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読書する日々と備忘録

主に読んだ本の紹介や出版関係のことなどについて書いています

5月の購入検討&気になるラノベほかピックアップ

3~4月は気になる本が多くて削るのに四苦八苦しましたが、5月は比較的少なめというか抑えめで。たぶんまたいろいろここから削ったり追加したりが発生するわけですが、楽しみな本が結構多いですね。新作で個人的に注目しているのはスニーカー文庫刊行の東ローマ帝国を舞台とした「緋色の玉座」、ラノベ文庫の「自殺するには向かない季節」、PHP文芸文庫から出る仲町六絵さんの「京都西陣なごみ植物店」、富士見L文庫から出る日向夏さんの「カロリーは引いてください!」、新潮文庫nexから刊行の竹宮ゆゆこさんの「おまえのすべてが燃え上がる」あたりですか。GA文庫ダンまち12巻はこれだけ5/25発売に変更になっているので注意が必要ですね。

 

コバルト文庫(4/28発売)
ブライディ家の押しかけ花婿 白川紺子/庭春樹

HJ文庫(5/1発売)
フェンリルの鎖 I うかれ猫/わざきた
最強魔法師の隠遁計画2 イズシロ/ミユキルリア

スニーカー文庫(5/1発売)
この素晴らしい世界に祝福を!11 暁なつめ/三嶋くろね
緋色の玉座 高橋祐一/岩本ゼロゴ
まるで人だな、ルーシー2 零真似/ゆきさめ

ビーンズ文庫(5/1発売)
後宮香妃物語 龍の皇太子とめぐる恋 伊藤たつき/カスカベアキラ

ラノベ文庫(5/2発売)
自殺するには向かない季節 海老名龍人/椎名優

 

 

PHP文芸文庫(5/8発売)
京都西陣なごみ植物店 仲町 六絵


ポプラ文庫ピュアフル(5/9発売)
あざみ野高校女子送球部 小瀬木麻美

宝島社文庫(5/9発売)
北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし 江本マシメサ
リケジョ探偵の謎解きラボ 喜多喜久

電撃文庫(5/10発売)
はたらく魔王さま!17 和ヶ原聡司/029
狼と香辛料 XIX Spring Log II 支倉凍砂/文倉十
終わる世界の片隅で、また君に恋をする 五十嵐雄策/ぶーた

KADOKAWA単行本(5/10発売)
小説 夜明け告げるルーのうた 三萩 せんや

文春文庫(5/10発売)
モモンガの件はおまかせを 似鳥 鶏

双葉文庫(5/11発売)
君に出会えた4%の奇跡 広瀬未衣
京都の甘味処は神様専用です 桑野和昭

講談社(5/11発売)
幸腹な百貨店 デパ地下おにぎり騒動 秋川 滝美

河出書房新社(5/11発売)
重版未定 2 川崎 昌平

GA文庫(5/15発売)
ゴブリンスレイヤー蝸牛くも/神奈月昇

富士見L文庫(5/15発売)
浅草鬼嫁日記 二 あやかし夫婦は青春を謳歌する。 友麻碧/あやとき
かくりよの宿飯 六 あやかしお宿に新米入ります。 友麻碧/Laruha
カロリーは引いてください! ~学食ガールと満腹男子~ 日向夏/時々

講談社タイガ(5/17発売)
緋紗子さんには、9つの秘密がある 清水晴木

ガガガ文庫(5/18発売)
妹さえいればいい。平坂読/カントク
やがて恋するヴィヴィ・レイン3 犬村小六/岩崎美奈子

集英社オレンジ文庫(5/19発売)
契約結婚はじめました。 白川紺子/わみず
ブラック企業に勤めております その線を越えてはならぬ 要 はる/藤ヶ咲
先生、原稿まだですか! 織川制吾/ななひめ

ファンタジア文庫(5/20発売)
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 細音啓/猫鍋蒼
追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ2 田辺屋敷/美和野らぐ
勇者のパーティで、僕だけ二軍!?2 布施瓢箪/さくらねこ

創元推理文庫(5/22発売)
ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ 青柳碧人/ミキワカコ

GA文庫(5/25発売)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか12 大森藤ノ

MF文庫J(5/25発売)
世界の終わりの世界録10 細音啓/ふゆの春秋

ダッシュエックス文庫(5/25発売)
クロニクル・レギオン6 丈月城/BUNBUN

角川文庫(5/25発売)
遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海 桑原水菜
弁当屋さんのおもてなし 喜多みどり
わが家は祇園の拝み屋さん5 望月麻衣

メディアワークス文庫(5/25発売)
兼業作家、八乙女累は充実している 夏海公司
時をめぐる少女 天沢夏月

新潮文庫nex(5/27発売)
おまえのすべてが燃え上がる 竹宮ゆゆこ
かぜまち美術館の謎便り 森 晶麿

ファミ通文庫(5/30発売)
我が偽りの名の下に集え、星々 庄司卓/sime
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 2 九曜/フライ

 

新潮社(5/31発売)
新任刑事 古野 まほろ

2017年3月に読んだ新作おすすめ本

 というわけで3月の新作おすすめ本です。3月は刊行点数そのものが多い時期で、予算は有限なのでいつもセレクトに苦労していますが、それでも読んだ新作はなかなか豊作で今回24点をセレクトしました。それにしても今回の電撃小説大賞は強烈ですね。全部読んだわけではありませんが、読んだ本はいずれも十分なインパクトがありました。

賭博師は祈らない (電撃文庫)

賭博師は祈らない (電撃文庫)

 

第23回電撃小説大賞<金賞>

 十八世紀末ロンドン。うっかり大金を得た賭博師ラザルスが仕方なく購入させられたのは、喉を焼かれて声を失った奴隷の少女・リーラ。不器用な二人が戸惑いながらも心通わせてゆく物語。師の教え通り勝たない賭博師としてこれまで生きてきたラザルスの失敗。放り出すわけにもいかず感情に乏しいリーラを教育しながら一緒に生活するようになる日々。徐々に打ち解けてゆく二人の拙い関係の変化が繊細な積み重ねで描写されていて、強奪されたリーラを奪還するため冷静に計算して最後まで完遂してみせたラザルスのありようがとても見事で心に響きました。

オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)

オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)

 

第23回電撃小説大賞<選考委員奨励賞> 

度重なる災害と内乱が続いた火星で長距離郵便配達員として働く少女・エリスが、改造人類・クロを神様がどこへでも誰にでも届けてくれるというオリンポスの郵便ポストまで届ける仕事を依頼される物語。入植時代からの生き残りのクロと、両親を探して郵便配達員を続ける少女の二人による長い旅路。その過程で多くの人に出会い、いくつもの困難に遭遇することで絆が育まれてゆき、それぞれが秘密を抱え意外な縁もあった二人が想いを通わせてゆく物語は、その真実に近づいてゆくたびに切ない気持ちにもなりましたがとても良かったですね。次回作も期待。

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)

 

第23回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>

 突然見知らぬ女性に三つの質問を問いかけられた雪の日。誰も好いたことがない掛橋啓太が問いかけた大野千草と夫婦になり、平穏な彼女との生活の中で過ぎ去った過去の日々を追憶させてゆく物語。お互いの過去を知らないまま三つの質問という契約によって夫婦になった二人。引きこもりの兄と共依存関係にあった母との辛い過去。徐々に惹かれ合っているのを自覚するがゆえに、じわじわと重くのしかかってゆく三つ目の質問。それぞれが抱える壮絶な過去も二人でなら乗り越えられると思えただけに、淡々と綴られたその不器用な結末には衝撃を受けました。

 

白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)

白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)

 

第6回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作> 

人々が陸地のほとんどを失い、いくつかの巨大な船に都市国家を作ってわずかな資源を争う世界。船国を行き来して荷物を運ぶスワローの少年・シエルが、無人島に流れ着いた謎の少女・ステラと巡り合うボーイミーツガール。空を飛ぶことにしか生きる意味を見出だせないシエル。理由を明かさないまま自分を荷物として運んで欲しいと依頼するステラ。その飛行は息苦しかった彼らにとって新鮮だけれど危険の連続でもあって、たびたび衝突しすれ違った彼らが力を合わせて乗り越えようと挑んだそのとても爽やかな結末は、次回作も期待したくなるものでした。

 密かに朗読配信する高校生の前河響平と幼馴染だった卯城野こぐちが鎌倉のとある高校で偶然再会。こぐちが所属する図書部と旧図書室廃止の危機に二人で書評バトル「ビブリアファイト」に挑むスピンオフ作品。密かにラノベが大好きな響平と、引っ込み思案だけれど児童書が好きで本に関しては人が変わるこぐち。周囲もからかう不器用な二人の距離感や図書部存続を賭けての定番古典を中心とする書評バトルをベースに、ビブリア古書堂のあの人たちもアドバイス役として登場。ラノベらしいテイストをうまく組み合わせた青春小説としても面白かったです。

 しがないゲームディレクターで会社は倒産、企画も頓挫して実家に帰ることになった橋場恭也。輝かしいクリエイターの活躍を横目にふて寝して目覚めると、なぜか十年前の大学入学時に巻き戻っていた青春リメイクストーリー。落ちたはずの大学に受かっていて憧れの芸大ライフ、さらにはシェアハウスで男女四人の共同生活。とはいえ同居人はそれぞれキラリと光るものを持っているのが垣間見えてしまう厳しい現実。今回はこれまでの経験を活かして存在感を出せましたけど、まだまだ試される状況は続きそうで、気になる人間模様も含めて続巻が楽しみです。

第1回カクヨムWeb小説コンテスト<特別賞> 

好意を寄せるクラスメイト・愛原そよぎの悩み事は想像を遥かに超えるもの。本気とも冗談ともつかない相談に真剣にアドバイスを送る二人による非日常系お悩み相談日常ラブコメ。秘密のはずなのにバレバレな質問をする天然娘・そよぎと、彼女に惹かれ気づかないふりをして真摯に答えてあげる幸助。そよぎだけでなく彼女の友人や弟・雪弥にも振り回されるドタバタ展開で、けれどそよぎが抱える秘密と次々と明らかになってゆく切ない過去や複雑な事情は切なくて、それでも周囲の人たちがいたからこそ迎えられたほっとする結末はなかなか良かったです。

縛りプレイ英雄記 奇跡の起きない聖女様 (角川スニーカー文庫)

縛りプレイ英雄記 奇跡の起きない聖女様 (角川スニーカー文庫)

 

 凶悪すぎる見た目の高校生・仁王院陣が、回復魔法の失われた異世界に転移し、回復魔法が使えない聖女と出会って先行き不安な旅をする物語。異世界に来てトラウマのある道具を召喚できるようになった陣と、お人好しで今の状況に責任を感じている聖女・マリー。見た目で誤解されがちですが、誤解されることを恐れずにマリーを気遣い、他人のために奔走する陣を彼女はきちんと見ていて、わりといいコンビな二人でしたね。召喚契約も結んで仲間も増えそうなドタバタの道中がこれからどのようなものになるのか、続巻が楽しみな新シリーズです。

モノクローム・サイダー あの日の君とレトロゲームへ

モノクローム・サイダー あの日の君とレトロゲームへ

 

 高校最後の夏を迎えた平凡なゲームオタクの高校生・百式長之介が、昼休みの屋上でゲームをしている女の子・鯨武由美と出会い人生が動き出す自伝的小説。最初は彼女の前を通るくらいで精一杯だった彼が、勇気を出して声を掛けたことで始まった一緒にゲームをするようになる日々。なかなか思うようにいかないことばかりでしたけど、不器用でも諦めずにきちんと向き合おうと奮闘する百式くんと、共に過ごす日々を送るようになった鯨武さんが二人らしい形で積み重ねてきた関係がとても素敵だと思いました。続編もまた書籍で読めること期待しています。

 天才錠前師・トマスの養女として育てられた少女・マージ。トマス亡きあと錠前店を継いだマージの元に伯爵家の若き当主・アレックスが破格の報酬で解錠依頼を持ってくるスチームパンクミステリ。複雑な事情を抱えた侯爵家の遺産相続を巡る解錠依頼。なぜか伯爵家で丁重な対応を受けて困惑するマージ。侯爵家の過去の事件の真相と明らかになる真実。物語の筋としては分かりやすいシンプルなものでしたが、ハッキリとした性格のマージや軽そうで意外と真摯なアレックスなど登場人物たちも魅力的に描かれていて、最後まで気持ちよく読めた物語でした。

 

君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)

君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)

 

 勉強合宿の夜に困っていた同級生の北岡恵麻を助けた地味で冴えない飯島靖貴。それをきっかけに密かな交流が生まれてゆく地味系眼鏡男子と人気者ギャルのすれ違いラブストーリー。入学直後の出来事で恵麻に苦手意識を持っていた靖貴と、助けてくれた靖貴が気になってゆく恵麻。学校では知らんぷりだけれど予備校帰りのわずかな時間で育まれてゆく二人の交流。少しずつ想いが積み重なってゆくのに、繊細で不器用な二人が距離を詰め切れないうちに起きる様々なすれ違いがとても切なかったです。気になるところで終わってしまったので早めに続きが読みたい注目の作品です。

 山中にある屋敷の座敷牢で出会った少女ツナ。怖い話を聞かせることを条件に週一回会うことを許されたミミズクが十年目に転機を迎える物語。育ての親や友人にもツナのことを隠し続けてきたミミズクこと瑞樹。かつて投稿した怪談記事が縁で多津音一と出会ったことにより徐々に明かされてゆくツナを巡るからくり。丁寧で繊細なことばによって恐怖が描かれる一方で、瑞樹がきちんと向き合ったことで明らかになった真実は思わぬ奇跡にも繋がっていて、どうにか折り合いをつけて迎えたその結末は、これまでの想いが報われたとても素敵なものに思えました。

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)

 

 スクールカースト保健室登校…学校生活に息苦しさを感じる女子中学生たちの揺れ動く心を綴った連作短編集。短編の主人公は自分の居場所を見いだせない女の子たち。時が経てば分かることも、今見えている世界だけではなかなか分からないんですよね。誰もが不安を抱えていて閉塞感のある世界は些細なきっかけで変わる。周囲のストレートな悪意に葛藤しながらも向き合い変わっていこうとする少女たちを描いた物語は、雨上がりのようなこれから良くなる期待を予感させる読後感でした。スカートの長さとカーストを対比させてみせる視点もまた秀逸です。

ハッピー・レボリューション (メディアワークス文庫)

ハッピー・レボリューション (メディアワークス文庫)

 

 ゆるい部署に馴れきってしまい、気づけば20代最後の日を目前に焦りだした流され体質のOL夢子。空回り続きだった彼女がふとしたきっかけから一念発起して奮闘する物語。これまで共に受験や就活を乗り切ってきた脳内軍曹と自己変革に挑むも、うまくいかないことだらけで夢子に突き刺さる厳しい現実。前作の二人も甘々な恋人同士として登場したりで、ストーリーとしても分かりやすいベタな展開でしたけど、彼女を助けてくれる周囲の人たちにいい意味で感化され、彼女の頑張りによって周囲も変わってゆく好循環は読んでいて気持ちいい読後感でした。

 

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繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は (メディアワークス文庫) 

 作者:青葉優一

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/03/25
  • メディア: 文庫

順風満帆だったはずの慶介と亜子の関係。しかし突然亜子に別れを告げられた慶介に数か月前にタイムリープするという機会が与えられ、別れを回避すべく試行錯誤するファンタジー・ラブストーリー。突如態度が豹変した亜子の取り付く島もない別れの謎。代償を払いながらもタイムリープを繰り返す慶介の奔走がことごとく空振りに終わる回避の手立て。半ばで迎えた思わぬ真相と展開から今度は亜子がタイムリープに挑むことになり、ギリギリの綱渡りでも懸命にしたたかに乗り越えようとする彼女が引き寄せた結末に、お互いの強い想いを改めて感じました。

きみがすべてを忘れる前に (宝島社文庫)

きみがすべてを忘れる前に (宝島社文庫)

 

