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読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

3月の購入検討&気になるラノベほかピックアップ

最近少し購入は厳選する形で抑え気味で、全体として見ると以前ほどは候補もなかったりもするのですが、レーベル単位で欲しいタイトルが固まっていることが増えてきて、そのセレクトが悩みのタネだったりします。目安としてはだいたいレーベルで3~4点、最大で5点くらいかなと考えているので、だいたい最後は直感で選んでしまうのですが、ギリギリまで悩むことも多くて難しいですね。

 

ヒーロー文庫(2/27発売)
セブンス4 三嶋与夢/ともぞ

新潮社文庫nex(3/1発売)
天久鷹央の推理カルテ V 知念実希人/いとうのいぢ

スニーカー文庫(3/1発売)
異世界詐欺師のなんちゃって経営術4 宮地拓海/ファルまろ
ウィザーディング・ゲーム 岬かつみ/彩樹
縛りプレイ英雄記 語部マサユキ/ぎうにう
ひとくいマンイーター 大澤めぐみ/U35
滅びゆく世界を救うために必要な俺以外の主人公の数を求めよ2 みかみてれん/森倉円
サイバーアーツ01 真紅の虚獣 瀬尾つかさ/ヤッペン
スニーカー文庫は最終的にセレクトする予定。

コバルト文庫(3/1発売)
後宮幻華伝 はるおかりの/由利子

ビーンズ文庫(3/1発売)
一華後宮料理帖 第三品 三川みり/凪かすみ

 

講談社ラノベ文庫(3/2発売)
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術7 むらさきゆきや/鶴崎貴大


宝島社文庫(3/4発売)
異世界居酒屋「のぶ」 三杯目 蝉川夏哉/転
きみがすべてを忘れる前に 喜多南

朝日文庫(3/7発売)
男爵の密偵 帝都宮内省秘録 真堂樹/シライシユウコ

電撃文庫(3/10発売)
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙 II 支倉凍砂/文倉十
ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ 峰守ひろかず 原案・監修:三上延/おかだアンミツ
賭博師は祈らない 周藤蓮/ニリツ
[第23回電撃小説大賞<金賞>]
「賭博師は祈らない」あたりは検討

TOブックス単行本(3/10発売)
本好きの下剋上 第三部 「領主の養女 III」 香月美夜/椎名優

ポプラ社単行本(3/10発売)
ワインガールズ 三四六

GA文庫(3/15発売)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー 大森藤ノ/ニリツ
リリエールと祈りの国 白石定規/あずーる
中古でも恋がしたい!9 田尾典丈/ReDrop

ノベルゼロ(3/15発売)
勇者は、奴隷の君は笑え、と言った 内堀優一/エナミカツミ
アカシックリコード 水野良/中原

富士見L文庫(3/15発売)
神さまの百貨店 佐々原史緒/neyagi
先生とわたしのお弁当 田代裕彦/オオタガキフミ

講談社単行本(3/15発売)
禁じられたジュリエット 古野まほろ

ガガガ文庫(3/17発売)
七星のスバル5 田尾典丈/ぶーた
ストライクフォール2 長谷敏司/筑波マサヒロ

ファンタジア文庫(3/18発売)
ゲーマーズ!葵せきな/仙人掌
ロクでなし魔術講師と禁忌教典8 羊太郎/三嶋くろね
冴えない彼女の育てかた12 丸戸史明/深崎暮人
空戦魔導士候補生の教官12 諸星悠/甘味みきひろ
デート・ア・ライブ16 橘公司/つなこ
デート・ア・ライブ フラグメント 東出祐一郎 原案・監修:橘公司/NOCO

双葉社単行本(3/18発売)
図書室のピーナッツ 竹内 真
「図書室のキリギリス」続編。

講談社タイガ(3/21発売)
大正箱娘 怪人カシオペイヤ 紅玉いづき/シライシユウコ

双葉社単行本(3/22発売)
密偵手嶋眞十郎 幻視ロマネスク 三雲岳斗
ストライク・ザ・ブラッド」の著者さんによる大正時代探偵もの。

ダッシュエックス文庫(3/24発売)
ホテル ギガントキャッスルへようこそ SOW/桜木蓮

MF文庫J(3/25発売)
14歳とイラストレーター2 むらさきゆきや 企画:溝口ケージ/溝口ケージ
Re:ゼロから始める異世界生活12 長月達平/大塚真一郎

オーバーラップ文庫(3/25発売)
灰と幻想のグリムガル level.10 十文字青/白井鋭利
灰かぶりの賢者 I. アーカイドの剣聖 夏月涼/ともぞ

集英社オレンジ文庫(3/17発売)
鎌倉香房メモリーズ5 阿部暁子/げみ
君と星の話をしよう 相川真/志村貴子
おやつカフェでひとやすみ 瀬王みかる/しのとうこ

HJ NOVELS(3/23発売)
ウォルテニア戦記VI 保利亮太/bob

メディアワークス文庫(3/25発売)
繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は 1  青葉優一
ハッピー・レボリューション 1 星奏なつめ
一年前の君に、一年後の君と。 1 相原あきら

角川文庫(3/25発売)
カブキブ!6 榎田ユウリ
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 蝶の足跡 太田紫織
横浜元町コレクターズ・カフェ 柳瀬みちる

角川ホラー文庫(3/25発売)
ホーンテッド・キャンパス 白い椿と落ちにけり 櫛木理宇/ヤマウチシズ

2017年1月に読んだ新作おすすめ本

 というわけで2017年1月に読んだ新作おすすめ本19点です。見落としていて少し前のものもあったりしますが、できるだけ気をつけてはいても目配りできる範囲には限界を感じますね(苦笑)でも1月もなかなかいい作品を読めたと思います。

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

リンドウにさよならを (ファミ通文庫)

 

 想いを寄せていた少女・襟仁遥人と共に屋上から落下し死んでしまったらしい神田幸久。二年後地縛霊として目覚めた彼はクラスでいじめに遭う穂積美咲に存在を気づかれ彼女と友達になる青春小説。自分の存在に気づいてくれた少女・美咲の優しい一面を知って現状を変えようとアドバイスをし、美咲が勇気を持って踏み出した一歩から少しずつつ変わってゆくその境遇。繊細な描写を積み重ねて作り上げられた伏線を回収してゆくことで意外な事実も明らかになっていって、爽やかで納得感のある結末まで組み上げたその構成力は今後に期待の作家さんですね。

追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)

追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)

 

 二学期初日。野球部を辞めた篠山マサキが教室で遭遇したのは、自分の記憶にだけ存在しない少女・風間ハルカ。手紙の送り間違いを知らせてくれた女の子との文通をきっかけにその世界が変わってゆくSF系青春小説。うっかり優等生と評判のハルカの意外な一面を知ってしまうマサキ。怪しい文通をやりとりするたびになぜか突如変わってゆくハルカとの関係性。不器用な二人の距離感が微笑ましくて突然の急展開には呆然としましたが、真相を知って彼女のために奔走したマサキの決意と顛末は、荒削りながらも次回作に期待したくなる爽やかな読後感でした。

 西暦二〇三〇年、突如上空に現れた正体不明の飛行物体「衛精」の無差別攻撃で人類が空を奪われた世界。低空飛行に特化させた飛行艇ULFを駆る運び屋タクロウと銀髪犬耳少女チェルシーの物語。チームを組まない訳ありげな青年タクロウと駄犬扱いの相棒チェルシー。彼らに託した想いのため危険と最速の限界を乗り越えようとする二人の物語は、明らかになってゆく彼らの過去や事情によってガラリと印象も変わりますが、メリハリの効いた展開やギリギリを攻め続ける飛行描写、二人を中心とする人間模様がとても良くてぜひ続刊を期待したい作品ですね。

勇者のセガレ (電撃文庫)

勇者のセガレ (電撃文庫)

 

 謎の金髪美少女ディアナが異世界から若い頃異世界を救った父秀雄を召喚すべく剣崎家に現れ、高校生の長男の康雄や妹がそれに巻き込まれてゆく日常ファンタジー。なかなか信じられない康雄たちの反応はある意味とてもリアルで、平和な日常生活にあるものと危機に脅かされる異世界人間というギャップもうまく描かれていると思いました。転機に至るまでがやや冗長な印象もありましたが、父とともに異世界で戦った母のまさかの変身には爆笑しました。様々な経験を経た上での康雄の決意と再会した帯刀さんも気になりますし、今後が楽しみなシリーズです。

 不器用で口が悪く魔術師として人々に恐れられるザガン。そんなサガンが亡き魔王の闇オークションで白い奴隷エルフの少女ネフィに一目惚れして全財産をつぎ込み購入。不器用な二人の共同生活が始まる物語。コミュ障でどう接していいか分からずたびたび言葉選びを間違えるサガンと、最初は怯えながらも彼の不器用な優しさを知り徐々に心を開いて行くネフィ。これまで孤独な境遇を過ごしてきた二人が、戸惑いながらも危機的状況を乗り越えて絆を育んでいく物語は、わりとシンプルな構図でベタな展開ではありましたがなかなか良かったです。続巻も期待。

まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)

まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)

 

 エキセントリックボックスに宿る少女・スクランブルの人身御供となった御剣乃音が願いを叶える代償は人の感情。人間らしさを失いつつも力を行使し人を救う乃音が、正反対の人身御供・氷室に出会う物語。壊れてゆく自覚から抱える矛盾に悩む乃音と、代償に感情を得てどんどん人間に近づいてゆくスクランブル。大切だったものを次々と切り捨ててしまう乃音の選択には絶望的な気分になりましたが、だからこそ彼が育んできたものをきっかけに、どうにか悪くないとも思えるところに落ち着いた結末には救われる思いでした。これは次回作にも期待ですね。

命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)
 

 教師にならなければならない理由を胸に、晴れて第一志望の教育学部に入学した貧乏学生の榛名なずな。そんな彼女が寡黙で突き放すような年上の同級生・羽宮の優しさに触れ惹かれてゆく物語。不器用なアプローチしかできないなずなと、何かを抱えていそうでなずなを容易に近づかせない羽宮。国語教師になった彼女とたまにしか会えない羽宮の、とても一途で絶望的なのにそこに幸せを見出す切ない恋。読み終わってみるとなるほどなあと唸らされる絶妙な構成で、繊細に積み重ねられてゆく羽宮と彼女の距離感がとても好みでした。後日談も良かったです。

 高二の夏に心臓の病が原因で亡くなった彼女・透子のことを未だ引きずっていた成吾。四年ぶりに地元に帰った成吾が再び手にした交換日記の空白に新たな返事が綴られてゆく物語。彼女が亡くなって以来、初めて訪れた彼女の実家で手にした交換日記に起こった不思議な出来事。語られる彼らの出会いと、交換日記を通じて交わされる時を超えた透子とのやりとり。未来を知っているからこそ何とか変えたい成吾と、その時を後悔しないように精一杯生きたい透子の交流はもどかしく切なかったですが、精一杯真摯に向き合った二人のやりとりは心に響きました。

僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)

僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)

 

 気になる架能風香から誤字脱字だらけの恋文に散々なダメ出しを食らった深海楓が、彼女にふさわしい男になるべく小説家を志すボーイ・ミーツ・ガールミステリ。普段からヘルメットを着用し敬愛するカフカになれと告げる風香と、女好きだった過去を封印する偽装天然な楓。カフカの作品になぞらえた身近な謎を二人で解決するうちに少しずつ変化する距離感と、彼女を本当に好きになっていく楓の想い、彼に対して秘密を抱える風香の逡巡といった心情描写がなかなか良かったです。このレーベルらしい一風変わった、けれどとても自分好みな青春小説でした。

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

 

 物心ついた頃からブスで、結婚式に憧れ自分は無理でもそれを演出する人になろうと、ウェディングプランナーになった北條香澄。そんな彼女が絶世のブスと絶賛されやり手で絶世の美男子・久世課長に求婚される物語。これでもかと香澄のブスっぷりを真正面から突きつけられる展開は少なからずグサグサ突き刺さりましたが、さらに突き抜けている久世課長の存在感(苦笑)そういう決断しちゃうのかーとは少し思いましたが、お仕事小説としても面白かったですし、仕事に真摯に向き合う香澄の姿勢やその人柄が愛されているのが伺えて悪くない読後感でした。

花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)

花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)

 

 仙台の夏の夕暮れ。篠笛教室に通う着物が苦手な女子高生・八重はふとしたことから着流し姿の仕立屋・宝紀琥珀と出会い、着物にやたらと詳しい琥珀とともに着物にまつわる様々な謎に挑む着物ミステリ。着物を愛する有能な仕立屋・琥珀と女子高生・八重を結んだ5円の縁。モテモテな美青年なのに10歳も違う女子高生相手にその琥珀のプレゼントやアプローチはどうなの?と苦笑いもしましたが、事件を共に解決してゆく中で浮かんでくる琥珀と八重の過去は複雑に絡まっていて、二転三転するドキドキな展開を粋な感じにまとめてくれた素敵な物語でした。

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

 

 金椛帝国の皇帝崩御に伴い、「皇帝に外戚なし」の法のもとに皇后に選ばれた星皇后の一族は全て殉死を命じられ、胡娘の助けにより御曹司の遊圭がひとり生き延びる中華ファンタジー。追われる身だった遊圭が、以前助けた縁で匿ってくれた町娘の明々と一緒に密かに男の身で後宮に出仕するまさかの展開。病弱で世間知らずゆえか義憤に駆られて自らの身を危うくするような状況にはハラハラしましたが、宦官・玄月に正体を疑われながらも知恵を駆使して何とか乗り切った展開はなかなか面白かったです。後宮からの脱出を目指す遊圭たちの今後に期待ですね。

 京都・松老寺で発見された国宝「鳥獣戯画」絵巻の断簡を専門家が本物と判定。オークションにて10億円で落札されるも関係者が次々と不審死を遂げ、天才的な審美眼をもつ安斎洋人も陰謀に巻き込まれてゆくミステリ。断簡を見た洋人が感じた違和感。断簡を巡る関係者たちの思惑、洋人の旧知で関係者でもある玲子との再会とその因縁。洋人が自分のありように迷いながらも事件を通じて過去とも向き合い事件の謎と自らの想いに答えを見い出してゆく展開は、2つのテーマをうまく絡められなかった感はあったもののなかなか面白かったです。次回作も期待。

屋上で縁結び (集英社文庫)

屋上で縁結び (集英社文庫)

 

 勤め先が倒産し再就職活動も連敗中の苑子。面接会場から遠くのビルの屋上に建つ神社を見つけ神頼みをした彼女が、その神社があるビルの受付に採用が決まるお仕事ミステリ。人の顔を覚えるのが得意なことからビルの受付として採用された苑子。文化教室が入っていたり屋上に神社があるビルで起こる事件の謎解きだったり、神社のアラサーバツイチ子持ちイケメン神主・幹人と出会う展開は意外な人間関係の繋がりも明らかになっていってなかなか興味深かったです。恋模様はなかなかビターな状況でしたけど、続刊出るならまた読みたい期待感がありました。

メシマズ狂想曲

メシマズ狂想曲

 

 かなり出世は早いけど、彼氏も料理の作り方もさっぱりわからないまま34歳になってしまった滝田和紗、独身。健康診断でメタボ予備軍とされ一念発起で自炊生活に挑戦?利害が一致した同期の村越と一緒に料理研究を始める物語。仕事では有能な雰囲気が伺えるのになぜかふたりともびっくりな料理音痴ぶりでしたが、事あるごとに対抗心を燃やす同期の腐れ縁な二人の料理に対する切実な戸惑いと、周囲の人間模様を絡めてゆく展開は、ようやく向き合うようになった二人の関係が変化してゆく物語でもあって、随分遠回りしましたけど悪くない読後感でした。

本バスめぐりん。

本バスめぐりん。

 

