクールで毒舌な彼女と過ごす日々に少しずつ心境が変化してく周と、家の事情を抱えていそうな彼女との関係がどうなるのか。現時点ではまだまだこれからですけど、もどかしい甘酸っぱい展開を期待できそうで今後が楽しみな新シリーズですね。20年4月に2巻目刊行。

 

3.隣の女のおかげでいつの間にか大学生活が楽しくなっていた (角川スニーカー文庫)

友人もおらず一人で勉学に励む大学三年生・佐々木健斗。そんな彼の隣の席に突然伊藤奈月が居座るようになり、彼女の存在により健斗の日々が変わってゆく青春小説。意外とぐいぐい来る奈月に女性に不慣れな健斗は押されっぱなしで、勉強を助け合ったり愚痴を言い合いながら、ゆっくりと確実に縮まってゆく二人の関係。不器用だけれど何だかんだで優しい健斗を見ていたからこそ、不安を抱える彼女も彼に歩み寄れたんでしょうね。もう少し時間が必要そうな二人を見守りたい展開ですが、もう一人のヒロイン神崎さんの存在が気になるところではあります。

 

4.塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い (ガガガ文庫)

塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い (ガガガ文庫)
 

高嶺の花で誰に対しても塩対応な佐藤こはると、誰に対しても優しい押尾颯太。初々しくてもどかしい高校生二人の初恋物語。告白されても話しかけられても実はコミュ障で塩対応のこはる。そんな不器用な彼女が想い人に近づきたい一心で頑張って颯太だけに見せる様々な可愛い表情があって、彼女をフォローしようと頑張る颯太もいちいちカッコ良くて、そんなじれじれ初恋両片想いな二人の破壊力がスゴイですね。勘違いからすれ違いかけたり大きな壁が立ちはだかったりしても、勇気を出して前に一歩踏み出した二人の今後がとても楽しみな新シリーズです。20年4月に2巻目が刊行。

 

5.俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)

俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)

俺の女友達が最高に可愛い。 (GA文庫)

 

高校入学時に知り合った趣味ピッタリ相性バッチリな中村カイと学年一の美少女・御屋川ジュン。ゲームに漫画トーク、アニソンカラオケ、楽しすぎていくらでも一緒に遊んでいられる二人の関係を描くピュアフレンド・ラブコメ。放課後はカイの家に入り浸って多趣味を全力で楽しむとか、傍から見たらイチャイチャしてるようにしか見えなくても、堂々と友達宣言しちゃう二人の強固な関係には誰も入り込めなくて、けれど何かあるとお互い真っ赤になってしまう二人の関係は一体何なのか?(苦笑)そんな盤石な二人に波紋を投げかけそうな最後の展開に期待。

 

6.今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 (MF文庫J)

丘の上の七河公園で再会した幼馴染の妹・双原灯火。「流宮の氷点下男」と呼ばれる冬月伊織と、「自称・先輩を慕う美少女」の灯火の大切な人を取り戻そうと願う不器用な二人の物語。住む町に伝わる星の涙の都市伝説と、翌日からあざとく伊織に付きまとうようになった灯火の真意。幼馴染の妹とのあざといラブコメ展開はものの見事に裏切られて、伊織の苦い過去を絡めながら明らかになる不穏な状況があって、大切なものを諦められない灯火に真正面からぶつかってみせた伊織の想いと、二人で乗り越えた先に迎えた結末にはぐっと来るものがありました。

 

7.結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)

結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)

結婚が前提のラブコメ (ガガガ文庫)

 

母親から継いだ結婚相談所で婚活女子のサポートに奔走する「結婚できない人を結婚させる仲人」縁太郎。とある婚活パーティーで結衣と出会う婚活ラブコメ。エロ漫画家・牡丹、玉の輿を狙う元令嬢・カレン、究極のダメンズほいほいな保育士・まひるといった会員とも出会い、結婚に向き合えていなかったワケありな結衣も少しずつ変化してゆく展開で、単なる仲人と関係という関係にとどまらない、彼女たちのために奔走する縁太郎とヒロインたちの絆にはぐっと来るものがあって、縁太郎が応援する彼女たちの婚活の結末を最後まで見届けたいと思えました。

 

8.幼馴染が引きこもり美少女なので、放課後は彼女の部屋で過ごしている(が、恋人ではない!) (角川スニーカー文庫)

誰が見てもとびきり美少女だけど、怠け者で甘え上手な、筋金入りの引きこもりな幼馴染・如月唯花。高校生の三上奏太が放課後になると引きこもりな幼馴染の部屋を訪れる日々を過ごす青春小説。引きこもりの幼馴染を甘やかし過ぎなのでは…?とも思わなくもなかったですが、大好きな幼馴染のために日参する奏太と、大好きだけど引きこもりゆえ一線を引く唯花は二人の距離感にお互い敏感で、なのに唯花が時には無防備な姿を晒し、時にはギリギリまで攻めてくる中、理性を保って耐え続ける奏太がこれからどうするのか、今後に期待したいシリーズですね。

 

9.カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に懐かれています (角川スニーカー文庫)

クリスマス直前に彼女に浮気されて別れた大学二年生の羽瀬川悠太。そんな傷心の彼がサンタのバイトをしていた後輩・志乃原真由と出会う青春小説。いつの間にか懐いて勝手に家にまで上がり込んでくるようになった後輩・志乃原と、付き合いが長い友人ヒロイン・彩華、そして悠太を気にかける元カノの存在。三者三様のヒロインたちはそれぞれに事情があるようで、その妙に狭い人間関係の繋がりも地味に効いていますが、単純な恋愛模様にはならなさそうな彼女たちとの繊細な距離感や関係がこれからどう変わってゆくのか、続巻に期待の新シリーズですね。

 

10.痴漢されそうになっているS級美少女を助けたら隣の席の幼馴染だった (GA文庫)

満員電車で疎遠になっていた幼馴染の伏見姫奈を助けた高校二年生の高森諒。それをきっかけに学校ではすっかり人気者になっていた彼女と、少しずつ幼馴染としての関係を取り戻してゆく青春小説。ずっと同じクラスだったけど中高では疎遠になっていた二人の距離感。それがきっかけを得て、今までとはまた変わってゆくことに戸惑いを感じながらも、二人が絆を再び育んでいく展開はなかなか良かったですね。鳥越さんの存在も物語の構図として効いてましたけど、どこか詰めが甘い二人の関係がこれからどうなってゆくのか、タイトルで若干損している感もありますが今後が楽しみな新シリーズです。

 

今だからこそ読みたい!一般文庫15選

ということで勢いで作った今だからこそ読みたい!シリーズの最後、第四弾一般文庫編です。こちらもこれまであまりこれまでセレクトしてこなかった作品も含めつつ、印象に残っている15作品を選んでみました。以上四企画、今の時期しばらくは外出なども難しい判断を迫られる日々は続きそうですが、そんな状況の気分転換になれば幸いです。

 

1.どうかこの声が、あなたに届きますように (文春文庫)

地下アイドル時代に心身に深い傷を負い、鎌倉の祖母のもとでひっそりと生活を送っていた小松奈々子20歳。そこに突然現れたラジオ局ディレクター黒木から番組アシスタントにスカウトされる物語。母親に認められるために頑張っていたアイドル活動に挫折して、希望を失いかけていた奈々子が挑戦するラジオの世界。戸惑いながら始めた彼女が多くの人に支えられて成長し、切実な日々を生きるリスナーたちと交流を深めていって、何度か危機に直面しながらも、これまでの放送で積み重ねてきたみんなの力を合わせて乗り越えていくとても素敵な物語でした。

 

2.明るい夜に出かけて (新潮文庫)

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

 

あるトラブルがきっかけで大学を休学し、実家を離れて期間限定の自立を始めた富山。人に言えない葛藤や臆病な自分に自信喪失気味だった彼が、バイトするコンビニで印象的な人たちと出会う青春小説。バイトリーダーの鹿沢や同級生の氷川、同じラジオ番組のヘビーリスナーの女子高生・佐古田たちと出会い、繋がっていくことで少しずつ変わってゆくその心境。誰しも不器用な一面があって、上手くいくことばかりでもなくて、けれどそんな彼らとの関わりから生まれる様々な出来事が、前へ進むきっかけに繋がってゆく展開にはぐっと来るものがありました。

 

3.騙し絵の牙 (角川文庫)

騙し絵の牙 (角川文庫)

騙し絵の牙 (角川文庫)

  • 作者:塩田 武士
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 文庫
 

大手出版社で雑誌編集長を務める速水。上司の相沢から自身の雑誌の廃刊を匂わされたことをきっかけに、組織の思惑に翻弄されながらも懸命に抗う物語。作中では出版業界の厳しい状況が端的に描かれていて、部下や上司に振り回され大規模リストラや社内他誌の廃刊に直面したり、さらには家庭不和まで顕在化して、どんどん追い詰められてゆく速水。一方で出版界の新たな可能性の模索もあって、絶望しか見えなかった先にあった思わぬ展開には驚かされましたが、一見輝ける未来を手にしたかに見えた彼が直面する何とも皮肉な結末がとても効いていました。

 

4.私を知らないで (集英社文庫)

私を知らないで (集英社文庫)

私を知らないで (集英社文庫)

  • 作者:白河 三兎
  • 発売日: 2012/10/19
  • メディア: 文庫
 

転校を繰り返して無難に生きることを覚えてしまった慎平と、クラスで孤立していたキヨコ、そんな彼女を救おうとしながらも、引きこもりになってしまった高野の物語。頭では冷静に計算しつつもキヨコが気になって仕方ない慎平は、彼女を知るたびに惹かれていって、でもおじさんがキヨコを訪ねてきたことでどこか予感できた結末。苦境に陥ったキヨコを救うには中学生はあまりにも無力で、ただ「普通になりたい」という彼女の思いを叶えるために、もっと上手く立ちまわることもできたのに、そうしなかった慎平の決断には、泣きたくなってしまいました。

 

5.赤と白 (集英社文庫)

赤と白 (集英社文庫)

赤と白 (集英社文庫)