 放課後の教室で同級生だった長谷川紫音の幽霊と出会った霊感体質の結城クロ。そんな彼が紫音と一緒に学内にいる幽霊たちの心残りを解消してゆく切ない青春ラブストーリー。想い人で幽霊になってしまっている紫音とずっと彼女を支えてきた志郎、クロの複雑な三角関係。幽霊に対してそれぞれ異なる力を行使できるクロの三姉妹の力を借りて校内の幽霊問題を解決しながら、徐々に明かされる紫音の事情とその核心。明かされた真実はそれまでの流れからするとやや意外でしたけど、残された希望がどういう結末を迎えるのか最後まで読めることを期待します。

 幼少時に負った顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉。そんな彼が星好きな不思議な青年・蒼史と出会い、その小学生の妹・桜月と営む天文館に通うようになる物語。根も葉もない噂に振り回され、親ともわだかまりを抱えていた直哉。複雑な事情があってお互いに少し遠慮のある蒼史と桜月。少しずつ足りない部分があった彼らが補い合うような関係を築いてゆくことで少しずつ周囲との交流も増えてゆき、誤解から危機的状況に陥りかけたりもしましたが、それを乗り越え未来へ向けて一歩踏み出すことを予感させる結末はとても心に響きました。

 ペンとノートを買えば店主が自分のためだけに物語を書いてくれる小さな文房具店「水沢文具店」。その謎めいた店主・龍臣と悩める小学校教師・栞、訪れるお客たちのエピソードが綴られる物語。教師を続けてゆくことに自信を持てない栞。彼女や元店主だった祖父の友人、書けなくなった作家といった店を訪れる悩める人たちの話を聞いて物語を書く龍臣。彼自身も抱える過去があって、物語の提示によって明確な解決方法が提示されるわけではないものの、辛い時に共感して背中を押してくれる、前を向けるきっかけの大切さをこの物語から改めて感じました。

律儀なひと

律儀なひと

 

 姿は見えないものの亡くなったばかりのおばあちゃんの声が聴こえるようになった貴雅が、おばあちゃんの叱咤激励に振り回されながらも悩める仕事や恋への向き合い方を変えてゆく物語。仕事では歳下の社員や上司に言いたいことも言えず、気にかけてくれている武田さんにも優柔不断な貴雅。心理としてすごくよく分かるけれど、これじゃおばあちゃんも成仏できないよねと思ってしまうような状況でしたが、自分らしく相手にきちんと向き合えるように努力するようになってゆく貴雅の頑張りはとても好ましいもので、切ないけれど心に響く素敵な物語でした。

君が描く空 - 帝都芸大剣道部 (中公文庫)

君が描く空 - 帝都芸大剣道部 (中公文庫)

 

 東京藝術大剣道部に事情があって三年生になってから入部してきた唯。それを指導することになった主将の壮介と、剣道部員たちが織りなす青春群像劇。複雑な家庭の事情を抱えながらも、画廊への契約条件として提示された初段を取ることを承諾した唯。割り切った唯の言動に戸惑い心配する一方で、憧れの部員・綾佳への想いにも揺れる壮介。そろそろ進路を意識せざるをえない部員たちが突きつけられる才能とそれに向き合う覚悟はシビアで、各々が直面する状況もまたほろ苦かったですが、それでも変わらない想いが垣間見える結末はとても心に響きました。

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)

少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)

 

 二浪で中堅私大に入学するも目標を見失っていた十倉和成20歳。そんな彼のボロ下宿の天袋をセーラー服姿の少女・さちが住処としていることが判明し、庇護しようとしたことから物語も動き出す青春小説。十倉が動き出すきっかけとなったさちの出現。停滞の原因となった高校時代の親友・才条の謎の死。やや時代がかった言い回しが多かった停滞の前半はテンポが悪かったですが、そこから親友の死の謎を追い、志を受け継いで映画にのめり込んでいく怒涛の展開は読ませるものがありました。ファンタジーじみた結末も最後で救われてなかなか良かったです。

死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)

死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)

 

 沈没船が漂着した伊豆諸島東端にある須栄島。そこで村八分気味に扱われる美少女・椰々子と彼女が気になる同級生で名家の次男・杜弥たちが、島で起きる異変に巻き込まれてゆく青春ホラー。最初は親友の徹も含めた三人で謎解きするお話かと思って読んでいたのですが、海で死んだ男が甦り、巨大な人喰い鮫が現れ、さらにはブードゥー教などこれでもかと詰め込まれたカオスな状況。結果として終盤思わぬ展開になりましたが、あれだけ広げつつうまくまとめてみせたのは見事で、終わってみれば不思議と爽やかさすら感じさせる青春小説になっていました。

計画結婚 (文芸書)

計画結婚 (文芸書)

 

 とてつもない美人で頭もいいけど妙なところにこだわる久曽神静香が結婚?幼稚園からの唯一の友人や久曽神に恋をした美容師といった彼女に関わった人たちが、戸惑いながらも招待された結婚式に出席する物語。出席した友人によって語られる過去にあった静香の強烈なエピソード。一方で明かされてゆく新郎側出席者たちの事情と暴かれた新郎の過去。読めば読むほど何でこのような状況になったのかますます分からなくなっていきますが、そんな奇想天外に思える決断にも彼女にとっては確固たる理由があって、テンポよく進むストーリーは面白かったですね。

ぼくのとなりにきみ

ぼくのとなりにきみ

 

慎重で落ち着いた中学生のサクが、スポーツ万能で天真爛漫なハセや天然気味の同級生のチカとともに地元の古墳にまつわる謎の暗号解明に挑む青春小説。父親や妹との関係にもやもやしたものを抱える一方で、時には言動にイライラしつつチカのことが気になってゆくサク。言いたいことも言えなくて屈折した想いを抱えていた彼が、三人で謎解きを進める過程で事件解決に奔走したり暗号の意外な真実を解き明かしつつ、そんな積み重ねの先に変わるきっかけとなる着実な一歩があって、それを今後に期待感を抱かせる結末に導いてみせた素敵な物語でした。

3月に読んだ本 #読書メーターより

というわけで3月に読んだ本です。隙間時間に読んでいるマンガが1日1冊以上のペースで読んだので結果的にこんな冊数になっていますが、活字の本としては1日2冊ペースを割っているので実感としてはむしろ読めてない感じです。ただ分量的にブログ更新が結構重くなってきていて、読んだ本全部だと文字数制限オーバーしてしまったので今回コミック分は削りました。コミックは別エントリするほどでもないかなと個人的に思わなくもないですが、どうするのかちょっと考えています。

 