 定年を迎えて移動図書館、愛称「本バスめぐりん」の新人運転手になったテルさん。図書館司書ウメちゃんの年の差四十のでこぼこコンビで身近に起こる謎や出来事を解決してゆくハートフルミステリ。様々な場所のいろいろな事情を抱える利用者たちとの交流や、利用者のことを考えて載せる3000冊の本の一部を入れ替えたり、移動図書館に対する利用者や地域の人の想いなど、試行錯誤しながらテルさんの奥さんや利用者も一緒に解決の方法を考えてゆく展開はとても良かったですね。コミュニティの中心にあった移動図書館の可能性を改めて実感しました。

 

悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)

悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)

 

 

悪辣執事のなげやり人生〈2〉 (レジーナブックス)

悪辣執事のなげやり人生〈2〉 (レジーナブックス)

 

 ちょうど完結前に今月追いついたので全2巻ものを紹介。不運もありいったん工場勤務まで落ちぶれた田舎の貴族令嬢・アルベルタ。そんな彼女が過去の縁から家人も使用人も訳ありだらけで問題も多い伯爵家の女執事に採用される物語。いろいろ素直に向き合えない事情を抱えていた伯爵家の人びとでしたけど、良くも悪くも率直で真っ直ぐに切り込んでくるアルベルタの行動に感化されて少しずつ変わってゆく展開がいいですね。予想外の展開があったり思わぬ出会いもあったりで、きちんと筋を通して皆に祝福される幸せな結末はとても良かったですね。

1月に読んだ本 #読書メーターより

年末に右手骨折とかいう、しなくてもいいアクシデントに遭遇したことで大幅に予定が狂いましたが、1月は何となくコミックのまとめ読みしたりもして、結局数字上はいつもよりちょっと多めになりました。ラノベはわりとこれだというものをピンポイントで買ったのでやや少なめですが、積読をちょっと減らせて気になっていた本も少し消化できたかなという状況です。

 