  • 作者:櫛木 理宇
  • 発売日: 2015/12/17
  • メディア: 文庫
 

地方の豪雪地帯の閉塞感を日々感じながら、親との関係があまりうまくいっていない女子高生4人が、些細な選択の積み重ねからどんな結末を迎えることになったのかという物語。この年頃は理不尽な親の物言いにどうしようもない無力感を感じるものですが、それでも決断すべき時に決断することで変わることもあるし、その時流されることでより悪くなることもある。最初に起こった事件記事が書かれているのですが、物語として描かれていた過程は思っていた以上の女の子たちのリアルなやりとりで、その生々しい感情にドキッとさせられました。

 

6.ずっとあなたが好きでした (文春文庫)

ずっとあなたが好きでした (文春文庫)

ずっとあなたが好きでした (文春文庫)

 

バイト先の女子高生との淡い恋、転校してきた美少女へのときめき、年上劇団員との溺れるような日々、集団自殺の一歩手前で抱いた恋心、そして人生の夕暮れ時の穏やかな想いが綴られてゆく恋愛小説集。年齢や状況もバラバラな恋の行方と意外な結末。最初は普通の恋愛小説ではあまりない展開で新鮮だなあと思いつつ読んでましたが、途中から読んでいてうん?となって、だんだんその違和感に気づいて、最後でやられた!となりました。一気読みするには分厚いですが、その分手応えを感じた一冊で巻末の解説も必見。それにしても懲りていない結末には苦笑いでした。

 

7.希望が死んだ夜に (文春文庫)

希望が死んだ夜に (文春文庫)

希望が死んだ夜に (文春文庫)

  • 作者:涼, 天祢
  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: 文庫
 

同級生春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された14歳の女子中学生・冬野ネガ。彼女は犯行を認めたものの動機は一切語らず、神奈川県警捜査一課・真壁と生活安全課・仲田がコンビで事件解決に挑む社会派青春ミステリ。なぜお嬢様だったのぞみが貧困母子家庭の少女・ネガ殺されたのか。周囲に聞き込みをしてもなかなか見えてこない彼女たちの接点と動機。けれどある情報をきっかけに事件の構図もガラリと様相を変えて、過酷な環境でもささやかな夢に希望を見出そうとした少女たちが踏みにじられ、絶望を突き付けられる理不尽さに胸が痛くなりました。

 

8.プラネタリウムの外側 (ハヤカワ文庫JA)

プラネタリウムの外側 (ハヤカワ文庫JA)

プラネタリウムの外側 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:早瀬 耕
  • 発売日: 2018/03/20
  • メディア: 文庫
 

有機素子コンピュータによる会話プログラムの共同研究者を失い何も手につかなくなった南雲助教と、列車に轢かれて亡くなった元恋人の会話を再現しようとする学部生の佐伯衣理奈。そんな前に進めない二人が巡り合う連作短編集。会話プログラムとのやりとりを交えつつ繰り広げられる、共同研究者、契約社員、元恋人、そして南雲と衣理奈のエピソード。概念自体はやや難解でしたが、理系らしい合理思考と割り切れない情念のせめぎ合いの中で変化してゆく不器用な人間模様はとても優しくて、そんな彼らが迎えた結末はなかなか心に響くものがありました。

 

9.女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

 

自分の目の前で幼馴染・歩巳が暴漢に襲われ姿を消した事件をきっかけに、棋士を諦めたかつての天才少年棋士・香丞。高校で美貌の女流棋士として再会した彼女が再び何者かに襲われ、その事件の真相を追う将棋ミステリ。コンピューター将棋が棋士に勝つのが当たり前になった近未来が舞台。謎解きのアプローチにいくつか後出し設定もあったのは少し気になりましたが、棋士を目指すもう一人の幼馴染・桂花も交えた三角関係の機微や、コンピューター将棋の考察も絡めながらたどり着いた結末の意味にはなるほどと納得してしまいました。面白かったです。

 

10.サラの柔らかな香車 (集英社文庫) ※2巻まで刊行

サラの柔らかな香車 (集英社文庫)

サラの柔らかな香車 (集英社文庫)

  • 作者:橋本 長道
  • 発売日: 2014/09/19
  • メディア: 文庫
 

プロ棋士の夢破れた瀬尾が金髪碧眼の日系ブラジル人の少女サラに出会い、彼女に将棋の才を見出して将棋を教えるところから始まる物語。将棋のプロになれなかった場合の厳しい現実も描写されていますが、何より波はあるものの時折驚異的な才能の発露を見せ、周囲の人たちの人生に少なからず影響を与えながら、言語能力に乏しくてほとんど会話にならないサラの特異性が際立っていました。澱んだ将棋へのこだわりに縛られた人たちの想いを、将棋の対局を通して変えていくサラが、そして彼女の将棋が今後どうなっていくのかとても気になる物語でした。

 

11.神の値段 (宝島社文庫)

神の値段 (宝島社文庫)

神の値段 (宝島社文庫)

 

人前には一切姿を見せない前衛芸術家・川田無名。唯一繋がりがあったギャラリー経営者永井唯子が殺され、アシスタントの佐和子が犯人や無明の居場所、最後に残された作品の謎を探るべく動き出す物語。唯子の突然の死によってその後始末に奔走する佐和子、事件後も見つからないまま生死すら不明の無名、彼が1959年に描いた作品が今売りに出される意味。殺人事件自体の真相はわりとありふれていましたが、それ以上に新しい事実が判明する度にガラリと変わってゆく登場人物たちの印象、作中で語られる芸術家のありようや作品に対する考え方はとても面白かったと思いました。

 

12.次回作にご期待下さい (角川文庫) ※2巻まで刊行。

次回作にご期待下さい (角川文庫)

次回作にご期待下さい (角川文庫)

 

仕事に追われる月刊漫画誌の若き編集長で苦労人の眞坂崇とトンデモ天才漫画編集者・蒔田が、漫画バカの編集者たちや漫画に命をかける漫画家たちとともに日常のお仕事に潜む謎を解き明かしてゆくお仕事小説。落とし物をきっかけに出会ったビルの夜間警備員・夏目の謎、打ち切りに悩む漫画家とのやりとりやヘッドハンティング、そして盗作疑惑の真相など、漫画雑誌はほんと大変な仕事なんだなと実感させる一方で、それでも登場人物たちが面白い漫画を作りたいという想いからぶつかり合うなかなか熱い作品でした。

 

13.四月一日(わたぬき)さんは代筆屋 (宝島社文庫)

四月一日(わたぬき)さんは代筆屋 (宝島社文庫)

四月一日(わたぬき)さんは代筆屋 (宝島社文庫)

  • 作者:桜川 ヒロ
  • 発売日: 2018/10/04
  • メディア: 文庫
 

『筆の都』と呼ばれるところにある代筆屋。四月一日(わたぬき)さんというふくよかで可愛らしい男性の元を訪れる様々な人たちの物語。結婚を前にわだかまりを残した両親への手紙や、すれ違ってしまった年上の幼馴染に対する変わらぬ想い、孫にあてた入学祝いの手紙や就職活動の履歴書など、それぞれのエピソードには意外な事情もあって、個別の話かと思ったら思わぬ形で繋がりも見えてきたりで、代筆するだけでなくさりげなく軌道修正しながら最善へと導いてゆく訳ありな四月一日さんの仕事ぶりと、後日談的なエピソードがとても素敵な物語でした。

 

14.少女は鳥籠で眠らない (講談社文庫)

少女は鳥籠で眠らない (講談社文庫)

少女は鳥籠で眠らない (講談社文庫)

 

法律事務所に務める新米弁護士木村と有能な先輩・高塚のコンビが挑む連作リーガル・ミステリ。15歳の少女に手を出したとして逮捕された元家庭教師、中退した元同期の覚悟、浮気され離婚を望む男が親権を望んだ理由、そして高名な芸術家と娘の関係の4話からなる構成で、最初は一見よくあるありふれた事件に思えますが、それが性格の違う弁護士コンビによる別視点からのアプローチによって、もうひとつの構図を浮かび上がらせてゆく構成となっていて、事件決着後に木村が垣間見るほろ苦くもなかなか味わいのある結末がとても印象的な物語でした。

 

15.捕食 (創元推理文庫)

捕食 (創元推理文庫)

捕食 (創元推理文庫)

  • 作者:美輪 和音
  • 発売日: 2017/08/31
  • メディア: 文庫
 

つらい過去があり男性が苦手な真尋と、彼女と知り合い急速に距離を縮めるいづみ。彼女と一緒なら自分は変われると信じていたはずの真尋に不審が芽生え、いづみの謎多き過去を追うサスペンスミステリ。過去を追う過程で明らかになってゆく、似た境遇だった彼女の選択とその周囲で姿を消してしまった人たち。何かあるたびにハナカマキリのように脱皮を繰り返してきた彼女がなり得たものは何だったのか。やや詰め込み過ぎた感もありましたが、ぐいぐい読ませる展開の末に迎えるいろいろ想像できてしまうエピローグは、この物語らしい結末に思えました。

 

以上です。気になる本があったら是非読んでみて下さい。

今だからこそ読みたい!ライト文芸15選

ということで第三弾ライト文芸編です。一般文庫とライト文芸で一本作ろうと思ったのですが、選んでみたら一本ずつ作れそうなので別に作りました。先の2つもそうですが、いつも選んでいるのをセレクトすると目新しさがないので、あまりこれまでセレクトしてこなかったけれど、印象に残っている作品を選んでみました。違う視点から考えると意外と新鮮ですね。一般文庫編もセレクト自体はしてあるので、整理して更新します。

 

1.青の数学 (新潮文庫nex) ※2巻まで刊行。

青の数学 (新潮文庫nex)

青の数学 (新潮文庫nex)

 

数学オリンピックを制した女子高生・京香凜と、雪の日に偶然出会った高校生の栢山。「数学って、何?」と問いかける彼女に意識され、それに触発されるように栢山もまた数学にのめり込んでゆく青春小説。若き数学者が集うネット上の決闘空間「E2」。そこで他校のライバルたちと出会い競う中で、香凜に対する答えを探す栢山。立ち位置が違う友人たちや考え方が異なるライバルたちと対比させながら、理由も分からないままひたむきに数学に向き合い続ける栢山の姿はとてもまっすぐで、ここから物語として広がっていきそうな今後の展開が楽しみですね。