3月の読書メーター
読んだ本の数:97冊
読んだページ数:25125
ナイス数:6503

白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)感想
人々が陸地のほとんどを失い、いくつかの巨大な船に都市国家を作ってわずかな資源を争う世界。船国を行き来して荷物を運ぶスワローの少年・シエルが、無人島に流れ着いた謎の少女・ステラと巡り合うボーイミーツガール。空を飛ぶことにしか生きる意味を見出だせないシエル。理由を明かさないまま自分を荷物として運んで欲しいと依頼するステラ。その飛行は息苦しかった彼らにとって新鮮だけれど危険の連続でもあって、たびたび衝突しすれ違った彼らが力を合わせて乗り越えようと挑んだそのとても爽やかな結末は、次回作も期待したくなるものでした。
読了日:03月31日 著者:阿部 藍樹
終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#04 (角川スニーカー文庫)感想
手負いのフェオドールとラキシュが目指すのはかつての戦場コリナディルーチェ市。ティアットは朱髪の先輩妖精兵らと邂逅を果たし、妖精倉庫の管理人喰人鬼もまた旧き知人を訪ねてその地を訪れる第四弾。護翼軍や貴翼帝国など様々な思惑による争いに巻き込まれてゆくフェオドールたち。ラキシュの身に起こった変化と、フェオドールの姉により画策された密かな再会。第一部の登場人物たちもまたここで徐々に集結し舞台は整いつつあるように思えますが、ラキシュとの繋がりや未だ気づかないままの彼女との関係が今後どうなるのか、続巻が楽しみですね。
読了日:03月31日 著者:枯野 瑛
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突 (HJ文庫)<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突 (HJ文庫)感想
決闘都市ギデオンの闘技場で開催のイベント『超級激突』に町中がお祭り騒ぎで、アルター王国の「無限連鎖」フィガロ黄河帝国の「応龍」迅羽が激突する第三弾。レイは前回の戦後処理があったくらいで、また懲りずにちょっとやらかしそうな場面はありましたが、大食いエピソードのネメシス含めて今回はイベントの観戦者の立ち位置。本編としては次の展開に向けた繋の回でしたけど、ルークとマリーのエピソードを収録した短編は彼らの意外な素顔と秘めた力の一端が垣間見えて興味深かったです。それが今後にどう繋がってゆくのか続巻に期待します。
読了日:03月31日 著者:海道左近
精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲 (HJ文庫)精霊幻想記 7.夜明けの輪舞曲 (HJ文庫)感想
レイスが操る魔物の大群に襲われたリーゼロッテの一団に加勢したリオ。その圧倒的な力にその場にいた誰もが興味を持ち、またリオも勇者召喚の情報を求め貴族たちと関係を築こうと動き出す第七弾。襲撃を助けて強烈なインパクトを残したリオと、強烈なインパクトを残した救援をきっかけとした貴族たちとの交流と、密かに進行するレイスの襲撃計画。どうにも小物っぽいうざい勇者には苦笑いするしかなくて、過去の因縁の相手との決着はつけ損ないましたが、リオを気にかけるヒロインたちがさらに増えて、その関係や今後の展開も気になるところですね。
読了日:03月30日 著者:北山結莉
仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方感想
「計画がない」「進捗が分からない」「バラバラなモチベーション」「抵抗勢力」「なぜ失敗を繰り返すのか」など仕事が思うように進まない要因を明らかにしてその解決策を提案する第二弾。どうしてよくあるムダな仕事や問題が発生してしまうのか。その原因やありがちな事例を地図として明確化し、分かりやすく分解して地に足付いた解決策を提示する本書。難しい言葉を使わずとても読みやすく書かれていて、問題解決の基本的な考え方を学ぶことができるとてもいい一冊だと思いました。同じ著者さんの「職場の問題地図」も併せて読むのがオススメです。
読了日:03月30日 著者:沢渡 あまね
飛べない鍵姫と解けない飛行士 その箱、開けるべからず (コバルト文庫)飛べない鍵姫と解けない飛行士 その箱、開けるべからず (コバルト文庫)感想
天才錠前師・トマスの養女として育てられた少女・マージ。トマス亡きあと錠前店を継いだマージの元に伯爵家の若き当主・アレックスが破格の報酬で解錠依頼を持ってくるスチームパンクミステリ。複雑な事情を抱えた侯爵家の遺産相続を巡る解錠依頼。なぜか伯爵家で丁重な対応を受けて困惑するマージ。侯爵家の過去の事件の真相と明らかになる真実。物語の筋としては分かりやすいシンプルなものでしたが、ハッキリとした性格のマージや軽そうで意外と真摯なアレックスなど登場人物たちも魅力的に描かれていて、最後まで気持ちよく読めた物語でした。
読了日:03月30日 著者:山本 瑤
(P[あ]6-3)水沢文具店: あなただけの物語つづります (ポプラ文庫ピュアフル)(P[あ]6-3)水沢文具店: あなただけの物語つづります (ポプラ文庫ピュアフル)感想
ペンとノートを買えば店主が自分のためだけに物語を書いてくれる小さな文房具店「水沢文具店」。その謎めいた店主・龍臣と悩める小学校教師・栞、訪れるお客たちのエピソードが綴られる物語。教師を続けてゆくことに自信を持てない栞。彼女や元店主だった祖父の友人、書けなくなった作家といった店を訪れる悩める人たちの話を聞いて物語を書く龍臣。彼自身も抱える過去があって、物語の提示によって明確な解決方法が提示されるわけではないものの、辛い時に共感して背中を押してくれる、前を向けるきっかけの大切さをこの物語から改めて感じました。
読了日:03月29日 著者:安澄 加奈
きみがすべてを忘れる前に (宝島社文庫)きみがすべてを忘れる前に (宝島社文庫)感想
放課後の教室で同級生だった長谷川紫音の幽霊と出会った霊感体質の結城クロ。そんな彼が紫音と一緒に学内にいる幽霊たちの心残りを解消してゆく切ない青春ラブストーリー。想い人で幽霊になってしまっている紫音とずっと彼女を支えてきた志郎、クロの複雑な三角関係。幽霊に対してそれぞれ異なる力を行使できるクロの三姉妹の力を借りて校内の幽霊問題を解決しながら、徐々に明かされる紫音の事情とその核心。明かされた真実はそれまでの流れからするとやや意外でしたけど、残された希望がどういう結末を迎えるのか最後まで読めることを期待します。
読了日:03月29日 著者:喜多 南
ケーキ王子の名推理2 (新潮文庫nex)ケーキ王子の名推理2 (新潮文庫nex)感想
世界一のパティシエ・青山から店のケーキバイキングに招待された未羽。そこで青山とただならぬ因縁があるらしい外国人の美女が現れ、彼の秘められた過去が明らかになる第二弾。進級し新しい友達もできて、青山のお店でアルバイトをすることになった未羽。リベンジするためにコンクールに挑む颯人。ややページ少なめの今回は青山さんのエピソードが中心でしたけど、相変わらずケーキが大好きな未羽の熱い語りは美味しそうで、一緒の時間を過ごすことで少しずつ変わり始めた颯人との関係も今後に期待というところですか。早めの続刊を期待しています。
読了日:03月28日 著者:七月 隆文
愛原そよぎのなやみごと 時を止める能力者にどうやったら勝てると思う? (ファミ通文庫)愛原そよぎのなやみごと 時を止める能力者にどうやったら勝てると思う? (ファミ通文庫)感想
好意を寄せるクラスメイト・愛原そよぎの悩み事は想像を遥かに超えるもの。本気とも冗談ともつかない相談に真剣にアドバイスを送る二人による非日常系お悩み相談日常ラブコメ。秘密のはずなのにバレバレな質問をする天然娘・そよぎと、彼女に惹かれ気づかないふりをして真摯に答えてあげる幸助。そよぎだけでなく彼女の友人や弟・雪弥にも振り回されるドタバタ展開で、けれどそよぎが抱える秘密と次々と明らかになってゆく切ない過去や複雑な事情は切なくて、それでも周囲の人たちがいたからこそ迎えられたほっとする結末はなかなか良かったです。
読了日:03月28日 著者:雪瀬 ひうろ
イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉 (集英社新書)イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉 (集英社新書)感想
世界のムスリムの人口16億人を超えると言われる今、日本人イスラーム法学者が「ムハンマド」「スンナ派」など99のトピックでイスラームの教えと歴史、多様性を解説した一冊。本書は宗教としてのイスラームの基本教義やその宗派とそれが成立した経緯、イスラーム教徒の信仰生活や社会の仕組みといったイスラームを理解するためのキーワードを取り上げつつ極力分かりやすい言葉で解説していて、全体像や関連性を把握するにはもうひと工夫あると良かったかな?とも感じましたが、イスラームの現況を知るには参考になる部分も多かったと思いました。
読了日:03月28日 著者:中田 考
君と星の話をしよう 降織天文館とオリオン座の少年 (集英社オレンジ文庫)君と星の話をしよう 降織天文館とオリオン座の少年 (集英社オレンジ文庫)感想
幼少時に負った顔の傷が原因で周囲と馴染めず、高校を中退した直哉。そんな彼が星好きな不思議な青年・蒼史と出会い、その小学生の妹・桜月と営む天文館に通うようになる物語。根も葉もない噂に振り回され、親ともわだかまりを抱えていた直哉。複雑な事情があってお互いに少し遠慮のある蒼史と桜月。少しずつ足りない部分があった彼らが補い合うような関係を築いてゆくことで少しずつ周囲との交流も増えてゆき、誤解から危機的状況に陥りかけたりもしましたが、それを乗り越え未来へ向けて一歩踏み出すことを予感させる結末はとても心に響きました。
読了日:03月28日 著者:相川 真
あなたのこども、そのままだと近視になります。 (ディスカヴァー携書)あなたのこども、そのままだと近視になります。 (ディスカヴァー携書)感想
最近娘の視力がやや不安定ということもあって、ちょっと気になってみて読んだ1冊。小学生の30%、高校生の65%が近視という状況の一方で、そういう子どもが急増している本当の原因は明らかになっていない現状。どうして近視になるのかという原因の解説や書かれている一部の内容は何とも評価が難しかったですが、詳しいメカニズムこそ明らかでないもののバイオレットライトを浴びることは近視防止に効果があるらしく「外で遊ぶことで近視になりにくい」のは確かなようです。それならすぐにできることですし、改めて意識してみようと思いました。
読了日:03月28日 著者:坪田 一男
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)感想
裏側で「くねくね」を目にして死にかけていた時、仁科鳥子と運命的な出会いを果たした女子大生の紙越空魚。危険と隣合わせで謎だらけの裏世界に二人で足を踏み入れる怪異探検サバイバル。研究とお金稼ぎを目的とする空魚と、姿を消した大切な人を探すために非日常へと足を踏み入れる鳥子。始まりと出会いはやや唐突にも思えましたが、成り行きから何となくコンビを組んだ感もあった二人に絆めいたものが生まれて、相手のために奔走する展開は悪くなかったですね。タイトルにあるようなピクニックとはとても言えない怖いテイストでしたが続巻に期待。
読了日:03月27日 著者:宮澤 伊織
ハッピー・レボリューション (メディアワークス文庫)ハッピー・レボリューション (メディアワークス文庫)感想
ゆるい部署に馴れきってしまい、気づけば20代最後の日を目前に焦りだした流され体質のOL夢子。空回り続きだった彼女がふとしたきっかけから一念発起して奮闘する物語。これまで共に受験や就活を乗り切ってきた脳内軍曹と自己変革に挑むも、うまくいかないことだらけで夢子に突き刺さる厳しい現実。前作の二人も甘々な恋人同士として登場したりで、ストーリーとしても分かりやすいベタな展開でしたけど、彼女を助けてくれる周囲の人たちにいい意味で感化され、彼女の頑張りによって周囲も変わってゆく好循環は読んでいて気持ちいい読後感でした。
読了日:03月27日 著者:星奏 なつめ
繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は (メディアワークス文庫)繰り返されるタイムリープの果てに、きみの瞳に映る人は (メディアワークス文庫)感想
順風満帆だったはずの慶介と亜子の関係。しかし突然亜子に別れを告げられた慶介に数か月前にタイムリープするという機会が与えられ、別れを回避すべく試行錯誤するファンタジー・ラブストーリー。突如態度が豹変した亜子の取り付く島もない別れの謎。代償を払いながらもタイムリープを繰り返す慶介の奔走がことごとく空振りに終わる回避の手立て。半ばで迎えた思わぬ真相と展開から今度は亜子がタイムリープに挑むことになり、ギリギリの綱渡りでも懸命にしたたかに乗り越えようとする彼女が引き寄せた結末に、お互いの強い想いを改めて感じました。
読了日:03月26日 著者:青葉 優一
ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)感想
突然見知らぬ女性に三つの質問を問いかけられた雪の日。誰も好いたことがない掛橋啓太が問いかけた大野千草と夫婦になり、平穏な彼女との生活の中で過ぎ去った過去の日々を追憶させてゆく物語。お互いの過去を知らないまま三つの質問という契約によって夫婦になった二人。引きこもりの兄と共依存関係にあった母との辛い過去。徐々に惹かれ合っているのを自覚するがゆえに、じわじわと重くのしかかってゆく三つ目の質問。それぞれが抱える壮絶な過去も二人でなら乗り越えられると思えただけに、淡々と綴られたその不器用な結末には衝撃を受けました。
読了日:03月25日 著者:葦舟 ナツ
ホーンテッド・キャンパス 白い椿と落ちにけり (角川ホラー文庫)ホーンテッド・キャンパス 白い椿と落ちにけり (角川ホラー文庫)感想
こよみとの初デート以降森司がデート以降彼女と会うと頭が真っ白になって逃げ出したくなる怪現象に。一方で悪魔祓い系の映画がダメな学生から地縛霊、呪いまで様々な依頼者が訪れる第十一弾。今回の依頼は家族や近親者との複雑な関係をベースとした人の執念深い一面が垣間見えるお話でしたが、その怖さがある分違う意味での森司の重症ぶりが際立つというか。本人にとっては深刻でもこよみもあんなんだし、周囲が呆れて生温かい目で見守りたくなる気持ちはわかりますね(苦笑)付き合ってもいないのにお互いの両親公認って凄いw 続巻も楽しみです。
読了日:03月25日 著者:櫛木 理宇
君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)君に恋をするなんて、ありえないはずだった (宝島社文庫)感想
勉強合宿の夜に困っていた同級生の北岡恵麻を助けた地味で冴えない飯島靖貴。それをきっかけに密かな交流が生まれてゆく地味系眼鏡男子と人気者ギャルのすれ違いラブストーリー。入学直後の出来事で恵麻に苦手意識を持っていた靖貴と、助けてくれた靖貴が気になってゆく恵麻。学校では知らんぷりだけれど予備校帰りのわずかな時間で育まれてゆく二人の交流。少しずつ想いが積み重なってゆくのに、繊細で不器用な二人が距離を詰め切れないうちに起きる様々なすれ違いがとても切なかったです。気になるところで終わってしまったので早めの続巻を期待。
読了日:03月24日 著者:筏田 かつら
ナイツ&マジック 7 (ヒーロー文庫)ナイツ&マジック 7 (ヒーロー文庫)感想
未知なる魔獣との遭遇により森へと墜ちてしまったエルとイカルガ。追いかけてきたアディも一緒に森を捜索するうちに巨人族と遭遇し、その争いに巻き込まれゆく第七弾。多眼の巨人族との遭遇と彼らの王位を巡る争いに巻き込まれてゆくエルたち。その過程で出会った巨人族の下につく小鬼族の意外な繋がり。わりと危機的状況にも物資が足りないなりに幻晶騎士を何とかしようとしたり、巨人族に魔法を指導したりと、環境が変わってもエルはエルなんだなあとしみじみと思ってしまいました(苦笑)小鬼族の思惑も絡む中での転機に今後の展開が楽しみです。
読了日:03月24日 著者:天酒之瓢
灰と幻想のグリムガル level.10 ラブソングは届かない (オーバーラップ文庫)灰と幻想のグリムガル level.10 ラブソングは届かない (オーバーラップ文庫)感想
千の峡谷を抜けオルタナを目指し東へ進む道中の森でモンスター・グォレラたちの襲撃を受けたハルヒロたち。辛うじて執拗な追撃を振り払い逃げ込んだ先の村で意外な住人たちと出会う第十弾。今回はいろいろ言い訳をしながらセトラに振り回されるハルヒロ、という構図が気になって仕方がないメリィの挙動がクザクも読者も気になりまくりの展開でしたけど、彼らが出会った意外なジェシーは物語の確信に迫る鍵を握っていそうでしたね。しかし難敵を相手にした苦戦の先にある衝撃の結末には絶望感しかなくて、予告読んだら続きが早く読みたくなりました。
読了日:03月23日 著者:十文字青
ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう! (MF文庫J)ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう! (MF文庫J)感想
しがないゲームディレクターで会社は倒産、企画も頓挫して実家に帰ることになった橋場恭也。輝かしいクリエイターの活躍を横目にふて寝して目覚めると、なぜか十年前の大学入学時に巻き戻っていた青春リメイクストーリー。落ちたはずの大学に受かっていて憧れの芸大ライフ、さらにはシェアハウスで男女四人の共同生活。とはいえ同居人はそれぞれキラリと光るものを持っているのが垣間見えてしまう厳しい現実。今回はこれまでの経験を活かして存在感を出せましたけど、まだまだ試される状況は続きそうで、気になる人間模様も含めて続巻が楽しみです。
読了日:03月23日 著者:木緒 なち
14歳とイラストレーター2 (MF文庫J)14歳とイラストレーター2 (MF文庫J)感想
自分が挿絵を担当するラノベ作家・マリィが担当と揉めて逃亡を図り、気分転換に彼女や14歳コスプレイヤー・乃ノ香まで連れて長崎へ旅行することになる第二弾。相変わらず不用意にやらかしてしまう神絵とか、事案的に大丈夫なのかついつい心配してしまう乃々香との無自覚でスレスレな距離感には苦笑いでしたが、仕事の依頼をきっかけにユウトが抱える複雑な想いも明らかになったり新キャラも登場しつつ、一方で楽しそうに長崎旅行を堪能していたりで面白かったです。変化の兆しを見せ始めた人間模様や、最後の急展開が今後どうなるのか続巻に期待。
読了日:03月22日 著者:むらさき ゆきや
律儀なひと律儀なひと感想
姿は見えないものの亡くなったばかりのおばあちゃんの声が聴こえるようになった貴雅が、おばあちゃんの叱咤激励に振り回されながらも悩める仕事や恋への向き合い方を変えてゆく物語。仕事では歳下の社員や上司に言いたいことも言えず、気にかけてくれている武田さんにも優柔不断な貴雅。心理としてすごくよく分かるけれど、これじゃおばあちゃんも成仏できないよねと思ってしまうような状況でしたが、自分らしく相手にきちんと向き合えるように努力するようになってゆく貴雅の頑張りはとても好ましいもので、切ないけれど心に響く素敵な物語でした。
読了日:03月22日 著者:上生 ミカ
決断のナポリタン-キッチン・ミクリヤの魔法の料理(2) (双葉文庫)決断のナポリタン-キッチン・ミクリヤの魔法の料理(2) (双葉文庫)感想
幼馴染の御厨陽一が経営する「キッチン・ミクリヤ」で、正社員として働き始めた桜木まどか。お子様ランチのメニュー追加に案を出したり、百瀬に興味がある金髪の白人男性が店を訪れたりする第二弾。相変わらず百瀬にいじられながらも、お店周りで起こる事件に関わったり巻き込まれたりな今回でしたけど、おじいちゃんの影響でサムライとして振る舞う子どもたちお子様ランチのお話は良かったですね。恋愛関係はあんまり進展しなさそうな雰囲気ですが、苦悩していた百瀬が出した結論は、それはそれでひとつのありようだと納得できるものがありました。
読了日:03月21日 著者:吉田 安寿
職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方感想
なぜ残業だらけで休めない働き方になるのか。手戻り(やり直し)の多さや上司と部下の意識がずれる理由。報連相や無駄な会議、仕事の所要時間の見積もり、属人化、過剰サービス、曖昧な状態など問題を分かりやすく解説した一冊。早い段階での意識の摺り合わせや、やるべきことの明確化・数値化、相談する時に報連相のどれをすべきなのか明確にする、属人化を正常化させるための当たり前の仕事と付加価値の部分の明確化、無駄なことの整理など、地に足付いたアプローチがとても実践的で参考になりました。「仕事の問題地図」の方も読んでみたいです。
読了日:03月21日 著者:沢渡 あまね
鎌倉おやつ処の死に神 3 (富士見L文庫)鎌倉おやつ処の死に神 3 (富士見L文庫)感想
柚琉の元に突如現れた長らく失踪していた父。その後の急展開に呆然とする間もなく、和花が倒れて難しい決断を迫られることになる第三弾。最後に父と再会できてよかったなとか、犀川さんのあれは教えた代償なのかなとかいろいろ思うところはありましたが、これまでずっと一人で秘密を抱え、あまりにも重い決断を下すことができなかった柚琉への犀川さんの優しさが印象的でした。ただここで完結なら和花だけでなく津守ですら決断したんだし、深町とはしっかり向き合って欲しかった。収まるところに収まったということなのかもしれませんけどね(苦笑)
読了日:03月21日 著者:谷崎 泉
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女III」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女III」感想
冬が近付く中、洗礼式や奉納式等への参加、貴族院入学前の子供の指導など、神殿長ローゼマインが城と神殿を行き来する慌しい毎日が描かれる第九弾。反逆した街への厳しい決断を目の当たりになんてこともありましたが、欲望のままにやりたい放題やっていた以前に比べると、戸惑いはあるもののいろいろと学んで変わったりだいぶ成長した部分もあったりで、同年代という物差しで見ると規格外なレベルにあるんだなあと納得。そんな中で時折年相応らしさや家族に対する変わらぬ想いが垣間見える描写がとてもいいなと思いました。続巻も期待しています。
読了日:03月21日 著者:香月美夜
空戦魔導士候補生の教官12 (ファンタジア文庫)空戦魔導士候補生の教官12 (ファンタジア文庫)感想
ゲート攻略作戦がいよいよ始まり、ミソラたちは切り札となるカナタと別々に戦うことに。最後の戦いを前にそれぞれの想いと葛藤が描かれる第十二弾。厳しい戦いであることが明らかな状況で、秘めた力を使う代償を一部の人だけに告げたカナタ。それを知って苦悩するユーリと、参戦する最後の戦いを前にカナタに会うべきか逡巡する小隊の面々。始まった最終決戦は激戦で、お互いの秘策が激突する駆け引きがとても良かったですが、最終決戦や小隊の面々とのその後がどういう決着に向かうのか、次巻は最終巻と短編集が同時発売とのことなので楽しみです。
読了日:03月20日 著者:諸星 悠
デート・ア・ライブ16 狂三リフレイン (ファンタジア文庫)デート・ア・ライブ16 狂三リフレイン (ファンタジア文庫)感想
来禅高校に復学し士道の前に再び現れた時崎狂三。その霊力を封印したい士道と士道が封印した精霊の霊力を欲する狂三が、バレンタインデーに向けて全てを懸けた二度目の戦争が始まる第十六弾。勝負を仕掛けて士道や他の精霊たちを女子力で圧倒する狂三。精霊たちもまたらしさ全開で突っ走ったりでエピソードとしてなかなか面白かったんですが、その裏で進行していた深刻な事態に対しての狂三の孤軍奮闘ぶりには衝撃でした。明らかになった意外な真実と行き着くところまで行き着いた感のある攻防、そして狂三との決着がどうなるのか次巻が楽しみです。
読了日:03月19日 著者:橘 公司
ゲーマーズ!7 ゲーマーズと口づけデッドエンド (ファンタジア文庫)ゲーマーズ!7 ゲーマーズと口づけデッドエンド (ファンタジア文庫)感想
ぼっちからリア充街道まっしぐらに見えた景太が直面した地獄の修学旅行。千秋との新たな関係へ旅行中に天道と話をつけたい景太と、なぜかそれを許さない花憐たちの様々な思惑が錯綜する第七弾。同じぼっちだったのに花憐に救われた千秋と、友好的でない班に組み込まれることになった景太。わりと悲惨な状況に置かれている景太に対するそれぞれの反応が印象的でしたけど、それぞれの想いを考えたら拗れるところじゃないし密かに頑張ってもいたのに、いろいろ考え過ぎな上原&花憐のまさかの決断には報われないですね。続巻でどうなるのか楽しみです。
読了日:03月19日 著者:葵 せきな
ロクでなし魔術講師と禁忌教典8 (ファンタジア文庫)ロクでなし魔術講師と禁忌教典8 (ファンタジア文庫)感想
成績不振による退学回避のため、聖リリィ魔術女学院に短期留学するリィエル。同行するシスティーナとルミアに加えてグレンも女に変身し臨時講師として赴任する第八弾。今回は環境が変わったことで、グレンの授業が分かりやすいことや修羅場をくぐってきたシスティたちが成長していること、何よりリィエルもまた少しずつ変わりつつあることを実感できたり、システィだけでなくルミアまで珍しく一緒にイライラする展開がちょっと新鮮な感じで楽しかったですね。復活してらしさ全開だったセリカも良かったですし新キャラエルザも再登場期待しています。
読了日:03月18日 著者:羊太郎
冴えない彼女の育てかた 12 (ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた 12 (ファンタジア文庫)感想
恵と誕生日デートの約束をしたはずの倫也が当日にまさかのドタキャン。向かった先は病室でそこで状況を聞かされた倫也が大きな決断を下すことになる第十二弾。まさかの入院によって明らかになってしまった、その人頼みの思っていた以上に綱渡りな状況。その才能に惚れ込んだ二人が絡んでなかったら倫也もここまで無理しなかったんでしょうけどね。恵は恵で大きな葛藤があったとは思うんですけど、そういうのを乗り越えちゃうからこそあの結末だったのかなと。面倒な人たちばかりのドタバタ劇もあと2巻と思うと残念ですが、楽しみにしています。
