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読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

2016年7月に読んだおすすめ本

7月はシリーズものも素晴らしいのが多くて、一方新作もなかなかおもしろい本がたくさんありました。特に真っ直ぐな青春小説「その10文字を、僕は忘れない」や、活版印刷と人を繋ぐ優しい物語「活版印刷日月堂」、風見夜子のキャラがじわじわくる「風見夜子の死体見聞」、4巻目で完結した「北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし」あたりをおすすめしたいですね。

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

 

 無気力で学校をサボりがちな高校生・島崎蒼が雨よけに寄った公園で、理由があって声が出ない同級生・宮崎菫と出会い、スケッチブックで会話をする彼女と交流を深めてゆく青春小説。菫と出会ったことで変わってゆく蒼と、彼と密かに公園で出会いを重ねてゆくことで本来の明るさを取り戻し、蒼やその親友二人と楽しい日々を過ごすようになった菫に訪れた重要な転機。些細なことからすれ違ってゆく二人の姿はとても辛かったですが、それでも大切な存在だと改めて痛感し、きちんと想いを交わし合った二人の今後を応援したくなるとても素敵な物語でした。

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

 

 防衛戦の最中に味方の裏切りに遭い、師とも仰ぐ叔母と故郷とも言える領地を失ってしまった吸血皇子・レオナートが、仲間を集め再び立ち上がるファンタジー戦記。貴族たちが権力争いに明け暮れて内憂外患を抱える斜陽の帝国、その中で失ったものを取り戻すために地道に準備していたレオナートと仲間たちがついに迎えた転機。レオナートと彼を支えるシェーラを始めとする群像劇ならではの登場人物たちはそれぞれ存在感があって、今回の因縁にきっちりと決着を付け、裏で暗躍する存在も明らかにしてゆく展開は良かったです。今後の展開が楽しみですね。

獅子皇と異端の戦巫女 (ファミ通文庫)

獅子皇と異端の戦巫女 (ファミ通文庫)

 

 「災禍の翠蛇」復活の兆候がある中、対抗できる力を持った凪姫たちが消息を絶ったことが明らかになり、彼女たちを率いる獅子皇・ウィズが唯一残る凪姫・メロフィーユと共に凪姫たちを探す旅に出る物語。消息を絶ったことが明らかになった五人の凪姫。彼らが旅先で出会った異世界から強制召喚された魔王・デミシア、災禍の翠蛇復活のためには手段を選ばない黎明衆の存在。メロフィーユにはヒロインたちの軸になる存在感がありますが、戦友の凪姫たちもまた様々な事情を抱えていそうですし、面白くなりそうな雰囲気は十分感じられたので続巻に期待。

アストレア戦記 ブリキカンドウォー (講談社ラノベ文庫)

アストレア戦記 ブリキカンドウォー (講談社ラノベ文庫)

 

 青機甲が暮らしに根ざす世界。父の形見の青機甲戦機と旅する機械技師の少年・ロウが、軍師を名乗る少女・エルに拾われ、半ば強制的に従者にされてしまう物語。世界を守りたいと語りかける謎の軍師の少女。とある目的のため意味なく戦うことを厭い、これまでは逃げまわるだけだった少年。そんな二人が抱える大切なものを失ってしまった過去の苦い記憶。真実を告げられたロウが一度は心折れかけながらも、葛藤を乗り越えて因縁の強敵に挑む熱い展開はとても良かったです。すっきりとまとまった結末ではありましたけど、是非続巻が出て欲しい作品です。

 長らく空き家だった川越の片隅に佇む印刷所・三日月堂。そこにかつて亡くなった店主の孫娘・弓子が住むことになり、昔ながらの活版印刷で人との繋がりを解きほぐしてゆく物語。近しい人との関係に迷いを抱える登場人物たちが、身近な人の繋がりから知る営業を再開した三日月堂の存在。物静かで真摯な弓子さんと一緒に印刷するものを考えてゆくうちに、悩みにもきちんと向き合えるようになってゆく展開は、失われた活版印刷の良さを思い出させてくれるだけでなく、作られた印刷物も悩める人の想いに寄り添っていて、とても素敵な物語だと思いました。

 進学で金沢から京都へ引っ越してきた双子の兄妹・直史とまどかが、あやかしと人間との間を取り持つ神・ククリ姫と出会い、あやかしを語って命を与える「語り手」になるよう依頼される物語。幼い頃にあった出会いと約束。物語を綴る直史と美味しいものに目がなくて絵心もあるまどか。二人が訪れてくるあやかしたちのことを知り、その想いを汲んで綴られてゆく物語はとても優しくて、お礼としてあやかしたちと食べるおばんざいはみんな美味しそうで、うさぎになってしまうククリ姫も可愛かったです(苦笑)とても素敵なお話だったので是非続編を期待。

 小さなピアノの調律事務所に就職した幹太が、天才調律師・時子と二人でピアノと音に隠された謎を解き明かしてゆく物語。ピアニストの道を断念し、調律師としても師に遠く及ばないと常にストイックな時子と、経験不足ながらも人懐っこさと優れた耳の良さを持つ幹太が、調律だけでなく依頼人の悩みも共に解決してゆくストーリーで、ピアノや依頼人に真摯に向き合う姿勢や、仕事を通じて成長したり、コンビとして信頼関係を築いてゆく展開はとても良かったですね。いい感じにまとまりましたけど、二人の関係が今後どうなるのかちょっと気になりました。

カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)

カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)

 

 大正時代。退屈な日常にうんざりしていた坂之上伯爵家の令嬢・香澄が、代々祀ってきた悪路王に朧という名を与えて主従関係を結んでしまい、二人で集に起こるあやかしがらみの事件を解決する物語。いいところの令嬢なはずの香澄がなかなかいい性格をしていて、そんな彼女と極悪な鬼であるはずの朧が主従関係を組むと、わりとまともに見えてしまう不思議(苦笑)確かに華族の人々を舞台にするといかにも作中の如く魑魅魍魎がうようよしてそうな感じではあります。香澄と朧の二人の関係にも複雑な因縁あるようで、雰囲気も好きですしシリーズ化に期待。

風見夜子の死体見聞 (富士見L文庫)

風見夜子の死体見聞 (富士見L文庫)

 

 事故や事件の現場に必ず居合わせることで「死神」とあだ名される女子高生・風見夜子。数年来絶縁状態だった夜子に死ぬところを救われた幼馴染の凪野陽太が、過剰な人助けに巻き込まれてゆく青春ミステリ。死ぬ予定の死体が見えてしまう力を持ち「あなた死ぬわよ」と強引にでも回避しようとする夜子。傍若無人な彼女に恩に着せられ脅され人助けを手伝うようになる凪野とのテンポの良い応酬が楽しくてじわじわ来ますね(苦笑)素直じゃない不器用な彼女の理解者が少しずつ増えてゆく一方で宿敵の存在も明らかになり、是非続編を期待したい作品ですね。

 幼馴染ながら今は微妙な関係の写真部・有我遼平と占い女子・鉢町あかね。たびたび事件に遭遇する遼平を、推理を伝える謎の「壁越し探偵」となって救う青春ミステリー。あかねが密かに営む占い師の依頼者と事件がリンクしていたりで、距離を置きながらも意識する遼平を正体を明かさないままたびたび救う展開。凄まじい洞察力を発揮するのに、不器用過ぎて遼平に気づいてもらえないこじれ具合が切なかったですが、それでも二人のすれ違いのきっかけとなった過去の事件と今がようやく繋がって、これからの変化を期待させるラストはとても良かったです。

 山深い町の女子高生・三葉が夢で見た、東京の男子高校生・瀧。夢を通じて繋がりが生まれてゆく二人のボーイミーツガール。運命のいたずらで突然お互いの身体が入れ替わり、それぞれ新鮮な体験をすることになる二人。他の誰とも共有できない関わりによって育まれてゆく強い絆を感じていたからこそ、直面した過酷な運命やすれ違いがあまりにも厳しくて、それを覆そうとしてそれぞれ懸命に奔走する三葉と瀧の頑張りが、どうか報われることをひたすら祈りながら読んでました。これからの未来を予感させる結末には、素直に読んで良かったなと思えました。

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 4 そして愛しき日々

北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 4 そして愛しき日々

 

 新婚旅行を兼ねたジークリンデの里帰り&結婚式を終え、息子アルノーと共に辺境の地へ帰郷。リツハルドの両親も帰郷し彼も新たな挑戦を始める第四弾。愛を確かめ合った幸せな夫婦に息子が生まれたことをきっかけに、わだかまりを抱えていた家族たちと温かい交流を取り戻したり、新しい挑戦をするリツを家族で支えたり、周囲の人たちもそれぞれ幸せを見出し、そして読んでいて食べたくなるおいしそうな料理も満載のまるまる一冊本当に良かったなと思える幸せなエピローグでした。最後には表紙にいる二人の印象も大分変わりましたね。次回作にも期待。

7月に読んだ本 #読書メーターより

7月は途中で体調悪い時期もあったりしましたが、そこそこ安定して読めました。体調が楽しく本読めるかどうかに影響してくる部分もあるとは思うので、暑い日が続きますが皆様もくれぐれも体調を崩されませんようご自愛ください。

 

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:78冊
読んだページ数:22090ページ
ナイス数:4919ナイス