 

2.ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

  • 作者:葦舟 ナツ
  • 発売日: 2017/03/25
  • メディア: 文庫
 

突然見知らぬ女性に三つの質問を問いかけられた雪の日。誰も好いたことがない掛橋啓太が問いかけた大野千草と夫婦になり、平穏な彼女との生活の中で過ぎ去った過去の日々を追憶させてゆく物語。お互いの過去を知らないまま三つの質問という契約によって夫婦になった二人。引きこもりの兄と共依存関係にあった母との辛い過去。徐々に惹かれ合っているのを自覚するがゆえに、じわじわと重くのしかかってゆく三つ目の質問。それぞれが抱える壮絶な過去も二人でなら乗り越えられると思えただけに、淡々と綴られたその不器用な結末には衝撃を受けました。

 

3.ななもりやま動物園の奇跡 (メディアワークス文庫)

ななもりやま動物園の奇跡 (メディアワークス文庫)

ななもりやま動物園の奇跡 (メディアワークス文庫)

  • 作者:上野遊
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 文庫
 

別居中の妻を事故で亡くし、高校生の一人娘・美嘉との関係は冷えきったままの不動産屋社長・幸一郎。そんな時3人の思い出の動物園が閉園危機にあると知り、美嘉の笑顔を取り戻すため何の知識もないまま動物園再建を決意する物語。最初は家族のためだったはずが、いつの間にか仕事一辺倒の状況にすれ違ってしまった関係。一縷の望みを託し動物園再建へ奔走してしまう幸一郎は本当に不器用だと思いましたが、その苦難にも諦めず立ち向かう姿に周囲も協力してくれて、どうにか修復に向けた一歩を踏み出せたことにとても温かい気持ちになれました。

 

4.モノクロの君に恋をする (新潮文庫nex)

モノクロの君に恋をする (新潮文庫nex)

モノクロの君に恋をする (新潮文庫nex)

 

浪人覚悟で受験した大学に合格した小川卓巳が、加入した奇人変人揃いの漫画サークルで運命的な出会いを果たした新入生・天原と再会する青春小説。将来もマンガに関わっていきたいと考える卓巳が出会った漫画家を目指す訳ありな先輩たち。彼らが作り出す濃い空間にどんどん溶け込んでゆく天原と卓巳。触発されてマンガを書き始めたり天原と二人で出かけたり、いい雰囲気になりかけたのに全てがぶち壊される急展開にはぐいぐい読ませるものがあって、追いかけたはずなのになぜか追い込まれた卓巳が本音をぶちまける熱い展開はとても面白かったです。

 

5.三日月邸花図鑑 花の城のアリス (講談社タイガ)

三日月邸花図鑑 花の城のアリス (講談社タイガ)

三日月邸花図鑑 花の城のアリス (講談社タイガ)

  • 作者:白川 紺子
  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: 文庫
 

父が亡くなったことで、大名庭園を敷地内に持つ三日月邸を相続し、探偵事務所を開業した八重樫光一。そんな事務所を訪れた不思議な少女・咲に出会い三日月邸を巡る謎に迫る和風ファンタジー。「庭には誰にも立ち入らないこと」という亡父の謎の遺言。咲と踏み入った庭で出会った人々の悔恨と、彼らのためにそれを解消してゆくお人好し探偵・光一。八重樫家とは険悪の仲と聞いていた牧家の兄妹たちとの出会いがあって、明かされる過去や庭園の真相には切ない気持ちになりましたが、光一と不器用な牧兄妹たちのやりとりが妙にツボにハマる物語でした。

 

6.向日葵ちゃん追跡する (新潮文庫nex)

向日葵ちゃん追跡する (新潮文庫nex)

向日葵ちゃん追跡する (新潮文庫nex)

  • 作者:羊, 友井
  • 発売日: 2016/08/27
  • メディア: 文庫
 

ストーカー対策員原向日葵19歳。実は元ストーカーの過去を持つ彼女が、接近禁止を言い渡された元恋人を殺人現場で見かけてしまい、再び運命が動き出すほろ苦青春ミステリー。容疑者とされた彼の無実を何とか証明したいと思うものの、すれ違いの結果として接近禁止になった過去から行動を制限されている向日葵。頭では理解していても強い想いに揺れる彼女の複雑な葛藤が痛いほど伝わってきて、その自らの思考に向き合うことが事件解決の伏線に繋がってゆく皮肉な結末でしたけど、前に進むことを決意した彼女の幸せを願わずにはいられませんでした。

 

7.蝶が舞ったら、謎のち晴れ (新潮文庫nex)

天気予報が大嫌いな気象予報士菜村蝶子と、腐れ縁で蝶子がデイトレ探偵と揶揄する幼馴染右田夏生の元に舞い込む、ささやかで奇妙な依頼の数々。降らなかったはずの雨や半世紀以上前の雷探しなど、二人がああだこうだ言い合いながら挑む謎は、お天気絡みであると同時に誰かを想う気持ちを解き明かすことでもあり、雨上がりのような清々しい気分になれる読後感でした。毎回無愛想で気象解説が意味不明、夏生への皮肉まで織り込んでくるバタフライ蝶子、最初は彼女に振り回されながらも名コンビになってゆく女子アナの二人による天気予報は必見です。

 

8.木崎夫婦ものがたり (富士見L文庫)

著名な作家を父に持つ文筆家の島田ゆすらと、偶然出会った木崎修吾の電撃結婚。父の残した家で共同生活を始めた新米夫婦の日々が綴られてゆく物語。不安定だったゆすらと優しい木崎の美味しいものを食べたり、のんびりと寄り添うような夫婦生活。一方で作家としての自分のありように苦悩するゆすらのこと、作家だった父やふらりと家を出た弟の存在だったり、複雑な想いを抱く幼馴染・崇の存在もあったり、もしかしたらの可能性に切なくなりつつも、夫婦として作家として生きてゆくことにきちんと前向きになれた結末にはぐっとくるものがありました。

 

9.原之内菊子の憂鬱なインタビュー (小学館文庫キャラブン!)

崖っぷち編プロ「三巴企画」の戸部社長と桐谷が弁当屋で見出した原之内菊子。その顔を見た者は自分語りが止まらなくなってしまう特殊能力を活かして、インタビューとして働くお仕事小説。引き出される本音ダダ漏れのインタビューに悪戦苦闘しながらも可能性を感じる桐谷と、自らも苦悩しながらそこに居場所を見出してゆく菊子。苦い過去を積み重ねてきた彼女が特殊能力によってもたらされた事態の重さに逃げ出して、それでもそんな彼女が必要だと追いかけてきた二人や周囲の人たちに認められ、乗り越えてゆく優しい結末はなかなか良かったですね。

 

10.終わりの志穂さんは優しすぎるから (メディアワークス文庫)

東京のはるか南に位置する咲留間島。夏の間に画家として納得できる作品を描けなければ、筆を折ってこの島に骨を埋めようと覚悟して絵を描く森公一朗が、ミステリアスな雰囲気を持つ志穂さんと出会うひと夏の物語。なぜこのような場所にいるのか、いかにも訳ありに見える志穂さんと、島にやってきた志穂の妹・紫杏たちと交流しながら絵が完成に近づいていく一方、疑惑を深めていく公一朗が見つけてしまったモノの真実。できることなら二人がもっと違う形で出会うことができれば良かったですが、これはこれでこの物語らしい優しい結末だと思いました。

 

11.逆転ホームランの数式 (メディアワークス文庫)

仕事にのめり込んで家族に愛想を尽かされた元エリート社員の八雲。野球少年の息子と元妻に再び認めてもらうため、野球経験なしの身から初戦敗退の秋上高校野球部の監督に就任し、転落の元エリートと弱小野球部が奇跡を起こす物語。最初は気持ちも分からず最悪だった部員たちとの出会い。そこから彼らと向き合いながら進めていった、データに基づく合理的な練習と意識改革。興味深い練習に八雲や部員たちの葛藤やそれぞれの想いもあったりで、八雲の息子もいる横道学院との練習試合で果たしたひとつの決着にはなかなかぐっと来るものがありました。

 

12.推定失踪 まだ失くしていない君を (集英社オレンジ文庫)

外務省のグレーゾーンな仕事を引き受ける外交官として働く桐島に宛てて、東南アジアの国・ビサワンで働く元恋人・亜希から謎めいたメールが届き、失踪した彼女を探すためビサワンへ飛ぶ物語。子供兵士の救済を目的とした国際NGOで働いていた亜希の失踪を探るうちに、ビサワンを巡る政情不安な状況に巻き込まれてゆく桐島。各国間の事情や利害関係に振り回されても諦めずに活路を見出そうとする中で、謎めいた彼女の過去も明らかになっていって、何ともやるせない結末でしたけど、最後まで真摯であろうとした彼女のありようはとても印象的でした。

 

13.少女手帖 (集英社オレンジ文庫)

少女手帖 (集英社オレンジ文庫)

少女手帖 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者:紙上 ユキ
  • 発売日: 2017/09/20
  • メディア: 文庫
 

周囲に迎合しグループ内で平穏に生きていくことに全力を傾けてきた女子高生の小野ひなた。ある日、憧れの同級生結城さんに誘われグループの約束をドタキャンしたことで周囲から孤立してしまう青春小説。これまで無難に生きることに心を砕いてきたはずが、偶然結城の秘密を知り興味を抱いたことで結果的に失った自分の居場所。息苦しい狭い世界でどう生きるのかというお話でしたけど、焦燥を募らせていた彼女が姉や師匠、結城さんなど、たくさんの人と話し合い悩みながらもこれまでの自分を省みて、大切なことを見出してゆく姿はとても印象的でした。

 

14.即興ワルツ 青遼競技ダンス部の軌跡 (富士見L文庫)

即興ワルツ 青遼競技ダンス部の軌跡 (富士見L文庫)
 