 2017年1月の読書メーター
読んだ本の数:85冊
読んだページ数:21568ページ
ナイス数:5558ナイス

まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)まるで人だな、ルーシー (角川スニーカー文庫)感想
エキセントリックボックスに宿る少女・スクランブルの人身御供となった御剣乃音が願いを叶える代償は人の感情。人間らしさを失いつつも力を行使し人を救う乃音が、正反対の人身御供・氷室に出会う物語。壊れてゆく自覚から抱える矛盾に悩む乃音と、代償に感情を得てどんどん人間に近づいてゆくスクランブル。大切だったものを次々と切り捨ててしまう乃音の選択には絶望的な気分になりましたが、だからこそ彼が育んできたものをきっかけに、どうにか悪くないとも思えるところに落ち着いた結末には救われる思いでした。これは次回作にも期待ですね。
読了日:1月31日 著者:零真似
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#EX (角川スニーカー文庫)終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#EX (角川スニーカー文庫)感想
聖剣セニオリスを抱えたラキシュの夢という形でかつての所有者である500年前の正規勇者リーリァと準勇者ヴィレムの日常と、クトリとヴィレムの想い慕われる日常が描かれる第一部外伝。これまで断片的にしか登場しなかったヴィレムの妹弟子で正規勇者・リーファの生い立ちとそのありよう。過酷な過去を乗り越えてきたその強さと、一言では言い表せない確かな絆を育んできたヴィレムとの関係がリーファを魅力的な存在にしていて、クトリのヴィレムのやりとりもまた甘酸っぱいエピソードでした。充足感が高くこういう外伝ならまた読んでみたいです。
読了日:1月31日 著者:枯野瑛
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 1 (HJ文庫)魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 1 (HJ文庫)感想
不器用で口が悪く魔術師として人々に恐れられるザガン。そんなサガンが亡き魔王の闇オークションで白い奴隷エルフの少女ネフィに一目惚れして全財産をつぎ込み購入。不器用な二人の共同生活が始まる物語。コミュ障でどう接していいか分からずたびたび言葉選びを間違えるサガンと、最初は怯えながらも彼の不器用な優しさを知り徐々に心を開いて行くネフィ。これまで孤独な境遇を過ごしてきた二人が、戸惑いながらも危機的状況を乗り越えて絆を育んでいく物語は、わりとシンプルな構図でベタな展開ではありましたがなかなか良かったです。続巻も期待。
読了日:1月30日 著者:手島史詞
美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
京都・松老寺で発見された国宝「鳥獣戯画」絵巻の断簡を専門家が本物と判定。オークションにて10億円で落札されるも関係者が次々と不審死を遂げ、天才的な審美眼をもつ安斎洋人も陰謀に巻き込まれてゆくミステリ。断簡を見た洋人が感じた違和感。断簡を巡る関係者たちの思惑、洋人の旧知で関係者でもある玲子との再会とその因縁。洋人が自分のありように迷いながらも事件を通じて過去とも向き合い事件の謎と自らの想いに答えを見い出してゆく展開は、2つのテーマをうまく絡められなかった感はあったもののなかなか面白かったです。次回作も期待。
読了日:1月30日 著者:中村啓
これは愛じゃないので、よろしく 2 (マーガレットコミックス)これは愛じゃないので、よろしく 2 (マーガレットコミックス)感想
惚れそうになったのがくやしくて九条を惚れさせてやると誓ったさら。しかし他校の文化祭に出かけた際に知り合った大家がその後も学校に現れたりで、さらは戸惑い九条もやきもきする第二弾。大家という分かりやすいライバルの登場で、本気じゃなかったはずの九条が勘違いしたりどんどんのめり込んでゆく展開がとても良かったですね。番外編では幼年期の因縁も描かれていて、これはどうなるのか気になりますねえ。
読了日:1月29日 著者:湯木のじん
メンズファッションの解剖図鑑メンズファッションの解剖図鑑感想
メンズファッションの大原則からアイテムの選び方や習慣作りまで、日本人に適したおしゃれの理論がやさしく分かるということで期待して手に取った本。イラストも多くポイントを押さえたシンプルな構成で、これさえあれば大丈夫というレベルの内容ではなかったですが、取り上げている参考アイテムも手頃感のあるものが多く、これまでファッションに特に興味を持ってこなかったり苦手意識を持っていた、あるいは自信が持てなかった層がまずは基本を押さえたい時の入門書として読むと参考になる部分も多いのかなと感じたとても読みやすい一冊でした。
読了日:1月29日 著者:MB
おにんぎょうさまがた (集英社オレンジ文庫)おにんぎょうさまがた (集英社オレンジ文庫)感想
金色の巻き毛に、青いガラス目。丸みを帯びた桜色の頬に、控えめな微笑み。そんな人形たちとの出会いがその運命を変えてゆく、五体の人形にまつわる美しくも哀しいノスタルジック・ホラー。淡々と綴られてゆく特異な力を持っている不気味な人形たちとの出会いと、それによって次々と発生する凄惨な事件。各エピソードを読んでゆくともちろん人形を持つことが悪いことばかりでもなかったことがわかりますが、昏い感情を抱える所有者のちょっとした転機が悲劇の引き金に繋がってしまう展開には、著者さんらしい雰囲気が感じられました。次回作も期待。
読了日:1月29日 著者:長谷川夕
リンドウにさよならを (ファミ通文庫)リンドウにさよならを (ファミ通文庫)感想
想いを寄せていた少女・襟仁遥人と共に屋上から落下し死んでしまったらしい神田幸久。二年後地縛霊として目覚めた彼はクラスでいじめに遭う穂積美咲に存在を気づかれ彼女と友達になる青春小説。自分の存在に気づいてくれた少女・美咲の優しい一面を知って現状を変えようとアドバイスをし、美咲が勇気を持って踏み出した一歩から少しずつつ変わってゆくその境遇。繊細な描写を積み重ねて作り上げられた伏線を回収してゆくことで意外な事実も明らかになっていって、爽やかで納得感のある結末まで組み上げたその構成力は今後に期待の作家さんですね。
読了日:1月29日 著者:三田千恵
これは愛じゃないので、よろしく 1 (マーガレットコミックス)これは愛じゃないので、よろしく 1 (マーガレットコミックス)感想
物語みたいなほんとの愛に憧れる泉さら(高1)。イケメン・九条翼が彼女と別れる場面に遭遇し、その思いやりに感動するもその九条の黒王子っぷりを知ってしまう物語。夢見がちでちょっとズレてるけどピュアなさらと、過去の苦い思い出から女嫌いでやや捻くれ気味の九条。二人の複雑な思いをベースとするテンポの良い展開はなかなか楽しくて、九条の友人がまたいいアクセントになってますね。どうなってゆくのか期待の作品。
読了日:1月28日 著者:湯木のじん
屋上で縁結び (集英社文庫)屋上で縁結び (集英社文庫)感想
勤め先が倒産し再就職活動も連敗中の苑子。面接会場から遠くのビルの屋上に建つ神社を見つけ神頼みをした彼女が、その神社があるビルの受付に採用が決まるお仕事ミステリ。人の顔を覚えるのが得意なことからビルの受付として採用された苑子。文化教室が入っていたり屋上に神社があるビルで起こる事件の謎解きだったり、神社のアラサーバツイチ子持ちイケメン神主・幹人と出会う展開は意外な人間関係の繋がりも明らかになっていってなかなか興味深かったです。恋模様はなかなかビターな状況でしたけど、続刊出るならまた読みたい期待感がありました。
読了日:1月28日 著者:岡篠名桜
クズの本懐(7) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(7) (ビッグガンガンコミックス)感想
本性を隠さなくなった皆川先生をそれでもいいという鐘井。花火はえっちゃんときちんと向き合いその気持ちに区切りをつける第七弾。花火とえっちゃんの本音で向き合った展開にはちょっとうるって来ちゃいましたが、クズ過ぎてもいいとか言ってしまう鐘井と、彼女を何とかしたい麦にアプローチされる皆川先生とかいう展開は予想してなかった。最後はみんな幸せになって欲しいんだけどどういう結末になるのか気になります。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(6) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(6) (ビッグガンガンコミックス)感想
ついに告白を決意した花火と、モカの気持ちと向き合う麦、花火を想い続けるえっちゃん。諦めきれない想いに決着をつける第六弾。今回はふんぎりをつけるいいきっかけになるだろうし、これはこれでいい流れに繋がってくれればと思いながら読んでたらまさかの展開。花火を傷心旅行に誘ったえっちゃんでしたけど、彼女のそばに支えてくれる人がいてどこかホッとしました。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(5) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(5) (ビッグガンガンコミックス)感想
正式に付き合うことになった花火と麦だったが、歪んだ愛情で花火を惑わせるえっちゃん。一方麦を一途に想い続けるモカが麦とデートする第五弾。ここで素直に二人が向き合えれば良かったんですけど、諦めきれない二人のアプローチと、自分とタイプが違うのに皆川先生を意識し過ぎていることが花火を危うい感じにしててハラハラします...。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(4) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(4) (ビッグガンガンコミックス)感想
麦は皆川先生のあの本性知ってたのねと遠い目しつつ、麦は先輩、花火はえっちゃんとそれぞれ急接近して、いつの間にか二人の間に距離ができてしまうことに。えっちゃんの心境も気になるところですが、何より危うい状態の花火が痛々しいことになってて、自暴自棄になってしまわないか心配です。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(3) (ビッグガンガンコミックス)感想
見た目は一見まともそうな皆川先生が想像以上にどうしようもなくクズ過ぎてドン引きしました。こういう相手の気持ちに気づいていながら、自分のことしか考えていない周囲を振り回すタイプが一番質が悪い(苦笑)しかし花火がそっちに行っちゃったか感があって、それがさらなる迷走に繋がりそうな危うさが出てきましたねえ。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
クズの本懐 (2) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐 (2) (ビッグガンガンコミックス)感想
契約的恋人な二人は何だかんだ言いつつもだんだん距離が縮まってきているのかなあと感じつつも、えっちゃんがうっかり想いを告げて花火を動揺させたり、モカも真摯な想いをぶつけたりといろいろ展開が動き出してきてる状況。いろいろ思うところの多い二人がどうなるのか気になるところですねえ。
読了日:1月28日 著者:横槍メンゴ
ゆきうさぎのお品書き 熱々おでんと雪見酒 (集英社オレンジ文庫)ゆきうさぎのお品書き 熱々おでんと雪見酒 (集英社オレンジ文庫)感想
「ゆきうさぎ」に大樹の弟・瑞樹の奥さんが訳ありで訪ねてきたり、商店街の盛り上げ企画だったり、仲がこじれていた星花の親とその友人の仲直りだったりする第三弾。大樹の弟さんの奥さんの話や過去にゆきうさぎの縁があった人の話から明らかになってゆく大樹の実家や先代の事情。過去のわだかまりを解きほぐしてゆくゆきうさぎの料理はとても暖かくて良かったですが、ゆきうさぎの周囲の人々にもいろいろ変化の兆しがあったりで、そんなところから少しずつつ意識しつつある大樹とタマの関係も、いい感じになってくれたらいいなあと期待しています。
読了日:1月27日 著者:小湊悠貴
夜伽の国の月光姫5夜伽の国の月光姫5感想
月光姫の暗殺事件から早2年。竜峰でイケメン王子との再戦に備えて、自分磨きに勤しむ美幼女セレネ(中身おっさん)の元に亡き呪詛吐きの弟子で復讐を誓う美少女・シンニが現れる第五弾。今回はギィとザナの街歩きや薬によって皮肉にもまともになったセレネとミラン王子のデート短編などのエピソードも交えた構成で、呪詛吐きの復讐を誓う美少女シンニが、都合のいい解釈でなぜか改心してしまう展開は最後までブレなかったですね。傍から見たら出来過ぎなそろそろ年貢の納め時かなあという結末には苦笑いでしたけど、時には諦めも肝心ですかね。
読了日:1月27日 著者:青野海鳥
改訂新版 一番わかりやすい小学算数の教え方改訂新版 一番わかりやすい小学算数の教え方感想
5歳の娘が足し算引き算にチャレンジするようになったので、解き方や教えるコツ、気にかけるべきポイントがあるのかなと思い手に取った1冊。学年別にまとめられているのではなく「数」「図形」「単位」「早さ、道のり、時間」「割合」「比」と6つの章立て構成。項目ごとに細分化しわかりやすく解説されていて、とりあえず今回はメインの足し算引き算のポイントだけ押さえてあとはざっと全体を通してパラパラ読んだ程度でしたが、順序立てて理解してゆくことを意識していてとても分かりやすいと感じました。もう少し進んだらまた読んでみたいです。
読了日:1月27日 著者:大嶋秀樹
悪辣執事のなげやり人生 2 (レジーナブックス)悪辣執事のなげやり人生 2 (レジーナブックス)感想
これまでの積み重ねもあって、頑なだった主人一家の面々にも変化の兆しが生まれ、紆余曲折の末にヴィクターとの結婚話が持ち上がりあれこれ悩むアルベルタ。さらには思わぬ事件にも巻き込まれる第二弾。いつの間にかアルベルタに大きな信頼を寄せるようになっていたコーデリアの悔恨とイザドラの懇願。アルベルタの悩みもようやく解消されるのかと思っていたら、そこからさらに予想外の展開が待っていてビックリしましたw 思わぬ出会いもあったりで、きちんと筋を通して皆に祝福される幸せな結末はとても良かったですね。次回作も期待しています。
読了日:1月26日 著者:江本マシメサ
クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)クズの本懐(1) (ビッグガンガンコミックス)感想
品行方正なカップルとして周囲から羨望の眼差しを浴びている花火と麦。一見理想的な男女交際に見えるけれどそれぞれ報われない想いを抱えていて、お互いを慰め合うためのどこか危うさを孕む歪んだ関係。周囲の人間関係にも火種を抱えていて今後の波乱を感じさせるスタートですね。続刊以降の展開に期待。
読了日:1月26日 著者:横槍メンゴ
命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)命の後で咲いた花 (メディアワークス文庫)感想
教師にならなければならない理由を胸に、晴れて第一志望の教育学部に入学した貧乏学生の榛名なずな。そんな彼女が寡黙で突き放すような年上の同級生・羽宮の優しさに触れ惹かれてゆく物語。不器用なアプローチしかできないなずなと、何かを抱えていそうでなずなを容易に近づかせない羽宮。国語教師になった彼女とたまにしか会えない羽宮の、とても一途で絶望的なのにそこに幸せを見出す切ない恋。読み終わってみるとなるほどなあと唸らされる絶妙な構成で、繊細に積み重ねられてゆく羽宮と彼女の距離感がとても好みでした。後日談も良かったです。
読了日:1月26日 著者:綾崎隼
逆転召喚 3 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)逆転召喚 3 ~裏設定まで知り尽くした異世界に学校ごと召喚されて~ (ダッシュエックス文庫)感想
栞里の兄・彩東伊織が会長を務める生徒会が悪魔の国セメタリーを攻め、劣勢のセメタリーが栞里を交渉材料とすべくその守護神たる黒死龍が訪れ、生徒会のメンバーもまた栞里の確保に動き出す第三弾。今回は栞里の実家である彩東家の過酷な環境とそこで厳しい状況に置かれていた栞里の立場が明かされましたが、栞里に対して様々な思いを抱く生徒会との戦いを通じて、メンバーも大きく成長しそうなきっかけを得たり、その関係も思っていた以上に大きく変わりそうですね。いろいろありましたけど、自らの立ち位置も見えてきた湊たちの今後が楽しみです。
読了日:1月25日 著者:三河ごーすと
八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。 (メディアワークス文庫)八月の終わりは、きっと世界の終わりに似ている。 (メディアワークス文庫)感想
高二の夏に心臓の病が原因で亡くなった彼女・透子のことを未だ引きずっていた成吾。四年ぶりに地元に帰った成吾が再び手にした交換日記の空白に新たな返事が綴られてゆく物語。彼女が亡くなって以来、初めて訪れた彼女の実家で手にした交換日記に起こった不思議な出来事。語られる彼らの出会いと、交換日記を通じて交わされる時を超えた透子とのやりとり。未来を知っているからこそ何とか変えたい成吾と、その時を後悔しないように精一杯生きたい透子の交流はもどかしく切なかったですが、精一杯真摯に向き合った二人のやりとりは心に響きました。
読了日:1月25日 著者:天沢夏月
わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ (角川文庫)わが家は祇園の拝み屋さん4 椿の花が落ちるころ (角川文庫)感想
京都でお正月を迎えた小春は吉乃や宗次朗とともに、澪人の実家である賀茂家の新年会に行くことに。そこで小春は今まで見てきた不思議な夢の意味を知る第四弾。様々な巡り合わせを踏まえた上で、現在の状況があることに気づく小春。謎の「祓い屋」が手当たり次第に京の妖を祓う嫌な状況。そんな中で迎えたバレンタインはあまり予想していなかった形でのひとつの転機となりましたけど、それぞれが思惑を持って動きそうな予感がある中、不安を抱える小春がどうなってしまうのか、澪人が今後どうするのかも気になるところで、次巻が早く読みたいですね。
読了日:1月25日 著者:望月麻衣
逃げるは恥だが役に立つ(8) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(8) (KC KISS)感想
百合と風見に動きがあったと思ったら何とも切ない展開。彼女の大人な判断は分かるんだけど、これで良かったなのかなあと何とも複雑な心境に。一方みくりが手伝った青空市をきっかけに仕事の方も何か道が見えてきましたか。二人はいい感じになりつつあるのかなあとも感じるだけに、百合&風見コンビがこのままなのかが気になりますね。
読了日:1月24日 著者:海野つなみ
世界の終わりの世界録<アンコール>9 絶望の始祖 (MF文庫J)世界の終わりの世界録<アンコール>9 絶望の始祖 (MF文庫J)感想
ついに神性都市の入り口にたどり着いたものの秘境の砂漠地帯に飛ばされ、天使や悪魔を捕らえた水晶の監獄の存在を知るレンたち。行方不明のフィアもそこにいると推測した一行は手がかりを求め探査に乗り出す第九弾。再会するまで大変だったのね...と思わせておいてやっぱりフィア先輩はフィア先輩だった展開には苦笑いしましたが、シオンやエリエス、ゼルブライトや沈黙機関らも集う神性都市で遭遇した圧倒的な強敵を相手に、苦しみながらもレンがまた新たな進化を見せてくれましたね。三人の英勇が集う展開で何が起こるのか、次巻も楽しみです。
読了日:1月24日 著者:細音啓
フレイム王国興亡記 6 (オーバーラップ文庫)フレイム王国興亡記 6 (オーバーラップ文庫)感想
周囲の期待に応えられず逃げ出すようにフレイム王国からの召集に応じたコータ。気分転換にシオンに連れられて「ホテル・ラルキア」を訪れ、シオンの旧友らとともにその改革に挑む第六弾。経営危機に瀕するホテルの実情を知り協力を約束する浩太。老舗ホテルグループの金看板を背負う会長と幹部たち相手に提案する改革案。今回の奮闘は自らの力不足を痛感して自信を無くしかけていた浩太、彼の不在でいかに依存していたかを知ったテラの人々にとっても大きな転機になりそうですね。最後に登場した召喚者がどう絡んでいくのか次巻がとても楽しみです。
読了日:1月24日 著者:疎陀陽
逃げるは恥だが役に立つ(7) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(7) (KC KISS)感想