読了日:03月18日 著者:丸戸 史明
七星のスバル 5 (ガガガ文庫)七星のスバル 5 (ガガガ文庫)感想
現実世界で希が失踪し大騒ぎになり、繋がりをたどってリユニオン上空を捜索するうち陽翔たちは空に夢の城を発見。そこで希を捜すスバル一行の前にグノーシスの使徒たちが現れる第四弾。誤解から決別した希との再会。苦い過去を思い出させる場所で再び起きてしまった二人の仲違い。今回は表紙を飾った貴法もなりふりかわまず思いをぶつけ合って奮闘しましたが、絶体絶命の中でチームとしての絆を取り戻したからこそ、敵の首魁が姿を現してからの展開は堪えましたね...でもあの日聞けなかった答えを聞けたからこそ、ここからの巻き返しに期待です。
読了日:03月18日 著者:田尾 典丈
ストライクフォール 2 (ガガガ文庫 は 5-2)ストライクフォール 2 (ガガガ文庫 は 5-2)感想
史上類を見ないルール違反で、契約こそしたものの処分決定を待つ間二軍へと送られる雄星。前代未聞のスキャンダルを起こした異邦人に選手たちはただただ冷たく、無数の敵意にさらされる第二弾。ストライクフォールを別の競技に変えてしまった雄星の慣性制御技術の衝撃。一方で孤立し基本もなっていないがために二軍の中でも活躍できない現実。葛藤しながらも新しい戦いを始める周囲に触発され、もう一度向き合うようになった雄星が出したひとつの答え。競技も転換期を迎えて彼を巡る人間関係を含めて物語としてもここからですね。次巻が楽しみです。
読了日:03月17日 著者:長谷 敏司
鎌倉香房メモリーズ 5 (集英社オレンジ文庫)鎌倉香房メモリーズ 5 (集英社オレンジ文庫)感想
ようやく気持ちを通わせた雪弥と香乃。しかし未だ雪弥の真意を掴みかねて戸惑いながらも、次々と香りに関する謎が持ち込まれる第五弾。姿を消した人から託された香木の真意、行方不明になった仏像の真実、送り主不明の雛人形の謎、源氏香図で書かれた暗号に秘められた想いなど、謎を解いて過去のわだかまりが解消されてゆく中、距離を縮めようと頑張る香乃だったり、過去にきちんと向き合うようになった雪弥だったり、これまでいろいろありましたが、そのひとつひとつに方向性が見えてゆく結末をじっくりと堪能できました。次回作も期待しています。
読了日:03月17日 著者:阿部 暁子
雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)感想
スクールカースト保健室登校…学校生活に息苦しさを感じる女子中学生たちの揺れ動く心を綴った連作短編集。短編の主人公は自分の居場所を見いだせない女の子たち。時が経てば分かることも、今見えている世界だけではなかなか分からないんですよね。誰もが不安を抱えていて閉塞感のある世界は些細なきっかけで変わる。周囲のストレートな悪意に葛藤しながらも向き合い変わっていこうとする少女たちを描いた物語は、雨上がりのようなこれから良くなる期待を予感させる読後感でした。スカートの長さとカーストを対比させてみせる視点もまた秀逸です。
読了日:03月17日 著者:相沢 沙呼
ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇 (角川文庫)感想
捨て犬をめぐり後藤朱里とカイユが奮闘したり、芹澤と片桐の駄菓子屋での邂逅、謎のアルバイトをしている名越をマレンが危惧したり、成島美代子がかつての吹奏楽部の活動日誌に思いを馳せるシリーズ番外編。今回はハルチカたちでなくその周囲の登場人物に焦点を充てた短編集になっていましたが、個々人の吹奏楽や楽器に対する思いだったり、部員たち同士の繊細な距離感だったり、なんかみんなそれぞれいろいろ考えたり悩んだりしてるんだなあというのが伺えて興味深く読みました。最後に収録されていた「ひとり吹奏楽部」もまたとても良かったです。
読了日:03月17日 著者:初野 晴
少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語 (角川文庫)感想
二浪で中堅私大に入学するも目標を見失っていた十倉和成20歳。そんな彼のボロ下宿の天袋をセーラー服姿の少女・さちが住処としていることが判明し、庇護しようとしたことから物語も動き出す青春小説。十倉が動き出すきっかけとなったさちの出現。停滞の原因となった高校時代の親友・才条の謎の死。やや時代がかった言い回しが多かった停滞の前半はテンポが悪かったですが、そこから親友の死の謎を追い、志を受け継いで映画にのめり込んでいく怒涛の展開は読ませるものがありました。ファンタジーじみた結末も最後で救われてなかなか良かったです。
読了日:03月16日 著者:一 肇
おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 (講談社タイガ)おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 (講談社タイガ)感想
山中にある屋敷の座敷牢で出会った少女ツナ。怖い話を聞かせることを条件に週一回会うことを許されたミミズクが十年目に転機を迎える物語。育ての親や友人にもツナのことを隠し続けてきたミミズクこと瑞樹。かつて投稿した怪談記事が縁で多津音一と出会ったことにより徐々に明かされてゆくツナを巡るからくり。丁寧で繊細なことばによって恐怖が描かれる一方で、瑞樹がきちんと向き合ったことで明らかになった真実は思わぬ奇跡にも繋がっていて、どうにか折り合いをつけて迎えたその結末は、これまでの想いが報われたとても素敵なものに思えました。
読了日:03月16日 著者:オキシ タケヒコ
一華後宮料理帖 第三品 (角川ビーンズ文庫)一華後宮料理帖 第三品 (角川ビーンズ文庫)感想
百年もの間ほぼ鎖国状態だった西沙国と崑国の国交樹立話が持ち上がり、交渉を成功させるため朱西は皇帝・祥飛の補佐を命じられ、理美は祥飛専属お夜食係に任命される第三弾。どことなくお互いを意識する朱西と理美、それを気にかける祥飛という危うさのある切ない三角関係の構図。やってきた外交使節団との進まない交渉では、これまた理美がいろいろ繋いだり提案したりといい感じに存在感ありましたね。祥飛も成長したところを見せ三角関係は二転三転しつつも少し風向きが変わってきたと思ったらここで波乱の予感とは…。次巻が早く読みたいです。
読了日:03月15日 著者:三川 みり
後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫)後宮幻華伝 奇奇怪怪なる花嫁は謎めく機巧を踊らす (コバルト文庫)感想
12人の妃を一度に娶った凱帝国の崇成帝・高遊宵は、その全てを出自に関係なく貴人に任命。そのうちの一人貴重な科学の本が読めることと復讐を理由に後宮に入った李緋燕が密かに仇を探し始めるシリーズ第五弾。今回は恋い焦がれていた異母姉が結婚したドライな遊宵と、自分の目的のために後宮に入った緋燕の物語で、お互い打算から入った関係が様々な事件を経て想いを通わせてゆく辺りは、これまでの救いのない結末からやや身構えていたので、当人同士に関して言えばいい意味でちょっと意外な展開でした(苦笑)遊宵は幸せになれてよかったですね。
読了日:03月15日 著者:はるおか りの
勇者は、奴隷の君は笑え、と言った (Novel 0)勇者は、奴隷の君は笑え、と言った (Novel 0)感想
烙印の子として奴隷のように育った少年ヴィスとかつて世界を救った伝説の勇者グレン。そんな二人が魔族に奪われたヴィスの恩人を取り戻す旅に出るファンタジー。幼い頃からの虐待で様々なものが欠落したヴィスと彼に目をかけるグレン。そして彼に唯一の正義を教え聖女に選ばれた恩人に起きた事件。魔法使いの少女ニーニらと出会ってからのズレた噛み合わない会話が印象的でしたが、魔王復活を目指す魔族や皇国などの思惑が交錯する展開で、様々な出会いと別れを経て少しずつ変わり始めたヴィスの旅が今後どのようなものになるのか続巻が楽しみです。
読了日:03月14日 著者:内堀 優一
中古でも恋がしたい! 9 (GA文庫)中古でも恋がしたい! 9 (GA文庫)感想
恋愛経験が少なさから古都子への想いがなんなのか分からずにモヤモヤと悩む清一。初詣を経て京都への修学旅行で答えを出すため、古都子と二人だけで『戦百』の聖地巡礼をしようと誘う第九弾。自らが抱えるモヤモヤした思いに加えて、実態と周囲から見た二人の関係のギャップを感じるようになった清一。気持ちを隠さなくなった賢い初芝は効果的にアプローチしてきましたけど、そんな中での二人でのままならない行動をきっかけに、いろいろ思うところがあった清一にとってもようやく転機を迎えることになりそうですね。これは次巻が今から楽しみです。
読了日:03月13日 著者:田尾 典丈
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)感想
働く『豊穣の女主人』でとある夫婦の一人娘がさらわれたことを知った腕利きの元冒険者リューが、調査をするうちに迷宮都市の治外法権・大賭博場にたどり着くクロニクル第一弾。リューとシルの二人で乗り込む大賭博場での大活劇や彼女と『豊穣の女主人』の出会い、そして『豊穣の女主人』の背景も少しだけ語られつつ、店で働く女の子たちについても掘り下げられていて、彼女たちがそれぞれの信念のもとに戦うその姿に、この作品に登場するヒロインたちがなぜ魅力的なのか改めて納得する思いでした。こういう外伝は大歓迎なので今後も期待しています。
読了日:03月13日 著者:大森 藤ノ
小説 ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ (角川文庫)小説 ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ (角川文庫)感想
昼寝が得意な女子高生の森川ココネ。東京オリンピックの3日前に岡山でともに暮らす修理工を営む父親が突然警察に東京へ連行され、幼馴染のモリオと東京に向かう道中が夢の世界とリアルをまたいだ不思議な旅となる映画の原作小説。ココネがしばし見る王国と囚われた魔法使いの姫のおとぎ話のような夢。自動運転技術を狙う渡辺一派の暗躍。夢とリアルの世界が交互に進んでゆく中で亡き母の想いとココネの知られざる関係が明らかになり、時を超えて失われかけていた想いが再び紡がれ、そして未来に繋がってゆく爽やかな結末はなかなか良かったですね。
オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)感想
度重なる災害と内乱が続いた火星で長距離郵便配達員として働く少女・エリスが、改造人類・クロを神様がどこへでも誰にでも届けてくれるというオリンポスの郵便ポストまで届ける仕事を依頼される物語。入植時代からの生き残りのクロと、両親を探して郵便配達員を続ける少女の二人による長い旅路。その過程で多くの人に出会い、いくつもの困難に遭遇することで絆が育まれてゆき、それぞれが秘密を抱え意外な縁もあった二人が想いを通わせてゆく物語は、その真実に近づいてゆくたびに切ない気持ちにもなりましたがとても良かったですね。次回作も期待。
読了日:03月12日 著者:藻野 多摩夫
賭博師は祈らない (電撃文庫)賭博師は祈らない (電撃文庫)感想
十八世紀末ロンドン。うっかり大金を得た賭博師ラザルスが仕方なく購入させられたのは、喉を焼かれて声を失った奴隷の少女・リーラ。不器用な二人が戸惑いながらも心通わせてゆく物語。師の教え通り勝たない賭博師としてこれまで生きてきたラザルスの失敗。放り出すわけにもいかず感情に乏しいリーラを教育しながら一緒に生活するようになる日々。徐々に打ち解けてゆく二人の拙い関係の変化が繊細な積み重ねで描写されていて、強奪されたリーラを奪還するため冷静に計算して最後まで完遂してみせたラザルスのありようがとても見事で心に響きました。
読了日:03月11日 著者:周藤 蓮
新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙II (電撃文庫)新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙II (電撃文庫)感想
教皇との戦いに備えハイランド王子から北の群島に住む海賊たちが味方にすべき存在か調べて欲しいと依頼されたコルたち。島に潜入し探るうちに黒聖母信仰の真実を目の当たりにする第二弾。相変わらず理想主義者な一面があるコルと、海賊の海への冒険に胸を躍らせるミューリ。黒聖母像を作る修道院のオータムが語る厳しい現実と、島にやってきた大司教やルウィック同盟が持ちかけたしたたかな取引。重苦しくてコルの信仰心が試される展開でしたが、それでも彼が苦悩しながら現実との折り合いをつけて見つけた光明に救われる思いでした。続巻も期待。
読了日:03月11日 著者:支倉 凍砂
ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 (電撃文庫)ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 (電撃文庫)感想
密かに朗読配信する高校生の前河響平と幼馴染だった卯城野こぐちが鎌倉のとある高校で偶然再会。こぐちが所属する図書部と旧図書室廃止の危機に二人で書評バトル「ビブリアファイト」に挑むスピンオフ作品。密かにラノベが大好きな響平と、引っ込み思案だけれど児童書が好きで本に関しては人が変わるこぐち。周囲もからかう不器用な二人の距離感や図書部存続を賭けての定番古典を中心とする書評バトルをベースに、ビブリア古書堂のあの人たちもアドバイス役として登場。ラノベらしいテイストをうまく組み合わせた青春小説としても面白かったです。
読了日:03月10日 著者:峰守 ひろかず
古書カフェすみれ屋と悩める書店員 (だいわ文庫)古書カフェすみれ屋と悩める書店員 (だいわ文庫)感想
ほろ酔い姉さんの初デート相手のつれない対応の理由、見つからない問い合わせ本の正体、おばあちゃんが食べたいサンドイッチ、恋人が別れを匂わせた原因をお客様に薦める本で解決する第二弾。相変わらず解決のヒントになる本を薦める紙野の教養や洞察力が凄まじいですが、答えを教えるのではなく本を読んでもらってお客さん自身に解決方法を委ねるスタンスがいいですね。美味しそうな料理を作る古書カフェのパートナーすみれさんとも着実に信頼を育みつつ安直な展開にしないあたりは好感。頼れる店員も増えてまた続巻が出るのを楽しみにしています。
読了日:03月10日 著者:里見 蘭
シネマガール (角川文庫)シネマガール (角川文庫)感想
真琴が勤める廃校寸前の大学総務課にがやってきた前理事長の孫娘・リラ。ハリウッドでストーリー分析家として活動してきた彼女に振り回されながらも、仲間とともに大学存続に動き出すお仕事コメディ。理事長を中心に廃校に動き出した大学を存続させるべく、調査を始める真琴やリラたち。そのアプローチや真琴が密かに憧れる恋の行方にも映画を挙げて示唆するリラは自由奔放で、周囲は彼女の言動に振り回されがちでしたけど、秘密を探るうちに明らかになってゆく意外な真実と、恋に友情にテンポよく進むストーリー展開を楽しく読むことができました。
読了日:03月09日 著者:吉野 万理子
仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?感想
「失敗学」の見地から仕事の効率化や最短ルートを取るための考え方を説いた一冊。全体としては検索や付箋といったすでによく使われているツールをベースに、それをいかに使うのかポイントを押さえた解説はとても分かりやすかったです。自分の記憶力には限界があって、だからこそどうするのかの分かりやすい仕組み作りを考えるのは大事なことですね。いかに1回で終わらせるか、仕事の工数をきちんと見極めらえるようにすること、好奇心を失わないよう考え続けることの重要性。まずは何を考えるべきなのか改めてポイントを整理することができました。
読了日:03月09日 著者:飯野 謙次
君が描く空 - 帝都芸大剣道部 (中公文庫)君が描く空 - 帝都芸大剣道部 (中公文庫)感想
東京藝術大剣道部に事情があって三年生になってから入部してきた唯。それを指導することになった主将の壮介と、剣道部員たちが織りなす青春群像劇。複雑な家庭の事情を抱えながらも、画廊への契約条件として提示された初段を取ることを承諾した唯。割り切った唯の言動に戸惑い心配する一方で、憧れの部員・綾佳への想いにも揺れる壮介。そろそろ進路を意識せざるをえない部員たちが突きつけられる才能とそれに向き合う覚悟はシビアで、各々が直面する状況もまたほろ苦かったですが、それでも変わらない想いが垣間見える結末はとても心に響きました。
読了日:03月09日 著者:里見 蘭
死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)感想
沈没船が漂着した伊豆諸島東端にある須栄島。そこで村八分気味に扱われる美少女・椰々子と彼女が気になる同級生で名家の次男・杜弥たちが、島で起きる異変に巻き込まれてゆく青春ホラー。最初は親友の徹も含めた三人で謎解きするお話かと思って読んでいたのですが、海で死んだ男が甦り、巨大な人喰い鮫が現れ、さらにはブードゥー教などこれでもかと詰め込まれたカオスな状況。結果として終盤思わぬ展開になりましたが、あれだけ広げつつうまくまとめてみせたのは見事で、終わってみれば不思議と爽やかさすら感じさせる青春小説になっていました。
読了日:03月08日 著者:雪富 千晶紀
金曜日の本屋さん―夏とサイダー (ハルキ文庫)金曜日の本屋さん―夏とサイダー (ハルキ文庫)感想
「読みたい本が見つかる」と評判の駅ナカ書店・金曜堂は、倉井以外の三人全員が地元・野原高校出身。「読書同好会」復活を目指す現役野原高生・紗世がやってきたことをきっかけに過去が明らかになる第二弾。パン屋さん夫婦のすれ違いや過去の読書同好会のこと、そして店長の槙乃が大切に思っていた存在。1巻目含めたこれまでのエピソードが覆らない過去としていろいろ繋がって倉井に突きつけられましたけど、苦悩しながらもきちんと向き合って必死に考え思いを伝えた彼はとても素敵でした。これからどうなってゆくのか続巻の刊行を期待しています。
読了日:03月07日 著者:名取 佐和子
鵬藤高校天文部:君が見つけた星座鵬藤高校天文部:君が見つけた星座感想
高校入学直前に事故に巻き込まれた美月。入学が遅れ周囲に取り残されつつあった彼女がクラスメイトの誠に誘われるまま天文部に入部し、様々な出会いといくつかの事件に遭遇する青春ミステリ。入部していきなりの殺人事件には面食らいましたが、意外な結末に繋がってゆく事件の顛末と悪くない読後感、そして難しい状況を乗り越えるのに苦労していた美月が、誠やその幼馴染の村山といった天文部の面々と共に過ごしたり事件解決に関わってゆくうちに、その距離感の難しさを感じさせながらも少しずつ心を開いて行く展開はなかなか良かったと思いました。
読了日:03月07日 著者:千澤 のり子
モノクローム・サイダー あの日の君とレトロゲームへモノクローム・サイダー あの日の君とレトロゲームへ感想
高校最後の夏を迎えた平凡なゲームオタクの高校生・百式長之介が、昼休みの屋上でゲームをしている女の子・鯨武由美と出会い人生が動き出す自伝的小説。最初は彼女の前を通るくらいで精一杯だった彼が、勇気を出して声を掛けたことで始まった一緒にゲームをするようになる日々。なかなか思うようにいかないことばかりでしたけど、不器用でも諦めずにきちんと向き合おうと奮闘する百式くんと、共に過ごす日々を送るようになった鯨武さんが二人らしい形で積み重ねてきた関係がとても素敵だと思いました。続編もまた書籍で読めること期待しています。
読了日:03月06日 著者:鯨武 長之介
計画結婚 (文芸書)計画結婚 (文芸書)感想
とてつもない美人で頭もいいけど妙なところにこだわる久曽神静香が結婚?幼稚園からの唯一の友人や久曽神に恋をした美容師といった彼女に関わった人たちが、戸惑いながらも招待された結婚式に出席する物語。出席した友人によって語られる過去にあった静香の強烈なエピソード。一方で明かされてゆく新郎側出席者たちの事情と暴かれた新郎の過去。読めば読むほど何でこのような状況になったのかますます分からなくなっていきますが、そんな奇想天外に思える決断にも彼女にとっては確固たる理由があって、テンポよく進むストーリーは面白かったですね。
読了日:03月06日 著者:白河 三兎
ぼくのとなりにきみぼくのとなりにきみ感想
慎重で落ち着いた中学生のサクが、スポーツ万能で天真爛漫なハセや天然気味の同級生のチカとともに地元の古墳にまつわる謎の暗号解明に挑む青春小説。父親や妹との関係にもやもやしたものを抱える一方で、時には言動にイライラしつつチカのことが気になってゆくサク。言いたいことも言えなくて屈折した想いを抱えていた彼が、三人で謎解きを進める過程で事件解決に奔走したり暗号の意外な真実を解き明かしつつ、そんな積み重ねの先に変わるきっかけとなる着実な一歩があって、それを今後に期待感を抱かせる結末に導いてみせた素敵な物語でした。
読了日:03月05日 著者:小嶋 陽太郎
異世界居酒屋「のぶ」三杯目 (宝島社文庫)異世界居酒屋「のぶ」三杯目 (宝島社文庫)感想
相変わらず美味しい料理が提供されてゆく居酒屋のぶで、親子関係の修復や若領主の夫婦喧嘩、皇帝のお見合いも描かれる第三弾。美味しそうな描写とともに来客の中から人間関係の繋がりが広がりを見せる本作ですが、今回は夫婦関係や親子関係のありように触れるエピソードが多かったですね。個人的に良かったのは報告を読んでお忍びでのぶにやってきたセレスと、政略結婚的お見合いを忌避する皇帝コンラートの出会うべくして出会った二人の物語。幼王の粋な計らいも効いていて、それらをきっかけにしのぶもまた一歩踏み出したようで続巻が楽しみです。
読了日:03月04日 著者:蝉川 夏哉
妄想刑事エニグマの執着 (徳間文庫)妄想刑事エニグマの執着 (徳間文庫)感想
女の勘を通り越してオカルトじみた直感力で事件を解決に導く警視庁捜査一課の美女刑事江仁熊氷見子30歳が、相棒の真山刑事とともに難事件を解決に導く警察小説。エニグマって普通に名字かよとか、数学やら美術とか心理学といったすぐには結びつかないようなアプローチから(結果的に)事件解決に結びつけていくあたりが、著者さんらしいちょっと斜め上のアプローチのミステリでした。捜査方法以外はわりとまともなんですけどね。対照的なベテラン刑事とのやりとりもベタだなあと苦笑いしましたけど、真山刑事とのコンビわりと好きです。
読了日:03月03日 著者:七尾 与史
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術7 (講談社ラノベ文庫)異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術7 (講談社ラノベ文庫)感想
レムの中に残る魔王の魂を消すため儀式魔術が伝わっているというダークエルフの里に赴き、父王が死去したシェラのためにエルフの王国にも向かう第七弾。魔王復活が危惧されている状況で抱えている懸念材料を解消するために動いた今回。レムが代々続いてきた因縁から開放される一方で、今度はシェラが窮地に立たされるボリュームのある展開でしたけど、それを何とか乗り切ったと思ったら違う意味での難関に直面したディアブロさんのその後が気になります(苦笑)新キャラやこれまでとはレベルの違う強敵も現れて新展開が今から楽しみです。
読了日:03月03日 著者:むらさき ゆきや
おんみょう紅茶屋らぷさん ~式神のいるお店で、おかわりをどうぞ~ (メディアワークス文庫)おんみょう紅茶屋らぷさん ~式神のいるお店で、おかわりをどうぞ~ (メディアワークス文庫)感想
弟が刑事だった父に入れた紅茶の謎に悩む話、絵を借りようとした公使が紅茶にダメ出しした理由、そして正明と姉、師匠を巡る因縁に英子も巻き込まれてゆく第二弾。少しずつらぷさんの中で英子が認められつつある中で起こった正明と師匠である麿との対決。窮地に追い込まれた英子が知ることになった三人の過去と因縁。紅茶の講釈も多かったですが、それぞれが過去から前に進もうとしてるのを感じた今回、振り返ればヒントは随所にあった姉があの人だということに気づけなくてあとがきで驚きました(苦笑)続巻も広がりにも期待しています。
読了日:03月02日 著者:古野 まほろ
宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ (集英社オレンジ文庫)宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ (集英社オレンジ文庫)感想
銀座の店を閉め、正義の前から姿を消してしまったリチャード。リチャードの師匠・シャウルから情報を得た正義はイギリスへと向かい、リチャードを苦しめる過去の因縁に巻き込まれてゆく第四弾。自分の思いがどのようなものか分からないままイギリスに向かう正義と、リチャードの従兄や本人の口から語られる過去の因縁。結果オーライとはいえかなり無謀だった正義でしたけど、実は誤解されていたリチャードには苦笑いでした。一区切りついて因縁も解消されそうですけど、これからの二人の関係や谷本さんとの今後も含めて続巻が楽しみです。
読了日:03月01日 著者:辻村 七子
縛りプレイ英雄記 奇跡の起きない聖女様 (角川スニーカー文庫)縛りプレイ英雄記 奇跡の起きない聖女様 (角川スニーカー文庫)感想
凶悪すぎる見た目の高校生・仁王院陣が、回復魔法の失われた異世界に転移し、回復魔法が使えない聖女と出会って先行き不安な旅をする物語。異世界に来てトラウマのある道具を召喚できるようになった陣と、お人好しで今の状況に責任を感じている聖女・マリー。見た目で誤解されがちですが、誤解されることを恐れずにマリーを気遣い、他人のために奔走する陣を彼女はきちんと見ていて、わりといいコンビな二人でしたね。召喚契約も結んで仲間も増えそうなドタバタの道中がこれからどのようなものになるのか、続巻が楽しみな新シリーズです。
読了日:03月01日 著者:語部 マサユキ