問題を抱える実家から抜け出し大学で一人暮らしを始めた成島拓海が、懇親会で出会った同級生橋本秋帆によって競技ダンス部に勧誘される物語。高身長の秋帆に釣り合う存在として190cmの大柄なポテンシャルを見込まれ、とりあえず夏までと嫌々ながら始めた拓海。物語はそんな彼が多くの人との出会いや秋帆のことを知ってゆくうちに競技ダンスの楽しさに目覚めてゆく王道展開で、パートナーと向き合う大切さだけでなく、チーム競技でもある競技ダンスの面白さがひしひしと伝わってくる爽やかな青春小説でした。

 

15.そして僕らはいなくなる (講談社タイガ)

そして僕らはいなくなる (講談社タイガ)

そして僕らはいなくなる (講談社タイガ)

 

優等生の「着ぐるみ」をかぶって生活する高校生・宗也。帰宅の遅い幼馴染を捜しに出かけ事故に遭った宗也は断片的な幻覚に襲われるようになり、クラスで孤立する志緒と謎を追う青春ミステリ。不可思議な幻覚を共有した志緒と関わり、事件の真相を追ううちに少しずつ変わってゆく宗也の日常や心境。誰もが複雑な思いを抱える登場人物たちの心理描写は繊細で、幻覚を頼りに迫った事件の意外な真相は明示されないまま推測するに留まりましたが、それでもぐいぐい読ませる緊張感のある展開と、彼らが迎えた悪くない結末には充実した読後感がありました。

 

以上です。気になる本があったら是非読んでみて下さい。

今だからこそ読みたい!ラノベ青春小説15選

前回に引き続き連続企画ということで第二弾ラノベ青春小説編です。ファンタジー作品と同様あえて完結していない作品もセレクトしていますが、それによってその作品の持っているパワーや魅力は十分感じられると信じています。基本的に過去作品ですので、別に電子書籍を推進しているわけではないですがBookWalkerのリンクも記載しています。読み放題の対象商品もありますので参考にしてみて下さい。 

 

1.君死にたもう流星群 (MF文庫J) ※現在5巻まで刊行

君死にたもう流星群 (MF文庫J)

君死にたもう流星群 (MF文庫J)

  • 作者:松山 剛
  • 発売日: 2018/05/25
  • メディア: 文庫
 

ほぼ全ての人工衛星が落下した大流星群から三年。たった一人の犠牲者・天野河星乃を救うため、全てを諦めかけていた平野大地が希望を見出し運命に抗う物語。宇宙飛行士だった両親の夢を追いかけていた星乃。コスパ重視だった人生も彼女を失いやる気をなくしていた大地。希望を見出すものの思うようにうまく行かなくて、それでも大切なものを取り戻すという熱い決意を胸に、危機になりふり構わず奔走して、醒めていた大地自身もまた変わってゆく展開はテンポも良くて、変化したことがこれからどう影響していくのか、非常に楽しみな新シリーズですね。

https://bookwalker.jp/series/162204/list/

 

2.ぼくたちのリメイク (MF文庫J) ※本編7巻+別巻1巻まで刊行

しがないゲームディレクターで会社は倒産、企画も頓挫して実家に帰ることになった橋場恭也。輝かしいクリエイターの活躍を横目にふて寝して目覚めると、なぜか十年前の大学入学時に巻き戻っていた青春リメイクストーリー。落ちたはずの大学に受かっていて憧れの芸大ライフ、さらにはシェアハウスで男女四人の共同生活。とはいえ同居人はそれぞれキラリと光るものを持っているのが垣間見えてしまう厳しい現実。これまでの経験を活かして存在感を出してもまだまだ試される状況は続きそうで、気になる人間模様も含めて続巻が楽しみなシリーズ。

https://bookwalker.jp/series/108079/list/

 

3.明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫) 全4巻

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)

明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 (電撃文庫)

  • 作者:藤まる
  • 発売日: 2013/02/09
  • メディア: 文庫
 

女子高生・夢前光の交通事故に遭遇し、自分の寿命の半分と引き換えにその生命を救った坂本秋月は、なぜか1日おきに光の人格と入れ替わる身体になってしまった物語。行動力のあるイタズラ好きな光がぐいぐい引っ張って、どんどん秋月の生活環境が変わっていくのが面白かったですね。後半は一転シリアスな展開で頑張るなあと思ったら、最後のあんまりなオチにずっこけてしまいました(苦笑)可愛い感じなのに残念な光に垣間見える真摯な思い、そして周囲を振り回す泣き笑いの絶妙なバランスはとても自分好みです。

https://bookwalker.jp/series/9076/list/

 

4.生徒会探偵キリカ (講談社ラノベ文庫) ※本編6巻+新章1巻-

生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)

生徒会探偵キリカ1 (講談社ラノベ文庫)

 

ふとしたきっかけから、巨大一貫校の莫大な予算を扱う生徒会に巻き込まれ、生徒会会計兼探偵のキリカと一緒に解決する生徒会探偵ミステリ。個人的にはミステリ部分よりもコメディ的な要素を期待して読んだので、キリカや生徒会長の狐徹といった生徒会の個性的で魅力的な面々とツッコミ役兼詐欺師のヒカゲの掛け合いも面白く、郁乃や朱鷺子ら脇役もいい味を出していました。またキリカとともに探偵役をこなす物語のもうひとつの軸となるミステリもまたなかなか効いていて、新章もスタートして今後も注目のシリーズですね。

https://bookwalker.jp/series/2732/list/

 

5.東雲侑子シリーズ (ファミ通文庫) 全3巻

東雲侑子は短編小説をあいしている (ファミ通文庫)
 

ひょんなことから兄の持っていた雑誌で、普段一緒に図書委員を務める東雲侑子が作家であることを知った英太は、長編を書くためにという理由で侑子から仮の男女交際を依頼される。英太はつかみ所のない侑子に戸惑うことも多かったようですが、その存在が英太の心境の変化をもたらし、恋愛感情のよく分からなかった侑子もまた、英太に徐々に惹かれていって、その不器用な距離感が何ともまた見ていてもどかしくて、そういった繊細な機微の描写や二人が成長してゆく姿はとても良かったです。

 

6.スーパーカブ (角川スニーカー文庫) ※現在6巻まで刊行

スーパーカブ (角川スニーカー文庫)

スーパーカブ (角川スニーカー文庫)

 

父親を亡くし母親が失踪、友達も趣味も何もない日々を送っていた山梨の高校に通う女子高生・小熊。そんな彼女が中古のスーパーカブに出会い、それをきっかけに世界が広がってゆく物語。奨学金で高校に通う慎ましい生活を送る子熊視点で淡々と綴られる、同じカブに乗る同級生の礼子と知り合ったり、カブを巡る様々な出来事に遭遇したり、これまで目を向けてこなかったものに気づいてゆく展開。著者さんの深いカブ愛を感じつつ、子熊らしい慎重なペースで、けれど確実に世界が広がっていてゆく様子がとてもいいですね。

https://bookwalker.jp/series/111403/list/

 

7.ピンポンラバー (ガガガ文庫)

ピンポンラバー (ガガガ文庫)

ピンポンラバー (ガガガ文庫)

 

日本全国から集まった卓球エリートがひしめく私立卓越学園。そこにかつて天才卓球少年と呼ばれた飛鳥翔星が入学し、完敗した一年生最強の女子・白鳳院瑠璃と組んで、その姉で自らの因縁の相手でもある学園最強の女子・紅亜に挑む青春小説。膝の重症を乗り越えかつて対戦した少女を探していた翔星と、紅亜を負かすことに執念を燃やす瑠璃の共闘関係。衝突しつつも勝ちたい一心でのめり込んでいく、身を焦がすほどに卓球を愛する二人が挑む熱い勝負はこれまで積み重ねてきた想いもカタルシスに繋がっていて、そんな物語の結末もまた効いていました。

https://bookwalker.jp/series/165163/list/

 

8.近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫) 全2巻

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

  • 作者:久遠 侑
  • 発売日: 2016/04/30
  • メディア: 文庫
 

母と二人で暮らす家で、同い年の遠い親戚の女の子和泉里奈と同居することになった高校生の坂本健一。彼女の出現によって様々な変化がもたらされてゆく物語。兄にコンプレックスを抱き他人との距離に悩む健一と、控えめながら女子校育ちで無防備な里奈。近過ぎるのにどこか遠い彼女を意識し友人たちに知られたくないと感じる健一に気づき、心穏やかではいられない幼馴染・由梨子。著者らしい繊細な心理描写がとても印象的で、遠回りしながらもあるべきところに落ち着いた結末には、三人が出会えて良かったと思える心地よい読後感がありました。

https://bookwalker.jp/series/67366/list/

 

9.友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫) 全2巻

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

  • 作者:園生 凪
  • 発売日: 2016/12/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

妙なこだわりで高校で友達ができない新藤大輔に、存在感のないクラスメイト澄田が持ちかけてきた困ったときに助け合う「友達いらない同盟」そんな同盟から始まる二人の物語。それぞれが複雑な家庭事情を抱えてはいるけれど、一見同じようでいてまるで対照的な新藤と澄田。グループから浮いた城ヶ崎も加わって三人で楽しそうに見えたのに、なぜか澄田が距離を置くようになってゆく危機的状況でしたが、本音で引き留めようとする新藤の提案はかなり無茶苦茶でしたね(苦笑)このレーベルでたまに出てくる不思議な魅力のある物語です。

 

10.ワキヤくんの主役理論 (MF文庫J) ※2巻まで刊行

ワキヤくんの主役理論 (MF文庫J)

ワキヤくんの主役理論 (MF文庫J)

  • 作者:涼暮 皐
  • 発売日: 2017/09/25
  • メディア: 文庫
 

高校入学を機に「主役理論」を掲げ夢の一人暮らしを勝ち取った我喜屋未那。彼が隣に住むクラスメイトで、バイト先も趣味嗜好も同じなのに真逆の「脇役哲学」を掲げる少女・友利叶と遭遇する青春小説。運命的出会いなのに相容れない天敵な二人が部屋の壁を壊してしまったことで始まる疑似同棲生活。脇役哲学がややしっくり来なかった感はありますけど、暑苦しくてやる気が空回る未那とやる気がないデキる女なのに振り回される叶が繰り広げる、いがみ合いながらも息の合ったやり取りが楽しかったです。

https://bookwalker.jp/series/131716/list/

 