契約恋人の期間を経てホンモノと恋人となったみくりと平匡さん。けれど結婚の契約部分はどうなるのか新たな問題が持ち上がり、平匡さんの勤務先に統合の話が持ち上がる第七弾。平匡さんの転機もあってトントン拍子に話が進みかけるも、ちょっと考えたいみくりの逡巡は大丈夫かなあと思ったんですがどうにか方向性見えそうですかね。風見と百合の関係も気になるところですが…。
読了日:1月24日 著者:海野つなみ
魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>16 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫<ヴァナディース>16 (MF文庫J)感想
ルスラン王子復活と国王ヴィクトールの死により不安定なジスタート。そんな状況でヴァレンティナは自らの野望を果たすため動き出し、戦姫同士の対立が決定的になる第十六弾。謹慎を装いつつ着々と手を打つヴァレンティナと手を組んだフィグネリアを軸として国内が混乱の度合いを深めてゆく状況に、個別の対応を迫られる戦姫とティグルたち。思わぬ動きもあった一方でこれを乗り越えれば...的な何かも垣間見えただけに、このギリギリの状況をティグルや戦姫たちがいかに乗り越えるのか、見せ場を期待できそうなリム含めて次の最終巻が楽しみです。
読了日:1月23日 著者:川口士,よし☆ヲ
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし (角川文庫)感想
正太郎の家の前に置かれたカラスの死体。薔子の親友が犯した世間を揺るがした殺人の真相。そして正太郎と櫻子に転機が訪れる第十弾。カラス事件を通じて見えてきた母親の想いやノロレにはなるほどと思いましたが、早く一人前になりたいと思う正太郎の焦りもあったりで、櫻子さんに対する高過ぎる期待から思わぬ形で彼女と衝突してしまう事態にはちょっと危ういなあと心配になりましたが、まさかそこからこういう展開になってしまうとは…。最後の淡々とした磯崎先生のコメントも気になりましたけど、ここからどういう展開になるのか気になりますね。
読了日:1月23日 著者:太田紫織
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 狼の時間 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 狼の時間 (角川文庫)感想
正太郎のもとに届いた愛犬ウルフの衝撃的な写真。花房の仕業かと正太郎は怒りを感じるものの、Phantomから意外な依頼が届く第九弾。取引の交換条件として集団自殺を目論むグループの中から救い出すべき「彼女」を探し出す依頼を受けてしまう正太郎。早く大人になりたいと焦燥を募らせる正太郎だからこその展開でしたけど、結果的に問題なかったとはいえ二人の関係にどこか暗雲の兆しも感じたりで今後が心配ですね。磯崎先生の価値観もまた独特だなあと思うエピソードもありましたが、内海の部屋探しエピソードは彼の人柄がよく出ていました。
読了日:1月22日 著者:太田紫織
櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 (角川文庫)感想
高校二年生になった正太郎。今居や鴻上と同じクラスになったものの、転校生のゴスロリ少女・蘭香が突如鴻上に急接近、そんな彼女に振り回される第八弾。新キャラ阿世智蘭香は一見正太郎たちを振り回しているようにも見えましたけど、やり方が不器用なだけでとても心優しい少女でしたね。これまでのエピソードから鴻上と周囲の交友関係の難しさは感じていましたが女の子の人間関係は難しい。抑圧された環境から関係をこじらせてゆく2つの事件に、正太郎に贈り物が届くインパクトのある幕引きでしたが最後にあった三賢人の話はなかなか良かったです。
読了日:1月22日 著者:太田紫織
逃げるは恥だが役に立つ(6) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(6) (KC KISS)感想
両想いになって結ばれたのに、依然としてお互い考えていてそれでハッピーエンドにはならない二人。結婚したらこれまで対価をもらっていたお仕事は?とか、言いたいことは分からなくもないんですけど、契約結婚で始まった関係だからこそいろいろ課題は山積でというか。。。風見さんと百合さんの関係もなにげに気になりますね。
読了日:1月21日 著者:海野つなみ
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謡う指先 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謡う指先 (角川文庫)感想
厳寒の二月。正太郎は櫻子と親しい薔子に頼まれてとある別荘の掃除に行く事に。櫻子も合流した別荘で意外なものを発見してしまう第七弾。学校で陰湿な嫌がらせを受けて疑心暗鬼になってゆく正太郎でしたけど、こういう状況だと仕方ないんですかね。百合子視点のエピソードはなかなか新鮮で、彼女自身もまだ自分の中にある複雑な想いがどういうものか明確には認識できていないのかもと。正太郎がずっと抱いていた懸念も思わぬ形で判明しましたが、杞憂というか櫻子さんがあまりにも突き抜けていて苦笑いでした。ウルフはまた再登場あるんでしょうか。
読了日:1月21日 著者:太田紫織
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 (角川文庫)櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密 (角川文庫)感想
函館で正太郎が捜査中に怪我を負い、これ以上危険にさらすまいと距離を置くことにする櫻子と、再び彼女と事件を追いかけたいと思う正太郎。櫻子と正太郎の出会いや都市伝説流布の話も描かれる第六弾。平凡な高校生だった正太郎と櫻子との出会いはやっぱり強烈だったんだなあと苦笑いしましたけど、お互いもやもやするものを抱えたままの再会はどこか二人の距離感がぎこちなかったですね。幼馴染を陥れたのに他人事な感覚にはさすがに唖然としましたが、心の隙間に巧みに入り込む花房の暗躍には、不安定な二人の距離感を思うと少し不安になりました。
読了日:1月21日 著者:太田紫織
逃げるは恥だが役に立つ(5) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(5) (KC KISS)感想
母親のケガで急遽実家に帰っていたみくりが久しぶりに帰宅。内心大喜びの素直に嬉しさを表せない平匡。「ハグの日」もやっぱり自分からは言い出せない平匡が迷走するようになって、壁を感じるみくりが悩みだす第五弾。いい関係が見えてきてお互い好意を持っているのにこじらせてしまうとか(遠い目 みくりもうっかり失言で空回りするしほんと大変だなあ。。。
読了日:1月20日 著者:海野つなみ
鍵屋甘味処改 5 野良猫少女の卒業 (集英社オレンジ文庫)鍵屋甘味処改 5 野良猫少女の卒業 (集英社オレンジ文庫)感想
修学旅行やテストなどが続いて久しぶりに鍵屋へ顔を出したこずえ。祐雨子と淀川の関係も気になる状況で淀川の元カノが現れ、たびたび淀川を呼び出し始める第五弾。想いを自覚して距離感が分からなくなり、祐雨子と淀川の近過ぎる距離感に不安を抱きながらも淀川のためにあれこれ奮闘するこずえ。淀川も戸惑い気味だったり振り回されたりでしたけど、それでも自分の大切なものに対する想いはブレなくて最後はちょっと頑張ってくれましたかね。エピローグはややあっさりめでしたが、今後の期待感に満ちた悪くない結末でした。次回作も期待しています。
読了日:1月20日 著者:梨沙
追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ (ファンタジア文庫)感想
二学期初日。野球部を辞めた篠山マサキが教室で遭遇したのは、自分の記憶にだけ存在しない少女・風間ハルカ。手紙の送り間違いを知らせてくれた女の子との文通をきっかけにその世界が変わってゆくSF系青春小説。うっかり優等生と評判のハルカの意外な一面を知ってしまうマサキ。怪しい文通をやりとりするたびになぜか突如変わってゆくハルカとの関係性。不器用な二人の距離感が微笑ましくて突然の急展開には呆然としましたが、真相を知って彼女のために奔走したマサキの決意と顛末は、荒削りながらも次回作に期待したくなる爽やかな読後感でした。
読了日:1月20日 著者:田辺屋敷
逃げるは恥だが役に立つ(4) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(4) (KC KISS)感想
風見さんでのお仕事(家事代行)が百合にバレて仕事現場に乗り込まれたみくり。百合ちゃんの家庭訪問をきっかけに新婚旅行として二人で温泉に行くことになる第四弾。社員旅行という発想がアレですがw 二人で旅行に行ってスキンシップや距離感もいい感じになっているとは思うんですけど、お互いいろいろ考え過ぎてて進みそうで進まないのがもどかしいですね。
読了日:1月19日 著者:海野つなみ
本バスめぐりん。本バスめぐりん。感想
定年を迎えて移動図書館、愛称「本バスめぐりん」の新人運転手になったテルさん。図書館司書ウメちゃんの年の差四十のでこぼこコンビで身近に起こる謎や出来事を解決してゆくハートフルミステリ。様々な場所のいろいろな事情を抱える利用者たちとの交流や、利用者のことを考えて載せる3000冊の本の一部を入れ替えたり、移動図書館に対する利用者や地域の人の想いなど、試行錯誤しながらテルさんの奥さんや利用者も一緒に解決の方法を考えてゆく展開はとても良かったですね。コミュニティの中心にあった移動図書館の可能性を改めて実感しました。
読了日:1月19日 著者:大崎梢
逃げるは恥だが役に立つ(3) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(3) (KC KISS)感想
シェアして三角関係?契約結婚の危機?と思いながら読みましたが意外とビジネスライクな感じだったりでちょっとホッとしました。けど平匡がわりとこじらせてる消極男子で、みくりが歩み寄りを見せているのに進展しない状況がもどかしい。恋人という役割もできて、きちんと二人で向き合えばうまくいきそうな気もするんですが、そうさせてくれない周囲にいろいろ振り回される状況は続きそうですね(苦笑)
読了日:1月18日 著者:海野つなみ
やがて恋するヴィヴィ・レイン 2 (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン 2 (ガガガ文庫)感想
アステルと共にヴィヴィ・レインを探す旅をするルカが旧友ジェミニと再会。そこで悲劇の英雄として領主に対する暴動の首謀者として祭り上げられてしまい、王女のファニアと対立することになってしまう第二弾。昔の借りがあるためにジェミニの思惑に協力するルカ。思わぬ形で対峙することになった恩人のルカを何とか助けられないか深く葛藤するファニア。ギリギリの状況で密かに交わされる二人の想いが何とも切なくて、交わされた約束と提示された目標によって物語の方向性も見えてきて、ここからどういう展開になるのかとても楽しみになりました。
読了日:1月18日 著者:犬村小六
弱キャラ友崎くん Lv.3 (ガガガ文庫)弱キャラ友崎くん Lv.3 (ガガガ文庫)感想
夏休みに入っても日南から特訓漬けにされていた友崎が、リア充グループとともにBBQ(男女お泊り付き)に参加したり、菊池さんと付き合うことを目標に花火大会デートへと誘う第三弾。相変わらずダメ出しされたり試行錯誤する中で参加した合宿もなかなか面白かったですが、何より悩める中村や対する日南のありようが友崎にとって転機になりましたかね。菊池さんはとてもいい子だなという思いを新たにしつつも、自分なりのやり方で前に進むことを選んだ友崎と、再構築される日南との関係性がどのようなものになってゆくのか次巻が今から楽しみです。
読了日:1月18日 著者:屋久ユウキ
逃げるは恥だが役に立つ(2) (KC KISS)逃げるは恥だが役に立つ(2) (KC KISS)感想
万事うまく運んでいた平匡とみくりの生活。津崎さんの会社の後輩・風見涼太から「仮面夫婦」の疑いをかけられてしまう第二弾。契約結婚ではあったけれど、少しずつ意識するようになってゆく二人の距離感を楽しんでいたんですが、まさかこういう介入のされ方するとは。。。その衝撃的な提案がどういうものなのか、特に平匡さんがいろこじらせたりしないか心配です。
読了日:1月18日 著者:海野つなみ
女王陛下の補給線(3)<完> (講談社コミックス)女王陛下の補給線(3)<完> (講談社コミックス)感想
王国中からその命を狙われる俘虜・殺塵鬼アーベルト・マイヤーの護送中、彼の言葉に煽られ翻弄される二○二試験補給中隊の面々。分裂の危機に陥る中、友軍の急襲を受けかる第三弾。殺塵鬼にいいように振り回される補給中隊を襲った黒幕の意外な正体。伍長の超人ぶりがまた突き抜けてましたが、各人のエピソードを交えつつ決着付くところまでは読めると思っていたので、ここでの完結は残念。次回作も期待しています。
読了日:1月17日 著者:カワグチタケシ
後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)感想
金椛帝国の皇帝崩御に伴い、「皇帝に外戚なし」の法のもとに皇后に選ばれた星皇后の一族は全て殉死を命じられ、胡娘の助けにより御曹司の遊圭がひとり生き延びる中華ファンタジー。追われる身だった遊圭が、以前助けた縁で匿ってくれた町娘の明々と一緒に密かに男の身で後宮に出仕するまさかの展開。病弱で世間知らずゆえか義憤に駆られて自らの身を危うくするような状況にはハラハラしましたが、宦官・玄月に正体を疑われながらも知恵を駆使して何とか乗り切った展開はなかなか面白かったです。後宮からの脱出を目指す遊圭たちの今後に期待ですね。
読了日:1月17日 著者:篠原悠希
あやかし恋古書店~僕はきみに何度でもめぐり逢う~ (TO文庫)あやかし恋古書店~僕はきみに何度でもめぐり逢う~ (TO文庫)感想
恋破れ故郷の新潟に帰った紗月。元書店員の彼女が無愛想な店主・影野小さな古書店に出会い、そこで働き始めた彼女があやかし絡みの悩みを本で解決する物語。事故により失われてしまっている紗月の以前の記憶。不器用な影野の優しさに惹かれてゆく紗月の揺れる想いと、店を訪れる悩めるあやかしたちのことが気になって仕方がない若干おせっかい気味な彼女が、その悩みを一緒に解決する展開。それはなかなか思い出せなかった過去の約束に繋がっていって切ない気持ちにもなりましたが、新たな可能性を感じさせてくれたその結末は悪くない読後感でした。
読了日:1月17日 著者:蒼井紬希
僕は君を殺せない (集英社オレンジ文庫)僕は君を殺せない (集英社オレンジ文庫)感想
クラスメイトの代わりにミステリーツアーに参加して、山中にある屋敷での惨劇から必死に逃げ出した『おれ』。クラスメートのレイちゃんと半同棲する『僕』。二人の視点から語られ明らかになってゆく復讐劇。視点が切り替わってゆくストーリーは時系列も前後しやや分かりづらかったですが、淡々と関係者が死んでゆく一方で微笑ましい二人に見えたレイちゃんとの関係には別の側面もあって、復讐を完遂するためにこれまで動いてきた僕が自分の大切なものを守ろうとしたその悩める決断にはどこか救われる思いでした。短編2作品も印象的で次回作に期待。
読了日:1月16日 著者:長谷川夕
夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 (コバルト文庫)夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 (コバルト文庫)感想
闇の魔物“夜葬師”に育てられた人間の少女オフェリア。十七歳になり森でひとり暮らしていたオフェリアの元にやってきたルドヴィーク侯爵によって城へと連れ去られ、呪いを解くよう迫られる物語。訳も分からないまま連れ去られて城内では妻と扱われ困惑するオフェリア。明らかになってゆく育ての親であった夜葬師による侯爵の呪いと、オフェリアの出自にまつわる秘密。因縁ある二人の不器用な距離感がもどかしかったですが、夜葬師たちの想いもきちんと伝わって、二人が自らの中で大きくなっていた想いにきちんと向き合えた結末にはほっとしました。
読了日:1月15日 著者:白川紺子
ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)ランチ探偵 容疑者のレシピ (実業之日本社文庫)感想
社宅の闖入者、密室の盗難等々、OL麗子が「トラブルが起こっている」の一言で、ランチの外食を渋りがちな謎が大好きの同僚ゆいかを連れ出し、ランチ合コンで日常の謎に挑むシリーズ第二弾。時間有休を使ってのランチ合コンとか優雅だなあと思わなくもないですが(苦笑)、出て来るご飯の美味しそうな描写はグレードアップして、謎解きも相変わらずの冴えで今回も楽しめました。ゆいかがまさかの異動でどうなるかと思ったら、見事な安楽椅子探偵ぶりで大活躍でしたね(実は大変だったみたいですが)。また続編も期待できそうで楽しみにしています。
読了日:1月15日 著者:水生大海
化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)化学探偵Mr.キュリー5 (中公文庫)感想
化学サークルによる甘い物質合成対決。サ行の発音がおかしくなった同級生の秘密。四宮大生を狙う奇妙な仮面の男の正体。ひょんなことから沖野と舞衣が理学部の冷蔵室に閉じ込められてしまう第五弾。二人が出会って一緒に事件解決するようになってから一年が経過して、相変わらず巻き込まれる感じになってる沖野先生と舞衣の距離感も、変わっていないようで少しずつ変わってきてるんですかね。二人で協力して解決する事件もなかなか興味深かったですけれど、最後に出てきた変化の兆しが今後どう関係に変化をもたらすのか次巻はその辺りも楽しみです。
読了日:1月14日 著者:喜多喜久
女王陛下の補給線(2) (講談社コミックス)女王陛下の補給線(2) (講談社コミックス)感想
運ぶべき物資を強奪された二○二試験補給中隊。わずかな痕跡から辿り着いたのは哀しき真実に、あえて最も険しい決断を下す第二弾。余裕のない状況だとこういうことも起こりうるのかなという顛末でしたけど、乗り越えてしまう補給中隊の心意気。金策に赴く中尉の奔走はなかなかギャップもあって良かったですけど、またいわくありげな人物が出てきて気になる引きですね。
読了日:1月13日 著者:カワグチタケシ
僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)僕が恋したカフカな彼女 (富士見L文庫)感想
気になる架能風香から誤字脱字だらけの恋文に散々なダメ出しを食らった深海楓が、彼女にふさわしい男になるべく小説家を志すボーイ・ミーツ・ガールミステリ。普段からヘルメットを着用し敬愛するカフカになれと告げる風香と、女好きだった過去を封印する偽装天然な楓。カフカの作品になぞらえた身近な謎を二人で解決するうちに少しずつ変化する距離感と、彼女を本当に好きになっていく楓の想い、彼に対して秘密を抱える風香の逡巡といった心情描写がなかなか良かったです。このレーベルらしい一風変わった、けれどとても自分好みな青春小説でした。
読了日:1月13日 著者:森晶麿
落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)11 (GA文庫)落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)11 (GA文庫)感想
クレーデルラント側からの招待で一輝はステラやその姉ルナとともに隣国へと向かうことになり、そこでステラに異常な執着を示す《傀儡王》オル・ゴールの想像を絶する悪意を目の当たりにする第十一弾。歪んだ欲望に巻き込まれてクレーデルラントから宣戦布告を受けたヴァーミリオン皇国。そしてステラたちを強襲するオル・ゴールとその仲間たち。今回は奮闘こそするもののステラや一輝も現時点での力不足を痛感し後手に回る苦しい我慢が続く状況でしたけど、それでもこの狡猾で強大相手でも諦めずにここからの大逆転を次巻に期待したいところですね。
読了日:1月12日 著者:海空りく
ゴブリンスレイヤー4 (GA文庫)ゴブリンスレイヤー4 (GA文庫)感想
国王の依頼で悪魔の塔討伐に重戦士、槍使い、ゴブリンスレイヤーが挑んだり、飯を食わない彼に食わせようとする獣耳娘、牛飼娘・女神官・妖精弓手・受付嬢たちの休日などが描かれる短編集の第四弾。いずれも2巻~3巻頃の時期を舞台とした短編とのことですが、いつも飯を食わずに帰るゴブリンスレイヤーの真意や、そんな不器用な彼の周囲が気になる牛飼娘の関係が微笑ましいですね。牛飼娘はパーティーの女性陣や受付嬢辺りとも仲良くなっていたり、彼もそうですけど周囲と徐々に絆みたいなものが育まれてきていていいなと思えました。続刊も期待。
読了日:1月12日 著者:蝸牛くも
ウォルテニア戦記V (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記V (HJ NOVELS)感想