ゆきうさぎのお品書き 8月花火と氷いちご (集英社オレンジ文庫)ゆきうさぎのお品書き 8月花火と氷いちご (集英社オレンジ文庫)感想
小料理屋「ゆきうさぎ」を営む大樹が亡き祖母がなぜか教えてくれなかった豚の角煮を研究し、碧も亡き母と「ゆきうさぎ」の意外な繋がりを知る第二弾。お店で作られる料理がおいしそうなのは相変わらずですが、今回も大樹の祖母の豚の角煮のレシピ話や、碧の母が密かに「ゆきうさぎ」に来たことを隠していた理由といった優しいエピソードがあったり、過去のゆきうさぎを知る人も再び常連となって、武蔵の他にも虎次郎のような猫の登場や、神社のマサさんが戻ってきたりとますます賑やかになってきましたね。緩やかな日常を描く物語ですが次巻も期待。
読了日:7月31日 著者:
下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)感想
喫茶店の店主から両親の話を聞かされ、雷柄の帯をもとに幼い時に亡くなった両親の馴れ初めをたどる鹿乃。そこから慧の父親を巡るお話や、曾祖母の馴れ初めなども綴られてゆく第四弾。人と会って話をするうちに意外な人間関係の繋がりが見えてきた今回は、すれ違うそれぞれの関係が上手く行ったりいかなかったりでなかなか難しかったですが、鹿乃のご両親や曾祖母のドラマチックな恋物語は良かったです。進展しているのかどうにもはっきりしない鹿乃と慧の関係も、春野が鹿乃に接近することでいい方向に変わってゆくといいですね。次巻も楽しみです。
読了日:7月30日 著者:
異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (2) (角川スニーカー文庫)異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (2) (角川スニーカー文庫)感想
巨乳美少女・ジネットが営む閉店寸前の食堂を建て直すため、食材調達に乗り出したヤシロが、狩った獲物を食べてしまう狩猟ギルドのトラ耳少女マグダの狩りを手伝うことになる第二弾。相変わらず底抜けのお人好しぶりでハラハラさせるジネットさんと、元詐欺師らしい抜け目なさで自分たちが有利な流れを作り出してゆくヤシロのコンビにエステラが絡むやりとりが面白くて、それにマイペースな幼女っぽいマグダも加わってさらに楽しくなりそうです。何だかんだでみんな損しない形にするヤシロもいいやつなんですよね。テンポの良い展開を次巻でも期待。
読了日:7月30日 著者:
押しかけ軍師と獅子の戦乙女 (HJ文庫)押しかけ軍師と獅子の戦乙女 (HJ文庫)感想
明津国生まれのクロウが遠い異郷の地エルトレス王国で若き騎士団長クラヴェリーナと出会い、軍師として押しかける物語。クロウが言葉を十分に理解しきれない序盤はもどかしく、また軍略を軽視しがちな王国のありようにも首を傾げましたが、高い志を持ち続け不遇にも屈しないクラヴェリーナがたびたび陥る窮地に、最初は不審者扱いだったクロウが限られた条件の中で状況を打破して、彼女や従卒リフィの信頼を得てゆく展開はなかなか面白かったです。次巻では腐敗した王国内での立身出世だけでなく、外敵の侵攻や難敵も出現しそうで戦記としても期待。
読了日:7月29日 著者:
造られしイノチとキレイなセカイ (HJ文庫)造られしイノチとキレイなセカイ (HJ文庫)感想
トリティス教国有数の実力を持つ騎士・カリアスが幼馴染フィアナと共に向かった遺跡でホムンクルスの少女・イリスを保護し、二人で一緒に少女を育てる物語。実力者なのに自覚がなくモテているのに鈍感なカリアス、彼を慕いながらも気づいてもらえずやきもきする幼馴染のフィアナ、可愛くて猛烈な勢いで成長しながらもどこか機微には疎いイリスが、周囲の暖かな人たちに見守られながら家族としての絆を育み、街の危機には力を合わせて奮闘する物語は、のんびりした雰囲気の中にニヤニヤする展開もあってとても楽しかったです。続編にも期待してます。
読了日:7月29日 著者:
獅子皇と異端の戦巫女 (ファミ通文庫)獅子皇と異端の戦巫女 (ファミ通文庫)感想
「災禍の翠蛇」復活の兆候がある中、対抗できる力を持った凪姫たちが消息を絶ったことが明らかになり、彼女たちを率いる獅子皇・ウィズが唯一残る凪姫・メロフィーユと共に凪姫たちを探す旅に出る物語。消息を絶ったことが明らかになった五人の凪姫。彼らが旅先で出会った異世界から強制召喚された魔王・デミシア、災禍の翠蛇復活のためには手段を選ばない黎明衆の存在。メロフィーユにはヒロインたちの軸になる存在感がありますが、戦友の凪姫たちもまた様々な事情を抱えていそうですし、面白くなりそうな雰囲気は十分感じられたので続巻に期待。
読了日:7月28日 著者:
偉大なる大元帥の転身3 行きて、帰りし英雄譚 (ファミ通文庫)偉大なる大元帥の転身3 行きて、帰りし英雄譚 (ファミ通文庫)感想
波乱の創立祭が終わりついに待ちに待った長期休暇。イリスは『白の腕』にスカウトされて学院を離れる決意を固め、成績不良のために退校の危機に陥ったケータに、ライラがつきっきりの特訓を申し出る第三弾。それぞれの進路に揺れる中、首都・水晶府に集まるケータたち。その水晶府で行われる人類と魔王軍の和平交渉と、その過程で明らかになってゆく想像もしなかったケータ異世界召喚の真実。何とも切ない顛末でしたけど、それでも避けられない結末にきちんと向き合って、前に進む未来を感じた物語はなかなか悪くない読後感でした。次回作にも期待。
読了日:7月28日 著者:
戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉5 (HJ文庫)戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉5 (HJ文庫)感想
スヴェンを初期化し連れ去ったワイルティア親衛隊中将・ゲーニッツが公王に対しクーデターを敢行。ルートはスヴェンを取り戻すため仲間とともに王都ベルンに向かう第六弾。過去に同じ部隊でゲーニッツの部下として共に過ごしたルートの忌まわしい過去。クーデターに際し逃亡し行方不明なままの公王、スヴェンの初期化を知りながらも諦めず奪還に向かうルートや仲間たちの逆襲劇。たびたび直面する危機的状況をいいタイミングで打開するのが愛の力というのもまたいいですね。最後に届けられたものがまた粋で読後感の爽やかな結末でした。続編に期待。
読了日:7月28日 著者:
カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)感想
大正時代。退屈な日常にうんざりしていた坂之上伯爵家の令嬢・香澄が、代々祀ってきた悪路王に朧という名を与えて主従関係を結んでしまい、二人で集に起こるあやかしがらみの事件を解決する物語。いいところの令嬢なはずの香澄がなかなかいい性格をしていて、そんな彼女と極悪な鬼であるはずの朧が主従関係を組むと、わりとまともに見えてしまう不思議(苦笑)確かに華族の人々を舞台にするといかにも作中の如く魑魅魍魎がうようよしてそうな感じではあります。香澄と朧の二人の関係にも複雑な因縁あるようで、雰囲気も好きですしシリーズ化に期待。
読了日:7月28日 著者:
神さまは五線譜の隙間に (メディアワークス文庫)神さまは五線譜の隙間に (メディアワークス文庫)感想
小さなピアノの調律事務所に就職した幹太が、天才調律師・時子と二人でピアノと音に隠された謎を解き明かしてゆく物語。ピアニストの道を断念し、調律師としても師に遠く及ばないと常にストイックな時子と、経験不足ながらも人懐っこさと優れた耳の良さを持つ幹太が、調律だけでなく依頼人の悩みも共に解決してゆくストーリーで、ピアノや依頼人に真摯に向き合う姿勢や、仕事を通じて成長したり、コンビとして信頼関係を築いてゆく展開はとても良かったですね。いい感じにまとまりましたけど、二人の関係が今後どうなるのかちょっと気になりました。
読了日:7月28日 著者:
水族館ガール3 (実業之日本社文庫)水族館ガール3 (実業之日本社文庫)感想
アクアパークから海遊ミュージアムへ出向中だった梶良平の帰りを待ちわびる嶋由香。しかし梶は内海館長から出向延長を命じられ、由香もアクアパークの新プロジェクトリーダーに任命されてしまう第三弾。何だかあやふやな関係のまま再び行き違いの日々に突入した二人でしたけど、彼らの経験を通じてより広い視野で水族館のあり方や生き物との距離感についても掘り下げつつ、それぞれが慣れないことに戸惑いながらも、試行錯誤しながら成長してゆく展開はとても良かったと思いました。二人の関係は相変わらずな感じでしたけど、次巻もまた楽しみです。
読了日:7月27日 著者:
白銀の逃亡者 (幻冬舎文庫)白銀の逃亡者 (幻冬舎文庫)感想
奇病「ヴァリアント」患者が差別され隔離される世界。罹患したことを隠し深夜の救急医療室で働く岬純也のもとに同じヴァリアントの少女・悠が現れ、反政府組織が企む「ある計画」に巻き込まれてゆく物語。拘置所に収監されている兄に会おうとする悠に振り回される純也、悠の兄に異様な執着を持つ刑事毛利の執拗な追跡、そして明らかになってゆく計画の真意。追いつめられて後戻りできないところまで突っ走ったかにも見えたテンポの良い展開でしたが、物語を二転三転させてゆく中でうまく収めましたね。スッキリとした結末でなかなか面白かったです。
読了日:7月26日 著者:
ネクラ勇者は仲間が欲しい (2) (ファンタジア文庫)ネクラ勇者は仲間が欲しい (2) (ファンタジア文庫)感想
相変わらず仲間ができないままダメヒモエルフ、腐女司祭、小悪魔盗賊たちと酒場でつるむネクラ勇者クラムが、仲間づくり相談所の叔母から話があったどんな仲間とも組めるパーティーチケット争奪戦に参加する第二弾。仲間がいないとかボヤキながら、自覚もないままピンチに陥ったら奔走せずにはいられない、なかなか素直になれない仲間たちのやりとりが今回もとても面白かったです。彼らがパーティーを組んだらどうなるか、クラムを慕う女性陣との今後も気になっていたので、今回で完結になってしまったのは残念でしたけど、次回作も期待しています。
読了日:7月26日 著者:
ヒイラギエイク (ガガガ文庫)ヒイラギエイク (ガガガ文庫)感想
中学二年生の夏休み。叔父の田舎で荻原出海たち4人の少女と出会い、魅力的な彼女たちと多くの時を共に過ごし、そして村の閉鎖的な風習に巻き込まれてゆく物語。両親が離婚協議をしていて傷心の出海、田舎で出会った4人の少女たち、そして幼き頃に出会った少女との再会。共に過ごす中で自覚していく自らの気持ちと距離感に戸惑う気持ち、思いを交わす中での甘酸っぱいやり取りやどうにもならないもどかしさが良かったですが、その後も彼女のことを思い続ける出海や少女たちが、いつか再会できる未来があるといいなと願わずにはいられませんでした。
読了日:7月25日 著者:
対魔導学園35試験小隊  13.暁の約束 (ファンタジア文庫)対魔導学園35試験小隊 13.暁の約束 (ファンタジア文庫)感想
この世界の神・颯月を殺し、世界を救う方法はただひとつ。相棒の想いを背負いタケルと35小隊が第2次魔女狩り戦争の最終決戦に挑む第十三弾。世界を救うために過酷な犠牲を受け入れることを決意するタケルと、それを支える小隊メンバーそれぞれのらしさが最後までよく出ていて、ラピスの決意含めて連続する厳しいバトルをより熱いものへと引き立ていたと思いました。しかしホーンテッドさんは出番的においしいとこ持って行き過ぎでしょ(苦笑)ラブコメ的にはヘタレエンドでしたけど、いつか決着はあるんでしょうかね。刊行予定の短編集にも期待。
読了日:7月25日 著者:
空戦魔導士候補生の教官 (10) (ファンタジア文庫)空戦魔導士候補生の教官 (10) (ファンタジア文庫)感想
緊張が高まる中、カナタがその身を賭けて人類と人型魔甲蟲の会談を設定する一方、E601小隊は空戦武踏祭優勝を目指すためエリスとリーゼリットに訓練を願い出る第十弾。両陣営の思惑が錯綜する中でゼスの口から魔甲蟲と人類の戦いの真実が語られ、自分たちで試行錯誤して成長する小隊の面々に自らの思いを託すカナタ。あくまで教官であろうとするカナタと、その期待に応えるべく限界を超えて成長しようとするミソラたち小隊の面々の関係がとても好ましいですね。いい感じにまとまってきた物語が今後どういう方向に向かうのか、次巻が楽しみです。
読了日:7月25日 著者:
踊り場姫コンチェルト (メディアワークス文庫)踊り場姫コンチェルト (メディアワークス文庫)感想
伊佐美吹奏楽部に入部した梶浦康規が、全国大会を目指すべく先輩から才能を持ちながら破滅的な指揮を振る「踊り場姫」藤野楡を変えるよう命じられる物語。生真面目な演奏になりがちな康規と型破りな指揮者・楡という対極な二人の印象的な出会い。孤高な存在だった楡の康規の作曲を知ってからの変化、変わらぬ指揮をする楡との衝突、それを乗り越え素晴らしい演奏に繋げてゆく展開はとても良かったですが、吹奏楽をメインに据えた物語で楡の変化など繊細な心理描写があるともっと良かったのかも。全体としては清々しい読後感のある青春小説でした。
読了日:7月24日 著者:
パパのいうことを聞きなさい! after 1 (スーパーダッシュ文庫)パパのいうことを聞きなさい! after 1 (スーパーダッシュ文庫)感想
空と祐太の結婚式から四年。二人の養子となった中学生のひなやサーシャと暮らす大学受験生の美羽、ロ研の仲間たちのその後が描かれる番外編。学生結婚した空の就職活動や妊娠だったり、成長して環境も変わった小鳥遊三姉妹が転機を迎えるその後が描かれた今回でしたが、困難に直面したとしても周囲にたくさんの支えたり、応援してくれる人がいる環境というのはいいものですね。それぞれの成長を実感する一方で、以前と変わらぬ家族や友情の絆の大切さを描く物語はとても良かったですが、これが著者さんの遺作になってしまったのは本当に残念でした。
読了日:7月24日 著者:
三千世界の英雄王(レイズナー) 厨二じかけの学園都市 (MF文庫J)三千世界の英雄王(レイズナー) 厨二じかけの学園都市 (MF文庫J)感想
四年間の昏睡から目覚めた天才剣士・刀夜が、自分を支えるため義姉が負った借金を返済するため、厨二病設定全開の煉獄学園に編入し最底辺からの下克上を目指す学園バトルラブコメ。ブランクがあるだけで実力はあるのに、学園長が面白いからという理由で最底辺に見た目の設定を変更されてしまう刀夜。彼を献身的に支えてきた義姉の重過ぎる愛と厨二病推奨の学園設定はややアクが強いですが、著者さんらしいシリアスな状況をそう思わせないバランス感覚や、斜め上をゆく登場人物の変態ぶりと軽快なツッコミは今回も健在。次巻以降の展開も楽しみです。
読了日:7月23日 著者:
剣魔剣奏剣聖剣舞 (2) (MF文庫J)剣魔剣奏剣聖剣舞 (2) (MF文庫J)感想
ソーロッドを従者としたリューインが次に向かったのは、背徳の貴公子ミクローシュが支配するレハール公国。一方で神剣とソーロッド奪還に向けてかつての仲間が送り込まれる第二弾。独立への不穏な空気を隠そうともしないミクローシュと、その懐に飛び込みながら辛辣でマイペースなリューイン、そんな彼がからかいながらも妙にこだわるソーロッドの存在。彼の旅の目的の先にあるものや、明かされてゆく記憶喪失前のソーロッドとの因縁が気になるところですが、一言では言えない二人の微妙な距離感がどう変化してゆくのか、次巻がとても楽しみですね。
読了日:7月22日 著者:
その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)感想
無気力で学校をサボりがちな高校生・島崎蒼が雨よけに寄った公園で、理由があって声が出ない同級生・宮崎菫と出会い、スケッチブックで会話をする彼女と交流を深めてゆく青春小説。菫と出会ったことで変わってゆく蒼と、彼と密かに公園で出会いを重ねてゆくことで本来の明るさを取り戻し、蒼やその親友二人と楽しい日々を過ごすようになった菫に訪れた重要な転機。些細なことからすれ違ってゆく二人の姿はとても辛かったですが、それでも大切な存在だと改めて痛感し、きちんと想いを交わし合った二人の今後を応援したくなるとても素敵な物語でした。
読了日:7月22日 著者:
異世界迷宮の最深部を目指そう 7 (オーバーラップ文庫)異世界迷宮の最深部を目指そう 7 (オーバーラップ文庫)感想
武闘大会が終わり、遂にラスティアラたちと本当の再会を果たしたカナミが、パリンクロンとの決着をつけるべく、リヴィングレジェンド号に乗って本土に向かう第七弾。カナミを慕う女の子5人との一見羨ましい船旅でしたけど問題を抱える女の子たちばかりで、ハーレムどころか下手に動いたり余計なことを言えない状況に置かれていたカナミがちょっと可哀想でした(苦笑)一方でメンバーたちも着々とレベルを上げたり、チートな魔法や能力を身に着けていくなかで、出会った少女と明かされた過去の歴史がこれからどう絡んでくるのか、次巻も楽しみです。
読了日:7月22日 著者:
アサシンズプライド (3) 暗殺教師と運命法廷 (ファンタジア文庫)アサシンズプライド (3) 暗殺教師と運命法廷 (ファンタジア文庫)感想
クーファは様々な悪意に晒される教え子・メリダに進級試験として司書官認定試験へ参加させることになり、一方でその試験に便乗して彼女を陥れようと陰謀が動き出す第三弾。選抜戦によってメリダのクラスがサムライであることを察知され、それにより陰謀が仕組まれた今回。成長するために真っ向から向き合い続ける二人が、現体制転覆を図ろうとする組織やメリダの父・公爵と対決する構図で、特に苦しい状況でも諦めないメリダの覚悟が感じられる奮闘ぶりは際立っていましたね。危機を乗り越えた次回は甘々な展開になるそうで今からとても楽しみです。
読了日:7月21日 著者:
ゲーマーズ! (5) ゲーマーズと全滅ゲームオーバー (ファンタジア文庫)ゲーマーズ! (5) ゲーマーズと全滅ゲームオーバー (ファンタジア文庫)感想
大好きなゲームより亜玖璃を優先した、らしからぬ景太の姿に不安を募らせてゆく上原と天道。さらには景太への想いを自覚した千秋と、景太が気になる千秋の妹・心春が絡んでさらなるカオスが生まれてゆく第五弾。浮気じゃなくても仲が良過ぎな景太と亜玖璃の関係にやきもきするのは分からなくもないんですけど、二人きりだといい感じになれるのに、やっぱりどこかもう少し踏み込みというか言葉が足りないんですよね。姉妹もダブルデートに途中参戦した挙句にあれは、何もかもが裏目に出てもう笑うしかないというか。二組は相思相愛なのにね(苦笑)
読了日:7月21日 著者:
冴えない彼女の育てかた (10) (ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた (10) (ファンタジア文庫)感想
加藤と英梨々の和解を経てようやくゲーム制作に専念できると合宿へ向かう倫也たち。だがそこに英梨々・詩羽に参加し、さらにラスボス・紅坂朱音まで現れる第十弾。ヒロインたちとの楽しい(?)雰囲気を粉々に打ち砕いた紅坂朱音の凄まじいダメ出しには圧倒されましたが、傷心の詩羽のために奔走する倫也を支えるヒロインたちにもそれぞれ存在感があって、紆余曲折の末に乗り越えた詩羽だけでなく倫也自身にとっても大きなターニングポイントになりそうですね。赤裸々な詩羽シナリオに密かにハマった彼女のエピローグにはニヤニヤしてしまいました。
読了日:7月20日 著者:
どうでもいい 世界なんて: ークオリディア・コードー (ガガガ文庫 わ 3-20)どうでもいい 世界なんて: ークオリディア・コードー (ガガガ文庫 わ 3-20)感想
防衛都市・千葉で成績不振により天然少女の蓮華と共に戦闘科から生産科に出向させられた千種霞。しっかり者の朝顔が仕切るブラックな職場で奔走する日々に変化が訪れる千葉編前日譚。出向組という肩身の狭い立場で二人、働き詰めの日々。戦闘科と生産科の埋めようのない格差と、戦闘科で将来を嘱望される霞の妹・明日葉。テンポよく綴られるブラックな職場環境におけるしたたかな霞の社畜ぶりと密かな妹溺愛ぶりがとても著者らしいなあと感じましたが、裏方メインの展開で迎えたひとつのターニングポイントに霞がどう動くのか、続編に期待ですね。
読了日:7月20日 著者:
妹さえいればいい。 5 (ガガガ文庫)妹さえいればいい。 5 (ガガガ文庫)感想
伊月の担当編集土岐の推薦でGF文庫編集部でアルバイトすることになった白川京。そんな彼女が待ち受ける出版社でのブラック(?)な日々が待ち受ける第五弾。今回は伊月作品のアニメ化と京のバイト話がメインで、出版業界の身も蓋もない黒いネタがいろいろ暴露されつつ、京は某問題作家の原稿回収に向かったり、アニメ化や新人賞選考会議に顔を出したりと、要所要所で結果的に大活躍でしたね(苦笑)曲者揃いの作家たちにも慣れていて、このまま就職もありえそうな。一方で恋愛面でも玉突き的に動きが出てきて、一つの転機を迎えそうな次巻に期待。
読了日:7月20日 著者:
バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)感想
新域の長・齋開化による自死の権利を認める「自殺法」宣言直後、64人の同時飛び降り自殺が発生。暴走する齋の行方を追い、東京地検特捜部検事・正崎を筆頭に法務省検察庁・警視庁をまたいだ機密捜査班が組織される第二弾。姿をくらました齋の捜索と、彼を自殺幇助等の罪に問えるのか証拠探しに奔走する正崎たち。捜査の過程で浮かび上がってくる“最悪の女”曲世愛の過去と暗躍、新域議会の選挙前に行われた自殺法を巡る公開討論。前巻もかなりインパクトのあるラストでしたが、それを上回る壮絶な結末には呆然としました。続巻が気になります。
読了日:7月19日 著者:
冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム(6) (ビッグガンガンコミックス)冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム(6) (ビッグガンガンコミックス)感想
アニメ化で見えてきた現実的な問題に詩羽・真由・倫也が向き合う第六弾。シビアなアニメ化事情を突きつけられて、作品そのもののありようにまで踏み込まれる展開。コミュ症なのにいざという時はわりとカッコいい詩羽と、作品を語る時は熱い(暑苦しい?)けどそんな彼女にいじられまくりの倫理くん、そして真由の立ち位置がなかなか興味深かったですね。本編だけでなく番外編もとても良かったです。
読了日:7月19日 著者:
キッチン・ミクリヤの魔法の料理~寄り添う海老グラタン~ (双葉文庫)キッチン・ミクリヤの魔法の料理~寄り添う海老グラタン~ (双葉文庫)感想
仙台の下町商店街「キッチン・ミクリヤ」。契約社員更新と男を同時に失った傷心の桜木まどかが、幼馴染の兄で料理人の御厨陽一にオムライスをご馳走されてお店で働くことになる物語。登場人物の料理人やバリスタはイケメン揃い、主人公のまどかは年齢の割にはあまり深く考えないうっかりさんで若干幼い印象もありましたが、お客さんに提供する昔から守れてきたメニューはとても美味しそうでしたし、料理を出すことに対するお店のこだわりも感じられ、主人公も失敗しながらそれを糧に成長し前向きになってゆく展開はなかなか良かったと思いました。
読了日:7月19日 著者:
希望荘希望荘感想
妻の不倫が原因で離婚、失意の杉村は私立探偵としていく決意をし探偵事務所を開業する過程が描かれる第四弾。いったん実家に戻って仕事を手伝う中で、再び事件に巻き込まれてゆく三郎。環境を変えても巻き込まれる状況は変わらなくて、縁もあって再び都内で探偵業を営むことになる展開は、遅かれ早かれそうなっていたのかなと。別れた妻の元にいる娘の桃子と毎日連絡を取り、ふとしたことで寂しさを感じる状況も、作中で震災も経験したりで今後変化があるのか気になるところですね。今回の事件もいろいろほろ苦かったですが、続刊も期待しています。
読了日:7月18日 著者:
ひまわりさん 4 (MFコミックス アライブシリーズ)ひまわりさん 4 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
意外な一面を見せたまつりもいろいろ考え過ぎてたけど、うまく周囲の友達相手に素直になれて良かったかなと。しかし誕生日のプレゼントに洗剤を所望するひまわりさん(苦笑)以前の姿もあれはあれで可愛いひまわりさんは、過去にまつり・風子と出会ってたんですね~。
読了日:7月18日 著者:
ファンタジーへの誘い: ストーリーテラーのことのはファンタジーへの誘い: ストーリーテラーのことのは感想
作家の堀川アサコ河野裕谷瑞恵、岡崎琢磨、櫛木理宇、三上延知念実希人太田紫織似鳥鶏、大沼紀子各氏の読書体験やデビューまで、創作に対する考え方や執筆スタイルなどをまとめたインタビュー集。ほぼ読んでいる作家さんなので手に取りましたが、皆さん読書体験が楽しそうでルーツや積み上げてきたものから作品を振り返ると改めて納得する部分も。彼らの環境や取り組み方はバラバラで、各々が試行錯誤しながら執筆スタイルを構築したのが伺えて、読み専の自分も興味深く読めましたが、創作されている方にも参考になるのではと感じました。
読了日:7月17日 著者:
高嶺と花 4 (花とゆめコミックス)高嶺と花 4 (花とゆめコミックス)感想
高嶺と花が同じお土産を選んでいたり、文化祭でのやりとりだったり、少しずつ心境に変化が出てきているのかなと感じた4巻目。二酸化炭素みたいな存在とか(苦笑)密かに専務のスパイとして送り込まれていた有能な秘書・霧ケ崎もわりといい人な感じで、開き直った二人の今後が楽しみです。
読了日:7月17日 著者:
Game overGame over感想
14歳の恋を読んで、その作品の登場人物が出てくる表題作「Game over」を読みたくて手に取った1冊。OL朱美さんのバスでのちょっとした遊び心での悪戯が、まさか逆に中学生に逆襲される予想外の展開(苦笑)それぞれのエピソードは素晴らしかったですけど、OLとかなり年下の男の子の恋をもっとじっくり読めると良かったですかね。他の作品もなかなか面白かったです。
読了日:7月17日 著者:
本屋さんのダイアナ (新潮文庫)本屋さんのダイアナ (新潮文庫)感想
キャバクラ勤めの母が染めた金髪の少女・ダイアナ(大穴)。自分が大嫌いな彼女を肯定してくれた正反対の少女・彩子との運命的な出会いとすれ違いを描くガール・ミーツ・ガール。本が大好きだという共通点で知り合い、お互い自分にないものを羨望していたダイアナと彩子。些細な事からすれ違ってしまった二人のなかなかうまくいかないその後の苦闘はやや厳しいものもありましたが、自分が大人になったからこそ理解する親の想いもあったりするんですよね。仲直りするまでが長かったですが、呪いを乗り越えた今の二人ならきっと大丈夫だと思えました。
読了日:7月16日 著者:
([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 星たちの栞 (ポプラ文庫)([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 星たちの栞 (ポプラ文庫)感想
長らく空き家だった川越の片隅に佇む印刷所・三日月堂。そこにかつて亡くなった店主の孫娘・弓子が住むことになり、昔ながらの活版印刷で人との繋がりを解きほぐしてゆく物語。近しい人との関係に迷いを抱える登場人物たちが、身近な人の繋がりから知る営業を再開した三日月堂の存在。物静かで真摯な弓子さんと一緒に印刷するものを考えてゆくうちに、悩みにもきちんと向き合えるようになってゆく展開は、失われた活版印刷の良さを思い出させてくれるだけでなく、作られた印刷物も悩める人の想いに寄り添っていて、とても素敵な物語だと思いました。
読了日:7月16日 著者:
甘々と稲妻(7) (アフタヌーンKC)甘々と稲妻(7) (アフタヌーンKC)感想
これくらいの子供になぜ死ぬのか?ということを聞かれたら難しいなあとも思いましたし、幼稚園卒業を迎えて学校が分かれてしまうことや、最後のお弁当の泣ける話だったり、お正月に奥さんの実家に帰ったり、いろいろしんみりする話もありましたけど、親子丼だったりシュウマイだったり今回も作る料理がとても美味しそうでした。みんな歳を重ねて成長し進級してゆくんですね。
読了日:7月15日 著者:
あやかしとおばんざい ~ふたごの京都妖怪ごはん日記~ (メディアワークス文庫)あやかしとおばんざい ~ふたごの京都妖怪ごはん日記~ (メディアワークス文庫)感想
進学で金沢から京都へ引っ越してきた双子の兄妹・直史とまどかが、あやかしと人間との間を取り持つ神・ククリ姫と出会い、あやかしを語って命を与える「語り手」になるよう依頼される物語。幼い頃にあった出会いと約束。物語を綴る直史と美味しいものに目がなくて絵心もあるまどか。二人が訪れてくるあやかしたちのことを知り、その想いを汲んで綴られてゆく物語はとても優しくて、お礼としてあやかしたちと食べるおばんざいはみんな美味しそうで、うさぎになってしまうククリ姫も可愛かったです(苦笑)とても素敵なお話だったので是非続編を期待。