11.恋してるひまがあるならガチャ回せ! (電撃文庫) ※2巻まで刊行

恋してるひまがあるならガチャ回せ! (電撃文庫)

恋してるひまがあるならガチャ回せ! (電撃文庫)

  • 作者:杉井 光
  • 発売日: 2018/03/10
  • メディア: 文庫
 

バイト代を全てスマホゲーに突っ込んでしまうガチャだけが生き甲斐の留年寸前大学生・遠野が、旧華族出身のガチお嬢様で廃課金ゲーマーの薗村紗雪と邂逅する廃課金ラブコメ。拗らせ過ぎて言動がキモい遠野と、そこまで突き抜けてないだけで負けず嫌いの廃課金ゲーマーな紗雪。一見まともに見える友人の樋沢も違う意味で残念なお人で、ラブコメよりもひたすらスマホゲーとガチャに突っ走る彼らの呆れ果てたやり取りには苦笑いでしたけど、だからこそ覚悟した遠野が見せた矜持とそのブレない熱い想いは良かったですし、二人の関係も興味深いシリーズ。

https://bookwalker.jp/series/156480/list/

 

12.きれいな黒髪の高階さん(無職)と付き合うことになった (GA文庫) 全2巻

サークルも幽霊部員と化して暇を持て余し気味だった京都の大学二年生・日之出。再起を期して潜り込んだ新歓コンパでミステリアスな年上ニートの高階さんと出会う青春小説。高階さんが言った「付き合って欲しい」の真意を確かめられないまま、ゆるゆるとした日々を共に過ごすうちに少しずつ心境が変わってゆく日之出。サークル仲間の祭利や彼が家庭教師を務めるJK彩乃も絡めた人間模様にはこれまで育まれてきた確かな関係があって、彼女たちとのドキドキ展開が恋愛に直結しなくても、これはこれで悪くない大学生活なのかなとか思ったりしました。

https://bookwalker.jp/series/181329/list/

 

13.ディスキャラ メグルくん (ファンタジア文庫)

リア充を呪い密かに不満を「ディスノート」に書き込んでいた陰キャラ廻裏メグルが、ラップ好きの陽キャラ美少女・燦心に秘密を知られ一緒にラップを始める青春ラブコメディ。ディスるのとラップに共通点あるのか…と思いながら読み始めましたが、二人が積み重ねてゆくラップを通じたやりとりには自分の好みを超えた妙にクセになる何かがあって、燦心にわだかまりを抱える陽菜を加えたラブコメ展開、そしてメグルをきっかけにラップの戦いを通じて二人が絆を取り戻してゆく展開にはぐっと来るものがありました。

https://bookwalker.jp/dee6fea18e-8901-4a7c-9105-ede5de4d6d31/

 

14.スカートのなかのひみつ。 (電撃文庫)

スカートのなかのひみつ。 (電撃文庫)

スカートのなかのひみつ。 (電撃文庫)

  • 作者:宮入 裕昂
  • 発売日: 2018/05/10
  • メディア: 文庫
 

同級生の八坂幸喜真に触発された女装男子の天野翔が、彼のプロデュースで女装に目覚めたメアリーと共に女装アイドルを目指す青春小説。病院にいる「あの子」のために女装アイドルを目指すことになった天野翔視点と、丸井宴花との出会いから人生が変わってゆく広瀬怜視点の二つの物語が交錯する展開はぐいぐい読ませるだけの勢いがあって、物語を牽引する目をそらせない八坂の圧倒的な存在感と、「あの子」への献身的で不器用な熱い思いがその心を揺さぶって、伏線を回収して収束してゆく物語が見せてくれたその結末にはぐっと来るものがありました。

https://bookwalker.jp/de1504f22f-ef3b-41d2-a8f3-50a028f3d365/

 

15.青春失格男と、ビタースイートキャット。 (ファンタジア文庫)

桜の木から落ちてきた宮村花恋と運命的な出会いを果たした野田進。なのにそんな幸せを実感できない彼の前に、エキセントリックな孤高の天才児・西條理々が現れる青春小説。進を青春不感症と指摘し、楽園追放計画に誘う西條との恋心とは呼べない背徳的な関係。一方で真っ直ぐないい子だとは思うものの、なぜか心動かない花恋との関係。不器用にしか生きられない彼らの最低の選択が皮肉にもその心境に変化をもたらしたりで、これから三人の関係がどのように変わってゆくのか、読む人を選びそうな作品ですが自分はその結末を読んでみたいと思いました。

https://bookwalker.jp/de62badbdb-5183-44d9-b7d4-39a9cba31152/

 

以上です。気になる本があったらぜひ読んでみて下さい。

今だから読みたい!ラノベファンタジー15選

気分転換もなかなか 難しい状況が続いていますが、外出もままならないこういう状況だからこそ本の持つパワーを感じて欲しいと思いますし、自分にできることは何かないかいつも考えています。そこで今回、ファンタジーと青春小説で15作品ずつ紹介しようと思いました。

 

ということで第一弾のファンタジー作品です。あえて完結していない作品もセレクトしていますが、それによってその作品の持っているパワーや魅力は十分感じられると信じています。基本的に過去作品ですので、別に電子書籍を推進しているわけではないですがBookWalkerのリンクも記載しています。読み放題の対象商品もありますので参考にしてみて下さい。 

 

1.WORLD END ECONOMiCA電撃文庫)全3巻

WORLD END ECONOMiCA (1) (電撃文庫)

WORLD END ECONOMiCA (1) (電撃文庫)

  • 作者:支倉 凍砂
  • 発売日: 2014/12/10
  • メディア: 文庫
 

夢を叶えるため株式市場に活路を見出す月生まれ月育ちの家出少年ハルが、ふとしたきっかけから数学の天才少女ハガナと出会い、コンテスト優勝と周囲の人々の危機打開を目指す物語。夢のために孤高だったハルが彼女たちに出会い触発され、自分に自信を持てなかったハガナもハルへの協力をきっかけに変わっていく、そんな不器用な二人の距離感の変化。そんな存在に葛藤しながら、二人が夢やその思いを語れるようになるまでに近づいたからこそ、終盤の喪失感、そして絶望が切なかったです。そんな一度は全て失ってしまった彼らの壮大な挑戦が盛り上がるシリーズです。

https://bookwalker.jp/series/52386/list/

 

2.マグダラで眠れ(電撃文庫)全8巻

マグダラで眠れ (電撃文庫)

マグダラで眠れ (電撃文庫)

  • 作者:支倉 凍砂
  • 発売日: 2012/07/10
  • メディア: 文庫
 

錬金術師クースラは罪を許される代わりに、グルベッティの工房で研究を行うことになり、監視役として純真な修道女フェネシスが送り込まれる物語。世界観としては十字軍あたりの時代をベースとした感じなんでしょうか。錬金術師とはどういうものか、その世界における背景の説明に多くを割いた序盤は、なかなかページも進みませんでしたが、それでも相棒にフェネシスの相手を丸投げされてからの繊細な心理描写、巧みな駆け引きから生まれる畳み掛けるような展開は流石です。少しずつ確実に変化してゆくクースラとフェネシスの関係が魅力のシリーズですね。

https://bookwalker.jp/series/8320/list/

 

3.エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫) 全7巻+別巻1巻

エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫)

エスケヱプ・スピヰド (電撃文庫)

  • 作者:九岡 望
  • 発売日: 2012/02/10
  • メディア: 文庫
 

昭和がもうしばらく続く近未来、大戦後の世界が舞台で、ボーイミーツガールな話と書くには、やや文章が硬めだったかなという印象です。ただ九曜の持っている雰囲気や、この作品の世界観にはうまくマッチしていたと思います。かつての戦友で強敵の竜胆を前にしてあくまで兵器であろうとする九曜と、天涯孤独な叶葉が偶然出会い、お互い感化されていくことで、結果としてこれまで抱えていた過去のしがらみを、何とか乗り越えられた部分があったのかもしれません。旅立つことになった二人がどう変わっていくのか、その行く末が楽しみなシリーズですね。

https://bookwalker.jp/series/11881/list/

 

4.飛べない蝶と空の鯱 (ガガガ文庫) 全6巻

霧の上に浮かぶ島々に人々が住んでいる世界で、空を飛ぶ武装郵便屋を営む少年ウィルと、その相棒ジェシカのお話。飛ぶことが下手なウィルと、風を読むことが得意でも、過去の事故で高所恐怖症になってしまったジェシカは、一人では飛べなくても二人でなら飛べる。不器用なジェシカの思い、全てを知った上でそれを支えるウィル。こういう足りない者同士が力を合わせてみたいな感じがいいですね。封書を通じて物語が紡がれ、二人の絆もまた育まれてゆく展開はとても素敵なのでぜひ読んでみて欲しいシリーズです。

https://bookwalker.jp/series/8865/list/

 

5.フレイム王国興亡記 (オーバーラップ文庫) 6巻まで刊行

フレイム王国興亡記 1 (オーバーラップ文庫)

フレイム王国興亡記 1 (オーバーラップ文庫)

  • 作者:疎陀 陽
  • 発売日: 2014/04/24
  • メディア: 文庫
 

気まぐれで異世界召喚されてしまった銀行員松代が、召喚を隠蔽するために体よく送り出された田舎で、領主の王妹や有能なメイドと赤字続きの状況を解消するべく奮闘するお話。異世界召喚もので、銀行員がその知識を活かして異世界で活躍する、というのは新しいですね。エリカやエミリと上手く役割分担し、情と理をうまく使い分けて着々と手を打ったり、言っていることが厳しいようで実はこっそり裏で優しいところとか、松代らしさが出ていていいと思いました。コンビを組むエミリも衝突しながら徐々に松代を理解してゆく人間関係の妙がこのシリーズの魅力なのかもしれません。

https://bookwalker.jp/series/15719/list/

 

6.クロックワーク・プラネット (講談社ラノベ文庫) 4巻まで刊行  

クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)

クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)

  • 作者:榎宮 祐,暇奈 椿
  • 発売日: 2013/04/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