ローゼリアの内乱を終わらせた功績で男爵に任じられ、ウォルテニア半島を与えられた御子柴亮真。未開拓の土地であるウォルテニアに入るための準備を始める第五弾。まずは領地を治めるの人手もなく情報収集するところから始まった今回でしたけど、半島の状況を探ったり一癖ありそうな隣接する領主のこと、手を組むに足る有能な商人を見出したり手駒の育成を始めたりと、地盤を固めるための下地作りと言ったところからですかね。過酷な異世界に召喚されてしまった飛鳥たちもなかなか大変ですが、何とか亮真と合流できるといいんですけど。続巻に期待。
読了日:1月12日 著者:保利亮太
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女II」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女II」感想
領主の養女として神殿長に就任したローゼマイン。収穫祭へ向けた準備、新しい孤児たちの面倒、近隣の町の不満への対応、年に一度訪れる「シュツェーリアの夜」と大忙しの第八弾。貴族としての立場でハッセの街への対応を迫られたローゼマイン。素養も十分に身につかないままどんどん立場が変わる難しさが改めて顕在化しましたが、周囲といい関係を築いてその助けを得ながら奮闘する様子には苦笑い混じりですけど応援したくなりますね。甘やかされていたヴィルフリート兄様も変わる兆しが垣間見えて大忙しな展開でしたけど楽しめました。続巻に期待。
読了日:1月12日 著者:香月美夜
おとなりコンプレックス (1) (クロフネコミックス)おとなりコンプレックス (1) (クロフネコミックス)感想
家が隣同士で兄弟のように育ってきた天然無自覚なかっこいいあきらちゃん(女)と女装もバッチリなかわいい真琴くん(男)。いつも一緒にいた幼馴染二人に少しずつ変化が生まれる物語。男女逆のカップルに間違えられることもある二人の関係が、関わる人達の影響もあったりで変化の兆しを見せてゆく展開は登場人物たちの描写が繊細で二人の今後が気になりますね。最後に投じられた一石がどんな変化をもたらすかとても楽しみです。
読了日:1月11日 著者:野々村朔
ウォルテニア戦記IV (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記IV (HJ NOVELS)感想
亮真の奮闘で勢いを増したルピス王女の陣営が、決着をつけるべく宿敵の一人アーレベルク将軍が立て篭もるイラクリオンへと駒を進める第四弾。冒頭から衝撃的な展開で始まった今回、とりあえず逃げ出そうとする相手を逃さずにきちんと始末こそしたものの、国として再生する格好の機会を私情で捻じ曲げてしまった挙句、禍根を残す決着にしてしまった王女の為政者失格ぶりがいろいろ台無しにしてしまいましたね(ため息)王国の未来は希望が見えませんが、功労者のはずなのに辺境に追いやられることになった亮真がここからどう巻き返すか楽しみです。
読了日:1月11日 著者:保利亮太
ウォルテニア戦記III (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記III (HJ NOVELS)感想
貴族派・騎士派入り乱れて激化するローゼリア王国の内紛に、御子柴亮真はローゼリア王家継承権を持つルピス王女に手を貸して兵を集めはじめる第三弾。救国の英雄・エレナを担ぎ上げたことで騎士派の切り崩しは進んだものの、王女の失態でアーレベルク将軍の貴族合流を引き起こしてしまう皮肉な展開。二転三転する状況こそやるべきことを間違えない的確な判断が必要なのに、そのたびに味方に足を引っ張られて次善の策を考える状況に陥るのはあれな話ですね。しかし暗殺者だった咲夜たち忍者一族は村ごと異世界召喚とか凄い話だと思いました(苦笑)
読了日:1月11日 著者:保利亮太
ウォルテニア戦記II (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記II (HJ NOVELS)感想
オルトメア帝国から脱出し、双子の姉妹ローラ・サーラとともに元の世界へ還る方法を探していた御子柴亮真が女傭兵リオネの傭兵団と共にローゼリア王国の内紛に巻き込まれてしまう第二弾。たまたまギルドマスターに目をつけられたことで巻き込まれてしまった時期王位を巡る王国内の騎士派と貴族派の主導権争い。理想論を掲げる典型的な融通の効かない頭の固い騎士に対して、現実的な利害を説いて切り崩しに効果的な手を打ってゆく亮真に存在感がありましたが、派閥内も一枚岩ではなくてなかなか複雑そうですね。組織内で頭角を現してきた今後に期待。
読了日:1月10日 著者:保利亮太
下鴨アンティーク 雪花の約束 (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク 雪花の約束 (集英社オレンジ文庫)感想
鹿乃の祖母に預けられていた着物から紡がれてゆくいくつかの物語と、鹿乃を抱き締めてしまったことで距離の取り方が分からなくなってしまった慧の戸惑いが描かれる第五弾。今回それぞれのエピソードもなかなか興味深かったですが、何より小学校の頃から一緒にいるのが当たり前だった鹿乃の成長を実感してしまい、春野の出現もあったりで不安定になりかけていた二人の距離感にもようやく転機が訪れそうで、これまでいろいろあったけれど上手くいくといいなあと思いました。幼い頃の良鷹と鹿乃のエピソードも印象的で、今後の展開がとても楽しみです。
読了日:1月10日 著者:白川紺子
悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)感想
不運もありいったん工場勤務まで落ちぶれた田舎の貴族令嬢・アルベルタ。そんな彼女が過去の縁から家人も使用人も訳ありだらけで問題も多い伯爵家の女執事に採用される物語。いろいろ素直に向き合えない事情を抱えていた伯爵家の人びとでしたけど、良くも悪くも率直で真っ直ぐに切り込んでくるアルベルタの行動に感化されて少しずつ変わってゆく展開がいいですね。その中で明らかになってゆく過去の縁がまたとてもいい感じに繋がっていって、彼女の鈍感ぶりには苦笑いでしたけどもっと早く読めば良かったと思える面白さでした。続巻も楽しみですね。
読了日:1月10日 著者:江本マシメサ
天球駆けるスプートニク 未到の空往く運送屋、ネジの外れた銀髪衛精 (Novel 0)天球駆けるスプートニク 未到の空往く運送屋、ネジの外れた銀髪衛精 (Novel 0)感想
西暦二〇三〇年、突如上空に現れた正体不明の飛行物体「衛精」の無差別攻撃で人類が空を奪われた世界。低空飛行に特化させた飛行艇ULFを駆る運び屋タクロウと銀髪犬耳少女チェルシーの物語。チームを組まない訳ありげな青年タクロウと駄犬扱いの相棒チェルシー。彼らに託した想いのため危険と最速の限界を乗り越えようとする二人の物語は、明らかになってゆく彼らの過去や事情によってガラリと印象も変わりますが、メリハリの効いた展開やギリギリを攻め続ける飛行描写、二人を中心とする人間模様がとても良くてぜひ続刊を期待したい作品ですね。
読了日:1月9日 著者:ツカサ
女王陛下の補給線(1) (講談社コミックス)女王陛下の補給線(1) (講談社コミックス)感想
王国と共和国の戦争がはじまって2年。補給兵が安全な後方で肥え太る豚と侮られ馬鹿にされる中、鋼鉄の汽車ラーヴィックを駆って前線に物資を届けようとする二〇二試験補給中隊の熱い物語。前線に必要な物資が届かない腐敗と怠惰が横行する状況下で、大尉と部下たちの真っ直ぐな想いは清々しいですね。今後どのような方向に向かってゆくのか続巻に期待。
読了日:1月8日 著者:カワグチタケシ
ウォルテニア戦記 (HJ NOVELS)ウォルテニア戦記 (HJ NOVELS)感想
武道ひとすじに生きてきた高校生・御子柴亮真が強制的に異世界召喚され、自分を召喚したオルトメア帝国の重要人物を殺害して脱出、逃避行の中で双子の姉妹と出会ったことで運命の歯車が回り始めるファンタジー戦記。かなり特異な生き方をしていたように見える主人公が劣悪な異世界召喚の現実を突きつけられ、そこから逃げ出すところから始まる物語ですが、したたかに逃亡する中で転機となりそうな運命の出会い、そして宿命のライバルとの邂逅と一巻目として今後に十分期待できそうなスタートですね。ここからどう展開していくのか続巻が楽しみです。
読了日:1月8日 著者:保利亮太
勇者のセガレ (電撃文庫)勇者のセガレ (電撃文庫)感想
謎の金髪美少女ディアナが異世界から若い頃異世界を救った父秀雄を召喚すべく剣崎家に現れ、高校生の長男の康雄や妹がそれに巻き込まれてゆく日常ファンタジー。なかなか信じられない康雄たちの反応はある意味とてもリアルで、平和な日常生活にあるものと危機に脅かされる異世界人間というギャップもうまく描かれていると思いました。転機に至るまでがやや冗長な印象もありましたが、父とともに異世界で戦った母のまさかの変身には爆笑しました。様々な経験を経た上での康雄の決意と再会した帯刀さんも気になりますし、今後が楽しみなシリーズです。
読了日:1月7日 著者:和ヶ原聡司
なれる!SE15 疾風怒濤?社内競合 (電撃文庫)なれる!SE15 疾風怒濤?社内競合 (電撃文庫)感想
スルガシステムが株式公開準備に入り、体制作りのため総務部への誘いを受けた工兵。総合商社二社のシステム統合という大きな案件でかつてのライバル次郎丸と組むことになるも、別ルートから立華&藤崎コンビも受注を狙う社内競合案件になってしまう第十五弾。人生の分岐点を提示されて思い悩む工兵が、かつてのライバルと組んで先輩たちと対決と予想外の展開でしたが、いくつも修羅場を乗り越えて急成長したかに思えた工兵が、スペシャリストである先輩コンビの凄みを思い知らされる展開はとても面白かったです。どう決着するのか次巻が楽しみです。
読了日:1月7日 著者:夏海公司
エロマンガ先生(8) 和泉マサムネの休日 (電撃文庫)エロマンガ先生(8) 和泉マサムネの休日 (電撃文庫)感想
『世界で一番可愛い妹』のアニメ化によって兄の無茶を心配した紗霧は、『開かずの間』での同棲を要求。心配するヒロインたちも同棲し、修羅場をなんとか乗り切ったマサムネが様々な思い出を回想していく短編集。いやヒロインたちみんなマサムネのこと好き過ぎだろと苦笑いしたくなるような各編でしたけど、ヒロインの魅力が十分に感じられるそれぞれのエピソードで物語の奥行きを作りつつ、これまで分からなかったことが明らかになり最終的に一つの流れへと収束させてゆく構成は印象的でした。ひとつの決断がどう繋がってゆくのか続巻に期待ですね。
読了日:1月6日 著者:伏見つかさ
俺を好きなのはお前だけかよ(4) (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ(4) (電撃文庫)感想
パンジーの天敵にしてジョーロの上位互換的存在ホースが現れ、パンジーを取り戻すため、彼女の『呪い』を解くために動き出すも空回りし、さらなる混迷に陥ってゆく第四弾。初っ端からジョーロを振り回す後輩が現れてその話がメインなのかと思ったら、みんなが集う図書室崩壊の危機に、パンジーが苦手とする天敵・ホースとの再会。一見関係なさそうな流れが見事に繋がり、各人の思わぬ行動によって状況が二転三転して見事に空回った挙句絶体絶命のピンチに陥るジョーロという構成は見事でした。ここからどう挽回してゆくのか続巻がとても楽しみです。
読了日:1月6日 著者:駱駝
金物屋夜見坂少年の怪しい休日 (集英社オレンジ文庫)金物屋夜見坂少年の怪しい休日 (集英社オレンジ文庫)感想
金物屋のついでに副業でまじない屋も営む夜見坂少年が、刑事・静から人身売買の噂を聞き付け興味を惹かれ、男爵家の令息で医学生の千尋を誘い旅行気分で怪しい屋敷に乗り込む第三弾。子どもの人身売買話と死期間近の富裕層のお金の一部がいつの間にか紛失してしまう事件。訳も分からないまま振り回され踏んだり蹴ったりな千尋もあれでしたけど、夜見坂少年も不用意にあっさりと懐に飛び込むなあと思ったら一応保険掛けてたんですね(苦笑)意外な顛末の読後感は悪くなかったですけど、年相応な一面も見せた夜見坂少年も謎が多いですね。続巻に期待。
読了日:1月6日 著者:紙上ユキ
甘々と稲妻(8) (アフタヌーンKC)甘々と稲妻(8) (アフタヌーンKC)感想
ついに小学生になったつむぎ。楽しさいっぱいの小学校生活で、つむぎがひとつだけ気になっていることはクラスメイト・なぎさ。小鳥も自分の進路に思い悩む第八弾。つむぎのつまづいたり戸惑いながらも、周囲の助けも借りて乗り越えてゆこうとする姿や、進路について自分なりに考えてみようと決意する小鳥など、これからもいろいろあるけど彼女たちの成長する姿を見守ってゆきたいですね。
読了日:1月6日 著者:雨隠ギド
活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと ―マホタン― (KCx)活字中毒者の魔本探索、あるいは裏図書館のこと ―マホタン― (KCx)感想
魂を持つ魔本が封じられた学園の裏図書館。偶然見つけた扉を開けて多くの魔本を逃がしてしまった本好きの花圃が、本嫌いの葉山先輩が魔本を捕まえる手伝いをすることになる物語。逃げ出した実在の物語の登場人物たちをとりあえず封じようとする葉山先輩と、きちんと向き合おうとする花圃が対照的でしたが、なかなか悪くない組み合わせになりそうですね。アクセント役に収まったアリスも加えてどういう物語を紡いでゆくのか続巻に期待。
読了日:1月5日 著者:伊咲ウタ
こひすてふ (メディアワークス文庫)こひすてふ (メディアワークス文庫)感想
絵の分野で神童ともてはやされたのも今は昔、ただのひねくれ女子高生になり果てていた御厨紀伊。そんな紀伊平安時代へタイムスリップ、そこで三十六歌仙の一人壬生忠見と出会う物語。ひとつの絵によって繋がった現代と平安時代へのタイムスリップ、友人にそっくりな先祖の時姫とぶっきらぼうだけれど優しい忠見との出会い。絵を描くことに素直に向き合えなくなっていた紀伊が忠見の存在をきっかけに変わり、その未来も変えてゆく展開はいろいろあっさりというかやや荒削りな部分もありましたが、描かれたそのひたむきな想いは悪くなかったです。
読了日:1月5日 著者:土屋浩
メシマズ狂想曲メシマズ狂想曲感想
かなり出世は早いけど、彼氏も料理の作り方もさっぱりわからないまま34歳になってしまった滝田和紗、独身。健康診断でメタボ予備軍とされ一念発起で自炊生活に挑戦?利害が一致した同期の村越と一緒に料理研究を始める物語。仕事では有能な雰囲気が伺えるのになぜかふたりともびっくりな料理音痴ぶりでしたが、事あるごとに対抗心を燃やす同期の腐れ縁な二人の料理に対する切実な戸惑いと、周囲の人間模様を絡めてゆく展開は、ようやく向き合うようになった二人の関係が変化してゆく物語でもあって、随分遠回りしましたけど悪くない読後感でした。
読了日:1月4日 著者:秋川滝美
ゆうべはお楽しみでしたね(3) (ヤングガンガンコミックス)ゆうべはお楽しみでしたね(3) (ヤングガンガンコミックス)感想
オンラインゲームで知り合ったパウさん(オタクなアルバイト店員)とゴローさん(リア充女子)とのお互い意外としっくり来てるシェアハウス生活。そこにパウさんの契約社員の話が持ち上がる第三弾。わりとゴローさんを意識して妄想爆発していたりもするパウさんと、居心地のいい関係であることを自覚しつつあるゴローさん。可能性は感じるのに、でもその踏み込めない・配慮してしまう微妙な距離感が変化に際してどういう結末に繋がるのか気になりますねー。意外とお似合いな二人だと思うんですが。
読了日:1月4日 著者:金田一蓮十郎
お世話になっております。陰陽課です3 (メディアワークス文庫)お世話になっております。陰陽課です3 (メディアワークス文庫)感想
病院を訪れた帰りにすれ違った車椅子の老女・高邑八重は春明の若い頃の知り合い?八重と出会った後、詮索されたくなさそうな春明の態度や行動に変化が現れる第三弾。今回は春明の終戦直後当時のエピソードが明らかになって、相変わらずメモ魔だったり幼女姿なために気付かず善女竜王相手にうっかり説教かましてしまう祈理には苦笑いでしたけど、出された課題を単独で見事に解決してみせたり、いい着眼点で事件解決に導いたりと確実に成長していますね。八重のエピソードも印象的でしたが、少しずつ春明を意識するようになってきた祈理の今後に期待。
読了日:1月3日 著者:峰守ひろかず
町田くんの世界 4 (マーガレットコミックス)町田くんの世界 4 (マーガレットコミックス)感想
猪原さんの涙の理由が判明して町田くんのお父さんもついに登場。お父さんかなり変わってるけどなかなかいい人じゃないですか(お母さんの過去にはビックリしましたがw)猪原さんの過去も明らかになって、氷室くんとの絡みも出てきたけど、少しずつ町田くんは猪原さんのことを意識してきてるんでしょうかね。このままいい感じになっていってくれるといいんですが。
読了日:1月3日 著者:安藤ゆき
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力感想
内向型が直面する数々の問題を浮き彫りにし、内向型の強みと魅力を明らかにしつつ個性を伸ばして生かす方法を模索する一冊。翻訳書ということもあってアメリカにおける外向型と内向型の立ち位置の変遷から始まる本書は、内向型の問題点を浮き彫りにする一方で、これまで引っ張ってきた外向型の欠点や問題点も取り上げ、どちらの性質も多かれ少なかれ誰しも持っていることを踏まえつつ、時代の変遷とともに内向型の力が静かな力となって変えてゆく可能性を感じさせてくれる一冊でした。読み込むのにはやや時間が必要でしたがいい指針となる本ですね。
読了日:1月2日 著者:スーザン・ケイン
町田くんの世界 3 (マーガレットコミックス)町田くんの世界 3 (マーガレットコミックス)感想
ものもらいができて片目になり、距離感が狂った町田くんの行動はなかなか面白かったですけど、それでも世界を優しい眼差しで見つめる町田くんだからこそ、通りすがりの人達にもいい影響を与えてゆくんですよね。同時収録の読切もなかなか良かったです。
読了日:1月2日 著者:安藤ゆき
Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)感想
物心ついた頃からブスで、結婚式に憧れ自分は無理でもそれを演出する人になろうと、ウェディングプランナーになった北條香澄。そんな彼女が絶世のブスと絶賛されやり手で絶世の美男子・久世課長に求婚される物語。これでもかと香澄のブスっぷりを真正面から突きつけられる展開は少なからずグサグサ突き刺さりましたが、さらに突き抜けている久世課長の存在感(苦笑)そういう決断しちゃうのかーとは少し思いましたが、お仕事小説としても面白かったですし、仕事に真摯に向き合う香澄の姿勢やその人柄が愛されているのが伺えて悪くない読後感でした。
読了日:1月2日 著者:ゆきた志旗
花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)花を追え――仕立屋・琥珀と着物の迷宮 (ハヤカワ文庫JA)感想
仙台の夏の夕暮れ。篠笛教室に通う着物が苦手な女子高生・八重はふとしたことから着流し姿の仕立屋・宝紀琥珀と出会い、着物にやたらと詳しい琥珀とともに着物にまつわる様々な謎に挑む着物ミステリ。着物を愛する有能な仕立屋・琥珀と女子高生・八重を結んだ5円の縁。モテモテな美青年なのに10歳も違う女子高生相手にその琥珀のプレゼントやアプローチはどうなの?と苦笑いもしましたが、事件を共に解決してゆく中で浮かんでくる琥珀と八重の過去は複雑に絡まっていて、二転三転するドキドキな展開を粋な感じにまとめてくれた素敵な物語でした。
読了日:1月1日 著者:春坂咲月
終わりのセラフ 13 (ジャンプコミックス)終わりのセラフ 13 (ジャンプコミックス)感想
「グレンが世界を滅亡させた」と語る吸血鬼の言葉に動揺する優一郎たち。フェリドと共に大阪湾に向かうが、そこでは捕われのクルルの前に謎の人物が出現。海外からも上位始祖が到着する第十三弾。掴みどころのない行動が多いフェリドには焦らされますけど、上位始祖たちの関係や因縁なども明らかになっていって、また動きも出てきそうですね。小説版とも繋がってきていて続巻が楽しみです。
読了日:1月1日 著者:山本ヤマト
夜伽の国の月光姫4夜伽の国の月光姫4感想
アルエ姉様に隠れて自ら断髪したり、王様の背中を足で踏みつけたり、突然ヒグマやサンタクロースになりきってみたり、クマハチの故郷で新鮮なお刺身&ウニ食べ放題のグルメツアーを満喫しようとする月光姫・セレネの短編集な第四弾。ほんと毎回何も考えずに思うまま行き当たりばったりに行動してるだけなんですけどね。結果的にその行為が巡り巡って周囲に評価されたり、悩める人を救ってみせたりもするけれど、自身はあまり満たされないまま終わる苦笑いな顛末がこの物語の真骨頂なのかなと思いました(中身はおっさんですしねw)。次巻にも期待。
読了日:1月1日 著者:青野海鳥