読書メーター

4月の購入検討&気になるラノベほかピックアップ

というわけで4月の購入検討&気になるラノベほかピックアップです。3月が刊行多めな分4月はやや少なめですが、「京都寺町三条のホームズ」が2冊同時発売だったり「東京すみっこごはん」や「霊感検定」待望の続巻、浅葉なつさんのカカノムモノや君の「膵臓をたべたい」文庫化など気になる本が結構あったりします。実際には単行本はもう少し読みたい本ありそうですし、ここからセレクトしたり気まぐれに追加したりもしていますが、現時点で見えているのはこんな感じです。

 

講談社ラノベ文庫(3/31発売)
白翼のポラリス 阿部藍樹/やすも
[第6回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作>]
魔女と魔城のサバトマリナ 雨木シュウスケ/POKImari
軍師/詐欺師は紙一重 神野オキナ/智弘カイ

コバルト文庫(4/1発売)
太后のお化粧係 ふたりを結ぶ相思の花 柏てん

スニーカー文庫(4/1発売)
終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #04 枯野瑛/ue

HJ文庫(4/1発売)
押しかけ軍師と獅子の戦乙女2 在原竹広/黒獅子
インフィニット・デンドログラム― 3 海道左近/タイキ
造られしイノチとキレイな世界3 緋月薙/ふーみ
精霊幻想記 7 北山結莉/Riv

宝島社文庫(4/6発売)
長崎・オランダ坂の洋館 カフェ シュガーロードと秘密の本 江本マシメサ

ポプラ社文庫(4/6発売)
ショダチ! 向井湘吾

電撃文庫(4/8)
ゼロから始める魔法の書 IX ―ゼロの傭兵〈上〉― 虎走かける/しずまよしのり
俺を好きなのはお前だけかよ (5) 駱駝/ブリキ
いでおろーぐ!椎田十三/憂姫はぐれ
ニアデッドNo.7 九岡望/吟
剣と魔法と裁判所 蘇之一行/ゆーげん
読者と主人公と二人のこれから 岬 鷺宮/Hiten

光文社文庫(4/11発売)
東京すみっこごはん 親子丼に愛を込めて 成田名璃子
屋上のテロリスト 知念実希人

幻冬舎文庫(4/11発売)
ゲームセットにはまだ早い 須賀しのぶ

創元推理文庫(4/12発売)
今だけのあの子 芦沢央

双葉文庫(4/13発売)
京都寺町三条のホームズ6.5 ホームズと歩く京都 望月麻衣
京都寺町三条のホームズ7 贋作師と声なき依頼 望月麻衣

講談社文庫(4/14発売)
霊感検定 春にして君を離れ 織守 きょうや

GA文庫(4/15発売)
レーゼンシア帝国繁栄紀 七条剛/ゆきさん
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア大森藤ノ/はいむらきよたか
落第騎士の英雄譚12 海空りく/をん
最弱無敗の神装機竜12 明月千里/春日歩
我が驍勇にふるえよ天地4 あわむら赤光/卵の黄身

富士見L文庫(4/15発売)
夜桜荘交幽帳 井上悠宇/こずみっく
スープ屋かまくら来客簿 和泉桂/細居美恵子
ぼんくら陰陽師の鬼嫁 二 秋田みやび/しのとうこ

ノベルゼロ(4/15発売)
アカシックリコード 水野良/中原

ガガガ文庫(4/18発売)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 渡航/ぽんかん(8)
俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。 助供珠樹/いつい
青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。 境田吉孝/U35
月とライカと吸血姫2 牧野圭祐/かれい

富士見ファンタジア文庫(4/20発売)
豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい2 合田拍子/nauribon
ロクでなし魔術講師と追想日誌2 羊太郎/三嶋くろね
セブンキャストのひきこもり魔術王4 岬かつみ/mmu

集英社オレンジ文庫(4/20発売)
時をかける眼鏡 華燭の典と妖精の涙 椹野道流/南野ましろ
これは経費で落ちません!2 青木祐子/uki
エプロン男子 山本瑤/玉島ノン

MF文庫J(4/25発売)
エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~6 東龍乃助/みことあけみ

角川文庫(4/25発売)
憧れの作家は人間じゃありませんでした 澤村御影
[第2回角川文庫キャラクター小説大賞<大賞>]
窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きを 斎藤千輪
初恋は坂道の先へ 藤石 波矢

メディアワークス文庫(4/25発売)
続・ヒーローズ(株)!!! 北川恵海
ちどり亭にようこそ2 十三 湊

ファミ通文庫(4/28発売)
トリア・ルーセントが人間になるまで 三田千恵/ペイント娘
覇剣の皇姫アルティーナ XII むらさきゆきや/himesuz

新潮文庫nex(4/28発売)
カカノムモノ 浅葉なつ

双葉文庫(4/28発売)
君の膵臓をたべたい 住野よる

2017年2月に読んだ新作おすすめ本

 2月はついに「ビブリア古書堂の事件手帖」が完結したり、「最果てのパラディン」が思っていた以上に面白かったり、続巻でも興味深い本がなかなかありました。新作自体はそれほど手を出していなかったので今回はそれほど多くないですが、それぞれなかなか面白かったので興味があったら是非読んでみて下さい。

 

86―エイティシックス― (電撃文庫)

86―エイティシックス― (電撃文庫)

 

 帝国の無人兵器レギオンによる侵略を受け、有色人種を差別し戦わせてしのいでいた共和国。そんな若者たちを率いる少年・シンと、後方から彼らの指揮を執るハンドラーとなった少女・レーナが出会う物語。人権を認められない有人の無人機として戦い続ける「エイティシックス」の若者たち。現状に疑問を持つもののその過酷さを本当の意味では分かっていなかったレーナ。次々と仲間が死んでゆく厳しい状況で彼らに突きつけられる指令には絶望的な気持ちになりましたが、因縁にもきちんと決着を付け迎えた意外な結末はとても良かったですね。続編も期待。

豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい (ファンタジア文庫)

豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい (ファンタジア文庫)

 

 大人気アニメの嫌われ豚公爵に転生した主人公が、身分を秘した亡国の王女で今は自分の従者・シャーロットに告白するため、熟知するバットエンドを回避するべく奮闘する物語。才能に溢れて将来を嘱望された存在だったはずの豚公爵が、それを投げ捨ててしまった密かな理由。どこか悪徳令嬢ものっぽい雰囲気がある展開でしたが、落ちぶれていた豚公爵の決意とひたむきな想いは素直に応援したいと思えましたし、その評価を覆す奮闘ぶりはとても良かったですね。途中からやや物語に置いて行かれた感もあったメインヒロインでしたけど、今後の活躍に期待。

佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 1 (ファミ通文庫)

佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 1 (ファミ通文庫)

 

 高校二年生の春、ひとり暮らしを始めるはずだった弓月恭嗣が、不動産屋の手違いでひとつ年下の帰国子女・佐伯貴理華と同居するはめになってしまう物語。無防備な距離感で接してきて家の中と外とでは印象が違う佐伯さんと、苦い過去を持つがゆえに家の外では一定の距離を置こうとささやかな抵抗を続ける弓月くん。表情豊かでキャラとしてもよく動いている佐伯さんとの同居生活が弓月くんを少しずつ変えていって、その変化がクールな弓月くんの元カノ宝龍さんや周囲の友人たちにもまた影響を及ぼしてゆく展開はとても良かったです。続巻が楽しみです。