いったん現代の地球が死に絶えて全てが時計・歯車で再構成された世界で、偶然出会った眠り姫のような毒舌ツンデレオートマタ・リューズと、凄まじい聴力の良さを活かして200年ぶりに彼女を復活させたナオト、そしてもう一人の天才技師マリーたちとの、2人の天才の出会いから始まるお話です。地球をまるごとオーバーホールして世界を救うという、テロリストにしては壮大過ぎる目標を掲げた彼らのいちいち可愛い言動と、スッキリとした世界観が自然な感じで溶け込んでいて、素晴らしいお話になっていたと思います。

https://bookwalker.jp/series/5572/list/

 

7.ストライクフォール (ガガガ文庫) 3巻まで刊行

ストライクフォール (ガガガ文庫)

ストライクフォール (ガガガ文庫)

 

代理戦争として発展した宇宙競技ストライクフォール。そんなストライクフォールに魅せられたひとり鷹森雄星が、ストライクシェルに身をつつみ広大な宇宙のフィールドに挑む物語。はるか先を行く若き天才な弟・英俊と雄星を見守る幼馴染・環という定まらない三角関係。雄星に変化をもたらしたアデーレとの出会い。アデーレや英俊との戦いの中からようやく力の片鱗を見出しつつあった雄星が思わぬ事態に遭遇し、あえて無謀な戦いに挑むことを決意する熱くスピード感溢れる展開はとても面白かったです。今後の困難をどう乗り越えてゆくのか楽しみなシリーズですね。

https://bookwalker.jp/series/74712/list/

 

8.東京侵域:クローズドエデン (角川スニーカー文庫) 3巻まで刊行

厄襲に巻き込まれ幼馴染を失った高校生・秋月蓮次と、弟を失ったアイドルの弓家叶方。そんな二人がコンビを組んで、行方不明の大切な人を取り戻すべく人類の敵EOMが跋扈する禁止区域・東京に侵入を繰り返す近未来ファンタジー。政府機関「救務庁」とも相容れないギリギリの状況の中で抱き続けてきた、取り戻したい大切な人を渇望する気持ちと、共に戦ってきた二人の絆。そんな絆を大きく揺るがす幼馴染にそっくりな少女。様々な思惑が交錯するシリアスで緊迫感のある展開はテンポも良く読むのもあっという間でした。

https://bookwalker.jp/series/41911/list/

 

9.D9―聖櫃の悪魔操者― (電撃文庫) 全3巻

D9―聖櫃の悪魔操者― (電撃文庫)

D9―聖櫃の悪魔操者― (電撃文庫)

 
悪魔召喚して故郷を滅ぼした兄を倒すため悪魔メルヴィーユと契約した少年が、悪魔憑きとなって二人で兄を探す旅を続けるお話。クールで素っ気ないけど優しいソーマは、強力な悪魔も打ち破る力を持っていますが、それもメルヴィーユと二人力を合わせてこそ力を発揮できる関係。そんな二人の連携が問われるところが、お話の肝なのかなと思いました。ソーマ大好きな可愛い悪魔メルヴィーユも、作中に出てくる悪魔とは一線を画する存在で、話の謎にも深く関わっている模様。テンポ良く進むストーリーも好印象で楽しめます。

https://bookwalker.jp/series/23280/list/

 

10.白銀のソードブレイカー(電撃文庫)全4巻

聖剣で世界を護る7人の剣聖を殺そうとする少女エリザと、家族を殺した仇を探している傭兵レベンスの物語。バトル多めで、剣聖殺しエリザの剣技の拙さはちょっと気になりましたが、戦っている時と平時のまだ幼い感じのギャップは可愛くて、またレベンスとの組み合わせもなかなか良かったと感じました。戦ったりエリザとの話の中で剣聖と剣魔の謎も徐々に明らかになっていきますが、一方でまだエリザやその剣にも秘密があったりで、二人の道中を楽しめるシリーズ。

https://bookwalker.jp/series/18962/list/

11.デボネア・リアル・エステート (GA文庫) 全3巻

ダークエルフの呪いで少年の姿になってしまい餓死寸前な伝説の傭兵・ルーウィンが、人使いが荒く金に汚いハイ=エルフ・デボネアの下僕募集に応じ、不動産屋の仕事を手伝うことになる物語。見た目で伝説の傭兵と誰にも信じてもらえないルーウィン、唯我独尊で守銭奴なのにどこかちぐはぐな行動を見せるデボネアの目的。ツンデレデボネアだけでなく無邪気な魔法人形ココや侠気のヴェローニカといった魅力的なキャラたちを上手く配した勢いのあるストーリー展開は、それでいて意外と筋立てもしっかりしていてなかなか読ませるシリーズです。

https://bookwalker.jp/series/67907/list/

 

12.群青の竜騎士(ヒーロー文庫) 全2巻

群青の竜騎士 1 (ヒーロー文庫)

群青の竜騎士 1 (ヒーロー文庫)

  • 作者:尾野 灯
  • 発売日: 2017/10/30
  • メディア: 文庫
 

科学とファンタジーが混じり合う世界。テルミア空軍第一航空隊の結城文洋が交戦中に邂逅した少女・レオナ。策謀に巻き込まれた異国の少女を若き飛行士たちが救う航空戦記。母国に残されたレオナの弟を救出するため密かに協力を惜しまないフミや男たちはカッコよくて、機を逃さずしっかり妻の座に収まったエルフで大家のローラを軸に、養女となったレオナやダークエルフで戦場では相棒のラディアといったヒロインたちもまた魅力的で、絶妙な世界観を舞台に繰り広げられる躍動感のある展開もとても良かったです。

https://bookwalker.jp/series/184735/list/

 

13.天球駆けるスプートニク (Novel 0)

 西暦二〇三〇年、突如上空に現れた正体不明の飛行物体「衛精」の無差別攻撃で人類が空を奪われた世界。低空飛行に特化させた飛行艇ULFを駆る運び屋タクロウと銀髪犬耳少女チェルシーの物語。チームを組まない訳ありげな青年タクロウと駄犬扱いの相棒チェルシー。彼らに託した想いのため危険と最速の限界を乗り越えようとする二人の物語は、明らかになってゆく彼らの過去や事情によってガラリと印象も変わりますが、メリハリの効いた展開やギリギリを攻め続ける飛行描写、二人を中心とする人間模様がとても良かったです。

https://bookwalker.jp/dedda15fb0-7396-494d-a3c1-89b4ba3fdb64/

 

14.リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

リベンジャーズ・ハイ (ガガガ文庫)

 

塵禍で文明が一度滅び、砂塵を異能力に変換できる「砂塵能力者」が力を持つ近未来。因縁の復讐相手・スマイリーを追うチューミーが、利害の一致から一時的に粛清官に協力し、ワケありの粛清官・シルヴィとコンビを組む近未来SF復讐譚。特殊な事情を抱えていたシルヴィと出会い、最初は反発しながらも徐々に育まれていく相棒としての信頼感。テンポよく進む中でスマイリーと追う二人を巡る因縁も明らかになって、何度も葛藤と絶望に直面する異端のバディが待ち望んだ宿敵との対峙と決着、確かな絆が垣間見えた結末にはぐっと来るものがありました。

https://bookwalker.jp/de48d5d10a-6063-4dc6-929b-ba3af27d73f5/

 

15.スクールジャック=ガンスモーク (ガガガ文庫)

スクールジャック=ガンスモーク (ガガガ文庫)

スクールジャック=ガンスモーク (ガガガ文庫)

  • 作者:谺, 坂下
  • 発売日: 2017/06/20
  • メディア: 文庫
 

戦勝国・葦原皇国に創設された新兵器・機巧外骨格のパイロット育成学校。そこで戦時中の遺恨からテロが発生し、運命的な因果に絡め取られた二人の手に人質たちの命運が託される物語。戦時中の虐殺という事実無根の糾弾から貶められ爆発した元情報部。かつて情報部に助けられたヤンキー風のウブなヒロイン・連理と、整備士として学園を訪れた元情報部の凛児が力を合わせその阻止に動く展開は、いくつもの悲しい因縁にAIやロボットも絡めたギリギリの緊張感があって、何よりその結末が自分好みでとても良かったです。

https://bookwalker.jp/deb23a15e6-5ff6-4106-8da9-3376bff74d3d/

 

以上です。気になる本があったら是非読んでみて下さい。

 

続巻が読みたい!期待のラノベファンタジー15選

最近、ブログ企画を振り返ってみると明らかに青春小説系が多くて、それだけ最近青春小説系の作品が圧倒的に多いということでもあるわけですが、自分の読むセレクトもそっちに寄ってしまっている感があります。とはいえファンタジー作品でも人気作品もたくさんありますし、そういうすでにある程度軌道に乗っている作品はいいんですが、これから期待したいくらいの作品はちょっと青春小説に押され気味なのかもしれません。

 

そこで個人的に続巻を読みたい、もっと伸びて欲しいと思う15作品挙げたいと思います。ちなみに今回便宜上表題にはファンタジーと書いてはいますが、厳密にはファンタジーというべきかよくわからない作品も取り上げています。実際面白いけどカテゴライズの難しい作品はこういう機会に強引に入れないとなかなか紹介できないので、青春小説以外のおススメ作品くらいのつもりで読んでいただければ幸いです。

 

1.プロペラオペラ (ガガガ文庫)

プロペラオペラ (ガガガ文庫)

プロペラオペラ (ガガガ文庫)

 

追い詰められた極東の島国・日之雄。悲壮な決意で駆逐艦「井吹」の艦長として戦いに挑む皇家第一王女イザヤのもとに、かつて最低の事件を起こして皇籍剥奪された幼馴染・クロトが部下として乗り込む空戦ファンタジー。敵国ガメリア合衆国で投資家として成功していたクロトが日之雄に戻ってきた理由。苦戦必至の状況の中、超傲慢で頭が切れてバカがつく努力家クロトが、アホな部下たちと共にイザヤを支えて大逆転に導く熱い展開で、異国で台頭しつつある因縁のライバルの魔の手から彼女を守りきれるのか、これは今後がとても楽しみなシリーズですね。現在2巻まで刊行。

