読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

【年末企画その1】独断と偏見で選ぶ16年にスタートしたオススメライトノベル青春小説

年末ということでバタバタしていますが、今年もこれまで読んだ約850冊の中からオススメを選ぶ企画を作りたいと思います。とりあえず予定しているのは「ライトノベル青春小説」「ライトノベルファンタジー」「オススメライト文芸」「その他一般文庫単行本」の4本。今回第一弾としてオススメのライトノベル恋愛小説+1をお送りします。今年は人気シリーズだけでなく新作もたくさんいい作品が出てきていますね!

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

 

母と二人で暮らす家で、同い年の遠い親戚の女の子和泉里奈と同居することになった高校生の坂本健一。彼女の出現によって様々な変化がもたらされてゆく物語。兄にコンプレックスを抱き他人との距離に悩む健一と、控えめながら女子校育ちで無防備な里奈。近過ぎるのにどこか遠い彼女を意識し友人たちに知られたくないと感じる健一に気づき、心穏やかではいられない幼馴染・由梨子。最近希少のオーソドックスな構成で、著者らしい繊細な心理描写は今回も健在。終盤にもたらされた波紋で今後どのような展開になってゆくのか、次巻がとても楽しみですね。12月に2巻刊行予定。

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
 

 気になるコスモス先輩と幼馴染ひまわりがジョーロをデートに誘った目的は親友への橋渡し。そんな彼を好きなのは地味女パンジーだけというドタバタラブコメ。物語が進むと構図がどんどんややこしくなりますが各々の行動には理由があり、最初打算的に見えていたジョーロが常に周囲の友人のために行動していて、登場人物たちが利己的な理由で変節していく中でも最後までブレず、またそれを知るヒロインがいることに物語の真骨頂があるのかなと思いました。4巻が17年1月に刊行予定。

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

 

 日本屈指のゲーマーながらリアルでは弱キャラの友崎が、同じくらいゲームを極めリアルでもパーフェクトヒロインの日南葵に炊きつけられ、クソゲーと断じるリアルで自己変革を目指す物語。ゲームに対する同じ想いを抱く葵の言葉を信じ、失敗しながらもチャレンジを諦めない友崎。そんな彼のフォローに奔走する葵が、凄まじいまでの努力家であることを何度も垣間見たこともきっと大きかったんですよね。魅力的なヒロインたちを絡めたテンポよく進む物語には続巻をまた読みたくなる期待感があります。17年1月に3巻刊行予定。

29とJK2 ~大人はモテてもヒマがない~ (GA文庫)

29とJK2 ~大人はモテてもヒマがない~ (GA文庫)

 

 目つきは怖いけれど職場では一目置かれる29歳の社畜・槍羽鋭二。そんな彼が休日のネカフェで説教した女子高生・南里花恋になぜか告白されてしまう物語。運命的な出会いと信じて果敢に攻める花恋。彼女の言動にやきもきして孫との交際を業務命令してしまう社長。そんな状況に戸惑う彼が直面する仕事上での危機的状況。女子高生に社畜が迫られるラノベ的展開ながら、そんな鋭二も周囲の人々に慕われる存在で、仕事や花恋の夢にそれぞれの事情とやや1冊に詰め込み過ぎた感はありましたが、登場人物たちが奮闘する展開は読みやすくて面白かったです。現在2巻目まで刊行。

キミもまた、偽恋だとしても。1〈上〉 (オーバーラップ文庫)

キミもまた、偽恋だとしても。1〈上〉 (オーバーラップ文庫)

 

 田舎町の岩下学園に越境入学した村上政樹に、地元旧家の娘で見合いを嫌い偽装恋人を提案してきた薫子。引き受けたら思わぬ繋がりが判明し婚約にまで発展してしまう物語。さすがに結婚までは意識できないものの見合いはしたくない薫子と、美少女の薫子と恋人になりたい政樹の利害が一致してとりあえず三年間偽装恋人として付き合うことになった二人。真っ直ぐに想いを伝えた政樹に好印象を抱く薫子のチョロインぶりや、お互いオタクや腐女子であることを隠す悩ましいドタバタぶりがいろいろ微笑ましくて、ベタですが二人の今後がとても楽しみなシリーズですね。現在2巻目まで刊行。

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

 

 無気力で学校をサボりがちな高校生・島崎蒼が雨よけに寄った公園で、理由があって声が出ない同級生・宮崎菫と出会い、スケッチブックで会話をする彼女と交流を深めてゆく青春小説。菫と出会ったことで変わってゆく蒼と、彼と密かに公園で出会いを重ねてゆくことで本来の明るさを取り戻し、蒼やその親友二人と楽しい日々を過ごすようになった菫に訪れた重要な転機。些細なことからすれ違ってゆく二人の姿はとても辛かったですが、それでも大切な存在だと改めて痛感し、きちんと想いを交わし合った二人の今後を応援したくなるとても素敵な物語でした。

彼方なる君の笑顔は鏡の向こう (講談社ラノベ文庫)