読書メーター

2月の購入検討&気になるラノベほかピックアップ

今回もわりとギリギリになってしまいましたが、来月の購入検討&気になる本です。1月に続いて2月もあんまりないかなあと思っていた気になる本ですが、何だかんだでそれなりの点数に。受賞作はもう少し情報が出てから試し読みも読んだりして購入するアイテムを考えたいですね。

 

HJ文庫(2/1発売)
魔王な俺がエルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?1 手島史詞/COMTA

ビーンズ文庫(2/1発売)
巫女華伝 恋の舞とまほろばの君 岐川新/雲屋ゆきお
流星茶房物語 月下の龍と恋を誓う 羽倉せい/霧夢ラテ

ポプラ文庫(2/1発売)
活版印刷日月堂: 海からの手紙 ほしお さなえ

スニーカー文庫(2/1発売)
終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか? #EX 枯野瑛/ue
エス・エクソシスト 霜月セイ/七和禮
[第21回秋スニーカー大賞<特別賞>]
まるで人だな、ルーシー 零真似/ゆきさめ
[第21回秋スニーカー大賞<優秀賞>]

講談社ラノベ文庫(2/2発売)
銃皇無尽のファフニール XIII スターダスト・クライ ツカサ/梱枝りこ

徳間文庫(2/3発売)
ソウルトランサー 菱川さかく

宝島社文庫(2/7発売)
建築士・音無薫子の設計ノート あなたの人生、リノベーションします。 逢上央士

徳間書店単行本(2/8発売)
計画結婚 白河三兎

ポプラ社単行本(2/9発売)
江の島ねこもり食堂 名取佐和子
ぼくのとなりにきみ 小嶋 陽太郎

KC DELUXE ラノベ(2/9発売)
小説 寄宿学校のジュリエット 望月唯一/原作:金田陽介

電撃文庫(2/10発売)
魔法科高校の劣等生 (21) 動乱の序章編 〈上〉 佐島勤/石田可奈
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.13 聴猫芝居/Hisasi
剣と炎のディアスフェルド II 佐藤ケイ/PALOW
86―エイティシックス― 安里アサト/しらび メカデザイン:I-IV
[第23回電撃小説大賞<大賞>]

創元推理文庫(2/13発売)
玉妖綺譚2 異界の庭 真園めぐみ/狛蜜ザキ

ノベルゼロ(2/15発売)
皿の上の聖騎士3 三浦勇雄/屡那

GA文庫(2/15発売)
りゅうおうのおしごと!白鳥士郎/しらび
聖剣使いの禁呪詠唱19 あわむら赤光/refeia
デボネア・リアル・エステート3 傭兵は勇者となり、地上げ屋たちは浮遊城を堕とす。 山貝エビス/柴乃櫂人

富士見L文庫(2/15発売)
紅霞後宮物語 第五幕 雪村花菜/桐矢隆

オレンジ文庫(2/17発売)
宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ 辻村七子/雪広うたこ

ファンタジア文庫(2/18発売)
アサシンズプライド5 深淵饗宴 天城ケイ/ニノモトニノ
豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 合田拍子/nauribon
[第1回カクヨムWeb小説コンテスト<特別賞>]

講談社タイガ(2/20発売)
おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 オキシタケヒコ

中央公論新社単行本(2/21発売)
君が描く空 - 帝都芸大剣道部 里見蘭

原書房単行本(2/21発売)
鵬藤高校天文部:君が見つけた星座 千澤のり子

オーバーラップ文庫(2/25発売)
神話伝説の英雄の異世界譚7 奉/ミユキルリア
現実主義勇者の王国再建記 III どぜう丸/冬ゆき

角川文庫(2/25発売)
ひとり吹奏楽初野晴

メディアワークス文庫(2/25発売)
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ 三上延
あやかしとおばんざい2 ~ふたごの京都妖怪ごはん日記~ 仲町六絵
装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~ 範乃秋晴
君は月夜に光り輝く 佐野徹夜
[第23回電撃小説大賞<大賞>]
キネマ探偵カレイドミステリー 斜線堂有紀
[第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞>]
「装幀室のおしごと。」と受賞作2点は要検討で。

創元推理文庫(2/27発売)
最良の嘘の最後のひと言 河野裕

ファミ通文庫(2/28発売)
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 1 九曜/フライ
[第1回カクヨムWeb小説コンテスト<特別賞>]
魔術師たちの就職戦線2 嬉野秋彦/惠坂

新潮文庫nex(3/1発売)
天久鷹央の推理カルテ V 知念実希人/いとうのいぢ

「好きなライトノベルを投票しよう!! - 2016年下期」に投票します。+α

今回も「好きなライトノベルを投票しよう!! - 2016年下期」に投票したいと思います今回はわりと対象商品が広くてどんな作品がランクインするのか楽しみですね。

 

今回投票アイテムを選定するにあたって、先日以下のエントリを作りましたが、

 

これと被っても面白くないので、ここで選んだアイテム以外からセレクトすることにしました。これはこれで自分が読んで面白かったので、オススメしたいと思えるものです。

 

エントリーとしては10作品を選びましたが、いい機会なので+11冊分紹介しちゃいます(単にいろいろオススメしたいだけですw)。一応今回のエントリー対象作品の中から選んだので、もし気になるような作品があったら是非手にとって読んでみてください。

 

【以下投票アイテム】

 亡くなった義妹の願いを胸に、どん底から這い上がってヴィヴィ・レインを探す旅に出た少年・ルカが戦いの中で3人の少女と運命の出会いを果たす恋と会戦の物語。再会した幼馴染の天才操縦士・ミズキ、王国軍を急襲した義妹と瓜二つの人造人間・アステル、そして二人きりの逃避行でルカに惹かれ、敗色濃厚な形勢をひっくり返したのを目の当たりにした斜陽の王国の王女・フィニア。それぞれ抱えるものがあり、強い因縁を匂わせながらも袂を分かった彼らが今後どんな物語を紡いでゆくのか。どうなるのか目が離せない、今後に期待大の新シリーズですね。17年1月に2巻刊行予定。

【16下期ラノベ投票/9784094516340】

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)

 

 防衛戦の最中に味方の裏切りに遭い、師とも仰ぐ叔母と故郷とも言える領地を失ってしまった吸血皇子・レオナートが、仲間を集め再び立ち上がるファンタジー戦記。貴族たちが権力争いに明け暮れて内憂外患を抱える斜陽の帝国、その中で失ったものを取り戻すために地道に準備していたレオナートと仲間たちがついに迎えた転機。レオナートと彼を支えるシェーラを始めとする群像劇ならではの登場人物たちはそれぞれ存在感があって、今回の因縁にきっちりと決着を付け、裏で暗躍する存在も明らかにしてゆく展開は良かったです。今後の展開が楽しみのシリーズです。現在3巻まで刊行。

【16下期ラノベ投票/9784797387391】

 イベントでコスプレイヤー乃木乃ノ香(14歳)と知り合い、ファンだった彼女に家に手伝いに来てもらうようになったプロ絵師・京橋悠斗と、曲者揃いの仲間たちとのドタバタな日常。作中では絵師さんの描くことは楽しくても大変なことも多いその生活や、なるほどなと思うリアルな事情などもいろいろ語られていて、懇意にする個性的な濃い仲間との繋がりや彼らのために奔走する姿にはいいやつだなあと思いましたけど、そんなつもりはなくても14歳との日常は傍から見たら通報待ったなしですね(苦笑)話としてもなかなか面白くなりそうで続巻に期待。

【16下期ラノベ投票/9784040687537】

ディエゴの巨神 (電撃文庫)

ディエゴの巨神 (電撃文庫)

 

 新大陸発見に沸き立つ変革の時代。密かに陰陽術の研究に励む海洋国家スピネイア王国の青年ディエゴが、腐れ縁の友人アルバロと共に新大陸遠征軍の船に乗り込む物語。遠征軍を撃退する森を守る巨神の存在と欺かれた原住民たちの不信、そしてディエゴの悔恨と彼を取り巻く複雑な因縁。理想を持つがゆえに現実に思い至らない面もあったディエゴでしたけど、レラやローゼンといった原住民たちと交流するうちに自分のなすべきことを見出してゆく展開は、新大陸と旧大陸の間で新たに時代を切り開こうとする熱い想いがぶつかりあってとても面白かったです。

【16下期ラノベ投票/9784048924894】

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

剣と炎のディアスフェルド (電撃文庫)

 

 超大国アルキランに突如侵攻されたイアンマッド王国。和議と引き替えに人質として赴くことになった国王の長男王子ルスタットと、残されて次々と危機に見舞われる弟王子レオームの二人の王子の物語。神話的な超越した力と、人が技術を覚え始めた端境期の世界観で、周囲で引き起こされる危機的状況に否応もなく巻き込まれてゆく弟レオームと、アルキランの先進的技術に触れつつ伝説の存在となってゆく兄ルスタットの数奇な運命はとても興味深いですが、それぞれの道を歩み始めた二人がどのような形で再会することになるのか今後がとても楽しみですね。17年2月に2巻が刊行予定。

【16下期ラノベ投票/9784048923941】

少年時代の突然の相棒喪失で、幼馴染の渚にも呆れられ、悪友の卓と不毛な日々を送る楠田幸斗。そんな彼のもとに突然その佐原剣が再び転校してきて、バッテリーを組むために野球部に加入しようと奮闘する物語。怠惰な日々を送っていても、もう会えないと思っていた相手に「お前とバッテリーを組みたいから戻ってきた」とか言われたり、小さい頃の仲間たちが再集結とかそりゃ燃えますよね(でも身体はついていかないみたいなw)ベタだけど今後に期待したくなる泥臭くとても熱い展開でした。ツンデレでチョロインな幼馴染との今後もとても楽しみです。

【16下期ラノベ投票/9784048922487】

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

 

 妙なこだわりで高校で友達ができない新藤大輔に、存在感のないクラスメイト澄田が持ちかけてきた困ったときに助け合う「友達いらない同盟」そんな同盟から始まる二人の物語。それぞれが複雑な家庭事情を抱えてはいるけれど、一見同じようでいてまるで対照的な新藤と澄田。グループから浮いた城ヶ崎も加わって三人で楽しそうに見えたのに、なぜか澄田が距離を置くようになってゆく危機的状況でしたが、本音で引き留めようとする新藤の提案はかなり無茶苦茶でしたね(苦笑)このレーベルでたまに出てくる不思議な魅力のある物語でした。

【16下期ラノベ投票/9784063815719】

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

インスタント・ビジョン 3分間の未来視宣告 (角川スニーカー文庫)

 

 未来に3分間だけ自分の意識が飛ばされる奇病「夢現譜症候群」のパンデミックで大混乱に陥りがちな世界。殺人鬼になる未来視を見たレオが相棒の少女・ティアと出会う物語。未来視を知られているがゆえに難しい立場にあるレオと謎めいた立ち位置のティア。パンデミックを発生させる犯人を追う中で異能を用いた熱く勢いのあるバトルと、それぞれの立ち位置での正義が対立するシリアスな世界観はなかなか面白くて、そんな中で揺れる相棒・ティアとの信頼関係を再構築してゆく過程が著者さんの真骨頂なのかなと(苦笑)続巻期待したい新シリーズですね。

【16下期ラノベ投票/9784041051306】

いま、n回目のカノジョ (ファンタジア文庫)

いま、n回目のカノジョ (ファンタジア文庫)

 

 幼馴染の刻坂詩音が巻き起こすループにたびたび巻き込まれる毎原和人。無自覚に唐突に繰り返される日常を諦めて受容していた和人たちの前に、同じくループを自覚する転校生の美少女・神崎が現れるループ系青春小説。ループを引き起こすのに認めない天然な詩音と、いろいろツッコみつつも幼馴染のために奔走する和人、一見クールビューティなのに実は口下手で不器用な神崎のやりとりがじわじわくる感じで、繰り返されるドタバタで楽しい日常を許容しつつあった彼らに起きるひとつの転機と真相はきれいにまとまりましたが、続巻に期待したい作品です。

【16下期ラノベ投票/9784040721675】

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 (カドカワBOOKS)

幼馴染の自動販売機にプロポーズした経緯について。 (カドカワBOOKS)

 

 田舎町のおんぼろな自動販売機に取り憑いた着物姿の「自動販売機の精」。幼い頃に彼女と最悪の出会いをした神主の息子が、やがて彼女への想いを自覚する恋の物語。少年にしか姿が見えない、世間知らずだけれどとても優しい彼女と共に過ごすうちに、惹かれてゆくことを自覚し密かに苦悩したり迷走する少年。彼女が宿るおんぼろ自動販売機が危機的状況を迎えるまで随分遠回りしたなあとも思いましたが、それでも真摯に想う彼女を助けるため家業まで巻き込むなりふり構わない彼の奔走に、神様も粋な計らいをしてくれた素敵な物語でした。

【16下期ラノベ投票/9784040720159】

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以下、投票対象からは外れてしまいますが、オススメとして紹介。

 育ての親ルイジアが遺したボロ宿で借金取りに追われるラザロ。そんな彼のもとに北の王国随一の竜砲騎士だったルイジアの姪マデリーンが現れ、一緒に宿の再建を目指すことになる物語。見た目は金髪碧眼の美女で真摯な性格も、世間知らずで何をやらせてもポンコツなマドリーン。そんな彼女に振り回される日々に、借金取りや彼女を連れ帰ろうとする竜砲騎士見習いレティシア、さらにはルイジアと密約を結んでいた大海賊まで現れてドラバタ具合が加速してゆく展開はとても面白かったです。彼女の魅力で人が集まる(目標だけは壮大な)宿屋の今後に期待。

獅子皇と異端の戦巫女 (ファミ通文庫)

獅子皇と異端の戦巫女 (ファミ通文庫)

 

 「災禍の翠蛇」復活の兆候がある中、対抗できる力を持った凪姫たちが消息を絶ったことが明らかになり、彼女たちを率いる獅子皇・ウィズが唯一残る凪姫・メロフィーユと共に凪姫たちを探す旅に出る物語。消息を絶ったことが明らかになった五人の凪姫。彼らが旅先で出会った異世界から強制召喚された魔王・デミシア、災禍の翠蛇復活のためには手段を選ばない黎明衆の存在。メロフィーユにはヒロインたちの軸になる存在感がありますが、戦友の凪姫たちもまた様々な事情を抱えていそうですし、面白くなりそうな雰囲気は十分感じられたので続巻に期待。

白き姫騎士と黒の戦略家 (講談社ラノベ文庫)

白き姫騎士と黒の戦略家 (講談社ラノベ文庫)

 

 王太子レオンハルトを支え王国を発展させていく未来を夢想していた若き騎士ジーク。隣国の侵攻で王太子を喪った彼が、犬猿の仲である妹姫リーゼロッテとともに仇敵の勇者王ベルトランに立ち向かうファンタジー戦姫。規格外のベルトランの力に敗北した王国軍の殿を引き受けたジークとそこに押しかけたリーゼロッテ。大軍相手に寡兵で向かうため手段を厭わずにベルトラン打倒を狙うジークと、あくまで騎士道を重んじる彼女が対立しながらも同じ目的を果たすために力を合わせて打倒を目指してゆく展開はなかなか面白かったです。

 別居中の妻を事故で亡くし、高校生の一人娘・美嘉との関係は冷えきったままの不動産屋社長・幸一郎。そんな時3人の思い出の動物園が閉園危機にあると知り、美嘉の笑顔を取り戻すため何の知識もないまま動物園再建を決意する物語。最初は家族のためだったはずが、いつの間にか仕事一辺倒の状況にすれ違ってしまった関係。一縷の望みを託し動物園再建へ奔走してしまう幸一郎は本当に不器用だと思いましたが、その苦難にも諦めず立ち向かう姿に周囲も協力してくれて、どうにか修復に向けた一歩を踏み出せたことにとても温かい気持ちになれました。 

 京都・姉小路通沿いにある仕出し&弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚さんと彼女に料理を教わるバイトの大学生・彗が、お弁当を作りながら周囲の人たちと交流してゆく物語。家付き娘で毎週お見合いをして人脈を広げている残念な花柚さんと、同級生に密かに恋する彗の二人で読んでいるだけでも美味しそうな料理を作りながら、お弁当を作る手助けをしたり、一緒に花柚さんの師匠を看取ったり、そして花柚さんの元婚約者との切ない関係だったり、不器用でなかなか素直になれない人たちの一途でくすぐったい気分になる優しい思いに満ちた素敵な物語でした。

青の数学 (新潮文庫nex)

青の数学 (新潮文庫nex)

 

 数学オリンピックを制した女子高生・京香凜と、雪の日に偶然出会った高校生の栢山。「数学って、何?」と問いかける彼女に意識され、それに触発されるように栢山もまた数学にのめり込んでゆく青春小説。若き数学者が集うネット上の決闘空間「E2」。そこで他校のライバルたちと出会い競う中で、香凜に対する答えを探す栢山。立ち位置が違う友人たちや考え方が異なるライバルたちと対比させながら、理由も分からないままひたむきに数学に向き合い続ける栢山の姿はとてもまっすぐで、それもまた青春のひとつの形なのかなと思えますね。現在2巻まで刊行。 

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)

 

