今回は12月富士見ファンタジア文庫の新刊感想まとめです。内訳は富士見ファンタジア文庫の新作3点、続巻3点の計6点になります。気になる作品があったらこの機会にぜひ読んでみて下さい。
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配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信 (富士見ファンタジア文庫)
佐藤 悪糖/福きつね KADOKAWA 2024年12月20日
ダンジョン探索に記録が義務付けられた世界。コミュニケーションは苦手でも最強な配信者「日療の白石」さんが、人助けしながら成長してゆくダンジョン配信ファンタジー。コミュニケーションが苦手ゆえに無言配信を続け、窮地に陥った探索者たちを黙々と救助しながら、魔物を瞬殺して名乗りもせず去っていく、無名ではあってもダンジョン配信で最も話題な配信者・白石さん。そんな彼女が大手医療法人・日療にスカウトされて国内初の迷宮救命士として活動を始める展開で、厳しい状況でも人を救うことを諦めない白石さんがカッコよくて、彼女を無名な頃から見守ってきたリスナーたちや、その行動に理解を示しつつも何かと無茶をしがちな白石さん叱ってくれる周囲の大人たちの存在もいい感じに効いていました。
隣の席の王女様、俺の前だけ甘々カノジョ (富士見ファンタジア文庫)
暁刀魚/パルプピロシ KADOKAWA 2024年12月20日
貴族ばかりの魔導学園に特待生として入学した平民のハイム。周囲に蔑まれるのも気にせず魔術を研鑽していたある日、王女の正体という国家機密を知ってしまうラブコメファンタジー。日頃からハイムを気にかけてくれるクラスメイトの女の子フィーアは、実は変身魔法で下級貴族の娘として通っていた第三王女だったことをうっかり知ってしまい、懐いてくる彼女と甘い関係を築いて秘密を共有しながら、フィーアを狙いハイムに嫌がらせをしてくる傲慢貴族と対峙していく展開で、犬系美少女フィーアも魅力的でしたけど、これまで悪目立ちすることを避けるため実力を加減していたハイムが、彼女とともにあるために困難に立ち向かう覚悟を決めて、その秘めた力で圧倒してゆく熱い展開はなかなか良かったですね。
一つ年上で姉の友達の美人先輩は俺だけを死ぬほど甘やかす。 (富士見ファンタジア文庫)
結乃 拓也/葛坊 煽 KADOKAWA 2024年12月20日
校内一の美少女として有名な緋奈藍李。雅日柊真にとっては姉の友達でしかなかった先輩からぐいぐいアプローチされて甘やかされる青春ラブコメ。最初はまともな会話すらしたことがない顔見知り程度の関係だったのに、姉の代わりに先輩の家へお見舞いに行ったのをきっかけに、緋奈先輩の方からぐいぐいアプローチして甘やかしてくる展開で、いろいろうっかりな言動が多い柊真の姉が無自覚に2人の関係を進展させる存在として効いていましたが、思ってもみなかった攻勢に最初はたじたじになって、彼女とは釣り合わないと戸惑いながらも周囲に秘密の恋人(仮)の関係になって、けれどそれをきっかけに彼女にふさわしい存在になろうと覚悟を決めた柊真の頑張りはなかなか良かったですね。
王様のプロポーズ7 烏黒の従者 (富士見ファンタジア文庫)
無名が知らぬ間に転校していたことを知った無色と瑠璃の姉・玖珂惑香。その理由に納得しない惑香を説得するため、〈空隙の庭園〉学園祭・庭園夜会に招待する第7弾。転校の理由を問われて想い人の存在を告げるものの、それだけでは納得しない惑香に久遠崎彩禍を紹介することになった無色。しかし彩禍が無色であることが一瞬でバレてしまい、窮地に陥った状況で烏丸黒衣が惑香に勝負を挑む展開で、無色のことに関してはいろいろ目ざとくて突っ込む瑠璃や、これまで登場したキャラたちも集結する学園祭のあれこれもなかなか楽しかったですし、何より最強の保護者相手に苦闘する中で自らの想いを自覚してゆく黒衣の動揺が可愛かったです。これは続きがますます楽しみになってきました。
双子まとめて『カノジョ』にしない?4 (富士見ファンタジア文庫)
白井 ムク/千種 みのり KADOKAWA 2024年12月20日
結城学園との合同体育祭の準備を進める最中に、咲人の褒美を巡って千影も光莉が盛り上がる一方、幼馴染の柚月からも咲人に対して体育祭で勝負が持ちかけられる第4弾。体育祭で勝負して勝った方が咲人から『特別なご褒美』がもらえると聞いて、熱いバトルを繰り広げおねだりも加速する千影と光莉。事情を知らない柚月から持ちかけられた勝負もあって、グイグイくる2人にドキドキしながら、彼自身もまたこの勝負に勝つべく鍵を握るキーマンを動かすために奔走して、自らの力で子供の頃からの因縁と想いに決着をつける展開はなかなか良かったですけど、3人の関係をどうやって周囲に認めてもらうのか改めて気になりましたし、何より青天の霹靂ともいえる最後の急展開が今後に何をもたらすのか気になりますね…。
校内三大美女のヒモしてます2 (富士見ファンタジア文庫)
校内三大美女に想いを寄せられてヒモになった京坂京。しかし校内では三大美女と京のゴシップが流れ、3人の創作活動ではスランプ問題が発生する第2弾。3人のお世話をしながら彼女たちにぐいぐい迫られるままにプールで密着したり、水着選びに付き合ったりと、刺激的なヒモ生活を送る京の苦悩。このままで良くないと妹に相談しながら、彼女たちとの距離感を試行錯誤する一方で、広がっていくゴシップに思いがけない形で陥った創作活動でのスランプ。実は意外と不器用な彼女たち一人ひとりの想いも浮き彫りになってゆく中で、それぞれの思いを確認しながらしっかりと向き合って、今の自分に何ができるのかを懸命に考えて行動する京の頑張りがなかなか良かったですね。