月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)

月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)

 

 連合王国より先に人類を宇宙へ到達させるべく、共和国の最高指導者はロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。実験体として選ばれた吸血鬼の少女・イリナと監視係に任じられた候補生レフの物語。蔑まれる境遇から自由を得るため実験体として志願したイリナ。そんな彼女に最初は戸惑いながらも、共に過ごし訓練するうちに大切な存在として思うようになってゆくレフ。あくまで実験体としてか扱われない彼女の境遇には厳しいものがありましたが、乗り越えて見せた彼女たちの未来が明るいものであることを信じたくなる素敵な物語でした。

最強魔法師の隠遁計画1 (HJ文庫)

最強魔法師の隠遁計画1 (HJ文庫)

 

 魔物が跋扈する世界。16歳という若さで軍役を満了し、退役を申し出若き天才魔法師のアルス。しかし手放したくない国の申し出で魔法学院に通い、後任を育成することになる物語。10万人以上いる魔法師の頂点に君臨しながら、楽をする方法を研究したいアルス。ふとしたきっかけから彼に教わることになったツンデレ貴族フィアと優しいアリス。隠遁計画のはずが結果的に育成計画に巻き込まれた感もありますが、最初に出会いながらなかなか素直になれないフィアが地歩を固める前に強力過ぎるライバルが出現しどうなるか、続巻が楽しみです。

神様は少々私に手厳しい 1 (プライムノベルス)

神様は少々私に手厳しい 1 (プライムノベルス)

 

 グラース国に転移した須山一樹は年下の少年ルーナと恋に落ちたものの日本に戻されてしまい、なぜか十年後のかつての敵対国に二度目の異世界転移を果たす物語。いい感じなところを戻されて、再び十年後の敵国に転移させられる設定からしてドタバタしていますが、珍妙な言動だったカズキが十年後の転移世界では「黒曜」として驚くほど美化されていて苦笑いですね。わりと再転移先でも恵まれていて、意外と早とちりなルーナとの再会も早かったですけど、黒曜の地位を狙う陰謀に巻き込まれてゆくドタバタ劇は楽しかったですし続巻も期待です。

 

 きちんとゲラを読んで理解し、本の表情を生み出すのが装幀家の役割だと信じる本河わらべが、出版社の合併で本の内容には目を通さない主義の巻島と組むことになり、ことあるごとに衝突しながらも本の装幀を作り上げていく物語。最初はゲラを読む読まないだけでなく、本に似合う装幀を作りたいと思うわらべと、多少強引でも売上に繋がるような装幀を意識する巻島が毎回衝突して苦笑いでしたけど、試行錯誤していく過程で徐々に連携も取れるようになったり、二人がそんな装幀を意識するきっかけに思わぬ顛末が待っていたりとなかなか楽しく読めました。

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)

 

 大切な姉の死からどこかなげやりに生きていた岡田卓也が、友人に頼まれ「発光病」で入院したままのクラスメイト・渡良瀬まみずと出会ったことで止まっていた二人の時間が再び動き始める物語。余命を宣告されたまみずに死ぬまでにしたいことがあると知らされ、それに協力することを約束した卓也。無茶振りされても奮闘する卓也がなかなか自覚できない自らの想いや、気持ちを伝えることに躊躇するまみずの距離感がもどかしかったですが、遠回りこそしたものの相手に真摯に向き合い大切に思う気持ちを伝え合った、切なくも心の琴線に触れる物語でした。

最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)

最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)

 

 世界的な大企業ハルウィンが年収8000万で超能力者をひとり採用する告知を出し、自称超能力者7名が採用日前日夜に街中で行われる最終試験に臨む物語。当日の時点で1通しかない採用通知書を持っていた人が採用される試験。特異な能力を活かし自らの目的を果たそうと参加した候補者たち。状況に応じて候補者が手を組み騙し合いながら二転三転する展開で、それぞれの事情も明らかになっていくものの未だ隠されている部分があって、最後まで読めない状況に思えたのに、終わってみれば収まるべきところに収まったように思える結末に唸らされました。

ソウルトランサー (徳間文庫)

ソウルトランサー (徳間文庫)

 

 美少女ハッカー・ゴーストを追い詰めたものの、気がつくと彼女と魂が入れ替わってしまった特対のレド。魂交換者のゴーストことソネットと共に原因を突き止めるため犯罪者が潜む迷宮街へと乗り込む物語。迷宮街で同時多発的に発生した魂交換により混乱する状況で迷宮街の最深部を目指す二人。立ち位置も違い認識がズレている二人の会話は楽しくて、二転三転する状況に振り回されながらテンポよく進んでいくストーリー展開も良かったですね。もう少しその後が読めればなとは思ったもののスッキリと終わった結末で、今後の作品にも期待です。

すしそばてんぷら (ハルキ文庫)

すしそばてんぷら (ハルキ文庫)

 

 早朝のテレビ番組でお天気お姉さんをしている寿々が、事務所の発案で江戸まちめぐりのブログを開設することになり「江戸の味」を求めて歩き回る物語。小学生時代を過ごした下町で祖母とのんびりふたり暮らしをしている寿々。長く付き合ってきた人に婚約を破棄されたりでどこか元気のなかった彼女が、ブログ開設を機に新しい仕事が増えたり、iPadを駆使して検索するおばあちゃんや幼馴染と美味しい江戸の味に挑戦したりと、優しく人情味のある展開はとても良かったです。あまり進展しなさそうな幼馴染との関係含めて続編に期待ですね。

 

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史

 

 雑誌コバルトの前身小説ジュニアから、WebマガジンCobaltまでの時代を追い、各時代の読者と「少女小説」の移り変わりを徹底追跡した一冊。コバルト文庫だけでなくX文庫やその他レーベルの変遷なども交えつつその歴史が語られていて、若木未生前田珠子桑原水菜あたりが活躍していた頃にがっつり影響を受けた覚えがある自分には、懐かしさとその後の推移になるほどなあという思いで興味深く読めました。書影があるともっとイメージしやすかったかもですが、それでもこれだけのボリュームをコンパクトにまとめていてとても良かったです。

「本をつくる」という仕事 (単行本)

「本をつくる」という仕事 (単行本)

 

 使われなくなった活字書体・秀英体の改刻事業、製紙工場の酸性紙から中性紙へと転換するプロジェクトにかける思い、活版印刷や校閲・校正、デザインなどのこだわり、海外エージェントの仕事など本を支えるプロに話を聞きに行くPR誌「ちくま」連載の書籍化。時代が変わっていく中でのこれまで本を支えてきたプロの矜持やこだわり、それを時には形を変えながらもその本質をうまく残して次代に引き継いでいくプロセスが描かれていて、昔を懐古するだけでなくこれからどうすべきなのか、登場した関係者たちの固い信念には感じるところが多かったです。

ぼくのミステリ・クロニクル

ぼくのミステリ・クロニクル

 

 東京創元社で長く編集者として活躍し、数多くの新人作家を発掘し戦後の日本ミステリ界を牽引した名編集者、戸川安宣さんの編集者人生を語り尽くした一冊。幼い頃の読書体験や自身が編集者になるまで、当時のミステリ界隈の事情や関わってきた企画や多くの作家さんたちのことがとても分かりやすい語り口で綴られていて、最初手に取った第一印象では分厚いなと感じましたが、それでも読みやすかったのはこの本の作り方が上手かったということですね。過去の出版業界を知る上での貴重な回想録という以上に、いろいろ感じることが多かった一冊でした。

本の時間を届けます

本の時間を届けます

 

三陸の廃校、瀬戸内の小さな島、東京の下町で、私設図書館や古本屋、ひとり出版社など「本が好き」な女性たちが選んだ「本にかかわる」自分らしい生き方が紹介された一冊。読んでいるともちろん転機やきっかけ、周囲の理解や後押しもあったとは思うんですが、何もないところから始めようとしたそのパワーやその思い切りの良さをとても感じますね。自分が感じたこと考えていること、やりたいと思うこととはまた違う形のアプローチですけど、こういう形で思いを伝えていきたいと自分なりに頑張っている人たちのことは素直に応援したいと思えました。

2月に読んだ本 #読書メーターより

2月は数字上87冊読んでることになっていますが、うち37冊がコミックだったりするので、実は書籍に限って言うといつもより全然読めていませんでした。体調悪かったり寝落ちが多かったりと読めなかったいろいろ理由はあるんですが、書籍は1日2冊ペースくらいは維持したいなとしみじみ思う今日この頃です。

 