読了日:7月15日 著者:
押し入れの中のダンジョンクラフト ‐幸福で不幸で幸福な兄妹‐ (MF文庫J)押し入れの中のダンジョンクラフト ‐幸福で不幸で幸福な兄妹‐ (MF文庫J)感想
高校生・椎名透は寮の自室にある押し入れの中にダンジョンができていることに気づき、中心にある大きな樹の下で幼い頃に事故で死に別れ、なぜか死体が消失した妹・あーちゃんと再会する物語。妹が死んだ事実をずっと消化しきれないままだった透と、再会したことに戸惑うあーちゃん。少しずつその距離が縮まってゆく一方で、再会した妹にのめり込んでゆく透を心配する幼馴染たち。悲壮な願いは叶わなかったですけれど、あーちゃんにもその思いはしっかり伝わったと思いますし、そんな彼をしっかりと支えてくれる人がいて本当に良かったと思いました。
読了日:7月14日 著者:
イレギュラーズ・リベリオン 4.禍乱の帝都 (GA文庫)イレギュラーズ・リベリオン 4.禍乱の帝都 (GA文庫)感想
第29部隊も参加する聖騎武祭開会式の最中に突如クーデターが勃発。首謀者の中に兄弟子・ハルクの存在を見出したハンティスが聖霊を巡る陰謀を知り、それを止めるべく仲間とともに皇宮へ乗り込む第四弾。最終巻ということもあってか、今回は魅力的なヒロインたちそれぞれにらしい見せ場が用意されていて、かつて力を求めて去った兄弟子・ハルクとの最終対決は、ハンティスと仲間たちの力を結集した熱い戦いでしたね。きちんと思いを交わしただけにそうなっちゃったかとも感じた結末でしたが、これはこれで良かったのかな。次回作も期待しています。
読了日:7月14日 著者:
最弱無敗の神装機竜《バハムート》10 (GA文庫)最弱無敗の神装機竜《バハムート》10 (GA文庫)感想
世界連合の裏切り者を特定するため新婚旅行に扮してヘイブルグ共和国に潜入するルクスとフィルフィ。一方約定によりヘイブルグが新王国の第一遺跡『塔』攻略を開始する第十一弾。二人きりのラブコメ展開から一転、期せずして対決することになった「鋼の魔女」ローザとの激戦で感じた違和感。後手に回ったことでかなり苦しい戦いが続いて、ルクスのために文字通り身体を張って奮闘するフィルフィや、ヒロインたちが力を合わせて撃退する手助けをする展開は良かったですけど、だからこその気になるエピローグに今後どうなってゆくのか気になりますね。
読了日:7月13日 著者:
我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)感想
防衛戦の最中に味方の裏切りに遭い、師とも仰ぐ叔母と故郷とも言える領地を失ってしまった吸血皇子・レオナートが、仲間を集め再び立ち上がるファンタジー戦記。貴族たちが権力争いに明け暮れて内憂外患を抱える斜陽の帝国、その中で失ったものを取り戻すために地道に準備していたレオナートと仲間たちがついに迎えた転機。レオナートと彼を支えるシェーラを始めとする群像劇ならではの登場人物たちはそれぞれ存在感があって、今回の因縁にきっちりと決着を付け、裏で暗躍する存在も明らかにしてゆく展開は良かったです。今後の展開が楽しみですね。
読了日:7月13日 著者:
遺跡発掘師は笑わない  悪路王の右手 (角川文庫)遺跡発掘師は笑わない 悪路王の右手 (角川文庫)感想
震災から二年後の東北地方を舞台に、無量が陸前高田の神社跡で掘り当てた地元では「鬼の手」と噂される指が三本しかない右手の骨。一方、平泉では忍が悪路王を名乗る人物による出土品の盗難に遭遇する第四弾。復興を進めてゆく中での遺跡発掘や文化財レスキューの活動の難しさも語られる中、今回は阿弖流爲や奥州藤原氏などの東北ならではの歴史を絡め、いつも通り無量たちが事件に巻き込まれていく展開でしたが、シリアスな状況が続く中で相変わらずな萌絵の存在がいいアクセントになってましたかね(苦笑)まさかの前後編で続きが気になります。
読了日:7月13日 著者:
逆転召喚 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)逆転召喚 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)感想
クラスで不当にいじめられていた柏木湊が、彼が通う高校が学校ごと祖父の書いたファンタジー小説の世界に異世界召喚されてしまう物語。裏設定をことごとく知る以外は一見地味能力の湊が、図書室の聖女と呼ばれる彩東栞里や個性的な女子達とパーティを組んで学校に同居しつつ世界を冒険してゆくストーリーですが、ヒロインたちもそれぞれ違った魅力があって、どうにもクズとしか言えない主人公をいじめていた同級生との対決と見事な逆襲には、つい爽快感を感じてしまいました(苦笑)実はちょっとポンコツな彩東さんとの関係含めて次巻も楽しみです。
読了日:7月13日 著者:
後宮錦華伝 予言された花嫁は極彩色の謎をほどく (コバルト文庫)後宮錦華伝 予言された花嫁は極彩色の謎をほどく (コバルト文庫)感想
予言で後宮入りを期待されて育ちながら皇弟・氷希と結婚させられた胡蝶が、彼と主上への寵愛を得られるかどうか賭けをする物語。これまでの経緯や噂によって氷希との結婚を受け入れられない翠蝶と、皇貴妃一筋で他の妃嬪には見向きもしない主上。そんな状況で少しずつ交流を重ねてゆくうちに翠蝶と氷希の関係も変わっていって、悲劇的展開も多いシリーズでハラハラしながら読んでいましたが、今回は遠回りながら無事いい感じにまとまってホッとしました。前回の主人公二人や、一途な氷希と密かにその思いを叶えてあげた先帝の関係も良かったですね。
読了日:7月12日 著者:
路地裏わがまま眼鏡店 ~メガネ男子のおもてなし~ (マイナビ出版ファン文庫)路地裏わがまま眼鏡店 ~メガネ男子のおもてなし~ (マイナビ出版ファン文庫)感想
気分転換で買い物に出かけた派遣社員志乃が、路地裏のわがままな眼鏡店『Granz』で無愛想なイケメン眼鏡の店員・天王寺と出会い徐々に変わってゆく物語。ミステリ要素は薄く志乃のお仕事話とお店での出来事を中心とする二本立ての構成。何もかもが中途半端と感じ鬱屈を抱えていた志乃が、眼鏡に関しては並々ならぬこだわりを見せる天王寺と出会い、お店の常連となって時にはお手伝いながら眼鏡絡みの悩みを共に解決する展開で、前向きになっていった志乃の地道な頑張りが周囲にも伝播して、認めてもらえるようになって良かったなと思いました。
読了日:7月12日 著者:
ひまわりさん3 (アライブコミックス)ひまわりさん3 (アライブコミックス)感想
夏休みにひまわりとまつりがお兄さんと一緒に旅館に泊まりに行くことになり、そこでお兄さんのお師匠さんに出会う第三弾。先代のひまわりさんを知るお師匠さんの登場で、ひまわりさんを揺さぶるような状況でしたけど、それでもブレずに今のひまわりさんのありようを肯定するまつりに救われてることも多いんだろうなとしみじみ思いました。
読了日:7月11日 著者:
小説 君の名は。 (角川文庫)小説 君の名は。 (角川文庫)感想
山深い町の女子高生・三葉が夢で見た、東京の男子高校生・瀧。夢を通じて繋がりが生まれてゆく二人のボーイミーツガール。運命のいたずらで突然お互いの身体が入れ替わり、それぞれ新鮮な体験をすることになる二人。他の誰とも共有できない関わりによって育まれてゆく強い絆を感じていたからこそ、直面した過酷な運命やすれ違いがあまりにも厳しくて、それを覆そうとしてそれぞれ懸命に奔走する三葉と瀧の頑張りが、どうか報われることをひたすら祈りながら読んでました。これからの未来を予感させる結末には、素直に読んで良かったなと思えました。
読了日:7月11日 著者:
鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
真奈が小児がん病棟で親子マッサージの講師をすることになったり、事故で四肢の麻痺した男の妻に往診を依頼されたり、鷹野の師匠であり元義父の法要に参加したりする第二弾。物語の中で鍼灸に関する知識やありがちな誤解を読めるのもポイントが高いんですが、よくも悪くもわりと積極的に行動する真奈が事件に遭遇し、鷹野がフォローする構図が定着しつつありますね。一方で法要参加を逡巡する鷹野を真奈が背中を押したり、いいコンビになってきてる感も。今回もいい話だったり切ない話だったりいろいろありましたが、また続巻を呼んでみたいですね。
読了日:7月11日 著者:
時をかける眼鏡 眼鏡の帰還と姫王子の結婚 (集英社オレンジ文庫)時をかける眼鏡 眼鏡の帰還と姫王子の結婚 (集英社オレンジ文庫)感想
姫王子ヴィクトリアに大国アングレからの結婚話が持ち上がり、断るのが難しい縁談に答えを迫られるマーキス王国。一方で遊馬もめまぐるしい状況の中で唐突に決断を迫られる第三弾。姫王子の元に届いた気まぐれで暴虐な大国の王からの求婚。タイミングよくやってきたポートギース王とロデリックの決断、唐突に決断を求められた遊馬の逡巡。姫王子はほんとに意外な場所に嫁ぐことになりましたけど、あくまで前向きなヴィクトリアにあれはちょっとやり過ぎですよね(困惑)遊馬は納得の決断でしたけど、今後の舞台がどこになるのか気になるところです。
読了日:7月10日 著者:
穿天のセフィロト・シティ (電撃文庫)穿天のセフィロト・シティ (電撃文庫)感想
同時深緑化によって人類が都市「生命樹」に住み、生きるために罪獣を狩る世界。罪獣狩りの如月キサキが罪獣の領域で謎の少女と出会い、その生命樹を巡る謎に巻き込まれてゆく物語。キサキと実妹・ユイハの微妙な距離感、特殊な事情を抱えていそうな記憶喪失の少女・アリス、そしてキサキがユイハと仲違いするきっかけとなった事件。これから面白くなりそうな雰囲気はあって、今回でいくつかのエピソードがひとつに繋り、ようやく物語としての方向性が見えてきたかなという印象。実妹と謎の少女のダブルヒロインなんですかね。続巻に期待したいです。
読了日:7月10日 著者:
マンガの神様 (4) (電撃文庫)マンガの神様 (4) (電撃文庫)感想
文化祭が近づく中、念願の連載決定が編集長に連載を撤回される伊織。一方で行動を起こした霧生萌黄にアメリカへの帰国騒ぎが持ち上がる第四弾。連載撤回された理由を見いだせない伊織、伊織や萌黄の騒動に心揺れる楪葉、文化祭で現れた強力な助っ人たち。いかにもマンガの神様的なベタな展開の連続ではあるんですけど、それはそれでこの物語らしいとも言える部分で、登場人物が巻を重ねるごとに増えていっても、軸となる部分はブレないまま駆け抜けた結末には好感。伊織妹のリアクションが最後まで異彩を放ってましたw 次回作にも期待しています。
読了日:7月9日 著者:
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (10) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (10) (電撃文庫)感想
撤退戦を繰り広げたマシューたちと出征した女帝シャミーユが合流するも東西から挟撃され、ジャンの策略で絶体絶命のピンチに陥った時ついにイクタが現れる第十弾。着々と手を打って帝国軍を追い詰めてゆくジャンの策略。帝国軍内で暗躍するパトレンシーナ、絶体絶命のピンチにようやく現れるイクタ。ジャンの必勝の策をことごとく覆してゆくイクタは凄まじくて、彼の復帰で今後に向けた新たな布石も打ち、仲間たちの中でいろいろ失われかけていたものも取り戻せて本当に良かったです。まだ課題は山積ですけど次巻を読むのが楽しみになってきました。
読了日:7月9日 著者:
聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16 (GA文庫)聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク> 16 (GA文庫)感想
雷帝の跡を継ぎロシアの代表となったカティアの計らいで黒海で遠征合宿に向かった諸葉たち。しかし一時の憩いを破るようにエドワードから不穏な報せが届く第十六弾。毎回あの手この手でゆさぶりをかけてくる六翼会議の今回の標的はロシア。雷帝不在のロシアの現状と、レーシャの過去と成長や変化が語られながら、ロシア支部の不穏な動きに迫る展開でしたが、改めて力を合わせて戦う姿が見られた日本支部の面々の成長が伺える一方で後始末はなあなあで終わり、これで良かったような若干のもやもや感も残るような。次の本編どうなるか気になりますね。
読了日:7月9日 著者:
ひまわりさん 2 (MFコミックス アライブシリーズ)ひまわりさん 2 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
まつりが風邪を引いてひまわりさんが看病したり、まつりが落とした携帯をひまわりさんが回収しにいったり、迷惑かどうかはともかくとしてひまわりさんがわりと周囲の人に好かれていたり、まつりに巻き込まれてる感があるのは間違いなさそうですね(苦笑)そして先代ひまわりさんとの貴重なエピソードもいろいろなことが見えてきてなかなか良かったです。
読了日:7月9日 著者:
甘城ブリリアントパーク (8) (ファンタジア文庫)甘城ブリリアントパーク (8) (ファンタジア文庫)感想
甘城高校の文化祭が近づく中、どこか浮かない様子だった西也からいすずが密かに物件の内覧に誘われ、廃墟と化した遊園地跡を訪れる第八弾。内覧でいろいろ妄想したり乙女な格好で待ち合わせに現れるいすずが可愛かったり、二人のドキドキ展開もあったりで二人の関係はひとつのターニングポイントだったんですかね。ただ絶望的な目標達成に対する回避策の未来を見てしまった西也はキツいなと感じました。結果的に開き直れて良かったですけど、喫茶での三人の位置関係がどこか示唆的で、パークの未来がどうなってゆくのか含めて気になるところですね。
読了日:7月8日 著者:
北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 4 そして愛しき日々北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 4 そして愛しき日々感想
新婚旅行を兼ねたジークリンデの里帰り&結婚式を終え、息子アルノーと共に辺境の地へ帰郷。リツハルドの両親も帰郷し彼も新たな挑戦を始める第四弾。愛を確かめ合った幸せな夫婦に息子が生まれたことをきっかけに、わだかまりを抱えていた家族たちと温かい交流を取り戻したり、新しい挑戦をするリツを家族で支えたり、周囲の人たちもそれぞれ幸せを見出し、そして読んでいて食べたくなるおいしそうな料理も満載のまるまる一冊本当に良かったなと思える幸せなエピローグでした。最後には表紙にいる二人の印象も大分変わりましたね。次回作にも期待。
読了日:7月8日 著者:
ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)感想
学校の前に建つ古くてちいさな本屋さん「ひまわり書房」。店主ひまわりさんと彼女をまっすぐに慕うまつり、彼女たちの周囲の人々ののんびりとした日常を描く物語。何やらいろいろありそうな本名不詳の書店・店主ひまわりさんと、本を読むのは苦手だけどひまわりさんが好きな一心で通うまつり。不器用な二人の自覚ないまま変化する繊細な距離感や、彼女たちの妹や兄といった絡んでゆくキャラたちとの関係がとても良かったと思いました。
読了日:7月8日 著者:
記憶屋III (角川ホラー文庫)記憶屋III (角川ホラー文庫)感想
新聞記者猪瀬と記憶屋探しをする女子高生・夏生。しかし2人が手掛かりとして接触した男性の記憶が消えてしまう第三弾。自意識過剰な毬谷がずっと消すことができなかった、思うままに行動できない要因となってしまっている苦しい記憶。それを消したいと強く願う彼が記憶屋の存在を知って取った行動は、不器用ではありましたが良かったなと思えるエピソードでしたね。そして夏生が親友の芽衣子ときちんと向き合おうとし、まだやり直すことができる彼女を気遣う記憶屋の思いがとても切なかったです。まだ続編あるようなら猪瀬の想いを読みたいですね。
読了日:7月7日 著者:
記憶屋II (角川ホラー文庫)記憶屋II (角川ホラー文庫)感想
かつて友人達と一斉に記憶を失うという不可解な経験をした高校生・夏生。彼女の元を訪ねてきた「記憶屋」を追う新聞記者・猪瀬から協力を依頼され、共に記憶屋の行方を追う第二弾。舞台と登場人物を変え、記憶屋を追い情報を集める猪瀬の言葉で記憶屋のありようが問われた今回。記憶屋に依頼して辛く忘れたい記憶を消すという行為が、本人や周囲にどんなことをもたらすのか、自らの体験や実際に会った人物と会うことで実感していきますが、一方で猪瀬が記憶屋を追う理由も気になるところですね。次巻でこれらの流れからどんな結末に向かうのか期待。
読了日:7月7日 著者:
お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮三人寄れば (集英社オレンジ文庫)お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮三人寄れば (集英社オレンジ文庫)感想
寺を訪れた老師から明かされる空円の過去。そんな時父親が負傷して実家の和菓子店を継ぐ話が三久にもたらされ、覚悟にも海外修業の話が持ち上がる第三弾。覚悟が勤めるお店を手伝うなど多忙な状況に加え、二人が寺を離れる可能性が出てくる中、老師にも指摘されたように空円にもいろいろ変化があって、それぞれがいい影響を与え合うような関係になりつつあることが伺えました。発展的解消な流れを予想しましたが何だかんだで落ち着くべきところに落ち着いた結末。現時点でのそれぞれのありようを思えば、これはこれで良かったのかなとも思いました。
読了日:7月6日 著者:
吹部! (角川文庫)吹部! (角川文庫)感想
三年も早期引退してしまい、幽霊部員も多い崩壊寸前の弱小吹奏楽部にやってきた正体不明の顧問・ミタセン。その奇人変人っぷりに振り回されながら、全国コンクールで金賞!を目標に奮闘する青春小説。あの手この手で部員を集めて指導していく変人顧問・ミタセンに、いきなり部長に指名されてしまった沙耶、西大寺ら集められた吹部のメンバーたち。ミタセンのキャラには首を傾げる部分もありましたが、それぞれ抱えている事情や様々な経験を乗り越えて成長しながら、コンクールに向けてひとつにまとまってゆく展開にはさわやかな読後感がありました。
読了日:7月6日 著者:
風見夜子の死体見聞 (富士見L文庫)風見夜子の死体見聞 (富士見L文庫)感想
事故や事件の現場に必ず居合わせることで「死神」とあだ名される女子高生・風見夜子。数年来絶縁状態だった夜子に死ぬところを救われた幼馴染の凪野陽太が、過剰な人助けに巻き込まれてゆく青春ミステリ。死ぬ予定の死体が見えてしまう力を持ち「あなた死ぬわよ」と強引にでも回避しようとする夜子。傍若無人な彼女に恩に着せられ脅され人助けを手伝うようになる凪野とのテンポの良い応酬が楽しくてじわじわ来ますね(苦笑)素直じゃない不器用な彼女の理解者が少しずつ増えてゆく一方で宿敵の存在も明らかになり、是非続編を期待したい作品ですね。
読了日:7月5日 著者:
閃光少女 3 (フラッパー)閃光少女 3 (フラッパー)感想
ようやく写真部の顧問としてのらしくなりつつあった濱野の元に、憧れていた写真家がアシスタントを募集しているという話が舞い込む第三弾。再びプロを目指す道が見えた一方で、自分を取り戻すことができた場所を離れることに逡巡する濱野。もう少し続いてもとも思いましたが、ヒカリの想いともきちんと向き合って新たな道を踏み出す結末はとても良かったです。
読了日:7月5日 著者:
小和田くんに隙はない? 飯田さんの学園事件簿 (一迅社文庫)小和田くんに隙はない? 飯田さんの学園事件簿 (一迅社文庫)感想
気になることにはとにかく首を突っ込みたがる飯田さんと、彼女を放っておけない小和田くんの幼馴染コンビが学園周辺で起こる謎解きに挑む物語。小中高と一緒の幼馴染なのになぜお互い「飯田さん」「小和田くん」呼びなのかは大いに突っ込みたいところですが、何かあるたびに飯田さんが小和田くんを巻き込んで、惚れた弱みでクールな彼が事件を解決する流れが二人の間では当たり前になってますね(苦笑)学園ミステリーというにはどこかズレていて、恋愛未満だけど幼馴染っぽいシチュエーション満載な二人のほのぼのとした関係が印象に残りました。
読了日:7月5日 著者:
公爵様と仲良くなるだけの簡単なお仕事 (レジーナブックス)公爵様と仲良くなるだけの簡単なお仕事 (レジーナブックス)感想
貧乏子爵家に生まれて幼い頃から勤労少女だったユードラが、とあるきっかけから極度の口下手&人見知りの見目麗しい公爵の旦那様に仕えるドタバタラブコメディ。仕事がないと落ち着かないくらい働き者のユードラと、面と向かって話すこともできず謎も多い超コミュ症のレグルス。発想が斜め上過ぎていちいちツッコみたくなる展開だらけでしたが、会話すら困難だった状況から、馬の被り物まで駆使して粘り強くにじり寄ってゆくユードラさんの献身ぶりが素晴らしいw えらく遠回りした二人でしたけど、周囲も安心するハッピーエンドにホッとしました。
読了日:7月4日 著者:
閃光少女 2 (フラッパーコミックス)閃光少女 2 (フラッパーコミックス)感想
高校写真部の顧問を引き受けた濱野が、部員たちの情熱に影響を受けて変わりつつある中、ヒカリもようやく自分の想いに気づき、他校写真部との交流で因縁ある再会を果す第二弾。今回もカメラ撮影で参考になる部分も多い買ったですが、コンクールのためにとは言え型にはめる指導をしていて「泥を混ぜるな」というのは。。。待ち受けにしたり、恋を自覚したヒカリの言動が可愛くて良かったですね。
読了日:7月4日 著者:
鉢町あかねは壁がある  カメラ小僧と暗室探偵 (角川文庫)鉢町あかねは壁がある カメラ小僧と暗室探偵 (角川文庫)感想
幼馴染ながら今は微妙な関係の写真部・有我遼平と占い女子・鉢町あかね。たびたび事件に遭遇する遼平を、推理を伝える謎の「壁越し探偵」となって救う青春ミステリー。あかねが密かに営む占い師の依頼者と事件がリンクしていたりで、距離を置きながらも意識する遼平を正体を明かさないままたびたび救う展開。凄まじい洞察力を発揮するのに、不器用過ぎて遼平に気づいてもらえないこじれ具合が切なかったですが、それでも二人のすれ違いのきっかけとなった過去の事件と今がようやく繋がって、これからの変化を期待させるラストはとても良かったです。
読了日:7月4日 著者:
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いIV」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いIV」感想
マインを嫌う神殿長の画策もあり、不穏な空気に包まれていく巫女見習い・マインの周辺。ついに起こった事件により、彼女は残酷な決断を迫られる第七弾。色インクを巡る似た者同士の出会い、マインを狙う貴族たちや神殿長の画策、厳しい選択を迫られたマインの苦渋の決断。いつか訪れるはずだった決断だったと思えば、やや早かったとはいえだいぶマシなところに落ち着いたとも感じましたが、それでも家族と決別せざるをえないというシーンはとても辛かったですね。。。でも一方で権力に近いところに身の置き所を変えたマインの暴走にもちょっと期待。
読了日:7月3日 著者:
閃光少女1 (フラッパーコミックス)閃光少女1 (フラッパーコミックス)感想
写真家志望だった濱野はふとしたきっかけで高校写真部の顧問をしぶしぶ引き受けることになり、写真に対してそれぞれの形でひたむきなヒカリら生徒の姿に感化されてゆく物語。コミュ障過ぎる濱野が周囲ときちんと絡んでいけるのか少し心配でしたけど、カメラや写真を通じて交流を深めてゆく展開はとても好印象でした。今後どのような物語になってゆくのか続巻に期待。
読了日:7月3日 著者:
神隠しの森 とある男子高校生、夏の記憶 (集英社オレンジ文庫)神隠しの森 とある男子高校生、夏の記憶 (集英社オレンジ文庫)感想
友人とともに夏休みを過ごす村の5人の高校生たち。大祭の夜にその中の一人・法介の妹が行方不明になり、5人がその捜索に奔走する物語。荒霊村に棲む祟り神・赤姫。祭事の夜、禁を破って外出した子供は生きては帰れないという言い伝え。物語の過程で明らかになってゆく、登場人物たちそれぞれが抱える過去・事情。仲間思いの高校生たちの奔走が魅力的に描かれていて、災厄と思っていた赤姫の意外な一面も。たまたま絡んだ事件での将親の意外なカミングアウトには苦笑いしてしまいました。このキャラたちで別の事件・物語をまた読んでみたいですね。
読了日:7月3日 著者:
黄金の烏 (文春文庫)黄金の烏 (文春文庫)感想
山内で仙人蓋と呼ばれる危険な薬の被害が報告され、その行方を追って旅に出た若宮と最北の地で再会した雪哉が、村人たちを襲い喰らい尽くした大猿を発見する第三弾。調査のために若宮と再び行動を共にするようになる雪哉。惨劇の中でただ一人生き残った小梅という存在。明らかになってゆく真の金鳥の真実。異能を持ち肝も据わっている雪哉、地下街相手だと途端にダメダメな長束、意外な秘密を抱えていた若宮とか、各キャラのらしさを組み合わせて物語を組み立てつつ、終盤でミスリードをひっくり返す見事な展開も健在で面白かったです。次巻も期待。
読了日:7月2日 著者:
アストレア戦記 ブリキカンドウォー (講談社ラノベ文庫)アストレア戦記 ブリキカンドウォー (講談社ラノベ文庫)感想
青機甲が暮らしに根ざす世界。父の形見の青機甲戦機と旅する機械技師の少年・ロウが、軍師を名乗る少女・エルに拾われ、半ば強制的に従者にされてしまう物語。世界を守りたいと語りかける謎の軍師の少女。とある目的のため意味なく戦うことを厭い、これまでは逃げまわるだけだった少年。そんな二人が抱える大切なものを失ってしまった過去の苦い記憶。真実を告げられたロウが一度は心折れかけながらも、葛藤を乗り越えて因縁の強敵に挑む熱い展開はとても良かったです。すっきりとまとまった結末ではありましたけど、是非続巻が出て欲しい作品です。
読了日:7月2日 著者:
14歳の恋 614歳の恋 6感想
登場人物たちそれぞれの修学旅行模様がとても良い感じの雰囲気で、実はきちんと言葉にしていなかった二人の戸惑うような、それでいてきちんとお互い分かり合える距離感とか関係性がとても良かったです。文化祭は長井と先生がクローズアップされてましたけど、二人の動くに動けない繊細な距離感もいいですね。しかし七年越しの片想いだったとは…それは共感しちゃいますよね。
読了日:7月1日 著者:
曾々木小夜子の甦る世界 (講談社ラノベ文庫)曾々木小夜子の甦る世界 (講談社ラノベ文庫)感想
「咎の木」により遊園地に隔離に隔離されてしまったリトたちが、世界の滅亡をかけて仲間たちと遊園地に隠れている神様「奇源」を見つけ出すことに挑む第二弾。強制的に隔離されて否応なしに挑むことになった勝負。リトを想うヒロインたちそれぞれの想い。探してゆく過程でヒロインたちとイベントや向き合う場面があり、永遠とも思える時の牢獄に囚われ過酷な未来の可能性を見せられながらも、思いはブレなかったリトの決意は良かったですが、だからこそその顛末が納得なような首を傾げてしまうような若干のモヤモヤ感。続巻あるならどうなるのかな。
読了日:7月1日 著者:
この素晴らしい世界に祝福を! (9) 紅の宿命 (角川スニーカー文庫)この素晴らしい世界に祝福を! (9) 紅の宿命 (角川スニーカー文庫)感想
めぐみんとかわした約束。一方で因縁のある邪神ウォルバクの侵攻で王都が脅かされ、そんな知らせを耳にしためぐみんがイヤがるカズマを引き連れてパーティーで戦いの最前線へと向かう第九弾。カズマさんとめぐみん・ダクネス(とマイペースな駄女神)を巡るラブコメじみてきた展開になってきてましたけど、爆裂魔法を巡る因縁もあって存在感があっためぐみんは、何気にアプローチも頑張っていて立ち位置も少しだけ変わりつつあるのかな。相変わらずらしい展開で楽しめましたけど、最後にまた新展開で面白いことになりそうですね。次巻も楽しみです。
読了日:7月1日 著者:
終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#02 (角川スニーカー文庫)終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#02 (角川スニーカー文庫)感想
獣の侵食により死にかけた都市ライエル。その外れの森で新たに発生した妖精の子供、リンゴとマシュマロ。再び島を落とそうとする動きが見えて、ティアットたちが極秘調査を命じられる新シリーズ第二弾。新しい子供二人に振り回され、懐かれるフェオドール。その役割が変わりつつあるラキシュたちに自らの計画を打ち明けようとする中で起こった新たな事件。丁寧な描写が積み重ねられたからこそ、より厳しく感じられた結末でしたが、再び巡り合う運命というか業の深さを思わずにいられない展開ですね。救いのある未来が見いだせるといいんですが。。。
読了日:7月1日 著者:

読書メーター

8月の購入検討&気になるラノベほかピックアップ

最近新刊の消化が追いついてなくて、翌月以降まで積み残し続けている状態ですが、刊行点数が少ないと言われる8月も、ざっと調べた感じでは読みたい本が60冊くらいありそうです。予算都の兼ね合いが悩ましいところですが、よくよく検討して読みたいものを選びたいと考えてみたいと思います。。

河出書房新社単行本(7/27)
図書館ホスピタル 三萩せんや
「神さまのいる書店」の三萩せんやさんの不思議図書館物語

新潮文庫nex(7/28発売)
・池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟 I ―プチ・コン編― 古野まほろ/usi
・池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟 II ―グラン・コン編― 古野まほろ/usi
・青の数学 王城夕紀/とろっち
「青の数学」は数学を題材とした青春小説ということで期待。

HJ文庫(7/28発売)
・押しかけ軍師と獅子の戦乙女 在原竹広/黒獅子
・造られしイノチとキレイなセカイ 緋月薙/ふーみ
戦うパン屋と機械じかけの看板娘5 SOW/ザザ
「押しかけ軍師と獅子の戦乙女」はファンタジー戦記、緋月薙さんの作品は甘い雰囲気を期待ということで。

ヒーロー文庫(7/30発売)
ポーション、わが身を助ける3 岩船晶/戸部淑

スニーカー文庫(7/30発売)
・異世界詐欺師のなんちゃって経営術2 宮地拓海/ファルまろ

ラノベ文庫(8/2発売)
銃皇無尽のファフニール XII ダークネス・ディザスター ツカサ/梱枝りこ

創芸社クリア文庫(8/3発売)
RAIL WARS! 13 日本國有鉄道公安隊 豊田巧/バーニア600

双葉文庫(8/4)
・京都寺町三条のホームズ5 シャーロキアンの宴と春の嵐 望月麻衣
・あの日の花火を君ともう一度 麻沢 奏
「あの日の花火を君ともう一度」時空を超えた愛を巡るひと夏の青春小説ということで期待。

宝島社文庫(8/4発売)
響け!ユーフォニアム 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編 武田綾乃
・君にさよならを言わない2 七月隆文
・異世界居酒屋「のぶ」 蝉川夏哉
異世界居酒屋「のぶ」は待望の文庫化。

 

幻冬舎文庫(8/5発売)
なくし物をお探しの方は二番線へ 鉄道員・夏目壮太の奮闘 二宮 敦人

シリーズ2作目ということで。


電撃文庫(8/10発売)
エロマンガ先生 (7) アニメで始まる同棲生活 伏見つかさ/かんざきひろ
ゼロから始める魔法の書 VII ―詠月の魔女 〈下〉― 虎走かける/しずまよしのり
・俺を好きなのはお前だけかよ (3) 駱駝/ブリキ
・ステージ・オブ・ザ・グラウンド 蒼山サグ/ひのた
「ステージ・オブ・ザ・グラウンド」は野球小説ということで気になっています。

講談社文庫(8/10発売)
・万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉 松岡 圭祐
「万能鑑定士Q」シリーズはこれで完結の模様。表紙の二人がどうなるか。。。

カドカワBOOKS(8/10発売)
・幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 二宮 酒匂/細居 美恵子
カクヨム初の書籍化でしたかね。

GA文庫(8/12発売)
・S級御曹司たちがゆく、異世界契約支配者生活 明月千里/蔓木鋼音
聖剣使いの禁呪詠唱17 あわむら赤光/refeia
デボネア・リアル・エステート2 山貝エビス/柴乃櫂人
最弱無敗の神装機竜」の著者による新作に期待。

富士見L文庫(8/13発売)
・鎌倉おやつ処の死に神2 谷崎泉/宝井理人
・被害者探偵 その美貌、僕の推理に役立ててみないか? 愁堂れな/菅野文

ファンタジア文庫(8/20発売)
・セブンキャストのひきこもり魔術王2 岬かつみ/mmu
対魔導学園35試験小隊 Another Mission 2 柳実冬貴/切符

一迅社文庫(8/20発売)
・折れた聖剣と帝冠の剣姫3 川口士/八坂ミナト

オレンジ文庫(8/20発売)
・時をかける眼鏡 王の覚悟と女神の狗 椹野道流/南野ましろ
・鍵屋甘味処改4 夏色子猫と和菓子乙女 梨沙/ねぎしきょうこ
・バスケの神様 揉めない部活のはじめ方 木崎菜菜恵/水野美波
「バスケの神様」が青春小説的にどうなのか気になるところ。

MF文庫J(8/25発売)
・ギルド〈白き盾〉の夜明譚3 方波見咲/白井秀実
魔弾の王と戦姫15 川口士/片桐雛太
今日から俺はロリのヒモ! 暁雪/へんりいだ
連続刊行の暁雪さんの作品はどうかなあと検討。

オーバーラップ文庫(8/25発売)
灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ 十文字青/白井鋭利
・魔法使いと僕1 十文字青/細居美恵子

ダッシュエックス文庫(8/25発売)
・クオリディア・コード (仮) 渡航(Speakeasy)/松竜

メディアワークス文庫(8/25発売)
・神様の御用人6 浅葉なつ
・七日間の幽霊、八日目の彼女 五十嵐雄策
・お仕事ガール! 朝戸夜

角川文庫(8/25発売)
・遺跡発掘師は笑わない 悪路王の左手 桑原水菜
サクラダリセット 1.猫と幽霊と月曜日の革命 河野裕
・ひとりぼっちの吹奏楽部 (仮) 初野晴
・マツリカ・マハリタ 相沢沙呼
・校閲ガール 宮木 あや子
・いろいろ気になる角川文庫ラインナップ。

講談社(8/26発売)
・危険なビーナス 東野 圭吾

ファミ通文庫(8/30発売)
・元・竜砲騎士マデリーンの転職 佐々原史緒/ぎん太
・千年紀のレガリア 帝宝審理騎士は働かない 夏森涼/マニャ子
・Farewell,ours ~夏の僕らは瞬きもできない場所へ~ 都乃河勇人/樋上いたる
いずれも新作なので要検討ということで。

東京創元社単行本(8/31発売)
・気まぐれ食堂 神様がくれた休日 有間 カオル

 

ではまた。

2016上半期注目のオススメ新作ライトノベル24選

 今年も好きラノ上半期投票の季節がやってきましたが、考えてみたら上半期のオススメ新作ライトノベル全般はまだ記事を作っていなかったので、今回投票する10作品と+αでオススメの作品14作品の計24作品を紹介したいと思います。投票作品・紹介作品は上半期刊行の新作ベースで選定しています。まず以下が今回の好きラノ投票10作品です。

ゴブリンスレイヤー (GA文庫)

ゴブリンスレイヤー (GA文庫)

 

 ゴブリン討伐だけで銀等級まで上り詰めた稀有な存在・ゴブリンスレイヤー。そんな彼が冒険者として初めての依頼でピンチだった女神官を助けるところから始まる物語。冒頭から情け容赦のない展開が待っていて面食らいますが、視点を変えるとゴブリン相手の戦い方も奥が深く、えげつない方法も厭わずにゴブリンの習性や倒し方をひたすら極め、世界を救うことには興味がない変わり者のゴブリンスレイヤーが、直面した危機的状況で身近な人を失うことを繰り返さないために、仲間に助けを求めて立ち上がる展開はなかなか来るものがあって面白かったです。現在2巻まで刊行。【16上期ラノベ投票/9784797386158】

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
 

 気になるコスモス先輩と幼馴染ひまわりがジョーロをデートに誘った目的は親友への橋渡し。そんな彼を好きなのは地味女パンジーだけというドタバタラブコメ。物語が進むと構図がどんどんややこしくなりますが各々の行動には理由があり、最初打算的に見えていたジョーロが常に周囲の友人のために行動していて、登場人物たちが利己的な理由で変節していく中でも最後までブレず、またそれを知るヒロインがいることに物語の真骨頂があったのかなと思いました。現在2巻まで刊行。【16上期ラノベ投票/9784048657471】

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

 

 母と二人で暮らす家で、同い年の遠い親戚の女の子和泉里奈と同居することになった高校生の坂本健一。彼女の出現によって様々な変化がもたらされてゆく物語。兄にコンプレックスを抱き他人との距離に悩む健一と、控えめながら女子校育ちで無防備な里奈。近過ぎるのにどこか遠い彼女を意識し友人たちに知られたくないと感じる健一に気づき、心穏やかではいられない幼馴染・由梨子。最近希少のオーソドックスな構成で、著者らしい繊細な心理描写は今回も健在。終盤にもたらされた波紋で今後どのような展開になってゆくのか、次巻がとても楽しみですね。【16上期ラノベ投票/9784047340923】

ストライクフォール (ガガガ文庫)

ストライクフォール (ガガガ文庫)

 

 代理戦争として発展した宇宙競技ストライクフォール。そんなストライクフォールに魅せられたひとり鷹森雄星が、ストライクシェルに身をつつみ広大な宇宙のフィールドに挑む物語。はるか先を行く若き天才な弟・英俊と雄星を見守る幼馴染・環という定まらない三角関係。雄星に変化をもたらしたアデーレとの出会い。アデーレや英俊との戦いの中からようやく力の片鱗を見出しつつあった雄星が思わぬ事態に遭遇し、あえて無謀な戦いに挑むことを決意する熱くスピード感溢れる展開はとても面白かったです。今後の困難を予感させる結末でしたが続編に期待。【16上期ラノベ投票/9784094516142】

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

 

 日本屈指のゲーマーながらリアルでは弱キャラの友崎が、同じくらいゲームを極めリアルでもパーフェクトヒロインの日南葵に炊きつけられ、クソゲーと断じるリアルで自己変革を目指す物語。ゲームに対する同じ想いを抱く葵の言葉を信じ、失敗しながらもチャレンジを諦めない友崎。そんな彼のフォローに奔走する葵が、凄まじいまでの努力家であることを何度も垣間見たこともきっと大きかったんですよね。魅力的なヒロインたちを絡めたテンポよく進む物語の顛末は友崎らしい現時点での精一杯でしたけど、続巻をまた読んでみたくなる期待感がありました。【16上期ラノベ投票/9784094516104】

キミもまた、偽恋だとしても。1〈上〉 (オーバーラップ文庫)

キミもまた、偽恋だとしても。1〈上〉 (オーバーラップ文庫)

 

 田舎町の岩下学園に越境入学した村上政樹に、地元旧家の娘で見合いを嫌い偽装恋人を提案してきた薫子。引き受けたら思わぬ繋がりが判明し婚約にまで発展してしまう物語。さすがに結婚までは意識できないものの見合いはしたくない薫子と、美少女の薫子と恋人になりたい政樹の利害が一致してとりあえず三年間偽装恋人として付き合うことになった二人。真っ直ぐに想いを伝えた政樹に好印象を抱く薫子のチョロインぶりや、お互いオタクや腐女子であることを隠す悩ましいドタバタぶりがいろいろ微笑ましくて、二人の今後がとても楽しみなシリーズですね。【16上期ラノベ投票/9784865541069】

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)

 

 マナという能力を持つ貴族が人類を守る責務を負う世界。公爵家の生まれながらマナを持たない少女・メリダの元に、依頼を受けた暗殺者のクーファが家庭教師として派遣される物語。努力家なのにマナを発現させる見込みに乏しいメリダを見て、家庭教師を続けるか暗殺するか決断を迫られたクーファの意外な行動から動き出す物語は、テンポの良いストーリー展開にキャラもよく動いてとても面白かったです。素直で努力家なメリダと、一見クールなのに彼女のために奔走せずにいられない訳あり家庭教師クーファの今後がどうなるのか続きが気になります。現在2巻まで刊行。【16上期ラノベ投票/9784040708171】

デボネア・リアル・エステート 傭兵は剣を抜き、ハイエルフは土地を転がす。 (GA文庫)

デボネア・リアル・エステート 傭兵は剣を抜き、ハイエルフは土地を転がす。 (GA文庫)

 

 ダークエルフの呪いで少年の姿になってしまい餓死寸前な伝説の傭兵・ルーウィンが、人使いが荒く金に汚いハイ=エルフ・デボネアの下僕募集に応じ、不動産屋の仕事を手伝うことになる物語。見た目で伝説の傭兵と誰にも信じてもらえないルーウィン、唯我独尊で守銭奴なのに、どこかちぐはぐな行動を見せるデボネアの目的。ツンデレデボネアだけでなく無邪気な魔法人形ココや侠気のヴェローニカといった魅力的なキャラたちを上手く配した勢いのあるストーリー展開は、それでいて意外と筋立てもしっかりしていて好感。次に期待したくなる作品ですね。8月に2巻刊行予定。【16上期ラノベ投票/9784797386844】

ネクラ勇者は仲間が欲しい (ファンタジア文庫)

ネクラ勇者は仲間が欲しい (ファンタジア文庫)

 

 ネクラゆえに上手く声も掛けられないぼっち勇者クラムが、同じくぼっちのロリエルフ・ミーチカたちの助力を得て仲間探しを始める物語。真面目に男臭い仲間を探していたはずなのに、集まるのはツンデレロリエルフ、セクシーな邪教腐女子僧侶、いたずら好きな訳ありビッチ盗賊といった面々で、いつの間にかパーティーができちゃった感(苦笑)オレ様キャラだった光の剣帝のまさかの豹変ぶりにはビックリしましたが、バトルで熱く戦うメリハリもあったりで、各人の思惑が入り乱れるドタバタぶりが面白かったです。残念だけど実力ある面々の今後に期待。7月に2巻刊行予定。【16上期ラノベ投票/9784040708461】

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

リア充になれない俺は革命家の同志になりました1 (講談社ラノベ文庫)

 

 入学した高校でスクールカースト最下層に身を置く白根与一が、担任から廃部にハンストで抵抗する美少女・黒羽瑞穂の監視役として図書部に入るよう命じられる物語。序盤は既視感を感じる設定やキャラ造形ですが、そこから明らかになってゆく少し学べば何でも人並み以上にこなしてしまう天才少女・瑞穂の境遇や、幼馴染である中禅寺さくらとの複雑な関係。一見こじらせた言動ばかりに思える瑞穂のありようは、それでいて白根も目をそらせないほど真っ直ぐでとても印象的でした。わりとスッキリとした結末ですが、続巻あるなら是非読んでみたいですね。【16上期ラノベ投票/9784063815177】