 イラストの仕事だけでは食べていけず、夢破れて生きるために親に内緒で地元タウン誌を発行する会社の事務員として採用された夏実。その個性的な面々が集うブラック企業ぶりを描くお仕事小説。周囲の同僚がだらしない人たちで振り回されたり、仕事をスムーズに動かすために始発で行って仕事とか考えるあたりが、すでにもう重症だなと思わなくもないですけど、それはそれとして社会人として仕事をしっかりこなす夏実だからこそ周囲から信頼されるのも納得ですね。大変なことに巻き込まれましたが、林さんとの今後が気になるので続刊に期待したいです。

きみの分解パラドックス (富士見L文庫)

きみの分解パラドックス (富士見L文庫)

 

 物をバラバラにすることに対して人並み以上の情熱を持つ異質な少女・天使玲夏と、彼女の幼馴染で何よりも平穏を望む少年・結城友紀が総合パズル研究同好会へと入部し、同好会のメンバーと“アドレス”と呼ばれる犯人による、バラバラ連続殺人事件の謎を追う物語。独特な行動基準で動く彼女をきちんと理解してフォローしている友紀は、口ではいろいろ言ってもお互いにかけがえのない存在なんだろうなと(苦笑)一見サイコさんな玲夏も友人には優しくて、ささやかな目標を手帳に書いてる一面は可愛いかったです。続編あるならまた読んでみたいですね。

 交通事故に遭い入院していた大学生の明良。退院の日に身に覚えのない彼の彼女だと自己紹介する女の子・一夏に出会う、二人のひと夏の物語。自分は覚えていなくても周囲は明良の彼女と認識している状況。積極的な彼女と共に過ごすうちに徐々に惹かれてゆく明良と、一緒に見上げた星空を取り戻すためさらに踏み込んでゆく一夏。思い出せそうで思い出せなかった真実はとても悲しい出来事でしたけど、不思議な縁と予感によって止まっていた時間も再び動き出し、これまで支えてくれた想いにもようやく気づくことが出来た切ないながらも素敵な物語でした。

イマジナリ・フレンド (ハヤカワ文庫JA)

イマジナリ・フレンド (ハヤカワ文庫JA)

 

 リアルではぼっちでも空想の友達「イマジナリ・フレンド」の美少女・ノンノンと楽しい日々を過ごす大学生やまじ。現状に小さな不安を感じた彼女が、似たような人々が集まるカンパニーへと彼を誘う物語。カンパニーで二人が知ったイマジナリ・フレンドとの様々なありようと、大人になると別れを迎える空想の友達との関係。大学では相変わらずキモい行動で周囲から浮きがちなやまじにも、その関係を大切にしてくれる人たちができて、絶対に失いたくない関係を取り戻そうと奔走した結末には、これもまたひとつのありようだと思える納得感がありました。

悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)

悪辣執事のなげやり人生 (レジーナブックス)

 

 不運もありいったん工場勤務まで落ちぶれた田舎の貴族令嬢・アルベルタ。そんな彼女が過去の縁から家人も使用人も訳ありだらけで問題も多い伯爵家の女執事に採用される物語。いろいろ素直に向き合えない事情を抱えていた伯爵家の人びとでしたけど、良くも悪くも率直で真っ直ぐに切り込んでくるアルベルタの行動に感化されて少しずつ変わってゆく展開がいいですね。その中で明らかになってゆく過去の縁がまたとてもいい感じに繋がっていって、彼女の鈍感ぶりには苦笑いでしたけどもっと早く読めば良かったと思える面白さでした。1月刊行の続巻も楽しみですね。

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以上です。Twitterからなども気軽に投票できるようなので、是非みなさんも投票してみてください。

 

好きなライトノベルを投票しよう!! - 2016年下期

投票受付期間: 1月14日(土) 24:00まで
投票対象: 2016年7月から12月に刊行されたライトノベル (主な投票対象一覧)

2016年に読んだオススメ本20冊

 もう四日目ですがあけましておめでとうございます。というわけで遅ればせながら2016年全体のオススメ本です。ほんとはシリーズもの含めてじっくり選ぼうかとも思ったんですが、年末に右手首骨折やら咳喘息気味になったりとかいう不測の事態や、新作だけで20冊以上になってしまったりなどということもあって、そのままえいやとまとめました(たぶん京更新できなかったらしばらく更新できなそうなのでw)。読んでるのもライトノベルとそれ以外がだいたい半々なのでラノベ10冊・ライト文芸一般文芸10冊のセレクトです。年始からいろいろバタバタしていますが、取り急ぎ今年もよろしくお願いします。

 

 【ライトノベル編】

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
 

 気になるコスモス先輩と幼馴染ひまわりがジョーロをデートに誘った目的は親友への橋渡し。そんな彼を好きなのは地味女パンジーだけというドタバタラブコメ。物語が進むと構図がどんどんややこしくなりますが各々の行動には理由があり、最初打算的に見えていたジョーロが常に周囲の友人のために行動していて、登場人物たちが利己的な理由で変節していく中でも最後までブレず、またそれを知るヒロインがいることに物語の真骨頂があるのかなと思いました。4巻が17年1月に刊行予定。

ゴブリンスレイヤー (GA文庫)

ゴブリンスレイヤー (GA文庫)

 

 ゴブリン討伐だけで銀等級まで上り詰めた稀有な存在・ゴブリンスレイヤー。そんな彼が冒険者として初めての依頼でピンチだった女神官を助けるところから始まる物語。冒頭から情け容赦のない展開が待っていて面食らいますが、視点を変えるとゴブリン相手の戦い方も奥が深く、えげつない方法も厭わずにゴブリンの習性や倒し方をひたすら極め、世界を救うことには興味がない変わり者のゴブリンスレイヤーが、直面した危機的状況で身近な人を失うことを繰り返さないために、仲間に助けを求めて立ち上がる展開はなかなか来るものがあって面白かったです。17年1月に4巻刊行予定。

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫)

 

母と二人で暮らす家で、同い年の遠い親戚の女の子和泉里奈と同居することになった高校生の坂本健一。彼女の出現によって様々な変化がもたらされてゆく物語。兄にコンプレックスを抱き他人との距離に悩む健一と、控えめながら女子校育ちで無防備な里奈。近過ぎるのにどこか遠い彼女を意識し友人たちに知られたくないと感じる健一に気づき、心穏やかではいられない幼馴染・由梨子。最近希少のオーソドックスな構成ながらも飽きさせない著者らしい繊細な心理描写がウリですね。全2巻。

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

 

 日本屈指のゲーマーながらリアルでは弱キャラの友崎が、同じくらいゲームを極めリアルでもパーフェクトヒロインの日南葵に炊きつけられ、クソゲーと断じるリアルで自己変革を目指す物語。ゲームに対する同じ想いを抱く葵の言葉を信じ、失敗しながらもチャレンジを諦めない友崎。そんな彼のフォローに奔走する葵が、凄まじいまでの努力家であることを何度も垣間見たこともきっと大きかったんですよね。魅力的なヒロインたちを絡めたテンポよく進む物語には続巻をまた読みたくなる期待感があります。17年1月に3巻刊行予定。

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

その10文字を、僕は忘れない (ダッシュエックス文庫)

 

 無気力で学校をサボりがちな高校生・島崎蒼が雨よけに寄った公園で、理由があって声が出ない同級生・宮崎菫と出会い、スケッチブックで会話をする彼女と交流を深めてゆく青春小説。菫と出会ったことで変わってゆく蒼と、彼と密かに公園で出会いを重ねてゆくことで本来の明るさを取り戻し、蒼やその親友二人と楽しい日々を過ごすようになった菫に訪れた重要な転機。些細なことからすれ違ってゆく二人の姿はとても辛かったですが、それでも大切な存在だと改めて痛感し、きちんと想いを交わし合った二人の今後を応援したくなるとても素敵な物語でした。

キミもまた、偽恋だとしても。1〈上〉 (オーバーラップ文庫)

キミもまた、偽恋だとしても。1〈上〉 (オーバーラップ文庫)

 

 田舎町の岩下学園に越境入学した村上政樹に、地元旧家の娘で見合いを嫌い偽装恋人を提案してきた薫子。引き受けたら思わぬ繋がりが判明し婚約にまで発展してしまう物語。さすがに結婚までは意識できないものの見合いはしたくない薫子と、美少女の薫子と恋人になりたい政樹の利害が一致してとりあえず三年間偽装恋人として付き合うことになった二人。真っ直ぐに想いを伝えた政樹に好印象を抱く薫子のチョロインぶりや、お互いオタクや腐女子であることを隠す悩ましいドタバタぶりがいろいろ微笑ましくて、ベタですが二人の今後がとても楽しみなシリーズですね。現在2巻目まで刊行。

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)

アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)

 

 マナという能力を持つ貴族が人類を守る責務を負う世界。公爵家の生まれながらマナを持たない少女・メリダの元に、依頼を受けた暗殺者のクーファが家庭教師として派遣される物語。努力家なのにマナを発現させる見込みに乏しいメリダを見て、家庭教師を続けるか暗殺するか決断を迫られたクーファの意外な行動から動き出す物語は、テンポの良いストーリー展開にキャラもよく動いてとても面白かったです。素直で努力家なメリダと、一見クールなのに彼女のために奔走せずにいられない訳あり家庭教師クーファの今後がどうなるのか注目のシリーズです。現在4巻まで刊行。

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

いつかの空、君との魔法 (角川スニーカー文庫)

 

 上空を覆うダスト層雲によって空の青さを知らず、人々の生命活動に精霊が不可欠な世界。ダスト層雲を払い精霊を呼び寄せるヘクセを務める高所恐怖症のカリムと幼馴染の少女・揺月の物語。幼い頃のカリムの危機を救い代償を負った揺月に負い目を感じて、長らくすれ違ったままの二人。街を危機に陥れる規模の精霊不足という危機に共に挑む中で描かれる精霊と戯れるグラオベーゼンの幻想的な描写や、随分遠回りこそしたものの自分の気持ちにきちんと向き合って、失われかけた絆を取り戻してゆく空飛ぶヘクセたちの繊細な距離感がとても素晴らしいですね。現在2巻まで刊行。

尾木花詩希は褪せたセカイで心霊を視る (ダッシュエックス文庫)

尾木花詩希は褪せたセカイで心霊を視る (ダッシュエックス文庫)

 

 とある事情から廃墟と化したデパートの屋上遊園地に向かった久佐薙卓馬が、そこで古びた傷だらけのカメラで写真を撮り続ける同級生の少女・尾木花詩希と出逢う物語。「観覧車の花子さん」に逢わねばならない理由がある卓馬と、自身の失ってしまった彩りを取り戻すため写真を撮り続ける詩希。ぎこちない交流を続けるうちに少しずつ変わってゆく詩希がとても可愛くて、悪意に巻き込まれてお互いを大切に想う気持ちが空回りした二人でしたけど、真相に近づいてゆく中で大切な人にきちんと想いが伝わった結末は本当に良かったです。

おにぎりスタッバー (角川スニーカー文庫)

おにぎりスタッバー (角川スニーカー文庫)

 

 見た目も成績も地味なのに「なんか援交だかをやっているらしい」という噂によって、クラス全員に避けられている中萱梓。愛称アズ。いきなり始まるアズの思考だだ漏れな地の文のみっちり感には面食らいましたが、最初は友人の自称・魔法少女サワメグや窮地を助けてくれた穂高先輩たちとぼっち少女の青春ものと思って読んでいたら、え?そっちなの?とどんどん思わぬ方向に向かってゆく展開は奇想天外で、なのにしっかりと青春もしていて、何かじわじわと来る独特な世界観を持つ突き抜けた物語でした。イラストも素晴らしかったですし前日譚にも期待。

 

ライト文芸・一般文芸編】

浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。 (富士見L文庫)

浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。 (富士見L文庫)

 

 浅草に住み地元グルメをこよなく愛する訳あり女子高生・茨木真紀。人間なのに日々あやかし関連の厄介ごとに首を突っ込み、前世で夫だった天酒馨たちを振り回すほのぼのあやかしラブコメディ。前世が茨木童子だった真紀と前世で夫の酒天童子だった馨。生まれ変わって幸運にもまた巡り会えた二人が繰り出す以心伝心の夫婦漫才と、巻き込まれるあやかし絡みの騒動で構成されるストーリーで、姐さん気質の心優しい真紀と何だかんだ言いながら彼女のために奔走する馨が安心安定の夫婦っぷりでした(まだ夫婦じゃないけどw)続刊期待の新シリーズですね。

 長らく空き家だった川越の片隅に佇む印刷所・三日月堂。そこにかつて亡くなった店主の孫娘・弓子が住むことになり、昔ながらの活版印刷で人との繋がりを解きほぐしてゆく物語。近しい人との関係に迷いを抱える登場人物たちが、身近な人の繋がりから知る営業を再開した三日月堂の存在。物静かで真摯な弓子さんと一緒に印刷するものを考えてゆくうちに、悩みにもきちんと向き合えるようになってゆく展開は、失われた活版印刷の良さを思い出させてくれるだけでなく、作られた印刷物も悩める人の想いに寄り添っていて、とても素敵な物語だと思いました。2月に続刊刊行予定とのこと。

 

※最後に切なくなりたい人は『僕が』から、穏やかになりたい人は『君を』から読んで下さい。

 並行世界間が実証された世界。両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦が、地元の進学校で85番目の世界から移動してきたというクラスメイト・瀧川和音と出会う物語。入学時の因縁をきっかけに運命的な出会いを果たした、暦と和音の一見腐れ縁のようにも思える関係。同時刊行作品の出来事との関連性を織り交ぜつつ、並行世界が実在する世界ならではの問題に悩まされながらも、それを力を合わせて乗り越えてゆく二人はとても幸せだったんだろうなと思わせるものがありました。二つ読んで比べてみるといろいろ思うところが出てきてとても面白かったです。

 並行世界間が実証された世界。両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦が、地元の進学校で85番目の世界から移動してきたというクラスメイト・瀧川和音と出会う物語。入学時の因縁をきっかけに運命的な出会いを果たした、暦と和音の一見腐れ縁のようにも思える関係。同時刊行作品の出来事との関連性を織り交ぜつつ、並行世界が実在する世界ならではの問題に悩まされながらも、それを力を合わせて乗り越えてゆく二人はとても幸せだったんだろうなと思わせるものがありました。二つ読んで比べてみるといろいろ思うところが出てきてとても面白かったです。

黒豚姫の神隠し (ハヤカワ文庫JA)

黒豚姫の神隠し (ハヤカワ文庫JA)

 

 黒豚の悪神伝説が言い伝えられている宇嘉見島。その古臭い慣習も閉鎖的な環境も大嫌いな中学生ヨナのクラスに、東京から美少女・波多野清子が転校してくるひと夏の異世界譚。清子の美声を聞いて彼女を主演に『オズの魔法使い』の映画を取りたいとアプローチするヨナ。そんな彼だけでなくクラスの皆からも距離を置く清子が隠す秘密。ヨナたちのお陰で本来の姿を見せるようになった清子はとてもいい子で、だからこそ明かされた真相には切ない気持ちにもなりましたけど、彼女が笑って過ごせるようになった結末にはとても心温かい気持ちになりました。 

 ダメダメな一人暮らし生活を送る大学生の栗坂まもりが、ふとしたきっかけからベランダで植物を育てては食すお隣のイケメン園芸男子・亜潟葉二の真の姿を知り、一緒に育てるようになる物語。一人暮らしにありがちなトラブルに巻き込まれて葉ニに救われるまもり。育てたものを一緒に食べることで育まれてゆく二人の交流と、そんな葉二に変わるきっかけを与えた千鶴との再会。不安を抱えながらも自分の思いに正直になって、不器用なりに決意したまもりの奮闘ぶりや、変わってゆく葉ニのまもりを呼ぶ名前や二人の繊細な距離感がなかなかいいですね。現在2巻まで刊行。

風見夜子の死体見聞 (富士見L文庫)

風見夜子の死体見聞 (富士見L文庫)

 