 

2.超高度かわいい諜報戦 ~とっても奥手な黒姫さん~ (MF文庫J)

 高校生で秘密諜報機関を指揮する天才少女・橘黒姫。初恋のために組織の力を濫用し、超高度な諜報技術で接触を図ろうとする彼女と、とある秘密を抱え平凡な男子生徒を装う初恋相手・凡田純一、暗殺少女・芹沢明希星のトライアングルスパイ・ラブコメ。初恋を拗らせて空回りする乙女な黒姫に、事情を知らないゆえに疑心暗鬼に陥ってゆく凡田、情報を得るため密かにアプローチを命じられた明希星。客観的状況を認識できない三者三様のすれ違いには笑ってしまいましたが、遭遇した事件から二転三転した展開はなかなかインパクトがあって続きを早く読みたくなる期待の新シリーズです。

 

3.スパイ教室 (ファンタジア文庫)

スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)

スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)

  • 作者:竹町
  • 発売日: 2020/01/18
  • メディア: 文庫
 

各国スパイが「影の戦争」を繰り広げる世界。落ちこぼれのメンバーばかり7人が集められ、凄腕スパイ・クラウスの指導の下、死亡率九割を超える『不可能任務』に挑むスパイファンタジー。凄腕だけど説明できない教えベタの教師役相手に、騙しあいで打ち勝つ実地訓練に挑む不器用な少女たち。チームとして挑んだ過酷なスパイ任務にも最後まで諦めない少女たちの想いに、ともに戦ったクラウスも少なからず感化されていって、普段の日常からスパイらしい仕掛けを感じさせる展開と、そんな絆を育んでいった彼らの物語をまた読んでみたいと思いました。20年4月に2巻目刊行。

 

4.竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)

竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)

竜と祭礼 ―魔法杖職人の見地から― (GA文庫)

  • 作者:筑紫一明
  • 発売日: 2020/01/11
  • メディア: 文庫
 

師の遺言により少女ユーイの杖を修理することになった、半人前の魔法杖職人・イクス。姉弟子たちの助けも借りてどうにか破損していた芯材を特定した彼が、1000年以上前に絶滅した竜の心臓を求めて旅する物語。夏の終わりまでを期限とした竜の伝承を求めての探索、ユーイが抱える過去と杖が壊れた理由、明らかになってゆく竜が絶滅した真相。戦えない二人が主人公であるがために派手な展開はありませんが、その分しっかりとした世界観の中で動く登場人物の描写は繊細で、積み上げられた先で明かされた真実とその結末は心に響くものがありました。20年5月に2巻目刊行予定。

 

5.クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

クラスメイトが使い魔になりまして (ガガガ文庫)

  • 作者:東, 鶴城
  • 発売日: 2019/05/17
  • メディア: 文庫
 

異世界の魔人召喚に失敗したクラスメイトの美少女・藤原千影。不可抗力で彼女を使い魔にしてしまった落ちこぼれ魔術師・芦屋想太の主従関係を描く魔法学園ラブコメ。千影と融合した皇女で想太に執着する強力な異世界の魔人ソフィア。不本意な同居生活を始めた二人のツンデレ気味なテンポの良い掛け合いには確かな積み重ねがあって、自分を救ってくれた千影を取り戻すために想太が立ち上がり、千影が魔人相手に見事決着をつけてみせる展開にはぐっと来ました。過去の因縁を抱える主従関係がこれからどうなるのか、続巻にも期待大のシリーズですね。20年4月に3巻目刊行。

 

6.聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)

聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)

聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)

  • 作者:志瑞祐
  • 発売日: 2019/05/25
  • メディア: 文庫
 

来たるべき決戦に備え自らを封印した魔王レオニス。しかし1000年の時を超えて目覚めた時には10歳の少年の姿で、聖剣学院に所属する少女・リーセリアに保護される学園ソードファンタジー。魔族も魔術もなく、聖剣を武器に未知なる敵・ヴォイドと戦う1000年後の世界。聖剣を発現できなかったりと訳ありなお姉さんたちの部隊に所属し、彼女たちのありように少しずつ感化されて、ヴォイドとの戦いに身を投じてゆく展開には安定感があって面白かったです。ヒロインたちとの関係に1000年前の因縁もあって、今後に期待のシリーズです。現在3巻まで刊行。

 

7.やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい (MF文庫J)

やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい (MF文庫J)

やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい (MF文庫J)

  • 作者:芝村 裕吏
  • 発売日: 2019/09/25
  • メディア: 文庫
 

人類が圧倒的な銃の力でファンタジー種族を滅ぼしてゆく時代。エルフの村で育った人間の少年・ガーディが村の掟を破ったことで追放され、金貨姫フローリンが治めるイントラシア領に身を寄せるファンタジー戦記。剣も槍もロクに扱えず秘められし権能も「究極のお人好し」な主人公カーディが、エルフの村でバカにされながら培った知恵と経験、時代遅れになりつつある弓や妖精たちを駆使して戦い、未来の大軍師に向けた第一歩を踏み出す姿はなかなか印象的でした。戦記ファンタジーとして今後期待していきたいシリーズです。現在2巻まで刊行。

 

8.最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い (角川スニーカー文庫)

 双子の弟に良い所を吸い取られた「出涸らし皇子」と呼ばれながらも気ままに過ごすアルノルト。皇子たちの帝位争いが激化し危機が迫ったことで、弟レオを支えて暗躍するファンタジー。最強SS級冒険者という隠れた一面を持つアルノルトが、有力な候補者たちに対抗するため様々な手を打っていく展開で、彼を慕う美姫・フィーネや勇爵家の幼馴染・エルナ、元凄腕暗殺者の執事だったり、その周囲を支える人材もなかなか濃いですね(苦笑)その垣間見せた実力には皇帝も気づいていそうですが、ここからどう陣営の劣勢を覆してゆくのか今後の展開に期待。現在2巻まで刊行。

 

9.―異能― (MF文庫J)

―異能― (MF文庫J)

―異能― (MF文庫J)

  • 作者:落葉沙夢
  • 発売日: 2020/01/24
  • メディア: 文庫
 

屈指の進学校に入学し自分の凡庸さを痛感した大迫祐樹。成績優秀で野球部エース赤根凛空と学校一可愛い月摘知海という二人の友人を取り持つモブキャラ役を自認する彼が、謎の少年から異能バトルロワイヤルに招待される物語。甘酸っぱい青春小説っぽい導入からの思っても見なかったいきなりの急展開。次々と登場する異能を秘めた登場人物たちのバトルロワイヤルを引き起こした黒幕の真意。強者と思われた異能者たちが次々と退場してゆく展開には驚かされましたが、伏線を回収していった先にあった意外な対決とその決着はなかなか良かったですね。

 

10.撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ (ファンタジア文庫)

機甲車と弾丸魔法による凄絶な戦争が続く世界。戦いの中で亡霊を名乗る少女・エアと出会い、被弾者の存在・功績を消滅させる悪魔の弾丸を入手した学生兵・レインが、戦争を終わらせようと立ち上がるミリタリックファンタジー。授けられた弾丸を使って世界を再編していくレイン、謎めいたエアの過去と亡霊を巡る因縁。レインの学生らしい生活と背中合わせの容赦ない戦争の凄惨さがうまく描かれていて、因縁の決着をつけるために戦う二人の間で育まれてゆく絆が印象的ですね。現在3巻まで刊行。

 

11.疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? (角川スニーカー文庫)

かつては仲良かった幼馴染・神崎天音とすっかり疎遠になってしまっていた天地夢次が、『夢を操る方法』という怪しげな本を拾い、異世界で幼馴染と結婚する夢を見る学園ラブコメ。今ではすっかり人気者の幼馴染と埋没している主人公が、夢の中で起きたことをきっかけにその大切な関係を取り戻してゆく展開で、そんな二人の不器用でも変わっていなかったそれぞれの思いも明らかになっていって、そして大切な彼女の危機的状況を打開すべく、リアルでも夢の中でも奮闘する展開は本当に良かったです。20年4月に2巻目刊行。

 

12.最強カップルのイチャイチャVRMMOライフ (ダッシュエックス文庫)

孤高のゲーマー・古霧坂里央。学校一の完璧美少女、真理峰桜。現実世界では何の関わりもない2人が、VRゲーム「MEO」で最強コンビとして名を馳せる物語。妹の同級生以外は何の接点もない、学校では違う意味で有名人の2人。そんな2人がVRMMOのゲームの中では同棲して、お化け屋敷気分の廃墟探索や混浴イベント、他プレイヤーと協力して超大型ボスと阿吽の呼吸で戦いながら周囲も呆れるいちゃいちゃっぷりで、だけどこの二人付き合ってないんですよ…?(苦笑)こういう関係は邪魔者が出現してこそさらに燃え上がりそうなので次巻に期待。

 

13.僕は何度も生まれ変わる (角川スニーカー文庫)

僕は何度も生まれ変わる (角川スニーカー文庫)

僕は何度も生まれ変わる (角川スニーカー文庫)

  • 作者:十文字 青
  • 発売日: 2018/07/01
  • メディア: 文庫
 

29歳で死んだ社畜が生まれ変わるたびに、18歳で漆黒の髪・赤い眼の帝国皇女に殺される運命。5回目の人生で傭兵暮らしをしていたロワが魔王の隠し子とされ、急転する運命に巻き込まれてゆく物語。容赦なく蹂躙し続ける帝国への対抗で送り込まれた先での王女との結婚と母国滅亡。またもや対峙することになるあの女に、醒めていたロワが大切の人たちを守るため泥臭く奔走するようになり、キーマンとなっていったロワと負けられない皇女・リンゼンカが再び対峙する濃厚な展開とその結末は著者さんらしさに溢れていて、ぐっと来るものがありました。現在2巻まで刊行。

 

14.魔女の花嫁 seasons beside a witch (LINE文庫エッジ)

魔女の花嫁 seasons beside a witch (LINE文庫エッジ)

魔女の花嫁 seasons beside a witch (LINE文庫エッジ)