2月の読書メーター
読んだ本の数:87
読んだページ数:22589
ナイス数:5201

天久鷹央の推理カルテV: 神秘のセラピスト (新潮文庫 ち 7-5)天久鷹央の推理カルテV: 神秘のセラピスト (新潮文庫 ち 7-5)感想
渋谷のスクランブル交差点に行くと指先が腐ると感じる少年、異様な若返りを実現した整体術の正体、そして再発した白血病から少女を救うため聖痕を持つ預言者の奇蹟に挑む第七弾。毎回こんな症状あるんだなと驚かされる本シリーズですが、何より白血病が再発した少女という苦い過去を思い出す構図に葛藤しながらも、骨髄移植手術を受けられるよう仲間と聖者の奇蹟を暴こうとする鷹央先生には成長を感じましたね(痛い目にも遭いましたがw)。振られネタをいじられまくりの小鳥先生とも相変わらずのいいコンビぶりで次巻がまた楽しみです。
読了日:02月28日 著者:知念 実希人
異世界詐欺師のなんちゃって経営術4 (角川スニーカー文庫)異世界詐欺師のなんちゃって経営術4 (角川スニーカー文庫)感想
元詐欺師のスキルをフル活用し、食堂を軌道にどうにか乗せはじめたヤシロ。大雨による不作・物価高騰に苦しむ領民とを追い詰める行商ギルドの非道さにヤシロが立ち上がり勝負を挑む第四弾。スラム街住民への偏見や大雨による不作・物価高騰という厳しい状況に直面したヤシロでしたけど、それでも何とかしようと活路を求め、自分のためというよりは困っている人たちのために勝負に出るあたり、ジネットたちと出会ってから変わりましたね。挑んだ勝負での大逆転といい感じにまとまった結末には、この物語らしさが詰まっていると思いました。
読了日:02月28日 著者:宮地 拓海
最強魔法師の隠遁計画1 (HJ文庫)最強魔法師の隠遁計画1 (HJ文庫)感想
魔物が跋扈する世界。16歳という若さで軍役を満了し、退役を申し出若き天才魔法師のアルス。しかし手放したくない国の申し出で魔法学院に通い、後任を育成することになる物語。10万人以上いる魔法師の頂点に君臨しながら、楽をする方法を研究したいアルス。ふとしたきっかけから彼に教わることになったツンデレ貴族フィアと優しいアリス。隠遁計画のはずが結果的に育成計画に巻き込まれた感もありますが、最初に出会いながらなかなか素直になれないフィアが地歩を固める前に強力過ぎるライバルが出現しどうなるか、続巻が楽しみです。
読了日:02月28日 著者:イズシロ
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-妄言録-(1) (ビッグガンガンコミックス)やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。-妄言録-(1) (ビッグガンガンコミックス)感想
書籍版12巻刊行が決まって何となくコミックで復習。1巻は雪ノ下との出会いと結衣・材木座・戸塚登場や、リア充軍団とのテニス対決で雪ノ下登場まで。そういえばこんな感じだったなーといろいろ懐かしい思いで読みました。ここから今のシリアス展開に繋がっていると思うと隔世の感がありますが、続きも読んでみようと思います。
読了日:02月27日 著者:佳月 玲茅
セブンス 4 (ヒーロー文庫)セブンス 4 (ヒーロー文庫)感想
知識や技術を得たり仲間を集めるため学術都市アラムサースにやってきたライエル一行。地下迷宮に入る学園の許可を得る方法を探る過程で、貴族の少女・ミランダに出会う第四弾。ミランダの紹介で地下迷宮に入る権利を得たライエルたち。目の見えない妹がいるミランダも訳ありな雰囲気でしたが、まさかこんな展開になるとは(苦笑)ヒロインは増えてもノウェムが手綱を締める状況に一石が投じられ、いろいろ濃いメンツが加わったことでパーティーの構成も変わりそうですね。依然としてノウェムも何か抱えてそうですし、これから面白くなりそうです。
読了日:02月27日 著者:三嶋 与夢
装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~ (メディアワークス文庫)装幀室のおしごと。 ~本の表情つくりませんか?~ (メディアワークス文庫)感想
きちんとゲラを読んで理解し、本の表情を生み出すのが装幀家の役割だと信じる本河わらべが、出版社の合併で本の内容には目を通さない主義の巻島と組むことになり、ことあるごとに衝突しながらも本の装幀を作り上げていく物語。最初はゲラを読む読まないだけでなく、本に似合う装幀を作りたいと思うわらべと、多少強引でも売上に繋がるような装幀を意識する巻島が毎回衝突して苦笑いでしたけど、試行錯誤していく過程で徐々に連携も取れるようになったり、二人がそんな装幀を意識するきっかけに思わぬ顛末が待っていたりとなかなか楽しく読めました。
読了日:02月27日 著者:範乃 秋晴
あやかしとおばんざい2 ~ふたごの京都妖怪ごはん日記~ (メディアワークス文庫)あやかしとおばんざい2 ~ふたごの京都妖怪ごはん日記~ (メディアワークス文庫)感想
京都であやかしを語り命を与える語り手の役目を務める、双子の大学生直史と妹まどかの兄妹。謎めいた「からくさ図書館」の面々やさまざまな出会いを経た直史が自分の進むべき道に巡り合う第二弾。今回はきのこの舞姫、狸の子どもたちを喜ばせるお話作り、龍の子を祝うの三編。からくさ図書館の面々が出てきて嬉しくなりましたが、依頼者の想いに寄り添って物語を書いていくうちに様々な縁もできて、自分の進むべき道が朧気ながらに見えてくる結末は良かったですね。今シリーズはこれで完結とのことですが楽しい双子にはまた再登場を期待しています。
読了日:02月26日 著者:仲町 六絵
はつ恋、ふたたび。(1) (KC デザート)はつ恋、ふたたび。(1) (KC デザート)感想
転校を繰り返していたキリが小学校時代二年間過ごしていた思い出深い町に帰ってきて、すっかり変わってしまったえーくんとBくんに再会する物語。5年ぶりに出会って弱虫だったのにヒーローになっていたBくんと、初恋の相手でどこか避けているえーくん。二人とキリをめぐる物語はベタな展開ですけど、いない間に何があったのか続巻がとても楽しみです。
読了日:02月26日 著者:桑佳 あさ
君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)君は月夜に光り輝く (メディアワークス文庫)感想
大切な姉の死からどこかなげやりに生きていた岡田卓也が、友人に頼まれ「発光病」で入院したままのクラスメイト・渡良瀬まみずと出会ったことで止まっていた二人の時間が再び動き始める物語。余命を宣告されたまみずに死ぬまでにしたいことがあると知らされ、それに協力することを約束した卓也。無茶振りされても奮闘する卓也がなかなか自覚できない自らの想いや、気持ちを伝えることに躊躇するまみずの距離感がもどかしかったですが、遠回りこそしたものの相手に真摯に向き合い大切に思う気持ちを伝え合った、切なくも心の琴線に触れる物語でした。
読了日:02月25日 著者:佐野 徹夜
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)感想
奇妙な縁で対峙することになった劇作家シェイクスピアのファースト・フォリオ。栞子さんの祖母や母・智恵子さんも巻き込んで祖父による巧妙な罠が張り巡らされる第七弾。明らかになる栞子さんの祖母近辺の事情や、祖父の仕事に関わっていた吉原が持ちかけてきた取引。智恵子さんの存在もあって大きく揺さぶられ危機的状況に陥った二人でしたけど、これまでに築いてきた人間関係による支えや二人が育んできた絆があったからこそ、その苦難を乗り越えてきちんと認められましたね。相変わらずなようで確かに変わった二人にとても安心できた結末でした。
読了日:02月25日 著者:三上 延
最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)感想
世界的な大企業ハルウィンが年収8000万で超能力者をひとり採用する告知を出し、自称超能力者7名が採用日前日夜に街中で行われる最終試験に臨む物語。当日の時点で1通しかない採用通知書を持っていた人が採用される試験。特異な能力を活かし自らの目的を果たそうと参加した候補者たち。状況に応じて候補者が手を組み騙し合いながら二転三転する展開で、それぞれの事情も明らかになっていくものの未だ隠されている部分があって、最後まで読めない状況に思えたのに、終わってみれば収まるべきところに収まったように思える結末に唸らされました。
読了日:02月24日 著者:河野 裕
からかい上手の高木さん 5 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)からかい上手の高木さん 5 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)感想
冒頭の衝撃的なシーンには一体何これ?とビックリさせられましたが、何だかんだかで相変わらず高木さんに振り回されっぱなしの西片くんが自覚ないままクリティカルに一矢報いていたラスト、高木さんのその表情を西片くんに是非見せてあげたかったです(苦笑)
読了日:02月24日 著者:山本 崇一朗
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 1 (ファミ通文庫)佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 1 (ファミ通文庫)感想
高校二年生の春、ひとり暮らしを始めるはずだった弓月恭嗣が、不動産屋の手違いでひとつ年下の帰国子女・佐伯貴理華と同居するはめになってしまう物語。無防備な距離感で接してきて家の中と外とでは印象が違う佐伯さんと、苦い過去を持つがゆえに家の外では一定の距離を置こうとささやかな抵抗を続ける弓月くん。表情豊かでキャラとしてもよく動いている佐伯さんとの同居生活が弓月くんを少しずつ変えていって、その変化がクールな弓月くんの元カノ宝龍さんや周囲の友人たちにもまた影響を及ぼしてゆく展開はとても良かったです。続巻が楽しみです。
読了日:02月24日 著者:九曜
最果てのパラディンIII〈下〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)最果てのパラディンIII〈下〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)感想
仲間を連れて向かった故郷での懐かしきガスとの再会と、鉄錆山脈へ向かう過程での予期せぬ出会い。そして仲間たちとともに邪竜との決戦に挑む第四弾。決戦に向かう前の相変わらずなガスや、ディーネとメネルとのやりとりがいいアクセントになっていましたが、さすがに強敵である邪竜との戦いは苦しく、そしてとても熱かったですね。しかしウィルはまた一段と人間離れした力を得たことで突き抜けた存在になってしまいましたし、このシリーズではレギュラー化しそうなヒロインなかなか出てないなと思ったらまさかの超展開でしたね(苦笑)続巻に期待。
読了日:02月24日 著者:柳野かなた
最果てのパラディンIII〈上〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)最果てのパラディンIII〈上〉 鉄錆の山の王 (オーバーラップ文庫)感想
聖騎士となったウィルが仲間と悪魔たちやキマイラを倒し人々に笑顔が戻り始めていた獣の森。しかし森の異常を感じ《獣の森》の深奥に挑んだウィルに、森の王から不吉な予言が告げられる第三弾。着実に秩序と平和が戻りつつあるのを実感する描写があった分、森の王の予言を裏付けるような不穏な変化と、不死神によってウィルに現時点での邪竜打倒の困難さを突きつけられる展開が引き立ちましたね。その上で悩みながらも仲間たちと共に邪竜を討つことを決意、さらにガスとの再会もあって決戦の下巻に向けうまく盛り上げてゆく素晴らしさがありました。
読了日:02月23日 著者:柳野かなた
現実主義勇者の王国再建記III (オーバーラップ文庫)現実主義勇者の王国再建記III (オーバーラップ文庫)感想
公国征伐を果たして占拠した公都・ヴァンで戦後処理に入った暫定国王のソーマ。一方でアドミニア公国の要請によりケイオス帝国女皇の妹ジャンヌ率いる帝国軍がヴァンに迫る第二弾。占拠した地で玉音放送を使用した娯楽番組を始めたソーマ。公国のこれまでの施策を逆手に取った見事な発想の転換でしたが、体裁は譲れない強大な帝国相手に巧みな駆け引きで現実的な先に繋がる成果をえたソーマの手腕が光りましたね。かと思えば周囲の支えが必要な部分もあるソーマは周囲と着実にいい関係を築きつつあって、そんな彼に挑むロロアの挑戦にも期待ですね。
読了日:02月23日 著者:どぜう丸
神話伝説の英雄の異世界譚 7 (オーバーラップ文庫)神話伝説の英雄の異世界譚 7 (オーバーラップ文庫)感想
駆け巡った軍神の死の知らせにリズ達は深く傷つき動揺するグランツ大帝国。一方六つ国軍側も軍神に対する対処を巡って二つに割れてしまい、弟を殺されたルカが憎悪のままに虐殺を開始する第七弾。侵攻を再開した六つ国の対応に追われる帝国のもとへ救援に現れた、レベリング王国のクラウディア女王と仮面の男・黒辰王。少なからず動揺したあの前巻の衝撃な結末から考えると正直やや拍子抜けな感もありましたが、展開自体は比呂の思惑通りに進んだ一方、リズの決意によりどういう構図になってゆくのか、二年経過するらしい第二部開始が楽しみですね。
読了日:02月22日 著者:
最果てのパラディンII 獣の森の射手 (オーバーラップ文庫)最果てのパラディンII 獣の森の射手 (オーバーラップ文庫)感想
死者の街を出て北に向かったウィル。道中出会ったハーフエルフのメネルドールや商人・トニオや楽師・ビィとともに向かった都市で何かに改造され凶暴化したワイバーンに遭遇する第二弾。三人に英才教育を施されていても、世間一般から見るとどこかズレているウィルでしたが、強さも一般的な基準から見たらかなり規格外でしたか(苦笑)だからこそそれを自覚したがゆえの暴走を身体を張って止めてくれる存在に早い段階で巡り合えたことはウィルにとって幸運でしたね。思ったより展開が早いですが、彼らがどこに向かうのか続巻が楽しみです。
読了日:02月22日 著者:柳野かなた
最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)感想
かつて滅びた死者の街。3人のアンデッドに育てられる子供として転生したウィルが、彼ら三人に教えを受け愛を注がれながら育てられ聖騎士への道を歩みだす物語。骸骨の剣士・ブラッド、神官ミイラ・マリー、偏屈な魔法使いの幽霊・ガスという訳ありだけれど力のある存在に英才教育を受けて育ったウィル。特殊な環境でしたけど彼らに愛されて成長した過程があるからこそ、三人のために立ち上がるウィルの奮闘と、家族のような存在であった彼らとの別れと旅立ちにほろりとなってしまいますね。ここからどんな旅になるのか次巻が楽しみです。
読了日:02月22日 著者:柳野かなた
紅霞後宮物語~小玉伝~(2)(プリンセス・コミックス)紅霞後宮物語~小玉伝~(2)(プリンセス・コミックス)感想
高貴妃の処分保留と小玉が身を挺して防いで皇帝・文林暗殺は失敗。首謀者たちの反乱計画をつぶすべく軍人皇后・小玉が立つ第二弾。そういえば原作でもこんな感じだったなあと思い出しながら読んでいましたが、小玉凛々しいですね(宝塚的ノリ?w)李昭儀に語られる形で描かれた小玉が後宮入りしてから皇后になるまでのお話も良かったです。
読了日:02月21日 著者:雪村 花菜(原作),栗美 あい(漫画)
ライトノベル・フロントライン3: 特集 第2回ライトノベル・フロントライン大賞はこれだ!ライトノベル・フロントライン3: 特集 第2回ライトノベル・フロントライン大賞はこれだ!感想
特集は第2回ライトノベル・フロントライン大賞発表で「あの夏、最後に見た打ち上げ花火は」を選出、著者インタビューや最終候補作品のレビュー。その他ライトノベルとアニメやゲームとのメディアミックス、ライトノベル雑誌について、皇族萌えとして杉井光「花咲けるエリアルフォース」について言及など。昨年12月刊行を差し引いても題材で挙げられるタイトルがやや古いのは少し気になるところで、候補作も納得と首を傾げる部分が半々くらいでしたが、当然選者によってアプローチも変わってくるので好みもあるのかもしれないですね。
読了日:02月21日 著者:大橋 崇行,山中 智省
神様は少々私に手厳しい 1 (プライムノベルス)神様は少々私に手厳しい 1 (プライムノベルス)感想
グラース国に転移した須山一樹は年下の少年ルーナと恋に落ちたものの日本に戻されてしまい、なぜか十年後のかつての敵対国に二度目の異世界転移を果たす物語。いい感じなところを戻されて、再び十年後の敵国に転移させられる設定からしてドタバタしていますが、珍妙な言動だったカズキが十年後の転移世界では「黒曜」として驚くほど美化されていて苦笑いですね。わりと再転移先でも恵まれていて、意外と早とちりなルーナとの再会も早かったですけど、黒曜の地位を狙う陰謀に巻き込まれてゆくドタバタ劇は楽しかったですし続巻も期待です。
読了日:02月21日 著者:守野 伊音
月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)感想
連合王国より先に人類を宇宙へ到達させるべく、共和国の最高指導者はロケットで人間を軌道上に送り込む計画を発令。実験体として選ばれた吸血鬼の少女・イリナと監視係に任じられた候補生レフの物語。蔑まれる境遇から自由を得るため実験体として志願したイリナ。そんな彼女に最初は戸惑いながらも、共に過ごし訓練するうちに大切な存在として思うようになってゆくレフ。あくまで実験体としてか扱われない彼女の境遇には厳しいものがありましたが、乗り越えて見せた彼女たちの未来が明るいものであることを信じたくなる素敵な物語でした。
読了日:02月20日 著者:牧野 圭祐
紅霞後宮物語~小玉伝~(1)(プリンセス・コミックス)紅霞後宮物語~小玉伝~(1)(プリンセス・コミックス)感想
原作は読了済でふと気になって手にとってみた一冊。この巻は高貴妃の処罰までで1巻1冊くらいの進み具合なんですかね。情報量的にどうしてもいろいろ端折られている部分はありますがうまくまとめられていて、個人的には原作での登場人物のビジュアルイメージがあまり明確でなかった分、新鮮な気持ちで読めました。
読了日:02月20日 著者:雪村 花菜(原作),栗美 あい(漫画)
ソウルトランサー (徳間文庫)ソウルトランサー (徳間文庫)感想
美少女ハッカー・ゴーストを追い詰めたものの、気がつくと彼女と魂が入れ替わってしまった特対のレド。魂交換者のゴーストことソネットと共に原因を突き止めるため犯罪者が潜む迷宮街へと乗り込む物語。迷宮街で同時多発的に発生した魂交換により混乱する状況で迷宮街の最深部を目指す二人。立ち位置も違い認識がズレている二人の会話は楽しくて、二転三転する状況に振り回されながらテンポよく進んでいくストーリー展開も良かったですね。もう少しその後が読めればなとは思ったもののスッキリと終わった結末で、今後の作品にも期待です。
読了日:02月20日 著者:菱川さかく
すしそばてんぷら (ハルキ文庫)すしそばてんぷら (ハルキ文庫)感想
早朝のテレビ番組でお天気お姉さんをしている寿々が、事務所の発案で江戸まちめぐりのブログを開設することになり「江戸の味」を求めて歩き回る物語。小学生時代を過ごした下町で祖母とのんびりふたり暮らしをしている寿々。長く付き合ってきた人に婚約を破棄されたりでどこか元気のなかった彼女が、ブログ開設を機に新しい仕事が増えたり、iPadを駆使して検索するおばあちゃんや幼馴染と美味しい江戸の味に挑戦したりと、優しく人情味のある展開はとても良かったです。あまり進展しなさそうな幼馴染との関係含めて続編に期待ですね。
読了日:02月20日 著者:藤野 千夜