彼方なる君の笑顔は鏡の向こう (講談社ラノベ文庫)

 

 幼馴染の詩歌だけにはダメな一面も見せる美少女の彼方。そんな彼女が神社での事故から3人の付喪神の女の子を生み出してしまい、その3人と一人暮らしの詩歌が同居生活を始める物語。「詩歌への想い」「記憶」「食欲」の強い想いを失い、どこかよそよそしくなってしまった彼方。欲望に忠実な3人に振り回される詩歌。以前の駄彼方に戻って欲しいと思う一方で、彼方も加えて共に過ごし家族のような関係と感じるようになってゆく彼らは難しい決断を迫られましたが、彼らの強い絆を信じて応援したくなったちょっぴり切ない幼馴染たちの恋の物語でした。

尾木花詩希は褪せたセカイで心霊を視る (ダッシュエックス文庫)

尾木花詩希は褪せたセカイで心霊を視る (ダッシュエックス文庫)

 

 とある事情から廃墟と化したデパートの屋上遊園地に向かった久佐薙卓馬が、そこで古びた傷だらけのカメラで写真を撮り続ける同級生の少女・尾木花詩希と出逢う物語。「観覧車の花子さん」に逢わねばならない理由がある卓馬と、自身の失ってしまった彩りを取り戻すため写真を撮り続ける詩希。ぎこちない交流を続けるうちに少しずつ変わってゆく詩希がとても可愛くて、悪意に巻き込まれてお互いを大切に想う気持ちが空回りした二人でしたけど、真相に近づいてゆく中で大切な人にきちんと想いが伝わった結末は本当に良かったです。

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

 

 妙なこだわりで高校で友達ができない新藤大輔に、存在感のないクラスメイト澄田が持ちかけてきた困ったときに助け合う「友達いらない同盟」そんな同盟から始まる二人の物語。それぞれが複雑な家庭事情を抱えてはいるけれど、一見同じようでいてまるで対照的な新藤と澄田。グループから浮いた城ヶ崎も加わって三人で楽しそうに見えたのに、なぜか澄田が距離を置くようになってゆく危機的状況でしたが、本音で引き留めようとする新藤の提案はかなり無茶苦茶でしたね(苦笑)このレーベルでたまに出てくる不思議な魅力のある物語でした。

 高校生の陵介が挙動不審な美少女・支倉由依と出会い、彼女の昔ながらのではない鮮やかな新しい花火を見たいという願いに応えるべく、幼馴染の澪や友人の諏訪たちと奔走するひと夏の物語。陵介が気になるのにつっけんどんな態度を取る展開的なツンデレの由依。そんな彼女にどんどん惹かれてゆく陵介。仲間とともにかけがえのない時間を過ごす二人に突きつけられた現実がちょっと厳しかったですが、それでも諦めない由依の想いがいつか報われる日が来るといいなと思いました。竹岡志穂さんのイラストも物語の雰囲気に合っていて素晴らしいですね。現在2巻まで刊行続刊予定。

0.2ルクスの魔法の下で (GA文庫)

0.2ルクスの魔法の下で (GA文庫)

 

 異界で魔法使いだった祖母に憧れる女子高生リザと、どんな文字でも読解できる異能を持つ圭輔が出会い、異界に渡る方法を模索する彼女を手伝うことになる物語。お転婆だけれどどこか憎めない性格のリザに圭輔が振り回される構図に変化をもたらした、学校に出没する祖母のペンダントを持つ謎の少女の存在。リザを不幸にすると言われた圭輔と二人で切り開いた異界への扉。運命によって導かれたその顛末は意外なものでしたが、でもきっとこれで良かったんだよねと思える満足感がありました。竹岡美穂さんのイラストも雰囲気によく合っていたと思います。

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

 

 入学した高校でスクールカースト最下層に身を置く白根与一が、担任から廃部にハンストで抵抗する美少女・黒羽瑞穂の監視役として図書部に入るよう命じられる物語。序盤は既視感を感じる設定やキャラ造形ですが、そこから明らかになってゆく少し学べば何でも人並み以上にこなしてしまう天才少女・瑞穂の境遇や、幼馴染である中禅寺さくらとの複雑な関係。一見こじらせた言動ばかりに思える瑞穂のありようは、それでいて白根も目をそらせないほど真っ直ぐでとても印象的でした。12月末に2巻目が刊行予定。

 最後の魔女という宿命を背負う少女・星降ロンドの運命を変えた、重力を操る能力を持つ以外は平凡な高校生・獅堂ログとの出会い。彼らにクラス一の美少女・木佐谷樹軍乃と関わりだしたことでさらに大きく動いてゆく物語。ログを振り回す軍乃が抱える秘密とその真意、闘病を乗り越えてこれから人生を満喫したいと願うロンド、彼女を支えるログが直面するロンドを取り巻く宿命との契約。何とも複雑なバランスの上に成り立っている三人の関係と、最後に軍乃から明かされたその想いと事実がどのように物語に影響してゆくのか、今後の展開が楽しみですね。12月末に2巻刊行予定。