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以下は好きラノ投票対象ではありませんが、その他今年上半期の個人的オススメ作品です。

 言葉を話す事を禁じられた王女・アルナと護舞官ユウファ。密かに想いを交わし合う二人が国を挙げての耀天祭に向かう途中で突如襲われ、放浪娘イルナや軍犬ベオルらと逃避行することになる物語。再会しても結ばれることはない二人が5年前に交わしていた約束。逃避行における不器用で繊細な交流や、育まれていった絆がかけがえのないものに思えたからこそ、いくつもの複雑な想いから引き起こされた事件の顛末はとても残念でした…。作品の世界観や概念はやや独特でしたが、新たに始まる彼らの旅の行方がどうなるのか気になるので今後に期待。現在2巻まで刊行。

この大陸で、フィジカは悪い薬師だった (電撃文庫)

この大陸で、フィジカは悪い薬師だった (電撃文庫)

 

 エイル教の新米角守となったアッシュが、教典に記された禁忌を冒し『害獣』を治療する異端者の薬師フィジカに命を救われ、二人で共に旅するファンタジー。経験不足もあって何事も教典に書いてあることを前提に善悪を判断しがちな頭の堅いアッシュと、そんな彼に呆れながら出会った害獣とされるものたちにきちんと向き合って治療し、もうひとつの真実を突きつけてゆくフィジカ。教えと現実の乖離にどうあるべきか苦悩するアッシュが、危機に陥ったフィジカを救い信頼関係を育んでゆく過程はとても良かったですね。続編出るならまた読んでみたいです。

 東京都の南の果てにある離島に異世界の半島がまるごとやってきた!?一介の高校生でしかない主人公が、領主の娘のハーフエルフを嫁にして奮闘する物語。実際に異世界から半島ごと引っ越してきたら、法律や管轄が複雑で大変なんだなと読んでいて実感。直面した数々の難題を解決していく方法はやや強引だったものの、そんな中でも自分のできることを一生懸命頑張ろうとする主人公の姿勢には好感を持ちましたし、個性的な魅力あるヒロインたちとのドタバタ劇、危機に力を合わせて奮闘するストーリーはなかなか面白かったです。現在2巻まで刊行。

 魔術が概念化した新生魔法世界。聖遺物奪取の任を受けてアルテナに潜入したデュセルが、魔術で造った分身に出席を代行させているひきこもり少年ブランと出会い友人になる物語。七つの分身とともに聖遺物を守る結社を率いるブランと、複雑な家庭事情から友人がいなかったデュセルの友情とも好意ともつかない不器用な関係、お嬢様口調ながら実はお人好しなステラのギャップに分身たちを絡めたベタなドタバタコメディっぷりと、強敵や危機にも最後まで諦めないバトルはいい感じにメリハリがあって楽しかったです。8月に2巻刊行予定。

 黒狐と怖れられる帝国皇太子ウィルフレドは、亜人との一戦に勝利しながら凱旋後一転して偽嫡の嫌疑で罪人とされてしまい、自ら捕縛から解放した獣姫に救われ亜人たちの元へ向かうファンタジー戦記。冷静で必ずしも戦いを好まない探究心旺盛なウィルフレドと、帝国と敵対する亜人たちとの邂逅。内乱状態にある国内の政治的理由から侵攻してくる帝国軍と、自らが生きるために亜人に協力するウィルフレド。複雑な立ち位置にありながらも意外と迷わない彼よりも、周囲の方が色々と辛い選択を強いられそうですね。今後に期待の作品。

エンデンブルクの花嫁 (ファミ通文庫)

エンデンブルクの花嫁 (ファミ通文庫)

 

 人魚の海の国、エルフの森の国、強大な帝国に挟まれた小国エンデンブルクの若き国王スレンが、人魚とエルフの姫を政略結婚で娶り、その持参金と商業同盟で状況打開を目指す物語。長年の確執とあからさまな政略結婚にツンツンして張り合う人魚の姫ヴィアとエルフの姫エユラン。しかし優しく働き者のスレンの人柄や、暖かく迎えてくれた国民たちの想いに触れ、姫たちを侮辱した帝国と対決せんとするスレンと共に国民一丸となって立ち向かうストーリーは、分かりやすい王道展開ながら心に響くものがあって、スッキリとした読後感もとても良かったです。

異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (角川スニーカー文庫)

異世界詐欺師のなんちゃって経営術 (角川スニーカー文庫)

 

 大詐欺師のヤシロが『嘘が吐けない巨大都市』に16歳の少年として転生し、お人好し巨乳美少女ジネットの経営する食堂を救うために力を貸す物語。『精霊神』により嘘吐きはカエルにされてしまう多層世界。通貨偽造を疑われて逃亡の身となったヤシロを救ってくれたジネット。主人公にセクハラまがいの言動がやや多いあたりは読む人を選びそうですが、窮地に陥った彼女を見捨てられないあたり、ヤシロも決して悪い人ではないんですよね(苦笑)尻上がりにテンポも良くなるコメディ展開でなかなか面白かったです。8月に2巻刊行予定。

29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)

29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)

 

 目つきは怖いけれど職場では一目置かれる29歳の社畜・槍羽鋭二。そんな彼が休日のネカフェで説教した女子高生・南里花恋になぜか告白されてしまう物語。運命的な出会いと信じて果敢に攻める花恋。彼女の言動にやきもきして孫との交際を業務命令してしまう社長。そんな状況に戸惑う彼が直面する仕事上での危機的状況。女子高生に社畜が迫られるラノベ的展開ながら、そんな鋭二も周囲の人々に慕われる存在で、仕事や花恋の夢にそれぞれの事情とやや1冊に詰め込み過ぎた感はありましたが、登場人物たちが奮闘する展開は読みやすくて面白かったです。

夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進 (ダッシュエックス文庫)

夜明けのヴィラン 聖邪たちの行進 (ダッシュエックス文庫)

 

 ヒーローと悪人であるヴィランの存在が科学的に証明された世界。最凶最悪のヴィランの息子として生まれた高校生のユウマが、Dr.デブリードマンが巻き起こしたヒーロとヴィランの境を超えた壮大な戦いに巻き込まれてゆく物語。分かりやすいヒーローとヴィランの構図がどこかアメコミっぽい雰囲気でしたが、ヒーローを次々と殺しテロを仕掛けるDr.デブリードマンと超人協会の因縁もあり、立ち位置の難しい主人公や正義とは何かというテーマをテンポの良い読みやすい文章で上手く描いていたと思いました。面白かったので続きが出るようなら期待。

現実主義勇者の王国再建記 1 (オーバーラップ文庫)

現実主義勇者の王国再建記 1 (オーバーラップ文庫)

 

 勇者として突如異世界召喚された相馬一也が、富国強兵の献策からなぜか国王に気に入られて王位を譲られてしまい、国家再建に取り組む物語。率先して社畜のごとく働いて外交や食糧不足の問題に取り組むソーマと、そんな彼を頼もしく思うようになってゆく婚約者になった国王の娘・リーシア、そしてソーマに発掘された人材たち。精一杯取り組むソーマの姿勢が周囲に大きな影響を与えてゆく様子はなかなか面白かったですが、そんな彼に希望を見出す人たちもいれば反発する人たちもいたりで、またいろいろ事態が大きく動きそうな今後の展開が楽しみです。

マッドネス グラート王国戦記 (Novel 0)

マッドネス グラート王国戦記 (Novel 0)

 

 かつて姫獅子レオンハルトに命を救われた羊飼いのレグルスが、十年後王国が戦乱となった際に彼の下に馳せ参じる戦記ファンタジー。貴族ではなく特別な才能もないけれど、周囲の評判や偏見に惑わされずに自ら向き合ってレオンハルトのために人材を推挙し、自らも向上心を失わない謙虚なレグルス。劣勢な陣営にとって重要な局面で留守を任されたレグルスがまさかの危機に陥りながら、仲間と力を合わせ自らも陣頭に立って打破してみせた展開には盛り上がりました。諸事情により思わぬ立身出世を果たしたレグルスたちの今後が楽しみです。

 大平原「大陸の皿」を統べる大国レーヴァテインにあるフィッシュバーン家の聖騎士伝説。聖騎士を継承した姉・アシュリーが巻き込まれた過去の因縁と、そんな姉を救うため弟・アイザックが旅立つ正統派ファンタジー。ブラコン気味な完璧超人のアシュリーと、それを疎ましく思いがちなそこそこ優秀なアイザック。旅立つ目的となった過去の因縁を巡る聖獣たちの執着にどう向き合うかがポイントになりそうですけど、今回の顛末を見る限りだとなかなか前途多難そうですね。途上で新たな出会いもあったこの物語がどこに向かうのか、次巻以降の展開に期待。

 新宿『くじら堂書店』店長・宮内の元にアイドルの桃坂琴美が現れ、元トラブルシューターだった彼にストーカー解決の依頼を持ちかける物語。バイトにも舐められ仕事に対して思うことはあっても、自らが書店人であることに生き甲斐を感じている宮内ですが、一方で困った人のために奔走する姿もまた彼らしさなんですよね。宮内も頭が上がらない店員吉村さんや意外な一面も見せた琴美、そしてかつての仲間たちも魅力的な存在で、レーベルの路線に沿いながらも著者さんらしさがよく出ていた作品でした。まだまだいろいろ書けそうですし続編にも期待です。

図書館ドラゴンは火を吹かない

図書館ドラゴンは火を吹かない

 

 森に住む骨の魔法使いに拾われて育てられた少年ユカが、魔法使いへの偏見を払拭するための旅に出て、火竜のリエッキと運命的な出会いを果たし共に旅を始める物語。ユカを育てた骨の魔法使いと、お互いをかけがえのない存在と思う二人の旅、ユカの師となった踊り子と彼女の想い人・色の魔法使いの物語。100年後を生きるリエッキが抱える寂しさが切ないですが、それだけ彼らと共に生きた時間がかけがえのないものだったんですよね。物語の雰囲気もなかなかで、ユカたちの旅の続きも気になりますし、リエッキとカルメたちの今後も期待したいですね。

 

またそれ以外にも上半期オススメ新作ラノベ恋愛小説・ライト文芸他編もまとめてあるので、興味があるなら読んでみてください。

ではまた。

2016年6月に読んだおすすめ本

というわけで6月に読んだ中からのオススメ本です。今回はラノベ以外が多くなりましたが、面白い作品が目白押しでした。気になるタイトルがあったら是非手にとって読んでみてください。

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

 

 作家としてデビューするも酷評されて書く自信を失っていた高校生・一也が人気作家の転校生・小余綾詩凪と出会い、彼女との小説合作を提案される青春小説。重い病気の妹のためにと思いながら、厳しい評価にネガティブになりがちな一也と、小説の力を信じていて彼に辛辣な詩凪。書く楽しさを思い出してゆく一也に突きつけられた残酷な現実はとても苦しかったですが、そんな彼が完璧に見えていた詩凪の苦しみに気づき、再び向きあおうと決意する姿は応援したくなります。作品を書くことに対するとても繊細で、強い想いを感じられる素晴らしい作品した。

 

同時刊行でどちらから読んでもそれぞれ趣きのある2作品(自分は「君を愛したひとりの僕へ」の方から読みました)

 並行世界間が実証された世界。両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦が、地元の進学校で85番目の世界から移動してきたというクラスメイト・瀧川和音と出会う物語。入学時の因縁をきっかけに運命的な出会いを果たした、暦と和音の一見腐れ縁のようにも思える関係。同時刊行作品の出来事との関連性を織り交ぜつつ、並行世界が実在する世界ならではの問題に悩まされながらも、それを力を合わせて乗り越えてゆく二人はとても幸せだったんだろうなと思わせるものがありました。二つ読んで比べてみるといろいろ思うところが出てきてとても面白かったです。

 並行世界間が実証された世界。両親の離婚を経て父親と暮らす少年・日高暦が、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞という少女に出会う物語。親同士が離婚した研究者という共通点から、共に過ごすうちにほのかな恋心を育んできた暦と栞。全てを一変させるきっかけとなった親同士の再婚話と二人を襲った悲劇。諦めきれずに彼女を取り戻すために生きることを決意した暦の執念は凄まじいと感じましたが、そんな彼に寄り添うように支え続けた同僚の研究者・和音の献身ぶりにも思うところが多かったです。同時刊行のどちらを先に読むのかは悩ましいですね。

ストライクフォール (ガガガ文庫)

ストライクフォール (ガガガ文庫)

 

 代理戦争として発展した宇宙競技ストライクフォール。そんなストライクフォールに魅せられたひとり鷹森雄星が、ストライクシェルに身をつつみ広大な宇宙のフィールドに挑む物語。はるか先を行く若き天才な弟・英俊と雄星を見守る幼馴染・環という定まらない三角関係。雄星に変化をもたらしたアデーレとの出会い。アデーレや英俊との戦いの中からようやく力の片鱗を見出しつつあった雄星が思わぬ事態に遭遇し、あえて無謀な戦いに挑むことを決意する熱くスピード感溢れる展開はとても面白かったです。今後の困難を予感させる結末でしたが続編に期待。

29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)

29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)

 

 目つきは怖いけれど職場では一目置かれる29歳の社畜・槍羽鋭二。そんな彼が休日のネカフェで説教した女子高生・南里花恋になぜか告白されてしまう物語。運命的な出会いと信じて果敢に攻める花恋。彼女の言動にやきもきして孫との交際を業務命令してしまう社長。そんな状況に戸惑う彼が直面する仕事上での危機的状況。女子高生に社畜が迫られるラノベ的展開ながら、そんな鋭二も周囲の人々に慕われる存在で、仕事や花恋の夢にそれぞれの事情とやや1冊に詰め込み過ぎた感はありましたが、登場人物たちが奮闘する展開は読みやすくて面白かったです。

山内くんの呪禁の夏。 (角川ホラー文庫)

山内くんの呪禁の夏。 (角川ホラー文庫)

 

 生まれもっての災難体質を持つ小学六年生の山内くん。彼の住むアパートが火事で焼け父の実家に戻ったことで、昔彼にお守りをくれた不思議な子・紺と再会する物語。紺によってこの世ならぬものが見える目にされてしまった山内くん。久しぶりに訪れた父の実家がある田舎の特殊な雰囲気と、未解決なままの連続神隠し事件。そして紺や仲間たちと一緒に次々奇妙な事件に遭遇する中で、徐々に明らかになる山内くんを取り巻く因縁。彼らの友情なのか淡い恋心なのかまだ判別がつかない想いは、その因縁とも複雑に絡んでいきそうで、続編がとても楽しみです。

血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)

血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)

 

 血の価値を決める階級制度に支配された巻き貝状の都市国家ライコス。その最下層にある唯一の酒場『霧笛』で探索業を営むロイスのもとに、少年ルークの捜索依頼が持ち込まれる物語。いかにもいわくありげなルークの素性と依頼者たち。自身も複雑な過去を抱え、何だかんだ言いながらもルークのために奔走するロイス。下層特有のハードボイルドっぽい雰囲気ながらロイスを取り巻く人間関係はわりとウエットで、明らかになってゆく複雑な背後関係が面倒と分かっていても関わってゆくロイスの不器用さがとても好みでした。次巻以降の展開も楽しみです。

 十年前、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。躓いている登場人物たちがタイムカプセルをきっかけに昔の想いを思い出してゆく連作短編集。十年後掘り起こすはずが、なぜか連絡網のリレーのような形で順繰りに送られる小学校時代のタイムカプセル。それを受け取ったことで彼らが忘れていたり気づいていなかった自らの想いを自覚し、その遭遇した転機や再会が関わった人たちを確実に変えてゆく。そんな登場人物たちの前を向いて変わってゆこうとする足跡が爽やかな読後感に繋がっていると思いました。

ハルコナ (新潮文庫nex)

ハルコナ (新潮文庫nex)

 

 数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに、自分の身体には猛毒な特異体質の少女・ハルコ。5年前隣の家に引っ越してきてからずっと彼女をサポートする遠夜が、クラスメートとともに事件に巻き込まれてゆく物語。防護スーツを着て介助なしには外出もできないハルコ。そんな彼女とずっと共にいることだけを願う遠夜が巻き込まれてゆく特異体質に対する抗議行動。おかしいと感じながらもヒートアップする構図に不安を煽られましたが、覚悟を決めた遠夜のほろ苦い決断が、本当に大切なものだけは見事守り切ったことにどこか救われた気分になりました。

 人前には一切姿を見せない前衛芸術家・川田無名。唯一繋がりがあったギャラリー経営者永井唯子が殺され、アシスタントの佐和子が犯人や無明の居場所、最後に残された作品の謎を探るべく動き出す物語。唯子の突然の死によってその後始末に奔走する佐和子、事件後も見つからないまま生死すら不明の無名、彼が1959年に描いた作品が今売りに出される意味。殺人事件自体の真相は陳腐でしたが、新しい事実が判明する度にガラリと変わってゆく登場人物たちの印象、作中で語られる芸術家のありようや作品に対する考え方はとても面白かったと思いました。

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

日曜は憧れの国 (創元推理文庫)

 

 内気な千鶴、明るく子供っぽい桃、ちゃっかりして現金な真紀、堅物な優等生公子の四人が四谷のカルチャーセンターの講座で出会い、そこで遭遇する様々な事件の謎に挑む青春ミステリ。ひょんなことから一緒に講座を受けることになった性格も学校もばらばらな四人がそれぞれ主人公役となって連作短編を構成する形式。現状に悩みを抱えていて、他の子に複雑な感情を抱いたり長所も短所もある多感で繊細な女の子たちが、講座を通じた交流や謎解きで協力や衝突しながら、それがきちんと向き合ったり成長に繋がってゆく展開はとても良かったと思いました。

 

ではまた。

6月に読んだ本 #読書メーターより

前半はペースも低調で読めてない感が結構あったんですが、結局終わってみたらそれなりの冊数に。まあ冊数よりは面白いの読めたかどうかなんですよね。そういう意味では先月のなかなかいい読書ができました。

 

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:71冊
読んだページ数:20017ページ
ナイス数:4532ナイス