 事故や事件の現場に必ず居合わせることで「死神」とあだ名される女子高生・風見夜子。数年来絶縁状態だった夜子に死ぬところを救われた幼馴染の凪野陽太が、過剰な人助けに巻き込まれてゆく青春ミステリ。死ぬ予定の死体が見えてしまう力を持ち「あなた死ぬわよ」と強引にでも回避しようとする夜子。傍若無人な彼女に恩に着せられ脅され人助けを手伝うようになる凪野とのテンポの良い応酬が楽しくてじわじわ来ますね(苦笑)素直じゃない不器用な彼女の理解者が少しずつ増えてゆく一方で宿敵の存在も明らかになり、是非続編を期待したい作品ですね。

トオチカ (角川文庫)

トオチカ (角川文庫)

 

 親友と2人で鎌倉の小さなアクセサリー店「トオチカ」を営む里葎子。手痛い恋愛を乗り越えていたと思っていた彼女がバイヤーの千正と出会い、心揺さぶられてゆく不器用な大人の恋の物語。会えば行動の一つ一つが気になって苛立つ里葎子と、なぜかそんな彼女の地雷を踏みまくる千正。優しくされたり雑貨の趣味が似ていても素直になれず、距離感が分からなくなったり言葉の選択を間違えてしまう不器用な関係が、とあるきっかけから戸惑いながらもいい感じにまとまっていって安心しました。巻末の短編もいい感じに幸せ感を補足していて良かったですね。

霊感検定 (講談社文庫)

霊感検定 (講談社文庫)

 

 「記憶屋」(角川ホラー文庫)の織守きょうやさんによるシリーズ。バイト帰りに同級生の羽鳥空と印象的な出会いを果たした転校生の修司。彼女と再会した図書室で風変わりな司書・馬渡の心霊現象研究会の活動に巻き込まれてゆく青春ホラー。霊の想いに寄り添うちょっと変わった女の子・空と彼女を見守る幼馴染・晴臣。彼ににらまれながらも空とのやりとりを貴重に思う修司。仲間と解決する霊絡みのトラブルは切なかったり重かったりもしましたが、それ以上に彼らの優しい想いがつまった甘酸っぱい青春している雰囲気をたっぷりと味わえました。登場人物も魅力的でページの割にはとても読みやすいです。現在2巻まで刊行。

虹を待つ彼女

虹を待つ彼女

 

 優秀で予想できてしまう限界に虚しさを覚えていた研究者・工藤が、死者を人工知能化するプロジェクトに参加して、衝撃的な自殺でカルト的な人気のゲームクリエイター・水科晴を知る物語。過去の事件や水科晴のことを調べてゆくうちに、彼女に共鳴し惹かれてゆく工藤。重要なキーパーソン「雨」の存在と調査中止を警告する謎の脅迫。我が身が危険に晒されながらも諦めず、晴を人工知能で再現することに妄執する工藤の姿には鬼気迫るものがありましたが、真相を知った彼のほろ苦くも粋な決断は少なからず心に響くものがありました。

 

 参考までにジャンル別のまとめ

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

2016年12月に読んだ新作おすすめ本

既存シリーズも新作も気になる本目白押しで、選んで読むのが大変だった記憶しかない12月でしたが、思わぬトラブルに見舞われながらも何とかそこそこ読めました。2016年読了分最後の新作オススメは18点です。気になる本があったらぜひ手に取ってみてください。

 

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

友達いらない同盟 (講談社ラノベ文庫)

 

 妙なこだわりで高校で友達ができない新藤大輔に、存在感のないクラスメイト澄田が持ちかけてきた困ったときに助け合う「友達いらない同盟」そんな同盟から始まる二人の物語。それぞれが複雑な家庭事情を抱えてはいるけれど、一見同じようでいてまるで対照的な新藤と澄田。グループから浮いた城ヶ崎も加わって三人で楽しそうに見えたのに、なぜか澄田が距離を置くようになってゆく危機的状況でしたが、本音で引き留めようとする新藤の提案はかなり無茶苦茶でしたね(苦笑)このレーベルでたまに出てくる不思議な魅力のある物語で次回作も期待ですね。

いま、n回目のカノジョ (ファンタジア文庫)

いま、n回目のカノジョ (ファンタジア文庫)

 

 幼馴染の刻坂詩音が巻き起こすループにたびたび巻き込まれる毎原和人。無自覚に唐突に繰り返される日常を諦めて受容していた和人たちの前に、同じくループを自覚する転校生の美少女・神崎が現れるループ系青春小説。ループを引き起こすのに認めない天然な詩音と、いろいろツッコみつつも幼馴染のために奔走する和人、一見クールビューティなのに実は口下手で不器用な神崎のやりとりがじわじわくる感じで、繰り返されるドタバタで楽しい日常を許容しつつあった彼らに起きるひとつの転機と真相はきれいにまとまりましたが、続巻がとても楽しみですね。

おにぎりスタッバー (角川スニーカー文庫)

おにぎりスタッバー (角川スニーカー文庫)

 

 見た目も成績も地味なのに「なんか援交だかをやっているらしい」という噂によって、クラス全員に避けられている中萱梓。愛称アズ。いきなり始まるアズの思考だだ漏れな地の文のみっちり感には面食らいましたが、最初は友人の自称・魔法少女サワメグや窮地を助けてくれた穂高先輩たちとぼっち少女の青春ものと思って読んでいたら、え?そっちなの?とどんどん思わぬ方向に向かってゆく展開は奇想天外で、なのにしっかりと青春もしていて、何かじわじわと来る独特な世界観を持つ突き抜けた物語でした。イラストも素晴らしかったですし前日譚にも期待。

わたしの魔術コンサルタント (電撃文庫)

わたしの魔術コンサルタント (電撃文庫)

 

 かつて師を救えず己の魔術を失った過去を持つ魔術士・黒瀬秀春の元に現れた、秀春を父親だと勘違いするかつての師の娘・朝倉ヒナコ。そんな二人が織り成す魔術と居場所の物語。魔術を失いながらも魔術をつかう人に希望を見出そうとする秀春が出会う、才能に恵まれた悩める少女たち。ヒナコとの共同生活や、タイプの違う魅力的な少女たちと主人公との師弟関係やドタバタぶりも楽しくて、過去の複雑な因縁を絡めつつ少女たちのために奔走する展開はなかなか良かったです。ここからの物語を期待できそうな結末でしたし、続巻出ることを期待しています。

 平凡に暮らす奇術師見習いのシオンが、暗殺公によって家族の記憶を改竄されて亡き者とされ、唯一生き残る方法として暗殺公の娘エヴァレットと共に盾として謎の教育機関に入学させられるファンタジー。王女が自ら先頭に立って暗殺者と戦う大暗殺時代に、暗殺技術を巧みに操る令嬢たちのみの学園。そこに男装の令嬢と偽ってエヴァレットと共に入学したシオンが、境遇に戸惑いながらもきちんと向き合い、エヴァレットたちと絆を築いていったり、令嬢たちのために奔走する姿はなかなか良かったですね。彼自身にも何か秘密がありそうで続巻に期待ですね。

白き姫騎士と黒の戦略家 (講談社ラノベ文庫)

白き姫騎士と黒の戦略家 (講談社ラノベ文庫)

 

 王太子レオンハルトを支え王国を発展させていく未来を夢想していた若き騎士ジーク。隣国の侵攻で王太子を喪った彼が、犬猿の仲である妹姫リーゼロッテとともに仇敵の勇者王ベルトランに立ち向かうファンタジー戦姫。規格外のベルトランの力に敗北した王国軍の殿を引き受けたジークとそこに押しかけたリーゼロッテ。大軍相手に寡兵で向かうため手段を厭わずにベルトラン打倒を狙うジークと、あくまで騎士道を重んじる彼女が対立しながらも同じ目的を果たすために力を合わせて打倒を目指してゆく展開はなかなか面白かったです。次回作にも期待ですね。

黒豚姫の神隠し (ハヤカワ文庫JA)

黒豚姫の神隠し (ハヤカワ文庫JA)

 

 黒豚の悪神伝説が言い伝えられている宇嘉見島。その古臭い慣習も閉鎖的な環境も大嫌いな中学生ヨナのクラスに、東京から美少女・波多野清子が転校してくるひと夏の異世界譚。清子の美声を聞いて彼女を主演に『オズの魔法使い』の映画を取りたいとアプローチするヨナ。そんな彼だけでなくクラスの皆からも距離を置く清子が隠す秘密。ヨナたちのお陰で本来の姿を見せるようになった清子はとてもいい子で、だからこそ明かされた真相には切ない気持ちにもなりましたけど、彼女が笑って過ごせるようになった結末にはとても心温かい気持ちになりました。

あしたはれたら死のう (文春文庫)

あしたはれたら死のう (文春文庫)

 

 自殺未遂の結果、数年分の記憶と感情の一部を失ってしまった女子高生遠子。しかしなぜ死んでしまった同級生の志信と一緒に自殺を図ったのか、理由が分からずその原因を探るべく動き出す青春小説。以前とは明らかに変わった遠子の言動に戸惑う周囲の人たち。SNSに残されていた手がかりをもとに追う志信との関係や自殺の理由。志信と出会ってからの変化や彼のことを知ってゆくと、自殺を図った真相に切ないものを感じてしまいましたが、閉塞感のあった状況にも目をそらさずに真摯に向き合うようになった今の遠子のこれからを応援したくなりました。

タイムカプセル浪漫紀行 (メディアワークス文庫)

タイムカプセル浪漫紀行 (メディアワークス文庫)

 

 考古学者である父の遺跡捏造事件で同じ考古学者となる夢に希望が持てなくなった大学生の英一。そんな失意の日々を過ごす彼の前に10年前に亡くなった幼馴染の少女・明日香が現れる物語。昔果たせなかった明日香との約束。昔埋めたタイムカプセル探しを提案する明日香と共に向かう以前住んでいた街と、そこで出会うかつての友人や恩師たち。明るく天真爛漫だった明日香のやりたかったこと、望んでいた未来には切ない気持ちにもなりましたが、自分を見失いかけていた英一の背中を押してくれた彼女の想いが大きな転機に繋がってゆく素敵な物語でした。

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)

 

 「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説き死神と呼ばれる医者・桐子。奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない副医院長・福原と対象的な二人が挑む戦いが描かれる医療ドラマ。直面する「死」に対してどう向き合うのか。残された時間を生還の望みが薄い延命治療のために戦うか、後悔なく生きるために使うのかというそれぞれの選択。それは正解のないとても難しい問いですが、それでも患者だけでなく医師や家族たちもそれぞれ精一杯何とかしたいと残り時間に向き合う姿が真摯に描かれていて、切ない物語でしたけどとても心に響きました。

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)

ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)

 

 イラストの仕事だけでは食べていけず、夢破れて生きるために親に内緒で地元タウン誌を発行する会社の事務員として採用された夏実。その個性的な面々が集うブラック企業ぶりを描くお仕事小説。周囲の同僚がだらしない人たちで振り回されたり、仕事をスムーズに動かすために始発で行って仕事とか考えるあたりが、すでにもう重症だなと思わなくもないですけど、それはそれとして社会人として仕事をしっかりこなす夏実だからこそ周囲から信頼されるのも納得ですね。大変なことに巻き込まれましたが、林さんとの今後が気になるので続刊に期待したいです。

 経営難で廃業の噂が絶えない崖っぷちなホテルに就職したおっちょこちょいの新入社員・落合千代子。毎回渦中に巻き込まれる事件を先輩の教育係二宮と一緒に解決するお仕事ミステリ。うっかりでアバウトな性格もあって、次々と訳ありな客の事情に巻き込まれてゆく千代子と振り回される二宮。残念な発想しか出てこない上司のダメっぷりには苦笑いでしたが、何だかんだで事件を上手くまとまめていって「美人すぎるベルガール」と呼ばれ、ホテルの集客にまで貢献してしまうから分からないですね。少しひねった謎と悪くない読後感で読みやすいお話でした。

僕とモナミと、春に会う (幻冬舎文庫)

僕とモナミと、春に会う (幻冬舎文庫)

 

 人と話すことが大の苦手で毎週水曜日に原因不明の熱に悩まされている高校生の翼。病院の帰り道に偶然立ち寄った奇妙なペットショップで不思議な猫と出会い、家で飼うことになる物語。彼だけには別のものに見える不思議な猫・モナミとの出会いが転機となって、自身のわだかまりを解消しいろいろなものへの見る目が変わっていったり、お店でのバイトで同じようなお客と関わって一緒にその不安を解消したりで、その世界が少しずつ広がってゆくことを実感する物語は、とても読みやすくて良かったなと思える読後感でした。続刊を読んでみたい作品ですね。

209号室には知らない子供がいる

209号室には知らない子供がいる

 

 リバーサイドに建つ瀟洒なマンションサンクレール。209号室に住む葵という名の美少年によって、一見「ちゃんとして」見える女たちが静かに歪み壊れていくホラーミステリ。ふとした隙に家庭に入り込む葵によって、歪められてゆく家族とそれによって追い詰められてゆく妻たち。マンションで立て続けに起こる怪事件と、少しずつ明らかになってゆく謎めいた209号室の事情。少しずつ壊れてゆく関係の描写がとても生々しくて、一区切りついたかに見せかけてゾクリとさせる部分を最後に垣間見せる怖さに、著者さんらしさがよく出ていると思いました。

文藝モンスター (河出文庫)

文藝モンスター (河出文庫)

 

 文学賞受賞仲間で年に一度岡山の旅館で行われる打ち上げに参加した新人作家・笹野。地元で信仰を集める「消し神様」に願いを祈った人気作家たちが、その通りに発生した殺人事件の真相に挑むミステリ。作品へのスタンスや編集者との関係もそれぞれ違う、個性的で濃い人気作家たち。作家間でのぶっちゃけた会話や、インタビュー記事で語られるその思いは生々しくて、実感のこもった話だなあと思いながら興味深く読んでいましたけど、どこに向かうのかと思っていた顛末は何かすんなりまとまって、途中はグロいと思ったのになぜか悪くない読後感でした。

救ってみろと放課後は言う

救ってみろと放課後は言う

 

 遺書を書いて自殺すると決めたのに、以前相談した聞き屋・神山に遺書と練炭の入った鞄を盗まれた日登志。そんな彼がいいように使ってくる岸塚に呼び出され、ビルから落下した神山の状況を調べるよう命令される青春ミステリ。希望のない日々を送っているように見える日登志と、たまたま宇都宮に帰ってきて神山から遺書を手渡された友人・瑠梨。二人の視点から交互に語られてゆく物語は、新事実が明らかになるたびにその様相を変えていって、終わってみれば最初抱いた印象とは全く異なる物語となっていて驚きました。読後感も悪くなくて次回作に期待。

真夜中の本屋戦争 (ホワイトブックス)

真夜中の本屋戦争 (ホワイトブックス)

 

 エキナカ書店でバイトを始めた大学生の渡鍋渉が、閉店後の店内で平台争奪戦を行う本たちのゴーストに遭遇し、美人書店員の竹河紫野とともにそれに対処する物語。これまで一人で織田信長やホームズのような姿を模したフィギュアたちの場所取り合戦に振り回されてきた紫野。ほのかな想いを抱く彼女を助けつつ、フェア企画、夏の百冊や読書週間、クリスマスと何かあるたびに繰り広げられる騒動に巻き込まれる展開は、なかなか微笑ましい雰囲気でした。書店ものとして期待して読むとやや浅いですが、そういうものとして楽しめばなかなか面白かったです。

石黒くんに春は来ない

石黒くんに春は来ない

 

 典型的なスクールカーストが形成されたクラスで起こった、スキー教室における石黒君の遭難事件。平穏なようでいて歪な日常を取り戻した生徒たちに突然、意識不明の重体だった石黒君からメッセージが届く学園サスペンス。気ままに君臨するグループに事なかれの主義の教師、それによって生じる不登校や少しずつ溜まってゆく不満。それを巧みに扇動するものが現れることでガラリと様相が変わる狭い社会における群集心理の怖さが生々しかったです。途中から傍観者だった主人公恵美でしたけど、一度作られてしまった流れをどうにかするのは難しいですね。