幸せ二世帯同居計画 ~妖精さんのお話~ (電撃文庫)

幸せ二世帯同居計画 ~妖精さんのお話~ (電撃文庫)

 

とある事情により家を失い公園でサバイバル生活を送っていた瀬尾兄妹が近所で発見した空き家にこっそり移住。でも実はそこには同級生の莉緒がたった一人で生活していることが判明する物語。未成年だけで一緒に借家で生活する設定がちょっとだけ気になりましたが、過去の出来事から人を信じられなくなっていた莉緒に「妖精さん」として出会い、一緒に住むことで発生する数々のエピソードを通してお互いを理解するようになり、少しずつ「家族」としての絆を育んでゆく展開は、相手を大切に想う気持ちが感じられてとても温かい気持ちで満たされました。厳密には恋愛というより家族がテーマの1冊ですが今後に期待という事で選出。

アルカナ・ナラティブ (ファミ通文庫)

アルカナ・ナラティブ (ファミ通文庫)

 

 天才詐欺師だった過去を悔いる少年・翔馬は高校入学初日に「Ⅰ」の痣が浮かび、同じように痣を持つ少女・周防と出会う物語。『アルカナ使い』と呼ばれる能力者達がいる高校で、過去のトラウマから男性恐怖症の美少女・周防はたびたび危険に晒され、そんな彼女を放っておけなくて自らが傷つくことも厭わずに身体を張って守り通そうとする翔馬。自分が辛くて苦しい時に、不器用だけれど真っ直ぐな大切に想ってくれる気持ちを感じて、癒やされ育まれてゆく二人の関係の緩やかな変化が強く心に響きました。

 

あと単行本から3点。 

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 (カドカワBOOKS)

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 (カドカワBOOKS)

 

 田舎町のおんぼろな自動販売機に取り憑いた着物姿の「自動販売機の精」。幼い頃に彼女と最悪の出会いをした神主の息子が、やがて彼女への想いを自覚する恋の物語。少年にしか姿が見えない、世間知らずだけれどとても優しい彼女と共に過ごすうちに、惹かれてゆくことを自覚し密かに苦悩したり迷走する少年。彼女が宿るおんぼろ自動販売機が危機的状況を迎えるまで随分遠回りしたなあとも思いましたが、それでも真摯に想う彼女を助けるため家業まで巻き込むなりふり構わない彼の奔走に、神様も粋な計らいをしてくれた素敵な物語でした。

公爵様と仲良くなるだけの簡単なお仕事 (レジーナブックス)
 

 貧乏子爵家に生まれて幼い頃から勤労少女だったユードラが、とあるきっかけから極度の口下手&人見知りの見目麗しい公爵の旦那様に仕えるドタバタラブコメディ。仕事がないと落ち着かないくらい働き者のユードラと、面と向かって話すこともできず謎も多い超コミュ症のレグルス。発想が斜め上過ぎていちいちツッコみたくなる展開だらけでしたが、会話すら困難だった状況から、馬の被り物まで駆使して粘り強くにじり寄ってゆくユードラさんの献身ぶりが素晴らしいw えらく遠回りした二人でしたけど、周囲も安心するハッピーエンドにホッとしました。

借り暮らしのご令嬢

借り暮らしのご令嬢

 

 夜会で出会った美しき伯爵令嬢アニエスにあまりいい印象がなかった貧乏騎士ベルナールが、突然家が没落した彼女を意趣返しに使用人として雇う物語。勢いで雇ったものの知れば知るほど印象と実際の彼女にギャップを感じる実はいい人ベルナール。その悪評の原因を知って誤解が解けたり、窮地に婚約者役を引き受けてもらったりで少しずつ距離を縮めてゆく二人でしたけど、彼女は健気な頑張り屋で周囲も応援するのに、肝心のベルナールがあまりにも無自覚でじれったくなりました(苦笑)そんな彼が自覚したら一体どうなるのか続刊が楽しみです。

 

また主題としては恋愛小説ではないですが、青春小説として今後に期待の1冊ということで紹介。

 少年時代の突然の相棒喪失で、幼馴染の渚にも呆れられ、悪友の卓と不毛な日々を送る楠田幸斗。そんな彼のもとに突然その佐原剣が再び転校してきて、バッテリーを組むために野球部に加入しようと奮闘する物語。怠惰な日々を送っていても、もう会えないと思っていた相手に「お前とバッテリーを組みたいから戻ってきた」とか言われたり、小さい頃の仲間たちが再集結とかそりゃ燃えますよね(でも身体はついていかないみたいなw)ベタだけど今後に期待したくなる泥臭くとても熱い展開でした。ツンデレでチョロインな幼馴染との今後もとても楽しみです。

 

スケジュール的にかなり忙しい状況が続いているので、残り3企画年内間に合うと良いなあという感じではありますが、選書自体はだいたい終わっているのでなんとか頑張りたいと思います。

 

ではまた。