魔法使いの嫁 5 (BLADE COMICS)魔法使いの嫁 5 (BLADE COMICS)感想
本人の意図しないところで悲しい結末に向かってしまったリャナン・シーの話や、シルキーの印象的な過去があって現在があるんだなとか物語の奥行きが出てきましたけど、いろいろ大変なことが続いた分一緒にお祭りの準備をする様子だとか、二人の繊細な距離感にどこかホッとさせられました。
読了日:6月30日 著者:
魔法使いの嫁 通常版 4 (BLADE COMICS)魔法使いの嫁 通常版 4 (BLADE COMICS)感想
リンデルと自分の使う杖を作りながら(分かっている範囲で)明らかになってゆくエリアスの過去。落ち着いているのかなと思っていたエリアスでしたけど、魔法の知識はあっても人との接し方はまだまだ子どもな一面を持ってるんですね。魔法を教わる立場のチセとの関係もエリアスにとっては学ぶことが多いみたいで、まだまだ発展途上の二人がどうなってゆくのか、その距離感の変化がなかなか興味深いですね。
読了日:6月30日 著者:
天空監獄の魔術画廊 V (角川スニーカー文庫)天空監獄の魔術画廊 V (角川スニーカー文庫)感想
脱獄に失敗して監禁されたリオンたち。しかし動き出した師匠・イングラムが率いる革命軍の助けを得て、リオンたちが天空の大監獄を目指しスピカたちとも決着をつける第四弾。イングラムらによって明らかにされてゆく魔王と神々の伝承の真実、動き出した革命軍がリオンに求められる役割。スピカとの最終対決は、覚悟を決めたリオンと彼女たちの絆を強固にすることにも繋がっていて、あの詰めの甘さと抜け目ない強かさならこうなるよねと密かに予想していた通りの結末でした(苦笑)でも満足度の高い終わり方でとても面白かったです。次回作にも期待。
読了日:6月30日 著者:
魔法使いの嫁 通常版 3 (BLADE COMICS)魔法使いの嫁 通常版 3 (BLADE COMICS)感想
チセが凶刃に倒れて冷静でいられなくなったエリアスとか、そんなエリアスにチセが興味を持ち始めたり、なんかエリアスにもいろいろ過去がありそうな感じですね。紆余曲折を経てチセの使い魔になったルツの存在が、どこか危なっかしい二人の関係の中でいい方に作用してくれることを期待。
読了日:6月30日 著者:
百錬の覇王と聖約の戦乙女11 (HJ文庫)百錬の覇王と聖約の戦乙女11 (HJ文庫)感想
美月との結婚式の最中に、神帝リーファの「鋼討伐令」を知った勇斗たち。同盟を組む氏族内にも不安が広がる中、この難局を乗り切るべく勇斗が動き出す第十一弾。日本史の故事にならって難局を乗り切る辺りは何か苦笑いでしたが、下手したら一人だけ取り残されそうな懸念があったリネーアさんがいろんな意味で奮闘したり、「炎」の宗主はやっぱりあの人だったんだなあとかいろいろ激動の急展開が続きましたけど、全体をうまく整理しながらしっかりと物語を進めていて好感。構図もシンプルになってスッキリしましたし、次巻以降の展開が楽しみですね。
読了日:6月29日 著者:
筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 ~鎌倉の猫は手紙を運ぶ (宝島社文庫)筆跡鑑定人・東雲清一郎は、書を書かない。 ~鎌倉の猫は手紙を運ぶ (宝島社文庫)感想
相変わらず毒舌な清一郎とどこか危なっかしい美咲のコンビが、黒猫を介した文通相手の秘密、鎌倉の街に描かれた奇妙なマークの謎解きに挑んだり、書の鑑定で対決する第二弾。義妹の存在や亡くなった母親のことなど取り巻く事情が明らかになる一方で、出品作品に悩む清一郎。心配する美咲が突き放そうとする清一郎にあえて踏み込むことを宣言したり、そんな彼女に徐々に頼るようになった清一郎の少しずつ、確実に変わりつつある距離感も今後の楽しみになってきました。美咲から隠そうとした清一郎の作品が何だったのか気になりますね。続編にも期待。
読了日:6月29日 著者:
ウロボロス・レコード3 (ヒーロー文庫)ウロボロス・レコード3 (ヒーロー文庫)感想
エルフの隠れ里の掟を破り単身で狩りで深追いして陥った危機を謎のダークエルフのドライに救われた少女バーチェ。それをきっかけに彼女を取り巻く環境が一変してゆく第三弾。エルフの隠れ里を突如襲う凶悪な魔物や謎の襲撃者たちとその真意。偶然の出会いが自らや仲間たちの運命まで変えてしまう情け容赦のない展開でしたが、トゥリウスが与えた一見平穏に見える日常の中で、以前反発していたはずの言葉が強烈な皮肉として跳ね返ってくる結末はあまりにもほろ苦かったです。とてもダークなのに今回もぐいぐい読ませる謎の面白さで次巻も楽しみです。
読了日:6月28日 著者:
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器であるなぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である感想
マイクロソフトの伝説のプログラマーで「一度も納期に遅れたことがない男」だった著者が語るスピード仕事術。仕事が終わらないのはラストスパート志向が諸悪の根源で、ロケットスタートを意識し「見積もりを見誤らない」「期限までの日数の2割で、仕事の8割を終えて後は調整の時間に当てる」「難しい仕事は分割して考える」「嫌なことほど効率化させる」といったアプローチには説得力がありました。スケジュール管理だけでなく、仕事の考え方も参考になることが多く、仕事が終わらない人だけでなく、新入社員や学生さんにも是非オススメします。
読了日:6月28日 著者:
玉妖綺譚 (創元推理文庫)玉妖綺譚 (創元推理文庫)感想
異界と現実世界とのはざまで生まれた竜卵石に宿る玉妖。そのひとつ「くろがね」を受け継いだ修行中の駆妖師・彩音が、玉妖に魅入られてしまった姉・百合乃を取り戻すために奔走する物語。今は亡き両親にそれぞれ玉妖を託された姉妹。玉妖のほむらと共にあることを選ぼうとする姉と駆妖師を目指す彩音。主人公が経験不足でいろいろ迂闊なのと、姉含めて事件に繋がる動機が色恋沙汰に寄り過ぎなのはやや気になりましたが、世界観やキャラなどに書きようによってはより魅力的になりそうなポテンシャルを感じたので、続巻で巻き返してくれることを期待。
読了日:6月28日 著者:
ライトノベル・フロントライン2: 特集 イチゼロ年代のライトノベルライトノベル・フロントライン2: 特集 イチゼロ年代のライトノベル感想
市場の変化やウェブ発の作品の拡大、十文字青・如月あずさインタビュー、ボカロ小説やライト文芸に関する論考、中国・韓国のラノベ事情のレポートなど、ゼロ年代の動向を踏まえイチゼロ年代ライトノベルをめぐる動向に迫る第二弾。なろう系作品の進出など現在の動向を踏まえた覚悟や、これからの困難さを語る十文字青さんのインタビュー記事はとても興味深く読みました。ライトノベル研究会のメンバーが推薦する作品群はなるほどと思うセレクト。近年接近傾向にある児童書との関連性も語られた今回は、続巻に期待したくなる読み応えがありました。
読了日:6月28日 著者:
ハルコナ (新潮文庫nex)ハルコナ (新潮文庫nex)感想
数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに、自分の身体には猛毒な特異体質の少女・ハルコ。5年前隣の家に引っ越してきてからずっと彼女をサポートする遠夜が、クラスメートとともに事件に巻き込まれてゆく物語。防護スーツを着て介助なしには外出もできないハルコ。そんな彼女とずっと共にいることだけを願う遠夜が巻き込まれてゆく特異体質に対する抗議行動。おかしいと感じながらもヒートアップする構図に不安を煽られましたが、覚悟を決めた遠夜のほろ苦い決断が、本当に大切なものだけは見事守り切ったことにどこか救われた気分になりました。
読了日:6月27日 著者:
血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)感想
血の価値を決める階級制度に支配された巻き貝状の都市国家ライコス。その最下層にある唯一の酒場『霧笛』で探索業を営むロイスのもとに、少年ルークの捜索依頼が持ち込まれる物語。いかにもいわくありげなルークの素性と依頼者たち。自身も複雑な過去を抱え、何だかんだ言いながらもルークのために奔走するロイス。下層特有のハードボイルドっぽい雰囲気ながらロイスを取り巻く人間関係はわりとウエットで、明らかになってゆく複雑な背後関係が面倒と分かっていても関わってゆくロイスの不器用さがとても好みでした。次巻以降の展開も楽しみです。
読了日:6月27日 著者:
僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)感想
並行世界間が実証された世界。両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦が、地元の進学校で85番目の世界から移動してきたというクラスメイト・瀧川和音と出会う物語。入学時の因縁をきっかけに運命的な出会いを果たした、暦と和音の一見腐れ縁のようにも思える関係。同時刊行作品の出来事との関連性を織り交ぜつつ、並行世界が実在する世界ならではの問題に悩まされながらも、それを力を合わせて乗り越えてゆく二人はとても幸せだったんだろうなと思わせるものがありました。二つ読んで比べてみるといろいろ思うところが出てきてとても面白かったです。
読了日:6月26日 著者:
君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)感想
並行世界間が実証された世界。両親の離婚を経て父親と暮らす少年・日高暦が、父の勤務する虚質科学研究所で佐藤栞という少女に出会う物語。親同士が離婚した研究者という共通点から、共に過ごすうちにほのかな恋心を育んできた暦と栞。全てを一変させるきっかけとなった親同士の再婚話と二人を襲った悲劇。諦めきれずに彼女を取り戻すために生きることを決意した暦の執念は凄まじいと感じましたが、そんな彼に寄り添うように支え続けた同僚の研究者・和音の献身ぶりにも思うところが多かったです。同時刊行のどちらを先に読むのかは悩ましいですね。
読了日:6月26日 著者:
魔法使いの嫁 2 (BLADE COMICS)魔法使いの嫁 2 (BLADE COMICS)感想
チセを買ったことでエリアスが教会から3つの仕事を依頼され、二人でその仕事をこなしていく過程で「夜の愛し仔」や周辺事情が明らかになってゆく第二弾。流れの中でエリエス以外の口から事情を聞かされてしまったチセでしたけど、自らの置かれた状況を認識しつつ、それでもエリアスを信じてみようと思うくらいには二人の間に信頼関係が構築されつつあるのかなと。しかし最後の急展開でどうなるのか次巻が気になりますね。
読了日:6月26日 著者:
オークブリッジ邸の笑わない貴婦人2: 後輩メイドと窓下のお嬢様 (新潮文庫nex)オークブリッジ邸の笑わない貴婦人2: 後輩メイドと窓下のお嬢様 (新潮文庫nex)感想
オークブリッジ邸に戻り相変わらずサボりがちな後輩メイド・エミリーに手を焼くアイリーン。そんな状況でフランスへ留学中だったエズミお嬢様が突如現れたり、以前トラブルで辞めた家のご主人様にも再会する第二弾。いい加減なエミリーにイライラし、敵対する言動が多いエズミに振り回されるアイリーンでしたけど、彼女たちの危機に迷わず率先して動く辺りが彼女らしいですよね。しかし今の暮らしを気に入っていても、将来的な身の振り方も視野にいれる必要を示唆された今回。ユーリさんとの関係含め今後どんな展開になってゆくのか気になりますね。
読了日:6月26日 著者:
拝啓、十年後の君へ。 (メディアワークス文庫)拝啓、十年後の君へ。 (メディアワークス文庫)感想
十年前、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。躓いている登場人物たちがタイムカプセルをきっかけに昔の想いを思い出してゆく連作短編集。十年後掘り起こすはずが、なぜか連絡網のリレーのような形で順繰りに送られる小学校時代のタイムカプセル。それを受け取ったことで彼らが忘れていたり気づいていなかった自らの想いを自覚し、その遭遇した転機や再会が関わった人たちを確実に変えてゆく。そんな登場人物たちの前を向いて変わってゆこうとする足跡が爽やかな読後感に繋がっていると思いました。次回作にも期待。
読了日:6月25日 著者:
魔法使いの嫁 1 (BLADE COMICS)魔法使いの嫁 1 (BLADE COMICS)感想
身寄りもなく生きる希望も術も持たない15歳の羽鳥チセが、彼女を金で買ったヒト為らざる魔法使いエリアスとともに暮らすようになる物語。自己評価がどうしても低くならざるをえない境遇で生きてきたチセと、そんな彼女をあえて大金で買ったエリアス。お互いにまだ分からないことも多くて、魔法使いとしての弟子と同時に嫁としても期待するエリアスをどこまで信用していいものか、まだまだわからない部分も多いですけれど、こういう世界観はとても好きだなと思いました。続巻以降も期待して読めそうです。
読了日:6月25日 著者:
【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 神の値段【2016年・第14回『このミステリーがすごい!大賞』大賞受賞作】 神の値段感想
人前には一切姿を見せない前衛芸術家・川田無名。唯一繋がりがあったギャラリー経営者永井唯子が殺され、アシスタントの佐和子が犯人や無明の居場所、最後に残された作品の謎を探るべく動き出す物語。唯子の突然の死によってその後始末に奔走する佐和子、事件後も見つからないまま生死すら不明の無名、彼が1959年に描いた作品が今売りに出される意味。殺人事件自体の真相は陳腐でしたが、新しい事実が判明する度にガラリと変わってゆく登場人物たちの印象、作中で語られる芸術家のありようや作品に対する考え方はとても面白かったと思いました。
読了日:6月25日 著者:
恋は雨上がりのように 5 (ビッグコミックス)恋は雨上がりのように 5 (ビッグコミックス)感想
店長のことをもっと知りたいとあきら、そんなあきらを少しずつ意識するようになってゆく店長。そして加瀬にも思わぬ想い人が発覚する第五弾。一度諦めた人からするとあきらのような存在は眩しくて、でも彼女の真っ直ぐな想いが徐々に効いてきてるのかな。加瀬にも身近でまさかの想い人がいることが判明。片想いしてる人たちが多いけれど、どういう展開になってゆくのか気になりますね。
読了日:6月24日 著者:
シグザール警察特命官 まるで愛おしくない君とふたり (コバルト文庫)シグザール警察特命官 まるで愛おしくない君とふたり (コバルト文庫)感想
上司の思惑によってエリート警察官・ジークが左遷されたのは、刑事課の雑用係として悪名高い十三区特別命令班。そこでただ一人働くイリスと組んで仕事をすることになる物語。いわくありげながらも健気で危なっかしいリリスを見て、一刻も早く出世街道に復帰しようと目論む有能なジーク。そんな状況からイリスは一緒に仕事をする喜びを知って、ジークもまた彼女の知らなかった一面を知って少しずつ感化されてゆく展開はいいですね。二人ともまだ見えていない部分でいろいろ背景を抱えていそうで、二人の関係がどうなるのかも含めて続刊に期待ですね。
読了日:6月24日 著者:
椿町ロンリープラネット 3 (マーガレットコミックス)椿町ロンリープラネット 3 (マーガレットコミックス)感想
暁のことが好きだと気付いたふみ。意識してるんだかよくわからない暁の言動や、ライバル桂さんの登場によって心が揺れる第三弾。ついにそういう意味で動いてきたかなという今回でしたが、ちょっと意地悪かなあと思った桂さんは噛ませ犬的な存在になっちゃいましたけど、動揺するのも無理ないなと想うふみだけでなく、暁の方も変化の兆しがありそうで今後が楽しみですね。
読了日:6月24日 著者:
まいごなぼくらの旅ごはん 季節の甘味とふるさとごはん (メディアワークス文庫)まいごなぼくらの旅ごはん 季節の甘味とふるさとごはん (メディアワークス文庫)感想
岡山・倉敷での没交渉だった兄弟を結ぶ懐かしのパンの味、益子での恋する男女が悩む器にふさわしいメニュー、静岡菊川の実家で料理のできないひよりに作れる料理と料理に絡めた問題を解決する第二弾。食べに行きたくなるような行く先々での美味しい料理の紹介もさることながら、様々な出会いを重ねてゆく中でお互いに想うところを育んでゆく二人の距離感もまたいいですね。ひよりの実家に一緒に行って家族に対面とか一体どうなることかと思いましたが、落ち着くべきところに落ち着いたのかなと。ひよりの気持ちのいい食べっぷりは今回も健在でした。
読了日:6月23日 著者:
お世話になっております。陰陽課です (2) (メディアワークス文庫)お世話になっております。陰陽課です (2) (メディアワークス文庫)感想
陰陽課に所属する杓子定規な新米公務員・祈理とチンピラに見える公認陰陽師・五行主任の凸凹コンビが、「五山の送り火」が近づく中発生する問題の解決に動き出す第二弾。最初は図らずも式神としての春明の主となったことに戸惑っていた祈理でしたけど、相変わらず二人のテンポの良いやりとりは面白いですね。どちらも足りないところはあるけれど、相手のことをきちんと理解するようになっていて、お互いを補い合ういいコンビになってきている感じもいいですし、登場人物も増えてきて今後の物語の広がりにも期待できそうです。次巻以降の展開に期待。
読了日:6月23日 著者:
神話伝説の英雄の異世界譚 5 (オーバーラップ文庫)神話伝説の英雄の異世界譚 5 (オーバーラップ文庫)感想
フェルゼン属州でリズとアウラを救い出し、皇帝の召喚状を受けて帝都へ向かう比呂。リズを玉座につけるために動き出した比呂の前に第一皇子シュトベルが立ちはだかる第四弾。関係者を厳しく処断する皇帝の思惑、突如皇位継承権の放棄を宣言したシュトベルの真意。張り詰めた空気の中で動き出した状況は比呂の予測を超えるもので、いろいろ背後関係も明らかになりましたけど、苦しい状況はしばらく続きそうな予感。無邪気だったリズも王位目指して成長してはいるものの、それでも毎回力不足を突きつけられ傷めつけられてしまう展開は厳しいですね。
読了日:6月22日 著者:
金物屋夜見坂少年の怪しい副業 -神隠し- (集英社オレンジ文庫)金物屋夜見坂少年の怪しい副業 -神隠し- (集英社オレンジ文庫)感想
金物屋を営むも不本意ながら副業である「まじない屋」の方が繁盛している夜見坂少年。医学生・千尋と消えた料亭の娘の謎を解いたり、武官を目指している弟の元に戦場で事故死したとされる兄が現れる反魂香の話が描かれる第二弾。今回は事件を解決に動くというよりは、大正時代っぽさが強く反映される世界観の中で、恋する男と添い遂げるために思い切った行動に出たお嬢さんや、きな臭くなってきた状況で弟を心配する兄の想いを、裏方としてフォローするような役回りでしたけど、これはこれでいい感じですね。続編あるようならまた読んでみたいです。
読了日:6月22日 著者:
異世界とわたし、どっちが好きなの? (MF文庫J)異世界とわたし、どっちが好きなの? (MF文庫J)感想
異世界ハーレムを夢見る高校生・市宮翼が、偶然クラス一の美少女・鮎森結月がラノベ好きであることを知り、異世界転生に行く機会を得るもののポイントが足りない二人が課題を達成するために同盟を結ぶ物語。異世界でチートハーレムがしたい翼と、異世界で仲間と冒険がしたい結月。方向性は違うものの目的が一致する不器用な二人が、ポイントを稼ぐために二人で文化祭の実行委員に立候補したり擬似デートをしたり、協力して少しずつ距離を縮めて心境が変化してゆくのはよくある展開かなと少し感じつつも、とても微笑ましかったです。次回作にも期待。
読了日:6月22日 著者:
Re:ゼロから始める異世界生活 短編集 (2) (MF文庫J)Re:ゼロから始める異世界生活 短編集 (2) (MF文庫J)感想
ロズワール邸を発端とした魔獣騒動が一段落し、屋敷と村に平和な時間が訪れていた時期。スバルが彼女たちと過ごした平穏な日々を描く短編集第二弾。思わぬ弱点が発覚したエミリアのために皆が協力したり、ラムとスバルが食材集めのため二人で出かけたり、屋敷を突如襲った寒波に発想の転換で楽しもうとしたり。本編ではシリアスな展開が続いていますが、この短編集はとてものんびりした雰囲気で、キャラたちがいきいきと動いている様子にはどこかほっとさせられました。本編もみんなが笑顔でいられるように物語が好転してくれるといいんですけどね。
読了日:6月21日 著者:
小説の神様 (講談社タイガ)小説の神様 (講談社タイガ)感想
作家としてデビューするも酷評されて書く自信を失っていた高校生・一也が人気作家の転校生・小余綾詩凪と出会い、彼女との小説合作を提案される青春小説。重い病気の妹のためにと思いながら、厳しい評価にネガティブになりがちな一也と、小説の力を信じていて彼に辛辣な詩凪。書く楽しさを思い出してゆく一也に突きつけられた残酷な現実はとても苦しかったですが、そんな彼が完璧に見えていた詩凪の苦しみに気づき、再び向きあおうと決意する姿は応援したくなります。作品を書くことに対するとても繊細で、強い想いを感じられる素晴らしい作品した。
読了日:6月21日 著者:
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。4 (HJ NOVELS)うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。4 (HJ NOVELS)感想
夜祭りの日にラティナからついに一途な想いをぶつけられたデイル。反抗期と勘違いし激しく落ち込んでいたデイルが、ケニスとのやり取りで本当の意味に気づき、関係の大きな変化に繋がってゆく第四弾。冷静でいられないラティナの言動に周囲がやきもきする中、これまで向き合うことを避けてきた想いをついに自覚するデイル。ルドルフも頑張ったんですけどね。二人の関係がようやく転機を迎えたと思ったら、そこからさらに斜め上の展開が待っていてビックリしました。でも二人なら多少の困難も一緒に乗り越えられそうですね。次巻以降の展開にも期待。
読了日:6月20日 著者:
日曜は憧れの国 (創元推理文庫)日曜は憧れの国 (創元推理文庫)感想
内気な千鶴、明るく子供っぽい桃、ちゃっかりして現金な真紀、堅物な優等生公子の四人が四谷のカルチャーセンターの講座で出会い、そこで遭遇する様々な事件の謎に挑む青春ミステリ。ひょんなことから一緒に講座を受けることになった性格も学校もばらばらな四人がそれぞれ主人公役となって連作短編を構成する形式。現状に悩みを抱えていて、他の子に複雑な感情を抱いたり長所も短所もある多感で繊細な女の子たちが、講座を通じた交流や謎解きで協力や衝突しながら、それがきちんと向き合ったり成長に繋がってゆく展開はとても良かったと思いました。
読了日:6月20日 著者:
異世界作家生活 女騎士さんと始めるものかきスローライフ (ダッシュエックス文庫)異世界作家生活 女騎士さんと始めるものかきスローライフ (ダッシュエックス文庫)感想
中堅ラノベ作家長谷部チカラが異世界から来た女騎士シーナに依頼され、異世界で小説教室を開く事になる物語。教師業の傍らで密かに王国初の本格ライトノベル刊行を目指すチカラが、崇高な使命に見せかけて実は自分の欲望に忠実なだけのシーナや、ツンデレドワーフのミクニ、異世界にやってきてしまった同期の売れっ子作家・堀松ひらたちに振り回されながらのんびりと過ごす展開で、可愛いキャラたちもよく動いて、アニメ化に届かないラノベ作家としての鬱屈もリアルでしたけど、何らかの形で結末があると良かったような。続編前提なんでしょうかね。
読了日:6月20日 著者:
イグニッション・ブラッド (2) 復讐者の狂宴 (ファンタジア文庫)イグニッション・ブラッド (2) 復讐者の狂宴 (ファンタジア文庫)感想
無事エクイテスへの入隊を果たしたペスティやクインたちとの同棲によりドタバタな日常を過ごす十影。一方至高の血族が逆襲のための作戦を立案し、十影が抱える因縁の相手が立ちはだかる第二弾。彼女たちに振り回される日々を送る一方で明らかになる十影の過去の苦しい記憶と、そんな十影を仇として付け狙うライル率いる至高の血族の逆襲。幾重にも絡む因縁に決着をつけるライルとのバトルは熱かったものの、勝負に勝って戦いに負けた感のある絶望的な状況や、三角関係の均衡にも危うさの予兆を感じたりで、難しい展開が続きそうですね。続編に期待。
読了日:6月19日 著者:
14歳の恋 514歳の恋 5感想
密かに数学を苦手だけど彼方には言えない和樹の複雑な葛藤とか、修学旅行の班編成で一緒になりたいのにそこまでの道のりが遠い二人の前に現れた救世主の事情とか、不器用な二人なだけに難しいこともあるけど悪いことばっかりじゃないなーとも思える展開がいいですね。二人の関係も気になるけど、周囲の人間関係も何か面白いことになってきているようで、その辺りにも今後注目していきたいですね。
読了日:6月19日 著者:
14歳の恋 414歳の恋 4感想
秋の冬服への衣替えを巡る二人の絡み合う想いとそんな彼方を眺めてる志木とか、和樹が体育員会に選ばれてからのすれ違いの顛末とか読んでいてニヤニヤしてしまいましたが、ついうっかり踏み込んでしまう日野原先生と、そんな彼女に戸惑いつつも先生のために奔走してしまう長井の関係がとてもいいんですけど、大丈夫かなあとちょっと心配になりました(苦笑)
読了日:6月19日 著者:
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (6) (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と禁忌教典 (6) (ファンタジア文庫)感想
魔術論文を書いてなかったため講師契約更新の危機に陥ったグレンは自腹での古代遺跡調査が必要となり、生徒を使い調査に乗り出すことになる第六弾。過去の記憶を失っているセリカが抱える因縁。そんな彼女がグレンたちに同行して調査した古代遺跡に眠っていた秘密。セリカはルミア同様物語のキーマンの一人のようで、ここに来てぐっとその存在感を増してきましたね。なかなか素直になれない面倒な子・システィは他のヒロインに嫉妬したりいろいろ葛藤もありましたけど、グレンと彼女ならではの立ち位置もあると思いますしここからの巻き返しに期待。
読了日:6月18日 著者:
侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)感想