本の時間を届けます本の時間を届けます感想
三陸の廃校、瀬戸内の小さな島、東京の下町で、私設図書館や古本屋、ひとり出版社など「本が好き」な女性たちが選んだ「本にかかわる」自分らしい生き方が紹介された一冊。読んでいるともちろん転機やきっかけ、周囲の理解や後押しもあったとは思うんですが、何もないところから始めようとしたそのパワーやその思い切りの良さをとても感じますね。自分が感じたこと考えていること、やりたいと思うこととはまた違う形のアプローチですけど、こういう形で思いを伝えていきたいと自分なりに頑張っている人たちのことは素直に応援したいと思えました。
読了日:02月19日 著者:篠賀 典子,芹澤 健介,北條 一浩
渡くんの××が崩壊寸前(3) (ヤンマガKCスペシャル)渡くんの××が崩壊寸前(3) (ヤンマガKCスペシャル)感想
石原さんと仲良くなりたい渡直人は、友人の計らいでクラスメイトたちとともに旅行で海に行くことに。石原さんといい雰囲気になっていくも、そこに石原さんの元カレと噂される男が現れ事態が一変する第三弾。病んでて強引なイケメン先輩相手に石原さんが頑張った今回でしたけど「私、重いよ?」発言が意味深過ぎるw 傍観者宣言していたはずの紗月の行動や、メガネくんの嗜好も気になるしで不穏な状況は続きそうですね。
読了日:02月19日 著者:鳴見 なる
アサシンズプライド5 暗殺教師と深淵饗宴 (ファンタジア文庫)アサシンズプライド5 暗殺教師と深淵饗宴 (ファンタジア文庫)感想
ロゼッティのクーファへの電撃的な求婚以来、気が気でないメリダ。実地研修に赴くことになったロゼッティの故郷で血塗られた秘密が解き放たれたかのように次々と惨劇が起こる第五弾。ロゼッティを無理矢理結婚させようとするいかにも怪しい義父の存在。ロゼッティの故郷で明かされてゆくクーファの過去。彼が姿を消し不安を抱えていたメリダでしたが、その秘密を明かされてからの戦いはなかなか劇的で、乗り越えた二人の絆はまた強まりましたかね。今回キーマンだったロゼッティも強力なライバルとして浮上した感がありますけど、今後の展開に期待。
読了日:02月18日 著者:天城ケイ
渡くんの××が崩壊寸前(2) (ヤンマガKCスペシャル)渡くんの××が崩壊寸前(2) (ヤンマガKCスペシャル)感想
ある日、直人は風邪をひいてしまい自宅で寝込んでいると、幼馴染の紗月がお見舞いにやってくる。また時を同じくして石原さんもお見舞いにやってくる第二弾。典型的なラブコメシチュエーションには苦笑いでしたが、登場する女の子たちの中で唯一比較的まともそうに見えてた石原さんも何か抱えてそうな雰囲気ですね。過去のトラウマが気になるところです。
読了日:02月18日 著者:鳴見 なる
豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい (ファンタジア文庫)豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい (ファンタジア文庫)感想
大人気アニメの嫌われ豚公爵に転生した主人公が、身分を秘した亡国の王女で今は自分の従者・シャーロットに告白するため、熟知するバットエンドを回避するべく奮闘する物語。才能に溢れて将来を嘱望された存在だったはずの豚公爵が、それを投げ捨ててしまった密かな理由。どこか悪徳令嬢ものっぽい雰囲気がある展開でしたが、落ちぶれていた豚公爵の決意とひたむきな想いは素直に応援したいと思えましたし、その評価を覆す奮闘ぶりはとても良かったですね。途中からやや物語に置いて行かれた感もあったメインヒロインでしたけど、今後の活躍に期待。
読了日:02月18日 著者:合田拍子
渡くんの××が崩壊寸前 (1) (カドカワコミックス・エース)渡くんの××が崩壊寸前 (1) (カドカワコミックス・エース)感想
両親を亡くし妹と二人で親戚を転々とする高校・渡直人は、久しぶりに再会した幼馴染・紗月に突如キスをされる。その現場を大切な妹・鈴白と、憧れの石原紫に目撃され、平穏な日常が一変してゆく物語。振り回す言動の多い紗月と、二人で生きてきた分兄離れができていない妹の鈴。優しいけれど優柔不断な直人が二人を周囲に抱えながらの不安定な状況で石原さんへの想いがどうなってゆくのか今後に期待。
読了日:02月17日 著者:鳴見 なる
かぐや様は告らせたい 4 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)かぐや様は告らせたい 4 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)感想
ついに会長妹が登場。妄想で計算しすぎていろいろ突っ走りがちなかぐやがなかなか可愛かったですが、会長のとてもない音痴を矯正する奮闘ぶりはともかく、神経衰弱でセコい手を使ってあっさりバレる藤原書記には苦笑い。石神会計もいい感じに話に絡んできててイベントが発生しそうな今後が楽しみです。
読了日:02月17日 著者:赤坂 アカ
いまさら翼といわれてもいまさら翼といわれても感想
鏑矢中学の卒業制作の鏡のレリーフに隠された真実、摩耶花が漫研を辞めた経緯、奉太郎のモットーがいかにして生まれたのか、合唱祭で歌うことになっていたえるが突然姿を消してしまった理由などが明かされる連作短編集。奉太郎の生き方に大きな影響を与えたいくつかの事件や、これまで事実のみ語られていた摩耶花の漫研退部といったエピソードによって古典部メンバーたちの変化が掘り下げられて、今後は何を目指すことになるのか、最後の話がとても気になりました。お姉さんは毎回ちょっとしか顔を出さないのに存在感ありますね(苦笑)続編も期待。
読了日:02月17日 著者:米澤 穂信
花魁さんと書道ガール2 (創元推理文庫)花魁さんと書道ガール2 (創元推理文庫)感想
花魁・春風の幽霊に取り憑かれた多摩子の唯一の親友・林檎が恋に落ち、林檎の兄・学との関係にも変化が訪れ、多摩子も書道家としての進路や自分自身の恋にも揺れ動く第二弾。今回は進路にも悩みつつ恋愛アドバイザーとして、大切な友人として、心境が変化しつつある多摩子自身も実際に相談に関わったり、自分もまさかの恋に悩んだりな展開。消えつつある中でも粋で要所をしっかりと締め、その過去も語られた春風さんと、彼女との関わりを通して成長してきた多摩子のやりとりはとても切なくてほろりとしましたが、とても心地よい読後感の物語でした。
読了日:02月16日 著者:瀬那 和章
ダンジョン飯 4巻 (ビームコミックス)ダンジョン飯 4巻 (ビームコミックス)感想
ついに炎竜のいる地下5階にたどり着いたライオス一向。強敵を相手にライオスたちが命をかけた作戦を決行する第五弾。文字通りの死闘でしたけど妹はやっぱり...と思ったので、そこから復活するとは想いませんでした(苦笑)良かったですけどここからどういう展開になるのか気になりますね。
読了日:02月16日 著者:九井 諒子
水鏡推理6 クロノスタシス (講談社文庫)水鏡推理6 クロノスタシス (講談社文庫)感想
過労死リスクを数値化し予防できる画期的新技術が文科省研究公正推進室による最終評価段階を迎え、評価担当者・水鏡瑞希が財務省若手官僚の過労死にまつわる実例を探る第五弾。今回は昨今多くの報道がなされている過労死をテーマに信頼できそうな理論が提示される中、提示された事例の中に直接は関係ないものの不審な点が見いだされる展開。官僚の過酷な労働環境にも触れつつ、明かされてゆく真実は意外な結末で、これはさすがに予想できなかったです(苦笑)毎回同僚が変わっていますが徐々に周囲に理解されるようになってきてますね。次巻も期待。
読了日:02月16日 著者:松岡 圭祐
デボネア・リアル・エステート3 傭兵は勇者となり、地上げ屋たちは浮遊城を堕とす。 (GA文庫)デボネア・リアル・エステート3 傭兵は勇者となり、地上げ屋たちは浮遊城を堕とす。 (GA文庫)感想
元超有名傭兵団の新興地上げ屋「完全な勝利者」に仕事を奪われ続けているデボネアたち。そんな状況で王子が「完全な勝利者」が組んでギルド設立を宣言、原初の鎮守精霊攻略の話が持ち上がる第三弾。天下のスタンザ商会すら出し抜く「完全な勝利者」の驚異的な仕事ぶり。それを率いるルーウィンの傭兵時代の旧知・イルミナとの再会。お約束の魅力的なキャラたちのドタバタ劇を織り交ぜつつ「完全な勝利者」と組んでの原初の鎮守精霊攻略はとてもらしい顛末で面白かったですが、エピローグはもう少しボリューム欲しかったかも。次回作も期待してます。
読了日:02月15日 著者:山貝エビス
高嶺と花 6 (花とゆめコミックス)高嶺と花 6 (花とゆめコミックス)感想
何だかんだでいい感じにまとまっていくのかなーと思いかけていたところに、まさかの高嶺に降ってわいた厳しい試練。これは確かに無茶振りだし混乱するよなーと同情しましたけど、おかもんのナイスアシストもあったりして、突き放そうとする高嶺を支える決意をした花が健気で、これは俄然気になる展開になってきましたね。
読了日:02月14日 著者:師走ゆき
紅霞後宮物語 第五幕 (富士見L文庫)紅霞後宮物語 第五幕 (富士見L文庫)感想
湖西の騒動は収まったものの事後処理に追われる文林。悩みは尽きない文林の疲れを癒やしてくれるのは、帳簿と不本意ながら小玉…と思ったら、突如持ち上がった小玉の不義疑惑。二人の関係にも変化が訪れる第五弾。文林も小玉で癒やされてるんだよなあと思いかけたところで、廃后を狙ってありもしない不義疑惑とかで周囲に足を引っ張られ、酔った勢い?とはいえこれはついに。。。と思ったら何とも苦い結末に頭を抱えました。パートナーとしての絆は揺るがないだけに、余計に最初からどこか拗らせてしまっている二人のすれ違いがもどかしいですね。
読了日:02月14日 著者:雪村花菜
皿の上の聖騎士〈パラディン〉3 ‐ A Tale of Armour ‐ (Novel 0)皿の上の聖騎士〈パラディン〉3 ‐ A Tale of Armour ‐ (Novel 0)感想
アイザックたちはレーヴァテイン王国と肩を並ぶ大国デュランダルにたどり着くが、主導権を巡って国を東西に分裂させてしまった兄弟と、そこにいる二匹の霊獣・スレイプニルコカトリスたちの争いに巻き込まれてしまう第二弾。東西それぞれの思惑がある中で、霊獣たちからアシュリーの体の一部を取り戻せないか機会をうかがうアイザックたち。そしてすっかり弱ってしまったドラゴンの父を心配する娘・イザドラの秘めた力。二体同時に霊獣を戦う苦しい展開でしたけど、その力の片鱗を見せたイザドラはまだ何かありそうで、今後の展開が楽しみですね。
読了日:02月14日 著者:三浦勇雄
りゅうおうのおしごと! 5 (GA文庫)りゅうおうのおしごと! 5 (GA文庫)感想
竜王初防衛戦のため一門で常夏のハワイを訪れた八一たち。名人との厳しい戦いに加えあいと天衣、桂香たちのマイナビ本戦も始まり、余裕のない中で誰もが傷つき苦悩する第五弾。ハワイでのイベントも吹っ飛んでしまう、追い詰められ余裕がなくなってからの大切な人たちと衝突してしまう展開は読んでいてなかなか厳しかったですね…。でも意外な人が見せた意地がきっかけとなって、(あいの実家には笑いましたが)その熱いギリギリの戦いには強く心を揺さぶられました。それぞれの想いが語られるエピローグも素晴らしかったですね。次巻も楽しみです。
読了日:02月13日 著者:白鳥 士郎
高嶺の花なら落ちてこい!!(2) (ガンガンコミックスONLINE)高嶺の花なら落ちてこい!!(2) (ガンガンコミックスONLINE)感想
恋に落とすはずが落ちちゃった白石くんと、天然でイケメン癖のある鈍感な黒河さんの物語第二弾。全巻最後の展開はやっぱりものの見事に空振りでしたか(苦笑)自称白石くんのライバル青山くんが登場してまさかの三角関係展開とか、いい雰囲気もあったのに結果的に一番の友達状態になってる二人の今後が気になりますねー。
読了日:02月13日 著者:夏目 あやの
有松恋染めノスタルジー (富士見L文庫)有松恋染めノスタルジー (富士見L文庫)感想
会社が倒産し絞り染めの産地・有松にある祖母の喫茶店を手伝うことになった雪奈。そんな彼女が常連客の絞り染め職人・沢口と知り合い、有松の地で様々な人々と関わるようになる物語。表情の読めない気ままな猫のような佇まいの一方で、職人としての姿を見せる沢口と、今後を考えてゆく中で徐々に有松に居場所を見出してゆく雪奈。展開としてはシンプルでさらっと読めるような展開でしたが、長く伝統を伝えてきた街で時代に合わせて形を変えながらも伝えていこうという想いや、落ち着いた雰囲気の中での二人の関係はなかなか悪くない読後感でした。
読了日:02月13日 著者:藍生 有
86―エイティシックス― (電撃文庫)86―エイティシックス― (電撃文庫)感想
帝国の無人兵器レギオンによる侵略を受け、有色人種を差別し戦わせてしのいでいた共和国。そんな若者たちを率いる少年・シンと、後方から彼らの指揮を執るハンドラーとなった少女・レーナが出会う物語。人権を認められない有人の無人機として戦い続ける「エイティシックス」の若者たち。現状に疑問を持つもののその過酷さを本当の意味では分かっていなかったレーナ。次々と仲間が死んでゆく厳しい状況で彼らに突きつけられる指令には絶望的な気持ちになりましたが、因縁にもきちんと決着を付け迎えた意外な結末はとても良かったですね。続編も期待。
読了日:02月13日 著者:安里 アサト,I-IV
高嶺の花なら落ちてこい!!(1) (ガンガンコミックスONLINE)高嶺の花なら落ちてこい!!(1) (ガンガンコミックスONLINE)感想
容姿端麗・頭脳明晰、学校の人気者な白石くん。女子はみんな白石を好きになる…はずだったのに、イケメンで高嶺の花な女子・黒河さんに出会ったことで、落とすどころか振り回される4コマラブコメ。わりと正統派イケメンの白石くんが、むしろ天然でいろいろ振り回してくる黒河さんを気になってゆく展開は読み進めるうちにじわじわとくる感じで楽しかったです。思わぬ展開になった続巻に期待。
読了日:02月12日 著者:夏目 あやの
劉備徳子は静かに暮らしたい 1 (花とゆめCOMICS)劉備徳子は静かに暮らしたい 1 (花とゆめCOMICS)感想
三国志の英傑たちが現代に転生。女子高生に転生して密かに人助けをしつつ静かに暮らしたい劉備徳子が、仲間たちと静かとは程遠い日々を送ることになる物語。徳子にちょっかいを出してくる曹操孫権の生まれ変わりも女の子で、周囲を男の子たちが取り囲む構成はいかにも少女マンガな感じですけど、いろいろ拗らせてる関羽の生まれ変わりの関くんとかそれぞれの主従関係もなかなか面白くて続巻が楽しみです。
読了日:02月12日 著者:仲野えみこ
剣と炎のディアスフェルドII (電撃文庫)剣と炎のディアスフェルドII (電撃文庫)感想
イアンマッドの王となったレオームは、超大国アルキランに対抗するためディアスフェルド統一に乗り出す。王として立つこと、ディアスフェルドを統一するとはどういう事かレオーム王の覚悟が試される第二弾。今回もレオームのために動くフィーリの積極的なアクションが物語を動かしましたが、苦戦が続く中での彼女の献身的な働きもさることながら、レオーム自身も敵対する相手とぶつかりながら王のありよう悩み苦しみつつ向き合って答えを出してゆく過程は読み応えがあってとても面白かったです。次回は兄の物語ということでこちらも期待しています。
読了日:02月11日 著者:佐藤 ケイ
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.13 (電撃文庫)ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.13 (電撃文庫)感想
レイドボス戦の誘いに乗って人を揃えて馳せ参じたアレイキャッツの面々。リーダー不在で迷走するレイドPTの状況に見かねて指揮官に就任したのはまさかのセッテさん。彼女が生徒会長にも立候補する第十三弾。要領よくお手軽参加型に見えていたセッテさんが見せた手腕。マスターの生徒会長引退も近づく状況で、コミュニケーション能力も高く人脈もある彼女の実力や境遇が垣間見える一方で、まさかのアコに指摘される意外な一面。レイドボス戦が鮮やかだっただけに、ああやっぱりなオチには苦笑い。これでこそこの作品ですよね。次巻も楽しみです。
読了日:02月11日 著者:聴猫 芝居
新米姉妹のふたりごはん (2) (電撃コミックスNEXT)新米姉妹のふたりごはん (2) (電撃コミックスNEXT)感想
一緒の生活で少しずつ距離を縮めていくサチとあやりの新米姉妹。普段料理をしているのはあやりだけど、サチも料理をする必要が出てきてチャレンジしたりもする第二弾。よくよく考えるとあやりの料理スキルの高さとか、豊富な調理器具とかご両親いつ登場するのかとか、時折垣間見えるあやりのこれまでの背景はいつ語られるのかとか気になる部分はいろいろあるのですが、サチのために頑張っちゃうあやりとそんなあやりを好ましく思うサチの距離感がいいですよね。相変わらず美味しそうな料理も目白押しで次巻も楽しみです。
読了日:02月11日 著者:柊ゆたか
新米姉妹のふたりごはん (1) (電撃コミックスNEXT)新米姉妹のふたりごはん (1) (電撃コミックスNEXT)感想
親の再婚によって突然妹・あやりができた女子高生のサチ。さらに両親が夫婦で早々に海外出張したことで、いきなり二人暮らしを迫られる物語。掴みどころのないあやりとのやりとりに苦慮していた食いしん坊のサチが、料理好きのあやりと美味しいご飯を通じて仲良くなってゆく、読んでいてとても美味しそうでお腹が空くとても心温かいストーリーが良かったです。でも幼馴染からしたらいきなりそんな存在が現れて傾倒していったらそりゃ複雑な気持ちになるよなあとちょっと同情しました(苦笑)
読了日:02月11日 著者:柊ゆたか
寄宿学校のジュリエット(4) (講談社コミックス)寄宿学校のジュリエット(4) (講談社コミックス)感想
犬塚の兄・藍瑠に2人の関係を疑われ、心待ちにしていたペルシアの誕生日は台無しに…。しかし、犬塚は兄を欺き誕生日を祝うため、仲間を引き連れ白猫の寮に乱入する第四弾。傷ついても一緒にいたい露壬雄と、傷つく姿が見たくなくて突き放してしまうペルシア。真実の恋を守り抜くためにこれでもかと身体を張ってしまう二人だけに、要所要所で見せる初々しい距離感のギャップが凄まじく甘くて悶えそうになります。著者が全身壁ドンを実際に弟で実験してたらしくて思わず笑ってしました。
読了日:02月11日 著者:金田 陽介
高嶺と花 5 (花とゆめコミックス)高嶺と花 5 (花とゆめコミックス)感想
花の学校の文化祭に現れた高嶺。クリスマスに予定がない花を高嶺が誘う一方で、高嶺を「先輩」と呼び「好き」と言い切る美女や、小さい高嶺そっくりな従弟の大海が現れる第五弾。高嶺絡みで出て来る新キャラが濃くて苦笑いですが、相変わらずな展開でも少しずつ変化があって、花が逆境でも意外と強くてブレないことで彼らに認められてゆく感じがいいですね。クリスマスがどうなるのか次巻が楽しみです。
読了日:02月10日 著者:師走ゆき
魔法科高校の劣等生(21) 動乱の序章編〈上〉 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生(21) 動乱の序章編〈上〉 (電撃文庫)感想
三年生となり新入生に十師族直系とその幼馴染が入学。南米大陸で戦略級魔法が使用され、それを契機に世界中で動乱の嵐が吹き荒れ日本も巻き込まれてゆく第二十一弾。新キャラはエリカが目をつけた幼馴染の今後の成長が気になるところですが、元々注目されつつあった達也が深雪の婚約者とされたことで周囲の見る目も変わり、どのような思惑なのか達也を試すべく暗躍する人たちもいたりで、軍内部や十師族との距離感も微妙なものになっていきそうな予感ですね。難しい立場の達也たちがどのような状況に巻き込まれてゆくのか、今後の展開が楽しみです。
読了日:02月10日 著者:佐島 勤