  • 作者:空伏空人
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫
 

不治の病に罹った少年・桑折冬至が、迷い込んだはずれの森に住む変わり者の魔女・ミーズに出会い、願いを叶える代わりにその弟子となる物語。ハルと名付けられた死にたくないと願うシニカルな少年と、陽気で構いたがりでどこか子供っぽい一面も見せる魔女のミーズ。そんな二人の微笑ましいやりとりは良かったですけど時折ハルが知らないミーズの過去があって。巻き込まれた事件を通して明かされるミーズの真意がまた衝撃的でしたけど、二人で過ごした日々もまた偽りではなかったんですよね。彼らがどうなってゆくのかその後の話を読んでみたいです。

 

15.転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)

転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)
 

幼い時に前世の記憶を取り戻してからは、魔法研究に邁進していた王女・アニス。そんな彼女が天才公爵令嬢・ユフィが次期王妃の座から外される場面に遭遇し、彼女をパートナーとしてスカウトするファンタジー。アニスの弟王子がユフィに突然突き付けた婚約破棄。そんな窮地に陥った彼女を颯爽と救ってみせたアニスは破格な存在で、その奇行や斜め上の発想に戸惑い振り回されながらも、彼女の示す道に新たな可能性を見出してゆくユフィは果たして幸せになれるんでしょうか(苦笑)けれど状況的に弟王子とは対立必至で、今後の展開が気になりますね。

 

以上です。気になる本があったら是非読んでみて下さい。

4月の購入検討&気になる本ほかピックアップ

4月の購入検討&気になる本ほかピックアップです。何というか各レーベルごとの新作/続巻の集中具合がなかなか厳しい感じで、当たり前ですがこの点数を気になる本全部!とかはなかなかいかないので、この中から削っていく感じになりそうです(仕方ない)

 

シリーズものの注目としては「継母の連れ子が元カノだった」の4巻目、少し間が空きましたがGA文庫お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」2巻、ハルキ文庫の「親王殿下のパティシエール」2巻目、ガガガ文庫は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 アンソロジー」2冊に加えて「千歳くんはラムネ瓶のなか」「弱キャラ友崎くんクラスメイトが使い魔になりまして」「塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い」の続刊とかどうすんだって感じですね...(しかもファンタジア文庫オレンジ文庫と発売日丸かぶりとか、もう笑うしかないです)。オレンジ文庫からも「後宮の烏」「リーリエ国騎士団とシンデレラの弓音」が刊行になります。

 

そんな中、新作はできるだけ読みたいとは思いますが、これだけあると既刊シリーズとの兼ね合いを考えた上で試し読み読んで判断しながらのセレクトになってしまいそうです。個人的な注目としてはインパクトのある作品で新しいトレンドを生み出し続けているGA文庫望公太さん「きみって私のこと好きなんでしょ?」、ガガガ文庫の八目迷さん「きのうの春で、君を待つ」、講談社タイガの豪華執筆陣に注目の「小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー」(執筆者に野村美月さんがいる!)、野崎まどさんの単行本「タイタン」、角川文庫の三川みりさん「仙文閣の稀書目録」あたりを挙げておきます。

きのうの春で、君を待つ (ガガガ文庫)

きのうの春で、君を待つ (ガガガ文庫)

  • 作者:八目 迷
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: 文庫
 
タイタン

タイタン

  • 作者:野崎 まど
  • 発売日: 2020/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
仙文閣の稀書目録 (角川文庫)

仙文閣の稀書目録 (角川文庫)

  • 作者:三川 みり
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 文庫
 

 

HJ文庫(4/1発売)
・精霊幻想記 16.騎士の休日 北山結莉/Riv

スニーカー文庫(4/1発売)
・【新】JKマンガ家の津布楽さんは俺がいないとラブコメが描けない 水埜アテルイ/睦茸
・疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?2 語部マサユキ/胡麻乃りお
継母の連れ子が元カノだった4 ファースト・キスが布告する 紙城境介/たかやKi

ビーンズ文庫(4/1発売)
・一華後宮料理帖 第十一品 三川みり/凪かすみ

宝島社文庫(4/7発売)
・【文】異世界居酒屋「のぶ」 六杯目 蝉川夏哉/転
秘仏探偵の鑑定紀行 深津十一

幻冬舎文庫(4/8発売)
・【文】ぼくときみの半径にだけ届く魔法 七月隆文
・プリズン・ドクター 新米医官 是永史郎の診察 岩井圭也

文春文庫(4/8発売)
・ブルーネス 伊与原新

電撃文庫(4/10発売)
・【新】少女願うに、この世界は壊すべき ~桃源郷崩落~ 小林湖底/ろるあ
[第26回電撃小説大賞<銀賞>]
・【新】オーバーライト ――ブリストルのゴースト 池田 明季哉/みれあ
[第26回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>]
魔法科高校の劣等生 (31) 未来編 佐島勤/石田可奈
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.21 聴猫芝居/Hisasi
・娘じゃなくて私が好きなの!? (2) 望公太/ぎうにう

GA文庫(3/14発売)
【新】きみって私のこと好きなんでしょ? とりあえずお試しで付き合ってみる? 望公太/日向あずり
・【新】カノジョの妹とキスをした。 海空りく/さばみぞれ
・【新】凄くモテる後輩が絡んでくるが、俺は絶対絆されない! yuki/B-銀河
お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2 佐伯さん/はねこと
・中古でも恋がしたい!13 田尾典丈/ReDrop

講談社文庫(4/15発売)
・【再】天空の翼 地上の星 中村ふみ/六七質

ハルキ文庫(4/15発売)
親王殿下のパティシエール2 最強の皇女 篠原悠希

産業編集センター単行本(4/15発売)
・いきるりすく 平沼正樹

双葉文庫(4/65発売)
・忍者だけど、OLやってます オフィス忍者合戦の巻 橘もも
・浅草かくりよ偽装家族 四葉夕卜
・皇帝陛下の美食王膳 和泉桂

ハヤカワ文庫JA(4/16発売)
・読書嫌いのための図書室案内 青谷真未
・死んでもいい 櫛木理宇

ガガガ文庫(4/17発売)
・【新】うちの家庭教師がグイグイきすぎて勉強どころじゃない! ハマカズシ/あやみ
・【新】きのうの春で、君を待つ 八目迷/くっか
・クラスメイトが使い魔になりまして3 鶴城東/なたーしゃ
・塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い2 猿渡かざみ/Aちき
弱キャラ友崎くん Lv.8.5 屋久ユウキ/フライ
・【新】育ちざかりの教え子がやけにエモい 鈴木大輔/DSマイル
千歳くんはラムネ瓶のなか3 裕夢/raemz
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 アンソロジー3 結衣side 渡航川岸殴魚、境田吉孝、白鳥士郎田中ロミオ、八目迷、水沢夢/ぽんかん(8)、うかみ、U35、くっか、クロ、春日歩、しらび、戸部淑
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 アンソロジー4 オールスターズ 渡航石川博品、王雀孫、川岸殴魚、境田吉孝、さがら総、天津向/ぽんかん(8)、エナミカツミえれっと、ななせ めるち、U35、ももこ、うかみ

富士見ファンタジア文庫(4/17発売)
・【新】嘘嘘嘘、でも愛してる 川田戯曲/アシマ
[第32回ファンタジア大賞<金賞>]
・【新】世界一かんたんなヒロインの攻略しかた 織笠遊人/さばみぞれ
[第32回ファンタジア大賞<金賞>]
・【新】ようこそ最強のはたらかない魔王軍へ! ~闇堕ちさせた姫騎士に魔王軍が掌握されました~ 永松洸志/手島nari。
[第32回ファンタジア大賞<金賞>]
・スパイ教室02 《愛娘》のグレーテ 竹町/トマリ
・1LDK、そして2JK。 II ~この気持ちは、しまっておけない~ 福山陽士/シソ
・キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦9 細音啓/猫鍋蒼
・豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい9 合田拍子/nauribon
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?11 井中だちま/飯田ぽち。

オレンジ文庫(4/17発売)
後宮の烏4 白川紺子/香魚子
・リーリエ国騎士団とシンデレラの弓音 ―鳥が残した勲章― 瑚池ことり/六七質
・ツギネ江戸奇譚 ―藪のせがれと錠前屋― 佐倉ユミ/鈴木次郎
・有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿 栗原ちひろ/カズアキ

中央公論新社単行本(4/18発売)
・あの日の交換日記 辻堂ゆめ
・52ヘルツのクジラたち 町田そのこ

東京創元社単行本(4/21発売)
・永遠の夏をあとに 雪乃紗衣

講談社タイガ(4/22発売)
・真夜中のすべての光 上 富良野
・真夜中のすべての光 下 富良野
小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー 相沢沙呼、降田天、櫻いいよ、芹沢政信、手名町紗帆、野村美月、斜線堂有紀、紅玉いづき
・水曜日が消えた 本田壱成

中公文庫(4/22発売)
・化学探偵Mr.キュリー9 喜多喜久
・【再】夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶3 多崎礼

講談社単行本(4/22発売)
・タイタン 野崎まど

角川文庫(4/24発売)
・天命の巫女は翠花に捧ぐ 彩蓮景国記 朝田小夏
・仙文閣の稀書目録 三川みり
・遺跡発掘師は笑わない11 桑原水菜

MF文庫J(4/25発売)
Re:ゼロから始める異世界生活 短編集6 長月達平/イセ川ヤスタカ

オーバーラップ文庫(4/25発売)
・現実主義勇者の王国再建記 XII どぜう丸/冬ゆき

メディアワークス文庫(4/25発売)
・デパートの可憐さん! 笹森岬
・宮廷医の娘 冬馬倫
・父親を名乗るおっさん2人と私が暮らした3ヶ月について 瀬那和章
・目的地はお決まりですか? ~森沢観光どこでも課~ 神戸遥真/加々見絵里

新潮文庫nex(4/25発売)
・【文】あなたはここで、息ができるの? 竹宮ゆゆこ
・チャンネル登録したくせに (仮) 藤石波矢

ファミ通文庫(4/30発売)
・【新】朝日奈さんクエスト センパイ、私を一つだけ褒めてみてください 壱日千次/U35