事故で亡くした息子と同じ名前の少年・朋巳。彼を家に入れた結果、その母親や弟まで寄生を始め徐々に家を侵食されていく物語。父親があまり寄り付かない家庭の隙間に入り込んで洗脳してゆく過程があまりにも巧妙で、狡猾に煽って分断されたことでお互い対立して孤立し変わり果ててしまう母親や姉妹たちの変貌ぶり。家族内で微妙な扱いであったがゆえに、ただ一人危機感を失わなかった美海という皮肉な展開。そんなどうにも救いようがない感じに追い詰められていくのに、エピローグでは穏やかな雰囲気になってしまっているのがまた恐ろしかったです。
読了日:6月18日 著者:
ストライクフォール (ガガガ文庫)ストライクフォール (ガガガ文庫)感想
代理戦争として発展した宇宙競技ストライクフォール。そんなストライクフォールに魅せられたひとり鷹森雄星が、ストライクシェルに身をつつみ広大な宇宙のフィールドに挑む物語。はるか先を行く若き天才な弟・英俊と雄星を見守る幼馴染・環という定まらない三角関係。雄星に変化をもたらしたアデーレとの出会い。アデーレや英俊との戦いの中からようやく力の片鱗を見出しつつあった雄星が思わぬ事態に遭遇し、あえて無謀な戦いに挑むことを決意する熱くスピード感溢れる展開はとても面白かったです。今後の困難を予感させる結末でしたが続編に期待。
読了日:6月17日 著者:
不戦無敵の影殺師 7 (ガガガ文庫)不戦無敵の影殺師 7 (ガガガ文庫)感想
小手毬が煌霊から人間に戻る手段を見つけるも、天上のままでは不老不死の朱雀。二人が共に生きるため、小手毬の願いを叶えるため最強の天上に挑む第七弾。共に生きて小手毬の願いを叶えたいと思う二人。天上を辞めるしかないと決意する朱雀が挑む最強の天上・神代。天上の過去の因縁が語られつつ、二人で挑んだ神代との決戦はこの物語らしい展開。煌霊使いとしての二人の最後の戦いは拍子抜けするくらいあっさりしていましたが、安心できるような二人や周囲のその後をきちんと描いてくれた結末には好感。最後まで読めて良かったです。次回作も期待。
読了日:6月17日 著者:
エルフ嫁と始める異世界領主生活 (2) ―そうだ、この異世界に学校を建てよう― (電撃文庫)エルフ嫁と始める異世界領主生活 (2) ―そうだ、この異世界に学校を建てよう― (電撃文庫)感想
エルフ美少女を嫁にもらって異世界領主となった由太。しかし様々な常識の違いから離島民と異世界領民のあいだに軋轢が生じ、そんな事態を打開するために学校を作りいろいろ常識や知識を教えようとする第二弾。国や村の支援もほとんど望めない中、エルフ嫁や幼馴染といった仲間(ヒロイン)たちと手作り学校を始めた今回。ヒロインたちのお約束展開を交えつつ、空中分解しかけた離島民と異世界領民の仲を修復するために由太が仲間と奔走する展開は、シリアスになり過ぎず安定して楽しめました。いつの間にか幼女な愛人候補もできて今後の展開に期待。
読了日:6月17日 著者:
水鏡推理3 パレイドリア・フェイス (講談社文庫)水鏡推理3 パレイドリア・フェイス (講談社文庫)感想
地震後、栃木県の山中に出現した「人面塚」にマスコミが殺到。その隣村ではN極S極の地磁気逆転が見つかり、その2つの現象に水鏡瑞希が挑む第三弾。地質調査に派遣されるものの過去に捏造に痛い目を見ているがため、否定的な報告結果を期待する上層部。そして人面塚を巡る謎と強引な地主の思惑。相変わらず水鏡は突っ走ってましたけど、今回は手綱を締める教育係・廣瀬の存在が大きかったですね。様々な思惑が錯綜する理不尽で絶望的な状況でも最後まで諦めない、そこから見事覆してみせた二人の奮闘には清々しいものを感じました。次巻も期待。
読了日:6月16日 著者:
紅霞後宮物語 第四幕 (富士見L文庫)紅霞後宮物語 第四幕 (富士見L文庫)感想
明慧の葬儀も終わり春が訪れようとする頃、文林が小玉に不自然な帳簿を示し、鄒王の死やさらには明慧の死に繋がるものとして現地調査を小玉に託す第四弾。政治上のパートナーとしては以心伝心の息の合ったコンビなのに、文林は文林で沈太監の存在に心穏やかではいられない上に父親としてはどうなのな言動があったり、洞察力に優れた小玉も文林相手だとなぜか配慮に欠けていたり、そんなちぐはぐな二人の関係がいいですね。シリアスな展開はまだ続きそうですけど、脇役たちも主役二人に負けない存在感で物語を引き締めていて、これからも楽しみです。
読了日:6月15日 著者:
かくりよの宿飯 四 あやかしお宿から攫われました。 (富士見L文庫)かくりよの宿飯 四 あやかしお宿から攫われました。 (富士見L文庫)感想
突然銀次を連れて行こうとする折尾屋の旦那頭・乱丸に抵抗し、南の地に攫われてしまう葵。「折尾屋」のあやかしたちの妨害を受けながらも、銀次と一緒に「天神屋」に帰るために行動を起こす第四弾。攫われてどうなることかと思いましたが、美味しいご飯で同志を増やして敵地でも自らの居場所を確保してゆく葵はたくましいですね。そんな葵が心配で陰ながらサポートしつつ、料理を手伝えるとなるとウキウキしている若旦那も何か良かったですね(苦笑)二人の関係も今後に期待しつつ、葵が儀式成功のキーマンになりそうな折尾屋編の下巻も楽しみです。
読了日:6月15日 著者:
中古でも恋がしたい! 6 (GA文庫)中古でも恋がしたい! 6 (GA文庫)感想
古都子のイメージ払拭のため文化祭でメイド喫茶を企画する清一たち。しかし文化祭はアコのいる黒陵高校との合同文化祭になり、初芝が彼女の画策に巻き込まれる第六弾。古都子ともギクシャクしてしまい、やもやしたものを抱えたままの初芝。そんな初芝を気にかける周囲が救うべく奔走する展開でしたけど、まっすぐにぶつかった清一や古都子の想いが初芝に伝わり、初芝もようやく素直に気持ちを伝えられた展開は良かったです。そういう意味で物語的にも大きな転機になりましたけど、まだ何かありそうなアコの言動が気になりますね。次巻も楽しみです。
読了日:6月14日 著者:
29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)感想
目つきは怖いけれど職場では一目置かれる29歳の社畜・槍羽鋭二。そんな彼が休日のネカフェで説教した女子高生・南里花恋になぜか告白されてしまう物語。運命的な出会いと信じて果敢に攻める花恋。彼女の言動にやきもきして孫との交際を業務命令してしまう社長。そんな状況に戸惑う彼が直面する仕事上での危機的状況。女子高生に社畜が迫られるラノベ的展開ながら、そんな鋭二も周囲の人々に慕われる存在で、仕事や花恋の夢にそれぞれの事情とやや1冊に詰め込み過ぎた感はありましたが、登場人物たちが奮闘する展開は読みやすくて面白かったです。
読了日:6月14日 著者:
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア6 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア6 (GA文庫)感想
遠征を終えたアイズ達ロキ・ファミリアの一部は、迷宮第二の出入口を探すため港街メレンを訪れ、そこに船で現れたカーリー・ファミリアとの遭遇でティオネとティオナの凄惨な過去が明らかになる外伝第六弾。いずれも秘密を抱えていそうなメレンの実力者たち、ティオネとティオナが抱えたままだった因縁。今回は女性陣メインでアマゾネスたちの闘争本能に突き動かされるような展開でしたが、二人が過去と決別して前に進むためには必要な過程だったのかなと。出番がなかった男性陣も最後はカッコ良く締めましたが、アイズの弱点はちょっと意外でした。
読了日:6月13日 著者:
チョコレート・ダンディ ~君の瞳は甘い罠~ (コバルト文庫)チョコレート・ダンディ ~君の瞳は甘い罠~ (コバルト文庫)感想
小説の続編を構想中でネタ探しに燃える少女アデルに振り回されっぱなしのオスカー。その頃王都に黒薔薇を名乗る美術品泥棒が出没し始め、アデルがリュミエラ・ローズという筆名で活躍するクライヴという美青年と知り合う第二弾。相変わらずまっすぐで純真で、けれどどこか世間知らずで無防備なアデルに振り回されたりハラハラするオスカーについニヤニヤしてしまいましたが、アデルの言動が多くの人たちを変えてゆく一方で、オスカーの苦悩はなかなか尽きませんね(苦笑)ユーディとリンディアもいい感じにまとまりそうですが、続巻期待しています。
読了日:6月13日 著者:
血翼王亡命譚 (2) ―ナサンゴラの幻翼― (電撃文庫)血翼王亡命譚 (2) ―ナサンゴラの幻翼― (電撃文庫)感想
翼人伝説を探すイルナに誘われ、ユウファたちはかつて翼人が繁栄を極めたとされる秘境ナサンゴラへ向かうことに。道中で出会った母娘とともに向かった先で、突然の凶報をきっかけに巻き込まれてゆく第二弾。アルナを喪った空白を埋められないままのユウファ、街全体が湖の底へ沈む凶兆に巻き込まれる一行、長らく続いていた脚本通りの繰り返しを打破するための挑戦。やや説明力不足かなあと感じた部分もありますが、儚く美しい世界観やそこで葛藤を抱えながら生きる登場人物たちによって紡がれる言葉はとても印象的でしたね。彼らの今後の旅に期待。
読了日:6月12日 著者:
14歳の恋 314歳の恋 3感想
二人が思いもよらない流れからすれ違うことになってなかなか元に戻れなかったり、そんな二人を見ている志木の複雑な気持ちだったり、長井と先生の密会が先輩にバレたことから始まるあれこれだったり、こういう繊細な描写の積み重ねが結構ぐっと来るんですよね。志木のお姉さんが登場したり、登場人物もいろいろ増えてきて、物語としても幅が広がっていきそうな今後に期待ですね。
読了日:6月11日 著者:
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.11 (電撃文庫)ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.11 (電撃文庫)感想
新職解放のアプデで致命的バグが発生した結果、キャラを一時的に凍結されてしまい皆が新キャラ作成してカオス状態になる一方、リアルでもクラスが男女で対立する危機的状況に陥ってしまう第十一弾。新キャラ作成による役割変更や豚姫ロールプレイ変更とかいつもと勝手が違ってなかなか新鮮でしたけど、役割経験すると相手の苦労が分かるような一面もありそうですね。しかしまさかリアルで二人の仲が周囲の空気に影響される日が来るとは。アコは何だかんだで成長してるなあと感慨深い気持ちになりましたが、やっぱりアコはアコだった件。次巻も期待。
読了日:6月11日 著者:
14歳の恋 214歳の恋 2感想
彼方が気になる女の子志木が登場したり、クラスで浮いている長井にいろいろちょっかいを出す日野原先生との関係が気になる第二弾。クラス男女の雰囲気が微妙になってくると、フォークダンスとかいろいろ微妙なことになるとかありそうだなあと思ったり、彼方絡みで二人を観察してる志木さんのいろいろな気付きとか、何気にいい人だったりする長井だったり、二人の関係は相変わらず甘いですけどその周囲との関わりもまたとてもいいですね。
読了日:6月11日 著者:
14歳の恋 114歳の恋 1感想
見た目が大人っぽい中学2年生の田中彼方と吉田和樹。周りに内緒で付き合う幼馴染2人の甘酸っぱい関係を描く初恋物語。中学生になって変わってしまう男子と女子の距離感。周囲に大人っぽいと思われて注目される二人。そんな中で周囲に気取られないようにこっそり視線を交わし合ったり、ひっそりと放課後理科室で会ったりするけど一緒には帰らない、そんな二人の距離感が素晴らしい。初々しさが垣間見える周囲に秘密な二人の関係というのがまた萌えるんでしょうね。甘い展開に悶え転がるのが大好きな人に是非オススメしたいです。
読了日:6月11日 著者:
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない (電撃文庫)青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない (電撃文庫)感想
やむなく始まった初恋の相手・翔子との同居生活が麻衣にばれ、人生最大の窮地に立たされた咲太。まさかの麻衣も同居する展開の中、初恋相手「翔子」と中学生「翔子」二人の謎に迫る第六弾。咲太が辛い時に一緒にいてあげられなかった麻衣。病状の悪化により入院している中学生の翔子と、咲太の前に現れた大学生の翔子の想い。厳しい決断を迫られる咲太にいつもはクールな麻衣さんの告げる想いが咲太への想いに溢れていましたけど、翔子の決断を覆そうと奔走する咲太にとって、あまりにも辛い結末でしたね。急転する物語の続きが早く読みたいです。
読了日:6月10日 著者:
はたらく魔王さま! (16) (電撃文庫)はたらく魔王さま! (16) (電撃文庫)感想
月の神討ちのためにサタンの遺産捜索が始まる中、真奥が正社員登用研修で一緒になった女子に高級義理チョコをもらったことから、思わぬ騒動に発展してゆく第十六弾。アシエスの食い意地により拡散する義理チョコ話、それに思わず動揺してゆく女性陣。事態が大きく動いているとはいえ、思いを伝えたちーちゃんに真奥が曖昧なままにしていたことは事実で、そんな状況で仲間たちの助けにもなる大仕事をした上で、しっかり真奥へアピールもしてみせたちーちゃんはお見事。鈴乃や恵美の想いも垣間見えた一方で不穏な動きも出てきそうで次巻が楽しみです。
読了日:6月10日 著者:
重版出来! 5 (ビッグコミックス)重版出来! 5 (ビッグコミックス)感想
グラビア印刷を巡る職人の世界、巨匠漫画家×巨匠デザイナーのこだわり、そして売れている本を巡る書店員や倉庫で働く人たちの思いが描かれた第五弾。職人的な気質の人がどんどん減っている中で、裏方として働く人たちのこだわりが感じられて、そういう人たちの想いの先に書店に並んでいる本があると思うと、また違った感慨がわきますね。絹ちゃんもきちんと言いたいこと言えて良かったなと思いました。転売屋を思うとサイン本の取り扱いはなかなか難しいですね。。。
読了日:6月9日 著者:
個人と国家 人魔調停局 捜査File.02 (Novel 0)個人と国家 人魔調停局 捜査File.02 (Novel 0)感想
ライルに持ち込まれた度重なる不法移民「ベイグラント」暴走事件。一方で冷戦状態のヘクト連合王国からテロリスト・ヴォルフが密入国してくる第二弾。多忙で保護者としてクーベルネを構ってやれないライル。そんな彼が遭遇する不法移民の暴走事件。テロリストと彼を追う追跡者たちとの因縁。英雄候補であるがゆえに否応なく次々と陰謀に巻き込まれてゆくライルと、理想だけでは割り切ることが難しい不法移民や国の思惑に振り回される展開。登場人物たちそれぞれの生き様もまた心に響いて、分厚いだけでなくとても読み応えがありました。続編に期待。
読了日:6月9日 著者:
洋食屋じゃぽんの料理帖 ソップからはじまるフル・コウス (富士見L文庫)洋食屋じゃぽんの料理帖 ソップからはじまるフル・コウス (富士見L文庫)感想
御一新前から続く老舗料理屋「津ざき」。従兄に乗っ取られた亡き両親の店で見習い料理人として働いていた柚子が、両親の墓前で記憶喪失の男・周を助ける物語。明治の時代に元両親の店で見習い料理人として働く柚子の難しい境遇、名前以外記憶がないまま津ざきで働くことになった周の意外な特技、因縁の従兄や古株の親方との対立。辛い立場の柚子と色々言いながら彼女を支えるワケありの周でしたけど、真摯に料理に取り組む彼女を支える人たちもいて、頑張りながら報われていなかった彼女に転機があって良かったなと思えました。続編に期待ですね。
読了日:6月8日 著者:
はみ出し妖精旅団征戦記 (2) (ファンタジア文庫)はみ出し妖精旅団征戦記 (2) (ファンタジア文庫)感想
レッチを加えた妖精旅団はある物を求めディルニスタンの宮殿跡を目指し、旅団の強さを痛感した将軍ゼイズが六国に打倒妖精の同盟締結を提案。侵食領中央部で大陸をかけた大戦争が始まる第二弾。様々な思惑が錯綜する六大国、妖精旅団を匿っていたことで決断を迫られるミスライト、対話した上で仕掛けてきた国々と対決する妖精旅団。レッチェもすっかり馴染んでたくましくなっていたり、戦いに挑むそれぞれの想いがぶつかる展開はなかなか良かったです。メンバーや各国の掘り下げはもっとじっくり読めると良かったかなと感じましたが次に期待ですね。
読了日:6月8日 著者:
ハレのヒ食堂の朝ごはん (ハルキ文庫 な 15-1)ハレのヒ食堂の朝ごはん (ハルキ文庫 な 15-1)感想
仕事で上手く行かないことが続いて仕事や住む場所を失い、ついにはホームレスにまで転落しかけた深幸が、朝ごはんの専門店「ハレのヒ食堂」と出会いそこで働くようになる物語。失敗続きですっかり自信を失ってしまっていた深幸。そんな彼女を雇ってくれた、夫を喪ってから思い詰めたように料理に取り組む晴子。どこかイマイチだったハレのヒ食堂を、ワケありの二人が周囲の助けも得ながら立て直してゆくストーリーは、著者さんらしい温かさがあってでとても良かったです。すっきり終わったようにも思えますが、続編あったらまた読んでみたいですね。
読了日:6月7日 著者:
道然寺さんの双子探偵 (朝日文庫)道然寺さんの双子探偵 (朝日文庫)感想
福岡県の道然寺に住む性格が正反対な中学生の双子。副住職・窪山一海にもたらされる檀家さん絡みの数々の謎に、双子がそれぞれの論理で事件の謎をに挑む物語。悪意で物事を考えるレンと性善説で物事を考えるラン。軒下に捨てられ道然寺で育てられた双子の二人が、消えた香典や飴屋の娘の憂鬱、水子供養や夢に出てきた女性など、正反対のアプローチから挑む二人の謎解きはなかなか面白かったです。住職や遠縁でお手伝いのみずきさんもなかなかいい味を出していて、彼女や双子にいじられっぱなしの一海視点から語られる物語、シリーズ化を期待します。
読了日:6月7日 著者:
ヒーローズ(株)!!! (メディアワークス文庫)ヒーローズ(株)!!! (メディアワークス文庫)感想
ふとしたきっかけからコンビニ店員のアルバイトになっていた修司が、同僚からヒーロー製作所でのアルバイトを持ちかけられる物語。いつまでも頭を離れない「なーんの面白味もない人生やったなあ」という病床にある祖父の言葉。些細なきっかけから全てを失ってしまったまさかの転落人生。そんな修司がヒーローが最高の仕事ができるように支える仕事を通じて様々な人と出会いその様々な人生を知り、彼らの言葉に勇気づけられてゆく中で、自らもまた再び前を向いて歩けるようになるきっかけを得る読んでいてとても励まされる物語でした。次回作も期待。
読了日:6月6日 著者:
山内くんの呪禁の夏。 (角川ホラー文庫)山内くんの呪禁の夏。 (角川ホラー文庫)感想
生まれもっての災難体質を持つ小学六年生の山内くん。彼の住むアパートが火事で焼け父の実家に戻ったことで、昔彼にお守りをくれた不思議な子・紺と再会する物語。紺によってこの世ならぬものが見える目にされてしまった山内くん。久しぶりに訪れた父の実家がある田舎の特殊な雰囲気と、未解決なままの連続神隠し事件。そして紺や仲間たちと一緒に次々奇妙な事件に遭遇する中で、徐々に明らかになる山内くんを取り巻く因縁。彼らの友情なのか淡い恋心なのかまだ判別がつかない想いは、その因縁とも複雑に絡んでいきそうで、続編がとても楽しみです。
読了日:6月6日 著者:
お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮ふたりの世界 (集英社オレンジ文庫)お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮ふたりの世界 (集英社オレンジ文庫)感想
空円と覚悟の営む孤月寺に転がり込んだ三久が、見習いをしながら「寺カフェ」を流行らせたいと目論む中、亡くなった妻の墓参りに来たという豆腐屋の主人・マメクマが現れる第二弾。いろいろ目論むもなかなか寺カフェのお話は進まないですけど、心配になったら気になって仕方ない三久さんが、空円さんの女難まで心配したり、覚悟さんの壁ドンとかあったりサービスシーン多かったですね(苦笑)ビシっと良いこと言う空円さんの言葉がとても重みがあり、まだまだ半人前ながらも三久さんも彼なりに関係を築きつつあるのかなと感じました。続巻も期待。
読了日:6月5日 著者:
お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客 (集英社オレンジ文庫)お坊さんとお茶を 孤月寺茶寮はじめての客 (集英社オレンジ文庫)感想
勤め先をリストラされ路頭に迷ってしまったお人好しで要領の悪い三久が行き倒れ、クールな美形僧侶・空円と、謎の水商売風男・覚悟の二人が営む貧乏寺・孤月寺に僧侶見習いとして居候することになる物語。修行に邁進して自他ともに厳しい空円とチャラい雰囲気の覚悟。お人好しな気質な三久は周囲で起こる悩みやトラブルに巻き込まれて、対象的な二人に助けられつつ問題を一緒に解決してゆくうちに、何となく絆みたいなものが育まれてゆく展開はなかなか良かったです。三久だけでなく、空円や覚悟にもいろいろ過去がありそうで、その辺は続巻に期待。
読了日:6月4日 著者:
転生したけど、王子(婚約者)は諦めようと思う (アイリスNEO)転生したけど、王子(婚約者)は諦めようと思う (アイリスNEO)感想
公爵家令嬢クリスティーナはある日、自分が恋愛ゲームの恋敵役に生まれ変わっていたことに愕然とし、彼をヒロインに奪われる運命を静かに受け入れようと決心するも意外な方向に向かう物語。わりとよく見かける展開から物語をうまく変化させてきて、転生設定の必要性がやや中途半端だったような気もしますが、諦める決心をしながらも矜持を失わず健気に王子を思うクリスティーナと、実はクララのことなんてどうでも良くて、ひたすらそんな彼女一筋でベタぼれだったヤンデレ王子のすれ違いが、あるべき形に修復されてゆく展開はなかなか良かったです。
読了日:6月3日 著者:
腐女子彼女。パート2腐女子彼女。パート2感想
腐女子な社会人Y子さんを彼女に持ったブログ主・セバスの日常を描く第二弾。今回はY子さんの母に誘われて彼女の実家に遊びに行ったり、一転してニューヨークに住んでいるセバスの両親に会いに行ったり。相変わらずいろいろ布教活動されながら、甘い日常を過ごしてるなあと思いながら読んでましたが、さりげなくセバスも就職しててカッコ良くプロポーズもしてたりで、いやほんと実はもういろいろあったんだろうけど、ごちそうさまとしか言いようが無いですね(苦笑)転勤になった彼女を追いかけて就職してたのにはビックリしました。さすがだなあ。
読了日:6月3日 著者:
腐女子彼女。腐女子彼女。感想
「作家彼女。」「ハキダメ。」を読んで気になったので手にとってみた一冊。こちらは腐女子な社会人Y子に出会った普通の大学生の振り回される日常を描いた、恋愛ノンフィクションだったんですね(ブログの書籍化)。Twitterで奥さんとのろけている会話をよく見かけますが、まあつまるところその辺は今も昔もあまり変わってなかったということで(苦笑)わりとBL関連を布教されてるというか、いろいろ無茶振りされてる感もありますが、それでも本人は幸せそうな感じなので問題ないということでしょう(ぇ たまにはこういうのもいいですね。
読了日:6月3日 著者:
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術5 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術5 (講談社ラノベ文庫)感想
呪詛を受けてしまった聖女ルマキーナを解呪するため、解呪アイテムを求めて自ら作ったダンジョンに挑むディアヴロたち。一方、ジルコンタワーには魔王の覚醒を告げる魔族が現れる第五弾。聖女ルマキーナを付け狙う聖騎士ゲイバルト、そしてジルコンタワーに押し寄せる魔王軍の襲来。相変わらずコミュ症で魔王ロールプレイ頼みなのに、ロボットメイドにロリ少女と女の子メンバーが増えていきますけど、リア充魔族相手に嫉妬に駆られて「ちょっと殺してくる」とか言うディアヴロには苦笑いw 鎧袖一触なスカッとする展開もいいですね。次巻にも期待。
読了日:6月2日 著者:
FEEDFEED感想
家出したふたりの少女が出会ったのは最底辺のシェアハウス。お互い親友と感じていた綾希と眞美が、些細な行き違いから歩む道が分岐してしまう物語。生まれや育ちは違えども、家出して行き場のない存在としてたまたま同室になった二人。確かに綾希の方が考えて慎重に行動してはいましたが、転落してゆく眞美と転機が訪れた綾希の明暗を分けたのは、出会いや巡り合わせといった運の要素も大きかったですね。残酷なまでに差がついた二人の対比描写は辛いものがありましたが、立場を違えても親友としての絆は忘れなかった二人に微かな救いを感じました。
読了日:6月2日 著者:
宝石吐きのおんなのこ(4) ~彼女の想いと彼の想い~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)宝石吐きのおんなのこ(4) ~彼女の想いと彼の想い~ (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
フィーネチカ市で聞いた「ある言葉」が胸に引っかかったままのクリューが、悩んだ末に家出を決意したり、二人の出会いやソアランと婚約者ファンションの思い出、春夏秋冬の短編収録の第四弾。気になった話を本人に確認できないまま悩んで家出してしまう辺りとても彼女らしくて微笑ましいですけど、さすがに身に覚えのないものは気づくにも限界があるよなあとか思ったり(苦笑)今回は貴重な過去エピソードや短編もなかなか興味深かったですが、結論:今も昔もユキさんは怖いということで。いろいろ不穏な雰囲気も感じられますが、次巻も楽しみです。
読了日:6月1日 著者:
スクープのたまごスクープのたまご感想
幸運にも出版社に就職できてPR誌配属になった女子部員・日向子が、巡り合わせで週刊誌に異動することになり、タレントのスキャンダルや事件取材に奮闘する物語。週刊誌の仕事は地道な張り込みや訪問取材といった空振りやムダの積み重ねで、厳しい態度を取られたりガセネタを持ち込まれたり、なかなか大変だなあということも多かったですけど、最初週刊誌記者の仕事に苦手意識を持ちながらも、それでも真摯に取り組む日向子の姿勢には好感。だからこそ地道な取材の積み重ねの先に見えてきた大きな成果には、良かったなと思える読後感がありました。
読了日:6月1日 著者:

読書メーター

2016上半期注目のオススメ新作ライト文芸ほか32選

先日「2016上半期注目のオススメ新作恋愛小説 ライトノベル編」を更新しました。

それに続く第二弾として今回ライト文芸編を作るべく、実際に読んだ新作のリストを抽出してみたのですが、「恋愛小説」というくくりで作ろうとするとその辺の境界線が曖昧なオススメしたい作品があまりにも多いことに気づきました(苦笑)

 

そこで一度考えたのですが、オススメしたい作品なのに紹介できないのももったいないので、今回ライト文芸とそれに近いテイストの一般文庫レーベル作品の合わせて32冊、思い切ってどどーんと紹介したいと思います。

トオチカ (角川文庫)

トオチカ (角川文庫)

 

親友と2人で鎌倉の小さなアクセサリー店「トオチカ」を営む里葎子。手痛い恋愛を乗り越えていたと思っていた彼女がバイヤーの千正と出会い、心揺さぶられてゆく不器用な大人の恋の物語。会えば行動の一つ一つが気になって苛立つ里葎子と、なぜかそんな彼女の地雷を踏みまくる千正。優しくされたり雑貨の趣味が似ていても素直になれず、距離感が分からなくなったり言葉の選択を間違えてしまう不器用な関係が、とあるきっかけから戸惑いながらもいい感じにまとまっていって安心しました。巻末の短編もいい感じに幸せ感を補足していて良かったですね。

わが家は祇園の拝み屋さん (角川文庫)

わが家は祇園の拝み屋さん (角川文庫)

 

とある理由から中学の終わりから不登校になってしまっていた16歳の小春が、京都に住む祖母・吉乃の誘いで祇園和雑貨店「さくら庵」で住み込みの手伝いをすることになる物語。和菓子職人の叔父・宗次朗やはとこの澪人、不思議な依頼を受ける吉乃ら優しい人々と過ごす日々。様々な人との出会いがあったり依頼を一緒に手伝ったりして過ごすうちに、自ら立ち直るきっかけを掴んでゆく物語ですね。著者さんらしい京都周辺の描写も多く、のんびりとした優しい物語の雰囲気はとても良かったと思います。現在2巻まで刊行。

ここは神楽坂西洋館 (角川文庫)

ここは神楽坂西洋館 (角川文庫)

 

 結婚直前に婚約者に浮気された小寺泉が、何もかも放り出して下宿先の「神楽坂西洋館」で大家の青年・藤江陽介や他の個性的な住人たちとともに住むことになる物語。傷つき疲れ果てた泉が下宿先に受け入れられて、住人や関係者たちとのやりとりや遭遇する出来事に関わってゆくうちに癒やされて、今の自分を見つめ直して新たな一歩を踏み出したり、西洋館の危機に大家の陽介を助けるために他の住人たちと共に奔走するようになったり、ちょっとした幸せを大切にできる生活がとてもいいなと思いました。二人の関係も気になるので7月に刊行する2巻目に期待したいですね。

コハルノートへおかえり (角川文庫)

コハルノートへおかえり (角川文庫)

 

 ある土砂降りの日、親友の紗綾との喧嘩した女子高生・小梅をハーブとアロマのお店「コハルノート」の店長・澄礼に救われ、そこで働くようになる物語。猪突猛進な性格にコンプレックスを抱え、親友の紗綾と仲違いしてしまった小梅と、そんな二人の仲直りに助力してくれた澄礼。周囲に助けてもらってばかりいると感じている小梅の行動力が、結果的にいろいろと周囲に好影響を与えているのに、自分に自信を持ちきれないがゆえに、小梅を大切に思う紗綾や澄礼たちの気持ちに気づいていないあたりが微笑ましい(苦笑)今後どうなってゆくのか続編に期待。

 引っ込み思案でいつもひとりぼっちな樫乃木美術大学の1年生長原あざみが、疑われていた状況を救ってくれた研究生の梶谷七唯と出会ったことでその世界が変わってゆく物語。よく分からないサークル「カジヤ部」に所属することになり、梶谷と共に謎を解きながら増えてゆく仲間たち。ミステリ要素はやや薄味ですが、人との出会いが卑屈だったあざみのありようを変えてゆき、ついには窮地に陥った梶谷を救うために奔走するまでに成長する過程はなかなかで、あざみの過去の伏線も分かりやすかったですがきちんと回収していて好感。7月に2巻目が刊行するようですね。

つめたい転校生 (角川文庫)

つめたい転校生 (角川文庫)

 

 気になる彼の正体は殺し屋?倉庫から突然消えた転校生、自分の身の回りで起きる不審死など、人でないものとの切ない出会いを描く連作短編集。ミステリ要素も交えつつ、人でないものとの出会いや交流、別れが読みやすいテンポの良い文章で描かれていて、どうしても重くなりがちなテーマで意外な視点を提供したり、ほっこりするようなテイストで描かれた作品もあったのはわりと新鮮でした。ハッキリとした結末を提示するばかりでなく、読者の想像に任せるようなスタンスもまた味わいのある読後感に繋がっていて、これはこれでなかなか良かったですね。

山内くんの呪禁の夏。 (角川ホラー文庫)

山内くんの呪禁の夏。 (角川ホラー文庫)

 

 生まれもっての災難体質を持つ小学六年生の山内くん。彼の住むアパートが火事で焼け父の実家に戻ったことで、昔彼にお守りをくれた不思議な子・紺と再会する物語。紺によってこの世ならぬものが見える目にされてしまった山内くん。久しぶりに訪れた父の実家がある田舎の特殊な雰囲気と、未解決なままの連続神隠し事件。そして紺や仲間たちと一緒に次々奇妙な事件に遭遇する中で、徐々に明らかになる山内くんを取り巻く因縁。彼らの友情なのか淡い恋心なのかまだ判別がつかない想いは、その因縁とも複雑に絡んでいきそうで、続編がとても楽しみです。

 凶悪な目つきから社内で「殺し屋」と恐れられる龍生。憧れの女性・千紗からお礼のつもりで渡された義理チョコに手違いがあり、舞い上がった龍生が交際を申し込んでしまう勘違いから始まる恋の物語。バレンタインすら残業で余裕のない千紗は、最初とんでもない噂ばかり飛び交う龍生にビビりまくりでしたけど、どこかズレていても素朴で優しい龍生のことを知ってゆくうちにいつのまにか大切な存在になり世界も変わってゆく、そんな不器用な二人の恋が甘くもどかしくて、読んでいてニンマリしてしまう素敵なハッピーエンドでした。

 「ちょっと今から仕事やめてくる」でブレイクした北川恵海さんの新作。ふとしたきっかけからコンビニ店員のアルバイトになっていた修司が、同僚からヒーロー製作所でのアルバイトを持ちかけられる物語。いつまでも頭を離れない「なーんの面白味もない人生やったなあ」という病床にある祖父の言葉。些細なきっかけから全てを失ってしまったまさかの転落人生。そんな修司がヒーローが最高の仕事ができるように支える仕事を通じて様々な人と出会いその様々な人生を知り、彼らの言葉に勇気づけられてゆく中で、自らもまた再び前を向いて歩けるようになるきっかけを得る読んでいてとても励まされる物語でした。

 新潟の酒蔵で親と衝突し、東京に出てきたものの行き倒れになりかけていた冴蔵が、恵比寿の片隅で「四季-Shiki-」を営む楓さんに救われ二人で日本酒BARを再開する物語。その出会いは日本酒に詳しい夫が亡くなってから実質的に料理屋状態だった楓にとっても、衝突し家を出てきた冴蔵にとっても転機で、二人が力を合わせて訪れる人達ときちんと向き合って信頼関係を育んでいったことで、それぞれが抱えていたものを乗り越える支えとなる展開はとても良かったですね。スッキリとまとまった結末でしたが、続編あるならまた読んでみたいですね。

 三年にわたる幸せな交際を経て結婚した宗一と瞳。しかし入籍当日に宗一は不幸な事故で死んでしまい、瞳を見守るだけの幽霊のような存在となってしまう物語。自らは彼女を幸せにすることができなくなり、瞳が再び幸せ掴むことをひたすら願う宗一。とはいえ瞳が他の男の人と幸せになっても、一人で生きていくことを選んでも複雑な気持ちになってしまうに違いない状況で、亡き宗一を変わらずに想い続けると決意する瞳の想いもまた切なくて、だからこそ瞳を見守り続けてきた宗一が、彼女のために決断して行動する展開にはついホロリとしてしまいました。

小説の神様 (講談社タイガ)

小説の神様 (講談社タイガ)

 

 作家としてデビューするも酷評されて書く自信を失っていた高校生・一也が人気作家の転校生・小余綾詩凪と出会い、彼女との小説合作を提案される青春小説。重い病気の妹のためにと思いながら、厳しい評価にネガティブになりがちな一也と、小説の力を信じていて彼に辛辣な詩凪。書く楽しさを思い出してゆく一也に突きつけられた残酷な現実はとても苦しかったですが、そんな彼が完璧に見えていた詩凪の苦しみに気づき、再び向きあおうと決意する姿は応援したくなります。作品を書くことに対するとても繊細で、強い想いを感じられる青春作品です。

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

 

 子供の頃から相撲漬けの生活を送ってきた文季が、両親の交通事故死で引き取られた先は相撲好きのカエルの神様が崇められている村で、知恵と知識を見込まれ外来種との相撲勝負を手助けすることになる物語。村を治める一族の娘・真夏と出会い、思いとは裏腹に相撲や村の事情にがっつり関わってゆく文季の洞察力や覚悟には年相応に思えないものもありましたけど、一方でそんな彼の自分に向けられる評価や想いには鈍感だったりするギャップや、相撲勝負にも意外な背景があったことに納得したりで、爽やかな読後感を堪能できる青春小説でした。

カタナなでしこ (講談社タイガ)

カタナなでしこ (講談社タイガ)

 

 女子高生の千鶴が駆りだされた祖父の形見分けの蔵整理で、夢に見た一振りの刀身だけの日本刀と出会い、同級生たちと無くなった「刀の拵え」作りに挑戦する物語。4人の女子高生がそれぞれクオーターな外見で日本人であることだったり、しっくりしない家族関係や将来のこと、地味であることなどの悩みを抱えながらも、挑戦を通じて様々な人と出会ったり経験を重ねて、これまで気づいていなかったことに気づいたり、自分らしさを見出したり、複雑な想いを乗り越えて試行錯誤する姿はとても心に響きました。

 言葉の真偽・虚実を瞬時に判別できてしまう本多唯花。大学で心理学を学ぶ彼女のもとに旧家の跡取り息子、文渡英佐から依頼が持ち込まれる物語。特異な障害に起因する唯花の卓越した「嘘」を見抜く論理的鑑定とそれをサポートする晴彦。閉じられた文渡村で起こった殺人事件と文渡一族の複雑な関係。謎解きのアプローチはやや難解な感がありましたが、ストーリー自体はわりとあっさりめで、研究分野以外はあまり興味なさ気な唯花が意外な部分に反応したり、意外な方向に収束してゆく展開は面白かったです。

大正箱娘 見習い記者と謎解き姫 (講談社タイガ)